JP3390269B2 - 乳飲料の安定化法 - Google Patents
乳飲料の安定化法Info
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、乳飲料の安定化法に関
し、更に詳しくは、長期にわたって乳飲料を保存しても
乳化安定性がよく、オイルリングや沈澱が発生しない乳
飲料の安定化法であり、本発明によれば長期間、商品価
値を保つことができ、かつ経済的に乳飲料を製造するこ
とができる。 【0002】 【従来の技術】乳飲料は、缶等の容器に入れた形で広く
流通し、飲用されている。しかしながら、これらは長期
保存によって、脂肪分の浮上によりオイルリング現象を
生じたり、また、特にホットベンダー等の高温の状態に
おいて著しい沈澱が現れることも多い。これらを含めた
乳飲料の保存安定性を確保する為、従来、各種乳化剤、
安定剤が単独でまたは多種多様の組み合わせで使用され
てきた。特にホットベンダーによって販売される乳飲料
に対しては、耐熱性菌の発育を抑制する為、HLB15
〜16のショ糖脂肪酸エステルが100〜300ppm
程度使用されている。また沈澱防止には低HLBの乳化
剤、例えばショ糖脂肪酸エステルやグリセリン脂肪酸エ
ステル等を50〜500ppm程度使用する方法が知ら
れている。。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
乳化剤、安定剤の使用においてもなお保存中に脂肪分の
浮上によってできるオイルリングの発生や、ホットベン
ダー等における高温保存時に顕著となる沈澱のいずれに
対しても効果は十分ではない。本発明は、以上のような
欠点を克服し、さらに優れた乳飲料の安定化法を提供す
ることを目的とする。 【0004】 【課題を解決するための手段】本発明者は、液面にオイ
ルリングを生じにくく、ホットベンダー等における長期
間の高温保存においても沈澱の発生が少ない乳飲料を製
造する方法について、鋭意研究を行った結果、乳飲料に
HLB15〜16のショ糖脂肪酸エステルと、HLB3
〜7の乳化剤の1種又は2種以上との組み合わせ、その
平均HLBが8〜13である乳化剤を添加することによ
り、これらの課題を解決することができることを見いだ
し、本発明を完成するに至った。 【0005】すなわち、抽出液、乳成分、糖類、甘味料
等からなる乳飲料にHLB15〜16のショ糖脂肪酸エ
ステルとHLB3〜7の乳化剤の1種又は2種以上とを
組み合わせ、その平均HLBが8〜13、好ましくは9
〜12の間にある混合乳化剤を添加することにより、長
期間の保存においてもオイルリングを生じにくく、長期
間高温で保存しても沈殿の発生も少なく、長期にわたっ
て乳化安定性のよい乳飲料が得られる安定化法を完成し
た。 【0006】本発明の製造法が適用される乳飲料とは、
牛乳または牛乳を原料として製造した食品を主要原料と
した飲料であり、コーヒー乳飲料、ミルクティー、ココ
ア乳飲料、フルーツ乳飲料、卵乳飲料などがある。また
常温で販売されるものであっても、ホットベンダーで販
売されるものでも、チルド流通販売されるものであって
も良い。 【0007】本発明においては、HLBの違うものを併
用することが肝心であり、例えばHLBが10のショ糖
脂肪酸エステルを単独で用いても、併用した場合と同様
のオイルリングや沈澱の防止効果を得られないし、この
場合には耐熱性菌の抑制するのにHLB15〜16の乳
化剤の2倍以上の添加量が必要である。併用することに
より、耐熱性菌の抑制やオイルリング防止といった、高
いHLBのショ糖脂肪酸エステルの効果と、沈澱の防止
といった低いHLBの乳化剤の効果を併せ持ち、またそ
れらの相乗効果を引き出すことができるのである。 【0008】本発明に使用するショ糖脂肪酸エステルの
構成する脂肪酸は特に限定はなく、炭素数12〜22の
飽和または不飽和脂肪酸のものが一般的である。例え
ば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステア
リン酸、アラキン酸、ベヘン酸等の飽和脂肪酸、オレイ
ン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、エルカ
酸などの不飽和脂肪酸である。 【0009】本発明において、混合乳化剤の平均HLB
は8〜13の間で、好ましくは9〜12の間である。H
LBがこの範囲外の場合は、HLBが高くても、また低
くても、長期間保存した場合、オイルリングが生じた
り、沈澱が発生し、その沈澱は時にはゲル状となる。本
発明における添加量については、HLB15〜16のシ
ョ糖脂肪酸エステルを、耐熱性菌を抑制できる量を含有
させることが必須であるが、それを満足しうる範囲内で
あれば、味覚面で問題ない範囲で添加でき、具体的には
乳飲料に対して0.01〜0.1%(重量、以下同じ)
の範囲内である。 【0010】HLB15〜16のショ糖脂肪酸エステル
と併用するHLB3〜7の乳化剤は、グリセリン脂肪酸
エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、レシ
チン、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステ
ル等、食品添加物として認可されている添加物であれば
制限はなく、1種または2種以上の混合物である。ま
た、この際にカラギナン、ローカストビーンガム、キサ
ンタンガム、カゼインナトリウム等の安定剤の1種また
は2種以上を併用しても良い。 【0011】HLB15〜16のショ糖脂肪酸エステル
とHLB3〜7の乳化剤との割合は、組み合わせるショ
糖脂肪酸エステル、乳化剤によって異なるが、1:0.
