JP3781283B2 - 現金自動処理装置 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、現金自動処理装置に関し、特に紙幣と硬貨を同一投入部に投入する現金自動処理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、金融機関等で用いられる現金自動処理装置では、磁気カードや預金通帳等を利用した操作が行われ、紙幣や硬貨の入出金が行われている。これらの現金自動処理装置においては、通常、紙幣と貨幣との両方の入出金機能があっても、両者の入出金口は別々に設けられている。そのため、現金を入金処理しようとする顧客が、あるいは、テラー操作の装置であればテラーが、紙幣と硬貨とを選別し、それぞれを別々の投入口に投入しなければならず、煩わしいという問題がある。また、誤って紙幣投入口に硬貨が投入されたり、クリップ等の異物が混入した場合には、硬貨が紙幣受け止め部に取り残されて正しい入金金額で処理されなかったり、あるいは、硬貨や異物が紙幣搬送の途中で引っかかって、紙幣搬送に障害を与えたり、ひいては、装置を停止させるという事態を招く。このように、従来の現金自動処理装置には、操作性、信頼性、運用性の低下を来す問題がある。
【0003】
そこで、これらの問題に対処するために、特開昭61−25293号公報に、現金入出金口に紙幣と硬貨とが同時に投入されたときに、紙幣を受け止める紙幣保持棒が振動するように構成された現金自動処理装置が開示されている。図6は、この従来の現金自動処理装置の紙幣・硬貨分離部の側面図であり、フロントガイド404、紙幣保持棒405、紙幣保持棒405に連結された振動装置430を備えている。顧客によって選別されることなく投入口401から投入された紙幣417と硬貨418とは、紙幣を受け止める紙幣保持棒405の上に落ちる。紙幣保持棒405は左上がりに傾斜しており、紙幣は倒れることなくフロントガイド404の上に重なる。同時に、振動装置430が振動を始める。紙幣保持棒405は、紙面前方から後方に間隔を置いて設置された2本の棒からなっており、投入された硬貨の大半は2本の紙幣保持棒405の間の隙間から落下する。紙幣保持棒405の上に載った硬貨は、振動装置430による紙幣保持棒405の振動によって紙幣保持棒405から振り落とされて落下する。落下した硬貨は硬貨鑑別部に送られ種類別に鑑別され、硬貨計数部で計数される。紙幣保持棒405の上の紙幣は、図示しないローラによって、現金投入部の下に設置されている紙幣鑑別部に送られ種類別に鑑別され、紙幣計数部で計数される。
【0004】
さらに、特開平3−259822号公報には、紙幣を1枚ずつ分離して上方に送り出すことによって、紙幣の間に挟まった硬貨や異物が紙幣とともに搬送されないようにする現金自動処理装置が開示されている。図7は、この従来の現金自動処理装置の現金投下前〔(a)〕と投下後〔(b)〕における紙幣・硬貨分離部の側面図であり、シャッタ502、紙幣押さえ503、フロントガイド504、紙幣保持棒505、コインガイド507、ピックローラ508、剥離搬送ローラ509、剥離ローラ510、を備えている。図7(a)に示すように、紙幣押さえ503が左端まで開放され、シャッタ502が開いた状態で投入口501から紙幣517が投入される。紙幣517は、紙幣保持棒505の上にほぼ垂直に、横長にセットされる。紙幣517とともに硬貨や異物が投入された場合、それらの大半は、紙幣保持棒505の隙間から下方に落下する。次に、図7(b)に示すように、シャッタ502が閉じ、紙幣押さえ503が、右方にスライドしてフロントガイド504との間に紙幣517を挟み込み、さらに、フロントガイド504に形成した孔を通してピックローラ508が紙幣517に一定の押圧を与えるようになるまで右方にスライドする。ピックローラ508は右回転しており、紙幣517を上方に繰り出す。剥離搬送ローラ509と剥離ローラ510とはともに右回転しており、ピックローラ508から繰り出されてきた紙幣517を一枚ずつ上方に送り出す。このとき、紙幣間に挟まれた硬貨や異物が、紙幣保持棒505の上に落下し、その隙間を通してさらにコインガイド507に落下する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述の特開昭61−25293号公報に記載の方法では、紙幣保持棒405の振動は一方向の運動であり、これにより紙幣保持棒405の上にブリッジした硬貨の若干は落下せずに、紙幣保持棒405の上に残る可能性がある。また、紙幣保持棒405を振動させただけでは、紙幣の間あるいは紙幣とフロントガイド404との間に挟まった硬貨、紙幣の上に乗った硬貨を完全に落下させることはできず、残った硬貨が紙幣と一緒に搬送され、装置にダメージを与える。
特開平3−259822号公報記載の方法では、紙幣の間あるいは紙幣と紙幣押さえ503やフロントガイド504との間に挟まった硬貨を除去する機能を有するが、完全ではない。また、紙幣保持棒505の上にブリッジした硬貨はそのまま残るし、紙幣の上に乗った硬貨が紙幣とともに剥離搬送ローラ509と剥離ローラ510との間に挟まれる可能性が高い。
【0006】
本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであって、その目的は、硬貨や異物が現金投入部に取り残されたり、紙幣の間に挟まった硬貨や異物あるいは紙幣の上に乗った硬貨や異物が紙幣とともに搬送され、紙幣搬送に障害を与えたり装置にダメージを与えたりすることのない、紙幣と硬貨とを同一の投入口に投入して入金できる、操作性、信頼性、運用性に優れた現金自動処理装置を提供することである。
【0007】
【発明を解決するための手段】
