JPH08216856A - ブレーキ液圧制御装置 - Google Patents
ブレーキ液圧制御装置Info
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- JPH08216856A JPH08216856A JP5359795A JP5359795A JPH08216856A JP H08216856 A JPH08216856 A JP H08216856A JP 5359795 A JP5359795 A JP 5359795A JP 5359795 A JP5359795 A JP 5359795A JP H08216856 A JPH08216856 A JP H08216856A
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- brake fluid
- brake
- wheel
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 ブレーキ液圧の制御中にブレーキマスタシリ
ンダのブレーキ液の圧力を制御輪のホイールシリンダに
反映させる。 【構成】 ブレーキマスタシリンダ14の前方室14A
からホイールシリンダ132,134に至るパイプと、
ポンプ42からホイールシリンダ132,134に至る
パイプとにそれぞれ開閉弁32,34,52,54を設
ける。ポンプ42の吐出口は、液圧伝達パイプ17を介
して伝達される前方室14Aの圧力に基づきその圧力よ
り大きな圧力で開弁するリリーフ弁44を介してリザー
バ80に接続される。制御中にブレーキペダル12を踏
み込むと、リリーフ弁44は前方室14Aの圧力より大
きな圧力で開弁するから、ブレーキペダル12が踏み込
まれていないときのリリーフ弁44の開弁圧が小さいと
きでも、制御輪のホイールシリンダの圧力を非制御輪よ
り大きくすることができる。
ンダのブレーキ液の圧力を制御輪のホイールシリンダに
反映させる。 【構成】 ブレーキマスタシリンダ14の前方室14A
からホイールシリンダ132,134に至るパイプと、
ポンプ42からホイールシリンダ132,134に至る
パイプとにそれぞれ開閉弁32,34,52,54を設
ける。ポンプ42の吐出口は、液圧伝達パイプ17を介
して伝達される前方室14Aの圧力に基づきその圧力よ
り大きな圧力で開弁するリリーフ弁44を介してリザー
バ80に接続される。制御中にブレーキペダル12を踏
み込むと、リリーフ弁44は前方室14Aの圧力より大
きな圧力で開弁するから、ブレーキペダル12が踏み込
まれていないときのリリーフ弁44の開弁圧が小さいと
きでも、制御輪のホイールシリンダの圧力を非制御輪よ
り大きくすることができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ブレーキ液圧制御装置
に関し、詳しくは、車両の走行状態に応じてホイールシ
リンダのブレーキ液の圧力を制御するブレーキ液圧制御
装置に関する。
に関し、詳しくは、車両の走行状態に応じてホイールシ
リンダのブレーキ液の圧力を制御するブレーキ液圧制御
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、滑りやすい路面上を走行している
自動車に急ブレーキをかけた際の車両の安定性を向上さ
せるアンチロックブレーキシステム(ABS)や、滑り
やすい路面での発進時や加速時に駆動輪の過度のスリッ
プを抑えて車両の方向安定性と駆動力を確保するトラク
ションコントロール(TRC)をホイールシリンダのブ
レーキ液の圧力を制御することにより行なうブレーキ液
圧制御装置が提案されている(例えば、特開平6−13
5314号公報等)。
自動車に急ブレーキをかけた際の車両の安定性を向上さ
せるアンチロックブレーキシステム(ABS)や、滑り
やすい路面での発進時や加速時に駆動輪の過度のスリッ
プを抑えて車両の方向安定性と駆動力を確保するトラク
ションコントロール(TRC)をホイールシリンダのブ
レーキ液の圧力を制御することにより行なうブレーキ液
圧制御装置が提案されている(例えば、特開平6−13
5314号公報等)。
【0003】このブレーキ液圧制御装置は、ブレーキマ
スタシリンダからの2つの主管路と左右前輪および左右
後輪の各ホイールシリンダとをダイアゴナル2系統とし
て接続されており、ブレーキマスタシリンダからの2つ
の主管路には、ブレーキマスタシリンダとホイールシリ
ンダとの接続を遮断すると共に遮断されたホイールシリ
ンダとブレーキ液の圧力を増減可能な液圧調整手段とを
接続する切換弁が各々設けられている。そして、このブ
レーキ液圧制御装置は、ABS作動時またはTRC作動
時には、切替弁によりブレーキマスタシリンダとホイー
ルシリンダとの接続を遮断し、ホイールシリンダと液圧
調整手段とを接続して、液圧調整手段によりホイールシ
リンダのブレーキ液の圧力を制御する。
スタシリンダからの2つの主管路と左右前輪および左右
後輪の各ホイールシリンダとをダイアゴナル2系統とし
て接続されており、ブレーキマスタシリンダからの2つ
の主管路には、ブレーキマスタシリンダとホイールシリ
ンダとの接続を遮断すると共に遮断されたホイールシリ
ンダとブレーキ液の圧力を増減可能な液圧調整手段とを
接続する切換弁が各々設けられている。そして、このブ
レーキ液圧制御装置は、ABS作動時またはTRC作動
時には、切替弁によりブレーキマスタシリンダとホイー
ルシリンダとの接続を遮断し、ホイールシリンダと液圧
調整手段とを接続して、液圧調整手段によりホイールシ
リンダのブレーキ液の圧力を制御する。
【0004】ホイールシリンダのブレーキ液の圧力の制
御は、車輪と路面との摩擦力と、走行中の操舵により発
生する車両の進行方向を保とうとする力(コーナリング
フォース)による操舵性とが両立するよう行なわれる。
すなわち、車輪と路面との摩擦力は、路面の状態に拘わ
らず、制動時における車体速度に対する車体速度と車輪
速度との差の比率であるスリップ率(加速時では駆動輪
速度に対する駆動輪速度と車体速度との差の比率)がほ
ぼ同じ値で極大となり、コーナリングフォースは、スリ
ップ率が0%のときに最大でスリップ率が大きくなるに
従って小さくなるから、ホイールシリンダのブレーキ液
の圧力の制御は、摩擦力と操舵性とが両立するスリップ
率の範囲内になるよう行なわれる。
御は、車輪と路面との摩擦力と、走行中の操舵により発
生する車両の進行方向を保とうとする力(コーナリング
フォース)による操舵性とが両立するよう行なわれる。
すなわち、車輪と路面との摩擦力は、路面の状態に拘わ
らず、制動時における車体速度に対する車体速度と車輪
速度との差の比率であるスリップ率(加速時では駆動輪
速度に対する駆動輪速度と車体速度との差の比率)がほ
ぼ同じ値で極大となり、コーナリングフォースは、スリ
ップ率が0%のときに最大でスリップ率が大きくなるに
従って小さくなるから、ホイールシリンダのブレーキ液
の圧力の制御は、摩擦力と操舵性とが両立するスリップ
率の範囲内になるよう行なわれる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、こうし
たブレーキ液圧制御装置では、TRC等の各制御の作動
時は、切替弁によりブレーキマスタシリンダとホイール
シリンダとの接続を遮断しているから、制御中にブレー
キペダルを踏み込んでも、ブレーキマスタシリンダのブ
レーキ液の圧力が制御輪のホイールシリンダに伝えられ
ないという問題があった。
たブレーキ液圧制御装置では、TRC等の各制御の作動
時は、切替弁によりブレーキマスタシリンダとホイール
シリンダとの接続を遮断しているから、制御中にブレー
キペダルを踏み込んでも、ブレーキマスタシリンダのブ
レーキ液の圧力が制御輪のホイールシリンダに伝えられ
ないという問題があった。
【0006】このため、例えば、この装置を、旋回によ
り走行安定性が低くなって操舵性が悪化したときに旋回
の外側に位置する前輪に制動力を与えて安定性を向上さ
せ操舵性を回復する車両運動制御(VSC)に用いる
と、VSC作動時にブレーキペダルを踏み込んだときに
は、旋回の外側のみならず内側の前輪のホイールシリン
ダにブレーキマスタシリンダのブレーキ液の圧力が反映
れない場合が生じ、適切な制御が困難になるといった問
題がある。
り走行安定性が低くなって操舵性が悪化したときに旋回
の外側に位置する前輪に制動力を与えて安定性を向上さ
せ操舵性を回復する車両運動制御(VSC)に用いる
と、VSC作動時にブレーキペダルを踏み込んだときに
は、旋回の外側のみならず内側の前輪のホイールシリン
ダにブレーキマスタシリンダのブレーキ液の圧力が反映
れない場合が生じ、適切な制御が困難になるといった問
題がある。
【0007】本発明のブレーキ液圧制御装置は、こうし
た問題を解決し、ブレーキ液圧制御の作動中でもブレー
キマスタシリンダのブレーキ液の圧力を制御されている
車輪のホイールシリンダに反映させることを目的とし、
次の構成を採った。
た問題を解決し、ブレーキ液圧制御の作動中でもブレー
キマスタシリンダのブレーキ液の圧力を制御されている
車輪のホイールシリンダに反映させることを目的とし、
次の構成を採った。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の第1のブレーキ
液圧制御装置は、車両の走行状態に基づいて、ホイール
シリンダのブレーキ液の圧力を制御するブレーキ圧力制
御装置であって、ブレーキペダルの操作により前記ホイ
ールシリンダのブレーキ液の圧力を増減するブレーキマ
スタシリンダとは別に設けられ、前記ホイールシリンダ
のブレーキ液の圧力を増減する液圧増減手段と、前記液
圧増減手段による前記ホイールシリンダのブレーキ液の
圧力の最大値を、前記ブレーキマスタシリンダのブレー
キ液の圧力に基づいて設定する最大圧設定手段と、前記
ブレーキマスタシリンダと前記ホイールシリンダとの連
通及び遮断を切り換える切換手段とを備えることを要旨
とする。
液圧制御装置は、車両の走行状態に基づいて、ホイール
シリンダのブレーキ液の圧力を制御するブレーキ圧力制
御装置であって、ブレーキペダルの操作により前記ホイ
ールシリンダのブレーキ液の圧力を増減するブレーキマ
スタシリンダとは別に設けられ、前記ホイールシリンダ
のブレーキ液の圧力を増減する液圧増減手段と、前記液
圧増減手段による前記ホイールシリンダのブレーキ液の
圧力の最大値を、前記ブレーキマスタシリンダのブレー
キ液の圧力に基づいて設定する最大圧設定手段と、前記
ブレーキマスタシリンダと前記ホイールシリンダとの連
通及び遮断を切り換える切換手段とを備えることを要旨
とする。
【0009】ここで、前記第1のブレーキ液圧制御装置
において、前記最大圧設定手段は、前記液圧増減手段か
ら前記ホイールシリンダに至る管路から分岐する分岐管
に接続され、前記ブレーキマスタシリンダのブレーキ液
の圧力に基づいて開弁圧が調整されるリリーフ弁であ
り、前記液圧増減手段から前記ホイールシリンダに至る
管路の前記分岐管の分岐点よりホイールシリンダ側に、
該管路のブレーキ液の流動を司る開閉弁を設けてなる構
成とすることもできる。
において、前記最大圧設定手段は、前記液圧増減手段か
ら前記ホイールシリンダに至る管路から分岐する分岐管
に接続され、前記ブレーキマスタシリンダのブレーキ液
の圧力に基づいて開弁圧が調整されるリリーフ弁であ
り、前記液圧増減手段から前記ホイールシリンダに至る
管路の前記分岐管の分岐点よりホイールシリンダ側に、
該管路のブレーキ液の流動を司る開閉弁を設けてなる構
成とすることもできる。
【0010】また、本発明の第2のブレーキ液圧制御装
置は、車両の走行状態に基づいて、ホイールシリンダの
ブレーキ液の圧力を制御するブレーキ圧力制御装置であ
って、ブレーキペダルの操作により前記ホイールシリン
ダのブレーキ液の圧力を増減するブレーキマスタシリン
ダとは別に設けられ、前記ホイールシリンダのブレーキ
液の圧力を増減する液圧増減手段と、前記ブレーキマス
タシリンダと左前輪のホイールシリンダとの連通及び遮
断の切り換えと、該ブレーキマスタシリンダと右前輪の
ホイールシリンダとの連通及び遮断の切り換えとを、各
々独立に行なう左右輪切換手段とを備えることを要旨と
する。
置は、車両の走行状態に基づいて、ホイールシリンダの
ブレーキ液の圧力を制御するブレーキ圧力制御装置であ
って、ブレーキペダルの操作により前記ホイールシリン
ダのブレーキ液の圧力を増減するブレーキマスタシリン
ダとは別に設けられ、前記ホイールシリンダのブレーキ
液の圧力を増減する液圧増減手段と、前記ブレーキマス
タシリンダと左前輪のホイールシリンダとの連通及び遮
断の切り換えと、該ブレーキマスタシリンダと右前輪の
ホイールシリンダとの連通及び遮断の切り換えとを、各
々独立に行なう左右輪切換手段とを備えることを要旨と
する。
【0011】
【作用】以上のように構成された本発明の第1のブレー
キ液圧制御装置は、ブレーキペダルの操作によりホイー
ルシリンダのブレーキ液の圧力を増減するブレーキマス
タシリンダとは別に設けられた液圧増減手段が、ホイー
ルシリンダのブレーキ液の圧力を増減する。最大圧設定
手段は、液圧増減手段によるホイールシリンダのブレー
キ液の圧力の最大値を、ブレーキマスタシリンダのブレ
ーキ液の圧力に基づいて設定する。切換手段は、ブレー
キマスタシリンダとホイールシリンダとの連通及び遮断
を切り換える。
キ液圧制御装置は、ブレーキペダルの操作によりホイー
ルシリンダのブレーキ液の圧力を増減するブレーキマス
タシリンダとは別に設けられた液圧増減手段が、ホイー
ルシリンダのブレーキ液の圧力を増減する。最大圧設定
手段は、液圧増減手段によるホイールシリンダのブレー
キ液の圧力の最大値を、ブレーキマスタシリンダのブレ
ーキ液の圧力に基づいて設定する。切換手段は、ブレー
キマスタシリンダとホイールシリンダとの連通及び遮断
を切り換える。
【0012】最大圧設定手段がリリーフ弁であり、液圧
増減手段からホイールシリンダに至る管路に開閉弁を設
けた第1のブレーキ液圧制御装置では、液圧増減手段か
らホイールシリンダに至る管路から分岐する分岐管に接
続されたリリーフ弁が、ブレーキマスタシリンダのブレ
ーキ液の圧力に基づいてその開弁圧を調整することによ
り液圧増減手段によるホイールシリンダのブレーキ液の
圧力の最大値を設定する。液圧増減手段からホイールシ
リンダに至る管路の分岐管の分岐点よりホイールシリン
ダ側に設けられた開閉弁は、この管路のブレーキ液の流
動を司る。したがって、切換手段による切り換えでブレ
ーキマスタシリンダと左右前輪のホイールシリンダとを
連通しているときに開閉弁を閉じれば、ブレーキマスタ
シリンダを昇圧してホイールシリンダのブレーキ液の圧
力を上昇させても、ブレーキ液が液圧増減手段からホイ
ールシリンダに至る管路を介して液圧増減手段側に流れ
ることはない。
増減手段からホイールシリンダに至る管路に開閉弁を設
けた第1のブレーキ液圧制御装置では、液圧増減手段か
らホイールシリンダに至る管路から分岐する分岐管に接
続されたリリーフ弁が、ブレーキマスタシリンダのブレ
ーキ液の圧力に基づいてその開弁圧を調整することによ
り液圧増減手段によるホイールシリンダのブレーキ液の
圧力の最大値を設定する。液圧増減手段からホイールシ
