JPH0822827B2 - カリックスアレン誘導体およびそれを製造する方法 - Google Patents

カリックスアレン誘導体およびそれを製造する方法

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JPH0822827B2
JPH0822827B2 JP63164746A JP16474688A JPH0822827B2 JP H0822827 B2 JPH0822827 B2 JP H0822827B2 JP 63164746 A JP63164746 A JP 63164746A JP 16474688 A JP16474688 A JP 16474688A JP H0822827 B2 JPH0822827 B2 JP H0822827B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、包接作用を有し各種金属イオンの選択的輸
送に有用であるばかりでなく、生理活性や酸化還元作用
を有する或は電導性のある電荷移動錯体を作ることが出
来る新規なカリックスアレン誘導体、中間体及びその製
造法に関する。
[従来技術] カリックスアレン誘導体は、一般的にはパラ位に例え
ばハロゲン原子、アルキル基等の置換基を持ったフェノ
ール誘導体とフォルマリン若しくはパラフォルムとを縮
合環化して作られるメタシクロファンであり、5及び7
量体も知られていはいるが、主として3、4、6及び8
量体が一般的である。
しかし、上記した如きフェノール誘導体を原料として
得られたカリックスアレン誘導体、及びこのカリックス
アレン誘導体に更にスルホン基、カルボキシル基等の水
溶性基を導入したカリックスアレン誘導体等は、機能的
には包接作用のみしか持ってはいない。そのため、これ
以外の用途への利用は難しかった。
[発明が解決しようとする課題] 本発明は、包接作用のみならず、生理活性や酸化還元
作用を有する、或は電導性のある電荷移動錯体を作るこ
とが出来る新規なカリックスアレン誘導体を提供するこ
とを目的とする。
[課題を解決するための手段] 本発明は、一般式[I]又は一般式[II] (式中、nは3〜8の整数を表わす。) で示されるカリックスアレン誘導体及びその製造法、並
びに一般式[IX] 〔式中R4が水素原子を表す場合、R5は−COR1、−NHCOR1
(R1は飽和アルキル基を表す。)、−N=N−R3(R3
置換基を有していてもよいフェニル基又は置換基を有し
ていてもよいナフチル基を表す)又は−NH2を表し、R4
が−COR2(R2はR1と同様の飽和アルキル基を表す)を表
す場合、R5は−COR1又は−OCOR1(R1は前記に同じ)を
表し、nは3〜8の整数を表す。〕で示される一般式I,
IIの化合物の中間体であるカリックスアレン誘導体に関
する発明である。
即ち本発明は、包接作用を有するものしか知られてい
なかったカリックスアレン誘導体に新たな作用、効果を
付加すべく鋭意研究の結果、一般式〔I〕及び〔II〕で
示される化合物には、包接作用のみならず、生理活性や
酸化還元作用があり、しかもこれらを用いれば電導性の
ある電荷移動錯体を製造し得ることを見出し、本発明を
完成するに至った。
本発明に係る一般式〔I〕,〔II〕及び〔XI〕で示さ
れる化合物のnは3〜8の整数を表し、一般式〔XI〕で
示される化合物の置換基の定義については、R4が水素原
子を表す場合、R5は−COR1、−NHCOR1〔R1はメチル基、
エチル基、プロピル基、ブチル基、アミル基、ヘキシル
基等の飽和アルキル基(直鎖状、分枝状の何れにて可)
を表す〕、−N=N−R3(R3はメチル基、エチル基、プ
ロピル基、ブチル基等のアルキル基、メトキシ基、エト
キシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等のアルコキシ基、