33〜1:1.6の範囲内である。 【0012】 【実施例】以下に、実験例、実施例を示し本発明をさら
に詳しく説明する。ただし、これらの実験例、実施例は
本発明を何ら限定もしくは制限する意味のものではな
い。なお、部は重量部である。 【0013】実験例1 水30部に砂糖7部、HLB16のパルミチン酸を主
要脂肪酸とするショ糖脂肪酸エステル0.03部及びH
LBが5のステアリン酸を主要脂肪酸とするショ糖脂肪
酸エステルを0.0075部、0.013部、0.02
部、0.03部、0.045部、0.07部、0.12
部をそれぞれ添加したものを粉体混合し、70℃で10
分間、攪拌溶解した。 牛乳10部、コーヒー抽出液(ブリックス度2.5)
を50部加え、10%重曹溶液にてpHを6.5に調整
した。 80℃まで加熱し、全量を100に調整し、第一段1
50kg/cm2、第二段0kg/cm2にてホモゲナイズした。 90℃まで加温し、容器に充填し、120℃,20分
間、レトルト殺菌機により殺菌を行ってコーヒー乳飲料
を調製し、缶に充填した。 【0014】できあがったコーヒー乳飲料を37℃、6
0℃にて保管し、2週間後にオイルリングの状態と沈澱
の状態を確認した結果を表1に示す。表1において、ネ
ックリングの状態、沈澱の状態の評価は次の通り。 <オイルリング> ○:オイルリングなし △:オイルリングの発生はあるが、軽い振とうにより分
散する。 ×:オイルリングの発生があり、軽い振とうでは分散し
ない。 <沈澱> ○:良好。(認められないか、認められても微量) △:かなり認められる。 ×:非常に多い。 【0015】 【表1】 【0016】表1より、添加した乳化剤の平均HLBが
9.4〜11.6の時に良い状況にあり、平均HLBが
8より低い7.2や13より高い13.8の場合、オイ
リングや沈澱が生じ、安定性が崩れている。 【0017】実施例1 市販の紅茶80部を熱湯水1500部中に投入し、紅
茶抽出液を作る。 砂糖8部、全脂粉乳2部、HLB15のパルミチン酸
を主要脂肪酸とするショ糖脂肪酸エステル0.03部、
HLB5.3のグリセリンコハク酸エステル0.03部
(平均HLBは10.15となる)を粉体混合し水65
部に投入し、70℃で10分間、加熱攪拌溶解する。 で調製した紅茶抽出液を70℃に加温し、その21
部をの溶液と混合し、10%重曹にてpH6.7に調
整する。 全量を水にて100部に調整し、第一段150kg/cm
2、第二段0kg/cm2にてホモゲナイズする。 容器に充填し、120℃,20分間オートクレーブに
より殺菌を行ってミルクティーを調製し、耐熱ビンに充
填した。 【0018】上記の本発明品1と、HLB15のパルミ
チン酸を主要脂肪酸とするショ糖脂肪酸エステルの添加
量を0.06部にし、グリセリンコハク酸エステルは添
加せず、その他を本発明品1と同様に調製した比較品1
を60℃で3週間保管し、状態を比較した。本発明品に
ついては沈澱の発生はなかったが、比較品1は沈澱が発
生した。 【0019】実施例2 水50部に、砂糖7部、牛乳25部、HLB16のパ
ルミチン酸を主要脂肪酸とするショ糖脂肪酸エステル
0.03部、HLB5のステアリン酸を主要脂肪酸とす
るショ糖脂肪酸エステル0.01部、HLB5.3のグ
リセリンコハク酸エステル0.01部(平均HLBは1
1.66なる)を粉体混合した後、それぞれを投入後、
70℃に加温し、コーヒーエキス(生豆換算率0.7
7)7.5部を加え、10分間加熱攪拌溶解した。 全量100部とし、第一段150kg/cm2、第二段0kg
/cm2にてホモゲナイズする。 容器に充填し、120℃30分間レトルトにより殺菌
を行ってコーヒー乳飲料(カフェオレタイプ)を調製
し、缶に充填した。 【0020】上記の本発明品2と、HLB16のパルミ
チン酸を主要脂肪酸とするショ糖脂肪酸エステルの添加