リンダに至る管路の分岐管の分岐点よりホイールシリン
ダ側に設けられた開閉弁は、この管路のブレーキ液の流
動を司る。したがって、切換手段による切り換えでブレ
ーキマスタシリンダと左右前輪のホイールシリンダとを
連通しているときに開閉弁を閉じれば、ブレーキマスタ
シリンダを昇圧してホイールシリンダのブレーキ液の圧
力を上昇させても、ブレーキ液が液圧増減手段からホイ
ールシリンダに至る管路を介して液圧増減手段側に流れ
ることはない。
【0013】また、本発明の第2のブレーキ液圧制御装
置は、ブレーキペダルの操作によりホイールシリンダの
ブレーキ液の圧力を増減するブレーキマスタシリンダと
は別に設けられた液圧増減手段が、ホイールシリンダの
ブレーキ液の圧力を増減し、左右輪切換手段が、ブレー
キマスタシリンダと左前輪のホイールシリンダとの連通
及び遮断の切り換えと、このブレーキマスタシリンダと
右前輪のホイールシリンダとの連通及び遮断の切り換え
とを、各々独立に行なう。したがって、左右前輪のいず
れか一方のみを遮断制御しているときに、ブレーキマス
タシリンダのブレーキ液の圧力を上昇させることによ
り、この圧力を遮断制御されていない前輪に伝えること
ができる。
置は、ブレーキペダルの操作によりホイールシリンダの
ブレーキ液の圧力を増減するブレーキマスタシリンダと
は別に設けられた液圧増減手段が、ホイールシリンダの
ブレーキ液の圧力を増減し、左右輪切換手段が、ブレー
キマスタシリンダと左前輪のホイールシリンダとの連通
及び遮断の切り換えと、このブレーキマスタシリンダと
右前輪のホイールシリンダとの連通及び遮断の切り換え
とを、各々独立に行なう。したがって、左右前輪のいず
れか一方のみを遮断制御しているときに、ブレーキマス
タシリンダのブレーキ液の圧力を上昇させることによ
り、この圧力を遮断制御されていない前輪に伝えること
ができる。
【0014】
【実施例】以上説明した本発明の構成・作用を一層明ら
かにするために、以下本発明の好適な実施例について説
明する。図1は、本発明の一実施例であるブレーキ液圧
制御装置10の概略を示すブロック図である。
かにするために、以下本発明の好適な実施例について説
明する。図1は、本発明の一実施例であるブレーキ液圧
制御装置10の概略を示すブロック図である。
【0015】図示するように、ブレーキ液圧制御装置1
0は、ブレーキペダル12に加えられた踏込力をブレー
キ液に作用する圧力に変換するブレーキマスタシリンダ
14と、遊動輪である前輪112,114および駆動輪
である後輪116,118に各々設置されたホイールシ
リンダ132,134およびホイールシリンダ136,
138へのブレーキ液の圧力を調整する前輪アクチュエ
ータ22および後輪アクチュエータ24からなるVSC
アクチュエータ20と、各車輪112〜118の車輪速
度を検出するスピードセンサ122〜128と、トラク
ションコントロール時に図示しないエンジンのトルクを
調整するトルク調整機構140と、図示しないステアリ
ングによる操舵角を検出する操舵角センサ158と、車
両の回転角速度を検出するヨーレートセンサ159と、
VSCアクチュエータ20およびトルク調整機構140
の動作を制御するVSCコンピュータ160と、エンジ
ンに供給される吸入空気の空燃比および点火時期等を制
御するエンジン制御用コンピュータ170とを備える。
0は、ブレーキペダル12に加えられた踏込力をブレー
キ液に作用する圧力に変換するブレーキマスタシリンダ
14と、遊動輪である前輪112,114および駆動輪
である後輪116,118に各々設置されたホイールシ
リンダ132,134およびホイールシリンダ136,
138へのブレーキ液の圧力を調整する前輪アクチュエ
ータ22および後輪アクチュエータ24からなるVSC
アクチュエータ20と、各車輪112〜118の車輪速
度を検出するスピードセンサ122〜128と、トラク
ションコントロール時に図示しないエンジンのトルクを
調整するトルク調整機構140と、図示しないステアリ
ングによる操舵角を検出する操舵角センサ158と、車
両の回転角速度を検出するヨーレートセンサ159と、
VSCアクチュエータ20およびトルク調整機構140
の動作を制御するVSCコンピュータ160と、エンジ
ンに供給される吸入空気の空燃比および点火時期等を制
御するエンジン制御用コンピュータ170とを備える。
【0016】ブレーキマスタシリンダ14の前方室14
A(図2参照)は、前輪系のブレーキ液の配送管である
パイプ16によってVSCアクチュエータ20の前輪ア
クチュエータ22に接続されている。また、ブレーキマ
スタシリンダ14の後方室14Bは、後輪系のブレーキ
液の配送管であるパイプ18によってVSCアクチュエ
ータ20の後輪アクチュエータ24に接続されている。
後輪系のパイプ18には、ホイールシリンダ136,1
38側のブレーキ液の圧力をブレーキマスタシリンダ1
4側より小さくするプロポーショニングバルブ19が設
けられている。後輪系のパイプ18にプロポーショニン
グバルブを設置するのは、前輪に比して後輪の方が制動
時にロックしやすいからである。前輪アクチュエータ2
2は、パイプ102,104により前輪112,114
のホイールシリンダ132,134に接続されている。
後輪アクチュエータ24は、パイプ106,108によ
り後輪116,118のホイールシリンダ136,13
8に接続されている。VSCアクチュエータ20,各ス
ピードセンサ122〜128,操舵角センサ158およ
びヨーレートセンサ159は、それぞれ導電ラインによ
りVSCコンピュータ160に接続されている。
A(図2参照)は、前輪系のブレーキ液の配送管である
パイプ16によってVSCアクチュエータ20の前輪ア
クチュエータ22に接続されている。また、ブレーキマ
スタシリンダ14の後方室14Bは、後輪系のブレーキ
液の配送管であるパイプ18によってVSCアクチュエ
ータ20の後輪アクチュエータ24に接続されている。
後輪系のパイプ18には、ホイールシリンダ136,1
38側のブレーキ液の圧力をブレーキマスタシリンダ1
4側より小さくするプロポーショニングバルブ19が設
けられている。後輪系のパイプ18にプロポーショニン
グバルブを設置するのは、前輪に比して後輪の方が制動
時にロックしやすいからである。前輪アクチュエータ2
2は、パイプ102,104により前輪112,114
のホイールシリンダ132,134に接続されている。
後輪アクチュエータ24は、パイプ106,108によ
り後輪116,118のホイールシリンダ136,13
8に接続されている。VSCアクチュエータ20,各ス
ピードセンサ122〜128,操舵角センサ158およ
びヨーレートセンサ159は、それぞれ導電ラインによ
りVSCコンピュータ160に接続されている。
【0017】トルク調整機構140は、エンジンに供給
される吸入空気量を調整することによりエンジンのトル
クを制御するもので、アクセルペダル11の踏み込み量
に応じて開閉するメインスロットルバルブ142と、サ
ブスロットルバルブアクチュエータ156が駆動される
ことにより開閉して吸入空気量を調整するサブスロット
ルバルブ144とを備える。メインスロットルバルブ1
42およびサブスロットルバルブ144には、それぞれ
のバルブの開度を検出するメインスロットルバルブポジ
ションセンサ152およびサブスロットルバルブポジシ
ョンセンサ154が設けられている。このメインスロッ
トルバルブポジションセンサ152およびサブスロット
ルバルブポジションセンサ154は、エンジン制御用コ
ンピュータ170に接続されている。また、サブスロッ
トルバルブアクチュエータ156は、導電ラインにより
VSCコンピュータ160に接続されている。
される吸入空気量を調整することによりエンジンのトル
クを制御するもので、アクセルペダル11の踏み込み量
に応じて開閉するメインスロットルバルブ142と、サ
ブスロットルバルブアクチュエータ156が駆動される
ことにより開閉して吸入空気量を調整するサブスロット
ルバルブ144とを備える。メインスロットルバルブ1
42およびサブスロットルバルブ144には、それぞれ
のバルブの開度を検出するメインスロットルバルブポジ
ションセンサ152およびサブスロットルバルブポジシ
ョンセンサ154が設けられている。このメインスロッ
トルバルブポジションセンサ152およびサブスロット
ルバルブポジションセンサ154は、エンジン制御用コ
ンピュータ170に接続されている。また、サブスロッ
トルバルブアクチュエータ156は、導電ラインにより
VSCコンピュータ160に接続されている。
【0018】図2は、前輪アクチュエータ22の構成を
中心にブレーキ液圧制御装置10の概略を示すブロック
図である。図示するように、VSCアクチュエータ20
は、前輪112,114のホイールシリンダ132,1
34のブレーキ液を増圧するポンプ42と、ブレーキマ
スタシリンダ14の前方室14Aの圧力に基づいてポン
プ42によるブレーキ液の最大圧力を調整するリリーフ
弁44と、前輪112,114のホイールシリンダ13
2,134のブレーキ液を減圧する際にブレーキ液が導
入されるリザーバ80と、ブレーキマスタシリンダ14
の前方室14Aと前輪112,114のホイールシリン
ダ132,134との間のブレーキ液の流動を規制する
マスタカットバルブ32,34と、ポンプ42から前輪
112,114のホイールシリンダ132,134への
ブレーキ液の流動を規制する高圧フルードカットバルブ
52,54と、ホイールシリンダ132,134からリ
ザーバ80へのブレーキ液の流動を規制するリザーバカ
ットバルブ62,64とを備える。
中心にブレーキ液圧制御装置10の概略を示すブロック
図である。図示するように、VSCアクチュエータ20
は、前輪112,114のホイールシリンダ132,1
34のブレーキ液を増圧するポンプ42と、ブレーキマ
スタシリンダ14の前方室14Aの圧力に基づいてポン
プ42によるブレーキ液の最大圧力を調整するリリーフ
弁44と、前輪112,114のホイールシリンダ13
2,134のブレーキ液を減圧する際にブレーキ液が導
入されるリザーバ80と、ブレーキマスタシリンダ14
の前方室14Aと前輪112,114のホイールシリン
ダ132,134との間のブレーキ液の流動を規制する
マスタカットバルブ32,34と、ポンプ42から前輪
112,114のホイールシリンダ132,134への
ブレーキ液の流動を規制する高圧フルードカットバルブ
52,54と、ホイールシリンダ132,134からリ
ザーバ80へのブレーキ液の流動を規制するリザーバカ
ットバルブ62,64とを備える。
【0019】ブレーキマスタシリンダ14の前方室14
Aは、パイプ16によりマスタカットバルブ32,34
に接続されており、マスタカットバルブ32,34は、
パイプ102,104により前輪112,114のホイ
ールシリンダ132,134に接続されている。したが
って、各マスタカットバルブ32,34が開いている状
態のときにブレーキペダル12を踏み込んでブレーキマ
スタシリンダ14の前方室14Aを昇圧すれば、昇圧さ
れたブレーキ液が、各マスタカットバルブ32,34を
通って前輪112,114のホイールシリンダ132,
134に送られる。マスタカットバルブ32,34は、
導電ラインによりVSCコンピュータ160に接続され
ている。
Aは、パイプ16によりマスタカットバルブ32,34
に接続されており、マスタカットバルブ32,34は、
パイプ102,104により前輪112,114のホイ
ールシリンダ132,134に接続されている。したが
って、各マスタカットバルブ32,34が開いている状
態のときにブレーキペダル12を踏み込んでブレーキマ
スタシリンダ14の前方室14Aを昇圧すれば、昇圧さ
れたブレーキ液が、各マスタカットバルブ32,34を
通って前輪112,114のホイールシリンダ132,
134に送られる。マスタカットバルブ32,34は、
導電ラインによりVSCコンピュータ160に接続され
ている。
【0020】ポンプ42の吸込口は、パイプ41により
リザーバ80に接続されており、ポンプ42の吐出口
は、パイプ49により高圧フルードカットバルブ52,
54およびリリーフ弁44に接続されている。リリーフ
弁44は、パイプ41bおよびパイプ41によりリザー
バ80に、液圧伝達パイプ17およびパイプ16により
ブレーキマスタシリンダ14の前方室14Aに接続され
ており、前方室14Aのブレーキ液の圧力に基づいてそ
の開弁圧が変わるようになっている。なお、リリーフ弁
44の詳細な構成と動作については後述する。
リザーバ80に接続されており、ポンプ42の吐出口
は、パイプ49により高圧フルードカットバルブ52,
54およびリリーフ弁44に接続されている。リリーフ
弁44は、パイプ41bおよびパイプ41によりリザー
バ80に、液圧伝達パイプ17およびパイプ16により
ブレーキマスタシリンダ14の前方室14Aに接続され
ており、前方室14Aのブレーキ液の圧力に基づいてそ
の開弁圧が変わるようになっている。なお、リリーフ弁
44の詳細な構成と動作については後述する。
【0021】高圧フルードカットバルブ52,54は、
パイプ102,104によりホイールシリンダ132,
134に接続されている。したがって、高圧フルードカ
ットバルブ52,54を開けば、ポンプ42により加圧
されたブレーキ液が、パイプ49、高圧フルードカット
バルブ52,54、パイプ102,104、ホイールシ
リンダ132,134の経路でホイールシリンダ13
2,134に送られる。なお、高圧フルードカットバル
ブ52,54は、導電ラインによりVSCコンピュータ
160に接続されている。
パイプ102,104によりホイールシリンダ132,
134に接続されている。したがって、高圧フルードカ
ットバルブ52,54を開けば、ポンプ42により加圧
されたブレーキ液が、パイプ49、高圧フルードカット
バルブ52,54、パイプ102,104、ホイールシ
リンダ132,134の経路でホイールシリンダ13
2,134に送られる。なお、高圧フルードカットバル
ブ52,54は、導電ラインによりVSCコンピュータ
160に接続されている。
【0022】ホイールシリンダ132,134は、パイ
プ102,104とパイプ72,74とによりリザーバ
カットバルブ62,64に接続されており、リザーバカ
ットバルブ62,64は、集合パイプ79およびパイプ
41によりリザーバ80に接続されている。したがっ
て、リザーバカットバルブ62,64を開けば、ホイー
ルシリンダ132,134のブレーキ液が、パイプ10
2,104、パイプ72,74、リザーバカットバルブ
62,64、集合パイプ79、パイプ41、リザーバ8
0の経路でリザーバ80に送られる。リザーバカットバ
ルブ62,64も導電ラインによりVSCコンピュータ
160に接続されている。
プ102,104とパイプ72,74とによりリザーバ
カットバルブ62,64に接続されており、リザーバカ
ットバルブ62,64は、集合パイプ79およびパイプ
41によりリザーバ80に接続されている。したがっ
て、リザーバカットバルブ62,64を開けば、ホイー
ルシリンダ132,134のブレーキ液が、パイプ10
2,104、パイプ72,74、リザーバカットバルブ
62,64、集合パイプ79、パイプ41、リザーバ8
0の経路でリザーバ80に送られる。リザーバカットバ