スルホ基、カルボキシル基、沃素、臭素、塩素等のハロ
ゲン原子等で置換されていても良いフェニル基又はナフ
チル基を表す)又は−NH2を表し、R4が−COR2(R2はR1
と同様の飽和アルキル基を示す)を表す場合、R5は−CO
R1又は−OCOR1(R1は前記に同じ)を表す。
本発明に係る一般式〔I〕、〔II〕及び〔XI〕で示さ
れる化合物は、例えば以下に示す経路で合成することが
出来る。
尚、上記各一般式に於いて、式中、nは3〜8の整数を
表わす。
・経路1 一般式[VI]で示される化合物を有機溶媒中に溶解
し、これに無水塩化アルミニウムを添加してフリース転
移を起こさせて、一般式[VII]で示される化合物と
し、これに酢酸−硫酸混液中でナトリウムアジドを反応
させる、所謂シュミット反応により、一般式[VIII]
(一般式[XI]に於いて、R4が水素原子で、R5が−NHCO
R1である化合物)の化合物とする。この一般式[VIII]
で示される化合物を、例えば第二鉄塩,赤血塩,重クロ
ム酸塩,次亜鉛素酸塩等の酸化剤により酸化すれば、一
般式[II]の化合物となる。
・経路2 上記経路1で得られた一般式[VII]の化合物に、無
水酢酸,アシルクロライド等の反応させる常法によりア
シル化して一般式[IX](一般式[XI]に於いて、R4
−COR6で、R5が−COR1である化合物)の化合物とする。
これを、例えばクロロホルム,四塩化炭素等のハロゲン
化炭化水素溶媒に溶解し、過酢酸,過安息香酸等の過酸
の同溶媒溶液を加え反応させれば一般式[X](一般式
[XI]に於いて、R4が−COR6で、R5が−OCOR1である化
合物)の化合物が得られる。この一般式[X]の化合物
を、例えばエチルアルコール,n−プロパノール,イソプ
ロパノール,n−ブタノール等の水溶性溶媒中で、酸性下
に例えば塩化第一錫等の還元剤を作用させて加水分解す
ることにより一般式[I]の化合物を得ることが出来
る。
・経路3 一般式[V]の化合物に、芳香族ジアゾニウム塩をカ
ップリングさせて一般式[IV](一般式[XI]に於い
て、R4が水素原子で、R5が−N=N−R3である化合物)
の化合物とし、これに、例えば錫−塩酸,ハイドロサル
ファイト等の還元剤を作用させると一般式[III](一
般式[XI]に於いて、R4が水素原子で、R5が−NH2であ
る化合物)で示される化合物が得られる。この一般式
[III]の化合物を、例えば第二鉄塩,赤血塩,重クロ
ム酸塩,次亜塩素酸塩等の酸化剤により酸化して一般式
[II]の化合物とする。
本発明に於いて用いられる、一般式[V]で示される
化合物は、例えばp−アルキルフェノールとフォルマリ
ン若しくはパラフォルムとを縮合環化した後、脱アルキ
ル化する常法により容易に合成し得るので、このように
して調製したものを用いれば足りる。
本発明に於いて用いられる、一般式[VI]で示される
化合物は、上記した如き方法により得られた一般式
[V]で示される化合物を、常法、即ち無水酢酸,アシ
ルクロライド等のアシル化剤と反応させることにより容
易に合成し得るので、このようにして調製したものを用
いれば足りる。
本発明に於いて用いられる、芳香族ジアゾニウム塩
は、アニリン,スルファニル酸,ナフチルアミン,スル
フォナフチルアミン等の芳香族第一級アミンと亜硝酸を
反応させれば、容易に得られるのでこのようにして調製
したものを用いれば足りる。
また、一般式[I]及び[II]の化合物は、お互いの
還元型或は酸化型の化合物であり、一方を原料とすれば
他方は容易に調製し得る。即ち、一般式[I]で示され
る化合物に、例えば第二鉄塩,赤血塩,重クロム酸塩等
の酸化剤を作用させて酸化すれば、容易に一般式[II]
の化合物となるし、また、一般式[II]の化合物を、二
硫化炭素、クロロホルム,四塩化炭素等のハロゲン化炭
