JPH08227793A - El素子およびその製造方法 - Google Patents

El素子およびその製造方法

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JPH08227793A
JPH08227793A JP7260894A JP26089495A JPH08227793A JP H08227793 A JPH08227793 A JP H08227793A JP 7260894 A JP7260894 A JP 7260894A JP 26089495 A JP26089495 A JP 26089495A JP H08227793 A JPH08227793 A JP H08227793A
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light
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元 石原
Kazuhiro Inokuchi
和宏 井ノ口
Nobue Ito
信衛 伊藤
Tadashi Hattori
服部  正
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    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05BELECTRIC HEATING; ELECTRIC LIGHT SOURCES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; CIRCUIT ARRANGEMENTS FOR ELECTRIC LIGHT SOURCES, IN GENERAL
    • H05B33/00Electroluminescent light sources
    • H05B33/10Apparatus or processes specially adapted to the manufacture of electroluminescent light sources

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Electroluminescent Light Sources (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】多色EL素子の発光効率及び発光バランスを向上
させること。 【解決手段】第一発光層15a-第二発光層15b 間に形成さ
れた発光層隔離用誘電体層14a は各発光層間の段差を無
くし破壊発生時に破壊が隣接する発光層に及ぶことを防
止。発光層15a 以外の発光層の下に形成された発光開始
電圧調整用誘電体層14b は発光層15b に対する発光開始
電圧を発光層15a の発光開始電圧に略同等化。発光層15
a 形成領域に対応する第二電極上の赤色フィルタ18は色
純度及び輝度バランスを調整。誘電体層14a は発光クロ
ストーク及び色純度悪化を防止。発光層15a をパターン
形成しその上に誘電体層14を形成し発光層15a の非形成
領域に発光層15b を埋め込むように形成後、ホトリソグ
ラフィ法を用いずに一度に不要な誘電体層と発光層15b
を引き剥がし可能。容易に各発光層を誘電体層14a で分
離でき発光層15a 以外の発光層に誘電体層14b を重ねた
構成が可能。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、平面配置型多色E
L素子およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、EL素子を用いた多色発光をさせ
る素子構造としては、発光色の異なった発光層を、絶縁
層間に平面的に配列したものが知られている。このよう
な異なる発光層を有するものにおいては、各発光層の発
光開始電圧が異なるため、その発光開始電圧を同じにす
るべく、対策が行われている。また、異なる発光層を平
面的に配列した構造においては、発光層相互間のクロス
トーク光を回避するべく、対策が行われている。前者の
発光開始電圧を同じにするものとして、例えば実開平5
−11392号公報に開示された構造のものがある。こ
れは、マンガンを含む硫化亜鉛を母材とした第一発光層
と、希土類元素を含む硫化亜鉛を母材とした第二発光層
とを平面的に互いに隣接して配置し、かつ第一発光層の
発光開始電圧が第二発光層の発光開始電圧に比較して低
いため、該第一発光層と上記絶縁層との間に発光開始電
圧調整用の誘電体層を配置した構造である。後者のクロ
ストーク光を回避するものとして、例えば特開平4−3
9894号公報に開示された構造のものがある。これ
は、異なる発光層の間に光吸収材料から成る遮光膜を形
成した構造である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来のもので
は、発光開始電圧調整とクロストーク光回避とを同時に
達成する効果的な手段は開示されていない。本発明は、
上記手段を提供することを目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】請求項1乃至14によれ
ば、少なくとも二種類の発光層の間に発光層隔離用誘電
体層を有し、一方の発光層の光取り出し側または反光取
り出し側に選択的に発光開始電圧調整用誘電体層を有