ルブ62,64も導電ラインによりVSCコンピュータ
160に接続されている。
【0023】図3(a)はマスタカットバルブ32のオ
フ時の状態を示す説明図、図3(b)はマスタカットバ
ルブ32のオン時の状態を示す説明図である。マスタカ
ットバルブ32は、パイプ16とパイプ102との間に
介装された開閉弁であって、図3(a)および図3
(b)に示すように、パイプ16へのポート32Dの開
閉を行なうプランジャ32Aと、プランジャ32Aを開
方向に付勢するスプリング32Bと、プランジャ32A
の開閉方向を軸としてプランジャ32Aを芯とするよう
形成されたコイル32Cとを備える。また、ポート32
Dのパイプ16側には、ポート32Dにおけるブレーキ
液の流量を調節するオリフィス32Eが形成されてい
る。マスタカットバルブ32は、VSCコンピュータ1
60に接続されており、VSCコンピュータ160から
の駆動信号に基づいてコイル32Cへの通電のオン・オ
フを行なう。
フ時の状態を示す説明図、図3(b)はマスタカットバ
ルブ32のオン時の状態を示す説明図である。マスタカ
ットバルブ32は、パイプ16とパイプ102との間に
介装された開閉弁であって、図3(a)および図3
(b)に示すように、パイプ16へのポート32Dの開
閉を行なうプランジャ32Aと、プランジャ32Aを開
方向に付勢するスプリング32Bと、プランジャ32A
の開閉方向を軸としてプランジャ32Aを芯とするよう
形成されたコイル32Cとを備える。また、ポート32
Dのパイプ16側には、ポート32Dにおけるブレーキ
液の流量を調節するオリフィス32Eが形成されてい
る。マスタカットバルブ32は、VSCコンピュータ1
60に接続されており、VSCコンピュータ160から
の駆動信号に基づいてコイル32Cへの通電のオン・オ
フを行なう。
【0024】マスタカットバルブ32は、コイル32C
に通電していないとき(オフ時)には、図3(a)に示
すように、プランジャ32Aがスプリング32Bにより
ポート32Dと反対側に付勢され、ポート32Dが開い
た状態となる。また、コイル32Cに通電しているとき
(オン時)には、図3(b)に示すように、プランジャ
32Aがコイル32Cによる電磁誘導によりスプリング
32Bに抗してポート32D側に吸引され、ポート32
Dが閉じた状態となる。なお、マスタカットバルブ34
もマスタカットバルブ32と同一の構造をしている。
に通電していないとき(オフ時)には、図3(a)に示
すように、プランジャ32Aがスプリング32Bにより
ポート32Dと反対側に付勢され、ポート32Dが開い
た状態となる。また、コイル32Cに通電しているとき
(オン時)には、図3(b)に示すように、プランジャ
32Aがコイル32Cによる電磁誘導によりスプリング
32Bに抗してポート32D側に吸引され、ポート32
Dが閉じた状態となる。なお、マスタカットバルブ34
もマスタカットバルブ32と同一の構造をしている。
【0025】図4(a)は高圧フルードカットバルブ5
2のオフ時の状態を示す説明図、図4(b)は高圧フル
ードカットバルブ52のオン時の状態を示す説明図であ
る。高圧フルードカットバルブ52は、パイプ49とパ
イプ102との間に介装された開閉弁であって、図4
(a)および図4(b)に示すように、パイプ49への
ポート52Dの開閉を行なうプランジャ52Aと、プラ
ンジャ52Aを閉方向に付勢するスプリング52Bと、
プランジャ52Aの開閉方向を軸としてプランジャ52
Aを芯とするよう形成されたコイル52Cとを備える。
また、ポート52Dのパイプ49側には、ポート52D
におけるブレーキ液の流量を調節するオリフィス52E
が形成されている。高圧フルードカットバルブ52もV
SCコンピュータ160に接続されており、VSCコン
ピュータ160からの駆動信号に基づいてコイル52C
への通電のオン・オフを行なう。
2のオフ時の状態を示す説明図、図4(b)は高圧フル
ードカットバルブ52のオン時の状態を示す説明図であ
る。高圧フルードカットバルブ52は、パイプ49とパ
イプ102との間に介装された開閉弁であって、図4
(a)および図4(b)に示すように、パイプ49への
ポート52Dの開閉を行なうプランジャ52Aと、プラ
ンジャ52Aを閉方向に付勢するスプリング52Bと、
プランジャ52Aの開閉方向を軸としてプランジャ52
Aを芯とするよう形成されたコイル52Cとを備える。
また、ポート52Dのパイプ49側には、ポート52D
におけるブレーキ液の流量を調節するオリフィス52E
が形成されている。高圧フルードカットバルブ52もV
SCコンピュータ160に接続されており、VSCコン
ピュータ160からの駆動信号に基づいてコイル52C
への通電のオン・オフを行なう。
【0026】高圧フルードカットバルブ52は、コイル
52Cに通電していないとき(オフ時)には、図4
(a)に示すように、プランジャ52Aがスプリング5
2Bによりポート52D側に付勢され、ポート52Dが
閉じた状態となる。また、コイル52Cに通電している
とき(オン時)には、図4(b)に示すように、プラン
ジャ52Aがコイル52Cによる電磁誘導によりスプリ
ング52Bに抗してポート52Dと反対側に吸引され、
ポート52Dが開いた状態となる。なお、高圧フルード
カットバルブ54およびリザーバカットバルブ62,6
4も高圧フルードカットバルブ52と同一の構造をして
いる。
52Cに通電していないとき(オフ時)には、図4
(a)に示すように、プランジャ52Aがスプリング5
2Bによりポート52D側に付勢され、ポート52Dが
閉じた状態となる。また、コイル52Cに通電している
とき(オン時)には、図4(b)に示すように、プラン
ジャ52Aがコイル52Cによる電磁誘導によりスプリ
ング52Bに抗してポート52Dと反対側に吸引され、
ポート52Dが開いた状態となる。なお、高圧フルード
カットバルブ54およびリザーバカットバルブ62,6
4も高圧フルードカットバルブ52と同一の構造をして
いる。
【0027】図5は、リリーフ弁44の構成の概略を示
す断面図である。図示するように、リリーフ弁44は、
弁室45aを形成するハウジング45と、ブレーキマス
タシリンダ14の前方室14Aのブレーキ液の圧力を伝
えるマスタ圧伝達部材46と、球状の弁体47と、ポン
プ42からの昇圧されたブレーキ液を導くブレーキ液導
入部材48とから構成されている。ハウジング45に
は、3つの孔(連絡孔45b,挿入孔45cおよび導入
孔45d)が形成されており、連絡孔45bには弁室4
5a内のブレーキ液をリザーバ80に送るパイプ41b
が接続されており、挿入孔45cにはマスタ圧伝達部材
46が若干のクリアランスを得て摺動自在に嵌挿されて
いる。また、導入孔45dにはブレーキ液導入部材48
が嵌挿されている。そして、ハウジング45の挿入孔4
5c側の端部には液圧伝達パイプ17が接続されてお
り、ブレーキ液導入部材48の端部48aにはパイプ4
9が接続されている。
す断面図である。図示するように、リリーフ弁44は、
弁室45aを形成するハウジング45と、ブレーキマス
タシリンダ14の前方室14Aのブレーキ液の圧力を伝
えるマスタ圧伝達部材46と、球状の弁体47と、ポン
プ42からの昇圧されたブレーキ液を導くブレーキ液導
入部材48とから構成されている。ハウジング45に
は、3つの孔(連絡孔45b,挿入孔45cおよび導入
孔45d)が形成されており、連絡孔45bには弁室4
5a内のブレーキ液をリザーバ80に送るパイプ41b
が接続されており、挿入孔45cにはマスタ圧伝達部材
46が若干のクリアランスを得て摺動自在に嵌挿されて
いる。また、導入孔45dにはブレーキ液導入部材48
が嵌挿されている。そして、ハウジング45の挿入孔4
5c側の端部には液圧伝達パイプ17が接続されてお
り、ブレーキ液導入部材48の端部48aにはパイプ4
9が接続されている。
【0028】マスタ圧伝達部材46の弁室45a内の端
部には、ばね押え46aが形成されており、ばね押え4
6aと弁室45aの挿入孔45cが形成された端部との
間には、ばね定数Kのばね45eが縮められた状態で装
着されている。このため、マスタ圧伝達部材46には、
ばね45eによるばね力F1が図中左方向に作用する。
ここで、ばね45eは、ブレーキペダル12が踏み込ま
れていないとき(前方室14Aが昇圧されていないと
き)に、ホイールシリンダ132,134のブレーキ液
の圧力の昇圧可能な最大値(ポンプ42により加圧可能
な最大値)を設定するために設けられたものであり、そ
のばね定数Kは、車両の重量や弁体47のブレーキ液導
入部材48側の圧力が作用する部分の面積等により定め
られる。
部には、ばね押え46aが形成されており、ばね押え4
6aと弁室45aの挿入孔45cが形成された端部との
間には、ばね定数Kのばね45eが縮められた状態で装
着されている。このため、マスタ圧伝達部材46には、
ばね45eによるばね力F1が図中左方向に作用する。
ここで、ばね45eは、ブレーキペダル12が踏み込ま
れていないとき(前方室14Aが昇圧されていないと
き)に、ホイールシリンダ132,134のブレーキ液
の圧力の昇圧可能な最大値(ポンプ42により加圧可能
な最大値)を設定するために設けられたものであり、そ
のばね定数Kは、車両の重量や弁体47のブレーキ液導
入部材48側の圧力が作用する部分の面積等により定め
られる。
【0029】マスタ圧伝達部材46の弁室45a内の端
部には、球状の弁体47と係合可能な弁座46bが形成
されており、この弁座46bは弁体47を図中左方向に
付勢している。マスタ圧伝達部材46の他端である端部
46cは、直径Aの円形断面の棒状に形成されている。
このため、ハウジング45の挿入孔45c側の端部に液
圧伝達パイプ17を接続すれば、マスタ圧伝達部材46
には、端部46cの面積に前方室14Aのブレーキ液の
圧力を乗じて計算される力F2が図中左方向に作用す
る。したがって、マスタ圧伝達部材46には、ばね45
eに基づくばね力F1と前方室14Aのブレーキ液の圧
力に基づく力F2との合力F12が作用することにな
る。なお、弁室45aを液密とするため、ハウジング4
5の挿入孔45cには、シール部材46dが装着されて
いる。
部には、球状の弁体47と係合可能な弁座46bが形成
されており、この弁座46bは弁体47を図中左方向に
付勢している。マスタ圧伝達部材46の他端である端部
46cは、直径Aの円形断面の棒状に形成されている。
このため、ハウジング45の挿入孔45c側の端部に液
圧伝達パイプ17を接続すれば、マスタ圧伝達部材46
には、端部46cの面積に前方室14Aのブレーキ液の
圧力を乗じて計算される力F2が図中左方向に作用す
る。したがって、マスタ圧伝達部材46には、ばね45
eに基づくばね力F1と前方室14Aのブレーキ液の圧
力に基づく力F2との合力F12が作用することにな
る。なお、弁室45aを液密とするため、ハウジング4
5の挿入孔45cには、シール部材46dが装着されて
いる。
【0030】ブレーキ液導入部材48の挿入端には、弁
体47と係合するすり鉢状の弁座48bが形成されてお
り、この弁座48bの中央には、ブレーキ液を弁室45
a内に導入する貫通孔48cが形成されている。図6
は、ブレーキ液導入部材48の弁座48bと弁体47と
の係合の様子を示す拡大説明図である。実施例では、図
示するように、弁座48bが図中水平方向と45度の角
度をなすよう形成されているから、弁座48bと弁体4
7との接触線は、弁体47の半径をルート2倍した値B
を直径とする円となる。したがって、弁体47には、直
径Bの円の面積にポンプ42の吐出側のブレーキ液の圧
力を乗じた力F3が図中右方向に作用する。弁体47に
はマスタ圧伝達部材46に作用する図5中左方向の合力
F12が弁座46bを介して作用しているから、リリー
フ弁44は、力F3が合力F12より小さいときには開
弁せず、力F3が合力F12よりわずかでも大きくなっ
たときに開弁する。そして、ブレーキ液導入部材48側
のブレーキ液を弁室45a,連絡孔45bおよびパイプ
41bを介してリザーバ80に導くことにより(図2参
照)、力F3を合力F12以下となるようパイプ49側
のブレーキ液の圧力を調整する。
体47と係合するすり鉢状の弁座48bが形成されてお
り、この弁座48bの中央には、ブレーキ液を弁室45
a内に導入する貫通孔48cが形成されている。図6
は、ブレーキ液導入部材48の弁座48bと弁体47と
の係合の様子を示す拡大説明図である。実施例では、図
示するように、弁座48bが図中水平方向と45度の角
度をなすよう形成されているから、弁座48bと弁体4
7との接触線は、弁体47の半径をルート2倍した値B
を直径とする円となる。したがって、弁体47には、直
径Bの円の面積にポンプ42の吐出側のブレーキ液の圧
力を乗じた力F3が図中右方向に作用する。弁体47に
はマスタ圧伝達部材46に作用する図5中左方向の合力
F12が弁座46bを介して作用しているから、リリー
フ弁44は、力F3が合力F12より小さいときには開
弁せず、力F3が合力F12よりわずかでも大きくなっ
たときに開弁する。そして、ブレーキ液導入部材48側
のブレーキ液を弁室45a,連絡孔45bおよびパイプ
41bを介してリザーバ80に導くことにより(図2参
照)、力F3を合力F12以下となるようパイプ49側
のブレーキ液の圧力を調整する。
【0031】合力F12を構成する力のうち、ばね力F
1は変化しないが、力F2は、ブレーキマスタシリンダ
14の前方室14Aのブレーキ液の圧力に基づくため、
ブレーキペダル12の操作により変化する。このため、
力F3の取り得る最大値(合力F12となる値)もブレ
ーキペダル12の操作により変化することになる。い
ま、マスタ圧伝達部材46の端部46cの直径Aと、ブ
レーキ液導入部材48の弁座48bと弁体47との接線
をなす円の直径Bとを等しくすれば、ポンプ42で昇圧
可能な最大圧力は、ばね45eのばね力F1に抗し得る
圧力にブレーキマスタシリンダ14の前方室14Aのブ
レーキ液の圧力を加えたものとなる。なお、本実施例で
は、直径Aと直径Bとを等しくしている。
1は変化しないが、力F2は、ブレーキマスタシリンダ
14の前方室14Aのブレーキ液の圧力に基づくため、
ブレーキペダル12の操作により変化する。このため、
力F3の取り得る最大値(合力F12となる値)もブレ
ーキペダル12の操作により変化することになる。い
ま、マスタ圧伝達部材46の端部46cの直径Aと、ブ
レーキ液導入部材48の弁座48bと弁体47との接線
をなす円の直径Bとを等しくすれば、ポンプ42で昇圧
可能な最大圧力は、ばね45eのばね力F1に抗し得る
圧力にブレーキマスタシリンダ14の前方室14Aのブ
レーキ液の圧力を加えたものとなる。なお、本実施例で
は、直径Aと直径Bとを等しくしている。
【0032】図7は、VSCコンピュータ160および
エンジン制御用コンピュータ170を中心とした制御系
の電気的な構成を示すブロック図である。VSCコンピ
ュータ160は、図示するように、マイクロコンピュー
タを中心とする論理演算回路として構成され、詳しく
は、予め設定された制御プログラムに従ってVSCアク
チュエータ20およびトルク調整機構140等を制御す
るための各種演算処理を実行するCPU160a、CP
U160aで各種演算処理を実行するのに必要な制御プ