化水素、アルコール類、テトラヒドロフラン、或はクロ
ルベンゼン等の芳香族炭化水素等の溶媒に分散し、これ
にハイドロサルファイト水溶液,亜硫酸塩水溶液,亜硫
酸溶液等の還元剤を作用させれば、容易に一般式[I]
の化合物となる。
以下に実施例を示し、本発明を更に詳細に説明する
が、本発明はこれらにより何ら制限されるものではな
い。
[実施例] 実施例1.経路1によるパラベンゾキノリルタイプ−カリ
ックス[4]アレン(一般式[II]でn=4の化合物)
の合成 (1)パラアセチル−ハイドロキシ−カリックス[4]
アレン(一般式[VII]でR1=−CH3,n=4の化合物)の
合成 アセトキシ−カリックス[4]アレン(一般式[VI]
でR1=−CH3の化合物)5.0gをニトロベンゼン135mlに溶
解し、これに無水塩化アルミニウム6.8gを加え、50〜60
℃にて5時間撹拌後、10%塩酸50mlを加え、更に1時間
撹拌した。その後水層を除き有機層を水洗した。次にニ
トロベンゼンを減圧下に留去し、得られた粉末をクロロ
ホルムで再結晶して、パラアセチル−ハイドロキシ−カ
リックス[4]アレンの白色結晶性粉末4.73gを得た。
m.p.:369℃ 元素分析値:(C9H8O2)4(分子量592) 理論値(%):C;72.99、H;5.40 測定値(%):C;73.05、H;5.32 13CNMR(CDCl3):δ(ppm)26.3(CH3),31.0(CH2),12
8.5(Ar*H),129.3(Ar*−CH2),129.5(Ar*−C=
0),156.6(Ar*−0),196.0(C=0)1 HNMR(CDCl3):δ(ppm)2.5(CH3),4.0(CH2),6.8
(ArH) MS(m/e):593 (2)パラアセトアミド−ハイドロキシ−カリックス
[4]アレン(一般式[VIII]でR1=−CH3,n=4の化
合物)の合成 (1)で得られたパラアセチル−ハイドロキシ−カリ
ックス[4]アレン1.5gを酢酸60mlと硫酸4.5mlとの混
液中に室温で撹拌溶解した。これに撹拌下ナトリウムア
ジド0.98gを少量づつ添加しこれを65℃で5時間撹拌し
た。内容物を150mlの氷水中に注ぎ析出する粉末を取
し、ジメチルホルムアミドで再結晶してパラアセトアミ
ド−ハイドロキシ−カリックス[4]アレンの白色結晶
性粉末1.15gを得た。
m.p.:403〜407℃ 元素分析値:(C9H9O2N)4(分子量652) 理論値(%):C;66.28、H;5.52、N;8.58 測定値(%):C;66.19、H;5.61、N;8.63 IR(KBr):3150(−OH),1660(C=0),1570(アミド
II),740(NH),1620(ベンゼン環),1270〜1220(C−
O,OH)cm-1 13 CNMR((CD3)2SO):δ(ppm)23.6(CH3),31.3(C
H2),119.6(Ar*H),127.9(Ar*H),132.5(Ar*C
H2),145.0(Ar*−O),167.3(C=0)1 HNMR((CD3)2SO):δ(ppm)1.9(CH3),3.8(CH2),
7.2(ArH),9.6(NH) MS(m/e):653 (3)パラベンゾキノリルタイプ−カリックス[4]ア
レン(一般式[II]でn=4の化合物)の合成 (2)で得られたパラアセトアミド−ハイドロキシ−
カリックス[4]アレン1gを酢酸100mlに50℃で溶解
し、これに塩化第二鉄(無水)3.02g、水10ml及び塩酸
(36%)10mlとの混液を滴下した後2時間撹拌を続け
た。析出した粉末を取水洗後クロロホルムから再結晶
しパラベンゾキノリルタイプ−カリックス[4]アレン
の黄色結晶粉末0.5gを得た。この化合物は融点を示さず
200℃で褐色をおび、250℃付近で分解した。
