JP3451883B2 - 制動力制御装置 - Google Patents
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Description
係り、特に、車両において緊急ブレーキ操作が実行され
た際に、通常時に比して大きな制動力を発生させる制動
力制御装置に関する。
0号に開示される如く、運転者によって緊急ブレーキ操
作が行われた際に通常時に比して大きな制動油圧を発生
させるブレーキアシスト制御を実行する制動力制御装置
が知られている。ブレーキアシスト制御は、例えば、
ブレーキ踏力に応じた制動液圧を発生するマスタシリン
ダと、ブレーキ踏力と無関係にリザーバタンク内のブ
レーキフルードを圧送して所定の液圧を発生する高圧源
と、運転者によって緊急ブレーキ操作が実行されてい
ない場合には各車輪のホイルシリンダとマスタシリンダ
とを導通状態とし、かつ、運転者によって緊急ブレーキ
操作が実行された場合には各車輪のホイルシリンダと高
圧源とを導通状態とする液圧源切り換え機構と、を備え
る制動力制御装置において実行することができる。
によって緊急ブレーキ操作が実行されていない場合に
は、各車輪のホイルシリンダに対して、マスタシリンダ
で発生された制動液圧を供給することができる。この場
合、車両には、ブレーキ踏力に応じた制動力が発生す
る。また、運転者によって緊急ブレーキ操作が実行され
た場合は、各車輪のホイルシリンダに、高圧源より高圧
の制動液圧を供給することができる。この場合、車両に
は、通常時に比して大きな制動力が発生する。このよう
に、上述した制動力制御装置によれば、通常のブレーキ
装置としての機能と共に、通常時に比して大きな制動液
圧を発生させる機能、すなわち、ブレーキアシスト機能
を実現することができる。
置において、通常のブレーキ装置としての機能と、ブレ
ーキアシスト機能とを共に実現するためには、液圧回路
の切り換え等を実行する必要がある。また、制動力制御
装置には、ブレーキアシスト機能を実現するための液圧
経路等に異常が発生することがある。かかる異常が発生
している状況下でブレーキアシスト制御が実行される
と、その異常箇所からブレーキフルードが漏出して、リ
ザーバタンクに貯留されているブレーキフルードが多量
に消費されることがある。従って、ブレーキアシスト機
能を実現するための液圧経路等に異常が生じている場合
は、制動力制御装置が、通常のブレーキ機能を実現する
ための状態に維持されることが望ましい。
であり、制動力制御装置にブレーキアシスト機能の実現
を妨げる異常が発生している場合は、ブレーキアシスト
制御の実行を禁止する制動力制御装置を提供することを
目的とする。
に記載する如く、運転者によって緊急ブレーキ操作が行
われた際に、通常時に比して大きな制動液圧を発生させ
るブレーキアシスト制御を実行する制動力制御装置にお
いて、通常のブレーキ操作が実行された際にホイルシリ
ンダに対してブレーキ操作量に応じた制動液圧を供給す
る操作液圧発生手段と、緊急ブレーキ操作が実行された
際にホイルシリンダに対して通常時に比して高圧な制動
液圧を供給する高圧源と、車両に発生する減速度を検出
する減速度検出手段と、前記高圧源からホイルシリンダ
に供給される制動液圧の増加に伴って前記減速度が増加
する関係、および、該制動液圧の減少に伴って前記減速
度が減少する関係の少なくとも一方が満たされない場合
にブレーキアシスト制御を終了させるBA制御終了手段
と、を備える制動力制御装置により達成される。
ーキ操作が実行された場合は、通常時に比して大きな制
動液圧が高圧源からホイルシリンダに供給される。ブレ
ーキアシスト機能を妨げる異常が発生していない場合
は、車両の減速度は、高圧源からホイルシリンダに供給
される制動液圧の増加に伴って増加し、また、その制動
液圧の減少に伴って減少する。本発明においては、これ
らの関係が満たされない場合に、ブレーキアシスト機能
の実現を妨げる異常が発生していると判断してブレーキ
アシスト制御が終了される。
運転者によって緊急ブレーキ操作が行われた際に、通常
時に比して大きな制動液圧を発生させるブレーキアシス
ト制御を実行する制動力制御装置において、通常のブレ
ーキ操作が実行された際にホイルシリンダに対してブレ
ーキ操作量に応じた制動液圧を供給する操作液圧発生手
段と、緊急ブレーキ操作が実行された際にホイルシリン
ダに対して通常時に比して高圧な制動液圧を供給する高
圧源と、車両に発生する減速度を検出する減速度検出手
段と、前記ブレーキアシスト制御の開始に伴って前記減
速度が増加する関係が満たされない場合にブレーキアシ
スト制御を終了させるBA制御終了手段と、を備える制
動力制御装置。
開始されると、通常時に比して大きな制動液圧が高圧源
からホイルシリンダに供給される。従って、ブレーキア
シスト機能を妨げる異常が発生していない場合は、ブレ
ーキアシスト制御が開始されることにより、車両に発生
する減速度が増加する。換言すると、ブレーキアシスト
制御が開始された後に減速度が増加しない場合は、ブレ
ーキアシスト機能の実現を妨げる異常が発生していると
判断できる。本発明においては、このような場合にブレ
ーキアシスト制御の終了が図られる。
するハイドロブースタ式制動力制御装置(以下、単に制
動力制御装置と称す)のシステム構成図を示す。本実施
例の制動力制御装置は、電子制御ユニット10(以下、
ECU10と称す)により制御されている。
備えている。ブレーキペダル12の近傍には、ブレーキ
スイッチ14が配設されている。ブレーキスイッチ14
は、ブレーキペダル12が踏み込まれることによりオン
信号を出力する。ブレーキスイッチ14の出力信号はE
CU10に供給されている。ECU10は、ブレーキス
イッチ14の出力信号に基づいてブレーキペダル12が
踏み込まれているか否かを判別する。
6に連結されている。マスタシリンダ16の上部にはリ
ザーバタンク18が配設されている。リザーバタンク1
8には、ブレーキフルードをリザーバタンク18に還流
させるためのリターン通路20が連通している。リザー
バタンク18には、また、供給通路22が連通してい
る。供給通路22はポンプ24の吸入側に連通してい
る。ポンプ24の吐出側には、アキュムレータ通路26
が連通している。アキュレータ通路26と供給通路22
との間には、アキュムレータ通路26に過剰な圧力が生
じた場合に開弁する定圧開放弁27が配設されている。
から吐出される油圧を蓄えるためのアキュムレータ28
が連通している。アキュムレータ通路26には、また、
上限側圧力スイッチ30および下限側圧力スイッチ32
が接続されている。上限側圧力スイッチ30は、アキュ
ムレータ通路26の圧力(以下、アキュムレータ圧P
ACC と称す)が所定の上限値を超える場合にオン出力を
発生する。一方、下限側圧力スイッチ32は、アキュム
レータ圧PACC が所定の下限値を超える場合にオン出力
を発生する。
らオン出力が発せられた後、上限側圧力スイッチ30に
よってオン出力が発せられるまで、すなわち、アキュム
レータ圧PACC が下限値を下回った後、上限値に到達す
るまでオン状態とされる。このため、アキュムレータ圧
PACC は常に上限値と下限値との間に維持される。マス
タシリンダ16には、レギュレータ34が一体に組み込
まれている。レギュレータ34には、アキュムレータ通
路26が連通している。以下、マスタシリンダ16とレ
ギュレータ34とを総称してハイドブースタ36と称
す。
ン40が配設されている。ピストン40のブレーキペダ
ル12側には、アシスト液圧室46が形成されている。
ハイドロブースタ36の内部には、また、第1液圧室5
6と第2液圧室58とが隔成されている。ハイドロブー
スタ36は、アキュムレータ通路26を介して供給され
るアキュムレータ圧PACC を液圧源として、第1液圧室
56および第2液圧室通路58の双方に、ブレーキ踏力
に対して所定の倍力比を有する液圧を発生させるように
構成されている。以下、ハイドロブースタ36の第1液
圧室56および第2液圧室58で生成される液圧をマス
タシリンダ圧PM/C と称す。
および、第2液圧室58には、それぞれ第1液圧通路8
2、および、第2液圧通路84が連通している。第1液
圧通路82には、第1アシストソレノイド86(以下、
SA-186と称す)および第2アシストソレノイド88
(以下、SA-288と称す)が連通している。一方、第
2液圧通路84には、第3アシストソレノイド90(以
下、SA-390と称す)が連通している。
制御圧通路92が連通している。制御圧通路92は、レ
ギュレータ切り換えソレノイド94(以下、STR94
と称す)を介してアキュムレータ通路26に連通してい
る。STR94は、オフ状態とされることでアキュムレ
ータ通路26と制御圧通路92とを遮断状態とし、か
つ、オン状態とされることでそれらを導通状態とする2
位置の電磁弁である。
けられた液圧通路96が連通している。同様に、SA-2
88には、左前輪FLに対応して設けられた液圧通路9
8が連通している。SA-186は、オフ状態とされるこ
とで液圧通路96を第1液圧通路82に導通させる第1
の状態を実現し、かつ、オン状態とされることで液圧通
路96を制御圧通路92に導通させる第2の状態を実現
する2位置の電磁弁である。また、SA-288は、オフ
状態とされることで液圧通路98を第1液圧通路82に
導通させる第1の状態を実現し、かつ、オン状態とされ
ることで液圧通路98を制御圧通路92に導通させる第
2の状態を実現する2位置の電磁弁である。
応して設けられた液圧通路100が連通している。SA
-390は、オフ状態とされることで第2液圧通路84と
液圧通路100とを導通状態とし、かつ、オン状態とさ
れることでそれらを遮断状態とする2位置の電磁弁であ
る。第2液圧通路84と液圧通路100との間には、第
2液圧通路84側から液圧通路100側へ向かうフルー
ドの流れのみを許容する逆止弁102が配設されてい
る。
右前輪保持ソレノイド104(以下、SFRH104と
称す)が連通している。同様に、左前輪FLに対応する
液圧通路96には左前輪保持ソレノイド106(以下、
SFLH106と称す)が、左右後輪RL,RRに対応
する液圧通路100には右後輪保持ソレノイド108
(以下、SRRH108と称す)および左後輪保持ソレ
ノイド110(以下、SRLH110と称す)が、それ
ぞれ連通している。以下、これらのソレノイドを総称す
る場合は「保持ソレノイドS**H」と称す。
ド112(以下、SFRR112と称す)が連通してい
る。同様に、SFLH106、SRRH108およびS
RLH110には、それぞれ左前輪減圧ソレノイド11
4(以下、SFLR114と称す)、右後輪減圧ソレノ
イド116(以下、SRRR116と称す)および左後
輪減圧ソレノイド118(以下、SRLR118と称
す)が、それぞれ連通している。以下、これらのソレノ
イドを総称する場合には「減圧ソレノイドS**R」と
称す。
ホイルシリンダ120が連通している。同様に、SFL
H106には左前輪FLのホイルシリンダ122が、S
RRH108には右後輪RRのホイルシリンダ124
が、また、SRLH110には左後輪RLのホイルシリ
ンダ126がそれぞれ連通している。更に、液圧通路9
6とホイルシリンダ120との間には、SFRH104
をバイパスしてホイルシリンダ120側から液圧通路9
6へ向かうフルードの流れを許容する逆止弁128が配
設されている。同様に、液圧通路98とホイルシリンダ
122との間、液圧通路100とホイルシリンダ124
との間、および、液圧通路100とホイルシリンダ12
6との間には、それぞれSFLH106、SRRH10
8およびSRLH110をバイパスするフルードの流れ
を許容する逆止弁130,132,134が配設されて
いる。
により液圧通路96とホイルシリンダ120とを導通状
態とし、かつ、オン状態とされることによりそれらを遮
断状態とする2位置の電磁弁である。同様に、SFLH
106、SRRH108およびSRLH110は、それ
ぞれオン状態とされることにより液圧通路98とホイル
シンダ122とを結ぶ経路、液圧通路100とホイルシ
ンダ124とを結ぶ経路、および、液圧通路100とホ