ログラムや制御データ等が予め格納されたROM160
b、同じくCPU160aで各種演算処理を実行するの
に必要な各種データが一時的に読み書きされるRAM1
60c、スピードセンサ122および124,操舵角セ
ンサ158およびヨーレートセンサ159からの検出信
号を入力すると共にエンジン制御用コンピュータ170
の演算結果を入力する入力インタフェース回路160
d、CPU160aでの演算結果に応じてマスタカット
バルブ32および34,高圧フルードカットバルブ52
および54,リザーバカットバルブ62および64,ポ
ンプ42,サブスロットルバルブアクチュエータ156
等に駆動信号を出力すると共にCPU160aでの演算
結果をエンジン制御用コンピュータ170に出力する出
力インタフェース回路160eを備える。また、VSC
コンピュータ160は、図示しないバッテリに接続され
た電源回路160fを備え、各部に必要な電圧を供給す
る構成となっている。
エンジン制御用コンピュータ170を中心とした制御系
の電気的な構成を示すブロック図である。VSCコンピ
ュータ160は、図示するように、マイクロコンピュー
タを中心とする論理演算回路として構成され、詳しく
は、予め設定された制御プログラムに従ってVSCアク
チュエータ20およびトルク調整機構140等を制御す
るための各種演算処理を実行するCPU160a、CP
U160aで各種演算処理を実行するのに必要な制御プ
ログラムや制御データ等が予め格納されたROM160
b、同じくCPU160aで各種演算処理を実行するの
に必要な各種データが一時的に読み書きされるRAM1
60c、スピードセンサ122および124,操舵角セ
ンサ158およびヨーレートセンサ159からの検出信
号を入力すると共にエンジン制御用コンピュータ170
の演算結果を入力する入力インタフェース回路160
d、CPU160aでの演算結果に応じてマスタカット
バルブ32および34,高圧フルードカットバルブ52
および54,リザーバカットバルブ62および64,ポ
ンプ42,サブスロットルバルブアクチュエータ156
等に駆動信号を出力すると共にCPU160aでの演算
結果をエンジン制御用コンピュータ170に出力する出
力インタフェース回路160eを備える。また、VSC
コンピュータ160は、図示しないバッテリに接続され
た電源回路160fを備え、各部に必要な電圧を供給す
る構成となっている。
【0033】一方、エンジン制御用コンピュータ170
も、図示するように、マイクロコンピュータを中心とす
る論理演算回路として構成され、詳しくは、予め設定さ
れた制御プログラムに従って空燃比や点火時期等を制御
するための各種演算処理を実行するCPU170a、C
PU170aで各種演算処理を実行するのに必要な制御
プログラムや制御データ等が予め格納されたROM17
0b、同じくCPU170aで各種演算処理を実行する
のに必要な各種データが一時的に読み書きされるRAM
170c、メインスロットルバルブポジションセンサ1
52,サブスロットルバルブポジションセンサ154お
よび空燃比制御等に必要な図示しない各種センサ(例え
ば、クランク軸の回転数を検出する回転速度センサ,吸
入空気の温度を検出する吸入温センサ,吸入空気量を検
出するエアフローメータ,エンジンの冷却水の温度を検
出する水温センサ,排気マニホールドの酸素を検出する
酸素濃度センサ等)からの検出信号を入力すると共にV
SCコンピュータ160の演算結果を入力する入力イン
タフェース回路170d、CPU170aでの演算結果
をVSCコンピュータ160へ出力すると共にCPU1
70aでの演算結果に応じて空燃比制御等に必要な各種
アクチュエータ(例えば、イグナイタ,燃料噴射弁,ア
イドルスピードコントロールバルブ等)に駆動信号を出
力する出力インタフェース回路170eを備える。ま
た、エンジン制御用コンピュータ170は、図示しない
バッテリに接続された電源回路170fを備え、各部に
必要な電圧を供給する構成となっている。
も、図示するように、マイクロコンピュータを中心とす
る論理演算回路として構成され、詳しくは、予め設定さ
れた制御プログラムに従って空燃比や点火時期等を制御
するための各種演算処理を実行するCPU170a、C
PU170aで各種演算処理を実行するのに必要な制御
プログラムや制御データ等が予め格納されたROM17
0b、同じくCPU170aで各種演算処理を実行する
のに必要な各種データが一時的に読み書きされるRAM
170c、メインスロットルバルブポジションセンサ1
52,サブスロットルバルブポジションセンサ154お
よび空燃比制御等に必要な図示しない各種センサ(例え
ば、クランク軸の回転数を検出する回転速度センサ,吸
入空気の温度を検出する吸入温センサ,吸入空気量を検
出するエアフローメータ,エンジンの冷却水の温度を検
出する水温センサ,排気マニホールドの酸素を検出する
酸素濃度センサ等)からの検出信号を入力すると共にV
SCコンピュータ160の演算結果を入力する入力イン
タフェース回路170d、CPU170aでの演算結果
をVSCコンピュータ160へ出力すると共にCPU1
70aでの演算結果に応じて空燃比制御等に必要な各種
アクチュエータ(例えば、イグナイタ,燃料噴射弁,ア
イドルスピードコントロールバルブ等)に駆動信号を出
力する出力インタフェース回路170eを備える。ま
た、エンジン制御用コンピュータ170は、図示しない
バッテリに接続された電源回路170fを備え、各部に
必要な電圧を供給する構成となっている。
【0034】なお、図示しないが、後輪アクチュエータ
24も前輪アクチュエータ22と同一の構成をしてお
り、後輪アクチュエータ24内の各バルブおよびポンプ
も前輪アクチュエータ22の各バルブやポンプと同様に
導電ラインによりVSCコンピュータ160に接続され
ており、VSCコンピュータ160により駆動制御され
る。
24も前輪アクチュエータ22と同一の構成をしてお
り、後輪アクチュエータ24内の各バルブおよびポンプ
も前輪アクチュエータ22の各バルブやポンプと同様に
導電ラインによりVSCコンピュータ160に接続され
ており、VSCコンピュータ160により駆動制御され
る。
【0035】こうして構成されたVSCコンピュータ1
60およびエンジン制御用コンピュータ170によっ
て、車両の旋回等の挙動に対して安定性を与える車両運
動制御(VSC)、急ブレーキが踏まれたときに車輪が
ロック状態となるのを防止するアンチロックブレーキシ
ステム(ABS)、発進時や軟弱路面で車輪が空転する
のを防止するトラクションコントロール(TRC)等が
行なわれる。これらの制御は、各スピードセンサ122
〜128からの検出信号に基づいて求められる推定車体
速度,車体速度に対する車体速度と車輪速度との差の比
率(ABSでのスリップ率)または車輪速度に対する車
輪速度と車体速度との比率(TRCでのスリップ率),
操舵角センサ158により検出される操舵角と車体速度
とにより求められる目標回転角速度およびヨーレートセ
ンサ159により検出される実回転角速度等に基づい
て、車輪と路面との摩擦力と、コーナリングフォースに
よる操舵性とが両立するスリップ率の範囲内となるよ
う、VSCアクチュエータ20を構成する前輪アクチュ
エータ22および後輪アクチュエータ24内の各バルブ
の開閉による各ホイールシリンダ132〜138のブレ
ーキ液の圧力の制御およびサブスロットルバルブ144
の開度の調整によるエンジンのトルクの制御が行なわれ
る。以下、ブレーキ液圧制御装置10の動作について説
明する。
60およびエンジン制御用コンピュータ170によっ
て、車両の旋回等の挙動に対して安定性を与える車両運
動制御(VSC)、急ブレーキが踏まれたときに車輪が
ロック状態となるのを防止するアンチロックブレーキシ
ステム(ABS)、発進時や軟弱路面で車輪が空転する
のを防止するトラクションコントロール(TRC)等が
行なわれる。これらの制御は、各スピードセンサ122
〜128からの検出信号に基づいて求められる推定車体
速度,車体速度に対する車体速度と車輪速度との差の比
率(ABSでのスリップ率)または車輪速度に対する車
輪速度と車体速度との比率(TRCでのスリップ率),
操舵角センサ158により検出される操舵角と車体速度
とにより求められる目標回転角速度およびヨーレートセ
ンサ159により検出される実回転角速度等に基づい
て、車輪と路面との摩擦力と、コーナリングフォースに
よる操舵性とが両立するスリップ率の範囲内となるよ
う、VSCアクチュエータ20を構成する前輪アクチュ
エータ22および後輪アクチュエータ24内の各バルブ
の開閉による各ホイールシリンダ132〜138のブレ
ーキ液の圧力の制御およびサブスロットルバルブ144
の開度の調整によるエンジンのトルクの制御が行なわれ
る。以下、ブレーキ液圧制御装置10の動作について説
明する。
【0036】まず、VSC,ABSおよびTRCの各制
御が作動していない時のブレーキ液圧制御装置10の状
態について説明する。各制御の非作動時には、ブレーキ
液圧制御装置10の前輪系の各バルブはすべてオフとさ
れ、図2に示す状態となる。すなわち、マスタカットバ
ルブ32,34が開き、高圧フルードカットバルブ5
2,54とリザーバカットバルブ62,64とが閉じた
状態となる。したがって、このバルブ状態で、ブレーキ
ペダル12を踏み込んでブレーキマスタシリンダ14の
前方室14Aを昇圧すると、昇圧されたブレーキ液が、
図中往復矢印に示すように、パイプ16,マスタカット
バルブ32および34,パイプ102および104,ホ
イールシリンダ132および134の経路でホイールシ
リンダ132および134に送られ、前輪112,11
4に制動力が与えられる。このとき、高圧フルードカッ
トバルブ52および54は閉じているから、ポンプ42
により昇圧されたブレーキ液がホイールシリンダ132
および134に送られることはない。また、リザーバカ
ットバルブ62および64も閉じているから、ブレーキ
液がリザーバ80に送られることもない。
御が作動していない時のブレーキ液圧制御装置10の状
態について説明する。各制御の非作動時には、ブレーキ
液圧制御装置10の前輪系の各バルブはすべてオフとさ
れ、図2に示す状態となる。すなわち、マスタカットバ
ルブ32,34が開き、高圧フルードカットバルブ5
2,54とリザーバカットバルブ62,64とが閉じた
状態となる。したがって、このバルブ状態で、ブレーキ
ペダル12を踏み込んでブレーキマスタシリンダ14の
前方室14Aを昇圧すると、昇圧されたブレーキ液が、
図中往復矢印に示すように、パイプ16,マスタカット
バルブ32および34,パイプ102および104,ホ
イールシリンダ132および134の経路でホイールシ
リンダ132および134に送られ、前輪112,11
4に制動力が与えられる。このとき、高圧フルードカッ
トバルブ52および54は閉じているから、ポンプ42
により昇圧されたブレーキ液がホイールシリンダ132
および134に送られることはない。また、リザーバカ
ットバルブ62および64も閉じているから、ブレーキ
液がリザーバ80に送られることもない。
【0037】ブレーキペダル12を解放すると、ホイー
ルシリンダ132および134のブレーキ液は、パイプ
102および104,マスタカットバルブ32および3
4,パイプ16,ブレーキマスタシリンダ14の前方室
14Aの経路で前方室14Aに戻され、前輪112,1
14の制動力が除かれる。なお、トルク調整機構140
は、VSC,ABSおよびTRCの各制御が作動してい
ない時には、VSCコンピュータ160による制御は受
けない。
ルシリンダ132および134のブレーキ液は、パイプ
102および104,マスタカットバルブ32および3
4,パイプ16,ブレーキマスタシリンダ14の前方室
14Aの経路で前方室14Aに戻され、前輪112,1
14の制動力が除かれる。なお、トルク調整機構140
は、VSC,ABSおよびTRCの各制御が作動してい
ない時には、VSCコンピュータ160による制御は受
けない。
【0038】次に、ブレーキ液圧制御装置10によるV
SC作動時について説明する。このVSCは、例えば、
ヨーレートセンサ159により検出される実回転角速度
が所定の値以上となったときに作動を開始し、ヨーレー
トセンサ159により検出される実回転角速度と、操舵
角センサ158により検出される操舵角および車輪速度
から推定される車体速度に基づいて求められる目標回転
角速度とを比較して、実回転角速度が目標回転角速度に
一致するよう前輪112,114のホイールシリンダ1
32,134のブレーキ液の圧力を保持,加圧および減
圧して制御する。
SC作動時について説明する。このVSCは、例えば、
ヨーレートセンサ159により検出される実回転角速度
が所定の値以上となったときに作動を開始し、ヨーレー
トセンサ159により検出される実回転角速度と、操舵
角センサ158により検出される操舵角および車輪速度
から推定される車体速度に基づいて求められる目標回転
角速度とを比較して、実回転角速度が目標回転角速度に
一致するよう前輪112,114のホイールシリンダ1
32,134のブレーキ液の圧力を保持,加圧および減
圧して制御する。
【0039】車両が左旋回しているときのVSCについ
て説明する。図8は左旋回時のVSCの保持動作におけ
るブレーキ液圧制御装置10の左右前輪系のバルブ状態
を示す説明図、図9は左旋回時のVSCの加圧動作にお
けるブレーキ液圧制御装置10の左右前輪系のバルブ状
態を示す説明図および図10は左旋回時のVSCの減圧
動作におけるブレーキ液圧制御装置10の右前輪系のバ
ルブ状態を示す説明図である。
て説明する。図8は左旋回時のVSCの保持動作におけ
るブレーキ液圧制御装置10の左右前輪系のバルブ状態
を示す説明図、図9は左旋回時のVSCの加圧動作にお
けるブレーキ液圧制御装置10の左右前輪系のバルブ状
態を示す説明図および図10は左旋回時のVSCの減圧
動作におけるブレーキ液圧制御装置10の右前輪系のバ
ルブ状態を示す説明図である。
【0040】左旋回時のVSCでは、図8ないし図10
に示すように、旋回外側の車輪である右前輪114系の
マスタカットバルブ34をオン(閉)とする。そして、
高圧フルードカットバルブ54とリザーバカットバルブ
64とによりホイールシリンダ134のブレーキ液の圧
力を保持,加圧または減圧する。
に示すように、旋回外側の車輪である右前輪114系の
マスタカットバルブ34をオン(閉)とする。そして、
高圧フルードカットバルブ54とリザーバカットバルブ
64とによりホイールシリンダ134のブレーキ液の圧
力を保持,加圧または減圧する。
【0041】保持動作では、図8に示すように、高圧フ
ルードカットバルブ54およびリザーバカットバルブ6
4を共にオフ(閉)として、ホイールシリンダ134の
ブレーキ液の圧力を保持する。加圧動作では、図9に示
すように、高圧フルードカットバルブ54をオン
(開)、リザーバカットバルブ64をオフ(閉)とし
て、ポンプ42により昇圧されたブレーキ液を、パイプ
49,高圧フルードカットバルブ54,パイプ104,
ホイールシリンダ134の経路でホイールシリンダ13
4に送り(図中矢印)、ホイールシリンダ134のブレ
ーキ液の圧力を増加する。減圧動作では、図10に示す
ように、高圧フルードカットバルブ54をオフ(閉)、