上記目的を解決するために、紙幣と硬貨の一括投入が可能であって、現金が投入される現金投入部と投入された現金のうち紙幣を上方に送り出す紙幣転送部が設けられ、前記紙幣転送部が硬貨の通過を阻止し紙幣を通過させる硬貨阻止機構を備えている現金自動処理装置において、前記現金投入部に投入された現金のうち紙幣を前記紙幣転送部に移動させる移動手段または前記紙幣転送部を前記現金投入部に移動させる移動手段、並びに、投入された現金のうち紙幣を前後面から挟む前板および押さえ板、を備え、
前記移動手段によって、前記紙幣が前記紙幣転送部に移動させられたとき、または、前記紙幣転送部が前記現金投入部に移動させられたとき、前記紙幣が前板および押さえ板に前後面から挟まれており、
前記硬貨阻止機構が硬貨分離ガイドを有し、前記移動手段によって、前記紙幣が前記紙幣転送部に移動させられたとき、または、前記紙幣転送部が前記現金投入部に移動させられたとき、前記前板と前記硬貨分離ガイドとの間に紙幣を通過させ、硬貨を通過させない間隙が形成され、かつ、
前記移動手段によって、前記紙幣が前記紙幣転送部に移動させられるとき、または、前記紙幣転送部が前記現金投入部に移動させられるとき、前記硬貨分離ガイドが前記前板の上端部より上に位置し、前記紙幣が前記紙幣転送部に移動させられたとき、または、前記紙幣転送部が前記現金投入部に移動させられたとき、前記硬貨分離ガイドが前記前板の上部にまで降下してくることを特徴とする現金自動処理装置、が提供される。
【0008】
また、本発明によれば、紙幣と硬貨の一括投入が可能であって、現金が投入される現金投入部と投入された現金のうち紙幣を上方に送り出す紙幣転送部が設けられ、前記紙幣転送部が硬貨の通過を阻止し紙幣を通過させる硬貨阻止機構を備えている現金自動処理装置において、前記現金投入部に投入された現金のうち紙幣を前記紙幣転送部に移動させる移動手段または前記紙幣転送部を前記現金投入部に移動させる移動手段、並びに、投入された現金のうち紙幣を前後面から挟む前板および押さえ板、を備え、
前記移動手段によって、前記紙幣が前記紙幣転送部に移動させられたとき、または、前記紙幣転送部が前記現金投入部に移動させられたとき、前記紙幣が前板および押さえ板に前後面から挟まれており、かつ、
前記移動手段によって前記紙幣が前記紙幣転送部に移動させられたときに前記前板が嵌合する、前記硬貨阻止機構の構成要素である硬貨分離ガイドが設置されたプレートが前記紙幣転送部に固定されており、前記プレートと前記硬貨分離ガイドとの間に紙幣を通過させ、硬貨を通過させない間隙が形成されていることを特徴とする現金自動処理装置、が提供される。
【0009】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
〔第1の実施の形態〕
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る現金自動処理装置の現金投入直後における紙幣・硬貨分離部の側面図〔(a)〕とそのA−A線に沿う断面図〔(b)〕である。図2は、図1の紙幣・硬貨分離部の紙幣繰り出し時における側面図〔(a)〕とそのB−B線に沿う断面図〔(b)〕である。
図1(a)、(b)に示すように、本実施の形態の現金自動処理装置は、その紙幣・硬貨分離部として、シャッタ2、紙幣押さえ3、フロントガイド4、紙幣保持棒5、案内シャフト6、コインガイド7、ピックローラ8、剥離搬送ローラ9、剥離ローラ10、硬貨分離ガイド11、硬貨分離ガイド支持機構12を有している。
【0010】
紙幣保持棒5は、最も大きい硬貨である500円硬貨の径よりも大きい間隔をおいて配置された3本の紙幣保持棒5a、5b、5cより構成されている。紙幣保持棒5a、5b、5cは、その断面形状が例えば三角形をなしており、3つの角の1つを中心として回転運動をすることによって偏芯回転運動ができるように設置されている。紙幣押さえ3およびフロントガイド4には、4本の案内シャフト6が貫通しており、4本の案内シャフト6を案内として、図示しない駆動モータによって、紙幣押さえ3およびフロントガイド4が紙面左右方向に移動可能である。紙幣押さえ3は、その高さが紙幣の縦幅と同じか、それよりも若干低くなるように設計されており、その左側面が左下がりに傾斜している。紙幣押さえ3は、紙幣17や硬貨18のセット時にはオープン状態となっており、紙幣を自由にセットできるようになっている。硬貨分離ガイド支持機構12には、紙面上下方向に延びた溝15が形成されている。溝15には台座13がはめ込まれており、フロントガイド4の位置に対応して溝15を上下するように設定されている。台座13の台座面には、台座面に垂直な方向に、上面を数mm移動できるアクチュエータ14が固定されている。アクチュエータ14の上面には、硬貨分離ガイド11の脚部が固定されている。アクチュエータ14の少なくとも一方の上面と硬貨分離ガイド11の脚部との間には圧力センサが挿入されている。図1(b)に示すように、硬貨分離ガイド支持機構12は、フロントガイド4の上部を挟んで、その左右に1個ずつ配置されており、現金自動処理装置の筐体に固定されている。フロントガイド4には孔16が設けられており、その奥にピックローラ8が配置されている。
【0011】
顧客が、磁気カードあるいは預金通帳を現金自動処理装置に備えられている、それぞれ、カード出入口あるいは通帳出入口に挿入すると、現金投入部のシャッタ2が開く。次に、顧客は、紙幣と硬貨とを選別することなしに、紙幣と硬貨とを同一の投入口1に投入する。顧客が投入口1に現金を投入すると、例えば投入口1の中に設置された、現金の通過を検知するための赤外線センサがそれを感知して、シャッタを閉じる。同時に、紙幣保持棒5が偏芯回転運動を行う。
