JP3296235B2 - 制動力制御装置 - Google Patents
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Description
係り、特に、車両において緊急ブレーキ操作が行われた
際に、通常時に比して大きな制動力を発生させる制動力
制御装置に関する。
0号に開示される如く、ブレーキペダルが所定速度を超
える速度で踏み込まれた場合に、ホイルシリンダに供給
される制動油圧を予め定められた最大油圧に高める制動
力制御装置が知られている。車両の運転者は、制動力を
速やかに増加させたい場合にブレーキペダルを高速で操
作する。上記従来の制動力制御装置によれば、かかるブ
レーキ操作(以下、緊急ブレーキ操作と称す)が行われ
た場合に、通常時に比して大きな倍力比で制動油圧を発
生させることができる。以下、上記の機能を実現するた
めの制御をブレーキアシスト制御(BA制御)と称す。
従って、上記従来の制動力制御装置によれば、運転者に
よって緊急ブレーキ操作が行われた際に、適正に運転者
の要求に応える制動力を発生させることができる。
動力制御装置においては、BA制御中にホイルシリンダ
に供給される制動油圧が、所定の最大油圧に決定されて
いる。このため、従来の制動力制御装置によっては、B
A制御が開始された後にブレーキ操作量が増減された場
合に、その変化を制動油圧に反映させること、すなわ
ち、運転者の意図を制動油圧に反映させることができな
かった。
であり、運転者によって緊急ブレーキ操作が行われた際
に通常時に比して大きな制動油圧を発生させると共に、
その制動油圧に運転者の意図を反映させることのできる
制動力制御装置を提供することを目的とする。
に記載する如く、運転者によって緊急ブレーキ操作が行
われた際に、通常時に比して大きな制動油圧を発生させ
る制動力制御装置において、ブレーキ操作と無関係に制
動油圧を増圧するアシスト圧増圧状態と、ブレーキ操作
と無関係に制動油圧を保持するアシスト圧保持状態と、
ブレーキ操作と無関係に制動油圧を減圧するアシスト圧
減圧状態と、を実現する制動油圧制御機構と、ブレーキ
操作の状態に基づいて緊急ブレーキ操作の実行を検出す
る緊急ブレーキ操作検出手段と、緊急ブレーキ操作が検
出された際に、前記制動油圧制御機構を前記アシスト圧
増圧状態として、通常時に比して大きな制動油圧を発生
させる開始増圧手段と、前記開始増圧手段によって制動
油圧が増圧された後に、ブレーキ操作の状態に応じて前
記アシスト圧増圧状態、前記アシスト圧保持状態、およ
び、前記アシスト圧減圧状態を切り換えて制動油圧を調
整する制動油圧調整手段と、を備える制動力制御装置に
より達成される。
ーキ操作が実行されると、制動油圧制御機構がアシスト
圧増圧状態とされることにより、通常時に比して高圧の
制動油圧が発生する。制動油圧が通常時に比して高圧と
された後、運転者によって更にブレーキ操作が行われる
と、その操作状態に応じて制動油圧制御機構の状態が適
宜切り換えられる。その結果、制動油圧は、通常時に比
して大きな圧力とされたまま、ブレーキ操作に応じて増
減される。
上記請求項1記載の制動力制御装置において、前記制動
油圧制御機構の状態が変化した際のブレーキ操作量を開
始時操作量として検出する開始時操作量検出手段を備え
ると共に、前記制動油圧調整手段が、現実のブレーキ操
作量と前記開始時操作量との偏差に基づいて前記制動油
圧制御機構で実現すべき状態を選択する第1の制御状態
選択手段を備える制動力制御装置によっても達成され
る。
は、開始増圧手段による制動油圧の増圧が終了した後、
運転者によるブレーキ操作が制動油圧に反映されるよう
に適宜切り換えられる。制動油圧制御機構の状態が切り
換えられると、その時点のブレーキ操作量が開始時操作
量として検出される。その後、更にブレーキ操作が行わ
れると、現実のブレーキ操作量と開始時操作量との間
に、制動油圧制御機構の状態が切り換えられた後に実行
されたブレーキ操作量に等しい偏差が生ずる。第1の制
御状態選択手段は、かかる偏差に基づいて、制動油圧制
御機構の状態が切り換えられた後に更に実行されたブレ
ーキ操作の状態を検出し、そのブレーキ操作の状態が制
動油圧に反映されるように、制動油圧制御機構で実現す
べき状態を選択する。
上記請求項1記載の制動力制御装置において、前記制動
油圧調整手段が、ブレーキ操作速度に基づいて前記制動
油圧制御機構で実現すべき状態を選択する第2の制御状
態選択手段を備える制動力制御装置によっても達成され
る。
は、開始増圧手段による制動油圧の増圧が終了した後、
運転者によるブレーキ操作が制動油圧に反映されるよう
に適宜切り換えられる。運転者が制動油圧の増加を意図
する場合は正のブレーキ操作速度が発生する。また、運
転者が制動油圧の減少を意図する場合は負のブレーキ操
作速度が発生する。更に、運転者が制動油圧の保持を意
図する場合はブレーキ操作速度が“0”近傍の値とな
る。第2の制御状態選択手段は、ブレーキ操作速度に基
づいて、運転者の意図が制動油圧に反映されるように、
制動油圧制御機構で実現すべき状態を選択する。
上記請求項1記載の制動力制御装置において、前記制動
油圧制御機構の状態が変化した際のブレーキ操作量を、
開始時操作量として検出する開始時操作量検出手段を備
えると共に、前記制動油圧調整手段が、現実のブレーキ
操作量と前記開始時操作量との偏差およびブレーキ操作
速度に基づいて前記制動油圧制御機構で実現すべき状態
を選択する第3の制御状態選択手段と、前記偏差の絶対
値が所定値以上であり、かつ、前記ブレーキ操作速度の
絶対値が所定速度以上である場合に、その他の場合に比
して制動油圧の増減圧勾配を急峻とする増減圧勾配変更
手段と、を備える制動力制御装置によっても達成され
る。
は、開始増圧手段による制動油圧の増圧が終了した後、
運転者によるブレーキ操作が制動油圧に反映されるよう
に適宜切り換えられる。現実のブレーキ操作量と開始時
操作量との偏差、および、ブレーキ操作速度には、共に
運転者の意図が反映されている。第3の制御状態選択手
段は、上記の偏差およびブレーキ操作速度に基づいて、
運転者の意図が制動油圧に反映されるように制動油圧制
御機構で実現すべき状態を選択する。
ことを意図する場合は、ブレーキ操作に伴って、現実の
ブレーキ操作量と開始時操作量との間に大きな偏差が発
生すると共に、高速のブレーキ操作速度が発生する。増
減圧勾配変更手段は、上記の偏差およびブレーキ操作速
度から、運転者が急な勾配で制動油圧を増減させること
を意図していると判断できる場合には、他の場合に比し
て急な勾配で制動油圧が増減される状態を実現する。制
動油圧の増減勾配が上記の如く設定されると、運転者の
意図が正確に制動油圧に反映される。
が制動油圧の増減勾配を変更する手法には、制動油圧
制御機構でアシスト圧増圧状態またはアシスト圧減圧状
態を実現する期間と、アシスト圧保持状態を実現する期
間とのデューティ比を変更する手法、および、制動油圧
制御機構でアシスト圧増圧状態およびアシスト圧減圧状
態を実現した場合に得られる制動油圧の増減圧勾配を変
化させる手法の双方が含まれる。
如く、上記請求項1記載の制動力制御装置において、前
記制動油圧調整手段が、前記開始増圧手段による制動油
圧の増圧が終了した後に前記制動油圧制御機構で実現す
べき状態を、前記開始増圧手段による制動油圧の増圧が
終了した時点のブレーキ操作速度に基づいて選択する第
4の制御状態選択手段を備える制動力制御装置によって
も達成される。
油圧が終了された時点で正のブレーキ操作速度が発生し
ている場合は、その時点で、運転者が更に制動油圧を増
加させることを意図していると判断できる。また、開始
増圧手段による制動油圧が終了された時点で負のブレー
キ操作速度が発生している場合は、その時点で、運転者
が制動油圧を減少させることを意図していると判断でき
る。更に、開始増圧手段による制動油圧が終了した時点
で“0”近傍のブレーキ操作速度が生じている場合は、
その時点で、運転者が制動油圧を保持することを意図し
ていると判断できる。第4の制御状態選択手段は、これ
らの意図が反映されるように、開始増圧手段による制動
油圧が終了した時点におけるブレーキ操作速度に基づい
て、制動油圧制御機構で実現すべき状態を選択する。
するハイドロブースタ式制動力制御装置(以下、単に制
動力制御装置と称す)のシステム構成図を示す。本実施
例の制動力制御装置は、電子制御ユニット10(以下、
ECU10と称す)により制御されている。
備えている。ブレーキペダル12の近傍には、ブレーキ
スイッチ14が配設されている。ブレーキスイッチ14
は、ブレーキペダル12が踏み込まれることによりオン
信号を出力する。ブレーキスイッチ14の出力信号はE
CU10に供給されている。ECU10は、ブレーキス
イッチ14の出力信号に基づいてブレーキペダル12が
踏み込まれているか否かを判別する。
6に連結されている。マスタシリンダ16の上部にはリ
ザーバタンク18が配設されている。リザーバタンク1
8には、ブレーキフルードをリザーバタンク18に還流
させるためのリターン通路20が連通している。リザー
バタンク18には、また、供給通路22が連通してい
る。供給通路22はポンプ24の吸入側に連通してい
る。ポンプ24の吐出側には、アキュムレータ通路26
が連通している。アキュレータ通路26と供給通路22
との間には、アキュムレータ通路26に過剰な圧力が生
じた場合に開弁する定圧開放弁27が配設されている。
から吐出される油圧を蓄えるためのアキュムレータ28
が連通している。アキュムレータ通路26には、また、
上限側圧力スイッチ30および下限側圧力スイッチ32
が接続されている。上限側圧力スイッチ30は、アキュ
ムレータ通路26の圧力(以下、アキュムレータ圧P
ACC と称す)が所定の上限値を超える場合にオン出力を
発生する。一方、下限側圧力スイッチ32は、アキュム
レータ圧PACC が所定の下限値を超える場合にオン出力
を発生する。
らオン出力が発せられた後、上限側圧力スイッチ30に
よってオン出力が発せられるまで、すなわち、アキュム
レータ圧PACC が下限値を下回った後、上限値に到達す
るまでオン状態とされる。このため、アキュムレータ圧
PACC は常に上限値と下限値との間に維持される。マス
タシリンダ16には、レギュレータ34が一体に組み込
まれている。レギュレータ34には、アキュムレータ通
路26が連通している。以下、マスタシリンダ16とレ
ギュレータ34とを総称してハイドブースタ36と称
す。
示す。ハイドロブースタ36は、ハウジング38を備え
ている。ハウジング38の内部には第1ピストン40が
配設されている。第1ピストン40は、大径部42およ
び小径部44を備えている。ハウジング38の内部に
は、第1ピストン40のブレーキペダル12側にアシス
ト油圧室46が形成されていると共に、小径部44の周
囲に大気圧室48が形成されている。大気圧室48は、
リザーバタンク18と常時連通している。
50が配設されている。第2ピストン50は、大径部5
2とスプール部54とを備えている。ハウジング38の
内部には、第1ピストン40と第2ピストン50との間
に第1油圧室56が形成されていると共に、スプール部
54を取り巻くように第2油圧室58が形成されてい
る。第1油圧室56には、第1ピストン40および第2
ピストン50を離間方向に付勢するスプリング60が配
設されている。第2油圧室58は、液圧通路62を介し
てアシスト油圧室46と連通している。
アキュムレータ通路26に連通し、かつ、他端がスプー
ル部54の外周面に開口する高圧通路64が形成されて
いる。スプール部54は、図1に於ける左方向に変位す
ることにより高圧通路64と第2油圧室58とを導通状
態とし、図1に於ける右方向に変位することにより高圧
通路64と第2油圧室58とを遮断状態とする。
配設されている。弁機構66は、弁座68、弁体70、
および、スプリング72を備えている。弁座68の周囲
には、リザーバタンク18に連通する大気圧室74が形
成されている。また、弁座68の端面には、第2油圧室
58に連通する調圧通路76が開口している。弁座68
の内部には、大気圧室74と調圧通路76とを連通する
油路が形成されている。弁体70は、第2ピストン50
が図1に於ける右側変位端、すなわち、原位置に位置す
る場合にその油路を導通状態とし、かつ、第2ピストン
50が原位置から図1に於ける左方向へ変位している場
合にその油路を遮断状態とする。
端面から僅かに離間した位置にリアクションディスク7
8が配設されている。リアクションディスク78は、ハ
ウジング38の内部に、調圧通路76に連通する反力室
80を隔成している。リアクションディスク78は弾性
を有する部材で構成されており、反力室80に高圧の油
圧が導かれると、弾性変形することにより弁機構66と
当接する。
えられていない場合は、第1ピストン40および第2ピ
ストン50が共に原位置、すなわち、図2に於ける右側
変位端に保持される。この場合、弁機構66を介して調
圧通路76とリザーバタンク18とが導通状態とされる
ため、第2油圧室58が大気圧に調圧される。第2油圧
室58が大気圧に調圧されると、液圧通路62を介して
第2油圧室に連通するアシスト油圧室46、および、第
1ピストン40と第2ピストン50との間に形成される
第1油圧室56は同様に大気圧に調圧される。
えられると、第1ピストン40および第2ピストン50
は、それらの原位置から図2に於ける左方向へ変位す
る。第2ピストン50に左向きの変位が生ずると、先ず
弁機構66が閉弁状態となり、調圧通路76とリザーバ
タンク18とが遮断状態とされる。第2ピストン50が
更に左向きに変位すると、スプール部54を介して高圧