量を0.05部にし、HLB5のショ糖脂肪酸エステル
及びHLB5.3のグリセリンコハク酸エステルは添加
せず、その他を同様に調製した比較品2を、37℃で3
週間保管し、オイルリングの状態を比較した。3種の乳
化剤添加したものが沈澱が微量で、軽い振とうにより分
散したのに対し、添加していないものは多量の沈澱物を
生じ、それは強く振とうしても分散しなかった。 【0021】実施例3 牛乳20部、水10部を50℃に加温し、脱脂粉乳
2.4部を攪拌溶解して、ミルク液を作製した。 水10部に砂糖7部を20℃で攪拌溶解して糖液を作
製した。 コーヒーエキス(生豆換算率0.77)2.3部を1
0℃の水10部に攪拌溶解して、コーヒー液を調製し
た。 HLB16のパルミチン酸を主要脂肪酸とするショ糖
脂肪酸エステル0.02部、HLB5のステアリン酸を
主要脂肪酸とするショ糖脂肪酸エステル0.02部(平
均HLBは10.5となる)、カラギナン0.005部
を粉体混合し、70℃の温水10部に攪拌溶解し、乳化
安定剤溶液を作製した。 〜を混合し、85℃で5分間ホールディングし、
全量を100部に調製した。 140℃で10秒間プレートヒーターにて殺菌した。 85℃にて、第一段150kg/cm2、第二段0kg/cm2に
てホモゲナイズした。 瓶にいれて、5℃で2週間保管した。 【0022】上記の本発明品3と、HLB16のパルミ
チン酸を主要脂肪酸とするショ糖脂肪酸エステルの添加
量が0.04部にしHLB5のショ糖脂肪酸エステルは
添加せず、その他を同様に調製した比較品3を、オイル
リングの状態を比較した。本発明品3のネックリングの
発生は微量で、瓶を軽く振るだけで分散したのに対し、
比較品3は硬いリングを形成し、容易に分散することが
できなかった。 【0023】 【発明の効果】HLB15〜16のショ糖脂肪酸エステ
ルとHLB3〜7の乳化剤を組み合わせ、その平均HL
Bを8〜13の間に調製した乳化剤を添加することによ
り、長期間の保存においても、オイルリングを生じにく
く、長期間高温で保管した場合でも、沈殿の発生も少な
く、長期にわたって乳化安定性のよい乳飲料を得ること
ができる。
し、更に詳しくは、長期にわたって乳飲料を保存しても
乳化安定性がよく、オイルリングや沈澱が発生しない乳
飲料の安定化法であり、本発明によれば長期間、商品価
値を保つことができ、かつ経済的に乳飲料を製造するこ
とができる。 【0002】 【従来の技術】乳飲料は、缶等の容器に入れた形で広く
流通し、飲用されている。しかしながら、これらは長期
保存によって、脂肪分の浮上によりオイルリング現象を
生じたり、また、特にホットベンダー等の高温の状態に
おいて著しい沈澱が現れることも多い。これらを含めた
乳飲料の保存安定性を確保する為、従来、各種乳化剤、
安定剤が単独でまたは多種多様の組み合わせで使用され
てきた。特にホットベンダーによって販売される乳飲料
に対しては、耐熱性菌の発育を抑制する為、HLB15
〜16のショ糖脂肪酸エステルが100〜300ppm
程度使用されている。また沈澱防止には低HLBの乳化
剤、例えばショ糖脂肪酸エステルやグリセリン脂肪酸エ
ステル等を50〜500ppm程度使用する方法が知ら
れている。。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
乳化剤、安定剤の使用においてもなお保存中に脂肪分の
浮上によってできるオイルリングの発生や、ホットベン
ダー等における高温保存時に顕著となる沈澱のいずれに
対しても効果は十分ではない。本発明は、以上のような
欠点を克服し、さらに優れた乳飲料の安定化法を提供す
ることを目的とする。 【0004】 【課題を解決するための手段】本発明者は、液面にオイ
ルリングを生じにくく、ホットベンダー等における長期
