JP7286939B2 - コーヒーホワイトナー - Google Patents

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Description

本発明は糖質含量が少ないコーヒーホワイトナーに関する。
近年、健康維持の観点から糖質制限や糖質コントロールなど、糖質を考えた食事が話題になっている。糖質制限とは、エネルギー源となる3大栄養素であるたんぱく質、脂質、炭水化物(糖質)のうち、糖質の摂取量を減らすなど、糖質を制限する、あるいはコントロールすることを狙った考え方である。飲料分野でもノンアルコールビールテイスト飲料等の糖質制限の考え方を取り入れた商品の開発が進んでいる。
この流れは、コーヒーホワイトナーについても例外ではない。コーヒークリームやコーヒーフレッシュなどのコーヒーホワイトナーは、コーヒーや紅茶などの飲料だけでなく、コーヒーゼリー、プリン、フルーツゼリーの上掛けなどにも利用され、コーヒーなどの苦味に乳のマイルド感を付与することができ、家庭やカフェ、レストラン、コンビニエンスストアなどで広く消費者に利用されている。
コーヒーホワイトナーとは、水と油を含む水中油型乳化物であり、一般に脱脂粉乳や全粉乳等の乳固形分を配合することにより乳風味を付与している。しかし、脱脂粉乳には糖質である乳糖が約53重量%、全粉乳には乳糖が約39重量%含有されている。そのため、糖質の含量が0.5重量%未満という低糖質条件下では、乳風味を付与する目的でこれらの乳固形分を実質的に配合することができないという問題があった。
このような状況下、例えば、特許文献1では、粉乳の乳糖含量を低減させるためにアルコール発酵させた後噴霧乾燥を行なう製造方法が開示されている。しかしながら、この製造方法は工程が煩雑なため汎用性に欠けていた。また、特許文献2では、糖質の含有量が少ない起泡性水中油型乳化組成物が開示されている。しかし、この起泡性水中油型乳化組成物は、高甘味度甘味料と乳清ミネラルを含有することを特徴としており、繊細な香りと味を楽しむ飲料用途としては風味面で十分満足しうるものではなかった。
特開平08-256682号公報 特開2011-101637号公報
本発明が解決しようとする課題は、低糖質でありながら、コーヒーや紅茶などの飲料に添加する事により、殺菌臭及び加熱臭が少なく、良好な乳風味が感じられるコーヒーホワイトナーを提供することである。また、他の目的は、本発明のコーヒーホワイトナーを含有することにより、加熱殺菌による風味の劣化が軽減された飲料を提供することである。
本発明者らは、上記課題に対し鋭意検討を行った結果、コーヒーホワイトナーに無脂乳固形分を含有しない乳脂を用いることにより、意外にもコーヒーや紅茶などの飲料に加えた際に、殺菌臭及び加熱臭が少なく、良好な乳風味が感じられるという知見を見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明は
(1)糖質が0.5重量%以下であり、総油分が5~50重量%かつ乳脂含量が0.5重量%以上であることを特徴とするコーヒーホワイトナー、
(2)中鎖脂肪酸トリグリセリド(MCT)を0.5重量%以上含有する(1)記載のコーヒーホワイトナー、
(3)高甘味度甘味料含量が0.05重量%以下である(1)または(2)記載のコーヒーホワイトナー、
(4)(1)から(3)のいずれか1つに記載のコーヒーホワイトナーを配合し、加熱殺菌して調製された飲料、
に関するものである。
本発明により、糖質の含有量が少ないにも拘わらず、殺菌臭及び加熱臭が少なく、良好な乳風味が感じられるコーヒーホワイトナーを得ることができる。また、本発明のコーヒーホワイトナーを含有することにより、加熱殺菌による風味の劣化が軽減された飲料を得ることができる。
以下、本発明を具体的に説明する。
本発明のコーヒーホワイトナーでは、糖質が0.5重量%以下である。より好ましくは0.3重量%以下であり、さらに好ましくは0.2重量%以下であり、糖質を含有しないのが最も好ましい。