イルシンダ126とを結ぶ経路を遮断状態とする2位置
の電磁弁である。
R116およびSRLR118にはリターン通路20が
連通している。SFRR112は、オフ状態とされるこ
とによりホイルシリンダ120とリターン通路20とを
遮断状態とし、かつ、オン状態とされることによりホイ
ルシリンダ120とリターン通路20とを導通状態とす
る2位置の電磁弁である。同様に、SFLR114、S
RRR116およびSRLR118は、それぞれオン状
態とされることによりホイルシリンダ122とリターン
通路20とを結ぶ経路、ホイルシリンダ124とリター
ン通路20とを結ぶ経路、および、ホイルシリンダ12
6とリターン通路20とを結ぶ経路を導通させる2位置
の電磁弁である。
種ソレノイド、ポンプ24、アキュムレータ28および
各種逆止弁等は、液圧アクチュエータの内部に一体的に
収納されている。ハイドロブースタ36およびホイルシ
リンダ120〜126は、それぞれブレーキホース等を
介して、液圧アクチュエータに連通している。右前輪F
Rの近傍には、車輪速センサ136が配設されている。
車輪速センサ136は、右前輪FRの回転速度に応じた
周期でパルス信号を出力する。同様に、左前輪FLの近
傍、右後輪RRの近傍、および、左後輪RLの近傍に
は、それぞれ対応する車輪の回転速度に応じた周期でパ
ルス信号を出力する車輪速センサ138,140,14
2が配設されている。車輪速センサ136〜142の出
力信号はECU10に供給されている。ECU10は、
車輪速センサ136〜142の出力信号に基づいて各車
輪の回転速度VW を検出する。
連通する第2液圧通路84には、液圧センサ144が配
設されている。液圧センサ144は、第2液圧室58の
内部に発生する液圧、すなわち、ハイドロブースタ36
によって生成されるマスタシリンダ圧PM/C に応じた電
気信号を出力する。液圧センサ144の出力信号はEC
U10に供給されている。ECU10は、液圧センサ1
44の出力信号に基づいてマスタシリンダ圧PM/C を検
出する。
46を備えている。減速度センサ146は、制動力制御
装置を搭載する車両に発生する前後方向の減速度に応じ
た電気信号を出力する。減速度センサ146の出力信号
はECU10に供給されている。ECU10は、減速度
センサ146の出力信号に基づいて車両に発生する減速
度Gを検出する。
説明する。本実施例の制動力制御装置は、油圧回路内に
配設された各種の電磁弁の状態を切り換えることによ
り、通常のブレーキ装置としての機能、アンチロッ
クブレーキシステムとしての機能、および、制動力の
速やかな立ち上がりが要求される場合に通常時に比して
大きな制動力を発生させる機能(ブレーキアシスト機
能)を実現する。
能(以下、通常ブレーキ機能と称す)を実現するための
制動力制御装置の状態を示す。すなわち、通常ブレー
キ機能は、図1に示す如く、制動力制御装置が備える全
ての電磁弁をオフ状態とすることにより実現される。以
下、図1に示す状態を通常ブレーキ状態と称す。また、
制動力制御装置において通常ブレーキ機能を実現させる
ための制御を通常ブレーキ制御と称す。
ルシリンダ120,122は、第1液圧通路82を介し
てハイドロブースタ34の第1液圧室56に連通してい
る。また、左右後輪RL,RRのホイルシリンダ12
4,126は、第2液圧通路84を介してハイドロブー
スタ36の第2液圧室58に連通している。この場合、
ホイルシリンダ120〜126のホイルシリンダ圧P
W/C は、常にマスタシリンダ圧PM/C と等圧に制御され
る。従って、図1示す状態によれば、通常ブレーキ機能
が実現される。
としての機能(以下、ABS機能と称す)を実現するた
めの制動力制御装置の状態を示す。すなわち、ABS
機能は、図2に示す如く、SA-186およびSA-288
をオン状態とし、かつ、ABSの要求に応じて保持ソレ
ノイドS**Hおよび減圧ソレノイドS**Rを適当に
駆動することにより実現される。以下、図2に示す状態
をABS作動状態と称す。また、制動力制御装置におい
てABS機能を実現させるための制御をABS制御と称
す。
つ、何れかの車輪について過剰なスリップ率が検出され
た場合にABS制御を開始する。ABS制御中は、前輪
に対応して設けられた液圧通路96,98が、後輪に対
応して設けられた液圧通路100と同様にハイドロブー
スタ36の第2液圧室58に連通する。従って、ABS
制御中は、全ての車輪のホイルシリンダ圧PW/C が第2
液圧室58を液圧源として昇圧される。
**Hを開弁状態とし、かつ、減圧ソレノイドS**R
を閉弁状態とすると、各車輪のホイルシリンダ圧PW/C
を増圧することができる。以下、この状態を (i)増圧モ
ードと称す。また、ABS制御中に保持ソレノイドS*
*Hおよび減圧ソレノイドS**Rの双方を閉弁状態と
すると、各車輪のホイルシリンダ圧PW/C を保持するこ
とができる。以下、この状態を(ii)保持モードと称す。
更に、ABS制御中に保持ソレノイドS**Hを閉弁状
態とし、かつ、減圧ソレノイドS**Rを開弁状態とす
ると、各車輪のホイルシリンダ圧PW/C を減圧すること
ができる。以下、この状態を (iii)減圧モードと称す。
スリップ状態に応じて、各車輪毎に適宜上記の (i)増圧
モード、(ii)保持モード、および、 (iii)減圧モードが
実現されるように、保持ソレノイドS**Hおよび減圧
ソレノイドS**Rを制御する。保持ソレノイドS**
Hおよび減圧ソレノイドS**Rが上記の如く制御され
ると、全ての車輪のホイルシリンダ圧PW/C は、対応す
る車輪に過大なスリップ率を発生させることのない圧力
に制御される。従って、上記の制御によれば、制動力制
御装置においてABS機能を実現することができる。
(以下、BA機能と称す)を実現するための制動力制御
装置の状態を示す。ECU10は、運転者によって制動
力の速やかな立ち上がりを要求するブレーキ操作、すな
わち、緊急ブレーキ操作が実行された後に図3乃至図5
に示す状態を適宜実現することでBA機能を実現する。
以下、制動力制御装置において、BA機能を実現させる
ための制御をBA制御と称す。
シスト圧増圧状態を示す。アシスト圧増圧状態は、BA
制御の実行中に各車輪のホイルシリンダ圧PW/C を増圧
させる必要がある場合に実現される。本実施例のシステ
ムにおいて、アシスト圧増圧状態は、図3に示す如く、
SA-186、SA-288、SA-390およびSTR94
をオン状態とすることで実現される。
リンダ120〜126がSTR94を介してアキュムレ
ータ通路26に連通する。従って、アシスト圧増圧状態
を実現すると、全ての車輪のホイルシリンダ圧P
W/C を、アキュムレータ28を液圧源として昇圧するこ
とができる。アキュムレータ28には、高圧のアキュム
レータ圧PACC が蓄えられている。このため、アシスト
圧増圧状態によれば、全ての車輪のホイルシリンダ圧P
W/C を、マスタシリンダ圧PM/C に比して高圧に昇圧す
ることができる。
において、液圧通路96,98,100は、上記の如く
アキュムレータ通路26に連通していると共に、逆止弁
102を介して第2液圧通路84に連通している。この
ため、第2液圧通路84に導かれるマスタシリンダ圧P
M/C が各車輪のホイルシリンダ圧PW/C に比して大きい
場合は、アシスト圧増圧状態においてもハイドロブース
タ36を液圧源としてホイルシリンダ圧PW/C を昇圧す
ることができる。
シスト圧保持状態を示す。アシスト圧保持状態は、BA
制御の実行中に各車輪のホイルシリンダ圧PW/C を保持
する必要がある場合に実現される。アシスト圧保持状態
は、図4に示す如く、SA-186、SA-288、SA-3
90およびSTR94をオン状態とした状態で、更に、
全ての保持ソレノイドS**Hをオン状態(閉弁状態)
とすることで実現される。
タ36とホイルシリンダ120〜126とが遮断状態と
され、リターン通路20とホイルシリンダ120〜12
6とが遮断状態とされ、かつ、アキュムレータ28から
ホイルシリンダ120〜126へ向かうフルードの流れ
が阻止される。このため、アシスト圧保持状態によれ
ば、全ての車輪のホイルシリンダ圧PW/C を一定値に保
持することができる。
シスト圧減圧状態を示す。アシスト圧減圧状態は、BA
制御の実行中に各車輪のホイルシリンダ圧PW/C を減圧
する必要がある場合に実現される。アシスト圧減圧状態
は、図5に示す如く、SA-186およびSA-288をオ
ン状態とすることで実現される。アシスト圧減圧状態で
は、アキュムレータ28とホイルシリンダ120〜12
6とが遮断状態とされ、リターン通路20とホイルシリ
ンダ120〜126とが遮断状態とされ、かつ、ハイド
ロブースタ36とホイルシリンダ120〜126とが導
通状態とされる。このため、アシスト圧減圧状態によれ
ば、全ての車輪のホイルシリンダ圧PW/C を、マスタシ
リンダ圧PM/C を下限値として減圧することができる。
が実行された場合にマスタシリンダ圧PM/C およびホイ
ルシリンダ圧PW/C に生ずる変化を示す。運転者によっ
て緊急ブレーキ操作が行われると、図6中に破線で示す
如く、マスタシリンダ圧PM/ C には急激な増圧が生ず
る。ECU10は、液圧センサ144の出力信号に基づ
いて緊急ブレーキ操作が実行されたことを検出すると、
その後、BA制御を開始する。
れると、先ず (I)開始増圧モードが実行される(図6中
期間)。 (I)開始増圧モードは、所定の増圧時間T
STA の間、制動力制御装置を上記図3に示すアシスト圧
増圧状態に維持することにより実現される。上述の如
く、アシスト圧増圧状態によれば、各車輪のホイルシリ
ンダ圧PW/C をアキュムレータ28を液圧源として昇圧
することができる。従って、 (I)開始増圧モードによれ
ば、BA制御が開始された後、各車輪のホイルシリンダ
圧PW/C を、速やかにマスタシリンダ圧PM/C を超える
圧力に昇圧することができる。以下、 (I)開始増圧モー
ドが実行されることによりホイルシリンダ圧PW/C とマ
スタシリンダ圧PM/C との間に発生する差圧を開始増圧
量Paと称す。
ードが終了すると、以後、運転者のブレーキ操作に対応
して、(II)アシスト圧増圧モード、 (III)アシスト圧減
圧モード、(IV)アシスト圧保持モード、 (V)アシスト圧
緩増モード、および、(VI)アシスト圧緩減モードの何れ
かが実行される。BA制御の実行中に、マスタシリンダ
圧PM/C が急激に増圧されている場合は、運転者が更に
大きな制動力を要求していると判断できる。本実施例の
制動力制御装置では、この場合、(II)アシスト圧増圧モ
ードが実行される(図6中期間)。(II)アシスト圧増
圧モードは、上述した (I)開始増圧モードと同様に、制
動力制御装置をアシスト圧増圧状態とすることで実現さ
れる。アシスト圧増圧状態によれば、各車輪のホイルシ
リンダ圧PW/C をマスタシリンダ圧PM/C を超える領域
で急激に昇圧させることができる。従って、(II)アシス
ト圧増圧モードによれば、マスタシリンダ圧PM/C が急
激に増圧される状況下で、運転者の意図を正確にホイル
シリンダ圧PW/C に反映させることができる。
M/C が急激に減圧されている場合は、運転者が制動力を
速やかに低下させることを意図していると判断できる。
本実施例では、この場合、 (III)アシスト圧減圧モード
が実行される(図6中期間)。 (III)アシスト圧減圧
モードは、上記図5に示すアシスト圧減圧状態を維持す
ることにより実現される。アシスト圧減圧状態によれ
ば、上述の如く、各車輪のホイルシリンダ圧PW/C をマ
スタシリンダ圧PM/C に向けて速やかに減圧させること
ができる。従って、 (III)アシスト圧減圧モードによれ
ば、運転者の意図を正確にホイルシリンダ圧PW/C に反
映させることができる。
M/C がほぼ一定値に維持されている場合は、運転者が制
動力を保持することを意図していると判断できる。本実
施例では、この場合、(IV)アシスト圧保持モードが実行
される(図6中期間および)。(IV)アシスト圧保持
モードは、上記図4に示すアシスト圧保持状態を維持す
ることにより実現される。アシスト圧保持状態によれ
ば、上述の如く、各車輪のホイルシリンダ圧PW/C を一