し、これら誘電体層を同一材料で構成するとともに、そ
の屈折率を、各発光層の屈折率よりも小さく設定したこ
とから、一方の発光素子の光取り出し側または反光取り
出し側に選択的に有した発光開始電圧調整用誘電体層の
作用によって該発光層の発光開始電圧を調節することが
可能となる。従って、少なくとも二種類の発光層間の発
光開始電圧の相違に基づいて何れかの発光層に対する発
光開始電圧調整用誘電体層の設置を適切に選定すること
により、これら発光層の発光開始電圧を同じに調整する
ことができる。また、一方の発光層を発光させている場
合において該発光層からの光は所定角度で隔離用誘電体
層に入射することになる。しかし、各発光層間に発光層
隔離用誘電体層を配置しており、加えて該誘電体層の光
の屈折率を各発光層の光の屈折率より小さく設定したか
ら、一方の発光層からの光は所定角度以上では全反射し
て該発光層側に戻ることになり、従ってクロストーク光
の発生は少ない。更に、該クロストーク光は発光層側に
戻るが、発光層の表面は微細ながら凹凸が存在するた
め、その凹凸によって先の戻った光を一方の発光層の表
示光として再び利用できる。また、発光開始電圧調整用
誘電体層と隔離用誘電体層とを同一の材料で構成したか
ら、異種層が複雑に入り込むことがなく、EL素子の信
頼性、耐久性を向上させることができると共に、プロセ
ス上も各誘電体層を同時に形成することができるため、
製造上およびコスト上、有利となる。また、発光層隔離
用誘電体層は、各発光層間の隙間による段差をなくすと
共に、隣接する発光層に破壊が及ぶことを防止する。即
ち、各発光層間に隙間が形成されていると、その発光層
の膜厚分だけ段差が生じるため、上部に形成される第二
絶縁層によるカバーレージが困難であるが、発光層間に
隔離用誘電体層を形成することにより、その段差がなく
なる。一方、各発光層が連なっていると、一つの微小破
壊が発生すると、隣接する発光層へ破壊点が拡大する危
険性があるが、発光層間に隔離用誘電体層を形成するこ
とにより、その破壊点の拡大を防止することができる。
請求項2乃至5によれば、発光開始電圧調整用誘電体層
の誘電率と、該誘電体層が形成された発光層の誘電率と
を所定の関係に設定したから、一方の発光層と他方の発
光層との発光開始電圧調整が適切に行われる。請求項9
によれば、一方の発光層と発光開始電圧調整用誘電体層
との合算の膜厚を、他方の発光層の膜厚と略同一に設定
したから、第二絶縁層が形成される、これら発光層の表
面を略平坦とすることができ、EL素子の信頼性、耐久
性を向上することができる。また、請求項9において、
請求項3との組合せによれば、一方の発光層の膜厚が電
圧調整用誘電体層の膜厚分だけ減少することになるた
め、該一方の発光層の発光輝度を減じることができる。
このことは、一方の発光層と他方の発光層との発光開始
電圧を同じに設定できるとともに、これら発光層の発光
輝度を略同じに設定でき、多色EL素子として有利とな
る。また、請求項9において、請求項8との組合せによ
れば、同様に一方の発光層の膜厚が電圧調整用誘電体層
の膜厚分だけ減少することになるため、該一方の発光層
の発光輝度が一層減少するが、赤色フィルタによって他
方の発光層からの光の内、特定波長が減衰されるので、
該他方の発光層の発光輝度と一方の発光輝度とのバラン
スを図ることができる。請求項10によれば、発光開始
電圧を調整し得るのに必要な誘電体層の厚みを提供でき
る。請求項11によれば、発光開始電圧を調整し得るの
に適した材料であり、請求項12によれば、添加材料に
よってより適切な誘電率を得ることができ、ひいては所
望の発光開始電圧に設定することも可能である。主たる
金属酸化物として、請求項11に記載の酸化物を用いる
ことでこれら効果を再現性よく実現できる。請求項13
によれば、少なくとも二種類の発光層は、平面上におい
て周期的に交互に配列し、隣接する発光層を1画素とし
ているから、容易に多色の画像を表示することができ
る。請求項14によれば、電圧調整用誘電体層を、一方
の発光層の反光取り出し側に位置せしめたから、該一方
の表示光が光取り出し側に放出される際に該誘電体層に
よって輝度が減じられることがなく、従って発光開始電
圧の低減と発光輝度の保持とをバランスさせることがで
きる。請求項15によれば、第一発光層をパターニング
してその発光層の表面である上面および側面に誘電体層
を形成し、該第一発光層を形成していない領域における
第一絶縁層上に形成された誘電体層を取り除いた後、そ
の領域に第二発光層を形成し、該第二発光層をパターニ
ングして誘電体層の表面の第二発光層を取り除くから、
各発光層を誘電体層で分離する構成と、第一発光層以外
の第二発光層に対しては誘電体層を重ねない構成とを同
時に実施できる。請求項16によれば、請求項15と同
様に各発光層を誘電体層で分離する構成と、第一発光層
以外の第二発光層に対しては誘電体層を重ねない構成と
を同時に実施できる効果に加えて、余分な第二発光層を
取り除く工程と、第二発光層に対しては誘電体層を重ね
ない工程とを同時に実施することができ、請求項15の
製造方法に比較して工程の簡略化を図ることができる。
請求項17によれば、誘電体層を酸素を含むガス雰囲気
で形成することにより、硫化亜鉛を母体材料とする第一
発光層と誘電体層との界面に硫酸亜鉛の薄い層が形成さ
れ、該第一発光層の上面に形成された誘電体層および第
二発光層を、該硫酸亜鉛層が水に溶解することで容易に
取り除くことができる。請求項18によれば、誘電体を