本発明において糖質とは、健康増進法に基づく栄養表示基準制度に定義されたものであり、単糖類、二糖類や多糖類等を例示することができる。より具体的には、単糖類として、グルコース、フラクトース、ガラクトースやマンノース等、二糖類として、スクロース、乳糖、麦芽糖、トレハロースやセロビオース等、多糖類として、スタキオース、マルトトリオース、マルトテトラオース、マルトペンタオース、デキストリンやでんぷん等を例示することができる。また、糖アルコールであるキシリトールやマルチトール等や高甘味度甘味料であるスクラロースやアセスルファムカリウム等を例示することができる。
本発明において糖質の量は、公知の方法に従って行うことができ、当該試料の重量から、水分、タンパク質、脂質、灰分および食物繊維量を除いて算出する方法(栄養表示基準参照)に従って測定することができる。タンパク質、脂質、食物繊維、灰分、及び水分の量の測定方法としては、以下の方法を例示することができる。タンパク重量の測定方法としては、窒素定量換算法などである。脂質重量の測定方法としては、エーテル抽出法、クロロホルム・メタノール混液抽出法、ゲルベル法、酸分解法、レーゼゴットリーブ法などである。食物繊維の量の測定方法としては、高速液体クロマトグラフ法、プロスキー変法、酵素一重量法、硫酸添加灰化法などである。灰分の量の測定方法としては、直接灰化法などである。水分量の測定方法としては、常圧加熱乾燥法、減圧加熱乾燥法、カールフィッシャー法又は蒸留法などである。なお、栄養表示上の炭水化物は、糖質と食物繊維の総称であるため、栄養表示基準でいう糖質とは、炭水化物から食物繊維を差し引くことにより算出できると定義されている。但し、糖質には高甘味度甘味料が含まれているため、高甘味度甘味料を使用している場合には十分な注意が必要である。
本発明のコーヒーホワイトナーの総油分は、5~50重量%である。好ましくは7~48重量%であり、より好ましくは9~45重量%である。コーヒーホワイトナーの総油分が下限値より少ないと、コーヒー等に添加した場合に乳風味が十分に感じられないことがある。一方、上限値より多いと、コーヒーホワイトナーの乳化安定性が悪くなることがある。
本発明のコーヒーホワイトナーは、乳脂含量が0.5重量%以上である。好ましくは3重量%以上であり、より好ましくは7重量%以上である。乳脂含量が、下限値より少ないと乳風味がやや弱くなることがある。本発明のコーヒーホワイトナーの一態様としては、油脂が乳脂からなるものである。
本発明でいう乳脂(バターオイル)とは、バター又はクリームからほとんどすべての乳脂肪以外の成分を除去したものであり、無水乳脂肪、澄ましバター、分別乳脂肪等を例示することができる。乳脂肪の製法は、たとえば無塩バターを40~80℃で融解した後、遠心分離(5000r.p.m.、10分間)して得ることができる。本発明では、これらの工業的に流通している乳脂肪を使用することができる。なお、典型的なバターの組成は、成分の83重量%が乳脂肪であり、水分を16重量%及び無脂乳固形分を含む油中水滴型エマルションであり、後述する無脂乳固形分の含量を超えない範囲であれば、乳脂の原料としてバターを使用することもできる。また、バターオイル中には乳糖は含まれていない。
また、本発明のコーヒーホワイトナーは、MCT含量が0.5重量%以上が好ましく、乳脂と併用することがより好ましい。さらに好ましくはMCT含量が3重量%以上であり、最も好ましくは5重量%以上である。MCT含量が下限値より少ないと、乳風味の付与効果がやや弱いことがある。
本発明でいう中鎖脂肪酸トリグリセリド(MCT)とは、炭素数8及び10の飽和脂肪酸で構成されたトリグリセリドを意味する。炭素数8及び10の飽和脂肪酸の合計量は、全構成脂肪酸の98質量%以上である。本発明において、中鎖脂肪酸トリグリセリドを構成する脂肪酸により特に制限されるものではないが、なかでも構成脂肪酸として炭素数8と10の脂肪酸を50:50~80:20の範囲で含むことが好ましい。より好ましくは、炭素数8と10の脂肪酸を60:40~70:30程度で含むことが好ましく、最も好ましくは60:40である。