通路64と第2油圧室58とが導通状態とされる。
態となると、アキュムレータ圧PAC C が第2油圧室58
に導かれることにより第2油圧室58の内圧(以下、こ
の圧力をレギュレータ圧PREと称す)が昇圧する。レギ
ュレータ圧PREはアシスト油圧室46に導かれる。この
ため、レギュレータ圧PREが昇圧すると、第1ピストン
40には、ブレーキ踏力Fに加えてそのレギュレータ圧
PREに応じたアシスト力Faが加えられる。
タ圧PREが第1ピストン40に作用する面積をS1 とす
ると、アシスト力Faは次式の如く表すことができる。 Fa=S1 ×PRE ・・・(1) この場合、第1油圧室56には、ブレーキ踏力Fとレギ
ュレータ圧PREとに応じた油圧(以下、この圧力をマス
タシリンダ圧PM/C と称す)が発生する。第1ピストン
40の小径部44の断面積をS2 とすると、マスタシリ
ンダ圧PM/C は、ブレーキ踏力F、および、レギュレー
タ圧PREを用いて次式の如く表すことができる。
ストン58を押圧する力FM/C は、第2ピストン50の
大径部52の面積をS2 とすると、次式の如く表すこと
ができる。 FM/C =PM/C ×S2 =F+S1 ×PRE ・・・(3) また、第2油圧室58にレギュレータ圧PREが発生した
場合に、第2油圧室58内のブレーキフルードが第2ピ
ストン58を押圧する力FREは、第2油圧室58内のレ
ギュレータ圧PREが第2ピストン58に作用する面積を
S3 とすると、次式の如く表すことができる。
室80にも導かれる。第2ピストン50が、弁機構66
とリアクションディスク78とが当接するまで図2に於
ける右向きに変位すると、第2ピストン50には、リア
クションディスク78を介してレギュレータ圧PREに応
じた反力Frが伝達される。反力Frは、所定値Kを用
いて次式の如く表すことができる。
上記(3)〜(5)式に示すFM/C 、FRE、および、F
rに次式の関係が成立する間は第2ピストン50が原位
置から図2に於ける左方向に変位する。FM/C >FRE+
Fr ・・・
(6)この場合、第2油圧室58が高圧通路64と導通
状態に維持されるため、レギュレータ圧PREは徐々に上
昇する。
えられた後、上記(3)〜(5)式に示すFM/C 、
FRE、および、Frに次式の関係が成立する状態が形成
されると、第2ピストン50は原位置に向けて押し戻さ
れる。 FM/C <FRE+Fr ・・・(7) 第2ピストン50が原位置に向けて押し戻されると、第
2油圧室58が高圧通路64から遮断されるため、レギ
ュレータ圧PREの昇圧が停止される。このため、ハイド
ロブースタ36によれば、ブレーキペダル12にブレー
キ踏力が加えられた後、次式の関係が満たされるように
レギュレータ圧PREが調圧される。
用いて次式の如く書き換えることができる。 PRE=F/(S3 +K−S1 ) ・・・(9) 本実施例において、ハイドロブースタ36は、上記
(9)式中“1/(S3 +K−S1 )”が所定の倍力比
となるように、かつ、レギュレータ圧PREとマスタシリ
ンダ圧PM/C とがほぼ等圧となるように設計されてい
る。このため、ハイドロブースタ36によれば、ブレー
キペダル12にブレーキ踏力Fが加えられた場合に、第
1油圧室56および第2油圧室58に、ブレーキ踏力F
に対して所定の倍力比を有する液圧(マスタシリンダ圧
PM/C およびレギュレータ圧PRE)を発生させることが
できる。
スタ36によって生成される液圧、すなわち、第1油圧
室56で生成されるマスタシリンダ圧PM/C 、および、
第2油圧室58で生成されるレギュレータ圧PREを総称
して、マスタシリンダ圧PM/ C と称す。図1に示す如
く、ハイドロブースタ36の第1油圧室56、および、
第2油圧室58には、それぞれ第1液圧通路82、およ
び、第2液圧通路84が連通している。第1液圧通路8
2には、第1アシストソレノイド86(以下、SA-18
6と称す)および第2アシストソレノイド88(以下、
SA-288と称す)が連通している。一方、第2液圧通
路84には、第3アシストソレノイド90(以下、SA
-390と称す)が連通している。
制御圧通路92が連通している。制御圧通路92は、レ
ギュレータ切り換えソレノイド94(以下、STR94
と称す)を介してアキュムレータ通路26に連通してい
る。STR94は、オフ状態とされることでアキュムレ
ータ通路26と制御圧通路92とを遮断状態とし、か
つ、オン状態とされることでそれらを導通状態とする2
位置の電磁弁である。
けられた液圧通路96が連通している。同様に、SA-2
88には、左前輪FLに対応して設けられた液圧通路9
8が連通している。SA-186は、オフ状態とされるこ
とで液圧通路96を第1液圧通路82に導通させる第1
の状態を実現し、かつ、オン状態とされることで液圧通
路96を制御圧通路92に導通させる第2の状態を実現
する2位置の電磁弁である。また、SA-288は、オフ
状態とされることで液圧通路98を第1液圧通路82に
導通させる第1の状態を実現し、かつ、オン状態とされ
ることで液圧通路98を制御圧通路92に導通させる第
2の状態を実現する2位置の電磁弁である。
応して設けられた液圧通路100が連通している。SA
-390は、オフ状態とされることで第2液圧通路84と
液圧通路100とを導通状態とし、かつ、オン状態とさ
れることでそれらを遮断状態とする2位置の電磁弁であ
る。第2液圧通路84と液圧通路100との間には、第
2液圧通路84側から液圧通路100側へ向かうフルー
ドの流れのみを許容する逆止弁102が配設されてい
る。
右前輪保持ソレノイド104(以下、SFRH104と
称す)が連通している。同様に、左前輪FLに対応する
液圧通路96には左前輪保持ソレノイド106(以下、
SFLH106と称す)が、左右後輪RL,RRに対応
する液圧通路100には右後輪保持ソレノイド108
(以下、SRRH108と称す)および左後輪保持ソレ
ノイド110(以下、SRLH110と称す)が、それ
ぞれ連通している。以下、これらのソレノイドを総称す
る場合は「保持ソレノイドS**H」と称す。
ド112(以下、SFRR112と称す)が連通してい
る。同様に、SFLH106、SRRH108およびS
RLH110には、それぞれ左前輪減圧ソレノイド11
4(以下、SFLR114と称す)、右後輪減圧ソレノ
イド116(以下、SRRR116と称す)および左後
輪減圧ソレノイド118(以下、SRLR118と称
す)が、それぞれ連通している。以下、これらのソレノ
イドを総称する場合には「減圧ソレノイドS**R」と
称す。
ホイルシリンダ120が連通している。同様に、SFL
H106には左前輪FLのホイルシリンダ122が、S
RRH108には右後輪RRのホイルシリンダ124
が、また、SRLH110には左後輪RLのホイルシリ
ンダ126がそれぞれ連通している。更に、液圧通路9
6とホイルシリンダ120との間には、SFRH104
をバイパスしてホイルシリンダ120側から液圧通路9
6へ向かうフルードの流れを許容する逆止弁128が配
設されている。同様に、液圧通路98とホイルシリンダ
122との間、液圧通路100とホイルシリンダ124
との間、および、液圧通路100とホイルシリンダ12
6との間には、それぞれSFLH106、SRRH10
8およびSRLH110をバイパスするフルードの流れ
を許容する逆止弁130,132,134が配設されて
いる。
により液圧通路96とホイルシリンダ120とを導通状
態とし、かつ、オン状態とされることによりそれらを遮
断状態とする2位置の電磁弁である。同様に、SFLH
106、SRRH108およびSRLH110は、それ
ぞれオン状態とされることにより液圧通路98とホイル
シンダ122とを結ぶ経路、液圧通路100とホイルシ
ンダ124とを結ぶ経路、および、液圧通路100とホ
イルシンダ126とを結ぶ経路を遮断状態とする2位置
の電磁弁である。
R116およびSRLR118にはリターン通路20が
連通している。SFRR112は、オフ状態とされるこ
とによりホイルシリンダ120とリターン通路20とを
遮断状態とし、かつ、オン状態とされることによりホイ
ルシリンダ120とリターン通路20とを導通状態とす
る2位置の電磁弁である。同様に、SFLR114、S
RRR116およびSRLR118は、それぞれオン状
態とされることによりホイルシリンダ122とリターン
通路20とを結ぶ経路、ホイルシリンダ124とリター
ン通路20とを結ぶ経路、および、ホイルシリンダ12
6とリターン通路20とを結ぶ経路を導通させる2位置
の電磁弁である。
6が配設されている。車輪速センサ136は、右前輪F
Rの回転速度に応じた周期でパルス信号を出力する。同
様に、左前輪FLの近傍、右後輪RRの近傍、および、
左後輪RLの近傍には、それぞれ対応する車輪の回転速
度に応じた周期でパルス信号を出力する車輪速センサ1
38,140,142が配設されている。車輪速センサ
136〜142の出力信号はECU10に供給されてい
る。ECU10は、車輪速センサ136〜142の出力
信号に基づいて各車輪の回転速度VW を検出する。
連通する第2液圧通路84には、液圧センサ144が配
設されている。液圧センサ144は、第2油圧室58の
内部に発生する液圧、すなわち、ハイドロブースタ36
によって生成されるマスタシリンダ圧PM/C に応じた電
気信号を出力する。液圧センサ144の出力信号はEC
U10に供給されている。ECU10は、液圧センサ1
44の出力信号に基づいてマスタシリンダ圧PM/C を検
出する。
説明する。本実施例の制動力制御装置は、油圧回路内に
配設された各種の電磁弁の状態を切り換えることによ
り、通常のブレーキ装置としての機能、アンチロッ
クブレーキシステムとしての機能、および、制動力の
速やかな立ち上がりが要求される場合に通常時に比して
大きな制動力を発生させる機能(ブレーキアシスト機
能)を実現する。
能(以下、通常ブレーキ機能と称す)を実現するための
制動力制御装置の状態を示す。すなわち、通常ブレー
キ機能は、図1に示す如く、制動力制御装置が備える全
ての電磁弁をオフ状態とすることにより実現される。以
下、図1に示す状態を通常ブレーキ状態と称す。また、
制動力制御装置において通常ブレーキ機能を実現させる
ための制御を通常ブレーキ制御と称す。
ルシリンダ120,122は、第1液圧通路82を介し
てハイドロブースタ34の第1油圧室56に連通してい
る。また、左右後輪RL,RRのホイルシリンダ12
4,126は、第2液圧通路84を介してハイドロブー
スタ36の第2油圧室58に連通している。この場合、
ホイルシリンダ120〜126のホイルシリンダ圧P
W/C は、常にマスタシリンダ圧PM/C と等圧に制御され
る。従って、図1示す状態によれば、通常ブレーキ機能
が実現される。
としての機能(以下、ABS機能と称す)を実現するた
めの制動力制御装置の状態を示す。すなわち、ABS
機能は、図3に示す如く、SA-186およびSA-288
をオン状態とし、かつ、ABSの要求に応じて保持ソレ
ノイドS**Hおよび減圧ソレノイドS**Rを適当に
駆動することにより実現される。以下、図3に示す状態
をABS作動状態と称す。また、制動力制御装置におい
てABS機能を実現させるための制御をABS制御と称
す。
つ、何れかの車輪について過剰なスリップ率が検出され
た場合にABS制御を開始する。ABS制御中は、前輪
に対応して設けられた液圧通路96,98が、後輪に対
応して設けられた液圧通路100と同様にハイドロブー
スタ36の第2油圧室58に連通する。従って、ABS
制御中は、全ての車輪のホイルシリンダ圧PW/C が第2
油圧室58を液圧源として昇圧される。
**Hを開弁状態とし、かつ、減圧ソレノイドS**R
を閉弁状態とすると、各車輪のホイルシリンダ圧PW/C
を増圧することができる。以下、この状態を (i)増圧モ
ードと称す。また、ABS制御中に保持ソレノイドS*
*Hおよび減圧ソレノイドS**Rの双方を閉弁状態と
すると、各車輪のホイルシリンダ圧PW/C を保持するこ
とができる。以下、この状態を(ii)保持モードと称す。
更に、ABS制御中に保持ソレノイドS**Hを閉弁状
態とし、かつ、減圧ソレノイドS**Rを開弁状態とす
ると、各車輪のホイルシリンダ圧PW/C を減圧すること
ができる。以下、この状態を (iii)減圧モードと称す。
スリップ状態に応じて、各車輪毎に適宜上記の (i)増圧
モード、(ii)保持モード、および、 (iii)減圧モードが
実現されるように、保持ソレノイドS**Hおよび減圧
ソレノイドS**Rを制御する。保持ソレノイドS**
Hおよび減圧ソレノイドS**Rが上記の如く制御され
ると、全ての車輪のホイルシリンダ圧PW/C は、対応す
る車輪に過大なスリップ率を発生させることのない圧力
に制御される。従って、上記の制御によれば、制動力制
御装置においてABS機能を実現することができる。
われる毎にホイルシリンダ120〜126内のブレーキ
フルードがリターン通路20に排出される。そして、各
車輪で増圧モードが行われる毎にハイドロブースタ36
からホイルシリンダ120〜126にブレーキフルード
が供給される。このため、ABS制御中は通常ブレーキ
時に比して多量のブレーキフルードがハイドロブースタ
36から流出する。
は、アキュムレータ28のような液圧源が連通していな
い。このため、ABS制御の実行中に第1油圧室56が
液圧源として用いられると、第1油圧室56内部のブレ
ーキフルードが多量に流出して、その結果、ブレーキペ
ダル12に過大なストロークが生ずる事態が生ずる。こ
れに対して、本実施例のシステムにおいては、ABS制