間の高温保存においても沈澱の発生が少ない乳飲料を製
造する方法について、鋭意研究を行った結果、乳飲料に
HLB15〜16のショ糖脂肪酸エステルと、HLB3
〜7の乳化剤の1種又は2種以上との組み合わせ、その
平均HLBが8〜13である乳化剤を添加することによ
り、これらの課題を解決することができることを見いだ
し、本発明を完成するに至った。 【0005】すなわち、抽出液、乳成分、糖類、甘味料
等からなる乳飲料にHLB15〜16のショ糖脂肪酸エ
ステルとHLB3〜7の乳化剤の1種又は2種以上とを
組み合わせ、その平均HLBが8〜13、好ましくは9
〜12の間にある混合乳化剤を添加することにより、長
期間の保存においてもオイルリングを生じにくく、長期
間高温で保存しても沈殿の発生も少なく、長期にわたっ
て乳化安定性のよい乳飲料が得られる安定化法を完成し
た。 【0006】本発明の製造法が適用される乳飲料とは、
牛乳または牛乳を原料として製造した食品を主要原料と
した飲料であり、コーヒー乳飲料、ミルクティー、ココ
ア乳飲料、フルーツ乳飲料、卵乳飲料などがある。また
常温で販売されるものであっても、ホットベンダーで販
売されるものでも、チルド流通販売されるものであって
も良い。 【0007】本発明においては、HLBの違うものを併
用することが肝心であり、例えばHLBが10のショ糖
脂肪酸エステルを単独で用いても、併用した場合と同様
のオイルリングや沈澱の防止効果を得られないし、この
場合には耐熱性菌の抑制するのにHLB15〜16の乳
化剤の2倍以上の添加量が必要である。併用することに
より、耐熱性菌の抑制やオイルリング防止といった、高
いHLBのショ糖脂肪酸エステルの効果と、沈澱の防止
といった低いHLBの乳化剤の効果を併せ持ち、またそ
れらの相乗効果を引き出すことができるのである。 【0008】本発明に使用するショ糖脂肪酸エステルの
構成する脂肪酸は特に限定はなく、炭素数12〜22の
飽和または不飽和脂肪酸のものが一般的である。例え
ば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステア
リン酸、アラキン酸、ベヘン酸等の飽和脂肪酸、オレイ
ン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、エルカ
酸などの不飽和脂肪酸である。 【0009】本発明において、混合乳化剤の平均HLB
は8〜13の間で、好ましくは9〜12の間である。H
LBがこの範囲外の場合は、HLBが高くても、また低
くても、長期間保存した場合、オイルリングが生じた
り、沈澱が発生し、その沈澱は時にはゲル状となる。本
発明における添加量については、HLB15〜16のシ
ョ糖脂肪酸エステルを、耐熱性菌を抑制できる量を含有
させることが必須であるが、それを満足しうる範囲内で
あれば、味覚面で問題ない範囲で添加でき、具体的には
乳飲料に対して0.01〜0.1%(重量、以下同じ)
の範囲内である。 【0010】HLB15〜16のショ糖脂肪酸エステル
と併用するHLB3〜7の乳化剤は、グリセリン脂肪酸
エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、レシ
チン、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステ
ル等、食品添加物として認可されている添加物であれば
制限はなく、1種または2種以上の混合物である。ま
た、この際にカラギナン、ローカストビーンガム、キサ
ンタンガム、カゼインナトリウム等の安定剤の1種また
は2種以上を併用しても良い。 【0011】HLB15〜16のショ糖脂肪酸エステル
とHLB3〜7の乳化剤との割合は、組み合わせるショ
糖脂肪酸エステル、乳化剤によって異なるが、1:0.