定値に維持することができる。従って、(IV)アシスト圧
保持モードによれば、運転者の意図を正確にホイルシリ
ンダ圧PW/C に反映させることができる。
M/C が緩やかに増圧されている場合は、運転者が制動力
を緩やかに立ち上げることを意図していると判断でき
る。本実施例では、この場合、 (V)アシスト圧緩増モー
ド(図示せず)が実行される。 (V)アシスト圧緩増モー
ドは、上記図3に示すアシスト圧増圧状態と上記図4に
示すアシスト圧保持状態とを繰り返すことにより実現さ
れる。 (V)アシスト圧緩増モードによれば、各車輪のホ
イルシリンダ圧PW/C をアキュムレータ圧PACC に向け
て段階的に昇圧させることができる。従って、 (V)アシ
スト圧緩増モードによれば、マスタシリンダ圧PM/C が
緩やかに増圧される状況下で、運転者の意図を正確にホ
イルシリンダ圧PW/C に反映させることができる。
M/C が緩やかに減圧されている場合は、運転者が制動力
を緩やかに低下させることを意図していると判断でき
る。本実施例では、この場合(VI)アシスト圧緩減モード
が実行される(図6中期間)。(VI)アシスト圧緩減モ
ードは、上記図5に示すアシスト圧減圧状態と上記図4
に示すアシスト圧保持状態とを繰り返すことにより実現
される。(VI)アシスト圧緩減モードによれば、各車輪の
ホイルシリンダ圧PW/C をマスタシリンダ圧PM/Cに向
けて段階的に減圧させることができる。従って、(VI)ア
シスト圧緩減モードによれば、マスタシリンダ圧PM/C
が緩やかに減圧される状況下で、運転者の意図を正確に
ホイルシリンダ圧PW/C に反映させることができる。
転者によって緊急ブレーキ操作が実行された後に、各車
輪のホイルシリンダ圧PW/C を、マスタシリンダ圧P
M/C に比して、ほぼ開始増圧量Paだけ大きな圧力に制
御することができる。従って、制動力制御装置によれ
ば、緊急ブレーキ操作が実行された後に、通常時に比し
て大きく、かつ、運転者の意図が正確に反映された制動
力を発生させることができる。
ンダ120〜126は、上述の如くブレーキホース等を
介して液圧アクチュエータに連通されている。ホイルシ
リンダ120〜126と液圧アクチュエータとを連通す
る接続部には、ブレーキフルードの漏出を許容する失陥
が発生することがある。制動力制御装置の一系統に、こ
のような失陥が存在する状況下で上記図3に示すアシス
ト圧増圧状態が実現されると、その失陥箇所からブレー
キフルードが漏出して、リザーバタンク18内のブレー
キフルードが多量に消費される事態が生ずる。
の制動力制御装置に動作を説明するためのタイムチャー
トを示す。図7(A)および図7(B)は、具体的に
は、それぞれ、ブレーキスイッチ14の出力信号の変
化、および、ホイルシリンダ圧P W/C の変化を示す。ま
た、図7(A)および図7(B)中、実線で示す波形は
制動力制御装置が正常である場合に得られる変化を、破
線で示す波形は制動力制御装置の一系統に失陥が生じて
いる場合に得られる変化を示す。
は、緊急ブレーキ操作が検出された後、制動力制御装置
を速やかに上記図3に示すアシスト圧増圧状態とする。
図7(A)に示す如く、時刻T0 に緊急ブレーキ操作が
開始されると、その後、アシスト圧増圧状態が実現され
てアキュムレータ28内のブレーキフルードがホイルシ
リンダ120〜126へ流入し始める。その結果、図7
(B)に示す如く、時刻T0 の後ホイルシリンダ圧P
W/C には増圧方向の変化が生ずる。
は、アキュムレータ28から流出する全てのブレーキフ
ルードがホイルシリンダ120〜126の何れかに流入
する。この場合、ホイルシリンダ圧PW/C は、図7
(B)中に実線で示す如く急激に増圧した後速やかに適
当な液圧に収束する。一方、制動力制御装置の一系統に
失陥が生じている場合は、その失陥部からブレーキーフ
ルードが流出することから、ホイルシリンダ圧P
W/C は、図7(B)中に破線で示す如く、比較的緩やか
に増圧した後減圧方向に変化する。このように、制動力
制御装置の一系統に失陥が生じている場合は、BA制御
を実行することで、大きな制動力を維持できないことが
ある。
て、左右前輪FL,FRのホイルシリンダ120,12
2、および、左右後輪RL,RRのホイルシリンダ12
4,126は、それぞれ独立にハイドロブースタに連通
している。従って、制動力制御装置が通常ブレーキ状態
とされている場合は、一系統に失陥が生じていても、全
ての車輪のホイルシリンダ圧PW/C が低下することはな
い。従って、制動力制御装置に失陥が生じている場合
は、緊急ブレーキ操作が実行された場合においても、B
A制御を実行せず、制動力制御装置を通常ブレーキ状態
とすることが適切である。
実行中に、ホイルシリンダ120〜126に供給されて
いる制動液圧と車両に発生する減速度とが適正な関係を
満たしているか否かに基づいて失陥の有無を判断し、失
陥が生じていると判断される場合には、その後速やかに
BA制御の終了を図る点に特徴を有している。以下、図
8を参照して、制動力制御装置の特徴部について説明す
る。
0が実行する制御ルーチンの一例のフローチャートを示
す。図8に示すルーチンは、車両のイグニッションスイ
ッチがオン状態とされた後、繰り返し起動されるルーチ
ンである。本ルーチンが起動されると、先ずステップ2
00の処理が実行される。ステップ200では、BA制
御が開始されているか否かが判別される。その結果、B
A制御が開始されていると判別された場合は、次にステ
ップ202の処理が実行される。一方、BA制御が開始
されていないと判別される場合は、以後、何ら処理が進
められることなく今回のルーチンが終了される。
によって検出される車両の減速度Gが所定値GTH1 以上
からGTH1 に満たない値に低下したか否かが判別され
る。所定値GTH1 は、BA制御が開始された後、車両に
発生する減速度のピーク値に比して小さな値である。従
って、本ステップ202の条件は、BA制御が開始され
ることにより一旦増圧されたホイルシリンダ圧P
W/C が、その後、適当に減圧された時点で成立する。本
ステップ202の処理は、上記の条件が成立するまで繰
り返し実行される。その結果、上記の条件が成立すると
判別されると、次にステップ204の処理が実行され
る。
の条件が成立すると判別された後、制動力制御装置が上
記図5に示すアシスト圧減圧状態とされた時間の累積値
TAR(以下、減圧時間TARと称す)が計数される。本ス
テップ204の処理が終了すると、次にステップ206
の処理が実行される。ステップ206では、車両の減速
度Gが所定値GTH2 以上からGTH2 に満たない値に低下
したか否かが判別される。所定値GTH2 は、上述した所
定値GTH1 に比して小さな値である。従って、本ステッ
プ206の条件は、車両の減速度Gが上述した所定値G
TH1 に満たない値に低下した後に、更にホイルシリンダ
圧PW/ C が減圧されることにより成立する。本ステップ
206の条件が成立しないと判別される場合は、再び上
記ステップ204の処理が実行される。一方、本ステッ
プ206の処理が成立すると判別された場合は、次にス
テップ208の処理が実行される。
時間A以下であるか否かが判別される。所定時間Aは、
減速度GTH1 を発生させるホイルシリンダ圧PW/C を、
減速度GTH2 を発生させるホイルシリンダ圧PW/C に低
下させるために、制動力制御装置をアシスト圧減圧状態
に維持すべき時間である。従って、TAR≦Aが成立しな
いと判別される場合、すなわち、上記ステップ202の
条件が成立した後、上記ステップ206の条件が成立す
ると判別されるまでの間に、制動力制御装置がアシスト
圧減圧状態とされた時間がA時間を超えている場合は、
車両の減速度Gが運転者のブレーキ操作に起因して減少
したと判断できる。この場合、本ステップ208に次い
でステップ210の処理が実行される。
ているか否かが判別される。その結果、BA制御が既に
終了されていると判別される場合は、今回のルーチンが
終了される。一方、BA制御が未だ実行されていると判
別される場合は、再び上記ステップ202の処理が実行
される。本ルーチン中、上記ステップ208で、TAR≦
Aが成立する、すなわち、上記ステップ202の条件が
成立した後、上記ステップ206の条件が成立すると判
別されるまでの間に、制動力制御装置がアシスト圧減圧
状態とされた時間がA時間以下であると判別される場合
は、運転者によってブレーキ操作が緩められていないに
も関わらず車両の減速度Gが減少したと判断することが
できる。このような現象は、制動力制御装置に失陥が生
じており、その失陥箇所からブレーキフルードが漏出す
ることで減速度Gが減少した場合に発生する。本ルーチ
ンでは、この場合、次いでステップ210の処理が実行
される。
陥が生じていることが判定される。本ステップ210の
処理が終了すると、次にステップ212の処理が実行さ
れる。ステップ214では、BA制御を中止するための
処理が実行される。本ステップ214では、具体的に
は、SA-186、SA-288、SA-390およびATR
92をオフ状態として、制動力制御装置を上記図1に示
す通常ブレーキ状態とする処理が実行される。本ステッ
プ214の処理が終了すると、今回のルーチンが終了さ
れる。
よれば、BA制御が開始された後、運転者のブレーキ操
作に起因して減速度Gが減少する場合は、制動力制御装
置が正常であると判断して、BA制御を続行させること
ができる。一方、運転者のブレーキ操作に反して減速度
Gが減少する場合は、制動力制御装置を速やかに通常ブ
レーキ状態として、ブレーキフルードの漏出量を抑制し
つつ、少なくとも一系統に適正な制動力を発生させるこ
とができる。
ースタ36が前記請求項1記載の「操作液圧発生手段」
に、ポンプ24およびアキュムレータ28が前記請求項
1記載の「高圧源」に、減速度センサ146が前記請求
項1記載の「減速度検出手段」にそれぞれ相当している
と共に、ECU10が上記図8に示すルーチンを実行す
ることにより前記請求項1記載の「BA制御終了手段」
が実現されている。
度センサ146を用いて車両の減速度Gを検出すること
としているが、本発明はこれに限定されるものではな
く、車両の減速度Gは、車輪速センサ136〜142に
よって検出される回転速度VWに基づいて推定すること
としても良い。また、上記の実施例においては、BA制
御が開始された後、ブレーキ操作量の変化に伴って車両
の減速度GがGTH1 からGTH2 に低下しているか、すな
わち、アキュムレータ28側からホイルシリンダ120
〜126に供給される制動液圧の低下に伴って減速度G
がGTH1 からGTH2 に低下しているかに基づいて、制動
力制御装置の失陥の有無を判断しているが、本発明はこ
れに限定されるものではなく、車両の減速度Gが増加す
る過程で、アキュムレータ28側からホイルシリンダ1
20〜126に供給される制動液圧の変化と減速度Gと
の関係が適正な関係を満たしているか否かに基づいて、
制動力制御装置の失陥の有無を判断することとしても良
い。
御装置の失陥が検出された場合に4輪全てについてBA
制御の実行を禁止することとしているが、本発明はこれ
に限定されるものではなく、制動力制御装置の失陥が検
出された場合に、前輪系統および後輪系統の一方につい
てのみBA制御を禁止することとしてもよい。尚、本実
施例のシステムにおいては、SA-186およびSA-28
8をオフ状態としてSA-390およびSTR94をオン
状態とすることで、後輪系統についてのみBA制御を実
行することができる。また、図1に示すシステム構成に
おいて、前輪系統の液圧回路と後輪系統の液圧回路とを
入れ換えると、同様の手法により、前輪系統についての
みBA制御を実行することができる。更に、図1に示す
システム構成において、後輪系統にSA-186およびS
A-288に対応するソレノイドを加設すれば、前輪系統
についてのみ、および、後輪系統についてのみBA制御
を実行することができる。
を実行する場合、その制御に伴って適正な減速度が発生
するか否かに基づいて、失陥の生じている系統を特定す
ることができる。失陥の生じている系統が特定できれ