本発明でいう乳脂及び中鎖脂肪酸トリグリセリド以外の油脂としては、特に制限されることはなく、他の油脂を添加してもよい。添加する油脂としては、食用油脂であればいかなる油脂でもよいが、例えば、コーン油、大豆油、ごま油、こめ糠油、ベニバナ油、綿実油、ひまわり油、菜種油、ヤシ油、パーム油、パーム核油、オリーブオイル、ピーナッツオイル、アーモンドオイル、アボガドオイル、へーゼルナッツオイル、ウォルナッツオイル、エゴマ油等の植物性油脂並びにこれらを水素添加、分別及びエステル交換から選択される1種以上の処理を施した加工油脂が挙げられる。これらの油脂を単独で用いることもでき、又は2種以上を組み合わせて用いることもできる。なかでも、ヤシ油、パーム核油及びこれらの加工油脂であり、水中油型乳化物に適した物性と風味、安定性が得られる点で好ましく、より好ましくはヤシ油及びパーム核油高融点画分である。
本発明のコーヒーホワイトナーは、高甘味度甘味料含量が0.05重量%以下であることが好ましい。より好ましくは0.02重量%以下、さらに好ましくは0.01重量%以下であり、高甘味度甘味料を含有しないのが最も好ましい。
本発明でいう高甘味度甘味料とは、ショ糖と比べて十倍から千倍の甘味を有し、微量の添加で飲食品に甘味を付与することができる人工又は天然の甘味料を意味する。例えば、アセスルファムカリウム、スクラロース、ソーマチン、アスパルテーム、ステビア(レバウディオサイド、ステビオサイド)、サッカリン、サッカリンナトリウム、甘草、羅漢果、ネオテーム、マビンリン、ブラゼイン、モネリン、グリチルリチン、アリテーム、チクロ、ズルチン、ネオヘスペリジン等を挙げることができる。
本発明のコーヒーホワイトナーは、一般的に用いられる食品用乳化剤を使用する事ができ、特に限定されるものではない。例えば、グリセリン脂肪酸エステル、有機酸モノグリセリド、ポリグリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、レシチン、酵素分解レシチン等を使用することができる。好ましくはショ糖脂肪酸エステル及びレシチン、またはショ糖脂肪酸エステル及びポリグリセリン脂肪酸エステルを単独、または2種以上を組み合わせて使用する事ができる。
本発明のコーヒーホワイトナーに含まれる食品用乳化剤の総含量は、0.01~3.0重量%が好ましく、より好ましくは0.05~2.0重量%であり、さらに好ましくは0.1~1.0重量%である。食品用乳化剤の総含量が、下限値未満ではコーヒーホワイトナーの乳化安定性が悪くなることがあり、逆に上限値を越えると風味的に悪化させることがある。
本発明のコーヒーホワイトナーは、無脂乳固形分含量が0.5重量%以下であることが好ましく、より好ましくは0.3重量%以下、さらに好ましくは0.2重量%以下、最も好ましくは無脂乳固形分を含有しない。無脂乳固形分が上限値より多すぎると、本発明のコーヒーホワイトナーを添加した飲料を加熱処理した際に、褐変や風味劣化をすることがある。
本発明のコーヒーホワイトナーには、例えば、上述以外の香料成分、酸化防止剤、増粘多糖類、各種塩類、着色料、酸味料、pH調整剤、保存料、栄養強化剤等の一般的なコーヒーホワイトナーに使用される添加物を、本発明の効果を妨げない範囲で適宜配合することができる。酸化防止剤としては、特に制限されることはなく、トコフェロール、アスコルビン酸及びその塩、並びにアスコルビルパルミテートのようなエステル等を例示することができる。また、増粘多糖類としては、ジェランガム、キサンタンガム、ローカストビーンガム、プルラン、グァーガム、サイリウムシードガム、水溶性大豆多糖類、カラギーナン、タマリンド種子ガム及びタラガムから選択される1種又は2種以上の増粘多糖類を使用することができる。さらに、各種塩類としては、ヘキサメタリン酸塩、第2リン酸塩、クエン酸ナトリウム、ポリリン酸塩、重曹等を単独又は2種以上を混合使用することができる。
本発明のコーヒーホワイトナーの製造方法について説明する。例えば、水を60~70℃に加熱しながらカゼイネート、及び乳化剤を加えて攪拌し、溶解あるいは分散させた水相を調整後、あらかじめ調合した油相を添加し、予備乳化を行う。予備乳化後、ホモゲナイザーにて均質化し、バッチ式殺菌法、または間接加熱方式あるいは直接加熱方式によるUHT滅菌処理法にて滅菌し、再びホモゲナイザーにて均質化し冷却する。本発明のコーヒーホワイトナーは、上記以外の当業者に公知の方法によっても製造する事ができる。