紙幣17は、紙幣保持棒5の上にほぼ垂直に、横長にセットされる。そのため、投入された紙幣17と硬貨18とのうち、硬貨18の大半は、紙幣保持棒5の間の隙間から落下する。硬貨18が紙幣保持棒5の上に乗ったり、ブリッジしても、紙幣保持棒5が回転運動をしているので、すぐにコインガイド7まで落下してしまう。紙幣間、あるいは、紙幣と紙幣押さえ3またはフロントガイド4との間に挟まれた硬貨18も、紙幣保持棒5の偏芯回転運動によって偏芯分だけ紙幣17が上下に振動するために、その大半が紙幣保持棒5に落下し、さらにコインガイド7まで落下する。紙幣保持棒5を構成する3本の棒5a、5b、5cの回転速度を互いに異ならせたり、回転の位相を互いに異ならせたりすることによって、これらの効果をより効果的にさせることもできる。
【0012】
次に、図2(a)に示すように、図示しない駆動モータによって、紙幣押さえ3が、案内シャフト6に案内されながら紙面右方へスライドして、フロントガイド4との間に紙幣17を挟み込む。図2(a)において、図1(a)と同じ構成要素には同じ参照符号が付されている。このとき、紙幣17を傷つけないよう、紙幣保持棒5の偏芯回転運動を停止させてもよい。さらに、紙幣押さえ3とフロントガイド4とは紙幣17を挟んだまま、ピックローラ8、剥離搬送ローラ9、剥離ローラ10および硬貨分離ガイド11のある方向へスライドしていき、フロントガイド4に形成された孔16を通して、ピックローラ8が紙幣17に密着し、紙幣17を押圧する。駆動モータによって紙幣押さえ3、フロントガイド4および紙幣17を右方に押す力と、ピックローラ8が押し戻す力とがバランスして、紙幣押さえ3、フロントガイド4および紙幣17の移動が停止する。図2(b)に示すように、紙幣押さえ3、フロントガイド4および紙幣17の移動が停止すると、台座13が硬貨分離ガイド支持機構12の溝15に沿って下降し、硬貨分離ガイド11がフロントガイド4の上部まで移動する。硬貨分離ガイド11の下端と紙幣の上端との間隔は、最も大きい硬貨である500円硬貨の直径よりも広くなるように設定されている。硬貨分離ガイド11の脚部以外の部分は断面が鉤状の形状をなしており、フロントガイド4との隙間が1円硬貨の厚み以下になるように設定されている。
【0013】
ピックローラ8は右回転しており、紙幣17を硬貨の落下する方向と反対方向の上方に繰り出す。繰り出された紙幣17は剥離搬送ローラ9と剥離ローラ10との間に送り込まれる前に、硬貨分離ガイド11とフロントガイドとの間の隙間を通り抜ける。このとき、フロントガイド4と硬貨分離ガイド11との隙間が1円硬貨の厚み以下になるように設定されているため、その隙間から紙幣17は通過できるが硬貨は通過できない。したがって、紙幣17の間に挟まった硬貨、紙幣17とフロントガイド4や紙幣押さえ3との間に挟まった硬貨、ならびに、紙幣17の上に乗った硬貨がまだ残っていたとしても、それらの硬貨は、フロントガイド4と硬貨分離ガイド11との隙間を通過することができない。
【0014】
万一、フロントガイド4と硬貨分離ガイド11との間に硬貨が食い込んで挟まるという事態が発生したとしても、少なくとも一方のアクチュエータ14と硬貨分離ガイド11の脚部との間の圧力センサが硬貨の食い込みによって発生する圧力を感知して、アクチュエータ14に信号を送る。信号を受けたアクチュエータは、硬貨が食い込んでいる硬貨分離ガイド11とフロントガイド4との間の隙間を広げ、硬貨分離ガイド11をフロントガイド4から開放して、硬貨を自然落下させる。一定時間の間に硬貨が落下しなかった場合には、圧力センサがアクチュエータに再度信号を送る。信号を受けてアクチュエータの上面が連続的に上下動し、その振動によって硬貨が落下する。硬貨がフロントガイド4と硬貨分離ガイド11との間の隙間から離れると、圧力センサがアクチュエータ14に信号を送り、硬貨分離ガイド11とフロントガイド4との隙間を1円硬貨の厚み以下にする。以上の硬貨分離ガイド11のフロントガイド4からの開放動作や振動動作は、硬貨が硬貨分離ガイド11とフロントガイド4との隙間に食い込んだときだけではなく、例えば紙幣が1枚繰り出されるごとという具合に、決まったタイミングで行われるようにしてもよい。
【0015】
硬貨分離ガイドを通過した紙幣17は、剥離搬送ローラ9と剥離ローラ10との間に送り込まれる。剥離搬送ローラ9は右回転しており、剥離ローラ10は静止または右回転している。これによって、ピックローラ8によって紙幣17が複数枚重なって繰り出されてくるときにも、紙幣17が1枚1枚分離して剥離搬送ローラ9と剥離ローラ10との間に取り込まれる。取り込まれた紙幣17は、紙幣鑑別部に送られ種類別に鑑別され、紙幣計数部で計数される。
【0016】
紙幣の送り込みが終了すると、紙幣押さえ3とフロントガイド4とは最初の位置に戻され、紙幣押さえ3がフロントガイド4から開放される。ここで、特に紙幣押さえ3とフロントガイド4との間に紙幣を挟みこんだ際に紙幣保持棒5の偏芯回転運動を停止させていた場合には、10秒間程度、紙幣保持棒5の偏芯回転運動を行う。これにより、紙幣保持棒5に硬貨が残っていたとしても、それらの硬貨は完全にコインガイド7に落下する。
コインガイド7に落下した硬貨は全て、従来通り、硬貨分離部に設置されている回転分離盤によって1枚ずつ分離された後、硬貨鑑別部に送られ種類別に鑑別され、硬貨計数部で計数される。
【0017】
顧客が現金を投入する際に誤って異物を投入した場合には、異物は硬貨と同様に紙幣から分離され、硬貨とともに硬貨鑑別部に送られる。硬貨鑑別部に送られた異物は、パターン認識によって硬貨と区別され、顧客に返却される。
【0018】