元素分析値:(C7H4O2)4(分子量480) 理論値(%):C;70.00、H;3.33 測定値(%):C;69.92、H;3.38 1HNMR((CD3)2SO):δ(ppm)6.7(−C=C−),3.5
(−CH2−) MS(m/e):481 尚同様の方法により合成したパラベンゾキノリルタイ
プ−カリックス[6]アレン及びパラベンゾキノリルタ
イプ−カリックス[8]アレンは何れも融点を示さず20
0℃で褐変し、250℃以上で分解した。
実施例2.パラハイドロキシ−ハイドロキシ−カリックス
[4]アレン(一般式[I]でn=4の化合物)の合成 実施例1の(3)で得られたパラベンゾキノリルタイ
プ−カリックス[4]アレン0.5gをクロロホルム300ml
中に分散し、ハイドロサルファイト8.7gを水15mlに溶解
した溶液を加え、撹拌還流下に1時間反応させた。放冷
し析出する白色結晶性粉末を取しアセトンで再結晶
し、パラハイドロキシ−ハイドロキシ−カリックス
[4]アレン0.5gを得た。此の化合物は融点を示さず35
0℃で着色し、450℃で分解した。
元素分析値:(C7H6O2)4(分子量488) 理論値(%):C;68.87、H;4.92 測定値(%):C;68.81、H;4.97 IR(KBr):3450〜3200(−OH),1608(ベンゼン環),13
60(−OH),1210(C−O)cm-1 13 CNMR((CD3)2CO):δ(ppm)152.9(C*(Ar)−OH),
130.6(Ar*-CH2-Ar*),116.7(C*(Ar)),143.7C*(A
r)−OH),37.2(Ar−C*H2−Ar)1 HNMR((CD3)2CO):δ(ppm)9.8(−OH),7.8(−O
H),6.6(ArH),3.7(−CH2−) MS(m/e):489 尚同様の方法により合成したパラハイドロキシ−ハイ
ドロキシ−カリックス[6]アレン及びパラハイドロキ
シ−ハイドロキシカリックス[8]アレンは、何れも融
点を示さず350℃付近から着色し450℃以上で分解した。
実施例3.経路2によるパラハイドロキシ−ハイドロキシ
−カリックス[4]アレン(一般式[I]でn=4の化
合物)の合成 (1)パラアセチル−アセトキシ−カリックス[4]ア
レン(一般式[IX]でR1=−CH3,R2=−CH3,n=4の化
合物)の合成 実施例1の(1)により得られたパラアセチル−ハイド
ロキシ−ハイドロキシ−カリックス[4]アレン3gを無
水酢酸100ml無水酢酸ソーダ8.5gとの混合液に加え、加
熱30分後、放冷し、析出した結晶を取し、クロロホル
ムから再結晶して白色結晶性粉末3.5gを得た。
m.p.:338℃ 元素分析値:(C11H10O3)4(分子量760) 理論値(%):C;69.49、H;4.92 測定値(%):C;68.81、H;4.97 13CNMR(CDCl3):δ(ppm)20.2(CH3),20.9(CH3),3
7.5(CH2),121.8(Ar*H),133.7(Ar*-CH2),145.7
(Ar*−C=0),147.8(Ar*−O),168.5(C=0),1
69.0(C=0)1 HNMR(CDCl3):δ(ppm)1.7(CH3),2.2(CH3),3.7
(CH2),6.8(Ar*H) MS(m/e):761 (2)パラアセトキシ−アセトキシ−カリックス[4]
アレン(一般式[X]でR1=−CH3,R2=−CH3,n=4の
化合物)の合成 実施例3の(1)により得られたパラアセチル−アセト
キシ−カリックス[4]アレン1.9gをクロロホルム30ml
に溶解し、これに過安息香酸2.76gを含むクロロホルム
溶液22.5mlを加え、27日間常温暗所に置き反応させた。
次にこれを2%炭酸ソーダ溶液100mlで洗滌、更に水洗
しクロロホルムを留去して白色粉末を得た。アセトンで
再結し白色結晶性粉末1.8gを得た。
