JP3492794B2 - 乳飲料用乳化剤製剤 - Google Patents
乳飲料用乳化剤製剤Info
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Description
下で乳飲料を保存しても、乳化安定性がよく、オイルオ
フの発生を防止する乳化剤製剤に関するものであり、本
発明の乳化剤製剤を用いれば、長期間、商品価値を保つ
ことができ、かつ経済的に乳飲料を製造することができ
る。 【0002】 【従来の技術】乳飲料は、缶等の容器に入れた形で広く
流通し、飲用されている。しかしながら、これらはホッ
トベンダー等の55℃〜60℃程度の高温下で保存、販
売されることが多い為、乳化状態が崩れ易く、油分が液
面に浮いてしまう状態、いわゆるオイルオフが現れるこ
とが多い。そしてさらにオイルオフを生じたこれらの缶
入り乳飲料を常温下又は冷蔵状態に戻した場合、それが
固まり白い浮遊物となり、苦情の原因になる場合があ
る。また、この現象はホットベンダー程の高温下におい
てだけでなく、冷蔵〜30℃程度の室温下においても、
温度変化が激しい場合同様のことが起こることがある。 【0003】乳飲料の保存安定性を確保する為、従来、
各種乳化剤、安定剤が単独で又は多種多様の組み合わせ
で使用されている。特にホットベンダーによって販売さ
れる乳飲料に対しては、耐熱性菌の発育を抑制する目的
で、HLBが15〜16のショ糖脂肪酸エステルが10
0〜300ppm程度使用される場合が多い。また、乳
化効果を向上させる目的で、低HLBの乳化剤、例えば
ショ糖脂肪酸エステルやグリセリン脂肪酸エステル等を
50〜500ppm程度併用する方法が知られている。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
乳化剤、安定剤の使用においてもホットベンダー等の高
温保存中に生じるオイルオフに対しての効果は十分では
なく、これまでこの現象を効果的に防止する為の乳化剤
製剤は知られていない。本発明は、以上のような欠点を
克服し、さらに優れた乳飲料の安定化、すなわちオイル
オフを防止する為に有用な乳化剤製剤を提供することを
目的とする。 【0005】 【課題を解決するための手段】本発明者は、長期間、5
5℃〜60℃の高温下に保存しても、液面にオイルオフ
を生じない乳飲料を製造する方法について、鋭意研究を
行った結果、乳飲料にHLB15〜16のショ糖脂肪酸
エステルと、酵素処理レシチン及び又は酵素分解レシチ
ンとを含有する乳化剤を添加することにより、これらの
課題を解決することができることを見いだし、本発明を
完成するに至った。すなわち、抽出液、乳成分、糖類、
甘味料等からなる乳飲料にHLB15〜16のショ糖脂
肪酸エステルと、酵素処理レシチン及び又は酵素分解レ
シチンとを含有する乳化剤を添加することにより、長期
間の高温保存においても、オイルオフを生じにくく、長
期にわたって乳化安定性のよい乳飲料が得られる方法を
完成した。 【0006】本発明が適用される乳飲料とは、牛乳又は
牛乳を原料として製造した食品を主要原料とした飲料で
あり、コーヒー乳飲料、ミルクティー、ココア乳飲料、
フルーツ乳飲料、卵乳飲料などがある。また室温で販売
されるものであっても、ホットベンダーで販売されるも
のでも、チルド流通販売されるものであっても良い。 【0007】本発明に使用する、HLBが15〜16の
ショ糖脂肪酸エステルの構成する脂肪酸は特に限定はな
く、炭素数12〜22の飽和又は不飽和脂肪酸のものが
一般的である。例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パ
ルミチン酸、ステアリン酸、アラキン酸、ベヘン酸等の
飽和脂肪酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、ア
ラキドン酸、エルカ酸などの不飽和脂肪酸である。その
添加量については、耐熱性菌を抑制できる量を含有させ
ることが必須であるが、それを満足しうる範囲内であれ
ば、味覚面で問題ない範囲で添加でき、具体的には0.