御中に、スプール部54を介してアキュムレータ28に
連通する第2油圧室58が液圧源として用いられる。こ
のため、本実施例のシステムによれば、ABS制御の実
行中にブレーキペダル12に過大なストロークが生ずる
ことはない。
(以下、BA機能と称す)を実現するための制動力制御
装置の状態を示す。ECU10は、運転者によって制動
力の速やかな立ち上がりを要求するブレーキ操作、すな
わち、緊急ブレーキ操作が実行された後に図4乃至図6
に示す状態を適宜実現することでBA機能を実現する。
以下、制動力制御装置において、BA機能を実現させる
ための制御をBA制御と称す。
シスト圧増圧状態を示す。アシスト圧増圧状態は、BA
制御の実行中に各車輪のホイルシリンダ圧PW/C を増圧
させる必要がある場合に実現される。本実施例のシステ
ムにおいて、アシスト圧増圧状態は、図4に示す如く、
SA-186、SA-288、SA-390およびSTR94
をオン状態とすることで実現される。
リンダ120〜126がSTR94を介してアキュムレ
ータ通路26に連通する。従って、アシスト圧増圧状態
を実現すると、全ての車輪のホイルシリンダ圧P
W/C を、アキュムレータ28を液圧源として昇圧するこ
とができる。アキュムレータ28には、高圧のアキュム
レータ圧PACC が蓄えられている。このため、アシスト
圧増圧状態によれば、全ての車輪のホイルシリンダ圧P
W/C を、マスタシリンダ圧PM/C に比して高圧に昇圧す
ることができる。
において、液圧通路96,98,100は、上記の如く
アキュムレータ通路26に連通していると共に、逆止弁
102を介して第2液圧通路84に連通している。この
ため、第2液圧通路84に導かれるマスタシリンダ圧P
M/C が各車輪のホイルシリンダ圧PW/C に比して大きい
場合は、アシスト圧増圧状態においてもハイドロブース
タ36を液圧源としてホイルシリンダ圧PW/C を昇圧す
ることができる。
シスト圧保持状態を示す。アシスト圧保持状態は、BA
制御の実行中に各車輪のホイルシリンダ圧PW/C を保持
する必要がある場合に実現される。アシスト圧保持状態
は、図5に示す如く、SA-186、SA-288、SA-3
90およびSTR94をオン状態とした状態で、更に、
全ての保持ソレノイドS**Hをオン状態(閉弁状態)
とすることで実現される。
タ36とホイルシリンダ120〜126とが遮断状態と
され、リターン通路20とホイルシリンダ120〜12
6とが遮断状態とされ、かつ、アキュムレータ28から
ホイルシリンダ120〜126へ向かうフルードの流れ
が阻止される。このため、アシスト圧保持状態によれ
ば、全ての車輪のホイルシリンダ圧PW/C を一定値に保
持することができる。
シスト圧減圧状態を示す。アシスト圧減圧状態は、BA
制御の実行中に各車輪のホイルシリンダ圧PW/C を減圧
する必要がある場合に実現される。アシスト圧減圧状態
は、図6に示す如く、SA-186およびSA-288をオ
ン状態とすることで実現される。アシスト圧減圧状態で
は、アキュムレータ28とホイルシリンダ120〜12
6とが遮断状態とされ、リターン通路20とホイルシリ
ンダ120〜126とが遮断状態とされ、かつ、ハイド
ロブースタ36とホイルシリンダ120〜126とが導
通状態とされる。このため、アシスト圧減圧状態によれ
ば、全ての車輪のホイルシリンダ圧PW/C を、マスタシ
リンダ圧PM/C を下限値として減圧することができる。
て、運転者によって緊急ブレーキ操作が実行された場合
に実現されるタイムチャートの一例を示す。図7(A)
に示す曲線は、運転者によって緊急ブレーキ操作が行わ
れた場合に、単位時間当たりのマスタシリンダ圧PM/C
の変化量ΔPM/C (以下、変化速度ΔPM/C と称す)に
生ずる変化の一例を示す。また、図7(B)中に破線で
示す曲線および実線で示す曲線は、同様の状況下で、そ
れぞれマスタシリンダ圧PM/C およびホイルシリンダ圧
PW/C に生ずる変化の一例を示す。本実施例のシステム
において、マスタシリンダ圧PM/C およびその変化速度
ΔPM/C は、それぞれブレーキペダル12の操作量、お
よび、ブレーキペダル12の操作速度の特性値である。
ると、図7(B)中に破線で示す如く、マスタシリンダ
圧PM/C は、ブレーキ操作が開始された後適当な圧力ま
で速やかに昇圧される。この際、マスタシリンダ圧P
M/C の変化速度ΔPM/C は、図7(A)に示す如く、ブ
レーキ操作が開始された後マスタシリンダ圧PM/C が急
増する時期と同期して最大値ΔPMAX に向かって増加
し、また、マスタシリンダ圧PM/C が適当な圧力に収束
する時期と同期して“0”近傍の値に減少する。
緊急ブレーキ操作が検出された場合にBA制御を実行す
る。ECU10は、運転者によって緊急ブレーキ操作が
実行されたか否かを判別するに当たり、先ず、所定速度
を超えるブレーキペダル12の操作を、具体的には、第
1の所定速度THΔP1を超える変化速度ΔPM/C を検
出する。ECU10は、ΔPM/C >THΔP1を満たす
変化速度ΔPM/C を検出すると、緊急ブレーキ操作が実
行された可能性があると判断して、第1スタンバイ状態
へ移行する(図7(B)中期間)。
した後、マスタシリンダ圧PM/C の変化速度ΔPM/C が
第2の所定速度THΔP2以下となるまでの時間t2 −
t1=CSTANBY1を計数する。そして、ECU1
0は、経過時間CSTANBY1が所定範囲内にある場
合は、運転者によって緊急ブレーキ操作が実行されたと
判断して第2スタンバイ状態に移行する(図7(B)中
期間)。
タシリンダ圧PM/C に急激な昇圧が生じている間は、マ
スタシリンダ圧PM/C とホイルシリンダ圧PW/C との間
に大きな偏差Pdiffが発生する。かかる状況下では、ハ
イドロブースタ36を液圧源とする方が、アキュムレー
タ28を液圧源とするよりもホイルシリンダ圧PW/Cを
速やかに立ち上げることができる。
が行われた後、偏差Pdiffが十分に小さな値となるまで
の間は、通常ブレーキ制御を維持する方がBA制御を開
始するよりも、速やかにホイルシリンダ圧PW/C を立ち
上げることができる。このため、ECU10は、上述し
た第2スタンバイ状態に移行した後、偏差Pdiffが十分
に小さな値となった時点でBA制御を開始する。BA制
御がかかるタイミングで開始されると、緊急ブレーキ操
作が開始された後、ホイルシリンダ圧PW/C を効率良く
速やかに昇圧させることができる。
制御が開始されると、先ず (I)開始増圧モードが実行さ
れる(図7(B)中期間)。 (I)開始増圧モードは、
所定の増圧時間TSTA の間、上記図4に示すアシスト圧
増圧状態を維持することにより実現される。上述の如
く、アシスト圧増圧状態によれば、各車輪のホイルシリ
ンダ圧PW/C がアキュムレータ28を液圧源としてマス
タシリンダ圧PM/C を超える圧力に昇圧される。従っ
て、BA制御が開始されると、 (I)開始増圧モードの実
行に伴って、各車輪のホイルシリンダ圧PW/C が速やか
にマスタシリンダ圧PM/C を超える圧力に昇圧される。
以下、BA制御の実行中に、ホイルシリンダ圧PW/C と
マスタシリンダ圧PM/C との間に生ずる差圧をアシスト
圧Paと称す。
急ブレーキ操作の過程でマスタシリンダ圧PM/C に生じ
た変化速度ΔPM/C の最大値ΔPMAX に基づいて演算さ
れる。具体的には、増圧時間TSTA は、変化速度ΔP
M/C の最大値ΔPMAX が大きいほど長時間に設定され、
また、その最大値ΔPMAX が小さいほど短時間に設定さ
れる。
転者が制動力を速やかに立ち上げることを意図するほど
大きな値となる。従って、最大値ΔPMAX が大きな値で
ある場合は、BA制御が開始された後、ホイルシリンダ
圧PW/C をマスタシリンダ圧PM/C に比して大きく増圧
させることが適切である。増圧時間TSTA が、最大値Δ
PMAX に基づいて上記の如く設定されると、運転者が制
動力を速やかに立ち上げること意図するほど、緊急ブレ
ーキ操作が検出された後、ホイルシリンダ圧PW/C をマ
スタシリンダ圧PM/C に比して大きく増圧させること、
すなわち、大きなアシスト圧Paを発生させることがで
きる。従って、本実施例の制動力制御装置によれば、
(I)開始増圧モードの実行が開始された後、運転者の意
図が正確に反映されたホイルシリンダ圧PW/C を速やか
に発生させることができる。
開始増圧モードが終了すると、以後、運転者のブレーキ
操作に対応して、(II)アシスト圧増圧モード、 (III)ア
シスト圧減圧モード、(IV)アシスト圧保持モード、 (V)
アシスト圧緩増モード、および、(VI)アシスト圧緩減モ
ードの何れかが実行される。BA制御の実行中に、マス
タシリンダ圧PM/C が急激に増圧されている場合は、運
転者が更に大きな制動力を要求していると判断できる。
本実施例の制動力制御装置では、この場合、(II)アシス
ト圧増圧モードが実行される(図7(B)中期間)。
(II)アシスト圧増圧モードは、上述した (I)開始増圧モ
ードと同様に、制動力制御装置をアシスト圧増圧状態と
することで実現される。アシスト圧増圧状態によれば、
各車輪のホイルシリンダ圧PW/C をアキュムレータ圧P
ACC に向けて速やかに昇圧させることができる。従っ
て、上記の処理によれば、運転者の意図を正確にホイル
シリンダ圧PW/C に反映させることができる。
M/C が急激に減圧されている場合は、運転者が制動力を
速やかに低下させることを意図していると判断できる。
本実施例では、この場合、 (III)アシスト圧減圧モード
が実行される(図7(B)中期間)。 (III)アシスト
圧減圧モードは、上記図6に示すアシスト圧減圧状態を
維持することにより実現される。アシスト圧減圧状態に
よれば、上述の如く、各車輪のホイルシリンダ圧PW/C
をマスタシリンダ圧PM/C に向けて速やかに減圧させる
ことができる。従って、上記の処理によれば、運転者の
意図を正確にホイルシリンダ圧PW/C に反映させること
ができる。
M/C がほぼ一定値に維持されている場合は、運転者が制
動力を保持することを意図していると判断できる。本実
施例では、この場合、(IV)アシスト圧保持モードが実行
される(図7(B)中期間および)。(IV)アシスト
圧保持モードは、上記図5に示すアシスト圧保持状態を
維持することにより実現される。アシスト圧保持状態に
よれば、上述の如く、各車輪のホイルシリンダ圧PW/C
を一定値に維持することができる。従って、上記の処理
によれば、運転者の意図を正確にホイルシリンダ圧P
W/C に反映させることができる。
M/C が緩やかに増圧されている場合は、運転者が制動力
を緩やかに立ち上げることを意図していると判断でき
る。本実施例では、この場合、 (V)アシスト圧緩増モー
ド(図示せず)が実行される。 (V)アシスト圧緩増モー
ドは、上記図4に示すアシスト圧増圧状態と上記図5に
示すアシスト圧保持状態とを繰り返すことにより実現さ
れる。 (V)アシスト圧緩増モードによれば、各車輪のホ
イルシリンダ圧PW/C をアキュムレータ圧PACC に向け
て段階的に昇圧させることができる。従って、上記の処
理によれば、運転者の意図を正確にホイルシリンダ圧P
W/C に反映させることができる。
M/C が緩やかに減圧されている場合は、運転者が制動力
を緩やかに低下させることを意図していると判断でき
る。本実施例では、この場合(VI)アシスト圧緩減モード
が実行される(図7(B)中期間)。(VI)アシスト圧
緩減モードは、上記図6に示すアシスト圧減圧状態と上
記図5に示すアシスト圧保持状態とを繰り返すことによ
り実現される。(VI)アシスト圧緩減モードによれば、各
車輪のホイルシリンダ圧PW/C をマスタシリンダ圧P
M/C に向けて段階的に減圧させることができる。従っ
て、上記の処理によれば、運転者の意図を正確にホイル
シリンダ圧PW/C に反映させることができる。
ブレーキ操作が実行された後速やかに、運転者の意図が
正確に反映されたアシスト圧Paを発生させることがで
きる。このため、本実施例の制動力制御装置によれば、
運転者の意図に応じて制動力の立ち上がり傾向を変化さ
せることができる。また、上記の処理によれば、 (I)開
始増圧モードによってアシスト圧Paが発生された後、
運転者によってブレーキ操作がなされた場合に、そのブ
レーキ操作に対応してホイルシリンダ圧PW/C を増減さ
せることができる。このため、上記の処理によれば、B
A制御の実行中常に、アシスト圧Paをほぼ一定の値に
維持しつつ、ホイルシリンダ圧PW/C に適正に運転者の
意図を反映させることができる。
れると、その後、各車輪のホイルシリンダ圧PW/C が速
やかに昇圧されることにより、何れかの車輪について過
剰なスリップ率が生ずる場合がある。ECU10は、こ
のような場合には、BA制御に加えてABS制御を実行
する。以下、この制御をBA+ABS制御と称す。BA
+ABS制御は、上記図4乃至図6に示す何れかの状態
を実現しつつ、過剰なスリップ率の生じた車輪(以下、
ABS対象車輪と称す)について、適宜上述した(i) 増
圧モード、(ii)保持モード、および、(iii) 減圧モード
が実現されるように、保持ソレノイドS**Hおよび減
圧ソレノイドS**Rを制御することで実現される。
状態、または、上記図5に示すアシスト圧保持状態が実
現されている場合は、保持ソレノイドS**Hの全てに
アキュムレータ圧PACC が供給される。このような状況
下では、保持ソレノイドS**Hおよび減圧ソレノイド
S**Rを適当に制御することで、全ての車輪につい
て、(ii)保持モード、 (iii)減圧モード、および、ホイ