スパッタ法で形成することにより請求項17と同様に第
一発光層と誘電体層との間に水で剥離し易い硫酸亜鉛層
を形成させることができ、同様に水で誘電体層および第
二発光層を取り除くことができる。請求項19および2
0によれば、第一発光層と誘電体層との界面に形成され
た硫酸亜鉛等の層に水、または薬液を導くことができ、
誘電体層および第二発光層の取り除きを一層容易にす
る。
【0005】
【実施例】
(第一実施例)以下、本発明を具体的な実施例に基づい
て説明する。図1は、本発明のEL素子を示す模式的な
構成断面図である。透明ガラス基板11上に第一透明電
極12が形成され、その上に第一絶縁層13が形成され
ている。そしてその上に第一発光層15aが選択的に配
置されて形成され、その間に絶縁材料である発光層隔離
用誘電体層14aを挟んで第二発光層15bが第一発光
層15aと同一平面内に形成されている。そして第一発
光層15aの直上には発光開始電圧調整用誘電体層14
bが形成されている。ここで、発光層隔離用誘電体層1
4aと発光開始電圧調整用誘電体層14bは同一材料で
形成され、第一発光層15aを覆う形となっており、発
光開始電圧調整用誘電体層14bの上面と第二発光層1
5bの上面は、同じ高さで平坦に形成される。そして、
その上に第二絶縁層16がそれらを覆いつくす形で形成
されている。そして各発光層に対して第二電極17が配
置されている。
【0006】ここで、第一発光層15aの誘電率をε
l、発光開始電圧調整用誘電体層14bの誘電率をεr
とすると、εl>εrの時、このEL素子の両発光層に
同一電圧を印加した場合には、第一発光層15aは第二
発光層15bに比べて発光開始電圧調整用誘電体層14
bが形成されている分だけ、かかる電圧(分圧)が低下
する。しかし、第一発光層15aの発光開始電圧が第二
発光層15bより低い場合には、実際の発光開始電圧は
等しくなる。逆に、εl<εrの時、このEL素子の両
発光層に同一電圧を印加した場合には、第一発光層15
aは第二発光層15bに比べて発光開始電圧調整用誘電
体層14bが形成されている分だけ、かかる電圧(分
圧)が上昇する。しかし、第一発光層15aの発光開始
電圧が第二発光層15bより高い場合には、実際の発光
開始電圧は等しくなる。また、各発光層間は発光層隔離
用誘電体層14a(図1の14で縦方向の部分)で分離
されているので、破壊の発生時にその破壊が隣接する発
光層にまで及びことがない。さらに、発光層隔離用誘電
体層14aの屈折率が、発光層の屈折率より低い場合に
は、各発光層間の光のクロストークをなくすことができ
る。
【0007】次に、前述の多色発光のEL素子の具体的
な製造方法の一例について述べる。 (a) まず、絶縁性基板であるガラス基板11上に、透明
なITOからなる第一電極12をDCスパッタ法により
成膜する。具体的には、ITOをターゲットして、スパ
ッタガスとしてアルゴン(Ar)、酸素(O2)ガスを導入し、
成膜炉内を一定圧力に保って、ガラス基板11を加熱し
てスパッタリングパワーを印加して200nmの膜厚に成膜
する。そして通常知られているホトリソグラフィ法を用
いて所定の形状にパターンエッチングして形成する。 (b) 次に、第一絶縁層13を、高周波スパッタ法により
成膜する。具体的には五酸化タンタル(Ta2O5) を主成分
とし、アルミナ(Al2O3) を6wt%添加したターゲットを用
い、スパッタガスとしてアルゴン(Ar)、酸素(O2)ガスの
混合ガスを与えて、一定圧力で、ガラス基板11を加熱
し、高周波電力を与えて400nm の膜厚に成膜する(図2
(a))。
【0008】(c) 次に第一発光層15aとしてZnS:Mn層
をスパッタ法もしくは蒸着法で、膜厚が450nm になるよ
うに成膜する。蒸着法による場合、具体的には、硫化亜
鉛(ZnS) にマンガン(Mn)を添加したペレットを蒸着材と
し、ガラス基板11を加熱し電子ビーム蒸着を行う。高
周波マグネトロンスパッタ法の場合は、硫化亜鉛(ZnS)
にマンガン(Mn)を添加した焼結体をターゲットとし、ス
パッタガスとしてアルゴン(Ar)とヘリウム(He)ガスの混
合ガスを導入して行う(図2(b))。 (d) 次に、第一発光層15aの発光させない部分を、通
常知られているホトリソグラフィ法を用いて取り去る
(図2(c))。 (e) そして第一発光層15aおよび開口した領域全体
に、酸窒化シリコン(SiON)層を発光層隔離用誘電体層お
よび発光開始電圧調整用誘電体層(ともに14)として
形成する。具体的には、基板温度300 ℃、パワー密度3.
1W/cm2でアルゴン(Ar)105SCCM 、酸素(O2)5SCCM 、窒素
(N2)40SCCMの混合ガスを用い、シリコン(Si)をターゲッ
トにした反応性高周波マグネトロンスパッタ法により10
0nm の膜厚に形成する(図2(d))。 (f) 次に、第一発光層15aの形成された部分を通常の
ホトリソグラフィ法を用いてレジストで覆い(図示せ
ず)、第一発光層15aの形成されていない部分(第一
絶縁層13直上)の誘電体層14を、四フッ化炭素(C
F4) と酸素(O2)の混合ガスでドライエッチングして取り
除く(図2(e))。
【0009】(g) 次に、その上に第二発光層15bとし
て、ZnS:TbOF層を高周波マグネトロンスパッタ法により
成膜する。具体的には、硫酸亜鉛(ZnS)aにテルビウム(T
bOF)を添加した焼結体をターゲットとし、スパッタガス
としてアルゴン(Ar)とヘリウム(He)ガスの混合ガスを導