m.p.380℃ 元素分析値:(C11H10O4)4(分子量824) 理論値(%):C;64.10、H;4.85 測定値(%):C;64.13、H;4.79 13CNMR(CDCl3):δ(ppm)20.3(CH3),21.0(CH3),3
7.5(CH2),121.8(Ar*H),133.8(Ar*-CH2),147.8
(Ar*−O),168.6(C=0),169.1(C=0)1 HNMR(CDCl3):δ(ppm)1.7(CH3),2.2(CH3),3.7
(CH2),6.8(ArH) MS(m/e):825 (3)パラハイドロキシ−ハイドロキシ−カリックス
[4]アレン(一般式[I]でn=4の化合物)の合成 実施例3の(2)により得られたパラアセトキシ−アセ
トキシ−カリックス[4]アレン2.06gをエチルアルコ
ール20ml,塩化第一錫0.25gと塩酸(36%)0.25mlの溶液
に加え、1時間煮沸還流後、溶液を1/4量迄に蒸発濃縮
し、これに水15mlを加え一晩放置し析出する結晶を取
しアセトンで再結晶し白色結晶性粉末1.16gを得た。こ
の化合物は融点を示さず350℃で着色し450℃で分解し
た。
元素分析値:(C7H6O2)4(分子量488) 理論値(%):C;68.87、H;4.92 測定値(%):C;68.12、H;5.17 MS(m/e):489 実施例4.経路3によるパラベンゾキノリルタイプ−カリ
ックス[6]アレン(一般式[II]でn=6の化合物)
の合成 (1)パラフェニルアゾ−ハイドロキシ−カリックス
[6]アレン(一般式[IV]で n=6の化合物)の合成 アニリン0.93gを水20ml,塩酸(36%)3mlの溶液に溶か
し5℃以下に冷却しつゝ、これに亜硝酸ソーダ0.76gと
水1.5mlの溶液を撹拌下に滴下しジアゾニウム塩の溶液
をつくった。一方ハイドロキシ−カリックス[6]アレ
ン1.0gを酢酸ソーダ4.08gとテトラヒドロフラン20mlの
溶液に溶解し、撹拌下5℃に冷却しつゝ、上記のジアゾ
ニウム塩溶液を加え、カップリングを行った。
次に塩酸(36%)0.5mlを含む水150mlを加え、加温後
粉末を取し、水洗を繰返した後赤色粉末1.85gを得
た。
本品は融点を示さず275〜280℃で分解した。
元素分析値:(C13H10ON2)6(分子量1260) 理論値(%):C;74.30、H;4.76、N;13.33 測定値(%):C;74.36、H;4.71、N;13.29 IR(KBr):3500〜3200(−OH),1600,1470,1450(ベン
ゼン環),1270(C−O)cm-1 MS(m/e):1261 (2)パラアミノ−ハイドロキシ−カリックス[6]ア
レン(一般式[III]でn=6の化合物)の合成 実施例4の(1)により得られたパラフェニルアゾ−ハ
イドロキシ−カリックス[6]アレン2.06gを2%苛性
ソーダ溶液200mlに加温溶解し、これにハイドロサルフ
ァイト7.0gを加え、90℃に30分間加熱すると液は褪色し
白濁して来た。冷後析出した白色結晶性粉末を取、水
洗、乾燥し1.08gを得た。放置すると灰青色を経て黒色
に変化した。テトラヒドロフランで再結した。融点を示
さず260℃より分解した。
元素分析値:(C7H7ON)6(分子量726) 理論値(%):C;69.40、H;5.72、N;11.56 測定値(%):C;69.44、H;5.82、N;11.51 MS(m/e):727 (3)パラアミノ−ハイドロキシ−カリックス[6]ア
レン硫酸塩(一般式[III]でn=6の化合物の硫酸
塩)の合成 実施例4の(2)により得られたパラアミノ−ハイドロ
キシ−カリックス[6]アレン1.08gを1%硫酸18ml中
に加え充分振盪後析出した白色結晶を取、1%硫酸で
洗滌後乾燥し1.95gを得た。白色結晶性粉末で融点を示
さず250℃で着色し300℃で黒化分解した。