33〜1:1.6の範囲内である。 【0012】 【実施例】以下に、実験例、実施例を示し本発明をさら
に詳しく説明する。ただし、これらの実験例、実施例は
本発明を何ら限定もしくは制限する意味のものではな
い。なお、部は重量部である。 【0013】実験例1 水30部に砂糖7部、HLB16のパルミチン酸を主
要脂肪酸とするショ糖脂肪酸エステル0.03部及びH
LBが5のステアリン酸を主要脂肪酸とするショ糖脂肪
酸エステルを0.0075部、0.013部、0.02
部、0.03部、0.045部、0.07部、0.12
部をそれぞれ添加したものを粉体混合し、70℃で10
分間、攪拌溶解した。 牛乳10部、コーヒー抽出液(ブリックス度2.5)
を50部加え、10%重曹溶液にてpHを6.5に調整
した。 80℃まで加熱し、全量を100に調整し、第一段1
50kg/cm2、第二段0kg/cm2にてホモゲナイズした。 90℃まで加温し、容器に充填し、120℃,20分
間、レトルト殺菌機により殺菌を行ってコーヒー乳飲料
を調製し、缶に充填した。 【0014】できあがったコーヒー乳飲料を37℃、6
0℃にて保管し、2週間後にオイルリングの状態と沈澱
の状態を確認した結果を表1に示す。表1において、ネ
ックリングの状態、沈澱の状態の評価は次の通り。 <オイルリング> ○:オイルリングなし △:オイルリングの発生はあるが、軽い振とうにより分
散する。 ×:オイルリングの発生があり、軽い振とうでは分散し
ない。 <沈澱> ○:良好。(認められないか、認められても微量) △:かなり認められる。 ×:非常に多い。 【0015】 【表1】 【0016】表1より、添加した乳化剤の平均HLBが
9.4〜11.6の時に良い状況にあり、平均HLBが
8より低い7.2や13より高い13.8の場合、オイ
リングや沈澱が生じ、安定性が崩れている。 【0017】実施例1 市販の紅茶80部を熱湯水1500部中に投入し、紅
茶抽出液を作る。 砂糖8部、全脂粉乳2部、HLB15のパルミチン酸
を主要脂肪酸とするショ糖脂肪酸エステル0.03部、
HLB5.3のグリセリンコハク酸エステル0.03部
(平均HLBは10.15となる)を粉体混合し水65
部に投入し、70℃で10分間、加熱攪拌溶解する。 で調製した紅茶抽出液を70℃に加温し、その21
部をの溶液と混合し、10%重曹にてpH6.7に調
整する。 全量を水にて100部に調整し、第一段150kg/cm
2、第二段0kg/cm2にてホモゲナイズする。 容器に充填し、120℃,20分間オートクレーブに
より殺菌を行ってミルクティーを調製し、耐熱ビンに充
填した。 【0018】上記の本発明品1と、HLB15のパルミ
チン酸を主要脂肪酸とするショ糖脂肪酸エステルの添加
量を0.06部にし、グリセリンコハク酸エステルは添
加せず、その他を本発明品1と同様に調製した比較品1
を60℃で3週間保管し、状態を比較した。本発明品に
ついては沈澱の発生はなかったが、比較品1は沈澱が発
生した。 【0019】実施例2 水50部に、砂糖7部、牛乳25部、HLB16のパ
ルミチン酸を主要脂肪酸とするショ糖脂肪酸エステル
0.03部、HLB5のステアリン酸を主要脂肪酸とす
るショ糖脂肪酸エステル0.01部、HLB5.3のグ
リセリンコハク酸エステル0.01部(平均HLBは1
1.66なる)を粉体混合した後、それぞれを投入後、
70℃に加温し、コーヒーエキス(生豆換算率0.7
7)7.5部を加え、10分間加熱攪拌溶解した。 全量100部とし、第一段150kg/cm2、第二段0kg
/cm2にてホモゲナイズする。 容器に充填し、120℃30分間レトルトにより殺菌
を行ってコーヒー乳飲料(カフェオレタイプ)を調製
し、缶に充填した。 【0020】上記の本発明品2と、HLB16のパルミ
チン酸を主要脂肪酸とするショ糖脂肪酸エステルの添加
量を0.05部にし、HLB5のショ糖脂肪酸エステル
及びHLB5.3のグリセリンコハク酸エステルは添加
せず、その他を同様に調製した比較品2を、37℃で3
週間保管し、オイルリングの状態を比較した。3種の乳
化剤添加したものが沈澱が微量で、軽い振とうにより分
散したのに対し、添加していないものは多量の沈澱物を
生じ、それは強く振とうしても分散しなかった。 【0021】実施例3 牛乳20部、水10部を50℃に加温し、脱脂粉乳
2.4部を攪拌溶解して、ミルク液を作製した。 水10部に砂糖7部を20℃で攪拌溶解して糖液を作