入し、内部を一定圧力に保って、ガラス基板11を加熱
しながら、高周波電力を与えて550nm の厚さに成膜する
(図2(f))。 (h) そして、(第一発光層15a上の)誘電体層14の
上の第二発光層15bを、通常知られていないホトリソ
グラフィ法を用いて取り去る(図2(g))。この時、第一
発光層15a上の誘電体層14bは、第二発光層15b
のエッチングストッパとしても作用するので第一発光層
15aにダメージを与えることがない。
【0010】(i) その後、誘電体層14bと第二発光層
15bの上に第二絶縁層16を形成する。ここでは、ま
ず誘電体層14と同様の方法で100nm の膜厚のSiONを成
膜し、その上に、第一絶縁層13と同様の方法で300nm
の膜厚の五酸化タンタル・アルミナの複合膜(Ta2O5:Al2
O3) を成膜し、二層構造から成る第二絶縁層16を形成
する。 (h) その上に透明な第二電極17を、イオンプレーティ
ング法により成膜する。具体的には酸化亜鉛(ZnO) に酸
化ガリウム(Ga2O3) を添加したペレットを蒸着材とし、
アルゴン(Ar)ガスを導入して0.04Paに保ち、ガラス基板
11を250 ℃に加熱して、40W の高周波電力を印加して
成膜する。そして再び、同様に通常のホトリソグラフィ
法を用いて所望の形状にパターニングして第二電極17
を形成する。ここで、第二電極17としては、ITO電
極をDCスパッタ法で形成しても良い。また第一絶縁層
13、第二絶縁層16は五酸化タンタル・アルミナの複
合膜(Ta2O5:Al2O3) の単層膜とSiON膜と五酸化タンタル
・アルミナの複合膜の積層膜で構成したが、Ta2O5 、Al
2O3 、Si3N4 、SiO2、SiON、PbTiO3、Y2O3、SrTiO3の単
層膜や、或いはこれらを主成分とする複合膜や、これら
の積層膜で構成しても良い。
【0011】ここでの、第一発光層15aであるZnS:Mn
膜のクランプ電界強度Ev1 は、約1.5MV/Cmで、その比誘
電率ε1 ’は約10.5であり、屈折率η1 は2.3 〜2.4 の
範囲にある。また、ZnS:TbOFより成る第二発光層15b
は、クランプ電界強度Ev2 が、約1.8MV/Cmで、その比誘
電率ε2 ’は約8.5 であり、屈折率η2 は2.3 〜2.4 の
範囲にある。さらに、発光層隔離用誘電体層及び発光開
始電圧調整用誘電体層( 共に14)である酸窒化シリコ
ン(SiON)膜は、比誘電率εr’は約5.8 であり、その屈
折率ηrは1.5 〜1.6 の範囲にある。つまり、この場合
の第一発光層15aと発光開始電圧調整用誘電体層14
bの誘電率の関係はεl>εrにあり、第一発光層15
aが第二発光層15bと同じ膜厚である場合に比べ、第
一発光層15aの一部が発光開始電圧調整用誘電体層1
4bと置き替わった分だけ、第一発光層15aにかかる
電圧(分圧)が低下する。しかし、この場合の第一発光
層15aの発光開始電圧(=絶縁層構成が同じ時、クラ
ンプ電界強度と発光層誘電率により決まる)は、第二発
光層15bより低いので、実際の発光開始電圧は185Vか
ら190Vの範囲内で等しくなる。言い換えれば、発光開始
電圧調整用誘電体層14bが第一発光層15a側のEL
素子の発光開始電圧を上昇させていると言える。具体的
にその電圧上昇は、第一発光層15aが薄くなった分と
の差し引きで約12V である。また、この場合の第一発光
層15aであるZnS:Mnは第二発光層15bであるZnS:Tb
OFに比べ同一膜厚で、同じ電圧を印加した場合はもちろ
ん、発光開始電圧から同じ電圧を印加する場合(即ち、
ZnS:TbOFにZnS:Mnとの発光開始電圧の差の分だけ余計に
電圧を印加する場合)にも、その輝度は高いが、ここで
はZnS:Mnの膜厚をZnS:TbOFの膜厚より薄く形成している
ので、ZnS:Mnの発光輝度を低く抑えることができ、両者
の輝度のバランスを取ることができる。さらに、各発光
層間に配置された発光層隔離用誘電体層14aの屈折率
ηrが、発光層の屈折率(η1 、η2 )より低い(ηr
<η1 〜η2 )ので、各発光層間の光のストロークをな
くすことができる。
【0012】(第二実施例)図3は、本発明のもう一つ
のEL素子を示す模式的な構成断面図である。透明ガラ
ス基板11上に第一透明電極12が形成され、その上に
第一絶縁層13が形成されている。そしてその上に第一
発光層15aが選択的に配置されて形成され、その間に
第二発光層15bが、絶縁材料である発光層隔離用誘電
体層および発光開始電圧調整用誘電体層(ともに14)
を介して埋め込まれる形で、第一発光層15aと同一平
面内に形成されている。そして、各発光層の上面は平坦
に形成されて、その上面に第二絶縁層16が各発光層を
覆いつくす形で形成されている。そして各発光層に対し
て第二電極17が配置され、第一発光層15a形成領域
に対応する第二電極17上に色純度調整用のフィルタが
形成されている。
【0013】本実施例と第一実施例との違いは、主にそ
の製造プロセスにあり、結果として第二発光層15bの
下側に発光開始電圧調整用誘電体層14bが形成される
構成となる。ここでは、発光開始電圧調整用誘電体層1
4bの誘電率εrと第二発光層15bの誘電率の関係が
逆(即ち、ε2 <εr)の場合の効果について説明す
る。この場合は、第二発光層15bの一部がそれより誘
電率の高い発光開始電圧調整用誘電体層14bと置き替
わったと見なせるので、その分だけ全てが第二発光層1