本発明のコーヒーホワイトナーは、例えばこれを収納した容器と併せて流通することもできる。組成物が加熱滅菌され、無菌充填することができるため、保存、輸送が容易であり、必要な時直ぐに利用できる利点がある。充填法としては、当該コーヒーホワイトナーをあらかじめ加熱滅菌した後に無菌的に容器に充填する方法(例えばUHT滅菌とアセプティック充填を併用する方法)、また、当該コーヒーホワイトナーを容器に充填した後、容器と共に加熱滅菌する方法(例えばレトルト殺菌)などが採用できる。なお、UHT滅菌法では、間接加熱方式および直接加熱方式のどちらも使用することができる。
本発明のコーヒーホワイトナーは、コーヒー、紅茶、抹茶、緑茶、ほうじ茶、ココア等の飲料に添加、又は混合したする事により殺菌臭及び加熱臭が少なく、良好な乳風味が感じられる。本発明のコーヒーホワイトナーの添加量としては、本願発明の効果が発揮される0.5~30重量%が好ましい。より好ましくは1.5~28重量%であり、さらに好ましくは2.0~25重量%である。コーヒーホワイトナーの添加量が下限値よりすくないと、乳風味の付与効果が弱いことがあり、逆に上限値を超えると、油っぽく感じることがある。
本発明でいう飲料の加熱殺菌とは、適用されるべき法規(日本にあっては食品衛生法)に定められた条件に適合するものであれば特に限定されるものではない。例えば、レトルト殺菌法、高温短時間殺菌法(HTST法)、超高温殺菌法(UHT法)などを挙げることができる。また、容器詰飲料の容器の種類に応じて加熱殺菌法を適宜選択することも可能であり、例えば、PETボトルを飲料容器として用いる場合などはUHT殺菌が好ましい。また、加熱装置や加熱方式にも特に制限はなく、例えば、直接水蒸気を吹き込むスチームインジェクション式や飲料を水蒸気中に噴射して加熱するスチームインフュージョン式などの直接加熱方式、プレートやチューブなど表面熱交換器を用いる間接加熱方式など公知の方法を採用することができる。
本発明のコーヒーホワイトナーを添加、又は混合した飲料は、加熱殺菌工程においても容易に乳化破壊しない。また、本発明のコーヒーホワイトナーには無脂乳固形分が少ないため、飲料形態での加熱殺菌後も風味劣化が少ない。
以下に本発明の実施例を記載するが、この発明の技術思想がこれらの例示によって限定されるものではない。尚、特に示さない限り、部、%等は重量基準による。
(評価方法)
まず、コーヒーホワイトナーの乳化安定性の評価は、以下の方法で行った。
得られたコーヒーホワイトナーを十分冷やした(3~7℃)後、100mlビーカーに50ml分注し攪拌子と共に、室温にてシェイカーにより衝撃を与え続け、10分以上、増粘、固化あるいは、油脂の分離(オイルオフ)せず乳化状態を保ったものを可とした。一方、この条件で増粘、固化あるいは、油脂の分離(オイルオフ)等で乳化状態を保てなかったものは不可とした。
次に、得られたコーヒーホワイトナーを市販されているレギュラーコーヒーに添加して、乳風味の傾向、嫌味・臭みの強さ、飲料適正について下記の基準で評価を行った。なお、各サンプルの乳化安定性及び官能評価は、日々、クリーム素材の開発に従事し、試作されたクリームの官能評価を行っているパネラー5名により、通常のコーヒーホワイトナー及び飲料をイメージしながら、以下の基準で合議性により決定した。

乳風味の傾向) ◎及び○を合格とした。
◎:良好な乳風味を感じる
○:乳風味を感じる
△:乳風味以外の異風味を感じる。
×:乳風味以外の異風味が強く感じられる。
殺菌臭及び加熱臭の強さ) 1~3を合格とした。
5:非常に強く感じる
4:強く感じる
3:感じるが許容範囲
2:やや感じる
1:全く感じない
総合評価) 良好を合格とした。
良好:異風味、殺菌臭及び加熱臭が感じられず、非常に優れた風味
可:若干異風味、又は殺菌臭及び加熱臭が感じられるが、優れた風味
不適:異風味、殺菌臭又は加熱臭が強く感じられる

実験1 乳脂含量による影響