製した。 コーヒーエキス(生豆換算率0.77)2.3部を1
0℃の水10部に攪拌溶解して、コーヒー液を調製し
た。 HLB16のパルミチン酸を主要脂肪酸とするショ糖
脂肪酸エステル0.02部、HLB5のステアリン酸を
主要脂肪酸とするショ糖脂肪酸エステル0.02部(平
均HLBは10.5となる)、カラギナン0.005部
を粉体混合し、70℃の温水10部に攪拌溶解し、乳化
安定剤溶液を作製した。 〜を混合し、85℃で5分間ホールディングし、
全量を100部に調製した。 140℃で10秒間プレートヒーターにて殺菌した。 85℃にて、第一段150kg/cm2、第二段0kg/cm2に
てホモゲナイズした。 瓶にいれて、5℃で2週間保管した。 【0022】上記の本発明品3と、HLB16のパルミ
チン酸を主要脂肪酸とするショ糖脂肪酸エステルの添加
量が0.04部にしHLB5のショ糖脂肪酸エステルは
添加せず、その他を同様に調製した比較品3を、オイル
リングの状態を比較した。本発明品3のネックリングの
発生は微量で、瓶を軽く振るだけで分散したのに対し、
比較品3は硬いリングを形成し、容易に分散することが
できなかった。 【0023】 【発明の効果】HLB15〜16のショ糖脂肪酸エステ
ルとHLB3〜7の乳化剤を組み合わせ、その平均HL
Bを8〜13の間に調製した乳化剤を添加することによ
り、長期間の保存においても、オイルリングを生じにく
く、長期間高温で保管した場合でも、沈殿の発生も少な
く、長期にわたって乳化安定性のよい乳飲料を得ること
ができる。
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】乳飲料を安定化するに際し、乳飲料にHL
B15〜16のショ糖脂肪酸エステルと、HLB3〜7
の乳化剤の1種又は2種以上とを組み合わせ、その平均
HLBが8〜13である乳化剤を添加することを特徴と
する乳飲料の安定化法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25790394A JP3390269B2 (ja) | 1994-10-24 | 1994-10-24 | 乳飲料の安定化法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25790394A JP3390269B2 (ja) | 1994-10-24 | 1994-10-24 | 乳飲料の安定化法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08116873A JPH08116873A (ja) | 1996-05-14 |
JP3390269B2 true JP3390269B2 (ja) | 2003-03-24 |
Family
ID=17312796
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP25790394A Ceased JP3390269B2 (ja) | 1994-10-24 | 1994-10-24 | 乳飲料の安定化法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3390269B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009118797A (ja) * | 2007-11-16 | 2009-06-04 | Riken Vitamin Co Ltd | スケール抑制剤 |
CN102791139A (zh) * | 2010-03-16 | 2012-11-21 | 三菱化学食品株式会社 | 含脂肪的酸性饮料 |
-
1994
- 1994-10-24 JP JP25790394A patent/JP3390269B2/ja not_active Ceased
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Publication number | Publication date |
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JPH08116873A (ja) | 1996-05-14 |
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