JP2645661B2 - 貨幣分別装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、紙幣と硬貨とが混在する状態で供給される
貨幣を、計数、収納するため紙幣と硬貨とに分ける貨幣
分別装置に関する。

［従来の技術］ 遊戯場において列設されたパチンコ機の玉貸機などの
遊戯機からは、硬貨や紙幣などの貨幣が、随時吐き出さ
れる。これらの貨幣は、従来それぞれ別の搬送装置によ
り所定の場所に運搬され、そこで計数、収集などがなさ
れていた。このため、硬貨と紙幣とに別々の搬送装置が
必要であり、装着スペース、コスト、および故障発生率
の増大をまねいていた。この列設された前記玉貸機等の
貨幣判別機から、落下してくる硬貨を紙幣とを、１つの
ベルトで、貨幣収集部所に搬送すれば、上記欠点は解消
される。

［課題］ しかるに紙幣と硬貨とが混在している貨幣は、そのま
までは計数することが困難であり、収納後も仕分けの手
間がかかる。

この発明の目的は、硬貨と紙幣とが混在状態で搬送さ
れてきたとき、確実に計数でき、区分して収納できるよ
う、紙幣と硬貨とを分別する貨幣分別装置の提供にあ
る。

［課題を解決するための手段］ 上記目的達成のため、本発明の貨幣分別装置は、紙幣
と硬貨とを混送するとともに、紙幣は立った状態で搬出
する貨幣搬送手段と、 該貨幣搬送手段の貨幣搬出口に対し、使用される最大
の硬貨の外径より幾分大きい隙間を隔てて直列されると
ともに、貨幣搬出口と同一平面または幾分下位に水平的
に設けられた紙幣ベルトコンベア、該紙幣ベルトコンベ
アの一方の側面に沿って設けられた紙幣ガイド壁、およ
び前記紙幣ベルトコンベアの上方に、紙幣ガイド壁に対
向し垂直的に設けられ、紙幣入口側から紙幣出口側に向
かって前記紙幣ガイド壁との間隔が狭くなるように配置
された紙幣ベルトコンベアからなる紙幣搬送機構と、 前記隙間の下部に設置された硬貨搬送機構とからなる
構成を採用した。

［作用及び発明の効果］ 本発明の貨幣分別装置は、貨幣搬送手段と紙幣搬送機
構との間に硬貨を落下させる隙間を設けているので、こ
の隙間から硬貨のみを該隙間の下方に設けた硬貨搬送機
構に供給できる。この際貨幣搬送手段が紙幣を立てた状
態で搬出するので、紙幣と硬貨が重なり、紙幣が隙間に
架橋し硬貨が隙間から落下せず紙幣搬送機構に入り込む
ことが確実に防止でき、また腰が弱くなった古い紙幣で
も、確実に隙間をクリアして紙幣搬送機構に供給でき
る。

［請求項２の作用、効果］ 紙幣ベルトコンベアのベルトの側部に、紙幣ガイド壁
に摺動するとともにバルトと一体的に動く側壁を有する
ので、立った紙幣がベルトと紙幣ガイド壁との間に挾ま
るトラブルが防止できる。

［実施例］ 次に本発明を第１図に示す第１実施例に基づき説明す
る。

第１図は、多数のパチンコ機Ａを背向して２列に列設
した島Ｂ内に、貨幣搬送手段Ｃを設置した状態を示す。
Ｄは硬貨および紙幣の識別を行う貨幣識別装置であり、
各パチンコ機Ａの直ぐ上に設置され、投入される貨幣を
検査して金額に応じて玉貸機（図示せず）を作動させる
ようになっている。Ｅは本発明の貨幣分別装置であり、
前記貨幣搬送手段Ｃの端末（通常前記島Ｂの一方の端に
位置する）に設置されている。

貨幣搬送手段Ｃは、使用される最大の紙幣Ｆの短い辺
より大きい高さｈを有し、前記島Ｂに対応する長さの壁
１を形成する帯状の金属板11、12を備える。この金属板
11、12は、使用される最大の硬貨k1の外径より幾分大き
い隙間Ｓを隔てて対向して立設され、前記島Ｂの中央
に、平行して水平に装着されている。

該間隙Ｓの下部には、貨幣ベルトコンベア２がほぼ水
平に設置されている。

貨幣ベルトコンベア２は、前記帯状の金属板11、12を
フレーム10としており、フレーム10の両端13、14の下部
には、プーリ21、22が設けられている。プーリ21、22に
はベルト３がエンドレスに張られ、ベルト３の両側に前
記壁１と摺動するとともに、該ベルト３と一体的に動く
側壁31、32が設けられている。