下表1に記載の配合にて、本発明のコーヒーホワイトナーを製造した。すなわち、水94.1部にポリグリセリン脂肪酸エステル(HLB13)0.1部、ショ糖脂肪酸エステル(HLB5)0.3部、カゼインナトリウム0.5部を添加混合、溶解し水相とした。また、油相であるバターオイル5.0部を準備した。次に、水相と油相を60℃、20分間予備乳化タンクで高速攪拌し予備乳化を行った後、プレート式熱交換機にて70~80℃まで予備加熱を行い、超高温滅菌装置(岩井機械工業(株)製)(直接蒸気吹き込み方式)によって、140~150℃まで加熱した。さらに殺菌保持チューブであるホールディングチューブにて140~150℃で3~12秒間保持し、蒸発冷却し70~80℃まで冷却した。その後、再均質化して、再びプレート冷却装置にて10℃以下に冷却する事により、実施例1のコーヒーホワイトナーを得た。なお、実施例1のコーヒーホワイトナーを添加した飲料を実施例1の飲料として、以下同様に記載した。
水を89.1部、油相であるバターオイルを10.0部とした以外は、実施例1と同様にして実施例2のコーヒーホワイトナーを得た。
水を49.1部、油相であるバターオイルを50.0部とした以外は、実施例1と同様にして実施例3のコーヒーホワイトナーを得た。
水を39.1部、油相であるバターオイルを60.0部とした以外は、実施例1と同様にして比較例1のコーヒーホワイトナーを得た。
得られたコーヒーホワイトナー(実施例1~3、比較例1)の乳化安定性及び、コーヒーホワイトナーを30.0部添加したコーヒー飲料について、上記の基準に従った評価結果を下表1に示す。また、実験1で得られたコーヒーホワイトナーは乳糖を含有せず、添加した実施例1~3、及び比較例1の飲料でフェザリングが発生することはなかった。
Figure 0007286939000001
実験2 油脂による影響1
水を78.6部、油相としてバターオイル20.0部と、中鎖脂肪酸トリグリセリドA(炭素数8と10の脂肪酸が60:40、ヨウ素価1.0以下)を0.5部とした以外は、実施例1と同様にして実施例4のコーヒーホワイトナーを得た。なお、実施例4のコーヒーホワイトナーを添加した飲料を実施例4の飲料として、以下同様に記載した。
水を78.1部、油相をバターオイル20.0部と、中鎖脂肪酸トリグリセリドAを1.0部とした以外は、実施例4と同様にして実施例5のコーヒーホワイトナーを得た。
水を74.1部、油相をバターオイル20.0部と、中鎖脂肪酸トリグリセリドAを5.0部とした以外は、実施例4と同様にして実施例6のコーヒーホワイトナーを得た。
油相をバターオイル20.0部と、中鎖脂肪酸トリグリセリドB(炭素数8と10の脂肪酸が100:0、ヨウ素価1.0以下、日清オイリオグループ株式会社製)を5.0部とした以外は、実施例4と同様にして実施例7のコーヒーホワイトナーを得た。
油相をバターオイル20.0部と、ヤシ油(ヨウ素価8.5)を5.0部とした以外は、実施例4と同様にして実施例8のコーヒーホワイトナーを得た。
油相をバターオイル20.0部と、パーム核油高融点画分(ヨウ素価7.0)を5.0部とした以外は、実施例4と同様にして実施例9のコーヒーホワイトナーを得た。
得られたコーヒーホワイトナー(実施例4~9)の乳化安定性及び、コーヒーホワイトナーを30.0部添加したコーヒー飲料について、上記の基準に従った評価結果を下表2に示す。また、実験2で得られたコーヒーホワイトナーは乳糖を含有せず、乳化安定性もすべて可で、添加した飲料でフェザリングが発生することはなかった。
Figure 0007286939000002
実験3 油脂による影響2
水を88.6部、油相としてバターオイル0.5部と、中鎖脂肪酸トリグリセリドA(C8:C10=6:4)を10.0部とした以外は、実施例1と同様にして実施例10のコーヒーホワイトナーを得た。なお、実施例10のコーヒーホワイトナーを添加した飲料を実施例10の飲料として、以下同様に記載した。
水を73.6部、油相をバターオイル0.5部と、中鎖脂肪酸トリグリセリドAを25.0部とした以外は、実施例10と同様にして実施例11のコーヒーホワイトナーを得た。
水を49.1部、油相をバターオイル0.5部と、中鎖脂肪酸トリグリセリドAを49.5部とした以外は、実施例10と同様にして実施例12のコーヒーホワイトナーを得た。
水を94.1部、油相をバターオイルを0.5部と、中鎖脂肪酸トリグリセリドAを4.5部とした以外は、実施例10と同様にして実施例13のコーヒーホワイトナーを得た。
得られたコーヒーホワイトナー(実施例10~13)の乳化安定性及び、コーヒーホワイトナーを30.0部添加したコーヒー飲料について、上記の基準に従った評価結果を下表3に示す。また、実験3で得られたコーヒーホワイトナーは乳糖を含有せず、乳化安定性もすべて可で、添加した飲料でフェザリングが発生することはなかった。