リザーバカットバルブ64をオン(開)として、ホイー
ルシリンダ134のブレーキ液を、パイプ104,パイ
プ74,リザーバカットバルブ64,集合パイプ79,
リザーバ80の経路でリザーバ80に送ってホイールシ
リンダ134のブレーキ液の圧力を減じる。
ルードカットバルブ54およびリザーバカットバルブ6
4を共にオフ(閉)として、ホイールシリンダ134の
ブレーキ液の圧力を保持する。加圧動作では、図9に示
すように、高圧フルードカットバルブ54をオン
(開)、リザーバカットバルブ64をオフ(閉)とし
て、ポンプ42により昇圧されたブレーキ液を、パイプ
49,高圧フルードカットバルブ54,パイプ104,
ホイールシリンダ134の経路でホイールシリンダ13
4に送り(図中矢印)、ホイールシリンダ134のブレ
ーキ液の圧力を増加する。減圧動作では、図10に示す
ように、高圧フルードカットバルブ54をオフ(閉)、
リザーバカットバルブ64をオン(開)として、ホイー
ルシリンダ134のブレーキ液を、パイプ104,パイ
プ74,リザーバカットバルブ64,集合パイプ79,
リザーバ80の経路でリザーバ80に送ってホイールシ
リンダ134のブレーキ液の圧力を減じる。
【0042】こうしたVSCがブレーキペダル12が踏
み込まれていないときに作動すると、リリーフ弁44
は、ブレーキマスタシリンダ14の前方室14Aが昇圧
されていないから、ポンプ42の吐出圧がばね45eの
ばね力F1に抗し得る圧力となったときに開弁する。し
たがって、ホイールシリンダ134のブレーキ液は、最
大ばね力F1に抗し得る圧力まで加圧される。この状態
でブレーキペダル12が踏み込まれると、昇圧された前
方室14Aのブレーキ液が、非制御輪である左前輪11
2のホイールシリンダ132に、パイプ16,マスタカ
ットバルブ32,パイプ102,ホイールシリンダ13
2の経路で送られ、旋回内側の左前輪112に制動力が
作用する。一方、制御輪である右前輪114のホイール
シリンダ134には、マスタカットバルブ34が閉じて
いるから、前方室14Aのブレーキ液は送られない。こ
のようにVSC作動中に旋回内側の前輪に制動力が作用
すると、車両の走行安定性は低下するから、VSCコン
ピュータ160は、車両の走行安定性を高めるために、
高圧フルードカットバルブ54をオン(開)として旋回
外側の右前輪114に更なる制動力を与える。
み込まれていないときに作動すると、リリーフ弁44
は、ブレーキマスタシリンダ14の前方室14Aが昇圧
されていないから、ポンプ42の吐出圧がばね45eの
ばね力F1に抗し得る圧力となったときに開弁する。し
たがって、ホイールシリンダ134のブレーキ液は、最
大ばね力F1に抗し得る圧力まで加圧される。この状態
でブレーキペダル12が踏み込まれると、昇圧された前
方室14Aのブレーキ液が、非制御輪である左前輪11
2のホイールシリンダ132に、パイプ16,マスタカ
ットバルブ32,パイプ102,ホイールシリンダ13
2の経路で送られ、旋回内側の左前輪112に制動力が
作用する。一方、制御輪である右前輪114のホイール
シリンダ134には、マスタカットバルブ34が閉じて
いるから、前方室14Aのブレーキ液は送られない。こ
のようにVSC作動中に旋回内側の前輪に制動力が作用
すると、車両の走行安定性は低下するから、VSCコン
ピュータ160は、車両の走行安定性を高めるために、
高圧フルードカットバルブ54をオン(開)として旋回
外側の右前輪114に更なる制動力を与える。
【0043】このとき、リリーフ弁44の開弁圧は、ば
ね力F1に抗し得る圧力に前方室14Aのブレーキ液の
圧力を加えた圧力となるから、VSCコンピュータ16
0は、右前輪114のホイールシリンダ134のブレー
キ液の圧力をリリーフ弁44の開弁圧まで、即ち前方室
14Aの圧力が直接伝えられる左前輪112のホイール
シリンダ132のブレーキ液の圧力より大きな圧力まで
昇圧することができる。したがって、前方室14Aのブ
レーキ液の圧力がばね力F1に抗し得る圧力より大きな
ものであっても、旋回外側の右前輪114の制動力を旋
回内側の左前輪112の制動力より大きくすることがで
き、車両の走行安定性をより確実なものとすることがで
きる。
ね力F1に抗し得る圧力に前方室14Aのブレーキ液の
圧力を加えた圧力となるから、VSCコンピュータ16
0は、右前輪114のホイールシリンダ134のブレー
キ液の圧力をリリーフ弁44の開弁圧まで、即ち前方室
14Aの圧力が直接伝えられる左前輪112のホイール
シリンダ132のブレーキ液の圧力より大きな圧力まで
昇圧することができる。したがって、前方室14Aのブ
レーキ液の圧力がばね力F1に抗し得る圧力より大きな
ものであっても、旋回外側の右前輪114の制動力を旋
回内側の左前輪112の制動力より大きくすることがで
き、車両の走行安定性をより確実なものとすることがで
きる。
【0044】なお、本実施例では、非制御輪である左前
輪112系のマスタカットバルブ32をオフ(開)と
し、前方室14Aのブレーキ液の圧力が直接ホイールシ
リンダ132に作用するものとしたが、前方室14Aに
圧力計を設置し、前方室14Aのブレーキ液の圧力の上
昇勾配(単位時間当たりの圧力差)が所定値以上となっ
たときには、VSCコンピュータ160によりマスタカ
ットバルブ32を開閉制御し、左前輪112のホイール
シリンダ132のブレーキ液の圧力の上昇勾配をポンプ
42による制御輪である右前輪114のホイールシリン
ダ134のブレーキ液の圧力の上昇勾配以下として、ホ
イールシリンダ134のブレーキ液の圧力をホイールシ
リンダ132より常に高くする構成としてもよい。この
際、前方室14Aのブレーキ液の圧力の上昇勾配の所定
値は、ポンプ42の能力やホイールシリンダ134の性
能等によって定められる。
輪112系のマスタカットバルブ32をオフ(開)と
し、前方室14Aのブレーキ液の圧力が直接ホイールシ
リンダ132に作用するものとしたが、前方室14Aに
圧力計を設置し、前方室14Aのブレーキ液の圧力の上
昇勾配(単位時間当たりの圧力差)が所定値以上となっ
たときには、VSCコンピュータ160によりマスタカ
ットバルブ32を開閉制御し、左前輪112のホイール
シリンダ132のブレーキ液の圧力の上昇勾配をポンプ
42による制御輪である右前輪114のホイールシリン
ダ134のブレーキ液の圧力の上昇勾配以下として、ホ
イールシリンダ134のブレーキ液の圧力をホイールシ
リンダ132より常に高くする構成としてもよい。この
際、前方室14Aのブレーキ液の圧力の上昇勾配の所定
値は、ポンプ42の能力やホイールシリンダ134の性
能等によって定められる。
【0045】こうしたVSCは、例えば、ヨーレートセ
ンサ159により検出された実回転角速度が前述の所定
値より小さい値として設定された第2の所定値より小さ
くなったときに、すべてのバルブをオフ(図2に示す非
作動時の状態)とする終了動作を行なった後に制御を終
了する。
ンサ159により検出された実回転角速度が前述の所定
値より小さい値として設定された第2の所定値より小さ
くなったときに、すべてのバルブをオフ(図2に示す非
作動時の状態)とする終了動作を行なった後に制御を終
了する。
【0046】次に、ブレーキ液圧制御装置10によるA
BS作動時について説明する。ABSは、急ブレーキが
踏まれたとき、例えば、ブレーキペダル12が踏まれ、
車輪加速度が所定値以下でスリップ率が所定値以上変化
したときに作動する。ABSは、車輪と路面との摩擦力
による制動力と、コーナリングフォースによる操舵性と
が両立するスリップ率の範囲内となるよう各車輪112
〜118のホイールシリンダ132〜138のブレーキ
液の圧力を保持,加圧および減圧の動作により制御す
る。ABS作動時における右前輪114系の各バルブ状
態は図8ないし図10のバルブ状態と同一(左前輪11
2系は異なる)である。また、左前輪112系および左
右後輪116,118系のバルブ状態は右前輪114系
のバルブ状態と同様である。すなわち、ABSでは、各
車輪112〜118毎にスリップ率を演算し、各車輪1
12〜118毎に保持,加圧および減圧の各動作のバル
ブ操作を行なって、各車輪112〜118毎に制動力の
制御を行なう。
BS作動時について説明する。ABSは、急ブレーキが
踏まれたとき、例えば、ブレーキペダル12が踏まれ、
車輪加速度が所定値以下でスリップ率が所定値以上変化
したときに作動する。ABSは、車輪と路面との摩擦力
による制動力と、コーナリングフォースによる操舵性と
が両立するスリップ率の範囲内となるよう各車輪112
〜118のホイールシリンダ132〜138のブレーキ
液の圧力を保持,加圧および減圧の動作により制御す
る。ABS作動時における右前輪114系の各バルブ状
態は図8ないし図10のバルブ状態と同一(左前輪11
2系は異なる)である。また、左前輪112系および左
右後輪116,118系のバルブ状態は右前輪114系
のバルブ状態と同様である。すなわち、ABSでは、各
車輪112〜118毎にスリップ率を演算し、各車輪1
12〜118毎に保持,加圧および減圧の各動作のバル
ブ操作を行なって、各車輪112〜118毎に制動力の
制御を行なう。
【0047】ABSは、作動中にホイールシリンダ13
4のブレーキ液の圧力がブレーキマスタシリンダ14の
ブレーキ液の圧力と等しくなったときに、マスタカット
バルブ34,高圧フルードカットバルブ54およびリザ
ーバカットバルブ64のいずれのバルブもオフ(図2に
示す非作動時の状態)とする終了動作を行ない、制御を
終了する。
4のブレーキ液の圧力がブレーキマスタシリンダ14の
ブレーキ液の圧力と等しくなったときに、マスタカット
バルブ34,高圧フルードカットバルブ54およびリザ
ーバカットバルブ64のいずれのバルブもオフ(図2に
示す非作動時の状態)とする終了動作を行ない、制御を
終了する。
【0048】なお、実施例では、ABSの加圧動作にお
いてマスタカットバルブ34を閉としてポンプ42によ
りホイールシリンダ134のブレーキ液を加圧したが、
マスタカットバルブ34を開として前方室14Aのブレ
ーキ液の圧力によりホイールシリンダ134のブレーキ
液を加圧する構成としても差し支えない。
いてマスタカットバルブ34を閉としてポンプ42によ
りホイールシリンダ134のブレーキ液を加圧したが、
マスタカットバルブ34を開として前方室14Aのブレ
ーキ液の圧力によりホイールシリンダ134のブレーキ
液を加圧する構成としても差し支えない。
【0049】次に、ブレーキ液圧制御装置10によるT
RCについて説明する。TRCは、加速時に、例えば、
駆動輪(後輪)の速度が車体推定速度より所定値または
所定割合以上大きくなったときに作動する。TRCは、
サブスロットルバルブ144の開度によりエンジンのト
ルクを調整するトルク制御と、駆動輪である後輪11
6,118と路面とに発生する摩擦力とコーナリングフ
ォースによる操舵性とが両立するスリップ率の範囲内と
なるよう後輪116,118のホイールシリンダ13
6,138のブレーキ液の圧力を増減するブレーキ制御
とにより行なわれる。
RCについて説明する。TRCは、加速時に、例えば、
駆動輪(後輪)の速度が車体推定速度より所定値または
所定割合以上大きくなったときに作動する。TRCは、
サブスロットルバルブ144の開度によりエンジンのト
ルクを調整するトルク制御と、駆動輪である後輪11
6,118と路面とに発生する摩擦力とコーナリングフ
ォースによる操舵性とが両立するスリップ率の範囲内と
なるよう後輪116,118のホイールシリンダ13
6,138のブレーキ液の圧力を増減するブレーキ制御
とにより行なわれる。
【0050】トルク制御は、TRCが作動した直後に
は、例えば、図示しない回転数センサで検出されるエン
ジン回転数により定まるエンジンのトルクに応じた開度
と、メインスロットルバルブポジションセンサ152で
検出されるメインスロットルバルブ142の開度とのう
ち、小さい方の開度を目標開度とし、サブスロットルバ
ルブ144をこの目標開度となるようオープン制御す
る。その後、スリップ率が、車体推定速度や路面状態に
よって予め定めた目標範囲となるようサブスロットルバ
ルブ144の開度をフィードバック制御する。ここで、
スリップ率の目標範囲は、車速や路面の状態などにより
実験等により定められるものである。例えば、低速走行
における加速時では加速性を重視してやや大きめのスリ
ップ率を中心とした範囲で設定し、高速走行における加
速時では車両の走行安定性を重視してやや小さめのスリ
ップ率を中心とした範囲で設定する。また、路面の摩擦
係数が小さい悪路では、摩擦係数が大きな路面に比して
大きなスリップ率のときに加速性がよくなるので、やや
大きめのスリップ率を中心とした範囲で設定する。
は、例えば、図示しない回転数センサで検出されるエン
ジン回転数により定まるエンジンのトルクに応じた開度
と、メインスロットルバルブポジションセンサ152で
検出されるメインスロットルバルブ142の開度とのう
ち、小さい方の開度を目標開度とし、サブスロットルバ
ルブ144をこの目標開度となるようオープン制御す
る。その後、スリップ率が、車体推定速度や路面状態に
よって予め定めた目標範囲となるようサブスロットルバ
ルブ144の開度をフィードバック制御する。ここで、
スリップ率の目標範囲は、車速や路面の状態などにより
実験等により定められるものである。例えば、低速走行
における加速時では加速性を重視してやや大きめのスリ
ップ率を中心とした範囲で設定し、高速走行における加
速時では車両の走行安定性を重視してやや小さめのスリ
ップ率を中心とした範囲で設定する。また、路面の摩擦
係数が小さい悪路では、摩擦係数が大きな路面に比して
大きなスリップ率のときに加速性がよくなるので、やや
大きめのスリップ率を中心とした範囲で設定する。
【0051】TRCのブレーキ制御は、トルク制御が開
始された後に、このトルク制御と共に、スリップ率が目
標範囲となるよう、駆動輪である後輪116,118の
ホイールシリンダ136,138のブレーキ液の圧力を
加圧,保持および減圧の動作により制御する。TRCに
おける後輪116,118系の保持,加圧および減圧の
動作のバルブ状態は、図8ないし図10の右前輪114
系と同一である。そして、TRCでは、左右後輪11
6,118のスリップ率を独立に演算し、各後輪11
6,118系の各バルブを独立に操作することによって
各後輪116,118のスリップ率が車体推定速度や路
面状態によって予め定めた目標範囲となるよう制御す
る。
始された後に、このトルク制御と共に、スリップ率が目
標範囲となるよう、駆動輪である後輪116,118の
ホイールシリンダ136,138のブレーキ液の圧力を
加圧,保持および減圧の動作により制御する。TRCに
おける後輪116,118系の保持,加圧および減圧の
動作のバルブ状態は、図8ないし図10の右前輪114
系と同一である。そして、TRCでは、左右後輪11
6,118のスリップ率を独立に演算し、各後輪11
6,118系の各バルブを独立に操作することによって
各後輪116,118のスリップ率が車体推定速度や路
面状態によって予め定めた目標範囲となるよう制御す
る。
【0052】こうしたTRCは、例えば、スリップが発
生しない状態となったときに、各後輪系のマスタカット
バルブ、高圧フルードカットバルブおよびリザーバカッ