以上説明したように、現金投入口1に投入された紙幣、硬貨または/および異物のうち、硬貨または/および異物の大半は、紙幣を受け止める紙幣保持棒5の隙間からコインガイド7に落下する。紙幣保持棒5の上に乗った、あるいは、ブリッジした硬貨または/および異物も、紙幣保持棒5の偏芯回転運動によって振り落とされ、コインガイド7に落下する。紙幣の間に挟まったり、紙幣の上に乗って、紙幣保持棒5の偏芯回転運動によっても振り落とされなかった硬貨または/および異物は、ピックローラ8による紙幣の上方への繰り出し操作の際に、硬貨分離ガイド11によって紙幣から分離される。硬貨分離ガイド11とフロントガイド4との隙間に硬貨または/および異物が挟まった場合には、硬貨分離ガイド11とフロントガイド4との間隔を広げることによって、あるいは、硬貨分離ガイド11または/およびフロントガイド4を振動させることによって、挟まれた硬貨または/および異物を容易に自然落下させることが可能である。最後に紙幣押さえ3をフロントガイド4から開放し、紙幣保持棒5の偏芯回転運動を行うことによって、最後まで残っていた硬貨がコインガイド7に落下する。
【0019】
これらによって、硬貨や異物が剥離搬送ローラ9と剥離ローラ10との間に挟まり、剥離搬送ローラ9あるいは/および剥離ローラ10を傷つけたり、紙幣搬送に障害を与えたり、装置を停止させたりすることがない。
なお、硬貨分離ガイド11のフロントガイド4の上部への移動は、硬貨分離ガイド11の下方へのスライドではなく、横方向のスライドによってもよいし、回転運動によってもよい。
【0020】
〔第2の実施の形態〕
図3は、本発明の第2の実施の形態に係る現金自動処理装置の現金投入直後〔(a)〕と紙幣繰り出し時〔(b)〕における紙幣・硬貨分離部の側面図である。
図3(a)に示すように、本実施の形態の現金自動処理装置は、その紙幣・硬貨分離部として、シャッタ102、紙幣押さえ103、フロントガイド104、紙幣保持棒105、案内シャフト106、コインガイド107、ピックローラ108、剥離搬送ローラ109、剥離ローラ110、硬貨分離ガイド111、フロントガイド受けプレート119、補助フロントガイド121を有している。
フロントガイド104は、その高さが紙幣117の縦幅よりも若干低い方が望ましいことを除けば、第1の実施の形態のフロントガイド4と同様の形状を有しており、ピックローラ108を差し込むための孔が形成されている。補助フロントガイド121は、投入口101に現金が投入されたときに、フロントガイド104と筐体との隙間から現金、特に硬貨や異物がピックローラ108等のある紙幣繰り出し領域にとびだして、ピックローラ108、剥離搬送ローラ109、剥離ローラ110等を傷つけないようにするためであり、シャッタ102と同期して開閉する。即ち、シャッタ102が紙面奥に引っ込んで開いている時に補助フロントガイド121が紙面前方に出て閉じ(図中、点線にて示す状態)、シャッタ102が紙面前方に出て閉じている時に補助フロントガイド121が紙面奥に引っ込んで開く。補助フロントガイド121は省略されることもある。
【0021】
フロントガイド受けプレート119は、フロントガイド104がピックローラ108の方にスライドしてきたときに、その凹部120にフロントガイド104を嵌め込むためのものである。フロントガイド受けプレート119の上部には、図示しないアクチュエータを介して、硬貨分離ガイド111の脚部が固定されている。アクチュエータの少なくとも一方の上面と硬貨分離ガイド111の脚部との間には圧力センサが挿入されている。硬貨分離ガイド111は第1の実施の形態の硬貨分離ガイド11と同様の形状をしており、硬貨分離ガイド111の脚部以外の断面が鉤状の部分が紙面手前から奥に向かってフロントガイド104の上部の幅よりも長い距離に渡って延びている。硬貨分離ガイド111の脚部以外の断面が鉤状の部分とフロントガイド受けプレート119の上部との間には、通常、1円硬貨の厚さよりも狭い隙間が形成されているが、アクチュエータを駆動することによって、その隙間を数mmの間隔まで広げることが可能である。硬貨分離ガイド111は、また、凹部120にフロントガイド104が嵌合したときに、硬貨分離ガイド111の下端と紙幣117の上端との距離が最も大きい硬貨である500円硬貨の直径よりも長くなるように固定されている。フロントガイド受けプレート119にはフロントガイド104と同様に孔が形成されており、フロントガイド受けプレート119の凹部120にフロントガイド104を嵌め込んだときにピックローラ108の左端が一定の距離だけフロントガイド104の左端から突き出すように、ピックローラ108が、その孔に差し込まれている。図3のその他の構成要素には、図1ないし図2の対応する構成要素と下2桁が共通する参照符号が付せられており、その機能は図1ないし図2の装置の対応する構成要素と同一であるため、その説明を省略する。
【0022】
第1の実施の形態と同様に、紙幣117と硬貨118とが同時に投入口101に投入されると、硬貨118の大半は、紙幣保持棒105の間の隙間から落下する。硬貨118が紙幣保持棒105の上に乗ったり、ブリッジしても、紙幣保持棒105が偏芯回転運動をしているので、すぐにコインガイド107まで落下してしまう。紙幣間、あるいは、紙幣と紙幣押さえ103またはフロントガイド104との間に挟まれた硬貨も、紙幣保持棒105の偏芯回転運動によって偏芯分だけ紙幣が上下に振動するために、その大半が紙幣保持棒105に落下し、さらにコインガイド107まで落下する。
【0023】
次に、図3(b)に示すように、図示しない駆動モータによって、紙幣押さえ103が、案内シャフト106に案内されながら紙面右方へスライドして、フロントガイド104との間に紙幣を挟み込む。さらに、紙幣押さえ103とフロントガイド104とは紙幣を挟んだまま、フロントガイド受けプレート119に向かってスライドし、フロントガイド104がフロントガイド受けプレート119の凹部120に嵌合する。