側壁31、32は、第２図に示す如くベルト材30の両側3
A、3Bに、一定間隔で切り込み3Cを入れて、この両側3
A、3Bをほぼ90度曲げることにより形成される。

また壁１の上部または上方に、ベルト３の上面3Dとの
間隔が、使用される最大の紙幣の短い辺より大きく、長
い辺より小さくなるよう横棒15を設けている。

この紙幣搬送手段Ｃは、運転中は図示しない駆動用モ
ータによってプーリ21、22が矢印Ｙの方向に回転させら
れ、ベルト３は矢印Ｙの方向に回動する。前記貨幣識別
装置Ｄの硬貨排出口d1、および紙幣排出口d2から排出さ
れた硬貨k1,k2および紙幣Ｆが、ベルト３に落下する
と、これらはベルト３により貨幣分別装置Ｅに搬送され
る。

側壁31、32は、上記の如くベルト材30を曲げて形成し
てあり、通常ベルト材30は、相当の弾性を有するので、
常にその上端311、321が壁１へ押圧される方向に戻ろう
とする弾性力を受けている。これにより側壁31、32、と
くにその上端311、321と壁１、１とは緊密に接触し、紙
幣Ｆがベルト３と壁１との隙間に入り込むことが確実に
防止できる。

また前記横棒15は、まれに紙幣排出口d2から排出され
た紙幣Ｆが、その長い辺が天地方向となって貨幣搬送手
段Ｃに供給された場合の紙幣転倒手段である。このよう
な紙幣がそのまま運搬されると、後記する紙幣搬送機構
への紙幣の供給が円滑になされない場合が生じる。横棒
15は、第３図に示す如く、ベルト３上で長手方向に立っ
た紙幣Ｆを確実に転倒させることができる。

本発明の貨幣分別装置Ｅは、第４図、第５図にも示す
如く、貨幣搬送手段Ｃの貨幣搬出口16に対し、使用され
る最大の硬貨の外径より幾分大きい隙間17を隔てて直列
された紙幣搬送機構Ｇと、前記隙間17の下方に設置され
た硬貨搬送機構Ｈとから構成される。

紙幣搬送機構Ｇは、前記隙間17を介して、前記貨幣搬
出口16の貨幣ベルトコンベア２と同一平面または幾分下
位に水平的に設けられた紙幣ベルトコンベア４と、該紙
幣ベルトコンベア４の一方の側面に沿って立設された紙
幣ガイド壁41、および前記紙幣ベルトコンベア４の上方
に、紙幣ガイド壁41に対向し垂直的に設けられ、紙幣入
口51から紙幣出口52に向かって前記紙幣ガイド壁41との
間隔が狭くなるように配置された紙幣ガイドコンベア５
からなる。

紙幣ベルトコンベア４は、前記貨幣ベルトコンベア２
と同様な構成を有し、前記帯状の金属板11、12の延長部
分111（紙幣ガイド壁41の構成部材となっている）、121
をフレーム101としており、フレーム101の両端の下部に
は、プーリ42、43が設けられている。プーリ42、43には
ベルト40がエンドレスに張られ、ベルト40の両側に前記
紙幣ガイド壁41および金属板の延長部分111、121の内壁
と摺動するとともに、該ベルト40と一体的に動く側壁4
A、4Bが設けられている。側壁4A、4Bは、ベルト３と同
様にベルト材の両側に、一定間隔で切り込みを入れて、
この両側をほぼ90度曲げることにより形成される。

紙幣ガイドコンベア５は、紙幣入口51と紙幣出口52と
に設けた一対の垂直方向の軸53、54を有する。この軸5
3、54のそれぞれの上部と下部とには、対のプーリ531,5
32,541,542が設けられている。プーリ531と541とには、
上側ベルト55が張られ、プーリ532と542には、下側ベル
ト56が張られている。また紙幣出口52には、前記軸54の
カウンター軸57が設けられ、この軸57には、前記プーリ
541、542に圧接して摩擦で反転するプーリ571、572が設
けられている。

この紙幣搬送機構Ｇは、前記貨幣搬送手段Ｃから搬出
され、前記隙間17を越えて紙幣入口51に供給された紙幣
Ｆのみを、紙幣ベルトコンベア４と紙幣ガイドコンベア
５とにより、紙幣ガイド壁41に沿わせながら紙幣出口52
に運搬し、該紙幣出口52から搬出する。硬貨は隙間17か
ら下方に落下するため紙幣搬送機構Ｇの紙幣入口51に入
り込むことは防止される。なお貨幣搬送手段Ｃで紙幣を
寝かして搬送する場合は、搬出中の紙幣の上に硬貨が乗
り、硬貨が紙幣入口51に入り込む恐れがあるが、本発明
の如く貨幣搬送手段Ｃから紙幣が立った状態で搬出され
る場合は、硬貨は確実に隙間17から落下し、かかるトラ
ブルは生じない。

前記紙幣搬送機構Ｇの紙幣出口52の先には、いずれも
公知の、重なった紙幣を分離するための紙幣分離手段Ｉ
と、該紙幣分離手段Ｉか排出された紙幣を収容するため
の紙幣収容手段Ｊとが設けられている。