トバルブをオフ(非作動時の状態)とする終了動作を行
ない、制御を終了する。
生しない状態となったときに、各後輪系のマスタカット
バルブ、高圧フルードカットバルブおよびリザーバカッ
トバルブをオフ(非作動時の状態)とする終了動作を行
ない、制御を終了する。
【0053】以上説明した実施例のブレーキ液圧制御装
置10によれば、左前輪112と右前輪114とを独立
に制御する構成としたので、VSC等の制御中にブレー
キペダル12を踏み込むことにより、非制御輪に直接制
動力を作用させることができる。また、リリーフ弁44
の開弁圧をブレーキマスタシリンダ14の前方室14A
のブレーキ液の圧力に応じて変化させたので、ブレーキ
ペダル12が踏み込まれていないときには、比較的低い
圧力でリリーフ弁44を開弁することにより管路内の圧
力が高くなり過ぎるのを防止し、ブレーキペダル12が
踏み込まれているときには、リリーフ弁44の開弁圧を
高くして制御輪のホイールシリンダのブレーキ液の圧力
をより高くすることができる。しかも、リリーフ弁44
の開弁圧をばね力F1に抗し得る圧力に前方室14Aの
ブレーキ液の圧力を加えた圧力としたので、前方室14
Aのブレーキ液の圧力がばね力F1に抗し得る圧力より
大きな場合でも、制御輪のホイールシリンダのブレーキ
液の圧力を非制御輪のホイールシリンダのブレーキ液の
圧力より大きな圧力まで昇圧することができる。したが
って、ブレーキペダル12の操作に拘わらず旋回外側の
前輪の制動力を旋回内側の前輪の制動力より大きくする
ことができるので、車両の走行安定性をより確実なもの
とすることができる。
置10によれば、左前輪112と右前輪114とを独立
に制御する構成としたので、VSC等の制御中にブレー
キペダル12を踏み込むことにより、非制御輪に直接制
動力を作用させることができる。また、リリーフ弁44
の開弁圧をブレーキマスタシリンダ14の前方室14A
のブレーキ液の圧力に応じて変化させたので、ブレーキ
ペダル12が踏み込まれていないときには、比較的低い
圧力でリリーフ弁44を開弁することにより管路内の圧
力が高くなり過ぎるのを防止し、ブレーキペダル12が
踏み込まれているときには、リリーフ弁44の開弁圧を
高くして制御輪のホイールシリンダのブレーキ液の圧力
をより高くすることができる。しかも、リリーフ弁44
の開弁圧をばね力F1に抗し得る圧力に前方室14Aの
ブレーキ液の圧力を加えた圧力としたので、前方室14
Aのブレーキ液の圧力がばね力F1に抗し得る圧力より
大きな場合でも、制御輪のホイールシリンダのブレーキ
液の圧力を非制御輪のホイールシリンダのブレーキ液の
圧力より大きな圧力まで昇圧することができる。したが
って、ブレーキペダル12の操作に拘わらず旋回外側の
前輪の制動力を旋回内側の前輪の制動力より大きくする
ことができるので、車両の走行安定性をより確実なもの
とすることができる。
【0054】また、実施例のブレーキ液圧制御装置10
によれば、同一の装置でVSCのみならず、ABSおよ
びTRCも行なうことができ、省スペース化を図ること
ができると共に経済的なものとすることができる。さら
に、実施例のブレーキ液圧制御装置10の各制御の作動
時には、制御輪系のマスタカットバルブを閉じて閉回路
によりブレーキ液の圧力の制御を行なうので、ABS時
にいわゆるキックバックを生じることもない。
によれば、同一の装置でVSCのみならず、ABSおよ
びTRCも行なうことができ、省スペース化を図ること
ができると共に経済的なものとすることができる。さら
に、実施例のブレーキ液圧制御装置10の各制御の作動
時には、制御輪系のマスタカットバルブを閉じて閉回路
によりブレーキ液の圧力の制御を行なうので、ABS時
にいわゆるキックバックを生じることもない。
【0055】実施例のブレーキ液圧制御装置10では、
高圧フルードカットバルブ52,54を用いてポンプ4
2により昇圧されたブレーキ液のホイールシリンダ13
2,134への流動を制御したが、図11の変形例に示
すように、高圧フルードカットバルブ52および54に
代えて、ポンプ42からホイールシリンダ132への接
続とポンプ42からホイールシリンダ134への接続と
を切り換える切換弁250を用いる構成でもよい。この
場合、ブレーキ液圧制御装置10の部品数を少なくする
ことができ、省スペース化を図ることができる。
高圧フルードカットバルブ52,54を用いてポンプ4
2により昇圧されたブレーキ液のホイールシリンダ13
2,134への流動を制御したが、図11の変形例に示
すように、高圧フルードカットバルブ52および54に
代えて、ポンプ42からホイールシリンダ132への接
続とポンプ42からホイールシリンダ134への接続と
を切り換える切換弁250を用いる構成でもよい。この
場合、ブレーキ液圧制御装置10の部品数を少なくする
ことができ、省スペース化を図ることができる。
【0056】次に本発明の第2の実施例であるブレーキ
液圧制御装置210について説明する。図12は、第2
実施例のブレーキ液圧制御装置210の構成の概略を前
輪アクチュエータ22Cを中心として示したブロック図
である。図示するように、第2実施例のブレーキ液圧制
御装置210は、第1実施例のブレーキ液圧制御装置1
0の前輪アクチュエータ22に代えて、マスタカットバ
ルブ270とフルード調整バルブ232,234と保護
バルブ252とを有する前輪アクチュエータ22Cを備
えた構成をしている。したがって、第2実施例のブレー
キ液圧制御装置210の構成のうち、第1実施例のブレ
ーキ液圧制御装置10と同一の構成には同一の符号を付
し、その説明は省略する。なお、ここでいう保護バルブ
252は、ポンプ42やリザーバ80等からなる液圧増
減手段からホイールシリンダ132,134に至る管路
であるパイプ49のリリーフ弁44側への分岐点よりホ
イールシリンダ132,134側に設けられた開閉弁で
ある。
液圧制御装置210について説明する。図12は、第2
実施例のブレーキ液圧制御装置210の構成の概略を前
輪アクチュエータ22Cを中心として示したブロック図
である。図示するように、第2実施例のブレーキ液圧制
御装置210は、第1実施例のブレーキ液圧制御装置1
0の前輪アクチュエータ22に代えて、マスタカットバ
ルブ270とフルード調整バルブ232,234と保護
バルブ252とを有する前輪アクチュエータ22Cを備
えた構成をしている。したがって、第2実施例のブレー
キ液圧制御装置210の構成のうち、第1実施例のブレ
ーキ液圧制御装置10と同一の構成には同一の符号を付
し、その説明は省略する。なお、ここでいう保護バルブ
252は、ポンプ42やリザーバ80等からなる液圧増
減手段からホイールシリンダ132,134に至る管路
であるパイプ49のリリーフ弁44側への分岐点よりホ
イールシリンダ132,134側に設けられた開閉弁で
ある。
【0057】ブレーキ液圧制御装置210のブレーキマ
スタシリンダ14の前方室14Aは、図示するように、
パイプ16により前輪アクチュエータ22Cが備えるマ
スタカットバルブ270に接続されており、このマスタ
カットバルブ270は、分岐パイプ272によりフルー
ド調整バルブ232,234に接続されている。このフ
ルード調整バルブ232,234は、パイプ102,1
04により前輪112,114のホイールシリンダ13
2,134に接続されている。したがって、マスタカッ
トバルブ270およびフルード調整バルブ232,23
4が開いている状態のときにブレーキペダル12を踏み
込むと、昇圧された前方室14Aのブレーキ液が、マス
タカットバルブ270およびフルード調整バルブ23
2,234を通って前輪112,114のホイールシリ
ンダ132,134に送られる。なお、マスタカットバ
ルブ270およびフルード調整バルブ232,234
は、第1実施例のマスタカットバルブ32(図3参照)
と同一の構造をしている。また、マスタカットバルブ2
70およびフルード調整バルブ232,234は、導電
ラインによりVSCコンピュータ160に接続されてい
る。
スタシリンダ14の前方室14Aは、図示するように、
パイプ16により前輪アクチュエータ22Cが備えるマ
スタカットバルブ270に接続されており、このマスタ
カットバルブ270は、分岐パイプ272によりフルー
ド調整バルブ232,234に接続されている。このフ
ルード調整バルブ232,234は、パイプ102,1
04により前輪112,114のホイールシリンダ13
2,134に接続されている。したがって、マスタカッ
トバルブ270およびフルード調整バルブ232,23
4が開いている状態のときにブレーキペダル12を踏み
込むと、昇圧された前方室14Aのブレーキ液が、マス
タカットバルブ270およびフルード調整バルブ23
2,234を通って前輪112,114のホイールシリ
ンダ132,134に送られる。なお、マスタカットバ
ルブ270およびフルード調整バルブ232,234
は、第1実施例のマスタカットバルブ32(図3参照)
と同一の構造をしている。また、マスタカットバルブ2
70およびフルード調整バルブ232,234は、導電
ラインによりVSCコンピュータ160に接続されてい
る。
【0058】ポンプ42の吐出口は、パイプ49により
保護バルブ252に接続されており、保護バルブ252
は、分岐パイプ272によりフルード調整バルブ23
2,234に接続されている。したがって、マスタカッ
トバルブ270を閉じ、フルード調整バルブ232,2
34および保護バルブ252を開けば、ポンプ42によ
り加圧されたブレーキ液が、保護バルブ252およびフ
ルード調整バルブ232,234を通ってホイールシリ
ンダ132,134に送られる。なお、保護バルブ25
2は、第1実施例の高圧フルードカットバルブ52(図
4参照)と同一の構成をしている。また、保護バルブ2
52も導電ラインによりVSCコンピュータ160に接
続されている。図13に第2実施例のブレーキ液圧制御
装置210の制御系の電気的な構成をVSCコンピュー
タ160およびエンジン制御用コンピュータ170を中
心として示したブロック図を示す。
保護バルブ252に接続されており、保護バルブ252
は、分岐パイプ272によりフルード調整バルブ23
2,234に接続されている。したがって、マスタカッ
トバルブ270を閉じ、フルード調整バルブ232,2
34および保護バルブ252を開けば、ポンプ42によ
り加圧されたブレーキ液が、保護バルブ252およびフ
ルード調整バルブ232,234を通ってホイールシリ
ンダ132,134に送られる。なお、保護バルブ25
2は、第1実施例の高圧フルードカットバルブ52(図
4参照)と同一の構成をしている。また、保護バルブ2
52も導電ラインによりVSCコンピュータ160に接
続されている。図13に第2実施例のブレーキ液圧制御
装置210の制御系の電気的な構成をVSCコンピュー
タ160およびエンジン制御用コンピュータ170を中
心として示したブロック図を示す。
【0059】こうして構成された第2実施例のブレーキ
液圧制御装置210でもVSC,ABSおよびTRCの
各制御が行なわれる。各制御の非作動時のバルブ状態
は、図12に示すように、マスタカットバルブ270お
よびフルード調整バルブ232,234が開で、保護バ
ルブ252およびリザーバカットバルブ62,64が閉
である。非作動時には、ポンプ42が運転されず、リリ
ーフ弁44の開弁圧がブレーキマスタシリンダ14の前
方室14Aより大きく設定されていることから、保護バ
ルブ252が開であっても差し支えない。しかし、保護
バルブ252を閉とすることにより、リリーフ弁44の
シールが不良な場合やポンプ42が故障の場合等に、前
方室14Aのブレーキ液がリザーバ80に流入するのを
防止することができる。
液圧制御装置210でもVSC,ABSおよびTRCの
各制御が行なわれる。各制御の非作動時のバルブ状態
は、図12に示すように、マスタカットバルブ270お
よびフルード調整バルブ232,234が開で、保護バ
ルブ252およびリザーバカットバルブ62,64が閉
である。非作動時には、ポンプ42が運転されず、リリ
ーフ弁44の開弁圧がブレーキマスタシリンダ14の前
方室14Aより大きく設定されていることから、保護バ
ルブ252が開であっても差し支えない。しかし、保護
バルブ252を閉とすることにより、リリーフ弁44の
シールが不良な場合やポンプ42が故障の場合等に、前
方室14Aのブレーキ液がリザーバ80に流入するのを
防止することができる。
【0060】各制御の作動時には、マスタカットバルブ
270を閉じ、保護バルブ252を開いて、フルード調
整バルブ232,234とリザーバカットバルブ62,
64とによりホイールシリンダ132,134のブレー
キ液の圧力を保持,加圧または減圧する。こうした各制
御の作動時にブレーキペダル12が踏み込まれると、第
1実施例のブレーキ液圧制御装置10と同様に、リリー
フ弁44の開弁圧は、前方室14Aのブレーキ液の圧力
に応じたものとなるから、ホイールシリンダ132およ
び134のブレーキ液の昇圧可能な圧力も前方室14A
のブレーキ液の圧力に応じたものとなる。
270を閉じ、保護バルブ252を開いて、フルード調
整バルブ232,234とリザーバカットバルブ62,
64とによりホイールシリンダ132,134のブレー
キ液の圧力を保持,加圧または減圧する。こうした各制
御の作動時にブレーキペダル12が踏み込まれると、第
1実施例のブレーキ液圧制御装置10と同様に、リリー
フ弁44の開弁圧は、前方室14Aのブレーキ液の圧力
に応じたものとなるから、ホイールシリンダ132およ
び134のブレーキ液の昇圧可能な圧力も前方室14A
のブレーキ液の圧力に応じたものとなる。
【0061】以上説明した第2実施例のブレーキ液圧制
御装置210によれば、ポンプ42の吐出側に保護バル
ブ252を設け、VSC等の制御の非作動時には保護バ
ルブ252を閉とすることにより、リリーフ弁44のシ
ールやポンプ42に異常がある場合でも、リザーバ80
にブレーキマスタシリンダ14の前方室14Aからのブ
レーキ液が流入するのを防止することができる。もとよ
り、リリーフ弁44の開弁圧をブレーキマスタシリンダ
14の前方室14Aのブレーキ液の圧力に応じて変化さ
せるから、ホイールシリンダ132およびホイールシリ
ンダ134のブレーキ液の昇圧可能な圧力も前方室14
Aの圧力に応じたものにすることができる。
御装置210によれば、ポンプ42の吐出側に保護バル
ブ252を設け、VSC等の制御の非作動時には保護バ
ルブ252を閉とすることにより、リリーフ弁44のシ
ールやポンプ42に異常がある場合でも、リザーバ80
にブレーキマスタシリンダ14の前方室14Aからのブ
レーキ液が流入するのを防止することができる。もとよ
り、リリーフ弁44の開弁圧をブレーキマスタシリンダ
14の前方室14Aのブレーキ液の圧力に応じて変化さ
せるから、ホイールシリンダ132およびホイールシリ
ンダ134のブレーキ液の昇圧可能な圧力も前方室14
Aの圧力に応じたものにすることができる。
【0062】なお、第2実施例のブレーキ液圧制御装置
210では、各制御の作動時に、ブレーキマスタシリン
ダ14の前方室14Aからホイールシリンダ132およ
び134への接続をマスタカットバルブ270により遮
断したが、第1実施例のブレーキ液圧制御装置10のよ
