JPH08221638A - 硬貨処理装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 投入口へ複数枚の硬貨を積層して一括投入し
た硬貨を通路を介して検銭部に送出するようにした硬貨
処理装置において、設置スペースが小さく、かつ慣性モ
ーメントで駆動系に負担をかけない簡単な分離，送り機
構で、硬貨を１枚ずつ確実に検銭部へ送る。 【構成】 通路のうちの硬貨が落下して移動する部分
に、移動方向が上方向で、かつ下部部分がその硬貨の厚
さよりわずかに広い隙間を保って設けられたベルトコン
ベヤと、そのベルトコンベヤの移動方向に沿って互いに
所定の間隔を保って設けられた孔部又は凹部と、前記通
路のうちの前記検銭部の入口と対向する部分に、回転方
向がその入口側方向で、かつ前記硬貨の厚さよりもわず
かに狭い隙間を保って設けられた弾性部材からなる送り
ローラとを有する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、自動券売機や自動精算
機等の駅務機器、あるいは各種の自動販売機の硬貨処理
機に組込まれる硬貨処理装置に係り、特に、複数の硬貨
を積層して一括投入することができるものに関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、例えば自動券売機の硬貨投入口
は、硬貨１枚分が投入できる開口が設けられていて、複
数枚の硬貨を投入する必要があるときは、硬貨を１枚ず
つ投入するようにしている。

【０００３】ところで、このような１枚投入型の硬貨処
理機は、複数枚の硬貨を投入するのに不便であるので、
数枚の硬貨、例えば３枚までの硬貨を積層して一括投入
できる硬貨処理機が提案されている（例えば、実開昭５
８−７６９６５号公報）。この提案に係る硬貨処理機
は、一括投入された硬貨の落下する通路内に、硬貨１枚
分の厚さの間隙を設けて分離ローラを設けるとともに、
その分離ローラの通路内に位置する部分が硬貨の落下方
向と反対方向に回転するようにして、上述の間隙から１
枚ずつ硬貨を落下させるようにしている。

【０００４】図５は、積層一括投入型の硬貨処理機本体
ａの投入口１部分の斜視図であって、投入口１には、複
数枚（図示の例では３枚）の硬貨イ，ロ，ハが積層され
て一括投入される例が示されている。これら硬貨のう
ち、硬貨イは、硬化処理機本体ａで使用することのでき
る硬貨のうち、厚さが最も厚い硬貨（例えば５００円硬
貨）であり、また硬貨ハは、硬貨処理機本体ａで使用す
ることのできる硬貨のうち、厚さが最も薄い硬貨（例え
ば１０円硬貨）である。

【０００５】このような積層一括投入型の硬貨処理装置
は、投入口から検銭部まで硬貨が移動する途中に、１枚
ずつの硬貨に分離する分離機構が設けられていて、検銭
部には、１枚ずつ送出されるように構成されている。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の積層一括投入型の硬貨処理装置においては、検銭部
へ１枚ずつ送出する機構に分離ローラを用いているの
で、その分離ローラの設けられている通路幅は分離ロー
ラの半径以下にしなければならず、通路内に投入できる
硬貨数、つまり一括投入できる硬貨数を多くできないば
かりか、積層して投入する必要があり、硬貨のバラ入れ
ができないという欠点があった。

【０００７】そこで、本発明は、上記欠点を解決するた
めになされたものであって、その目的は、バラ入れで一
括投入でき、しかもその投入された硬貨を簡単な機構で
確実に分離して、硬貨を１枚ずつ検銭部に送出できる硬
貨処理装置を提案することにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明に係る硬貨処理装
置は、上記目的を達成するために、投入口へ複数枚の硬
貨を積層して一括投入した硬貨を通路を介して検銭部に
送出するようにした硬貨処理装置において、前記通路の
うちの硬貨が落下して移動する部分に、移動方向が上方
向で、かつ下部部分がその硬貨の厚さよりわずかに広い
隙間を保って設けられたベルトコンベヤと、そのベルト
コンベヤの移動方向に沿って互いに所定の間隔を保って
設けられた孔部又は凹部と、前記通路のうちの前記検銭
部の入口と対向する部分に、回転方向がその入口側方向
で、かつ前記硬貨の厚さよりもわずかに狭い隙間を保っ
て設けられた弾性部材からなる送りローラと、を有する
ことを特徴としている。