紙幣分離手段Ｉは、垂直方向に軸を有し、互いに圧接
し、固定ローラ61と所定の間隔をおいて相対し反時計方
向に回転するローラ62より成り、紙幣間のスリップ率と
紙幣と固定ローラ61間のスリップ率の相違によって紙幣
を１枚づつに分離する紙幣剥離ローラ63と、垂直軸を有
し、互いに圧接して摩擦により反対方向に回転する１対
のローラ64、65からなる紙幣搬出ローラ66とを備える。

この紙幣分離手段Ｉは、前記紙幣搬送装置Ｇから、短
い辺を立てにした状態で搬出された紙幣を紙幣収容手段
Ｊに供給する。紙幣が重なっているときは、紙幣剥離ロ
ーラ63で分離し、紙幣搬出ローラ66から排出するときセ
ンサ（図示せず）により検出がなされ、制御装置により
計数がなされる。

紙幣収容手段Ｊは、紙幣搬出ローラ66から吐き出され
た紙幣と平行した収納口67を有する紙幣収容箱68と、紙
幣搬出ローラ66から吐き出された紙幣を前記収納口67か
ら紙幣収容箱68に押し込む往復動板69とからなる。

前記硬貨搬送機構Ｈは、硬貨ベルトコンベア７と、そ
の後部上面に設置され、硬貨を１列に整列させる硬貨整
列ローラ70からなる。

硬貨ベルトコンベア７は、前記帯状の金属板11、12の
後端下部に締結されているフレーム（図示せず）に、一
対のプーリ71、72を取り付け、このプーリ71、72にエン
ドレスにベルト73を張ってなる。

この硬貨搬送機構Ｈは、前記隙間17から落下してきた
硬貨k1、k2をベルト73の前部で受け、前記硬貨整列ロー
ラ70の下をくぐらせる。ベルト73の上面と硬貨整列ロー
ラ70の下端との隙間は、硬貨が重なった状態で通過でき
ない寸法に設定されており、硬貨整列ローラ70は、重な
った上側の硬貨を前方に押し戻すようベルト73の回動方
向と同一方向に回転している。

硬貨搬送機構Ｈの排出口74には、公知の硬貨分別機Ｋ
と、分別された硬貨の硬貨収容箱Ｌ、Ｍが設置されてい
る。

硬貨分別機Ｋは、硬貨をその大きさにより分別し、セ
ンサおよび制御装置（いずれも図示せず）により検出お
よび計数して、硬貨収容箱Ｌ、Ｍに排出する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の貨幣分別装置の全体の概略を示す斜視
図、第２図はベルトの拡大斜視図、第３図は紙幣転倒装
置の概略図、第４図は本発明の貨幣分別装置の概略を示
す正面図、第５図は紙幣搬送機構の平面図である。 図中 １…壁、10…貨幣ベルトコンベアのフレーム、10
1…紙幣ベルトコンベアのフレーム、11、12…金属板、
２…貨幣ベルトコンベア、３…ベルト、４…紙幣ベルト
コンベア、41…紙幣ガイド壁、５…紙幣ガイドコンベ
ア、７…硬貨ベルトコンベア、70…硬貨整列ローラ、15
…横棒、17…隙間、Ｃ…貨幣搬送手段、Ｄ…貨幣識別装
置、Ｅ…貨幣分別装置、Ｆ…紙幣、Ｇ…紙幣搬送機構、
Ｈ…硬貨搬送機構、Ｉ…紙幣分離手段、Ｊ…紙幣収容手
段、Ｋ…硬貨分別機、Ｌ、Ｍ…硬貨収容箱、k1,k2…硬
貨

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】紙幣と硬貨とを混送するとともに、紙幣は
   立った状態で搬出する貨幣搬送手段と、 該貨幣搬送手段の貨幣搬出口に対し、使用される最大の
   硬貨の外径より幾分大きい隙間を隔てて直列されるとと
   もに、貨幣搬出口と同一平面または幾分下位に水平的に
   設けられた紙幣ベルトコンベア、該紙幣ベルトコンベア
   の一方の側面に沿って設けられた紙幣ガイド壁、および
   前記紙幣ベルトコンベアの上方に、紙幣ガイド壁に対向
   し垂直的に設けられ、紙幣入口側から紙幣出口側に向か
   って前記紙幣ガイド壁との間隔が狭くなるように配置さ
   れた紙幣ガイドコンベアからなる紙幣搬送機構と、 前記隙間の下部に設置された硬貨搬送機構とからなる貨
   幣分別装置。
2. 【請求項２】前記紙幣ベルトコンベアは、ベルトの側部
   にベルトと一体的に形成され、紙幣ガイド壁に摺動する
   側壁を有する請求項１記載の貨幣分別装置。