IR(KBr):3300〜3200(OH),3100〜2700(−NH2),162
0(ベンゼン環),1490〜1470(ベンゼン環),1140(C
−O),1120(S=0)cm-1 (4)パラアセトアミド−アセトキシ−カリックス
[6]アレン(一般式[XI]でR4=−COCH3,R5=−NHC
OCH3,n=6の化合物)の合成 実施例4の(2)で得られたパラアミノ−ハイドロキシ
−カリックス[6]アレン1.18gをピリジン50mlに溶解
し、これに無水酢酸4.89gを加え、2時間加熱還流した
後、ピリジンを真空下留去した。次に1%塩酸で洗い残
渣を取し白色結晶を得た。メタノールで再結晶し1.52
gを得た。
m.p.305〜312℃ 元素分析値:(C11H11O3N6)6(分子量1230) 理論値(%):C;64.41、H;5.36、N;6.83 測定値(%):C;64.37、H;5.41、N;6.81 IR(KBr):1750(C=0),1225(C−O),1195(C−
O),1670(C=0),1560(アミドII),3250(NH),16
60(ベンゼン環)cm-1 13 CNMR((CD3)2SO):δ(ppm)168.1(C=0),167.7
(C=0),143.0(Ar*−O),136.0(Ar*−NH),132.3
(Ar*-CH2),119.1(Ar*H),37.2(CH2),23.8(C
H3),20.0(CH31 HNMR((CD3)2SO):δ(ppm)1.6(CH3),2.0(CH3),
3.5(CH2),7.3(Ar*H),9.8(NH) MS(m/e):1231 尚同様の方法により合成したパラアセトアミド−アセ
トキシ−カリックス[4]アレンの融点は403〜407℃で
あった。
(5)パラベンゾキノリルタイプ−カリックス[6]ア
レン(一般式[II]でn=6の化合物)の合成 実施例4の(2)より得られたパラアミノ−ハイドロキ
シ−カリックス[6]アレン1.05gを酢酸30mlに溶解
し、40〜50℃に加温した。これに塩化第二鉄(無水)4.
9g,塩酸(36%)10mlと水10mlとからなる溶液を撹拌下
滴下した。更に1時間撹拌後放冷し析出した結晶を取
し、クロロホルムから再結晶し黄色の結晶性粉末1.08g
を得た。本品は融点を示さず200℃より褐変し、250℃以
上で分解する。
元素分析値:(C7H4O2)6(分子量720) 理論値(%):C;70.00、H;3.33 測定値(%):C;70.51、H;3.29 MS(m/e):721 実施例5.パラハイドロキシ−ハイドロキシ−カリックス
[6]アレン(一般式[I]でn=6の化合物)の合成 実施例4の(5)より得られたパラベンゾキノリルタイ
プ−カリックス[6]アレン1gを実施例2と同様にクロ
ロホルム中でハイドロサルファイト水溶液で還元し白色
の結晶性粉末0.98gを得た。アセトンで再結した本品を
空気中に放置すると酸化をうけ次第に灰青色となった。
融点を示さず350℃で着色し400〜450℃で分解した。
元素分析値:(C7H6O2)6(分子量732) 理論値(%):C;68.87、H;4.92 測定値(%):C;68.85、H;4.95 MS(m/e):733 実施例6.パラベンゾキノリルタイプ−カリックス[4]
アレン(一般式[II]でn=4の化合物)の合成 実施例3の(3)で得られたパラハイドロキシ−ハイド
ロキシ−カリックス[4]アレン1.2gをテトラヒドロフ
ラン100mlに加え、50℃に加温溶解し、これに塩化第二
鉄(無水)5g,水10mlと塩酸(35%)15mlとの溶液を滴
下、2時間撹拌した。減圧下でテトラヒドロフランを留
去後、残渣を0.5%塩酸50mlで洗い、更に水洗後取乾
燥し黄褐色の粉末を得た。テトラヒドロフランで再結晶
し黄色結晶性粉末0.82gを得た。本品は融点を示さず250
℃以上で分解した。