ルシリンダ圧PW/C をマスタシリンダ圧PM/C を超える
圧力に昇圧することを目的とする (i)増圧モードを実現
することができる。従って、上記図4および図5に示す
何れかの状態が実現されている場合は、ABS制御の要
求に応じて保持ソレノイドS**Hおよび減圧ソレノイ
ドS**Rを制御することで、BA+ABS制御を実現
することができる。
が実現されている場合は、保持ソレノイドS**Hの全
てにマスタシリンダ圧PM/C が供給されている。この場
合、全ての車輪について(ii)保持モードおよび (iii)減
圧モードを実現することができる。ところで、上記図6
に示すアシスト圧減圧状態は、運転者が制動力の減少を
意図している場合に、すなわち、何れの車輪のホイルシ
リンダ圧PW/C も増圧する必要がない場合に実現され
る。従って、上記図6に示すアシスト圧減圧状態が実現
されている場合に、ABS対象車輪について(ii)保持モ
ードおよび (iii)減圧モードが実現できれば、適正にB
A+ABS制御の要求を満たすことができる。
よれば、BA制御が開始された後、上記図4乃至図6に
示す何れかの状態を実現しつつ、ABS制御の要求に応
じて保持ソレノイドS**Hおよび減圧ソレノイドS*
*Rを制御することにより、BA+ABS制御を実現す
ることができる。上述したBA+ABS制御によれば、
アキュムレータ28を液圧源として、全ての車輪のホイ
ルシリンダ圧PW/C を対応する車輪に過大なスリップ率
を発生させることのない適当な圧力に制御することがで
きる。
たBA制御を実現すべくECU10が実行する処理の内
容について説明する。図8は、第1スタンバイ状態に移
行するための条件判定、および、第1スタンバイ状態を
維持するための条件判定を行うべくECU10が実行す
る制御ルーチンの一例のフローチャートを示す。図8に
示すルーチンは、所定時間毎に起動される定時割り込み
ルーチンである。図8に示すルーチンが起動されると、
先ずステップ200の処理が実行される。
Y1がオン状態であるか否かが判別される。XSTAN
BY1は、第1スタンバイ状態に移行するための条件が
成立することによりオン状態とされるフラグである。従
って、第1スタンバイ状態に移行するための条件が成立
していない場合は、XSTANBY1=ONが不成立で
あると判別される。この場合、次にステップ202の処
理が実行される。
じて第1の所定量THP1、第1の所定速度THΔP
1、および、ノイズカット値THNCが設定される。第
1の所定量THP1、第1の所定速度THΔP1、およ
び、ノイズカット値THNCは、第1スタンバイ状態へ
の移行条件を判別するために用いられるしきい値であ
る。すなわち、本実施例において、第1スタンバイ状態
への移行条件は、後述の如く、マスタシリンダ圧PM/C
およびその変化速度ΔPM/C が、PM/C ≧THP1、お
よび、THΔP1<ΔPM/C <THNCの双方の条件を
満たす場合に成立したと判断される。
THΔP1、および、THNCは、車速SPDと、ブレ
ーキスイッチ14がオン状態とされた後の経過時間T
STOPとに基づいて、下記表1に示す如く設定される。
如く、車速SPDが所定速度V0 以上である場合は所定
量THP1Lに設定される。また、車速SPDが所定速
度V 0 に満たない場合は所定量THP1Hに設定され
る。THP1LおよびTHP1Hは、THP1L<TH
P1Hの関係が成立するように設定されている。第1の
所定量THP1が上記表1に示す値に設定されると、第
1スタンバイ状態への移行条件の1つであるPM/C ≧T
HP1は、高速走行時に成立し易く、かつ、低速走行時
に成立し難くなる。
速走行中である場合に比して、制動力を速やかに立ち上
げる必要正に乏しい。また、低速走行中は、高速走行中
に比して制動時に減速加速度を感じ易い。このため車両
が低速走行中である場合は、車両が高速走行中である場
合に比してBA制御が開始され難いことが適切である。
第1の所定量THP1を上記表1に示す値に設定するこ
とによれば、かかる要求を実現することができる。
示す如く、車速SPDが所定速度V 0 以上であり、か
つ、ブレーキスイッチ14がオン状態とされた後の経過
時間T STOPが所定時間T0 に達していない場合は所定速
度THΔP1Hに設定される。また、車速SPDが所定
速度V0 に満たない場合は所定速度THΔP1Mに設定
される。THΔP1HおよびTHΔP1Mは、THΔP
1H<THΔP1Mの関係が成立するように設定されて
いる。第1の所定速度THΔP1が上記の如く設定され
ると、第1スタンバイ状態への移行条件の1つであるT
HΔP1≦PM/Cは、高速走行時に成立し易く、かつ、
低速走行時に成立し難くなる。
変動が大きいため、BA制御が実行されることにより、
車両の乗員が大きな減速Gを感じ易い。第1の所定速度
THΔP1Mを上記の如く設定して、低速時におけるス
タンバイ状態への移行条件を成立し難くすると、BA制
御が実行されることにより、不必要に乗員が大きな減速
Gを感ずるのを防止することができる。
表1に示す如く、車速SPDが所定速度V0 以上であ
り、かつ、ブレーキスイッチ14がオン状態とされた後
の経過時間TSTOPが所定時間T0 以上である場合、すな
わち、ブレーキ操作が開始された後、T0 時間が経過し
ている場合は、所定速度THΔP1Lに設定される。T
HΔP1Lは、THΔP1Mに比して更に小さな値であ
る。第1の所定速度THΔP1が上記の如く設定される
と、第1スタンバイ状態への移行条件の1つであるTH
ΔP1≦PM/C は、TSTOP≧T0 が成立した後におい
て、その以前に比して成立し易くなる。
た後、ある程度の時間が経過した時点で緊急ブレーキ操
作が開始されることがある。この場合は、緊急ブレーキ
操作が開始される時点で既にブレーキペダル12が踏み
込まれているため、緊急ブレーキ操作が開始された後に
生ずる変化速度ΔPM/C が高速になり難い。従って、こ
のような緊急ブレーキ操作を正確に検出するためには、
ブレーキ操作の開始時点からある程度の時間が経過した
後は、緊急ブレーキ操作の有無を判断するしきい値であ
る第1の所定速度THΔP1を、それ以前の値に比して
小さな値とすることが適切である。第1の所定速度TH
ΔP1を上記表1に示す値に設定することによれば、か
かる要求を実現することができる。
す如く、車速SPDが所定速度V0以上であり、かつ、
ブレーキ操作が開始された後の経過時間TSTOPが所定時
間T 0 に達していない場合は所定値THNCHに設定さ
れる。また、車速SPDが所定速度V0 以上であり、か
つ、経過時間TSTOPが所定時間T0 以上である場合、お
よび、車速SPDが所定速度V0 に満たない場合は所定
速度THNCLに設定される。THNCHおよびTHN
CLは、THNCH>THNCLの関係が成立するよう
に設定されている。
0 が成立しない場合は、上述の如く、緊急ブレーキ操作
に伴って大きな変化速度ΔPM/C が発生する。従って、
この場合は、比較的大きな変化速度ΔPM/C を有効デー
タとして扱うことが適切である。一方、SPD≧V0 お
よびTSTOP≧T0 の双方が成立する場合、および、SP
D<V0 が成立する場合は、上述の如く、緊急ブレーキ
操作に伴って変化速度ΔPM/C が大きな値となり難い。
従って、この場合は、比較的大きな変化速度ΔPM/C を
異常値として扱うことが適切である。ノイズカット値T
HNCを上記表1に示す値に設定することによれば、か
かる要求を実現することができる。
1、第1の所定速度THΔP1、および、ノイズカット
値THNCが設定されると、次にステップ204の処理
が実行される。ステップ204では、マスタシリンダ圧
PM/C が第1の所定量THP1以上であるか否かが判別
される。その結果、PM/C ≧THP1が成立しないと判
別される場合は、第1スタンバイ状態への移行条件が成
立していないと判断されて今回のルーチンが終了され
る。一方、PM/C ≧THP1が成立すると判別される場
合は、次にステップ206の処理が実行される。
M/C が、第1の所定速度THΔP1に比して大きく、か
つ、ノイズカット値THNCに比して小さいか否かが判
別される。その結果、THΔP1<ΔPM/C <THNC
が成立しないと判別される場合は、第1スタンバイ状態
への移行条件が成立していないと判断されて今回のルー
チンが終了される。一方、上記の条件が成立すると判別
される場合は、次にステップ208の処理が実行され
る。
への移行条件が成立したことを表すべく、フラグXST
ANBY1がオン状態とされる。本ステップ208の処
理が終了すると、今回のルーチンが終了される。上記ス
テップ208において、フラグXSTANBY1がオン
状態とされた後、本ルーチンが起動されると、上記ステ
ップ200でXSTANBY1=ONが成立すると判別
される。この場合、ステップ200に次いでステップ2
10の処理が実行される。
BY1をインクリメントする処理が実行される。カウン
タCSTANBY1は、第1スタンバイ状態への移行条
件が成立した後の経過時間を計数するためのカウンタで
ある。カウンタCSTANBY1の計数時間は、車両の
始動時にイニシャル処理により“0”にリセットされて
いる。本ステップ210の処理が終了すると、次にステ
ップ212の処理が実行される。
BY1に計数される時間が所定時間α以下であるか否か
が判別される。所定時間αは、緊急ブレーキ操作が実行
された場合に、変化速度ΔPM/C が大きな値に維持され
る時間に比して小さな値である。上記の判別の結果、C
STANBY1≦αが成立すると判別される場合は、次
にステップ214の処理が実行される。
所定値βを下回っているか否かが判別される。その結
果、ΔPM/C <βが成立する場合は、第1スタンバイ状
態への移行条件が成立した後、極めて短時間の後に、変
化速度ΔPM/C が小さな値となったと判断することがで
きる。この場合、運転者のブレーキ操作が緊急ブレーキ
操作ではなかったと判断され、次にステップ216の処
理が実行される。
を解除すべくフラグXSTANBY1をオフ状態とする
処理が実行される。本ステップ216の処理が実行され
ると、次にステップ218の処理が実行される。ステッ
プ218では、カウンタCSTANBY1の計数時間を
“0”にリセットする処理が実行される。本ステップ2
18の処理が終了すると、今回のルーチンが終了され
る。
でCSTANBY1≦αが成立しないと判別された場
合、および、上記ステップ214でΔPM/C <βが成立
しないと判別された場合は、第1スタンバイ状態への移
行条件が成立した後、極めて短時間の間に変化速度ΔP
M/C が小さな値に低下する現象が生じていないと判断す
ることができる。この場合、次にステップ220の処理
が実行される。
BY1の計数値が第2の所定時間THT2以上であるか
否かが判別される。第2の所定時間THT2は、第1ス
タンバイ状態への移行条件が成立した後、第1スタンバ
イ状態を維持する時間の上限値を定める値である。従っ
て、本ステップ220で、CSTANBY1≧THT2
が成立すると判別される場合は、第1スタンバイ状態の
継続時間が上限に達したと判断することができる。この
場合、次に、上記ステップ216および218の処理が
実行された後、今回のルーチンが終了される。一方、本
ステップ220で、CSTANBY1≧TH2が成立し
ないと判別される場合は、第1スタンバイ状態の継続時
間が未だ上限に達していないと判断することができる。
この場合、次にステップ222の処理が実行される。
Y2がオン状態であるか否かが判別される。フラグXS
TANBY2は、後述する他のルーチンにおいて、第2
スタンバイ状態への移行条件が成立すると判別される場
合にオン状態とされるフラグである。XSTANBY2
=ONが成立すると判別される場合は、第1スタンバイ
状態を維持する必要がないと判断される。この場合、次
に、上記ステップ216および218の処理が実行され
た後、今回のルーチンが終了される。一方、XSTAN
BY2=ONが成立しないと判別される場合は、第1ス
タンバイ状態を維持する必要があると判断される。この
場合、以後、何ら処理が進められることなく今回のルー
チンが終了される。
めの条件判定を行うべくECU10が実行する制御ルー
チンの一例のフローチャートを示す。図9に示すルーチ
ンは、所定時間毎に起動される定時割り込みルーチンで
ある。図9に示すルーチンが起動されると、先ずステッ
プ230の処理が実行される。ステップ230では、カ
ウンタCSTANBY1の計数時間が、すなわち、第1
スタンバイ状態への移行条件が成立した後の経過時間
が、第1の所定時間THT1以上であり、かつ、第2の
所定時間THT2以下であるか否かが判別される。第2
の所定時間THT2は、上述の如く、第1スタンバイ状
態を維持すべき時間の上限値である。一方、第1の所定
時間THT1は、緊急ブレーキ操作が行われた場合に、
ブレーキペダル12の高速操作が継続する下限の時間を
定める値である。従って、本実施例の制動力制御装置に
おいては、ブレーキ操作が開始された後、THT1≦C
STANBY1が成立する以前にブレーキペダル12の
操作速度が十分に小さな値となった場合は、そのブレー
キ操作が緊急ブレーキ操作ではなかったと判断すること
ができる。上記ステップ230で、THT1≦CSTA
NBY1≦THT2が成立しないと判別された場合は、
以後、何ら処理が進められることなく今回のルーチンが
終了される。一方、上記の条件が成立すると判別された
場合は、次にステップ232の処理が実行される。
時から今回の処理サイクル時にかけて、変化速度ΔP
M/C が第2の所定速度THΔP2を超える速度から、第