ば、失陥の生じていない系統についてのみBA制御を実
行することができる。このような制御によれば、4輪全
てについてBA制御が禁止される場合に比して、大きな
制動力を得ることができる。
の第2実施例について説明する。図9は、本発明の第2
実施例に対応するポンプアップ式制動力制御装置(以
下、単に制動力制御装置と称す)のシステム構成図を示
す。尚、図9において、上記図1に示す構成部分と同一
の部分については、同一の符号を付してその説明を省略
または簡略する。
ンジン・リアドライブ式車両(FR車両)用の制動力制
御装置として好適な装置である。本実施例の制動力制御
装置は、ECU10により制御されている。ECU10
は、上述した第1実施例の場合と同様に、上記図8に示
す制御ルーチンを実行することで制動力制御装置の動作
を制御する。
備えている。ブレーキペダル12の近傍には、ブレーキ
スイッチ14が配設されている。ECU10は、ブレー
キスイッチ14の出力信号に基づいてブレーキペダル1
2が踏み込まれているか否かを判別する。ブレーキペダ
ル12は、バキュームブースタ300に連結されてい
る。バキュームブースタ300は、ブレーキペダル12
が踏み込まれた場合に、ブレーキ踏力Fに対して所定の
倍力比を有するアシスト力Faを発生する。バキューム
ブースタ300には、マスタシリンダ302が固定され
ている。マスタシリンダ302は、タンデムセンターバ
ルブタイプのマスタシリンダであり、その内部に第1液
圧室304および第2液圧室306を備えている。第1
液圧室304および第2液圧室306には、ブレーキ踏
力Fとアシスト力Faとの合力に応じたマスタシリンダ
圧PM/C が発生する。
タンク308が配設されている。リザーバタンク308
には、フロントリザーバ通路310、および、リアリザ
ーバ通路312が連通している。フロントリザーバ通路
310には、フロントリザーバカットソレノイド314
(以下、SRCF314と称す)が連通している。同様
に、リアリザーバ通路312には、リアリザーバカット
ソレノイド316(以下、SRCR316と称す)が連
通している。
プ通路318が連通している。同様に、SRCR316
には、リアポンプ通路320が連通している。SRCF
314は、オフ状態とされることでフロントリザーバ通
路310とフロントポンプ通路318とを遮断し、か
つ、オン状態とされることでそれらを導通させる2位置
の電磁弁である。また、SRCR316は、オフ状態と
されることでリアリザーバ通路312とリアポンプ通路
320とを遮断し、かつ、オン状態とされることでそれ
らを導通させる2位置の電磁弁である。
4、および、第2液圧室306には、それぞれ第1液圧
通路322、および、第2液圧通路324が連通してい
る。第1液圧通路322には、右前マスタカットソレノ
イド326(以下、SMFR326と称す)、および、
左前マスタカットソレノイド328(以下、SMFL3
28と称す)が連通している。一方、第2液圧通路32
4には、リアマスタカットソレノイド330(以下、S
MR330と称す)が連通している。
て設けられた液圧通路332が連通している。同様に、
SMFL328には、左前輪FLに対応して設けられた
液圧通路334が連通している。更に、SMR330に
は、左右後輪RL,RRに対応して設けられた液圧通路
336が連通している。SMFR326、SMFL32
8およびSMR330の内部には、それぞれ定圧開放弁
338,340,342が設けられている。SMFR3
26は、オフ状態とされた場合に第1液圧通路322と
液圧通路332とを導通状態とし、かつ、オン状態とさ
れた場合に定圧開放弁338を介して第1液圧通路32
2と液圧通路332とを連通させる2位置の電磁弁であ
る。また、SMFL326は、オフ状態とされた場合に
第1液圧通路322と液圧通路334とを導通状態と
し、かつ、オン状態とされた場合に定圧開放弁340を
介して第1液圧通路322と液圧通路334とを連通さ
せる2位置の電磁弁である。同様に、SMR330は、
オフ状態とされた場合に第2液圧通路324と液圧通路
336とを導通状態とし、かつ、オン状態とされた場合
に定圧開放弁342を介して第2液圧通路324と液圧
通路336とを連通させる2位置の電磁弁である。
間には、また、第1液圧通路322側から液圧通路33
2側へ向かうフルードの流れのみを許容する逆止弁34
4が配設されている。同様に、第1液圧通路322と液
圧通路334との間、および、第2液圧通路324と液
圧通路336との間には、それぞれ第1液圧通路322
側から液圧通路334側へ向かう流体の流れのみを許容
する逆止弁346、および、第2液圧通路324側から
液圧通路336側へ向かう流体の流れのみを許容する逆
止弁348が配設されている。
32,334および左右後輪に対応して設けられた液圧
通路336には、上記図1に示すシステムと同様に、保
持ソレノイドS**H、減圧ソレノイドS**R、ホイ
ルシリンダ120〜126および逆止弁128〜134
が連通している。また、左右前輪の保持ソレノイドSF
RR112およびSFLR114には、フロント減圧通
路350が連通している。更に、左右後輪の保持ソレノ
イドSRRR116およびSRLR118にはリア減圧
通路352が連通している。
路352には、それぞれフロントリザーバ354および
リアリザーバ355が連通している。フロントリザーバ
354およびリアリザーバ355は、それぞれ逆止弁3
56,358を介してフロントポンプ360の吸入側、
および、リアポンプ362の吸入側に連通している。フ
ロントポンプ360の吐出側、および、リアポンプ36
2の吐出側は、吐出圧の脈動を吸収するためのダンパ3
64,366に連通している。ダンパ364は、右前輪
FRに対応して設けられた右前ポンプ通路368および
左前輪FLに対応して設けられた左前ポンプ通路370
に連通している。一方、ダンパ366は、液圧通路33
6に連通している。
ノイド372(以下、SPFL372と称す)を介して
液圧通路332に連通している。また、左前ポンプ通路
370は、左前ポンプソレノイド374(以下、SPF
R374と称す)を介して液圧通路334に連通してい
る。SPFL372は、オフ状態とされることにより右
前ポンプ通路368と液圧通路332とを導通状態と
し、かつ、オン状態とされることによりそれらを遮断状
態とする2位置の電磁弁である。同様に、SPFR37
4は、オフ状態とされることにより左前ポンプ通路37
0と液圧通路334とを導通状態とし、かつ、オン状態
とされることによりそれらを遮断状態とする2位置の電
磁弁である。
の間には、液圧通路332側から右前ポンプ通路368
側へ向かう流体の流れのみを許容する定圧開放弁376
が配設されている。同様に、液圧通路334と左前ポン
プ通路370との間には、液圧通路334側から左前ポ
ンプ通路370側へ向かう流体の流れのみを許容する定
圧開放弁378が配設されている。
種ソレノイド、フロントリザーバ354、リアリザーバ
356、フロントポンプ360、リアポンプ362およ
び各種逆止弁等は、液圧アクチュエータの内部に一体的
に収納されている。マスタシリンダ302およびホイル
シリンダ120〜126は、それぞれブレーキホース等
を介して液圧アクチュエータに連通している。
138,140,142が配設されている。ECU10
は車輪速センサ136〜142の出力信号に基づいて各
車輪の回転速度VW を検出する。また、マスタシリンダ
302に連通する第2液圧通路324には、液圧センサ
144が配設されている。ECU10は液圧センサ14
4の出力信号に基づいてマスタシリンダ圧PM/C を検出
する。更に、ECU10には、減速度センサ146の出
力信号が供給されている。ECU10は減速度センサ1
46の出力信号に基づいて車両に発生する減速度Gを検
出する。
説明する。本実施例の制動力制御装置は、油圧回路内に
配設された各種の電磁弁の状態を切り換えることによ
り、通常ブレーキ機能、ABS機能、および、B
A機能を実現する。通常ブレーキ機能は、図9に示す
如く、制動力制御装置が備える全ての電磁弁をオフ状態
とすることにより実現される。以下、図9に示す状態を
通常ブレーキ状態と称す。また、制動力制御装置におい
て通常ブレーキ機能を実現するための制御を通常ブレー
キ制御と称す。
右前輪FL,FRのホイルシリンダ120,122は、
共に第1液圧通路322を介してマスタシリンダ302
の第1液圧室304に連通している。また、左右後輪R
L,RRのホイルシリンダ124,126は、第2液圧
通路324を介してマスタシリンダ302の第2液圧室
306に連通している。この場合、ホイルシリンダ12
0〜126のホイルシリンダ圧PW/C は、常にマスタシ
リンダ圧PM/C と等圧に制御される。従って、図9示す
状態によれば、通常ブレーキ機能が実現される。
て、フロントポンプ360およびリアポンプ362をオ
ン状態とし、かつ、保持ソレノイドS**Hおよび減圧
ソレノイドS**RをABSの要求に応じて適当に駆動
することにより実現される。以下、制動力制御装置にお
いてABS機能を実現するための制御をABS制御と称
す。
つ、何れかの車輪について過剰なスリップ率が検出され
た場合にABS制御を開始する。ABS制御は、ブレー
キペダル12が踏み込まれている状況下、すなわち、マ
スタシリンダ302が高圧のマスタシリンダ圧PM/C を
発生している状況下で開始される。ABS制御の実行中
は、マスタシリンダ圧PM/C が、第1液圧通路322お
よび第2液圧通路324を介して、それぞれ左右前輪に
対応して設けられた液圧通路332,334、および、
左右後輪に対応して設けられた液圧通路336に導かれ
る。従って、かかる状況下で保持ソレノイドS**Hを
開弁状態とし、かつ、減圧ソレノイドS**Rを閉弁状
態とすると、各車輪のホイルシリンダ圧PW/ C を増圧す
ることができる。以下、この状態を(i) 増圧モードと称
す。
イドS**Hおよび減圧ソレノイドS**Rの双方を閉
弁状態とすると、各車輪のホイルシリンダ圧PW/C を保
持することができる。以下、この状態を(ii)保持モード
と称す。更に、ABS制御の実行中に、保持ソレノイド
S**Hを閉弁状態とし、かつ、減圧ソレノイドS**
Rを開弁状態とすると、各車輪のホイルシリンダ圧P
W/C を減圧することができる。以下、この状態を(iii)
減圧モードと称す。
に適宜上記の(i) 増圧モード、(ii)保持モード、およ
び、(iii) 減圧モードが実現されるように、各車輪のス
リップ状態に応じて保持ソレノイドS**Hおよび減圧
ソレノイドS**Rを制御する。保持ソレノイドS**
Hおよび減圧ソレノイドS**Rが上記の如く制御され
ると、全ての車輪のホイルシリンダ圧PW/C が対応する
車輪に過大なスリップ率を発生させることのない適当な
圧力に制御される。このように、上記の制御によれば、
制動力制御装置においてABS機能を実現することがで
きる。
るための制動力制御装置の状態を示す。ECU10は、
運転者によって制動力の速やかな立ち上がりを要求する
ブレーキ操作、すなわち、緊急ブレーキ操作が実行され
た後に図10乃至図12に示す状態を適宜実現すること
でBA機能を実現する。以下、制動力制御装置におい
て、BA機能を実現させるための制御をBA制御と称
す。
アシスト圧増圧状態を示す。アシスト圧増圧状態は、B
A制御の実行中に各車輪のホイルシリンダ圧PW/C を増
圧させる必要がある場合に、すなわち、BA制御中に
(I)開始増圧モード、(II)アシスト圧増圧モード、およ
び、 (V)アシスト圧緩増モードの実行が要求された場合
に実現される。
におけるアシスト圧増圧状態は、図10に示す如く、リ
ザーバカットソレノイドSRCF314,SRCR31
6、および、マスタカットソレノイドSMFR326,
SMFL328,SMR330をオン状態とし、かつ、
フロントポンプ360およびリアポンプ362をオン状
態とすることで実現される。
れると、リザーバタンク308に貯留されているブレー
キフルードがフロントポンプ360およびリアポンプ3
62に汲み上げられて液圧通路332,334,336
に供給される。アシスト圧増圧状態では、液圧通路33