5bである場合に比べ、かかる電圧(分圧)が上昇す
る。つまり、低い電圧で発光を開始する。しかし、この
場合の第二発光層15bの発光開始電圧は、元々、第一
発光層15aより高いので、実際の発光開始電圧は等し
くなる。言い換えれば、発光開始電圧調整用誘電体層1
4bが第二発光層15b側のEL素子の発光開始電圧を
低下させていると言える。但し、この場合には第一実施
例の時と異なり、第一発光層15aであるZnS:Mnの方が
第二発光層15bであるZnS:TbOFに比べ、膜厚が厚くな
るので、発光開始電圧は同じでも、ZnS:Mn側のEL素子
の輝度は、ZnS:TbOF側のEL素子に比べてますます高く
なることになる。そこで、第一発光層15aであるZnS:
Mnの形成領域に対応する第二電極17の上にのみ赤色フ
ィルタ18を形成することで、ZnS:TbOF側のEL素子と
の輝度バランスを保つ構成とする。例えば、ZnS:Mnの黄
橙色発光を、590nm 以下の波長のスペクトルをカットす
る赤色フィルタ18に通すと、その発光輝度は元の黄橙
色発光輝度の約20% に減衰する。このような構成とする
ことで、輝度のバランスを取ることのみならず、赤色の
色合いが増加するため、赤−緑間の色のバリエーション
を飛躍的に増すことができる。
【0014】次に、前述の多色発光のEL素子の具体的
な製造方法の一例について述べる。 (a) まず、絶縁性基板であるガラス基板11上に、透明
なITOからなる第一電極12を第一実施例と同様にD
Cスパッタ法により200nm の膜厚に成膜し、ホトリソグ
ラフィ法を用いて所定の形状にパターニングして形成す
る。 (b) 次に、第一絶縁層13を、第一実施例と同様に、五
酸化タンタル・アルミナの複合膜(Ta2O5:Al2O3) を400n
m の膜厚に成膜する(図4(a))。
【0015】(c) 次に第一発光層15aとしてZnS:Mn層
を第一実施例と同様に成膜する。但し、その膜厚は650n
m になるようにする(図4(b))。 (d) 次に、第一発光層15aの発光させない部分を、通
常知られているホトリソグラフィ法を用いて取り去る
(図4(c))。 (e) そして第一発光層15aおよび開口した領域全体
に、五酸化タンタル(Ta2O5) 層を発光層隔離用誘電体層
および発光開始電圧調整用誘電体層(ともに14)とし
て形成する。具体的には、アルゴン(Ar)140SCCM 、酸素
(O2)60SCCMの混合ガスを用い、五酸化タンタル(Ta2O5)
焼結体をターゲットとし、一定圧力で、基板11を300
℃に加熱しながら、パワー密度4.1W/cm2の高周波電力を
与えて150nmの膜厚にスパッタ成膜する(図4(d))。 (f) 次に、その上に第二発光層15bとしてZnS:TbOF層
を第一実施例と同様に高周波スパッタ法により500n
mの膜厚に成膜する(図4(e))。
【0016】(g) そして次に、ガラス基板11全体を水
に浸して、第一発光層15aの上にある第二発光層15
bを、あいだの五酸化タンタル(Ta2O5) 層ごと洗い流し
て(リフトオフして)、余分な第二発光層15bを取り
除く。第一発光層15aと第二発光層15bの間にある
五酸化タンタル(Ta2O5) 層は、第一発光層15aの上に
この五酸化タンタル(Ta2O5) 層を形成する際に、O2雰囲
気で行うためその界面に硫酸亜鉛(ZnSO4) の薄い層が形
成され、このため、ガラス基板11を水中に浸すだけで
容易にこの薄い硫酸亜鉛(ZnSO4) 層が溶けて、上の第二
発光層15bがリフトオフされる(図4(f))。また、第
一発光層15a及び第二発光層15bの表面に接触する
液は水であるため、第一発光層15a、第二発光層15
bに悪い影響は及ぼさない。 (h) 以下図示しないが、次に真空中において、熱処理を
加え、各発光層15a、15bの結晶性を向上させる。 (i) その後、各発光層の上に第二絶縁層16を第一実施
例と同様に、100nm の膜厚のSiON膜と300nm の膜厚の五
酸化タンタル・アルミナの複合膜(Ta2O5:Al2O3)から成
る二層構造の第二絶縁層16を形成する。 (j) その上に酸化亜鉛(ZnO:Ga2O3) から成る透明な第二
電極17を、第一実施例と同様にイオンプレーティング
法により成膜し、同様にホトリソグラフィ法を用いて所
望の形状にパターニングして第二電極17を形成する。 (k) 最後に、透明な第二電極17上に赤色染料を溶かし
た感光性のレジストを塗布する。そして、ホトリソグラ
フィ法によりZnS:Mnより成る第一発光層15a形成領域
に対応する透明な第二電極17上にレジストを残し、他
を除去することにより赤色フィルタ18を形成する。
【0017】ここで、発光層隔離用誘電体層及び発光開
始電圧調整用誘電体層( 共に14)として用いた五酸化
タンタル(Ta2O5) 層は、比誘電率εr’が約23であり、
その屈折率ηrは2.0 〜2.1 の範囲にある。しかし、誘
電体層14としては五酸化タンタル(Ta2O5) 層に限定さ
れるものではなく、この他にCr2O3 、IrO 、Ir2O3 、Cu
2O等の誘電体を用いてもかまわない。所望の発光開始電
圧とするには、発光層の誘電率との関係が重要であり、
そのためには、これらの酸化物誘電体にAl2O3、SiO2、Y
2O3、WO3 、Nb2O5 等を添加して誘電率を調整してもか
まわない。例えば、第一絶縁層13として使用した五酸
化タンタル・アルミナの複合膜(Ta2O5:Al2O3) は、比誘
電率εr’が約17であり、その屈折率ηrは1.9 〜2.0