2の所定速度THΔP2以下の速度に変化したか否かが
判別される。第2の所定速度THΔP2は、マスタシリ
ンダ圧PM/C が急激に増加しているか否か、すなわち、
ブレーキペダル12が高速で操作されているか否かを判
別するためのしきい値である。
ル時から今回の処理サイクル時にかけて、変化速度ΔP
M/C がTHΔP2を超える速度からTHΔP2以下の速
度に変化していないと判別される場合は、前回の処理サ
イクル時から今回の処理サイクル時にかけてブレーキペ
ダル12の高速操作期間が終了していないと判断するこ
とができる。この場合、以後、何ら処理が進められるこ
となく今回のルーチンが終了される。
サイクル時から今回の処理サイクル時にかけて、変化速
度ΔPM/C がTHΔP2を超える速度からTHΔP2以
下の速度に変化したと判別される場合は、前回の処理サ
イクル時から今回の処理サイクル時にかけてブレーキペ
ダル12の高速操作期間が終了したと判断することがで
きる。この場合、次にステップ234の処理が実行され
る。
への移行条件が成立した後に検出されたマスタシリンダ
圧PM/C の最大値PM/CMAXと、上記ステップ232の条
件が成立した直後のマスタシリンダ圧PM/C との差“P
M/CMAX−PM/C ”が所定値γに比して小さいか否かが判
別される。その結果、PM/CMAX−PM/C <γが成立する
と判別される場合は、未だブレーキペダル12に対して
大きな踏力Fが加えられていると判断することができ
る。この場合、次にステップ236の処理が実行され
る。一方、上記ステップ234の条件が成立しないと判
別される場合は、ブレーキペダル12の踏み込みが既に
緩められていると判断することができる。この場合、以
後、第2スタンバイ状態へ移行するための処理が進めら
れることなく今回のルーチンが終了される。
への移行条件が成立したことを表すべく、フラグXST
ANBY2がオン状態とされる。本ステップ236の処
理が終了すると、今回のルーチンが終了される。図10
は、BA制御を開始するための条件判定、および、開始
増圧モードの増圧時間TSAT の演算を行うべくECU1
0が実行する制御ルーチンの一例のフローチャートを示
す。図10に示すルーチンは、所定時間毎に起動される
定時割り込みルーチンである。図10に示すルーチンが
起動されると、先ずステップ240の処理が実行され
る。
Y2がオン状態であるか否かが判別される。その結果、
XSTANBY2=ONが成立しないと判別される場合
は、BA制御を開始する必要がないと判断することがで
きる。この場合、以後、何ら処理が進められることなく
今回のルーチンが終了される。一方、XSTANBY2
=ONが成立すると判別される場合は、次にステップ2
42の処理が実行される。
準値である基準増圧時間TSTA0が演算される。基準増圧
時間TSTA0は、ECU10に記憶されているマップを参
照して、緊急ブレーキ操作の過程で生じたブレーキペダ
ル12の操作速度に基づいて、具体的には、第1スタン
バイ状態への移行条件が成立した後に検出された変化速
度ΔPM/C の最大値ΔPMAX に基づいて決定される。
るマップの一例を示す。本実施例において、基準増圧時
間TSTA0のマップは、最大変化速度ΔPMAX が大きいほ
ど基準増圧時間TSTA0が長時間となるように設定されて
いる。このため、基準増圧時間TSTA0は、緊急ブレーキ
操作の過程でブレーキペダル12に高速の操作速度が生
ずるほど長時間に設定される。上記の処理が終了する
と、次にステップ244の処理が実行される。
ミングが到来しているか否かが判別される。上述の如
く、本実施例においては、緊急ブレーキ操作が実行され
た後、ホイルシリンダ圧PW/C の昇圧を図るうえで、ア
キュムレータ28を液圧源とする方がハイドロブースタ
36を液圧源とするより有利な状態が形成された時点
で、すなわち、マスタシリンダ圧PM/C とホイルシリン
ダ圧PW/C との偏差Pdiffが十分に小さくなった時点で
BA制御を開始する。本ステップ244では、かかる開
始タイミングが到来しているか否かが判別される。その
結果、BA制御の開始タイミングが到来していないと判
別される場合は、以後、何ら処理が進められることなく
今回のルーチンが終了される。一方、BA制御の開始タ
イミングが到来していると判別される場合は、次にステ
ップ246の処理が実行される。
M/C が所定圧力P0 に比して大きいか否かが判別され
る。BA制御が開始された後、ホイルシリンダ圧PW/C
は、アキュムレータ28を液圧源として昇圧される。ア
キュムレータ28を液圧源としてホイルシリンダ圧P
W/C を増圧する際に生ずる変化速度ΔPW/C は、ホイル
シリンダ圧PW/C とアキュムレータ圧PACC との差圧が
小さくなるに連れて低下する。従って、BA制御が開始
された後、開始増圧モードを実行することで所定のアシ
スト圧Paを発生させるためには、BA制御の開始時に
おけるホイルシリンダ圧PW/C が高圧であるほど、増圧
時間TSTA を長時間とする必要がある。
立すると判別される場合は、BA制御の開始時に高圧の
ホイルシリンダ圧PW/C が発生していると判断できる。
この場合、増圧時間TSTA を長時間とするため、次にス
テップ248の処理が実行される。一方、PM/C >P0
が成立しないと判別される場合は、BA制御の開始時に
おけるホイルシリンダ圧PW/C が低圧であると判断でき
る。この場合、増圧時間TSTA を短時間とするため、次
にステップ250の処理が実行される。
で演算された基準増圧時間TSTA0に補正計数KL を乗算
することにより増圧時間TSTA が演算される。補正計数
KLは、長時間の増圧時間TSTA を設定すべく予め設定
された補正計数である。ステップ250では、上記ステ
ップ242で演算された基準増圧時間TSTA0に補正計数
KS を乗算することにより増圧時間TSTA が演算され
る。補正計数KSは、短時間の増圧時間TSTA を設定す
べく予め設定された補正計数である。上記ステップ24
8の処理、または、上記ステップ250の処理が終了す
ると、次にステップ252の処理が実行される。
Y2をオフ状態とする処理が実行されると共に、BA制
御の開始を許可するための処理が実行される。本ステッ
プ252の処理が実行されると、以後、制動力制御装置
においてBA制御の実行が可能となる。本ステップ25
2の処理が終了すると、今回のルーチンが終了される。
いてBA機能を実現させるべくECU10が実行する制
御ルーチンの一例のフローチャートを示す。本ルーチン
は、上記ステップ252でBA制御の実行が許可された
後に繰り返し起動されるルーチンである。本ルーチンが
起動されると、先ずステップ260の処理が実行され
る。
た後、既に (I)開始増圧モードが終了しているか否かが
判別される。その結果、未だ (I)開始増圧モードが終了
していないと判別される場合は、次にステップ262の
処理が実行される。ステップ262では、タイマTMODE
がリセットされる。タイマTMODEは、所定の上限値に向
けて常時カウントアップを続けるタイマである。本ルー
チンにおいて、タイマTMODEは、BA機能を実現するた
めの各制御モードの継続時間を計数するタイマとして用
いられる。本ステップ262の処理が終了すると、次に
ステップ264の処理が実行される。
上記図4に示すアシスト圧増圧状態とするための処理が
実行される。本ステップ264の処理が実行されると、
以後、各車輪のホイルシリンダ圧PW/C は、アキュムレ
ータ28を液圧源として所定の変化率で昇圧し始める。
本ステップ264の処理が終了すると、次にステップ2
66の処理が実行される。
値が、上記ステップ248または250で演算された増
圧時間TSTA を超えているか否かが判別される。その結
果、TMODE>TSTA が成立しないと判別される場合は、
再び上記ステップ264の処理が実行される。上記の処
理によれば、BA制御が開始された後、増圧時間TST A
が経過するまでの間、制動力制御装置を継続的にアシス
ト圧増圧状態に維持することができる。本実施例におい
て、上記ステップ260〜266の処理は、 (I)開始増
圧モードを実現している。
ーキ操作の過程でブレーキペダル12が高速で操作され
るほど、すなわち、緊急ブレーキ操作が速やかな制動力
の立ち上がりを要求するものであるほど、長時間に設定
される。また、増圧時間TST A は、 (I)開始増圧モード
の実行中におけるホイルシリンダ圧PW/C の増圧勾配を
考慮して、BA制御開始時におけるマスタシリンダ圧P
M/C に基づいて補正されている。このため、本実施例の
制動力制御装置によれば、 (I)開始増圧モードを実行す
ることで、運転者の意図が正確に反映されたアシスト圧
Paを発生させることができる。
増圧モードの増圧時間TSTA を適宜設定することで、運
転者の意図をアシスト圧Paに反映させることとしてい
るが、アシスト圧Paに運転者の意図を反映させる手法
はこれに限定されるものではなく、緊急ブレーキ操作の
過程で生じたブレーキ操作速度に基づいて (I)開始増圧
モードの実行に伴うホイルシリンダ圧PW/C の増圧勾配
を変化させることにより、アシスト圧Paに運転者の意
図を反映させることとしてもよい。
(I)開始増圧モードが開始された後、増圧時間TSTA が
経過すると、上記ステップ266でTMODE>TSTA が成
立すると判別される。この場合、 (I)開始増圧モードを
終了して他の制御モードを開始すべく、以後、ステップ
268以降の処理が実行される。図19は、 (I)開始増
圧モードに次いで実行される制御モードを、 (I)開始増
圧モードの終了時における変化速度ΔPM/C との関係で
表したテーブル(以下、開始増圧終了時テーブルと称
す)を示す。本実施例においては、ステップ268以降
の処理により、図19に示す開始増圧終了時テーブルと
対応するように (I)開始増圧モードに次いで実行される
制御モードが決定される。
の終了時にマスタシリンダ圧PM/Cに生じている変化速
度ΔPM/C が取り込まれる。ステップ270では、上記
の如く取り込んだ変化速度ΔPM/C が、正の所定値ΔP
1 を超えているか否かが判別される。その結果、ΔP
M/C >ΔP1 (>0)が成立すると判別される場合は、
運転者によって制動力を増加させることが要求されてい
ると判断できる。この場合、開始増圧モードに続く制御
モードが(II)アシスト圧増圧モードに決定され、次にス
テップ272の処理が実行される。
モードを開始すべく、制動力制御装置を上記図4に示す
アシスト圧増圧状態とする処理が実行される。本ステッ
プ272の処理が実行されると、以後、各車輪のホイル
シリンダ圧PW/C は、アキュムレータ28を液圧源とし
て速やかに昇圧される。本ステップ272の処理が終了
すると、次にステップ274の処理が実行される。
制御モードが(II)アシスト圧増圧モードであることを表
すべく、フラグXPAINCをオン状態とする処理が実
行される。本ステップ274の処理が終了すると、今回
のルーチンが終了される。上記ステップ270で、ΔP
M/C >ΔP1 が成立しないと判別された場合は、次にス
テップ276の処理が実行される。
で取り込んだ変化速度ΔPM/C が、負の所定値ΔP2 を
下回っているか否かが判別される。その結果、ΔPM/C
<ΔP2 (<0)が成立すると判別される場合は、運転
者によって制動力を減少させることが要求されていると
判断できる。この場合、 (I)開始増圧モードに続く制御
モードが (III)アシスト圧減圧モードに決定され、次に
ステップ278の処理が実行される。
圧モードを開始すべく、制動力制御装置を上記図6に示
すアシスト圧減圧状態とする処理が実行される。本ステ
ップ278の処理が実行されると、以後、各車輪のホイ
ルシリンダ圧PW/C は、マスタシリンダ圧PM/C を下限
として減圧される。本ステップ278の処理が終了する
と、次にステップ280の処理が実行される。
制御モードが (III)アシスト圧減圧モードであることを
表すべくフラグXPAREDをオン状態とする処理が実
行される。本ステップ280の処理が終了すると、今回
のルーチンが終了される。上記ステップ276で、ΔP
M/C <ΔP2 が成立しないと判別された場合、すなわ
ち、開始増圧モードが終了した時点で変化速度ΔPM/C
が“0”近傍に維持されていると判断される場合は、運
転者によって制動力を保持することが要求されていると
判断できる。この場合、次にステップ282の処理が実
行される。
モードを開始すべく、制動力制御装置を上記図5に示す
アシスト圧減圧状態とする処理が実行される。本ステッ
プ282の処理が実行されると、以後、各車輪のホイル
シリンダ圧PW/C は、増減されることなく一定値に保持
される。本ステップ282の処理が終了すると、次にス
テップ284の処理が実行される。
制御モードが(IV)アシスト圧保持モードであることを表
すべくフラグXPAHOLDをオン状態とする処理が実
行される。本ステップ284の処理が終了すると、今回
のルーチンが終了される。上記ステップ260〜284
の処理が実行された後、再び本ルーチンが起動された際
には、上記ステップ260で、既に (I)開始増圧モード
が終了していると判別される。この場合、ステップ26
0に次いで、ステップ286の処理が実行される。
いるマスタシリンダ圧PM/C 、および、その変化速度Δ
PM/C を取り込む処理が実行される。本ステップ286
の処理が終了すると、次にステップ288の処理が実行
される。ステップ288では、制動力制御装置において
現在実行されている制御モードが判別される。本ステッ