2,334,336の内圧が、定圧開放弁338,34
0,342の開弁圧を超えてマスタシリンダ圧PM/C に
比して高圧となるまでは、液圧通路332,334,3
36からマスタシリンダ302へ向かうブレーキフルー
ドの流れがSMFR326,SMFL328,SMR3
30によって阻止される。
態が実現されると、その後、液圧通路332,334,
336には、マスタシリンダ圧PM/C に比して高圧の液
圧が発生する。アシスト圧増圧状態では、ホイルシリン
ダ120〜126と、それらに対応する液圧通路33
2,334,336とが導通状態に維持されている。従
って、アシスト圧増圧状態が実現されると、その後、全
ての車輪のホイルシリンダ圧PW/C は、フロントポンプ
360またはリアポンプ362を液圧源として、速やか
にマスタシリンダ圧PM/C を超える圧力に昇圧される。
態において、液圧通路334,332,336は、それ
ぞれ逆止弁344,346,348を介してマスタシリ
ンダ302に連通している。このため、マスタシリンダ
圧PM/C が各車輪のホイルシリンダ圧PW/C に比して大
きい場合は、アシスト圧増圧状態においても、マスタシ
リンダ302を液圧源としてホイルシリンダ圧PW/C を
昇圧することができる。
アシスト圧保持状態を示す。アシスト圧保持状態は、B
A制御の実行中に各車輪のホイルシリンダ圧PW/C を保
持する必要がある場合、すなわち、BA制御中に(IV)ア
シスト圧保持モードが要求される場合に実現される。ア
シスト圧保持状態は、図11に示す如く、マスタカット
ソレノイドSMFR326,SMFL328,SMR3
30をオン状態とすることで実現される。
ロントポンプ360とリザーバタンク308、および、
リアポンプ362とリザーバタンク308が、それぞれ
SRCF314および316によって遮断状態とされ
る。このため、アシスト圧保持状態では、フロントポン
プ360およびリアポンプ362から液圧通路332,
334,336にフルードが吐出されることはない。ま
た、図11に示すアシスト圧保持状態では、液圧通路3
32,334,336が、SMFR326,SMFL3
28,SMR330によってマスタシリンダ302から
実質的に切り離されている。このため、図11に示すア
シスト圧保持状態によれば、全ての車輪のホイルシリン
ダ圧PW/C を一定値に保持することができる。
アシスト圧減圧状態を示す。アシスト圧減圧状態は、B
A制御の実行中に各車輪のホイルシリンダ圧PW/C を減
圧する必要がある場合、すなわち、BA制御中に (III)
アシスト圧減圧モード、および、(VI)アシスト圧緩減モ
ードの実行が要求された場合に実現される。アシスト圧
減圧状態は、図12に示す如く、全てのソレノイドをオ
フ状態とすることで実現される。
ロントポンプ360およびリアポンプ362がリザーバ
タンク308から切り離される。このため、フロントポ
ンプ362およびリアポンプ362から液圧通路33
2,334,336にフルードが吐出されることはな
い。また、アシスト圧減圧状態では、各車輪のホイルシ
リンダ120〜126とマスタシリンダ302とが導通
状態となる。このため、アシスト圧減圧状態を実現する
と、全ての車輪のホイルシリンダ圧PW/C を、マスタシ
リンダ圧PM/C を下限値として減圧することができる。
によって緊急ブレーキ操作が実行された場合に、上記図
1に示すシステムと同様に、上記図10乃至図12に示
すアシスト圧増圧状態、アシスト圧保持状態およびアシ
スト圧減圧状態を組み合わせてBA機能を実現する。こ
のため、本実施例の制動力制御装置によれば、上記図1
に示すシステムと同様に、BA制御の実行中常に、アシ
スト圧Paをほぼ一定の値に維持しつつ、ホイルシリン
ダ圧PW/C に適正に運転者の意図を反映させることがで
きる。
ンダ120〜126と液圧アクチュエータとを連通する
接続部には、ブレーキフルードの漏出を許容する異常が
発生することがある。制動力制御装置が上記図9に示す
通常ブレーキ状態とされている場合は、前輪系統に属す
るホイルシリンダ120,122、および、後輪系統に
属するホイルシリンダ124,126が、それぞれ独立
してマスタシリンダ302の第1液圧室304および第
2液圧室306に連通している。このため、制動力制御
装置が通常ブレーキ状態とされていれば、液圧回路の異
常箇所から漏出するブレーキフルードの量を、第1液圧
室304に貯留されているブレーキフルードの量以下、
または、第2液圧室306に貯留されているブレーキフ
ルードの量以下に抑制することができる。
車によって緊急ブレーキ操作が実行されると、ブレーキ
アシスト制御が開始される。液圧回路に異常が生じてい
る場合は、その異常箇所に連通するホイルシリンダのホ
イルシリンダ圧PW/C が昇圧され難いため、BA制御が
開始された後、運転者の意図する制動力が得られ難い。
運転者は、意図する制動力が得られない場合は、より大
きな制動力を発生させるためブレーキペダル12を踏み
増す操作を行う。このため、液圧回路の異常が生じてい
る状況下でBA制御が開始された場合は、その後、上記
図10に示すアシスト圧増圧状態が要求され易い。
れると、上述の如く、フロントポンプ360およびリア
ポンプ362は、リザーバタンク308に貯留されてい
るブレーキフルードを吸引してホイルシリンダ120〜
126に向けて圧送する。このため、液圧回路に異常が
生じている状況下でアシスト圧増圧状態が実現される
と、リザーバタンク308に貯留されているブレーキフ
ルードが、多量に異常箇所から漏出する事態が生ずる。
従って、本実施例のシステムにおいても、上記図1に示
すシステムと同様に、液圧回路に異常が生じている場合
には、緊急ブレーキ操作が実行された場合であってもB
A制御が実行されないことが望ましい。
た第1実施例の場合と同様に上記図8に示すルーチンを
実行する。すなわち、ECU10は、BA制御が開始さ
れた後、減速度Gが運転者のブレーキ操作に伴って減少
したか否かに基づいて失陥の有無を判断する。そして、
制動力制御装置の失陥が認められる場合は、速やかにB
A制御を中止して制動力制御装置を上記図9に示す通常
ブレーキ状態とする。このため、本実施例の制動力制御
装置によれば、上述した第1実施例の場合と同様に、液
圧回路に失陥が生じている場合に、ブレーキフルードの
漏出量を抑制しつつ、少なくとも一系統に適正な制動力
を発生させることができる。
ンダ302が前記請求項1記載の「操作液圧発生手段」
に、フロントポンプ360およびリアポンプ362が前
記請求項1記載の「高圧源」にそれぞれ相当している。
ところで、上記の実施例は、減速度センサ146を用い
て減速度Gを検出し、また、減速度Gが減少する過程で
制動力制御装置の失陥の有無を判断することとしている
が、本発明はこれに限定されるものではなく、車輪速セ
ンサ136〜142の検出値VW に基づいて減速度Gを
推定し、また、減速度Gが増加する過程で制動力制御装
置の失陥の有無を判断することとしても良い。
御装置の失陥が検出された場合に4輪全てについてBA
制御の実行を禁止することとしているが、本発明はこれ
に限定されるものではなく、制動力制御装置の失陥が検
出された場合に、前輪系統および後輪系統の一方につい
てのみBA制御を禁止することとしてもよい。尚、本実
施例のシステムにおいては、後輪系統を上記図9に示す
通常ブレーキ状態としたまま前輪系統について上記図1
0〜図12の状態を実現することで前輪のみを制御対象
とするBA制御を実行することができる。同様に、前輪
系統を上記図9に示す通常ブレーキ状態としたまま後輪
系統について上記図10〜図12の状態を実現すること
で後輪のみを制御対象とするBA制御を実行することが
できる。
を実行する場合、その制御に伴って適正な減速度Gが発
生するか否かに基づいて、失陥の生じている系統を特定
することができる。失陥の生じている系統が特定できれ
ば、失陥の生じていない系統についてのみBA制御を実
行することができる。このような制御によれば、4輪全
てについてBA制御が禁止される場合に比して、大きな
制動力を得ることができる。
施例の第3実施例について説明する。図13は、本発明
の第3実施例に対応するポンプアップ式制動力制御装置
(以下、単に制動力制御装置と称す)のシステム構成図
を示す。尚、図13において、上記図9に示す構成部分
と同一の部分については、同一の符号を付してその説明
を省略または簡略する。
ンジン・フロントドライブ式車両(FF車両)用の制動
力制御装置として好適な装置である。本実施例の制動力
制御装置は、ECU10により制御されている。ECU
10は、上述した第1実施例および第2実施例の場合と
同様に、上記図8に示す制御ルーチンを実行することで
制動力制御装置の動作を制御する。
備えている。ブレーキペダル12の近傍には、ブレーキ
スイッチ14が配設されている。ECU10は、ブレー
キスイッチ14の出力信号に基づいてブレーキペダル1
2が踏み込まれているか否かを判別する。ブレーキペダ
ル12は、バキュームブースタ300に連結されてい
る。また、バキュームブースタ300は、マスタシリン
ダ302に固定されている。マスタシリンダ302の内
部には第1液圧室304および第2液圧室306が形成
されている。第1液圧室304および第2液圧室306
の内部には、ブレーキ踏力Fと、バキュームブースタ3
00が発生するアシスト力Faとの合力に応じたマスタ
シリンダ圧PM/C が発生する。
タンク308が配設されている。リザーバタンク308
には、第1リザーバ通路400、および、第2リザーバ
通路402が連通している。第1リザーバ通路400に
は、第1リザーバカットソレノイド404(以下、SR
C-1404と称す)が連通している。同様に、第2リザ
ーバ通路402には、第2リザーバカットソレノイド4
06(以下、SRC-2406と称す)が連通している。
路408が連通している。同様に、SRC-2406に
は、第2ポンプ通路410が連通している。SRC-14
04は、オフ状態とされることで第1リザーバ通路40
0と第1ポンプ通路408とを遮断し、かつ、オン状態
とされることでそれらを導通させる2位置の電磁弁であ
る。また、SRC-2406は、オフ状態とされることで
第2リザーバ通路402と第2ポンプ通路410とを遮
断し、かつ、オン状態とされることでそれらを導通させ
る2位置の電磁弁である。
4、および、第2液圧室306には、それぞれ第1液圧
通路322、および、第2液圧通路324が連通してい
る。第1液圧通路322には、第1マスタカットソレノ
イド412(以下、SMC-1412と称す)が連通して
いる。一方、第2液圧通路324には、第2マスタカッ
トソレノイド414(以下、SMC-2414と称す)が
連通している。
16と左後輪RLに対応して設けられた液圧通路418
とが連通している。第1ポンプ圧通路416には、第1
ポンプソレノイド420(以下、SMV-1420と称
す)が連通している。SMV-1420には、更に、右前
輪FRに対応して設けられた液圧通路422が連通して
いる。SMV-1420の内部には定圧開放弁424が設
けられている。SMV-1420は、オフ状態とされた場
合に第1ポンプ圧通路416と液圧通路422とを導通
状態とし、かつ、オン状態とされた場合に定圧開放弁4
24を介してそれらを連通させる2位置の電磁弁であ
る。第1ポンプ圧通路416と液圧通路422との間に
は、また、第1ポンプ圧通路416側から液圧通路42
2側へ向かうフルードの流れのみを許容する逆止弁42
6が配設されている。
28と右後輪RRに対応して設けられた液圧通路430
とが連通している。第2ポンプ圧通路428には、第2
ポンプソレノイド432(以下、SMV-2432と称
す)が連通している。SMV-2432には、更に、左前
輪FLに対応して設けられた液圧通路434が連通して
いる。SMV-2432の内部には定圧開放弁436が設
けられている。SMV-2432は、オフ状態とされた場
合に第2ポンプ圧通路428と液圧通路434とを導通
状態とし、かつ、オン状態とされた場合に定圧開放弁4
36を介してそれらを連通させる2位置の電磁弁であ
る。第1ポンプ通路428と液圧通路434との間に