の範囲にあり、もちろん発光層隔離用誘電体層及び発光
開始電圧調整用誘電体層として用いることができる。こ
れらの酸化物誘電体層は、水酸基(OH - ) を形成する、
または水(H2O) を包含した構造と成り得る金属酸化物で
あり、誘電体層を通して発光層表面に形成された硫酸亜
鉛(ZnSO4) 等の層へ水を導くことができ、さらに剥離を
容易にする。この製造方法は、第一実施例の製造方法に
比べ、ホトエッチング工程を2回を少なくできる点で経
済的に極めて優れた方法であるが、そのポイントは発光
層との界面に水溶性の生成物を形成させることと、その
層に水、薬液等を導く経路を有することである。
【0018】仮に、発光層との界面に水溶性の生成物を
形成させたとしても、これに水、薬液等を導く経路を持
たない緻密で浸透性のない膜ではリフトオフさせること
はできない。また、ある程度薄い膜、例えば膜厚10nm以
下なら膜に多数のピンホールを作ることでリフトオフで
きるしもしれないが、その程度の膜厚ではダイナミック
な発光開始電圧の調整はできない。好ましい発光開始電
圧の調整を行なうには、少なくとも50nm以上の膜厚は必
要である。また、好ましい発光輝度を確保するために
は、その膜厚を200nm 以下程度に抑える必要がある。上
記の酸化物誘電体層は、その構造中に水酸基(OH - ) 等
を介して水を移動させることができるので、比較的厚い
膜にでも水を導くことができ、わざわざピンホールを作
る必要もない。尚、第一発光層15aと第二発光層15
bの間にある五酸化タンタル(Ta2O5)層を形成する際
に、第一発光層15aとの界面に、硫酸亜鉛(ZnSO4) で
はなく、酸化亜鉛(ZnO) が形成されてしまう場合があっ
たとしても、この酸化亜鉛(ZnO)の薄膜は、酢酸などの
弱い酸に溶けるため、やはり容易に、余分な第二発光層
15b及びその下の部分の五酸化タンタル(Ta2O5) 層1
4をリフトオフさせて除去することができる。
【0019】(第三実施例)本発明の構造上の特徴は、
発光層隔離用誘電体層14a及び発光開始電圧調整用誘
電体層14bとを有することである。そして、それらの
効果、特に、発光開始電圧調整用誘電体層14bの効果
については、第一実施例及び第二実施例において詳細に
説明した。本実施例では、発光層隔離用誘電体層14a
の効果、特に発光のクロストーク防止効果について比較
サンプル(図5、図6)を作成し、第二実施例の構造
(図3)と比較して詳細に説明する。
【0020】比較サンプルA(図5)は、第二実施例の
構造(図3)から発光層隔離用誘電体層14a及び発光
開始電圧調整用誘電体層14bを取り除いたもので、第
一発光層15aと第二発光層15bが各々ストライプ状
に(紙面に垂直な方向に長く伸びている)形成され、各
々の発光層が直接隣接する構造となっており、第二実施
例と同様に、第一発光層15a(ZnS:Mn)の形成領域に対
応する第二電極17上に赤色フィルタ18がストライプ
状に形成されている。また、比較サンプルB(図6)
は、第二電極17上の全てを覆うように赤色フィルタ1
8が形成されている以外は、比較サンプルA(図5)と
同じ構造をしている。第二実施例の構造(図3)におい
て、赤色発光は第一発光層15a(ZnS:Mn)の発光が赤色
フィルタ18を通過することによって得られ、緑色発光
は、第二発光層15b(ZnS:Tb)の発光から得られる。同
様に、比較サンプルA(図5)においても、赤/緑の各
々の発光開始電圧は異なるものの、基本的には同じであ
る。比較サンプルB(図6)においては、第二発光層1
5b(ZnS:TbOF)からの緑色発光が赤色フィルタ18によ
りカットされ、光が取り出せない点では異なるが、赤色
発光が赤色フィルタ18を介して取り出される点では同
じである。
【0021】この3つのEL素子について、赤色のみを
発光させた時の色純度測定結果を表1に示す。表中の
x、yの値は、国際照明委員会(Commission Internatio
nale del'Eclairage=CIE) の標準色度図(C.I.E.Chromat
icity Diagram)の色度座標値を示すもので、x座標値が
大きく、y座標値が小さくなるほど赤色の色純度が増す
(真の赤色に近づく)ことを意味する。この結果からわ
かるように、本発明の1つである第二実施例の構造のも
の(図3)とサンプルB(図6)については同じ値を示
すもののサンプルA(図5)は、赤色の純度が悪くなっ
ている。
【0022】
【表1】
【0023】これは、サンプルA(図5)では、第一と
第二の発光層がつながっており、その屈折率がいずれも
約2.36と同じであるため、赤色発光をさせた場合(ZnS:M
n 上の第二電極17のみに電圧を印加した場合) に、表
示面側へ光が放射されるだけでなく、放射光が発光層の
平面方向( 即ち、表示面と直角方向) へも進行するため
である。このように発光層中を平面方向へ進行する光の
一部は、発光層の粒界等によりその方向を変え、表示面
側にも放射される。このような光は、フィルタを介さず
に直接ZnS:Mnの黄橙色の光を放つので、この色成分が混
入した分、赤色の色純度を下げることとなる。これに対
しサンプルB(図6)は、表示面側の全てに赤色フィル
タ18が形成されているので、サンプルA(図5)のよ
うに発光層中を平面方向へ進行し方向を変え、表示面側
に光が放射されても全て赤色フィルタ18を介して光が
取り出される。従って、この赤色フィルタ18で決まる