【0024】
フロントガイド104に形成された孔を通して、ピックローラ108が紙幣117に密着し、押圧する。以後の動作は、第1の実施の形態と同様である。即ち、紙幣117は、ピックローラ108によって、硬貨の落下する方向と反対方向の上方に繰り出される。紙幣117の間、紙幣117とフロントガイド104や紙幣押さえ103との間、あるいは、紙幣117の上に硬貨が残っていた場合には、それらの硬貨は、硬貨分離ガイド111とフロントガイド受けプレート119との間の隙間を通過することができずに紙幣117から分離する。硬貨分離ガイド111とフロントガイド受けプレート119との間の隙間に硬貨が食い込んだ場合には、第1の実施の形態と同様に、硬貨分離ガイド111の脚部の少なくとも一方の下に設置されている圧力センサが硬貨の食い込みによる圧力を検知して、硬貨分離ガイド111や圧力センサの下のアクチュエータに信号を送る。信号を受けたアクチュエータは、硬貨分離ガイド111とフロントガイド受けプレート119との間の隙間を広げて、硬貨を自然落下させる。硬貨がフロントガイド104と硬貨分離ガイド111との間の隙間から離れると、圧力センサがアクチュエータに信号を送り、硬貨分離ガイド111とフロントガイド104との隙間を1円硬貨の厚み以下にする。硬貨が一定時間の間に落下しなかった場合の動作は、第1の実施の形態の場合の動作と同様である。また、硬貨分離ガイド111の開放動作や振動動作は、第1の実施の形態と同様に、決まったタイミングで行われるようにしてもよい。
硬貨分離ガイドを通過した紙幣は、1枚1枚分離して剥離搬送ローラ109と剥離ローラ110との間に取り込まれる。取り込まれた紙幣は、紙幣鑑別部に送られ種類別に鑑別され、紙幣計数部で計数される。
【0025】
紙幣の送り込みが終了すると、紙幣押さえ103とフロントガイド104とは最初の位置に戻され、紙幣押さえ103がフロントガイド104から開放される。ここで、第1の実施の形態と同様に、10秒間程度、紙幣保持棒105の偏芯回転運動を行う。これにより、紙幣保持棒105に硬貨が残っていたとしても、それらの硬貨は完全にコインガイド107に落下する。
コインガイド107に落下した硬貨は全て、従来通り、硬貨分離部に設置されている回転分離盤によって1枚ずつ分離された後、硬貨鑑別部に送られ種類別に鑑別され、硬貨計数部で計数される。
顧客が現金を投入する際に誤って異物を投入した場合には、異物は硬貨と同様に紙幣から分離され、硬貨とともに硬貨鑑別部に送られる。硬貨鑑別部に送られた異物は、パターン認識によって硬貨と区別され、顧客に返却される。
【0026】
本実施の形態の現金自動処理装置が、第1の実施の形態の現金自動処理装置と同じ効果を持つことは明らかである。
さらに、本実施の形態の現金自動処理装置は、フロントガイド受けプレート119に硬貨分離ガイド111を固定し、その凹部120にフロントガイド104を嵌合させるようにしているので、硬貨分離ガイド111を移動させる必要がない。これによって、硬貨分離ガイド111あるいは/およびフロントガイド104の移動に伴って硬貨分離ガイド111とフロントガイド104との間の隙間が変動することを防止することが可能である。
【0027】
〔第3の実施の形態〕
図4は、本発明の第3の実施の形態に係る現金自動処理装置の現金投入直後における紙幣・硬貨分離部の側面図である。
図4に示すように、本実施の形態の現金自動処理装置は、その紙幣・硬貨分離部として、シャッタ202、紙幣押さえ203、フロントガイド204、紙幣保持棒205、案内シャフト206、コインガイド207、ピックローラ208、剥離搬送ローラ209、剥離ローラ210、硬貨分離ガイド211、補助フロントガイド221を有している。
紙幣保持棒205と案内シャフト206とは、右上がりに若干傾斜している。紙幣押さえ203は、紙幣保持棒205と案内シャフト206とに垂直であり、案内シャフト206に案内されて右上方にスライド可能である。フロントガイド204は、紙幣保持棒205と案内シャフト206とに垂直であり、その上端が剥離搬送ローラ209と剥離ローラ210との接触部のほぼ真下にくるように固定されている。フロントガイド204は、第1の実施の形態のフロントガイド4と同様の形状を有しており、その正面の上部の左端および右端には、図示しないアクチュエータを介して、硬貨分離ガイド211の脚部が固定されている。アクチュエータの少なくとも一方の上面と硬貨分離ガイド211の脚部との間には圧力センサが挿入されている。硬貨分離ガイド211は第1の実施の形態の硬貨分離ガイド11と同様の形状をしており、硬貨分離ガイド211の脚部以外の断面は鉤状をなしている。硬貨分離ガイド211の脚部以外の断面が鉤状の部分とフロントガイド204の上部との間には、通常、1円硬貨の厚さよりも狭い隙間が形成されているが、アクチュエータを駆動することによって、その隙間を数mmの間隔まで広げることが可能である。硬貨分離ガイド211は、紙幣押さえ203によってフロントガイド204に紙幣が押しつけられたとき、硬貨分離ガイド211の下端と紙幣217の上端との距離が最も大きい硬貨である500円硬貨の直径よりも長くなるように固定されている。フロントガイド204には、第1の実施の形態のフロントガイド4と同様の孔が形成されている。ピックローラ208は、その孔に、左端がフロントガイド204の左端から一定の距離だけ突き出すように差し込まれている。
【0028】