元素分析値:(C7H4O2)4(分子量480) 理論値(%):C;70.00、H;3.33 測定値(%):C;69.90、H;3.31 [発明の効果] 以上述べた如く、本発明は、包接作用のみならず、生
理活性や酸化還元作用を有する、或は電導性のある電荷
移動錯体を作ることが出来る新規なカリックスアレン誘
導体及びその製法、並びにその中間体を提供するもので
あり、斯業に貢献するところ大なる発明である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07C 215/84 233/25 245/08 245/10 C09K 3/00 108 B (56)参考文献 特開 昭62−265250(JP,A) 特開 昭61−291546(JP,A) 特開 昭61−83156(JP,A) 特開 昭62−210055(JP,A) 欧州特許出願公開237265(EP,A) Pure & Appl.Chem., Vol.58,No.11,pp.1523−1528 (1986) J.Org.Chem.,Vol.42, No.2,pp.382−383(1977)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式〔I〕又は一般式〔II〕 (式中、nは3〜8の整数を表す。) で示されるカリックスアレン誘導体。
  2. 【請求項2】一般式〔VI〕 (式中、nは3〜8の整数を表し、R1は飽和アルキル基
    を表す。) で示されるカリックスアレン誘導体をフリース転移させ
    て一般式〔VII〕 (式中、n及びR1は前記に同じ。) で示される化合物とし、これに、ナトリウムアジドを反
    応させて一般式〔VIII〕 (式中、n及びR1は前記に同じ。) で示される化合物とし、更にこれを酸化して一般式〔I
    I〕 (式中、nは前記に同じ。) で示されるカリックスアレン誘導体を製造する方法。
  3. 【請求項3】一般式〔VII〕 (式中、nは3〜8の整数を表し、R1は飽和アルキル基
    を表す。) で示されるカリックスアレン誘導体をアシル化して一般
    式〔IX〕 (式中、R2は飽和アルキル基を示し、n及びR1は前記に
    同じ。) で示される化合物とし、これを過酸により酸化して一般
    式〔X〕 (式中、n、R1及びR2は前記に同じ。) で示される化合物とし、更にこれを還元して一般式
    〔I〕 (式中、nは前記に同じ。) で示されるカリックスアレン誘導体を製造する方法。
  4. 【請求項4】一般式〔V〕 (式中、nは3〜8の整数を表す。) で示されるカリックスアレン誘導体に芳香族ジアゾニウ
    ム塩をカップリングさせて一般式[IV] (式中、nは前記に同じ。またR3は、置換されていても
    よいフェニル基又は置換されていてもよいナフチル基を
    表す。) で示される化合物とし、これを還元して一般式〔III〕 (式中、nは前記に同じ。) で示される化合物とし、更にこれを酸化して一般式〔I
    I〕 (式中、nは前記に同じ。) で示されるカリックスアレン誘導体を製造する方法。
  5. 【請求項5】一般式〔XI〕 〔式中R4が水素原子を表す場合、R5は−COR1、−NHCOR1
    (R1は飽和アルキル基を表す。)、−N=N−R3(R3
    置換基を有していてもよいフェニル基又は置換基を有し
    ていてもよいナフチル基を表す)又は−NH2を表し、R4
    が−COR2(R2は飽和アルキル基を表す)を表す場合、R5
    は−COR1又は−OCOR1、(R1は前記に同じ)を表し、n
    は3〜8の整数を表す。〕で示されるカリックスアレン
    誘導体。
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