うにマスタカットバルブ270と並列にもう一つマスタ
カットバルブを設け、前方室14Aと左右前輪112,
114のホイールシリンダ132,134との接続を独
立に遮断する構成としてもよい。また、図14の変形例
の示すように、第1実施例の変形例(図11)に保護バ
ルブ252を備える構成としてもよい。
210では、各制御の作動時に、ブレーキマスタシリン
ダ14の前方室14Aからホイールシリンダ132およ
び134への接続をマスタカットバルブ270により遮
断したが、第1実施例のブレーキ液圧制御装置10のよ
うにマスタカットバルブ270と並列にもう一つマスタ
カットバルブを設け、前方室14Aと左右前輪112,
114のホイールシリンダ132,134との接続を独
立に遮断する構成としてもよい。また、図14の変形例
の示すように、第1実施例の変形例(図11)に保護バ
ルブ252を備える構成としてもよい。
【0063】また、上述した第2実施例のブレーキ液圧
制御装置210のように、ポンプ42の吐出側に保護バ
ルブ252が設けられた構成においては、ブレーキマス
タシリンダ14のブレーキ液の上昇は、ポンプ42の吐
出側には伝えられないので、ブレーキペダル12を踏ん
だ状態でポンプ42の作動チェック(故障診断のため
に、一度ポンプ42を始動させ、速やかに停止させる動
作)の際の音や振動等を低減させることができるという
特有の効果を奏する。
制御装置210のように、ポンプ42の吐出側に保護バ
ルブ252が設けられた構成においては、ブレーキマス
タシリンダ14のブレーキ液の上昇は、ポンプ42の吐
出側には伝えられないので、ブレーキペダル12を踏ん
だ状態でポンプ42の作動チェック(故障診断のため
に、一度ポンプ42を始動させ、速やかに停止させる動
作)の際の音や振動等を低減させることができるという
特有の効果を奏する。
【0064】第1実施例のブレーキ液圧制御装置10お
よび第2実施例にブレーキ液圧制御装置210では、い
ずれもリリーフ弁44のマスタ圧伝達部材46の端部4
6cの直径Aと、ブレーキ液導入部材48の弁座48b
と弁体47との接線をなす円の直径Bとを等しい場合に
ついて述べたが、直径Aと直径Bとが異なる構成として
もよい。この場合、リリーフ弁44の開弁圧は、必ずし
もブレーキマスタシリンダ14の前方室14Aのブレー
キ液の圧力より高くなるとは限らない。
よび第2実施例にブレーキ液圧制御装置210では、い
ずれもリリーフ弁44のマスタ圧伝達部材46の端部4
6cの直径Aと、ブレーキ液導入部材48の弁座48b
と弁体47との接線をなす円の直径Bとを等しい場合に
ついて述べたが、直径Aと直径Bとが異なる構成として
もよい。この場合、リリーフ弁44の開弁圧は、必ずし
もブレーキマスタシリンダ14の前方室14Aのブレー
キ液の圧力より高くなるとは限らない。
【0065】次に本発明の第3の実施例であるブレーキ
液圧制御装置310について説明する。図15は、第3
実施例のブレーキ液圧制御装置310の構成の概略を前
輪アクチュエータ22Eを中心に示したブロック図であ
る。図示するように、第3実施例のブレーキ液圧制御装
置310は、ブレーキマスタシリンダ14の前方室14
Aに圧力センサ311を備える点および第1実施例のブ
レーキ液圧制御装置10の前輪アクチュエータ22が備
えるリリーフ弁44と異なる構造のリリーフ弁344を
備える点を除いて第1実施例のブレーキ液圧制御装置1
0と同一の構成をしている。したがって、第3実施例の
ブレーキ液圧制御装置310のうち構成のうち第1実施
例のブレーキ液圧制御装置10と同一の構成については
同一の符号を付し、その説明は省略する。
液圧制御装置310について説明する。図15は、第3
実施例のブレーキ液圧制御装置310の構成の概略を前
輪アクチュエータ22Eを中心に示したブロック図であ
る。図示するように、第3実施例のブレーキ液圧制御装
置310は、ブレーキマスタシリンダ14の前方室14
Aに圧力センサ311を備える点および第1実施例のブ
レーキ液圧制御装置10の前輪アクチュエータ22が備
えるリリーフ弁44と異なる構造のリリーフ弁344を
備える点を除いて第1実施例のブレーキ液圧制御装置1
0と同一の構成をしている。したがって、第3実施例の
ブレーキ液圧制御装置310のうち構成のうち第1実施
例のブレーキ液圧制御装置10と同一の構成については
同一の符号を付し、その説明は省略する。
【0066】図示するように、第3実施例のブレーキ液
圧制御装置310のブレーキマスタシリンダ14の前方
室14Aには、前方室14A内のブレーキ液の圧力を検
出する圧力センサ311が設けられており、この圧力セ
ンサ311は、導電ラインによりVSCコンピュータ1
60に接続されている。
圧制御装置310のブレーキマスタシリンダ14の前方
室14Aには、前方室14A内のブレーキ液の圧力を検
出する圧力センサ311が設けられており、この圧力セ
ンサ311は、導電ラインによりVSCコンピュータ1
60に接続されている。
【0067】第3実施例のブレーキ液圧制御装置310
が備えるリリーフ弁344は、図5に示す第1実施例の
リリーフ弁44と同一の構成に加えて、マスタ圧伝達部
材46の端部46cに接続されマスタ圧伝達部材46を
図中左方向に押圧する可変の力を生じさせるリリーフ弁
アクチュエータ345とを備える。このリリーフ弁アク
チュエータ345としては、例えば、端部46cにばね
当接して配置し、ばねをモータ等の駆動機器により付勢
するものがある。このリリーフ弁アクチュエータ345
は、導電ラインによりVSCコンピュータ160に接続
されている。
が備えるリリーフ弁344は、図5に示す第1実施例の
リリーフ弁44と同一の構成に加えて、マスタ圧伝達部
材46の端部46cに接続されマスタ圧伝達部材46を
図中左方向に押圧する可変の力を生じさせるリリーフ弁
アクチュエータ345とを備える。このリリーフ弁アク
チュエータ345としては、例えば、端部46cにばね
当接して配置し、ばねをモータ等の駆動機器により付勢
するものがある。このリリーフ弁アクチュエータ345
は、導電ラインによりVSCコンピュータ160に接続
されている。
【0068】図16は、第3実施例のブレーキ液圧制御
装置310の制御系の電気的な構成をVSCコンピュー
タ160およびエンジン制御用コンピュータ170を中
心として示したブロック図である。図示するように、ブ
レーキ液圧制御装置310の電気的な構成は、入力イン
タフェース回路160dに圧力センサ311からの検出
信号が入力される点と、出力インタフェース回路160
eからリリーフ弁アクチュエータ345に駆動信号が出
力される点を除いて第1実施例のブレーキ液圧制御装置
10の電気的な構成と同一である。
装置310の制御系の電気的な構成をVSCコンピュー
タ160およびエンジン制御用コンピュータ170を中
心として示したブロック図である。図示するように、ブ
レーキ液圧制御装置310の電気的な構成は、入力イン
タフェース回路160dに圧力センサ311からの検出
信号が入力される点と、出力インタフェース回路160
eからリリーフ弁アクチュエータ345に駆動信号が出
力される点を除いて第1実施例のブレーキ液圧制御装置
10の電気的な構成と同一である。
【0069】こうして構成された第3実施例のブレーキ
液圧制御装置310も、第1実施例のブレーキ液圧制御
装置10と同様にVSC,ABSおよびTRCの各制御
を行なう。各制御の作動時の保持,加圧および減圧の各
動作におけるバルブ状態およびブレーキ液の流れは、第
1実施例のブレーキ液圧制御装置10における各動作の
バルブ状態およびブレーキ液の流れと同一である。ゆえ
に各動作のバルブ状態およびブレーキ液の流れについて
の説明は省略する。
液圧制御装置310も、第1実施例のブレーキ液圧制御
装置10と同様にVSC,ABSおよびTRCの各制御
を行なう。各制御の作動時の保持,加圧および減圧の各
動作におけるバルブ状態およびブレーキ液の流れは、第
1実施例のブレーキ液圧制御装置10における各動作の
バルブ状態およびブレーキ液の流れと同一である。ゆえ
に各動作のバルブ状態およびブレーキ液の流れについて
の説明は省略する。
【0070】ブレーキ液圧制御装置310では、各制御
のいずれかが作動しているときに、ブレーキペダル12
が踏み込まれると、VSCコンピュータ160のROM
160bに予め書き込まれた図17に示す開弁圧制御ル
ーチンが所定時間毎(例えば、10msec毎)に起動
されて、リリーフ弁344の開弁圧が制御される。本ル
ーチンが実行されると、まず、CPU160aは、圧力
センサ311により検出される前方室14Aのブレーキ
液の圧力を入力インタフェース回路160dを介して読
み込む処理を行なう(ステップS100)。次に、前回
同様にして読み込んだ前方室14Aのブレーキ液の圧力
と今回読み込んだ圧力との偏差△Pを算出する(ステッ
プS110)。そして、算出した偏差△Pに基づいてリ
リーフ弁アクチュエータ345の駆動量△Aを算出し
(ステップS120)、この駆動量△Aとなる駆動信号
を出力インタフェース回路160eを介してリリーフ弁
アクチュエータ345に出力する(ステップS13
0)。リリーフ弁アクチュエータ345は、この駆動信
号を入力すると、駆動量△Aだけマスタ圧伝達部材46
の端部46cに作用する押圧力を増減する。
のいずれかが作動しているときに、ブレーキペダル12
が踏み込まれると、VSCコンピュータ160のROM
160bに予め書き込まれた図17に示す開弁圧制御ル
ーチンが所定時間毎(例えば、10msec毎)に起動
されて、リリーフ弁344の開弁圧が制御される。本ル
ーチンが実行されると、まず、CPU160aは、圧力
センサ311により検出される前方室14Aのブレーキ
液の圧力を入力インタフェース回路160dを介して読
み込む処理を行なう(ステップS100)。次に、前回
同様にして読み込んだ前方室14Aのブレーキ液の圧力
と今回読み込んだ圧力との偏差△Pを算出する(ステッ
プS110)。そして、算出した偏差△Pに基づいてリ
リーフ弁アクチュエータ345の駆動量△Aを算出し
(ステップS120)、この駆動量△Aとなる駆動信号
を出力インタフェース回路160eを介してリリーフ弁
アクチュエータ345に出力する(ステップS13
0)。リリーフ弁アクチュエータ345は、この駆動信
号を入力すると、駆動量△Aだけマスタ圧伝達部材46
の端部46cに作用する押圧力を増減する。
【0071】この結果、リリーフ弁344の開弁圧は、
前方室14Aのブレーキ液の圧力に応じて変化すること
になる。したがって、第3実施例のブレーキ液圧制御装
置310でも、VSC等の作動中にブレーキペダル12
が踏み込まれると、第1実施例のブレーキ液圧制御装置
10と同様に、非制御輪のホイールシリンダには、前方
室14Aのブレーキ液が直接送られて非制御輪に制動力
が与えられ、制御輪のホイールシリンダには、ポンプ4
2により最大リリーフ弁344の開弁圧まで昇圧された
ブレーキ液が送られる。したがって、前方室14Aのブ
レーキ液の圧力がばね力F1に抗し得る圧力より大きな
ものであっても、旋回外側の前輪の制動力を旋回内側の
前輪の制動力より大きくすることができ、車両の走行安
定性をより確実なものとすることができる。
前方室14Aのブレーキ液の圧力に応じて変化すること
になる。したがって、第3実施例のブレーキ液圧制御装
置310でも、VSC等の作動中にブレーキペダル12
が踏み込まれると、第1実施例のブレーキ液圧制御装置
10と同様に、非制御輪のホイールシリンダには、前方
室14Aのブレーキ液が直接送られて非制御輪に制動力
が与えられ、制御輪のホイールシリンダには、ポンプ4
2により最大リリーフ弁344の開弁圧まで昇圧された
ブレーキ液が送られる。したがって、前方室14Aのブ
レーキ液の圧力がばね力F1に抗し得る圧力より大きな
ものであっても、旋回外側の前輪の制動力を旋回内側の
前輪の制動力より大きくすることができ、車両の走行安
定性をより確実なものとすることができる。
【0072】以上説明した第3実施例のブレーキ液圧制
御装置310によれば、ブレーキマスタシリンダ14の
前方室14Aに圧力センサ311を設け、前方室14A
のブレーキ液の圧力に応じてリリーフ弁344の開弁圧
を制御するので、ブレーキペダル12が踏み込まれてい
ないときには、比較的低い圧力でリリーフ弁344を開
弁することにより管路内の圧力が高くなり過ぎるのを防
止し、ブレーキペダル12が踏み込まれているときに
は、リリーフ弁344の開弁圧を高くして制御輪のホイ
ールシリンダのブレーキ液の圧力をより高くすることが
できる。したがって、VSC作動中にブレーキペダル1
2が踏み込まれ、前方室14Aのブレーキ液の圧力がば
ね力F1に抗し得る圧力より大きくなっても、制御輪の
ホイールシリンダのブレーキ液の圧力を非制御輪のホイ
ールシリンダのブレーキ液の圧力より大きな圧力まで昇
圧することができる。したがって、ブレーキペダル12
の操作に拘わらず旋回外側の前輪の制動力を旋回内側の
前輪の制動力より大きくすることができるので、車両の
走行安定性をより確実なものとすることができる。
御装置310によれば、ブレーキマスタシリンダ14の
前方室14Aに圧力センサ311を設け、前方室14A
のブレーキ液の圧力に応じてリリーフ弁344の開弁圧
を制御するので、ブレーキペダル12が踏み込まれてい
ないときには、比較的低い圧力でリリーフ弁344を開
弁することにより管路内の圧力が高くなり過ぎるのを防
止し、ブレーキペダル12が踏み込まれているときに
は、リリーフ弁344の開弁圧を高くして制御輪のホイ
ールシリンダのブレーキ液の圧力をより高くすることが
できる。したがって、VSC作動中にブレーキペダル1
2が踏み込まれ、前方室14Aのブレーキ液の圧力がば
ね力F1に抗し得る圧力より大きくなっても、制御輪の
ホイールシリンダのブレーキ液の圧力を非制御輪のホイ
ールシリンダのブレーキ液の圧力より大きな圧力まで昇
圧することができる。したがって、ブレーキペダル12
の操作に拘わらず旋回外側の前輪の制動力を旋回内側の
前輪の制動力より大きくすることができるので、車両の
走行安定性をより確実なものとすることができる。
【0073】もとより、左前輪112と右前輪114と
を独立に制御する構成としたので、VSC等の制御中に
ブレーキペダル12を踏み込むことにより、非制御輪に
直接制動力を作用させることができる。
を独立に制御する構成としたので、VSC等の制御中に
ブレーキペダル12を踏み込むことにより、非制御輪に
直接制動力を作用させることができる。
【0074】なお、前述した各実施例においては、ブレ
ーキマスタシリンダ14の前方室14Aに左右前輪11
2,114が接続される所謂、前後配管のブレーキ系統
に本発明を適用した例について述べたが、本発明の適用
範囲は、これに限られるものではなく、前方室14Aに
左前輪112および右後輪118のホイールシリンダ1
32,138を接続し、後方室14Bに右前輪114お
よび左後輪116のホイールシリンダ134,136を
接続するダイアゴナル配管のブレーキ系統に本発明を適
用することも考えられる。このブレーキ系統に本発明を
適用した場合、例えば、左前輪112のみが制御中であ
るときにブレーキペダル12が踏み込まれた場合、マス
タカットバルブが各々の車輪系に独立に配設されている