補助フロントガイド221は、投入口201に現金が投入されたときに、現金、特に硬貨や異物が右方にとびだしてローラ等を傷つけないようにすると同時に、紙幣217が紙幣保持棒205の上に倒れることを防止する。補助フロントガイド221は、シャッタ202が開いている時に閉じ、シャッタ202が閉じている時に開く。即ち、シャッタ202が紙面奥に引っ込んで開いている時に補助フロントガイド221が紙面前方に出て閉じ(図中、点線にて示す状態)、シャッタ202が紙面前方に出て閉じている時に補助フロントガイド221が紙面奥に引っ込んで開く。補助フロントガイド221は省略されることもある。図4のその他の構成要素には、図1ないし図3の対応する構成要素と下2桁が共通する参照符号が付せられており、その機能は図1ないし図3の装置の対応する構成要素と同一であるため、その説明を省略する。
【0029】
第1の実施の形態と同様に、紙幣217と硬貨218とが同時に投入口201に投入されると、硬貨218の大半は、紙幣保持棒205の間の隙間から落下する。硬貨218が紙幣保持棒205の上に乗ったりブリッジしても、紙幣保持棒205が偏芯回転運動をしているので、すぐにコインガイド207まで落下してしまう。紙幣間、あるいは、紙幣と紙幣押さえ203またはフロントガイド204との間に挟まれた硬貨も、紙幣保持棒205の偏芯回転運動によって偏芯分だけ紙幣が上下に振動するために、その大半が紙幣保持棒205に落下し、さらにコインガイド207まで落下する。
【0030】
紙幣217は、補助フロントガイドに妨げられて紙幣保持棒205の上に倒れ込むことはない。また、紙幣保持棒205が右上がりに傾斜しているので、紙幣217は、紙幣押さえ203の紙幣側の面にもたれて重なる。
【0031】
次に、図4に示すように、シャッタ202が閉じ、補助フロントガイド221が開く。補助フロントガイド221が開いても、紙幣保持棒205が右上がりに傾斜しているので、紙幣217は倒れない。次いで、図示しない駆動モータによって、紙幣押さえ203が、案内シャフト206に案内されながら紙面右方へスライドして、フロントガイド204との間に紙幣を挟み込む。
【0032】
フロントガイド204に形成された孔を通して、ピックローラ208が紙幣217に密着し、押圧する。以後の動作は、第1および第2の実施の形態と同様である。即ち、紙幣217は、ピックローラ208によって、硬貨の落下する方向と反対方向の上方あるいは若干左よりの上方に繰り出される。紙幣217の間、紙幣217とフロントガイド204や紙幣押さえ203との間、あるいは、紙幣217の上に硬貨が残っていた場合には、それらの硬貨は、硬貨分離ガイド211とフロントガイド204との間の隙間を通過することができずに紙幣217から分離される。硬貨分離ガイド211とフロントガイド204との間の隙間に硬貨が食い込んだ場合には、第1および第2の実施の形態と同様に、硬貨分離ガイド211の少なくとも一方の下に設置された圧力センサが硬貨の食い込みによる圧力を検知してアクチュエータを駆動し、硬貨分離ガイド211とフロントガイド204との間の隙間を広げ、隙間から硬貨が落下すると硬貨分離ガイド211とフロントガイド204との間の隙間を1円硬貨の厚さ以下の間隔に狭める。硬貨が一定時間の間に落下しなかった場合の動作は、第1の実施の形態の場合と同様である。また、硬貨分離ガイド211の開放動作や振動動作は、第1の実施の形態と同様に、決まったタイミングで行われるようにしてもよい。硬貨分離ガイドを通過した紙幣は、1枚1枚分離して剥離搬送ローラ209と剥離ローラ210との間に取り込まれる。取り込まれた紙幣は、紙幣鑑別部に送られ種類別に鑑別され、紙幣計数部で計数される。
【0033】
紙幣の送り込みが終了すると、紙幣押さえ203が、フロントガイド204から開放され、最初の位置に戻される。ここで、第1の実施の形態と同様に、10秒間程度、紙幣保持棒205の偏芯回転運動を行う。これにより、紙幣保持棒205に硬貨が残っていたとしても、それらの硬貨は完全にコインガイド207に落下する。
コインガイド207に落下した硬貨は全て、従来通り、硬貨分離部に設置されている回転分離盤によって1枚ずつ分離された後、硬貨鑑別部に送られ種類別に鑑別され、硬貨計数部で計数される。
顧客が現金を投入する際に誤って異物を投入した場合には、異物は硬貨と同様に紙幣から分離され、硬貨とともに硬貨鑑別部に送られる。硬貨鑑別部に送られた異物は、パターン認識によって硬貨と区別され、顧客に返却される。
【0034】
本実施の形態の現金自動処理装置が、第1および第2の実施の形態の現金自動処理装置と同じ効果を持つことは明らかである。
さらに、本実施の形態の現金自動処理装置は、第2の実施の形態の場合のフロントガイド受けプレートを必要としない。
【0035】
〔第4の実施の形態〕
図5は、本発明の第4の実施の形態に係る現金自動処理装置の現金投入直後における紙幣・硬貨分離部の側面図である。
図5に示すように、本実施の形態の現金自動処理装置は、その紙幣・硬貨分離部として、シャッタ302、紙幣押さえ303、フロントガイド304、紙幣保持棒305、案内シャフト306、コインガイド307、ピックローラ308、剥離搬送ローラ309、剥離ローラ310、硬貨分離ガイド311、補助フロントガイド321を有している。
【0036】
本実施の形態の現金自動処理装置においては、硬貨分離ガイド311が、剥離ローラ310に対して1円硬貨の厚さ程度の隙間を置いて、剥離ローラ310の下部に、鉤状の断面をなして紙面手前から奥に延びている。鉤状の断面の剥離搬送ローラ309側の先端部は細くなっている。硬貨分離ガイド311の両端には脚部があり、その脚部が図示しないアクチュエータを介して、現金自動処理装置の筐体に固定されている。アクチュエータの少なくとも一方の上面と硬貨分離ガイド311の脚部との間には圧力センサが挿入されている。硬貨分離ガイド311の断面が鉤状の部分とフロントガイド304の上部との間には、通常、最小で1円硬貨の厚さよりも狭い隙間が形成されているが、アクチュエータを駆動することによって、その隙間を1円硬貨の厚さよりも広い間隔まで広げることが可能である。硬貨分離ガイド311は、紙幣押さえ303によってフロントガイド304に紙幣が押しつけられたとき、硬貨分離ガイド311の下端と紙幣317の上端との距離が最も大きい硬貨である500円硬貨の直径よりも長くなるように固定されている。図5のその他の構成要素には、図4の対応する構成要素と下2桁が共通する参照符号が付せられており、その機能は図4の装置の対応する構成要素と同一であるため、その説明を省略する。