は、また、第2ポンプ圧通路428側から液圧通路43
6側へ向かうフルードの流れのみを許容する逆止弁43
8が配設されている。
部には、それぞれ定圧開放弁440,442が設けられ
ている。SMC-1412は、オフ状態とされた場合に第
1液圧通路322と液圧通路418(および第1ポンプ
圧通路416)とを導通状態とし、かつ、オン状態とさ
れた場合に定圧開放弁440を介してそれらを連通させ
る2位置の電磁弁である。また、SMC-2414は、オ
フ状態とされた場合に第2液圧通路324と液圧通路4
30(および第2ポンプ圧通路428)とを導通状態と
し、かつ、オン状態とされた場合に定圧開放弁342を
介してそれらを連通させる2位置の電磁弁である。
間には、第1液圧通路322側から液圧通路418側へ
向かうフルードの流れのみを許容する逆止弁444が配
設されている。同様に、第2液圧通路324と液圧通路
430との間には、第2液圧通路324側から液圧通路
430側へ向かう流体の流れのみを許容する逆止弁44
6が配設されている。
れた4本の液圧通路416,422,428,434に
は、上記図1に示すシステム、および、上記図9に示す
システムと同様に保持ソレノイドS**H、減圧ソレノ
イドS**R、ホイルシリンダ120〜126および逆
止弁128〜134が連通している。また、右前輪FR
および左後輪RLの減圧ソレノイドSFRR112およ
びSRLR118には、第1減圧通路448が連通して
いる。更に、左前輪FLおよび右後輪RRの減圧ソレノ
イドSFLR114およびSRRR116には、第2減
圧通路450が連通している。
50には、それぞれ第1リザーバ452および第2リザ
ーバ454が連通している。また、第1リザーバ452
および第2リザーバ454は、それぞれ逆止弁456,
458を介して第1ポンプ460の吸入側、および、第
2ポンプ462の吸入側に連通している。第1ポンプ4
60の吐出側、および、第2ポンプ462の吐出側は、
吐出圧の脈動を吸収するためのダンパ464,466に
連通している。ダンパ464,466は、それぞれ液圧
通路422,434に連通している。
種ソレノイド、第1リザーバ452、第2リザーバ45
4、第1ポンプ460、第2ポンプ462および各種逆
止弁等は、液圧アクチュエータの内部に一体的に収納さ
れている。マスタシリンダ302およびホイルシリンダ
120〜126は、それぞれブレーキホース等を介して
液圧アクチュエータに連通している。
138,140,142が配設されている。ECU10
は、車輪速センサ136〜142の出力信号に基づいて
各車輪の回転速度VW を検出する。また、マスタシリン
ダ302に連通する第2液圧通路324には、液圧セン
サ144が配設されている。ECU10は、液圧センサ
144の出力信号に基づいてマスタシリンダ圧PM/C を
検出する。更に、ECU10には、減速度センサ146
の出力信号が供給されている。ECU10は減速度セン
サ146の出力信号に基づいて車両に発生する減速度G
を検出する。
説明する。本実施例の制動力制御装置は、油圧回路内に
配設された各種の電磁弁の状態を切り換えることによ
り、通常ブレーキ機能、ABS機能、および、B
A機能を実現する。通常ブレーキ機能は、図13に示
す如く、制動力制御装置が備える全ての電磁弁をオフ状
態とすることにより実現される。以下、図13に示す状
態を通常ブレーキ状態と称す。また、制動力制御装置に
おいて通常ブレーキ機能を実現するための制御を通常ブ
レーキ制御と称す。
右前輪FRのホイルシリンダ120および左後輪RLの
ホイルシリンダ126は、共に第1液圧通路322を介
してマスタシリンダ302の第1液圧室304に連通し
ている。また、左前輪FLのホイルシリンダ122およ
び右後輪RRのホイルシリンダ124は、共に第2液圧
通路324を介してマスタシリンダ302の第2液圧室
306に連通している。この場合、ホイルシリンダ12
0〜126のホイルシリンダ圧PW/C は、常にマスタシ
リンダ圧PM/C と等圧に制御される。従って、図13示
す状態によれば、通常ブレーキ機能が実現される。
て、第1ポンプ460および第2ポンプ462をオン状
態とし、かつ、保持ソレノイドS**Hおよび減圧ソレ
ノイドS**RをABSの要求に応じて適当に駆動する
ことにより実現される。以下、制動力制御装置において
ABS機能を実現するための制御をABS制御と称す。
右後輪に対応して設けられた4本の液圧通路418,4
22,428,434の全てに高圧のマスタシリンダ圧
PM/ C が導かれている。従って、かかる状況下で保持ソ
レノイドS**Hを開弁状態とし、かつ、減圧ソレノイ
ドS**Rを閉弁状態とすると、各車輪のホイルシリン
ダ圧PW/C を増圧することができる。以下、この状態を
(i) 増圧モードと称す。
イドS**Hおよび減圧ソレノイドS**Rの双方を閉
弁状態とすると、各車輪のホイルシリンダ圧PW/C を保
持することができる。以下、この状態を(ii)保持モード
と称す。更に、ABS制御の実行中に、保持ソレノイド
S**Hを閉弁状態とし、かつ、減圧ソレノイドS**
Rを開弁状態とすると、各車輪のホイルシリンダ圧P
W/C を減圧することができる。以下、この状態を(iii)
減圧モードと称す。
車輪毎に適宜上記の(i) 増圧モード、(ii)保持モード、
および、(iii) 減圧モードが実現されるように、各車輪
のスリップ状態に応じて保持ソレノイドS**Hおよび
減圧ソレノイドS**Rを制御する。保持ソレノイドS
**Hおよび減圧ソレノイドS**Rが上記の如く制御
されると、全ての車輪のホイルシリンダ圧PW/C が対応
する車輪に過大なスリップ率を発生させることのない適
当な圧力に制御される。このように、上記の制御によれ
ば、制動力制御装置においてABS機能を実現すること
ができる。
るための制動力制御装置の状態を示す。ECU10は、
運転者によって制動力の速やかな立ち上がりを要求する
ブレーキ操作、すなわち、緊急ブレーキ操作が実行され
た後に図14乃至図16に示す状態を適宜実現すること
でBA機能を実現する。以下、制動力制御装置におい
て、BA機能を実現させるための制御をBA制御と称
す。
アシスト圧増圧状態を示す。アシスト圧増圧状態は、B
A制御の実行中に各車輪のホイルシリンダ圧PW/C を増
圧させる必要がある場合に、すなわち、BA制御中に
(I)開始増圧モード、(II)アシスト圧増圧モード、およ
び、 (V)アシスト圧緩増モードの実行が要求された場合
に実現される。
におけるアシスト圧増圧状態は、図14に示す如く、リ
ザーバカットソレノイドSRC-1404,SRC-240
6、および、マスタカットソレノイドSMC-1412,
SMC-2414をオン状態とし、かつ、第1ポンプ46
0および第2ポンプ462をオン状態とすることで実現
される。
実現されると、リザーバタンク308に貯留されている
ブレーキフルードが第1ポンプ460および第2ポンプ
462に汲み上げられて液圧通路422,434に供給
される。アシスト圧増圧状態では、液圧通路422と右
前輪FRのホイルシリンダ120および左後輪RLのホ
イルシリンダ126が導通状態に維持される。また、ア
シスト圧増圧状態では、液圧通路422側の圧力が定圧
開放弁440の開弁圧を超えてマスタシリンダ圧PM/C
に比して高圧となるまでは、液圧通路422側からマス
タシリンダ302側へ向かうフルードの流れがSMC-1
412によって阻止される。
路434と左前輪FLのホイルシリンダ122および右
後輪RRのホイルシリンダ124とが導通状態に維持さ
れると共に、液圧通路434側の内圧が定圧開放弁44
2の開弁圧を超えてマスタシリンダ圧PM/C に比して高
圧となるまでは、液圧通路434側からマスタシリンダ
302側へ向かうフルードの流れがSMC-2414によ
って阻止される。
態が実現されると、その後、各車輪のホイルシリンダ圧
PW/C は、第1ポンプ460または第2ポンプ462を
液圧源として、速やかにマスタシリンダ圧PM/C を超え
る圧力に昇圧される。このように、図14に示すアシス
ト圧増圧状態によれば、制動力を速やかに立ち上げるこ
とができる。
態において、液圧通路418,422,428,430
は、逆止弁444,446を介してマスタシリンダ30
2に連通している。このため、マスタシリンダ圧PM/C
が各車輪のホイルシリンダ圧PW/C に比して大きい場合
は、BA作動状態においてもマスタシリンダ302を液
圧源としてホイルシリンダ圧PW/C を昇圧することがで
きる。
アシスト圧保持状態を示す。アシスト圧保持状態は、B
A制御の実行中に各車輪のホイルシリンダ圧PW/C を保
持する必要がある場合、すなわち、BA制御中に(IV)ア
シスト圧保持モードが要求される場合に実現される。ア
シスト圧保持状態は、図15に示す如く、マスタカット
ソレノイドSMC-1412,SMC-2414をオン状態
とすることで実現される。
1ポンプ460とリザーバタンク308、および、第2
ポンプ462とリザーバタンク308が、それぞれSR
C-1404およびSRC-2406によって遮断状態とさ
れる。このため、アシスト圧保持状態では、第1ポンプ
460および第2ポンプ462から液圧通路422,4
34にフルードが吐出されない。また、図15に示すア
シスト圧保持状態では、液圧通路418,422および
430,434が、それぞれSMC-1412およびSM
C-2414によってマスタシリンダ302から実質的に
切り離されている。このため、図15に示すアシスト圧
保持状態によれば、全ての車輪のホイルシリンダ圧P
W/C を一定値に保持することができる。
アシスト圧減圧状態を示す。アシスト圧減圧状態は、B
A制御の実行中に各車輪のホイルシリンダ圧PW/C を減
圧する必要がある場合、すなわち、BA制御中に (III)
アシスト圧減圧モード、および、(VI)アシスト圧緩減モ
ードの実行が要求された場合に実現される。アシスト圧
減圧状態は、図16に示す如く、全てのソレノイドをオ
フ状態とすることで実現される。
1ポンプ460および第2ポンプ462がリザーバタン
ク308から切り離される。このため、第1ポンプ46
2および第2ポンプ462から液圧通路422,434
にフルードが吐出されない。また、アシスト圧減圧状態
では、各車輪のホイルシリンダ120〜126とマスタ
シリンダ302とが導通状態となる。このため、アシス
ト圧減圧状態を実現すると、全ての車輪のホイルシリン
ダ圧PW/C を、マスタシリンダ圧PM/C を下限値として
減圧することができる。
によって緊急ブレーキ操作が実行された場合に、上記図
1に示すシステムおよび上記図9に示すシステムの場合
と同様に、上記図14乃至図16に示すアシスト圧増圧
状態、アシスト圧保持状態およびアシスト圧減圧状態を
組み合わせてBA機能を実現する。このため、本実施例
の制動力制御装置によれば、上記図1に示すシステムお
よび上記図9に示すシステムと同様に、BA制御の実行
中常に、アシスト圧Paをほぼ一定の値に維持しつつ、
ホイルシリンダ圧PW/C に適正に運転者の意図を反映さ
せることができる。
ンダ120〜126と液圧アクチュエータとを連通する
接続部には、ブレーキフルードの漏出を許容する異常が
発生することがある。制動力制御装置が上記図13に示
す通常ブレーキ状態とされている場合は、右前輪FRお
よび左後輪RLの属する系統(以下、第1系統と称す)
のホイルシリンダ120,126と、左前輪FLおよび
右後輪RRの属する系統(以下、第2系統と称す)のホ
イルシリンダ122,124が、それぞれ独立してマス
タシリンダ302の第1液圧室304および第2液圧室
306に連通している。このため、制動力制御装置が通
常ブレーキ状態とされていれば、液圧回路の異常箇所か
ら漏出するブレーキフルードの量を、第1液圧室304
に貯留されているブレーキフルードの量以下、または、
第2液圧室306に貯留されているブレーキフルードの
量以下に抑制することができる。
回路に異常が生じている場合は、BA制御が開始された
後、上記図14に示すアシスト圧増圧状態が要求され易
い。制動力制御装置がアシスト圧増圧状態とされると、
上述の如く、第1ポンプ460および第2ポンプ462