プ288では、フラグXPAINCがオン状態である場
合は、現在実行中の制御モードが(II)アシスト圧増圧モ
ードであると判別される。この場合、本ステップ288
に次いで、図13に示すステップ290の処理が実行さ
れる。
スト圧増圧モードである場合に、次に実行される制御モ
ードを、マスタシリンダ圧PM/C の変化速度ΔPM/C と
の関係で表したテーブル(以下、増圧時テーブルと称
す)を示す。本実施例では、ステップ290以降の処理
により、図20に示す増圧時テーブルと対応するように
(II)アシスト圧増圧モードに次いで実行される制御モー
ドが決定される。
M/C に正の所定値ΔP3 を超える変化速度ΔPM/C が生
じているか否かが判別される。その結果、ΔPM/C >Δ
P3(>0)が成立すると判別される場合は、運転者に
よって制動力を増加させることが要求されていると判断
できる。この場合、本ステップ290に次いでステップ
292の処理が実行される。一方、上記の条件を満たす
変化速度ΔPM/C が生じていないと判別される場合は、
運転者によって制動力を保持することが要求されている
と判断できる。この場合、本ステップ290に次いでス
テップ294の処理が実行される。
を可能とすべく、引続き(II)アシスト圧増圧モードの実
行を要求する処理、すなわち、(II)アシスト圧増圧モー
ドを要求モードとする処理が実行される。ステップ29
4では、制動力の保持を可能とすべく、(IV)アシスト圧
保持モードの実行を要求する処理、すなわち、(IV)アシ
スト圧保持モードを要求モードとする処理が実行され
る。上記ステップ292の処理、または、本ステップ2
94の処理が終了すると、以後図18に示すステップ3
42の処理が実行される。
で、フラグXPAREDがオン状態であると判別される
場合は、現在実行中の制御モードが (III)アシスト圧減
圧モードであると判断される。この場合、上記ステップ
288に次いで、図14に示すステップ296の処理が
実行される。図21は、現在実行中の制御モードが (II
I)アシスト圧減圧モードである場合に、次に実行される
制御モードを、マスタシリンダ圧PM/C の変化速度ΔP
M/Cとの関係で表したテーブル(以下、減圧時テーブル
と称す)を示す。本実施例では、ステップ296以降の
処理により、図21に示す減圧時テーブルと対応するよ
うに (III)アシスト圧減圧モードに次いで実行される制
御モードが決定される。
M/C に負の所定値ΔP4 を下回る変化速度ΔPM/C が生
じているか否かが判別される。その結果、ΔPM/C <Δ
P4(<0)が成立すると判別される場合は、運転者に
よって制動力を減少させることが要求されていると判断
できる。この場合、本ステップ296に次いでステップ
298の処理が実行される。一方、上記の条件を満たす
変化速度ΔPM/C が生じていないと判別される場合は、
運転者によって制動力を保持することが要求されている
と判断できる。この場合、本ステップ296に次いでス
テップ300の処理が実行される。
を可能とすべく、引続き (III)アシスト圧減圧モードの
実行を要求する処理、すなわち、 (III)アシスト圧減圧
モードを要求モードとする処理が実行される。ステップ
300では、制動力の保持を可能とすべく、(IV)アシス
ト圧保持モードの実行を要求する処理、すなわち、(IV)
アシスト圧保持モードを要求モードとする処理が実行さ
れる。上記ステップ298の処理、または、本ステップ
300の処理が終了すると、以後図18に示すステップ
342の処理が実行される。
でフラグXPAHOLDがオン状態であると判別される
場合は、現在実行中の制御モードが(IV)アシスト圧保持
モードであると判断される。この場合、上記ステップ2
88に次いで、図15に示すステップ302の処理が実
行される。図22は、現在実行中の制御モードがアシス
ト圧保持モードである場合に、次に実行される制御モー
ドを、マスタシリンダ圧PM/C の変化速度ΔP
M/C と、マスタシリンダ圧PM/C の変化量“PM/C −
PSTA ”との関係で表したテーブル(以下、保持時テー
ブルと称す)を示す。本実施例では、ステップ302以
降の処理により、図22に示す保持時テーブルと対応す
るように(IV)アシスト圧保持モードに次いで実行される
制御モードが決定される。尚、図22に示す変化量“P
M/C −PSTA ”は、現在のマスタシリンダ圧PM/C と、
現在の制御モードが開始される時点で検出されたマスタ
シリンダ圧PM/C (以下、開始時マスタシリンダ圧P
STA と称す)との差、すなわち、現在の制御モードが開
始された後にマスタシリンダ圧PM/C に生じた変化量に
相当する値である。
M/C に正の所定値ΔP5 を超える変化速度ΔPM/C が生
じており、かつ、正の所定値P1 を超える変化量PM/C
−P STA が生じているか否かが判別される。その結果、
ΔPM/C >ΔP5 (>0)が成立し、かつ、PM/C −P
STA >P1 (>0)が成立する場合は、制動力の保持を
意図していた運転者が、制動力を速やかに増加させるこ
とを意図し始めたと判断することができる。この場合、
本ステップ302に次いで、ステップ304の処理が実
行される。
ち上がりを可能とすべく、(II)アシスト圧増圧モードの
実行を要求する処理、すなわち、(II)アシスト圧増圧モ
ードを要求モードとする処理が実行される。本ステップ
304の処理が終了すると、次に図18に示すステップ
342の処理が実行される。一方、上記ステップ302
の条件が成立しない場合は、運転者が制動力を速やかに
立ち上げることを意図していないと判断できる。この場
合、次にステップ306の処理が実行される。
M/C に負の所定値ΔP6 を下回る変化速度ΔPM/C が生
じており、かつ、負の所定値P4 を下回る変化量PM/C
−P STA が生じているか否かが判別される。その結果、
ΔPM/C <ΔP6 (<0)が成立し、かつ、PM/C −P
STA <P4 (<0)が成立する場合は、制動力の保持を
意図していた運転者が、制動力を速やかに減少させるこ
とを意図し始めたと判断することができる。この場合、
本ステップ306に次いで、ステップ308の処理が実
行される。
少させるべく、 (III)アシスト圧減圧モードの実行を要
求する処理、すなわち、 (III)アシスト圧減圧モードを
要求モードとする処理が実行される。本ステップ308
の処理が終了すると、次に図18に示すステップ342
の処理が実行される。一方、上記ステップ306の条件
が成立しない場合は、運転者が制動力を速やかに減少さ
せることを意図していないと判断できる。この場合、次
にステップ310の処理が実行される。
値が所定時間TMODE1 に達しているか否かが判別され
る。所定時間TMODE1 は、運転者が制動力を速やかに変
化させることを意図してブレーキペダル12を操作した
場合に、変化量PM/C −PSTAが所定値P1 以上、或い
は、所定値P4 以下となるのに要する時間の上限値とほ
ぼ等しい値である。従って、TMODE≧TMODE1 が成立し
ていない場合は、上記ステップ302の条件および上記
ステップ306の条件が、何れも成立しない場合であっ
ても、制動力を速やかに変化させることを意図するブレ
ーキ操作の可能性を否定することができない。この場
合、次にステップ312の処理が実行される。
圧保持モードの実行を要求する処理、すなわち、(IV)ア
シスト圧保持モードを要求モードとする処理が実行され
る。本ステップ312の処理が終了すると、次に図18
に示すステップ342の処理が実行される。上記ステッ
プ302の条件および上記306の条件が何れも成立し
ない状況下で、上記ステップ310においてTMODE≧T
MODE1 が成立すると判別された場合は、運転者によって
制動力を速やかに変化させることを意図するブレーキ操
作が行われていないと判断することができる。この場
合、上記ステップ310に次いでステップ314の処理
が実行される。
M/C に、正の所定値P2 を超える変化量PM/C −PSTA
が生じているか否かが判別される。その結果、PM/C −
PST A >P2 (>0)が成立する場合は、制動力の保持
を意図していた運転者が、制動力を緩やかに増加させる
ことを意図し始めたと判断することができる。この場
合、本ステップ314に次いで、ステップ316の処理
が実行される。
加させるべく、 (V)アシスト圧緩増モードの実行を要求
する処理、すなわち、 (V)アシスト圧緩増モードを要求
モードとする処理が実行される。本ステップ316の処
理が終了すると、次に図18に示すステップ342の処
理が実行される。一方、上記ステップ314の条件が成
立しない場合は、運転者が (V)アシスト圧緩増モードの
実行を要求していないと判断することができる。この場
合、上記ステップ314に次いで、ステップ318の処
理が実行される。
M/C に、負の所定値P3 を下回る変化量PM/C −PSTA
が生じているか否かが判別される。その結果、PM/C −
PST A <P2 (<0)が成立する場合は、制動力の保持
を意図していた運転者が、制動力を緩やかに減少させる
ことを意図し始めたと判断することができる。この場
合、本ステップ318に次いで、ステップ320の処理
が実行される。
少させるべく、(VI)アシスト圧緩減モードの実行を要求
する処理、すなわち、(VI)アシスト圧緩減モードを要求
モードとする処理が実行される。本ステップ320の処
理が終了すると、次に図18に示すステップ342の処
理が実行される。一方、上記ステップ318の条件が成
立しない場合は、運転者が制動力を保持することを意図
している、すなわち、運転者が引続き(IV)アシスト圧保
持モードの実行を要求していると判断できる。この場
合、上記ステップ318に次いで、上述したステップ3
12の処理が実行される。
で、フラグXPASLINCがオン状態であると判別さ
れる場合は、現在実行中の制御モードが (V)アシスト圧
緩増モードであると判断される。この場合、上記ステッ
プ288に次いで、図16に示すステップ322の処理
が実行される。尚、フラグXPASLINCは、後述の
如く、制御モードとして (V)アシスト圧緩増モードが選
択された際にオンとされるフラグである。
スト圧緩増モードである場合に、次に実行される制御モ
ードを、マスタシリンダ圧PM/C の変化速度ΔPM/C
と、マスタシリンダ圧PM/C の変化量PM/C −PSTA
との関係で表したテーブル(以下、緩増時テーブルと称
す)を示す。本実施例では、ステップ322以降の処理
により、図23に示す緩増時テーブルと対応するように
(V)アシスト圧緩増モードに次いで実行される制御モー
ドが決定される。
M/C に正の所定値ΔP7 を超える変化速度ΔPM/C が生
じており、かつ、正の所定値P5 を超える変化量PM/C
−P STA が生じているか否かが判別される。その結果、
ΔPM/C >ΔP7 (>0)が成立し、かつ、PM/C −P
STA >P5 (>0)が成立する場合は、制動力を緩やか
に増加させることを意図していた運転者が、制動力を速
やかに増加させることを意図し始めたと判断することが
できる。この場合、本ステップ322に次いで、ステッ
プ324の処理が実行される。
ち上がりを可能とすべく、(II)アシスト圧増圧モードの
実行を要求する処理、すなわち、(II)アシスト圧増圧モ
ードを要求モードとする処理が実行される。本ステップ
324の処理が終了すると、次に図18に示すステップ
342の処理が実行される。一方、上記ステップ322
の条件が成立しない場合は、運転者が制動力を速やかに
増加させることを意図していないと判断できる。この場
合、次にステップ326の処理が実行される。
値が所定時間TMODE2 に達しているか否かが判別され
る。本実施例の制動力制御装置において、 (V)アシスト
圧緩増モードは、上記図4に示すアシスト圧増圧状態と
上記図5に示すアシスト圧保持状態とが繰り返されるこ
とで実現される。所定時間TMODE2 は、 (V)アシスト圧
緩増モードの実行が要求された場合に、制動力制御装置
をアシスト圧増圧状態に維持すべき時間として定められ
ている時間である。
MODE2 が成立すると判別される場合は、制動力制御装置
をアシスト圧増圧状態に維持すべき期間が終了してい
る、すなわち、制動力制御装置をアシスト圧保持状態と
すべき時期が到来していると判断することができる。こ
の場合、上記ステップ326に次いで、ステップ328
の処理が実行される。
モードの実行を要求する処理、すなわち、(IV)アシスト
圧保持モードを要求モードとする処理が実行される。本
ステップ328の処理が終了すると、次に図18に示す
ステップ342の処理が実行される。一方、上記ステッ
プ326でTMODE≧TMODE2 が成立しないと判別される
場合は、制動力制御装置をアシスト圧増圧状態に維持す
べき期間が終了していないと判断することができる。こ
の場合、上記ステップ326に次いで、ステップ330
の処理が実行される。
モードの実行を要求する処理、すなわち、 (V)アシスト
圧緩増モードを要求モードとする処理が実行される。本
ステップ330の処理が終了すると、次に図18に示す
ステップ342の処理が実行される。上記の処理によれ
ば、 (V)アシスト圧緩増モードの実行が要求され始めた
後、(II)アシスト圧増圧モードを要求する条件(上記ス
テップ322の条件)が成立しない場合には、所定期間
TMODE2 に渡ってその要求を維持した後に、要求モード
を(IV)アシスト圧保持モードに変更することができる。
で、フラグXPASLREDがオン状態であると判別さ