【0037】
本実施の形態の現金自動処理装置の動作は、第3の実施の形態の現金自動処理装置の動作と同様である。即ち、現金投入口301に投入された紙幣317、硬貨318のうち、硬貨318の大半は、紙幣保持棒305の間の隙間から落下する。紙幣保持棒の上にブリッジした硬貨318も、紙幣保持棒305の偏芯回転運動によって振り落とされ、コインガイドに落下する。紙幣間に挟まれた硬貨も、紙幣保持棒305の偏芯回転運動による紙幣の上下振動によって、その大半がコインガイド307まで落下する。
【0038】
次に、図5に示すように、シャッタ302が閉じ、図示しない駆動モータによって、紙幣押さえ303が、案内シャフト306に案内されながら紙面右方へスライドして、フロントガイド304との間に紙幣を挟み込む。フロントガイド304に形成された孔を通して、ピックローラ308が紙幣317に密着し、押圧する。紙幣317は、ピックローラ308によって、硬貨の落下する方向と反対方向の上方あるいは若干左よりの上方に繰り出される。紙幣317の間、紙幣317とフロントガイド304や紙幣押さえ303との間、あるいは、紙幣317の上に硬貨が残っていた場合には、それらの硬貨は、硬貨分離ガイド311とフロントガイド304との間の隙間を通過することができずに紙幣317から分離される。硬貨分離ガイド311とフロントガイド304との間の隙間に硬貨が食い込んだ場合には、第3の実施の形態と同様に、硬貨分離ガイド311の少なくとも一方の下に設置された圧力センサが硬貨の食い込みによる圧力を検知してアクチュエータを駆動し、硬貨分離ガイド311とフロントガイド304との間の隙間を広げ、隙間から硬貨が落下すると硬貨分離ガイド311とフロントガイド304との間の隙間を1円硬貨の厚さ以下の間隔に狭める。硬貨が一定時間の間に落下しなかった場合の動作は、第3の実施の形態の場合と同様である。また、硬貨分離ガイド311の開放動作や振動動作は、第3の実施の形態と同様に、決まったタイミングで行われるようにしてもよい。硬貨分離ガイドを通過した紙幣は、1枚1枚分離して剥離搬送ローラ309と剥離ローラ310との間に取り込まれる。取り込まれた紙幣は、紙幣鑑別部に送られ種類別に鑑別され、紙幣計数部で計数される。
【0039】
紙幣の送り込みが終了すると、紙幣紙幣押さえ303が、フロントガイド304から開放され、最初の位置に戻される。ここで、第3の実施の形態と同様に、10秒間程度、紙幣保持棒305の偏芯回転運動を行う。これにより、紙幣保持棒305に硬貨が残っていたとしても、それらの硬貨は完全にコインガイド307に落下する。コインガイド307に落下した硬貨は全て、従来通り、硬貨分離部に設置されている回転分離盤によって1枚ずつ分離された後、硬貨鑑別部に送られ種類別に鑑別され、硬貨計数部で計数される。
顧客が現金を投入する際に誤って異物を投入した場合には、異物は硬貨と同様に紙幣から分離され、硬貨とともに硬貨鑑別部に送られる。硬貨鑑別部に送られた異物は、パターン認識によって硬貨と区別され、顧客に返却される。
本実施の形態の現金自動処理装置は、第3の実施の形態の現金自動処理装置の硬貨分離ガイドを現金自動処理装置の筐体に設置したものである。第1の実施の形態の現金自動処理装置あるいは第2の実施の形態の現金自動処理装置の硬貨分離ガイドを現金自動処理装置の筐体に設置しても同様の効果が得られることは明らかである。
本実施の形態の現金自動処理装置が、第1、第2および第3の実施の形態の現金自動処理装置と同じ効果を持つことは明らかである。
【0040】
以上、本発明をその好適な実施の形態に基づいて説明したが、本発明の現金自動処理装置は、上述した実施の形態のみに制限されるものではなく、本願発明の要旨を変更しない範囲で種々の変化を施した現金自動処理装置も、本発明の範囲に含まれる。例えば、紙幣保持棒上や紙幣間等から硬貨を振り落とす運動として偏芯回転運動が用いられたが、偏芯回転運動に替えて、上下あるいは左右への振動運動、あるいは、各紙幣保持棒間の間隔を変化させるような運動が用いられてもよい。また、紙幣保持棒の本数は3本に限られず、各紙幣保持棒間に硬貨が効果的にすり抜けられる間隔が置かれる限り、何本であってもよい。さらに、紙幣保持棒の断面形状は三角形に限らず楕円形等、偏芯回転運動を行うことのできる形状であればどのような形状であってもよい。また、紙幣保持棒の偏芯回転運動は、どのような機構によってなされてもよい。また、紙幣押さえやフロントガイドをピックローラ、剥離搬送ローラ、剥離ローラ等のある領域へスライドさせるのではなく、紙幣押さえおよびフロントガイドを固定しておいて、ピックローラ、剥離搬送ローラ、剥離ローラ等を紙幣押さえおよびフロントガイドのある方向へスライドさせてもよい。また、それらの移動は、直進運動によって行われるのではなく、回転運動によって行われてもよい。さらに、紙幣はピックローラによって、上方ではなく、斜め上方に繰り出されてもよい。また、硬貨分離ガイドの断面形状は鉤形に限らず、円形、楕円形等の、フロントガイドやフロントガイド受けプレートとの隙間に面する面が滑らかな曲面を形成する形状であれば、どのような形状であってもよい。