Figure 0007286939000003
実験4 加熱殺菌工程による影響
水を74.1部、油相としてバターを20.0部と、中鎖脂肪酸トリグリセリドAを5.0部とした以外は、実施例1と同様にして実施例14のコーヒーホワイトナーを得た。なお、バター中の炭水化物(乳糖)含量は0.2重量%であった。
中鎖脂肪酸トリグリセリドAをヤシ油とした以外は、実施例14と同様にして実施例15のコーヒーホワイトナーを得た。
Figure 0007286939000004
得られたコーヒーホワイトナー(実施例14~15)の乳化安定性はすべて可で、殺菌臭及び加熱臭も全く感じなかった。
コーヒーエキス(Brix25.5、高砂香料工業株式会社製)3.20部、水90.418部、ショ糖脂肪酸エスエル0.10部、カラギーナン0.012部、カゼインナトリウム0.08部、重曹0.09部、及び実施例14のコーヒーホワイトナー6.10部を加えて、65℃で10分調合した後、レトルト殺菌(F値30相当)をかけた実施例16の飲料を得た。
コーヒーホワイトナーを実施例14から実施例15とした以外は、実施例16と同様にレトルト殺菌して実施例17の飲料を得た。
コーヒーホワイトナーを実施例14から実施例6にして5.40部、水を91.118部とした以外は、実施例16と同様にレトルト殺菌して実施例18の飲料を得た。
コーヒーホワイトナーを実施例14から実施例7とした以外は、実施例18と同様にレトルト殺菌して実施例19の飲料を得た。
コーヒーホワイトナーを実施例14から実施例8とした以外は、実施例18と同様にレトルト殺菌して実施例20の飲料を得た。
コーヒーホワイトナーの代わりに牛乳(乳脂肪3.8重量%)11.00部を加え、水分量を85.518部に変更した以外は、実施例16と同様にレトルト殺菌して比較例2の飲料を得た。
なお、日本食標準成分表2015年版(七訂)によるとバター及び牛乳中の乳固形分含量(たんぱく質+脂質+炭水化物+灰分の総和)は、それぞれ84.2重量%、12.6重量%のため、実施例16~20及び比較例2の飲料における乳固形分含量が略同量(1.39重量%)となるように調整にした。この際、実施例14~15のコーヒーホワイトナーの乳固形分含量は、22.74重量%、実施例6~8のコーヒーホワイトナーの乳固形分含量は、25.9重量%として計算を行った。
実施例14~15及び実施例6~8のコーヒーホワイトナー、及び牛乳を添加して得られたコーヒー飲料(実施例16~20、比較例2)について、上記の基準に従った評価結果を下表6に示す。
Figure 0007286939000005
上記実験4で得られたコーヒー飲料(実施例16~20、及び比較例2)について、乳化安定性はすべて可であり、フェザリングが発生することもなかった。
結果と考察
以上の結果から明らかなように、無脂乳固形分を含有しない乳脂をコーヒーホワイトナーに使用することにより、コーヒーや紅茶等の飲料に添加した際、殺菌臭及び加熱臭が少なく、良好な乳風味の付与効果が見られた。特に、油相として乳脂と中鎖脂肪酸トリグリセリド(MCT)を併用した実施例では、顕著な乳風味の付与効果が見られた。さらに、本発明のコーヒーホワイトナーを添加したコーヒーや紅茶等の飲料では、加熱殺菌による風味劣化を抑制する効果が見られた。
本発明により、低糖質で乳化安定性が高いだけでなく、コーヒーや紅茶等の飲料に添加する事により殺菌臭及び加熱臭が少なく、良好な乳風味が感じられるコーヒーホワイトナーを製造することができる。

Claims (3)

  1. 無脂乳固形分含量が0.5重量%以下であり、糖質が0.5重量%以下であり、総油分が5~50重量%かつ乳脂含量が0.5重量%以上であることを特徴とするコーヒーホワイトナー。
  2. 中鎖脂肪酸トリグリセリド(MCT)を0.5重量%以上含有する請求項1記載のコーヒーホワイトナー。
  3. 高甘味度甘味料含量が0.05重量%以下である請求項1または2記載のコーヒーホワイトナー。
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