ので、右後輪118にはブレーキマスタシリンダ14の
前方室14Aのブレーキ液の圧力の上昇が伝えられるこ
とになる。したがって、制御中であっても、右後輪11
8には制動力が作用することとなるので、車両の走行安
定性をより確実なものとすることができるという効果を
奏する。
ーキマスタシリンダ14の前方室14Aに左右前輪11
2,114が接続される所謂、前後配管のブレーキ系統
に本発明を適用した例について述べたが、本発明の適用
範囲は、これに限られるものではなく、前方室14Aに
左前輪112および右後輪118のホイールシリンダ1
32,138を接続し、後方室14Bに右前輪114お
よび左後輪116のホイールシリンダ134,136を
接続するダイアゴナル配管のブレーキ系統に本発明を適
用することも考えられる。このブレーキ系統に本発明を
適用した場合、例えば、左前輪112のみが制御中であ
るときにブレーキペダル12が踏み込まれた場合、マス
タカットバルブが各々の車輪系に独立に配設されている
ので、右後輪118にはブレーキマスタシリンダ14の
前方室14Aのブレーキ液の圧力の上昇が伝えられるこ
とになる。したがって、制御中であっても、右後輪11
8には制動力が作用することとなるので、車両の走行安
定性をより確実なものとすることができるという効果を
奏する。
【0075】以上本発明の実施例について説明したが、
本発明はこうした実施例に何等限定されるものではな
く、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々な
る態様で実施し得ることは勿論である。
本発明はこうした実施例に何等限定されるものではな
く、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々な
る態様で実施し得ることは勿論である。
【0076】
【発明の効果】以上説明したように本発明の第1のブレ
ーキ液圧制御装置によれば、液圧増減手段によりホイー
ルシリンダのブレーキ液の圧力の最大値をブレーキマス
タシリンダのブレーキ液の圧力に基づいて設定するの
で、ブレーキペダルが踏み込まれていないときには、管
路内の圧力が高くなり過ぎるのを防止し、ブレーキペダ
ルが踏み込まれているときには、ホイールシリンダのブ
レーキ液の圧力の最大値を大きくして制御輪のホイール
シリンダのブレーキ液の圧力をより高くすることができ
る。したがって、ブレーキペダルの操作に拘わらず制御
輪のホイールシリンダのブレーキ液の圧力を非制御輪よ
り大きくすることができ、車両の走行安定性をより高め
ることができる。
ーキ液圧制御装置によれば、液圧増減手段によりホイー
ルシリンダのブレーキ液の圧力の最大値をブレーキマス
タシリンダのブレーキ液の圧力に基づいて設定するの
で、ブレーキペダルが踏み込まれていないときには、管
路内の圧力が高くなり過ぎるのを防止し、ブレーキペダ
ルが踏み込まれているときには、ホイールシリンダのブ
レーキ液の圧力の最大値を大きくして制御輪のホイール
シリンダのブレーキ液の圧力をより高くすることができ
る。したがって、ブレーキペダルの操作に拘わらず制御
輪のホイールシリンダのブレーキ液の圧力を非制御輪よ
り大きくすることができ、車両の走行安定性をより高め
ることができる。
【0077】本発明の第1のブレーキ液圧制御装置にお
いて、最大圧設定手段を、液圧増減手段からホイールシ
リンダに至る管路から分岐する分岐管に接続されブレー
キマスタシリンダのブレーキ液の圧力に基づいて開弁圧
が調整されるリリーフ弁とし、液圧増減手段からホイー
ルシリンダに至る管路の分岐管の分岐点よりホイールシ
リンダ側に開閉弁を設け、切換手段による切り換えでブ
レーキマスタシリンダとホイールシリンダとを連通して
いるときに開閉弁を閉じれば、ブレーキマスタシリンダ
を昇圧してホイールシリンダのブレーキ液の圧力を上昇
させても、ブレーキ液が液圧増減手段からホイールシリ
ンダに至る管路を介して液圧増減手段側に流れることは
ない。したがって、最大圧設定手段が故障した場合にお
いても、ブレーキマスタシリンダのブレーキ液の圧力を
確実にホイールシリンダに伝えることができるので、車
両の走行安定性をより高めることができる。
いて、最大圧設定手段を、液圧増減手段からホイールシ
リンダに至る管路から分岐する分岐管に接続されブレー
キマスタシリンダのブレーキ液の圧力に基づいて開弁圧
が調整されるリリーフ弁とし、液圧増減手段からホイー
ルシリンダに至る管路の分岐管の分岐点よりホイールシ
リンダ側に開閉弁を設け、切換手段による切り換えでブ
レーキマスタシリンダとホイールシリンダとを連通して
いるときに開閉弁を閉じれば、ブレーキマスタシリンダ
を昇圧してホイールシリンダのブレーキ液の圧力を上昇
させても、ブレーキ液が液圧増減手段からホイールシリ
ンダに至る管路を介して液圧増減手段側に流れることは
ない。したがって、最大圧設定手段が故障した場合にお
いても、ブレーキマスタシリンダのブレーキ液の圧力を
確実にホイールシリンダに伝えることができるので、車
両の走行安定性をより高めることができる。
【0078】本発明の第2のブレーキ液圧制御装置によ
れば、左右輪切換手段により、ブレーキマスタシリンダ
と左前輪のホイールシリンダとの連通及び遮断の切り換
えと、このブレーキマスタシリンダと右前輪のホイール
シリンダとの連通及び遮断の切り換えとを、各々独立に
行なうので、左右前輪のいずれか一方のみを遮断制御し
ているときに、ブレーキマスタシリンダのブレーキ液の
圧力を上昇させることにより、この圧力を遮断制御され
ていない前輪に伝えることができる。したがって、ブレ
ーキマスタシリンダのブレーキ液の圧力の上昇を遮断さ
れていない側の車輪に反映させることができるので、車
両の走行安定性をより高めることができる。
れば、左右輪切換手段により、ブレーキマスタシリンダ
と左前輪のホイールシリンダとの連通及び遮断の切り換
えと、このブレーキマスタシリンダと右前輪のホイール
シリンダとの連通及び遮断の切り換えとを、各々独立に
行なうので、左右前輪のいずれか一方のみを遮断制御し
ているときに、ブレーキマスタシリンダのブレーキ液の
圧力を上昇させることにより、この圧力を遮断制御され
ていない前輪に伝えることができる。したがって、ブレ
ーキマスタシリンダのブレーキ液の圧力の上昇を遮断さ
れていない側の車輪に反映させることができるので、車
両の走行安定性をより高めることができる。
【図1】本発明の一実施例であるブレーキ液圧制御装置
10の概略を示すブロック図である。
10の概略を示すブロック図である。
【図2】前輪アクチュエータ22の構成を中心にブレー
キ液圧制御装置10の概略を示すブロック図である。
キ液圧制御装置10の概略を示すブロック図である。
【図3】マスタカットバルブ32のオフ時およびオン時
の状態を示す説明図である。
の状態を示す説明図である。
【図4】高圧フルードカットバルブ52のオフ時および
オン時の状態を示す説明図である。
オン時の状態を示す説明図である。
【図5】リリーフ弁44の構成の概略を示す断面図であ
る。
る。
【図6】ブレーキ液導入部材48の弁座48bと弁体4
7との係合の様子を示す説明図である。
7との係合の様子を示す説明図である。
【図7】VSCコンピュータ160およびエンジン制御
用コンピュータ170を中心とした制御系の電気的な構
成を示すブロック図である。
用コンピュータ170を中心とした制御系の電気的な構
成を示すブロック図である。
【図8】左旋回時のVSCの保持動作におけるブレーキ
液圧制御装置10の左右前輪系のバルブ状態を示す説明
図である。
液圧制御装置10の左右前輪系のバルブ状態を示す説明
図である。
【図9】左旋回時のVSCの加圧動作におけるブレーキ
液圧制御装置10の左右前輪系のバルブ状態を示す説明
図である。
液圧制御装置10の左右前輪系のバルブ状態を示す説明
図である。
【図10】左旋回時のVSCの減圧動作におけるブレー
キ液圧制御装置10の右前輪系のバルブ状態を示す説明
図である。
キ液圧制御装置10の右前輪系のバルブ状態を示す説明
図である。
【図11】第1実施例のブレーキ液圧制御装置10の変
形例を示すブロック図である。
形例を示すブロック図である。
【図12】第2実施例のブレーキ液圧制御装置210の
構成の概略を示すブロック図である。
構成の概略を示すブロック図である。
【図13】第2実施例のブレーキ液圧制御装置210の
制御系の電気的な構成をVSCコンピュータ160およ
びエンジン制御用コンピュータ170を中心として示し
たブロック図である。
制御系の電気的な構成をVSCコンピュータ160およ
びエンジン制御用コンピュータ170を中心として示し
たブロック図である。
【図14】第2実施例のブレーキ液圧制御装置210の
変形例を示すブロック図である。
変形例を示すブロック図である。
【図15】第3実施例のブレーキ液圧制御装置310の
構成の概略を示すブロック図である。
構成の概略を示すブロック図である。
【図16】第3実施例のブレーキ液圧制御装置310の
制御系の電気的な構成をVSCコンピュータ160およ
びエンジン制御用コンピュータ170を中心として示し
たブロック図である。
制御系の電気的な構成をVSCコンピュータ160およ
びエンジン制御用コンピュータ170を中心として示し
たブロック図である。
【図17】第3実施例のCPU160aで実行される開
弁圧制御ルーチンを例示するフローチャートである。
弁圧制御ルーチンを例示するフローチャートである。
10…ブレーキ液圧制御装置 11…アクセルペダル 12…ブレーキペダル 14…ブレーキマスタシリンダ 14A…前方室 14B…後方室 16,18…パイプ 17…液圧伝達パイプ 19…プロポーショニングバルブ 20…VSCアクチュエータ 22…前輪アクチュエータ 24…後輪アクチュエータ 32,34…マスタカットバルブ 41,41b…パイプ 42…ポンプ 44…リリーフ弁 45…ハウジング 45a…弁室 45b…連絡孔 45c…挿入孔 45d…導入孔 45e…ばね 46…マスタ圧伝達部材 46a…ばね押え 46b…弁座 46c…端部 46d…シール部材 47…弁体 48…ブレーキ液導入部材 48a…端部 48b…弁座 48c…貫通孔 49…パイプ 52,54…高圧フルードカットバルブ 62,64…リザーバカットバルブ 72,74…パイプ 79…集合パイプ 80…リザーバ 102〜108…パイプ 112〜118…車輪 122〜128…スピードセンサ 132〜138…ホイールシリンダ 140…トルク調整機構 142…メインスロットルバルブ 144…サブスロットルバルブ 152…メインスロットルバルブポジションセンサ 154…サブスロットルバルブポジションセンサ 156…サブスロットルバルブアクチュエータ 158…操舵角センサ 159…ヨーレートセンサ 160…VSCコンピュータ 170…エンジン制御用コンピュータ 210…ブレーキ液圧制御装置 232,234…フルード調整バルブ 250…切換弁 252…保護バルブ 270…マスタカットバルブ 272…分岐パイプ 310…ブレーキ液圧制御装置 311…圧力センサ 344…リリーフ弁 345…リリーフ弁アクチュエータ
Claims (3)
- 【請求項1】 車両の走行状態に基づいて、ホイールシ
リンダのブレーキ液の圧力を制御するブレーキ圧力制御
装置であって、 ブレーキペダルの操作により前記ホイールシリンダのブ
レーキ液の圧力を増減するブレーキマスタシリンダとは
別に設けられ、前記ホイールシリンダのブレーキ液の圧
力を増減する液圧増減手段と、 前記液圧増減手段による前記ホイールシリンダのブレー
キ液の圧力の最大値を、前記ブレーキマスタシリンダの
ブレーキ液の圧力に基づいて設定する最大圧設定手段
と、 前記ブレーキマスタシリンダと前記ホイールシリンダと
の連通及び遮断を切り換える切換手段とを備えるブレー
キ液圧制御装置。 - 【請求項2】 請求項1記載のブレーキ液圧制御装置で
あって、 前記最大圧設定手段は、前記液圧増減手段から前記ホイ
ールシリンダに至る管路から分岐する分岐管に接続さ
れ、前記ブレーキマスタシリンダのブレーキ液の圧力に
基づいて開弁圧が調整されるリリーフ弁であり、 前記液圧増減手段から前記ホイールシリンダに至る管路
の前記分岐管の分岐点よりホイールシリンダ側に、該管
路のブレーキ液の流動を司る開閉弁を設けてなるブレー
キ液圧制御装置。 - 【請求項3】 車両の走行状態に基づいて、ホイールシ
リンダのブレーキ液の圧力を制御するブレーキ圧力制御
装置であって、 ブレーキペダルの操作により前記ホイールシリンダのブ
レーキ液の圧力を増減するブレーキマスタシリンダとは
別に設けられ、前記ホイールシリンダのブレーキ液の圧
力を増減する液圧増減手段と、 前記ブレーキマスタシリンダと左前輪のホイールシリン
ダとの連通及び遮断の切り換えと、該ブレーキマスタシ
リンダと右前輪のホイールシリンダとの連通及び遮断の
切り換えとを、各々独立に行なう左右輪切換手段とを備
えるブレーキ液圧制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5359795A JPH08216856A (ja) | 1995-02-17 | 1995-02-17 | ブレーキ液圧制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5359795A JPH08216856A (ja) | 1995-02-17 | 1995-02-17 | ブレーキ液圧制御装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08216856A true JPH08216856A (ja) | 1996-08-27 |
Family
ID=12947296
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5359795A Pending JPH08216856A (ja) | 1995-02-17 | 1995-02-17 | ブレーキ液圧制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08216856A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012166727A (ja) * | 2011-02-16 | 2012-09-06 | Toyota Motor Corp | 液圧制御装置、減圧制御弁、増圧制御弁 |
-
1995
- 1995-02-17 JP JP5359795A patent/JPH08216856A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012166727A (ja) * | 2011-02-16 | 2012-09-06 | Toyota Motor Corp | 液圧制御装置、減圧制御弁、増圧制御弁 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20040113 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20040303 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20040720 |