真の色純度と言える。また、本発明の第二実施例の構造
(図3)においては、発光層よりも屈折率の低い物質か
ら成る発光層隔離用誘電体層14aを有するため、発光
層中を平面方向へ進行しようとする光が発光層隔離用誘
電体層14aで反射され、隣接するZnS:TbOF発光層から
抜け出すことができず、赤色フィルタ18で決まる真の
色純度を示しているものと思われる。
【0024】この結果から、本発明における発光層隔離
用誘電体層は、隣接する発光層への破壊の広がりを防止
するだけでなく、その屈折率を発光層の屈折率より小さ
くすることにより光の横漏れによるクロストークを抑え
られ、特に特定の部位にのみ色純度向上のためのフィル
タを設ける場合に有効であることがわかる。
【0025】(第四実施例)図示はしないが、三種類以
上の異なる発光色を発光する発光層を形成する場合に
は、前述の第二実施例の二つの発光層を形成した図2
(f) の段階から、さらに第三番目以降の発光層を形成す
る領域をエッチング工程で開口して、再び誘電体層を形
成する図2(d) からの、同様な発光層形成工程を実施し
ていく。その際、それまでに形成された前の発光層は硫
化亜鉛(ZnS) を母材としたものであって、第三発光層を
形成する際に、開口した後に五酸化タンタル(Ta2O5) 層
を設け、第三発光層をその上に形成し、水でリフトオフ
する。第一、及び第二発光層は硫化亜鉛(ZnS) を母材と
するので、五酸化タンタル(Ta2O5) の層との界面に硫酸
亜鉛(ZnSO4) の薄い膜が形成され、余分な第三発光層は
容易にリフトオフされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施例に示すEL素子の模式的構
成断面図。
【図2】本発明の第一実施例に示すEL素子の模式的な
製造工程図。
【図3】本発明の第二実施例に示すEL素子の模式的構
成断面図。
【図4】本発明の第二実施例に示すEL素子の模式的な
製造工程図。
【図5】本発明の第三実施例に示す比較サンプルAのE
L素子の模式的構成断面図。
【図6】本発明の第三実施例に示す比較サンプルBのE
L素子の模式的構成断面図。
【符号の説明】
11 ガラス基板 12 第一電極 13 第一絶縁層 14a 発光層隔離用誘電体層 14b 発光開始電圧調整用誘電体層 15a 第一発光層 15b 第二発光層 16 第二絶縁層 17 第二電極 18 赤色フィルタ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 服部 正 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本電 装株式会社内

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】絶縁性基板上に第一電極、第一絶縁層、発
    光層、第二絶縁層、および第二電極を、少なくとも光取
    り出し側の材料を光学的に透明なものにて順次積層し形
    成し、前記発光層を、発光色の異なる少なくとも二種類
    の発光層として平面的に配列した多色表示EL素子にお
    いて、 前記少なくとも二種類の発光層が各々分離して形成さ
    れ、前記各発光層間に発光層隔離用誘電体層を有すると
    共に、 前記各発光層の内の一方の発光層の光取り出し側または
    その反光取り出し側に、選択的に形成された発光開始電
    圧調整用誘電体層を有し、 前記発光層隔離用誘電体層と前記発光開始電圧調整用誘
    電体層とを同一材料で構成すると共に、該両誘電体層の
    光の屈折率を、前記各発光層の光の屈折率よりも小さく
    設定したことを特徴とするEL素子。
  2. 【請求項2】前記発光開始電圧調整用誘電体層の誘電率
    が、これが光取り出し側またはその反対側に形成され
    た、前記一方の発光層の誘電率より小さいことを特徴と
    する請求項1に記載のEL素子。
  3. 【請求項3】前記一方の発光層が、他方の発光層と同一
    厚さであると、該他方の発光層の発光開始電圧よりも低
    い発光開始電圧となり、かつ該他方の発光層の発光輝度
    よりも高い発光輝度となることを特徴とする請求項2に
    記載のEL素子。
  4. 【請求項4】前記一方の発光層が、マンガンを含む硫化
    亜鉛であり、前記他方の発光層が、テルビウムを含む硫
    化亜鉛であることを特徴とする請求項3に記載のEL素
    子。
  5. 【請求項5】前記発光開始電圧調整用誘電体層の誘電率
    が、これが光取り出し側またはその反対側に形成され
    た、前記一方の発光層の誘電率より大きいことを特徴と
    する請求項1に記載のEL素子。
  6. 【請求項6】前記一方の発光層が、他方の発光層と同一
    厚さであると、該他方の発光層の発光開始電圧よりも高
    い発光開始電圧となり、かつ該他方の発光層の発光輝度
    よりも低い発光輝度となることを特徴とする請求項5に
    記載のEL素子。
  7. 【請求項7】前記一方の発光層が、テルビウムを含む硫
    化亜鉛であり、前記他方の発光層が、マンガンを含む硫
    化亜鉛であることを特徴とする請求項6に記載のEL素
    子。
  8. 【請求項8】前記他方の発光層に対応する位置における
    前記第二電極の上方に、特定波長を減衰させる赤色フィ
    ルタを形成したことを特徴とする請求項7に記載のEL
    素子。