【０００９】

【作用】上記構成において、ベルトコンベヤは、１枚の
硬貨のみを下方へ移動させ、他の硬貨を上方へはね上げ
て１枚ずつに分離する。分離された硬貨は、送りローラ
で強制的に検銭部へ送出する。

【００１０】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図１は、一実施例に係る硬貨処理装置ａの一部を
断面で示した正面図、図２は図１のＡ−Ａ線断面図、図
３はＢ−Ｂ線断面図である。

【００１１】図１は、硬貨処理機本体ａの投入口１部分
の内側の一部を断面で示している。通路２は、投入口１
側から右下りに傾斜した入口通路２ａと、上端部が入口
通路２ａの終端に連通し、かつ分離ローラ３を有する垂
直線に対して所定の角度θ（９°前後。図２参照）傾斜
している分離通路２ｂと、一端部が分離通路２ｂの終端
側に連通し、かつ他端部が検銭部Ｃの入口Ｃ′に連通す
るとともに、右下りに傾斜した出口通路２ｃとから構成
されている。

【００１２】分離通路２ｂは、その中間部分に硬貨１枚
分の厚さ（５００円硬貨の厚さ）より少し広い隙間を有
し、ここには、移動方向が上向きの後述するベルトコン
ベヤ１０が設けられている。そして、分離通路２ｂのベ
ルトコンベヤ１０よりも上方は、複数枚（図示の例では
３枚）の硬貨が積層できる十分な空間に形成されている
とともに、ベルトコンベヤ１０よりも下方は硬貨１枚分
の厚さより少し広く（約２．０ｍｍ）形成されている。

【００１３】出口通路２ｃには、回転する合成ゴム等の
弾性部材からなる送りローラ５が設けられている。この
送りローラ５は、硬貨処理機本体ａで使用される１０円
硬貨の厚さよりも少し狭い隙間を有し、かつ回転方向が
検銭部Ｃ方向となるように設けられている。したがっ
て、送りローラ５が回転すると、出口通路２ｃ内の硬貨
は、送りローラ５の回転力により検銭部Ｃの入口Ｃ′側
に強制的に、かつ互いに所定の間隔を保って１枚ずつ送
り出される。

【００１４】ベルトコンベヤ１０は、分離通路２ｂ内に
設けられている。このベルトコンベヤ１０は、上部に１
個のローラＲ1 ，下部に２個のローラＲ2 ，Ｒ3 を三角
形の頂部部分に配置し、これらローラＲ1 ，Ｒ2 ，Ｒ3
に無端ベルトを張設して構成されている。そして、この
ベルトコンベヤ１０には、図３を矢印Ａ方向から見た図
４に示されるように、移動方向に沿って互いに所定の間
隔を保って孔部１１，１１…が設けられている。

【００１５】上部のローラＲ1 は、分離通路２ｂ外に位
置し、また、下部のローラＲ2 ，Ｒ3 のうち、分離通路
２ｂ側のローラＲ2 は、分離通路２ｂの壁面との間に硬
貨１枚分の厚さ（５００円硬貨の厚さ）より少し広い間
隙を有して設けられている。

【００１６】ローラＲ1 及びローラＲ2 の間には、ベル
トコンベヤ１０を円弧状に形成するガイド板Ｇが設けら
れている。そして、ベルトコンベヤ１０と接するガイド
板Ｇの面には、多数のローラ（図示せず）が設けられて
いて、ベルトコンベヤ１０の摩擦を低減できように工夫
されている。

【００１７】ローラＲ1 〜Ｒ3 のうちの一つのローラに
は、図示しないモータが結合されていて、ベルトコンベ
ヤ１０を図２の矢印で示される方向に、すなわち、ベル
トコンベヤ１０のうち分離通路２ｂに位置する部分が、
上方へ移動する方向に駆動されるように構成されてい
る。