01〜0.1%(重量、以下同じ)の範囲内である。 【0008】本発明には酵素処理レシチン及び又は酵素
分解レシチンを用いることが必須であり、その添加量は
0.002〜0.1%の範囲である。それよりも少ない
場合、オイルオフ防止効果は十分でなく、それより多い
場合も、沈澱が多くなったり、風味の面で問題が生じた
りする。本発明に用いる酵素分解レシチンとは、ホスフ
ァジルコリン、ホスファエタノールアミン、ホスファジ
ルイノシトール、ホスファジルセリン、ホスファジン酸
等を主要なリン脂質とする大豆レシチンに酵素であるホ
スホリパーゼA2 を作用させ、β位のエステル結合を
加水分解し、水酸基を増やし、親水性を増大させたもの
である。酵素処理レシチンは、大豆レシチンをホスホリ
パーゼDで処理し、リン脂質のリン酸と含窒素塩基との
エステル結合を切断し、レシチンとグリセリンを反応さ
せてホスファジルグリセロールとして親水性を増加した
もののことである。これらの酵素処理レシチン及び酵素
分解レシチンの中から選ばれる1種又は2種以上が用い
られる。 【0009】本発明において、HLB15〜16のショ
糖脂肪酸エステルと、酵素処理レシチン及び又は酵素分
解レシチンとを用いることは必須であるが、必要に応じ
て、他の乳化剤や安定剤を1種又は2種以上併用するこ
とができる。その乳化剤としては、ショ糖脂肪酸エステ
ルの他、グリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコ
ール脂肪酸エステル、レシチン、ソルビタン脂肪酸エス
テル等、食品添加物として認可されている添加物であれ
ば、制限はなく、また、安定剤としては、カラギナン、
ローカストビーンガム、キサンタンガム、カゼインナト
リウム等があげられる。 【0010】 【実施例】以下に、実験例、実施例を示し、本発明をさ
らに詳しく説明する。ただし、これらの実験例、実施例
は、本発明を何ら限定又は制限する意味のものではな
い。なお、部は重量部である。 実験例1 砂糖7部、HLB16のパルミチン酸を主要脂肪酸と
するショ糖脂肪酸エステル0.05部及び酵素分解レシ
チンであるエマレチンLPL((株)ヤクルト本社製)
を0.001部、0.002部、0.01部、0.1
部、0.12部、0.15部をそれぞれ添加したものを
粉体混合し、水30部に添加して、70℃で10分間、
攪拌溶解した。 牛乳10部、コーヒー抽出液(ブリックス度2.5)
50部をの溶液に加え、10%重曹溶液にてpHを
6.7に調整した。 を80℃まで加熱し、全量を100に調整し、第一
段150kg/cm2、第二段0kg/cm2にてホモゲナイズし
た。 を90℃まで加温し、容器に充填し、120℃,2
0分間、レトルト殺菌機により殺菌を行ってコーヒー乳
飲料を調製し、缶に充填した。できあがったコーヒー乳
飲料を、60℃にて保管し、それぞれ4週間と3ケ月に
オイルオフの状態、沈澱の状態を確認した結果を表1に
示す。 【0011】表1における、オイルオフの状態、沈澱の
状態の評価は次の通り。 <オイルオフ> ○:オイルオフなし △:オイルオフが微量発生。 ×:オイルオフの発生があり、商品価値がない。 <沈澱> ○:良好。 △:微量発生(商品価値がある) ×:非常に多い。(商品価値がない) 【0012】 【表1】 【0013】表1より、酵素分解レシチンを0.002
%以上添加した時にオイルオフに関しては良い状態にあ
るが、0.15%になると4週間で著しい沈澱が生じ
た。 【0014】実施例1 市販の紅茶80部を熱湯水1500部中に投入し、紅
茶抽出液を作る。 砂糖8部、全脂粉乳2部、HLB15のパルミチン酸
を主要脂肪酸とするショ糖脂肪酸エステル0.03部、
HLB5.3のグリセリンコハク酸エステル0.03
部、酵素分解レシチンであるベイシスLP−20E(日
清製油(株)製)0.01部を粉体混合した後、水65
部に投入し、70℃で10分間、加熱攪拌溶解する。 で調製した紅茶抽出液を70℃に加温し、その21
部をの溶液と混合し、10%重曹にてpH6.7に調
整する。 全量を水にて100部に調整し、第一段150kg/c
m2、第二段0kg/cm2にてホモゲナイズする。 容器に充填し、120℃,20分間オートクレーブに
より殺菌を行ってミルクティーを調製し、耐熱ビンに充
填した。 【0015】上記の本発明品1と、酵素分解レシチンは
添加せず、その他を本発明品1と同様に調製した比較品
1を60℃で3ヶ月保管し、オイルオフの状態を比較し
た。本発明品1についてはオイルオフの発生はなかった
が、比較品1はオイルオフが発生した。 【0016】実施例2 水50部に、砂糖7部、牛乳25部を投入し、さら
に、HLB16のパルミチン酸を主要脂肪酸とするショ
糖脂肪酸エステル0.03部、HLB5のステアリン酸
を主要脂肪酸とするショ糖脂肪酸エステル0.01部、
HLB5.3のグリセリンコハク酸エステル0.003
部、酵素処理レシチン0.005部を粉体混合した後に
投入した。この混合物を70℃に加温し、コーヒーエキ
ス(生豆換算率0.77)7.5部を加え、10分間加
熱攪拌溶解した。 全量100部とし、第一段150kg/cm2、第二段0kg/
cm2にてホモゲナイズする。 容器に充填し、120℃、30分間レトルトにより殺
菌を行ってコーヒー乳飲料(カフェオレタイプ)を調製
し、缶に充填した。 【0017】上記の本発明品2と、酵素処理レシチンは
添加せず、その他を本発明品2と同様に調整した比較品
2を、60℃で3ヶ月保管し、オイルオフの状態を比較
した。本発明品2はオイルオフを生じなかったのに対
し、比較品2は多量のオイルオフを生じ、冷却により浮
遊物となった。 【0018】 【発明の効果】HLB15〜16のショ糖脂肪酸エステ
ルと、酵素処理レシチン及び又は酵素分解レシチンを含
有する乳化剤製剤を乳飲料に添加することにより、長期
間高温で保管した場合でも、オイルオフの発生も少な
く、長期にわたって乳化安定性のよい乳飲料を得ること
ができる。
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】HLB15〜16のショ糖脂肪酸エステル
と、酵素処理レシチン、及び又は酵素分解レシチンとを
含有することを特徴とする、乳飲料のオイルオフを防止
する方法。
Priority Applications (1)
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Applications Claiming Priority (1)
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JPH08182485A JPH08182485A (ja) | 1996-07-16 |
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-
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- 1995-01-06 JP JP00072395A patent/JP3492794B2/ja not_active Expired - Fee Related
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