は、リザーバタンク308に貯留されているブレーキフ
ルードを吸引してホイルシリンダ120〜126に向け
て圧送する。このため、液圧回路に異常が生じている状
況下でアシスト圧増圧状態が実現されると、リザーバタ
ンク308に貯留されているブレーキフルードが、多量
に異常箇所から漏出する事態が生ずる。従って、本実施
例のシステムにおいても、上記図1に示すシステムおよ
び上記図9に示すシステムと同様に、液圧回路に異常が
生じている場合には、緊急ブレーキ操作が実行された場
合であってもBA制御が実行されないことが望ましい。
た第1実施例および第2実施例の場合と同様に上記図8
に示すルーチンを実行する。すなわち、ECU10は、
BA制御が開始された後、減速度Gが運転者のブレーキ
操作に伴って減少したか否かに基づいて失陥の有無を判
断する。そして、制動力制御装置の失陥が認められる場
合は、速やかにBA制御を中止して制動力制御装置を上
記図13に示す通常ブレーキ状態とする。このため、本
実施例の制動力制御装置によれば、上述した第1実施例
および第2実施例の場合と同様に、液圧回路に失陥が生
じている場合に、ブレーキフルードの漏出量を抑制しつ
つ、少なくとも一系統に適正な制動力を発生させること
ができる。
460および第2ポンプ462が前記請求項1記載の
「高圧源」に相当している。ところで、上記の実施例
は、減速度センサ146を用いて減速度Gを検出し、ま
た、減速度Gが減少する過程で制動力制御装置の失陥の
有無を判断することとしているが、本発明はこれに限定
されるものではなく、車輪速センサ136〜142の検
出値VW に基づいて減速度Gを推定し、また、減速度G
が増加する過程で制動力制御装置の失陥の有無を判断す
ることとしても良い。
御装置の失陥が検出された場合に4輪全てについてBA
制御の実行を禁止することとしているが、本発明はこれ
に限定されるものではなく、制動力制御装置の失陥が検
出された場合に、第1系統および第2系統の一方につい
てのみBA制御を禁止することとしてもよい。尚、本実
施例のシステムにおいては、第1系統を上記図13に示
す通常ブレーキ状態としたまま第2系統について上記図
14〜図16の状態を実現することで第2系統のみを対
象としてBA制御を実行することができる。同様に、第
2系統を上記図13に示す通常ブレーキ状態としたまま
第1系統について上記図14〜図16の状態を実現する
ことで第1系統のみを対象としてBA制御を実行するこ
とができる。
明の第4実施例について説明する。図17は、本発明の
第4実施例に対応するバキューム式制動力制御装置(以
下、単に制動力制御装置と称す)のシステム構成図を示
す。尚、図17において、上記図9に示す構成部分と同
一の部分については、同一の符号を付してその説明を省
略または簡略する。
により制御されている。ECU10は、上記図8に示す
制御ルーチンに代えて、下記図19に示す制御ルーチン
を実行することで制動力制御装置の動作を制御する。制
動力制御装置は、ブレーキペダル12を備えている。ブ
レーキペダル12の近傍には、ブレーキスイッチ14が
配設されている。ECU10は、ブレーキスイッチ14
の出力信号に基づいてブレーキペダル12が踏み込まれ
ているか否かを判別する。ブレーキペダル12は、バキ
ュームブースタ500に連結されている。
500との連結部には、ストロークセンサ502が配設
されている。ストロークセンサ502は、ブレーキペダ
ル12のストローク量に応じた電気信号を出力する。ス
トロークセンサ502の出力信号はECU10に供給さ
れている。ECU10は、ストロークセンサ502の出
力信号に基づいてブレーキペダル12のストローク量を
検出する。
成を表す断面図を示す。バキュームブースタ500は、
ハウジング502を備えている。ハウジング502の内
部には、コントロールバルブ504が配設されている。
コントロールバルブ504は、ハウジング502に対し
てその軸方向に変位することができる。コントロールバ
ルブ504の内部には、エアバルブ505が配設されて
いる。エアバルブ505は、コントロールバルブ504
に対して相対的に変位しない非可動部分506と、コン
トロールバルブ504の軸方向に伸縮する可動部分50
7とを備えている。
505の中央を貫くように配設される踏力伝達軸50
8、および、踏力伝達軸508を取り巻くように配設さ
れる環状のエアフィルタ510を備えている。踏力伝達
軸508は、ブレーキペダル12に連結される部材であ
る。更に、エアバルブ505の内部にはスプリング51
2および514が配設されている。スプリング512
は、その一端をエアバルブ505の非可動部分506に
当接させた状態で、踏力伝達軸508を図18に於ける
右方向に付勢している。一方、スプリング514は、そ
の一端を踏力伝達軸508に当接させた状態で、エアバ
ルブ505の可動部分507を図18に於ける左方向に
付勢している。
部材516が嵌合されている。可動伝達部材516の図
18に於ける右側には、弁体518が形成されている。
踏力伝達部材508にブレーキ踏力が加えられていない
場合は、スプリング512の付勢力、および、スプリン
グ514の付勢力により、エアバルブ506の可動部分
507と弁体518とは当接状態に維持される。
506の可動部分507と対向する位置に、環状弁部5
20を備えている。上述の如く、踏力伝達部材508に
ブレーキ踏力が加えられていない場合は、エアバルブ5
05の可動部分507が可動伝達部材516の弁体51
8に当接する。バキュームブースタ500は、この場合
に、エアバルブ506の可動部分507と環状弁部52
0との間に所定のクリアランスが形成されるように設計
されている。
ブ504の内部を、その軸方向に変位することができ
る。バキュームブースタ500は、可動伝達部材516
の先端部(図18に於ける左端)と対向する位置に、リ
アクションディスク522を備えている。リアクション
ディスク522は、出力軸524の一端に保持されてい
る。出力軸524は、マスタシリンダ302に連結され
る部材である。
526、ダイアフラム528、および、主可動壁530
が配設されている。ダイアフラム528の内周部分およ
び外周部分は、それぞれ、補助可動壁の内周部分および
外周部分と気密的に結合されている。また、主可動壁5
30の内周部分および外周部分は、それぞれ、コントロ
ールバルブ504の外周面およびハウジング502の内
周面と気密的に結合されている。
および、主可動壁530は、ハウジング502の内部
を、図18に於ける左右方向に変位することができる。
補助可動壁526は、その内周端に、補助可動壁526
が図18に於ける左方向に変位した際に、出力軸524
と係合する係合部532を備えている。バキュームブー
スタ500の内部には、補助可動壁526を図18に於
ける右方向に付勢するリターンスプリング534を備え
ている。リターンスプリング534の付勢力により、補
助可動壁526が図18に示す原位置に維持されている
場合は、出力軸524と係合部532との間に、適当な
クリアランスが形成される。
530によって負圧室536と変圧室538とに区分さ
れている。また、補助可動壁526とダイアフラム52
8との間には、補助変圧室540が隔成されている。負
圧室536には、内燃機関の吸気通路が連通されてい
る。従って、内燃機関の運転中、負圧室536には、常
に所定の負圧が導かれる。
ブ505の周囲の空間と、負圧室536とを導通状態と
する通路、および、環状弁部520に囲まれる空間と、
変圧室538とを導通状態とする通路とが形成されてい
る。上述の如く、踏力伝達軸508にブレーキ踏力が加
えられていない場合は、弁体518とエアバルブ505
とが密着状態となり、かつ、環状弁部520とエアバル
ブ505との間にクリアランスが形成される。この場
合、変圧室538に負圧が導かれて、変圧室538の内
圧と負圧室536の内圧とが等圧となる。
入力されると、踏力伝達軸508および可動伝達部材5
16が図18に於ける左方向に変位する。可動伝達部材
516の変位量が所定量に達すると、エアバルブ505
と環状弁部520とが当接して、負圧室536と変圧室
538とが切り離された状態が形成される。可動伝達部
材516の変位が更に継続すると、弁体518がエアバ
ルブ505から離座して、エアフィルタ510を通過し
た空気が環状弁部520に囲まれた空間に流入し得る状
態、すなわち、変圧室538に空気が流入し得る状態が
形成される。
壁530の両側に差圧が発生し、主可動壁530を図1
8に於ける左方向に押圧する力、すなわち、コントロー
ルバルブ504を出力軸524方向へ押圧するアシスト
力が発生する。上記のアシスト力が発生した結果、コン
トロールバルブ504が図18に於ける左方向に変位す
ると、 弁体518とエアバルブ505との間に発生し
ていたクリアランスが消滅し、変圧室538への空気の
流入が停止される。その結果、コントロールバルブ50
4に作用するアシスト力は、ブレーキ踏力に対して所定
の倍力比を有する値に制御される。
540に連通する変圧通路542、および、補助変圧室
542に連通するBA制御ソレノイド544を備えてい
る。BA制御ソレノイド544は、オフ状態とされるこ
とにより変圧通路542と負圧室536とを導通状態と
し、また、オン状態とされることにより変圧通路542
と大気とを導通状態とする2位置の電磁弁である。従っ
て、補助変圧室542には、BA制御ソレノイド544
がオフ状態である場合には負圧が、また、BA制御ソレ
ノイド544がオン状態である場合には大気が導かれ
る。
レノイド544がオフ状態とされている場合、すなわ
ち、補助変圧室540に負圧が導かれている場合は、上
述の如くブレーキ踏力に対して所定の倍力比を有するア
シスト力を発生する。また、BA制御ソレノイド544
がオン状態とされている場合、すなわち、補助変圧室5
40に大気が導入されている場合は、僅かなブレーキ踏
力が加えられることにより、ほぼ最大のアシスト力を発
生する。
00には、マスタシリンダ302が固定されている。マ
スタシリンダ302は、その内部に第1油圧室304お
よび第2油圧室306を備えている。第1油圧室304
および第2油圧室306には、ブレーキ踏力Fと、バキ
ュームブースタ500で発生されるアシスト力Faとの
合力に応じたマスタシリンダ圧PM/C が発生する。マス
タシリンダ302の上部にはリザーバタンク308が配
設されている。
4、および、第2油圧室306には、それぞれ第1液圧
通路322、および、第2液圧通路324が連通してい
る。第1液圧通路322および第2液圧通路324に
は、上記第1乃至第3実施例の場合と同様に、保持ソレ
ノイドS**H、減圧ソレノイドS**R、ホイルシリ
ンダ120〜126および逆止弁128〜134が連通
している。また、左右前輪の保持ソレノイドSFRR1
12およびSFLR114にはフロント減圧通路350
が、左右後輪の保持ソレノイドSRRR116およびS
RLR118にはリア減圧通路352がそれぞれ連通し
ている。
路352には、それぞれフロントリザーバ354および
リアリザーバ355が連通している。フロントリザーバ
354およびリアリザーバ355は、それぞれ逆止弁3
56,358を介してフロントポンプ360の吸入側、
および、リアポンプ362の吸入側に連通している。ま
た、フロントポンプ360の吐出側、および、リアポン
プ362の吐出側は、それぞれダンパ364,366を
介して第1液圧通路322および第2液圧通路324に
連通している。
種ソレノイド、フロントポンプ360、リアポンプ36
2および各種逆止弁等は、液圧アクチュエータの内部に
一体的に収納されている。マスタシリンダ302および
ホイルシリンダ120〜126は、それぞれブレーキホ
ース等を介して、液圧アクチュエータに連通している。
138,140,142が配設されている。ECU10
は、車輪速センサ136〜142の出力信号に基づいて
各車輪の回転速度VW を検出する。次に、本実施例の制
動力制御装置の動作を説明する。本実施例の制動力制御
装置は、液圧アキュチュエータ内に配設された保持ソレ
ノイドS**Hおよび減圧ソレノイドS**Rの状態、