【００１８】ベルトコンベヤ１０が駆動すると、分離通
路２ｂを落下する硬貨は、ベルトコンベヤ１０と分離通
路２ｂの壁面との隙間に位置する硬貨以外は、ベルトコ
ンベヤ１０に設けられている孔部１１により効果的には
ね上げられ、また、はね上げられた硬貨は分離通路２ｂ
の傾斜により隙間側に移動し、１枚ずつに効果的に分離
されて出口通路２ｃに送られる。出口通路２ｃに送出さ
れた硬貨は、上述したように、送りローラ５の回転力に
より検銭部Ｃの入口Ｃ′側に強制的に、かつ互いに所定
の間隔を保って１枚ずつ送り出される。

【００１９】上記ベルトコンベヤ１０は、分離通路２ｂ
から突出する量が少なく、したがって、設置スペースを
小さくすることができる。また、ベルトコンベヤ１０の
駆動は、従来のベルトコンベヤ１０の移動方向と同方向
に回転させて分離する分離ローラのような大きな慣性モ
ーメントがなく、駆動系の負担が小さくてすむという特
長がある。さらに、従来のように分離ローラを用いてい
ないので、分離通路２ｂ内の容積を大きくでき、したが
って、一括投入できる硬貨数を多くできるとともに、投
入口１から硬貨を積層することなくバラ入れを行うこと
もできる。

【００２０】なお、上述の実施例では、ベルトコンベヤ
１０に孔部１１を設けるようにしたが、ベルトコンベヤ
１０を貫通しないような孔、つまり凹部を設けるように
してもよい。

【００２１】

【発明の効果】本発明に係る硬貨処理装置は、通路のう
ちの硬貨が落下して移動する部分に、移動方向が上方向
で、かつ下部部分がその硬貨の厚さよりわずかに広い隙
間を保って設けられたベルトコンベヤと、そのベルトコ
ンベヤの移動方向に沿って互いに所定の間隔を保って設
けられた孔部又は凹部と、通路のうちの前記検銭部の入
口と対向する部分に、回転方向がその入口側方向で、か
つ前記硬貨の厚さよりもわずかに狭い隙間を保って設け
られた弾性部材からなる送りローラとを有しているの
で、簡単な構造で硬貨を１枚ずつに分離して検銭部に確
実に送出することができる。しかも、ベルトコンベヤを
用いているので、設置スペースが小さく、また、慣性モ
ーメントで駆動系に過負荷をかけることもない。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例装置の一部分を断面で示した
正面図である。

【図２】図１のＡ−Ａ線断面図である。

【図３】図１のＢ−Ｂ線断面図である。

【図４】ベルトコンベヤの正面図である。

【図５】硬貨処理機本体の投入口部分の斜視図である。

【符号の説明】

１ 投入口 ２ 通路 ２ａ 入口通路 ２ｂ 分離通路 ２ｃ 出口通路 ５ 送りローラ １０ ベルトコンベヤ １１ 孔部 イ，ロ，ハ 硬貨 ａ 硬貨処理機本体 ｂ 硬貨処理装置 Ｒ1 〜Ｒ3 ローラ Ｇ ガイド板

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 道繁 敦美 大阪府堺市城山台１の３の23 (72)発明者 福田 公彦 栃木県宇都宮市平出工業団地11−２ 日本 信号株式会社宇都宮事業所内

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 投入口へ複数枚の硬貨を積層して一括投
   入した硬貨を通路を介して検銭部に送出するようにした
   硬貨処理装置において、 前記通路のうちの硬貨が落下して移動する部分に、移動
   方向が上方向で、かつ下部部分がその硬貨の厚さよりわ
   ずかに広い隙間を保って設けられたベルトコンベヤと、 前記ベルトコンベヤの移動方向に沿って互いに所定の間
   隔を保って設けられた孔部又は凹部と、 前記通路のうちの前記検銭部の入口と対向する部分に、
   回転方向がその入口側方向で、かつ前記硬貨の厚さより
   もわずかに狭い隙間を保って設けられた弾性部材からな
   る送りローラと、 を有することを特徴とする硬貨処理装置。