れる場合は、現在実行中の制御モードが(VI)アシスト圧
緩減モードであると判断される。この場合、上記ステッ
プ288に次いで、図17に示すステップ332の処理
が実行される。尚、フラグXPASLREDは、後述の
如く、制御モードとして(VI)アシスト圧緩減モードが選
択された際にオンとされるフラグである。
アシスト圧緩減モードである場合に、次に実行される制
御モードを、マスタシリンダ圧PM/C の変化速度ΔP
M/Cと、マスタシリンダ圧PM/C の変化量PM/C −P
STA との関係で表したテーブル(以下、緩減時テーブル
と称す)を示す。本実施例では、ステップ332以降の
処理により、図24に示す緩減時テーブルと対応するよ
うに(VI)アシスト圧緩減モードに次いで実行される制御
モードが決定される。
M/C に負の所定値ΔP8 を下回る変化速度ΔPM/C が生
じており、かつ、負の所定値P6 を下回る変化量PM/C
−P STA が生じているか否かが判別される。その結果、
ΔPM/C <ΔP8 (<0)が成立し、かつ、PM/C −P
STA <P6 (<0)が成立する場合は、制動力を緩やか
に減少させることを意図していた運転者が、制動力を速
やかに減少させることを意図し始めたと判断することが
できる。この場合、本ステップ332に次いで、ステッ
プ334の処理が実行される。
少させるべく、 (III)アシスト圧減圧モードの実行を要
求する処理、すなわち、 (III)アシスト圧減圧モードを
要求モードとする処理が実行される。本ステップ334
の処理が終了すると、次に図18に示すステップ342
の処理が実行される。一方、上記ステップ332の条件
が成立しない場合は、運転者が制動力を速やかに減少さ
せることを意図していないと判断できる。この場合、次
にステップ336の処理が実行される。
値が所定時間TMODE3 に達しているか否かが判別され
る。本実施例の制動力制御装置において、 (III)アシス
ト圧緩減モードは、上述の如く、アシスト圧減圧状態と
アシスト圧保持状態とが繰り返されることで実現され
る。所定時間TMODE3 は、 (III)アシスト圧緩減モード
の実行が要求された場合に、制動力制御装置をアシスト
圧減圧状態に維持すべき時間として定められている時間
である。
MODE3 が成立すると判別される場合は、制動力制御装置
をアシスト圧減圧状態に維持すべき期間が終了してい
る、すなわち、制動力制御装置をアシスト圧保持状態と
すべき時期が到来していると判断することができる。こ
の場合、上記ステップ336に次いで、ステップ338
の処理が実行される。
モードの実行を要求する処理、すなわち、(IV)アシスト
圧保持モードを要求モードとする処理が実行される。本
ステップ338の処理が終了すると、次に図18に示す
ステップ342の処理が実行される。一方、上記ステッ
プ336でTMODE≧TMODE3 が成立しないと判別される
場合は、制動力制御装置をアシスト圧減圧状態に維持す
べき期間が終了していないと判断することができる。こ
の場合、上記ステップ336に次いで、ステップ340
の処理が実行される。
圧緩減モードの実行を要求する処理、すなわち、(VI)ア
シスト圧緩減モードを要求モードとする処理が実行され
る。本ステップ340の処理が終了すると、次に図18
に示すステップ342の処理が実行される。上記の処理
によれば、(VI)アシスト圧緩減モードの実行が要求され
始めた後、 (III)アシスト圧減圧モードを要求する条件
(上記ステップ332の条件)が成立しない場合には、
所定期間TMODE3 に渡ってその要求を維持した後、要求
モードを(IV)アシスト圧保持モードに変更することがで
きる。
テップ286〜340の処理を実行することで、現在実
行されている制御モードと運転者のブレーキ操作とに基
づいて、次に実行すべき制御モードを決定し、かつ、そ
の制御モードを要求モードとして定めることができる。
ステップ342では、(II)アシスト圧増圧モードの実行
が要求されているか否かが判別される。その結果、(II)
アシスト圧増圧モードが要求されていると判別される場
合は、次にステップ344の処理が実行される。
をオンとし、かつ、他の制御モードに対応するフラグを
オフとする処理が実行される。本ステップ344の処理
が実行されると、次回の処理サイクル時に、実行中の制
御モードが(II)アシスト圧増圧モードであると判断され
る。本ステップ344の処理が終了すると、次にステッ
プ346の処理が実行される。
記図4に示すアシスト圧増圧状態とする処理が実行され
る。本ステップ346の処理が実行されると、以後、各
車輪のホイルシリンダ圧PW/C がアキュムレータ28を
液圧源として速やかに昇圧される。本ステップ346の
処理が終了すると、今回のルーチンが終了される。上記
ステップ342で、(II)アシスト圧増圧モードの実行が
要求されていないと判別された場合は、次にステップ3
48の処理が実行される。
圧モードの実行が要求されているか否かが判別される。
その結果、 (III)アシスト圧減圧モードが要求されてい
ると判別される場合は、次にステップ350の処理が実
行される。ステップ350では、フラグXPAREDを
オンとし、かつ、他の制御モードに対応するフラグをオ
フとする処理が実行される。本ステップ350の処理が
実行されると、次回の処理サイクル時に、実行中の制御
モードが (III)アシスト圧減圧モードであると判断され
る。本ステップ350の処理が終了すると、次にステッ
プ352の処理が実行される。
記図6に示すアシスト圧減圧状態とする処理が実行され
る。本ステップ352の処理が実行されると、以後、各
車輪のホイルシリンダ圧PW/C が、マスタシリンダ圧P
M/C を下限値として速やかに減圧される。本ステップ3
52の処理が終了すると、今回のルーチンが終了され
る。
減圧モードの実行が要求されていないと判別された場合
は、次にステップ354の処理が実行される。ステップ
354では、 (V)アシスト圧緩増モードの実行が要求さ
れているか否かが判別される。その結果、 (V)アシスト
圧緩増モードが要求されていると判別される場合は、次
にステップ356の処理が実行される。
時から今回の処理サイクル時にかけて要求モードが変化
したか否かが判別される。その結果、要求モードが変化
したと判別される場合は、 (V)アシスト圧緩増モードが
今回の処理サイクル時以降実行されると判断できる。こ
の場合、次にステップ358の処理が実行される。一
方、前回の処理サイクル時から今回の処理サイクル時に
かけて要求モードが変化していないと判別される場合
は、 (V)アシスト圧緩増モードが前回の処理サイクル以
前から実行されている判断できる。この場合、ステップ
358の処理がジャンプされ、次にステップ360の処
理が実行される。
ダ圧PM/C を開始時マスタシリンダ圧PSTA として記憶
すると共に、タイマTMODEの計数値を“0”にクリアす
る処理が実行される。本ステップ358の処理が終了す
ると、次にステップ360の処理が実行される。上記の
処理によれば、 (V)アシスト圧緩増モードの実行が新た
に開始される毎に、開始時マスタシリンダ圧PSTA およ
びタイマTMODEを初期値にクリアすることができる。
NCをオンとし、かつ、他の制御モードに対応するフラ
グをオフとする処理が実行される。本ステップ360の
処理が実行されると、次回の処理サイクル時に、実行中
の制御モードが (V)アシスト圧緩増モードであると判断
される。本ステップ360の処理が終了すると、次にス
テップ362の処理が実行される。
記図4に示すアシスト圧増圧状態とする処理が実行され
る。本ステップ362の処理が終了すると、今回のルー
チンが終了される。上述の如く、本実施例においては、
(V)アシスト圧緩増モードが要求モードとされた後、所
定期間TMODE2 が経過した時点で要求モードが(IV)アシ
スト圧保持モードに変更される。このため、上記の処理
によれば、 (V)アシスト圧緩増モードの実行が要求され
る毎に、所定期間TMODE2 を一単位として、ホイルシリ
ンダ圧PW/C を段階的に緩やかに昇圧させることができ
る。
増モードの実行が要求されていないと判別された場合
は、次にステップ364の処理が実行される。ステップ
364では、(VI)アシスト圧緩減モードの実行が要求さ
れているか否かが判別される。その結果、(VI)アシスト
圧緩減モードの実行が要求されていると判別される場合
は、次にステップ366の処理が実行される。
時から今回の処理サイクル時にかけて要求モードが変化
したか否かが判別される。その結果、要求モードが変化
したと判別される場合は、(VI)アシスト圧緩減モードが
今回の処理サイクル時以降実行されると判断できる。こ
の場合、次にステップ368の処理が実行される。一
方、前回の処理サイクル時から今回の処理サイクル時に
かけて要求モードが変化していないと判別される場合
は、(VI)アシスト圧緩減モードが前回の処理サイクル時
以前から実行されていると判断できる。この場合、ステ
ップ368の処理がジャンプされ、次にステップ370
の処理が実行される。
と同様に、開始時マスタシリンダ圧PSTA およびタイマ
TMODEを初期値にクリアする処理が実行される。本ステ
ップ368の処理が終了すると、次にステップ370の
処理が実行される。上記の処理によれば、(VI)アシスト
圧緩増モードが新たに開始される毎に、開始時マスタシ
リンダ圧PSTA およびタイマTMODEを初期値にクリアす
ることができる。
EDをオンとし、かつ、他の制御モードに対応するフラ
グをオフとする処理が実行される。本ステップ370の
処理が実行されると、次回の処理サイクル時に、実行中
の制御モードが(VI)アシスト圧緩減モードであると判断
される。本ステップ370の処理が終了すると、次にス
テップ372の処理が実行される。
記図6に示すアシスト圧減圧状態とする処理が実行され
る。本ステップ372の処理が終了すると、今回のルー
チンが終了される。上述の如く、本実施例においては、
(VI)アシスト圧緩減モードが要求モードとされた後、所
定期間TMODE3 が経過した時点で要求モードが(IV)アシ
スト圧保持モードに変更される。このため、上記の処理
によれば、(VI)アシスト圧緩減モードの実行が要求され
る毎に、所定期間TMODE2 を一単位として、ホイルシリ
ンダ圧PW/C を段階的に緩やかに減圧させることができ
る。
減モードの実行が要求されていないと判別された場合
は、(IV)アシスト圧保持モードの実行が要求されている
と判断できる。この場合、上記ステップ364に次い
で、ステップ374の処理が実行される。ステップ37
4では、前回の処理サイクル時から今回の処理サイクル
時にかけて要求モードが変化したか否かが判別される。
その結果、要求モードが変化したと判別される場合は、
(IV)アシスト圧保持モードが今回の処理サイクル時以降
実行されると判断できる。この場合、次にステップ37
6の処理が実行される。一方、前回の処理サイクル時か
ら今回の処理サイクル時にかけて要求モードが変化して
いないと判別される場合は、(IV)アシスト圧保持モード
が前回の処理サイクル以前から実行されていると判断で
きる。この場合、ステップ376の処理がジャンプさ
れ、次にステップ378の処理が実行される。
6,368と同様に、開始時マスタシリンダ圧PSTA お
よびタイマTMODEを初期値にクリアする処理が実行され
る。本ステップ376の処理が終了すると、次にステッ
プ378の処理が実行される。上記の処理によれば、(I
V)アシスト圧保持モードが新たに開始される毎に、開始
時マスタシリンダ圧PSTA およびタイマTMODEを初期値
にクリアすることができる。
Dをオンとし、かつ、他の制御モードに対応するフラグ
をオフとする処理が実行される。本ステップ378の処
理が実行されると、次回の処理サイクルにおいて、実行
中の制御モードが(IV)アシスト圧保持モードであると判
断される。本ステップ378の処理が終了すると、次に
ステップ380の処理が実行される。
記図5に示すアシスト圧保持状態とする処理が実行され
る。本ステップ380の処理が実行されると、以後、各
車輪のホイルシリンダ圧PW/C を一定値に保持すること
ができる。本ステップ380の処理が終了すると、今回
のルーチンが終了される。上述の如く、上記図12乃至
図18に示すルーチンによれば、BA制御の実行が開始
された後に、緊急ブレーキ操作の過程で生じたブレーキ
操作速度に応じたアシスト圧Paを発生させることがで
きると共に、その後、BA制御の実行に伴って、マスタ
シリンダ圧PM/C の増減に対応して、すなわち、運転者
のブレーキ操作に対応して、ホイルシリンダ圧PW/C を
適当に増減させることができる。従って、本実施例の制
動力制御装置によれば、運転者によって緊急ブレーキ操
作が行われた際に、速やかに運転者の意図する制動力
を発生させること、および、BA制御の実行中常に制
動力に運転者の意図を反映させることができる。
装置の油圧回路が前記請求項1記載の「制動油圧制御機
構」に相当していると共に、ECU10が上記図8に示
す制御ルーチンおよび上記図9に示す制御ルーチンを実
行することにより前記請求項1記載の「緊急ブレーキ操
作検出手段」が、ECU10が上記ステップ240,2
52および260〜266の処理を実行することにより
前記請求項1記載の「開始増圧手段」が、ECU10が
上記ステップ268〜380の処理を実行することによ
り前記請求項1記載の「制動油圧調整手段」が、それぞ
れ実現されている。
0が上記ステップ356,358,366,368,3
74および376の処理を実行することにより前記請求