  9. 【請求項9】前記一方の発光層と、その光取り出し側ま
    たはその反対側に形成された前記発光開始電圧調整用誘
    電体層との合算の膜厚が、前記他方の発光層の膜厚と略
    同一であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか
    一つに記載のEL素子。
  10. 【請求項10】前記発光開始電圧調整用誘電体層の膜厚
    が50nm以上200nm以下であることを特徴とする
    請求項1乃至9のいずれか一つに記載のEL素子。
  11. 【請求項11】前記発光開始電圧調整用誘電体層および
    前記発光層隔離用誘電体層が、SiON、Ta2O5 、Cr2O3
    IrO 、Ir2O3 、Cu2Oから選ばれた少なくとも一種の材料
    により構成されていることを特徴とする請求項1乃至1
    0のいずれか一つに記載のEL素子。
  12. 【請求項12】前記発光開始電圧調整用誘電体層および
    前記発光層隔離用誘電体層が、Ta2O5 、Cr2O3 、IrO 、
    Ir2O3 、Cu2Oから選ばれた少なくとも一種に対して、Al
    2O3 、SiO2、Y2O3、WO3 、およびNb2O5 から選ばれた少
    なくとも一種が添加された材料により構成されているこ
    とを特徴とする請求項11に記載のEL素子。
  13. 【請求項13】前記少なくとも二種類の発光層は、平面
    上において周期的に交互に配列され、隣接する前記発光
    層を1画素とすることを特徴とする請求項1乃至11の
    いずれか一つに記載のEL素子。
  14. 【請求項14】前記電圧調整用誘電体層は、前記一方の
    発光層の前記反光取り出し側に位置していることを特徴
    とする請求項1乃至13のいずれか一つに記載のEL素
    子。
  15. 【請求項15】絶縁性基板上に第一電極、第一絶縁層、
    発光層、第二絶縁層、および第二電極を、少なくとも光
    取り出し側の材料を光学的に透明なものにて順次積層し
    形成し、前記発光層を、発光色の異なる少なくとも二種
    類の第一および第二発光層として平面的に配列した多色
    表示EL素子の製造方法であって、 前記第一絶縁層上に前記第一発光層を形成する工程と、 前記第一発光層をパターニングして、前記第一絶縁層上
    に第一発光層の非形成領域を確立する工程と、 前記パターニング後の前記第一発光層の表面である上面
    および側面、ならびに前記非形成領域における前記第一
    絶縁層の露出表面に誘電体層を形成する工程と、 前記
    非形成領域の前記第一絶縁層上に形成された前記誘電体
    層を取り除く工程と、 前記第一発光層の上面の前記誘電体層の表面、および前
    記誘電体層が取り除かれて露出した前記第一絶縁層の前
    記露出表面に前記第二発光層を形成する工程と、 前記
    第二発光層をパターニングして、前記誘電体層上の前記
    表面に形成された前記第二発光層を取り除く工程と、を
    含むことを特徴とするEL素子の製造方法。
  16. 【請求項16】絶縁性基板上に第一電極、第一絶縁層、
    発光層、第二絶縁層、および第二電極を、少なくとも光
    取り出し側の材料を光学的に透明なものにて順次積層し
    形成し、前記発光層を、発光色の異なる少なくとも二種
    類の第一および第二発光層として平面的に配列した多色
    表示EL素子の製造方法であって、 前記第一絶縁層上に前記第一発光層を形成する工程と、 前記第一発光層をパターニングして、前記第一絶縁層上
    に第一発光層の非形成領域を確立する工程と、 前記パターニング後の前記第一発光層の表面である上面
    および側面、ならびに前記非形成領域における前記第一
    絶縁層の露出表面に誘電体層を形成する工程と、 前記
    第一発光層の上面に形成された前記誘電体層の表面、お
    よび前記非形成領域の第一絶縁層上に形成された前記誘
    電体層の表面に第二発光層を形成する工程と、 水または薬液により、前記第一発光層の上面から該上面
    に形成された前記誘電体層を剥離して、前記第一発光層
    上の前記誘電体層および該誘電体層の表面に形成された
    前記第二発光層を取り除く工程と、を含むことを特徴と
    するEL素子の製造方法。
  17. 【請求項17】前記第一発光層が硫化亜鉛を母体材料と
    する発光層であって、前記誘電体層が酸素を含むガス雰
    囲気で形成されることを特徴とする請求項16に記載の
    EL素子の製造方法。
  18. 【請求項18】前記誘電体層がスパッタ法で形成される
    ことを特徴とする請求項17に記載のEL素子の製造方
    法。
  19. 【請求項19】前記誘電体層を、水酸基を形成する、ま
    たは水を包含した構造と成り得る金属酸化物を主成分と
    する材料により形成することを特徴とする請求項16乃
    至18のいずれか一つに記載のEL素子の製造方法。
  20. 【請求項20】前記誘電体層を、Ta2O5 、Cr2O3 、IrO
    、Ir2O3 、Cu2Oから選ばれた少なくとも一種の材料に
    より形成することを特徴とする請求項19に記載のEL
    素子の製造方法。
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