【0041】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の現金自動処理装置は、紙幣をピックローラによって上方に繰り出す際に硬貨の通過できない隙間を通すものであるから、硬貨または/および異物はその隙間を通過できない。
また、本発明の現金自動処理装置は、紙幣保持棒が偏芯回転運動を行うものであるので、現金投入口に投入された紙幣、硬貨または/および異物のうち、紙幣保持棒の上に乗った、あるいは、ブリッジした硬貨または/および異物は、紙幣保持棒から振り落とされ、紙幣から確実に分離される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態に係る現金自動処理装置の現金投入直後における紙幣・硬貨分離部の側面図〔(a)〕とA−A線に沿う断面図〔(b)〕。
【図2】 図1の紙幣・硬貨分離部の紙幣繰り出し時における側面図〔(a)〕とB−B線に沿う断面図〔(b)〕。
【図3】 本発明の第2の実施の形態に係る現金自動処理装置の現金投入直後〔(a)〕と紙幣繰り出し時〔(b)〕における紙幣・硬貨分離部の側面図。
【図4】 本発明の第3の実施の形態に係る現金自動処理装置の現金投入直後における紙幣・硬貨分離部の側面図。
【図5】 本発明の第4の実施の形態に係る現金自動処理装置の現金投入直後における紙幣・硬貨分離部の側面図。
【図6】 従来の現金自動処理装置の紙幣・硬貨分離部の側面図。
【図7】 従来の他の現金自動処理装置の紙幣・硬貨分離部の側面図。
【符号の説明】
1、101、201、301、401、501 投入口
2、102、202、302、502 シャッタ
3、103、203、303、503 紙幣押さえ
4、104、204、304、404、504 フロントガイド
5、5a、5b、5c、105、205、305、405、505 紙幣保持棒
6、106、206、306 案内シャフト
7、107、207、307、507 コインガイド
8、108、208、308、508 ピックローラ
9、109、209、309、509 剥離搬送ローラ
10、110、210、310、510 剥離ローラ
11、111、211、311 硬貨分離ガイド
12 硬貨分離ガイド支持機構
13 台座
14 アクチュエータ
15 溝
16 孔
17、117、217、317、417、517 紙幣
18、118、218、318、418 硬貨
119 フロントガイド受けプレート
120 凹部
121、221、321 補助フロントガイド
430 振動装置

Claims (4)

  1. 紙幣と硬貨の一括投入が可能であって、現金が投入される現金投入部と投入された現金のうち紙幣を上方に送り出す紙幣転送部が設けられ、前記紙幣転送部が硬貨の通過を阻止し紙幣を通過させる硬貨阻止機構を備えている現金自動処理装置において、前記現金投入部に投入された現金のうち紙幣を前記紙幣転送部に移動させる移動手段または前記紙幣転送部を前記現金投入部に移動させる移動手段、並びに、投入された現金のうち紙幣を前後面から挟む前板および押さえ板、を備え、
    前記移動手段によって、前記紙幣が前記紙幣転送部に移動させられたとき、または、前記紙幣転送部が前記現金投入部に移動させられたとき、前記紙幣が前板および押さえ板に前後面から挟まれており、
    前記硬貨阻止機構が硬貨分離ガイドを有し、前記移動手段によって、前記紙幣が前記紙幣転送部に移動させられたとき、または、前記紙幣転送部が前記現金投入部に移動させられたとき、前記前板と前記硬貨分離ガイドとの間に紙幣を通過させ、硬貨を通過させない間隙が形成され、かつ、
    前記移動手段によって、前記紙幣が前記紙幣転送部に移動させられるとき、または、前記紙幣転送部が前記現金投入部に移動させられるとき、前記硬貨分離ガイドが前記前板の上端部より上に位置し、前記紙幣が前記紙幣転送部に移動させられたとき、または、前記紙幣転送部が前記現金投入部に移動させられたとき、前記硬貨分離ガイドが前記前板の上部にまで降下してくることを特徴とする現金自動処理装置。
  2. 紙幣と硬貨の一括投入が可能であって、現金が投入される現金投入部と投入された現金のうち紙幣を上方に送り出す紙幣転送部が設けられ、前記紙幣転送部が硬貨の通過を阻止し紙幣を通過させる硬貨阻止機構を備えている現金自動処理装置において、前記現金投入部に投入された現金のうち紙幣を前記紙幣転送部に移動させる移動手段または前記紙幣転送部を前記現金投入部に移動させる移動手段、並びに、投入された現金のうち紙幣を前後面から挟む前板および押さえ板、を備え、
    前記移動手段によって、前記紙幣が前記紙幣転送部に移動させられたとき、または、前記紙幣転送部が前記現金投入部に移動させられたとき、前記紙幣が前板および押さえ板に前後面から挟まれており、かつ、
    前記移動手段によって前記紙幣が前記紙幣転送部に移動させられたときに前記前板が嵌合する、前記硬貨阻止機構の構成要素である硬貨分離ガイドが設置されたプレートが前記紙幣転送部に固定されており、前記プレートと前記硬貨分離ガイドとの間に紙幣を通過させ、硬貨を通過させない間隙が形成されていることを特徴とする現金自動処理装置。
  3. 前記硬貨分離ガイドと前記前板または前記プレートとの間隙を、硬貨が通過できる間隙に変更する手段が備えられていることを特徴とする請求項1または2に記載の現金自動処理装置。
  4. 前記硬貨分離ガイドと前記前板または前記プレートとの間隙を、硬貨が通過できる間隙と硬貨が通過できない間隔とに繰り返し変更する手段が備えられていることを特徴とする請求項1または2に記載の現金自動処理装置。
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