および、BA制御ソレノイド544の状態を切り換える
ことにより、通常ブレーキ機能、ABS機能、およ
び、BA機能を実現する。
く、保持ソレノイドS**H、減圧ソレノイドS**
H、および、BA制御ソレノイド544の全てをオフ状
態とすることにより実現される。以下、図17に示す状
態を通常ブレーキ状態と、また、制動力制御装置におい
て通常ブレーキ機能を実現するための制御を通常ブレー
キ制御と称す。
バキュームブースタ500は、上述の如くブレーキ踏力
に対して所定の倍力比を有するアシスト力を発生する。
この場合、マスタシリンダ302は、常にブレーキ踏力
に応じたマスタシリンダ圧P M/C を発生する。また、通
常ブレーキ状態において、左右前輪FL,FRのホイル
シリンダ120,122、および、左右後輪RL,RR
のホイルシリンダ124,126は、は、それぞれ第1
液圧通路322または第2液圧通路324を介してマス
タシリンダ302に連通している。従って、全ての車輪
のホイルシリンダ圧PW/C は、ほぼマスタシリンダ圧P
M/C と等圧に制御される。このため、図17に示す通常
ブレーキ状態によれば、全ての車輪のホイルシリンダ圧
PW/C を、ブレーキ踏力に応じた圧力に制御すること、
すなわち、通常ブレーキ機能を実現することができる。
て、フロントポンプ360およびリアポンプ362をオ
ン状態とし、かつ、各車輪について適宜(i) 増圧モー
ド、(ii)保持モード、(iii) 減圧モードが実現されるよ
うに、保持ソレノイドS**Hおよび減圧ソレノイドS
**Rを駆動することにより実現される。以下、制動力
制御装置においてABS機能を実現するための制御をA
BS制御と称す。
12がある程度踏み込まれた状態で実行される。このた
め、図17に示す状態においてABS対象車輪について
(i)増圧モードが実行されると、その車輪のホイルシリ
ンダ圧PW/C をマスタシリンダ302を液圧源として増
圧することができる。また、ABS対象車輪について(i
i)保持モード、または、 (iii)減圧モードが実行される
と、その車輪のホイルシリンダ圧PW/C を保持または減
圧することができる。尚、ABS対象車輪のホイルシリ
ンダから流出するブレーキフルードは、フロントポンプ
360またはリアポンプ362によってマスタシリンダ
302側に圧送される。
て、BA制御ソレノイド544をオン状態とすることで
実現される。以下、図17に示す状態においてBA制御
ソレノイドがオン状態とされた状態をBA作動状態と称
す。また、制動力制御装置においてBA機能を実現する
ための制御をBA制御と称す。ECU10は、運転者に
よって緊急ブレーキ操作が実行されたことを検出する
と、BA制御ソレノイド544をオン状態としてBA作
動状態を実現する。BA作動状態においては、バキュー
ムブースタ500が、上述の如く僅かなブレーキ踏力に
対してほぼ最大のアシスト力を発生する。このため、B
A作動状態が実現されると、その後、マスタシリンダ圧
PM/C が速やかに昇圧されて、車両に作用する制動力が
速やか増大される。このように、BA作動状態によれ
ば、制動力を速やかに立ち上げる機能、すなわち、BA
機能を実現することができる。
オフ状態である場合は、変圧通路542の内部に負圧室
536と同等の負圧が導かれる。この場合、変圧通路5
42に失陥が生じていても、負圧室536の内部には常
に適正に負圧が蓄えられる。一方、BA制御ソレノイド
544がオン状態である場合は、変圧通路542の内部
に大気が導かれる。この場合、変圧通路542に失陥が
生じていると、その失陥箇所から負圧室536に空気が
流入し、負圧室536の内部に適正に負圧を蓄えられな
い事態が生ずる。
6と変圧室538との差圧、または、負圧室536と補
助変圧室540との差圧を利用してアシスト力を発生す
る。従って、負圧室536に適正に負圧が蓄えられてい
ない場合は、バキュームブースタ500が適正なアシス
ト力を発生できない事態が生ずる。つまり、本実施例の
システムにおいて、バキュームブースタ500の変圧通
路542に失陥が生じている場合は、通常ブレーキ制御
の実行中は適正なアシスト力を発生していたバキューム
ブースタ500が、BA制御が開始されると共に適正な
アシスト力を発生しなくなる事態が生じ得る。従って、
本実施例のシステムにおいても、上述した第1乃至第3
実施例の場合と同様に、適正にBA制御が実行できない
場合には、BA制御を終了させて通常ブレーキ制御を再
開させることが望ましい。
10が実行する制御ルーチンの一例のフローチャートを
示す。図19に示すルーチンは、所定時間毎に起動され
る定時割り込みルーチンである。図19に示すルーチン
が起動されると、先ずステップ600の処理が実行され
る。ステップ600では、BA制御が実行中であるか否
かが判別される。その結果、BA制御の実行中でないと
判別された場合は、以後、何ら処理が進められることな
く今回のルーチンが終了される。一方、BA制御が実行
中であると判別された場合は、次にステップ602の処
理が実行される。
される。本ステップ602では、車輪速センサ136〜
142によって検出される各車輪の車輪速度Vwに基づ
いて推定減速度Gが演算される。本ステップ602の処
理が終了すると、次にステップ604の処理が実行され
る。ステップ604では、下記〜の条件が全て成立
しているか否かが判別される。
こと。 車輪速センサ136〜142によって検出される車輪
速度Vwのうち最低のもの(最低車輪速VwMIN )が所
定値β以上であること。 ABS制御が実行されていないこと。 上記〜の条件は、BA制御の実行中に、ABS制御
が開始されることなく、かつ、大きな減速度Gを発生さ
せることなく、車両が所定値β以上の速度で走行してい
る場合に成立する条件である。これらの条件は、BA制
御の実行に伴って、ホイルシリンダ圧PW/C が適正に増
圧されていない場合に成立する条件である。従って、上
記ステップ604の条件が成立すると判別される場合
は、制動力制御装置に、BA機能の実現を妨げる異常が
生じている可能性があると判断することができる。この
場合、上記ステップ604に次いで、ステップ606の
処理が実行される。一方、上記ステップ604の条件が
成立しないと判別される場合は、制動力制御装置が正常
であると判断することができる。この場合、次にステッ
プ608の処理が実行される。
の条件が所定時間TFAILの間継続して成立しているか否
かが判別される。その結果、未だ条件成立の継続時間が
所定時間TFAILに達していないと判別される場合は、制
動力制御装置の異常の発生を断定することなく、次にス
テップ608の処理が実行される。一方、条件成立の継
続時間が所定時間TFAILに達していると判別される場合
は、制動力制御装置の異常の発生が断定され、次にステ
ップ610の処理が実行される。
るための処理が実行される。本ステップ608の処理が
終了すると、今回のルーチンが終了される。ステップ6
10では、BA制御を終了させるための処理、具体的に
は、BA制御ソレノイド544をオフ状態として、制動
力制御装置を通常ブレーキ状態とする処理が実行され
る。本ステップ608の処理が終了すると、今回のルー
チンが終了される。
れた後、制動力制御装置にBA機能の実現を妨げる異常
が発生していることが認識されると、速やかにBA制御
を終了させて通常ブレーキ制御を再開させることができ
る。従って、本実施例の制動力制御装置によれば、BA
機能の実現を妨げる異常が発生している場合において
も、少なくともブレーキ踏力に応じた制動力を発生させ
ることができる。
ンダ302が前記請求項1記載の「操作液圧発生手段」
に、バキュームブースタ500が前記請求項1記載の
「高圧源」に、それぞれ相当していると共に、ECU1
0が車輪速センサ136〜142の検出値に基づいて推
定減速度Gを演算することにより前記請求項1記載の
「減速度検出手段」が、ECU10が上記図19に示す
ルーチンを実行することにより前記請求項1または請求
項2記載の「BA制御終了手段」が、それぞれ実現され
ている。
速センサ136〜142の検出値に基づいて推定減速度
Gを検出することとしているが、本発明は、これに限定
されるものではなく、減速度センサを加設して、車両の
減速度Gを直接検出することとしてもよい。
ば、高圧源からホイルシリンダに供給される制動液圧の
増減と、減速度の増減とが一致しない場合に、ブレーキ
アシスト機能の実現を妨げる異常が発生したと判断して
ブレーキアシスト制御の実行を禁止することができる。
また、請求項2記載の発明によれば、ブレーキアシスト
制御の開始に伴って減速度が増加しない場合に、ブレー
キアシスト機能の実現を妨げる異常が発生したと判断し
てブレーキアシスト制御の実行を禁止することができ
る。
の通常ブレーキ状態を示すシステム構成図である。
示す図である。
態を示す図である。
態を示す図である。
態を示す図である。
キ操作が行われた場合にマスタシリンダ圧PM/C および
ホイルシリンダ圧PW/C に生ずる変化を表す図である。
化を表す図である。図7(B)はホイルシリンダ圧P
W/C の変化を表す図である。
行される制御ルーチンの一例のフローチャートである。
の通常ブレーキ状態およびABS作動状態を示すシステ
ム構成図である。
状態を示す図である。
状態を示す図である。
状態を示す図である。
置の通常ブレーキ状態およびABS作動状態を示すシス
テム構成図である。
圧状態を示す図である。
持状態を示す図である。
圧状態を示す図である。
置の通常ブレーキ状態およびABS作動状態を示すシス
テム構成図である。
ームブースタの断面図である。
ルーチンの一例のフローチャートである。
**H) 112,114,116,118 減圧ソレノイド(S
**R) 120,122,124,126 ホイルシリンダ 144 液圧センサ 146 減速度センサ 300;500 バキュームブースタ 302 マスタシリンダ 314 フロントリザーバカットソレノイド(SRC
F) 316 リアリザーバカットソレノイド(SRCR) 326 右前マスタカットソレノイド(SMFR) 328 左前マスタカットソレノイド(SMFL) 330 リアマスタカットソレノイド(SMR) 360 フロントポンプ 362 リアポンプ 404 第1リザーバカットソレノイド(SRC-1) 406 第2リザーバカットソレノイド(SRC-2) 412 第1マスタカットソレノイド(SMC-1) 414 第2マスタカットソレノイド(SMC-2) 460 第1ポンプ 462 第2ポンプ
Claims (2)
- 【請求項1】 運転者によって緊急ブレーキ操作が行わ
れた際に、通常時に比して大きな制動液圧を発生させる
ブレーキアシスト制御を実行する制動力制御装置におい
て、 通常のブレーキ操作が実行された際にホイルシリンダに
対してブレーキ操作量に応じた制動液圧を供給する操作
液圧発生手段と、 緊急ブレーキ操作が実行された際にホイルシリンダに対
して通常時に比して高圧な制動液圧を供給する高圧源
と、 車両に発生する減速度を検出する減速度検出手段と、 前記高圧源からホイルシリンダに供給される制動液圧の
増加に伴って前記減速度が増加する関係、および、該制
動液圧の減少に伴って前記減速度が減少する関係の少な
くとも一方が満たされない場合にブレーキアシスト制御
を終了させるBA制御終了手段と、 を備えることを特徴とする制動力制御装置。 - 【請求項2】 運転者によって緊急ブレーキ操作が行わ
れた際に、通常時に比して大きな制動液圧を発生させる
ブレーキアシスト制御を実行する制動力制御装置におい
て、 通常のブレーキ操作が実行された際にホイルシリンダに
対してブレーキ操作量に応じた制動液圧を供給する操作
液圧発生手段と、 緊急ブレーキ操作が実行された際にホイルシリンダに対
して通常時に比して高圧な制動液圧を供給する高圧源
と、 車両に発生する減速度を検出する減速度検出手段と、 前記ブレーキアシスト制御の開始に伴って前記減速度が
増加する関係が満たされない場合にブレーキアシスト制
御を終了させるBA制御終了手段と、 を備える ことを特徴とする制動力制御装置。
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