項2および前記請求項4記載の「開始時操作量検出手
段」が、ECU10が上記ステップ302,304,3
06,308,322および324の処理を実行するこ
とにより前記請求項2記載の「第1の制御状態選択手
段」、前記請求項4記載の「第3の制御状態選択手段」
および前記請求項4記載の「増圧勾配変更手段」が、そ
れぞれ実現されている。
0が上記ステップ290〜308,312〜320,3
22および324の処理を実行することにより前記請求
項3記載の「第2の制御状態選択手段」が、ECU10
が上記ステップ268〜272,276,278および
282の処理を実行することにより前記請求項5記載の
「第4の制御状態選択手段」が、それぞれ実現されてい
る。
図4に示すアシスト圧増圧状態と上記図5に示すアシス
ト圧保持状態とを繰り返すことで (V)アシスト圧緩増モ
ードを実現し、また、上記図6に示すアシスト圧減圧状
態と上記図5に示すアシスト圧保持状態とを繰り返すこ
とで(VI)アシスト圧緩減モードを実現することにより、
(II)アシスト圧増圧モードによる増圧勾配と (V)アシス
ト圧緩増モードによる増圧勾配、および、 (III)アシス
ト圧減圧モードによる減圧勾配と(VI)アシスト圧緩減モ
ードによる減圧勾配とを異ならせることとしているが、
本発明はこれに限定されるものではなく、(II)アシスト
圧増圧モードによって実現される増圧勾配自体、およ
び、 (III)アシスト圧減圧モードによって実現される減
圧勾配自体を変更することにより同様の機能を実現させ
ることとしてもよい。
明の第2実施例について説明する。図25は、本発明の
第2実施例に対応するポンプアップ式制動力制御装置
(以下、単に制動力制御装置と称す)のシステム構成図
を示す。尚、図25において、上記図1に示す構成部分
と同一の部分については、同一の符号を付してその説明
を省略または簡略する。
ンジン・リアドライブ式車両(FR車両)用の制動力制
御装置として好適な装置である。本実施例の制動力制御
装置は、ECU10により制御されている。ECU10
は、上述した第1実施例の場合と同様に、上記図8乃至
図10および図12乃至図18に示す制御ルーチンを実
行することで制動力制御装置の動作を制御する。
備えている。ブレーキペダル12の近傍には、ブレーキ
スイッチ14が配設されている。ECU10は、ブレー
キスイッチ14の出力信号に基づいてブレーキペダル1
2が踏み込まれているか否かを判別する。ブレーキペダ
ル12は、バキュームブースタ400に連結されてい
る。バキュームブースタ400は、ブレーキペダル12
が踏み込まれた場合に、ブレーキ踏力Fに対して所定の
倍力比を有するアシスト力Faを発生する。バキューム
ブースタ400には、マスタシリンダ402が固定され
ている。マスタシリンダ402は、タンデムセンターバ
ルブタイプのマスタシリンダであり、その内部に第1油
圧室404および第2油圧室406を備えている。第1
油圧室404および第2油圧室406には、ブレーキ踏
力Fとアシスト力Faとの合力に応じたマスタシリンダ
圧PM/C が発生する。
タンク408が配設されている。リザーバタンク408
には、フロントリザーバ通路410、および、リアリザ
ーバ通路412が連通している。フロントリザーバ通路
410には、フロントリザーバカットソレノイド414
(以下、SRCF414と称す)が連通している。同様
に、リアリザーバ通路412には、リアリザーバカット
ソレノイド416(以下、SRCR416と称す)が連
通している。
プ通路418が連通している。同様に、SRCR416
には、リアポンプ通路420が連通している。SRCF
414は、オフ状態とされることでフロントリザーバ通
路410とフロントポンプ通路418とを遮断し、か
つ、オン状態とされることでそれらを導通させる2位置
の電磁弁である。また、SRCR416は、オフ状態と
されることでリアリザーバ通路412とリアポンプ通路
420とを遮断し、かつ、オン状態とされることでそれ
らを導通させる2位置の電磁弁である。
4、および、第2油圧室406には、それぞれ第1液圧
通路422、および、第2液圧通路424が連通してい
る。第1液圧通路422には、右前マスタカットソレノ
イド426(以下、SMFR426と称す)、および、
左前マスタカットソレノイド428(以下、SMFL4
28と称す)が連通している。一方、第2液圧通路42
4には、リアマスタカットソレノイド430(以下、S
MR430と称す)が連通している。
て設けられた液圧通路432が連通している。同様に、
SMFL428には、左前輪FLに対応して設けられた
液圧通路434が連通している。更に、SMR430に
は、左右後輪RL,RRに対応して設けられた液圧通路
436が連通している。SMFR426、SMFL42
8およびSMR430の内部には、それぞれ定圧開放弁
438,440,442が設けられている。SMFR4
26は、オフ状態とされた場合に第1液圧通路422と
液圧通路432とを導通状態とし、かつ、オン状態とさ
れた場合に定圧開放弁438を介して第1液圧通路42
2と液圧通路432とを連通させる2位置の電磁弁であ
る。また、SMFL426は、オフ状態とされた場合に
第1液圧通路422と液圧通路434とを導通状態と
し、かつ、オン状態とされた場合に定圧開放弁440を
介して第1液圧通路422と液圧通路434とを連通さ
せる2位置の電磁弁である。同様に、SMR430は、
オフ状態とされた場合に第2液圧通路424と液圧通路
436とを導通状態とし、かつ、オン状態とされた場合
に定圧開放弁442を介して第2液圧通路424と液圧
通路436とを連通させる2位置の電磁弁である。
間には、また、第1液圧通路422側から液圧通路43
2側へ向かうフルードの流れのみを許容する逆止弁44
4が配設されている。同様に、第1液圧通路422と液
圧通路434との間、および、第2液圧通路424と液
圧通路436との間には、それぞれ第1液圧通路422
側から液圧通路434側へ向かう流体の流れのみを許容
する逆止弁446、および、第2液圧通路424側から
液圧通路436側へ向かう流体の流れのみを許容する逆
止弁448が配設されている。
32,434および左右後輪に対応して設けられた液圧
通路436には、上記第1実施例の場合と同様に、保持
ソレノイドS**H、減圧ソレノイドS**R、ホイル
シリンダ120〜126および逆止弁128〜134が
連通している。また、左右前輪の保持ソレノイドSFR
R112およびSFLR114には、フロント減圧通路
450が連通している。更に、左右後輪の保持ソレノイ
ドSRRR116およびSRLR118にはリア減圧通
路452が連通している。
路452には、それぞれフロントリザーバ454および
リアリザーバ455が連通している。フロントリザーバ
454およびリアリザーバ455は、それぞれ逆止弁4
56,458を介してフロントポンプ460の吸入側、
および、リアポンプ462の吸入側に連通している。フ
ロントポンプ460の吐出側、および、リアポンプ46
2の吐出側は、吐出圧の脈動を吸収するためのダンパ4
64,466に連通している。ダンパ464は、右前輪
FRに対応して設けられた右前ポンプ通路468および
左前輪FLに対応して設けられた左前ポンプ通路470
に連通している。一方、ダンパ466は、液圧通路43
6に連通している。
ノイド472(以下、SPFL472と称す)を介して
液圧通路432に連通している。また、左前ポンプ通路
470は、左前ポンプソレノイド474(以下、SPF
R474と称す)を介して液圧通路434に連通してい
る。SPFL472は、オフ状態とされることにより右
前ポンプ通路468と液圧通路432とを導通状態と
し、かつ、オン状態とされることによりそれらを遮断状
態とする2位置の電磁弁である。同様に、SPFR47
4は、オフ状態とされることにより左前ポンプ通路47
0と液圧通路434とを導通状態とし、かつ、オン状態
とされることによりそれらを遮断状態とする2位置の電
磁弁である。
の間には、液圧通路432側から右前ポンプ通路468
側へ向かう流体の流れのみを許容する定圧開放弁476
が配設されている。同様に、液圧通路434と左前ポン
プ通路470との間には、液圧通路434側から左前ポ
ンプ通路470側へ向かう流体の流れのみを許容する定
圧開放弁478が配設されている。
138,140,142が配設されている。ECU10
は、車輪速センサ136〜142の出力信号に基づいて
各車輪の回転速度VW を検出する。また、マスタシリン
ダ402に連通する第2液圧通路424には、液圧セン
サ144が配設されている。ECU10は、液圧センサ
144の出力信号に基づいてマスタシリンダ圧PM/C を
検出する。
説明する。本実施例の制動力制御装置は、油圧回路内に
配設された各種の電磁弁の状態を切り換えることによ
り、通常ブレーキ機能、ABS機能、および、B
A機能を実現する。 通常ブレーキ機能は、図25に示す如く、制動力制御
装置が備える全ての電磁弁をオフ状態とすることにより
実現される。以下、図25に示す状態を通常ブレーキ状
態と称す。また、制動力制御装置において通常ブレーキ
機能を実現するための制御を通常ブレーキ制御と称す。
左右前輪FL,FRのホイルシリンダ120,122
は、共に第1液圧通路422を介してマスタシリンダ4
02の第1油圧室404に連通している。また、左右後
輪RL,RRのホイルシリンダ124,126は、第2
液圧通路424を介してマスタシリンダ402の第2油
圧室406に連通している。この場合、ホイルシリンダ
120〜126のホイルシリンダ圧PW/C は、常にマス
タシリンダ圧PM/C と等圧に制御される。従って、図2
5示す状態によれば、通常ブレーキ機能が実現される。
て、フロントポンプ460およびリアポンプ462をオ
ン状態とし、かつ、保持ソレノイドS**Hおよび減圧
ソレノイドS**RをABSの要求に応じて適当に駆動
することにより実現される。以下、制動力制御装置にお
いてABS機能を実現するための制御をABS制御と称
す。
つ、何れかの車輪について過剰なスリップ率が検出され
た場合にABS制御を開始する。ABS制御は、ブレー
キペダル12が踏み込まれている状況下、すなわち、マ
スタシリンダ402が高圧のマスタシリンダ圧PM/C を
発生している状況下で開始される。ABS制御の実行中
は、マスタシリンダ圧PM/C が、第1液圧通路422お
よび第2液圧通路424を介して、それぞれ左右前輪に
対応して設けられた液圧通路432,434、および、
左右後輪に対応して設けられた液圧通路436に導かれ
る。従って、かかる状況下で保持ソレノイドS**Hを
開弁状態とし、かつ、減圧ソレノイドS**Rを閉弁状
態とすると、各車輪のホイルシリンダ圧PW/ C を増圧す
ることができる。以下、この状態を(i) 増圧モードと称
す。
イドS**Hおよび減圧ソレノイドS**Rの双方を閉
弁状態とすると、各車輪のホイルシリンダ圧PW/C を保
持することができる。以下、この状態を(ii)保持モード
と称す。更に、ABS制御の実行中に、保持ソレノイド
S**Hを閉弁状態とし、かつ、減圧ソレノイドS**
Rを開弁状態とすると、各車輪のホイルシリンダ圧P
W/C を減圧することができる。以下、この状態を(iii)
減圧モードと称す。
に適宜上記の(i) 増圧モード、(ii)保持モード、およ
び、(iii) 減圧モードが実現されるように、各車輪のス
リップ状態に応じて保持ソレノイドS**Hおよび減圧
ソレノイドS**Rを制御する。保持ソレノイドS**
Hおよび減圧ソレノイドS**Rが上記の如く制御され
ると、全ての車輪のホイルシリンダ圧PW/C が対応する
車輪に過大なスリップ率を発生させることのない適当な
圧力に制御される。このように、上記の制御によれば、
制動力制御装置においてABS機能を実現することがで
きる。
ドが行われる際にはホイルシリンダ120〜126内の
ブレーキフルードが、フロント減圧通路450およびリ
ア減圧通路452を通ってフロントリザーバ454およ
びリアリザーバ455に流入する。フロントリザーバ4
54およびリアリザーバ455に流入したブレーキフル
ードは、フロントポンプ460およびリアポンプ462
に汲み上げられて液圧通路432,434,436へ供
給される。
れたブレーキフルードの一部は、各車輪で増圧モードが
行われる際にホイルシリンダ120〜126に流入す
る。また、そのブレーキフルードの残部は、ブレーキフ
ルードの流出分を補うべくマスタシリンダ402に流入
する。このため、本実施例のシステムによれば、ABS
制御の実行中にブレーキペダル12に過大なストローク
が生ずることはない。
るための制動力制御装置の状態を示す。ECU10は、
運転者によって制動力の速やかな立ち上がりを要求する
ブレーキ操作、すなわち、緊急ブレーキ操作が実行され
た後に図26乃至図28に示す状態を適宜実現すること
でBA機能を実現する。以下、制動力制御装置におい
て、BA機能を実現させるための制御をBA制御と称
す。
アシスト圧増圧状態を示す。アシスト圧増圧状態は、B
A制御の実行中に各車輪のホイルシリンダ圧PW/C を増
圧させる必要がある場合に、すなわち、BA制御中に
(I)開始増圧モード、(II)アシスト圧増圧モード、およ
び、 (V)アシスト圧緩増モードの実行が要求された場合
に実現される。
におけるアシスト圧増圧状態は、図26に示す如く、リ
ザーバカットソレノイドSRCF414,SRCR41
6、および、マスタカットソレノイドSMFR426,
SMFL428,SMR430をオン状態とし、かつ、
フロントポンプ460およびリアポンプ462をオン状
態とすることで実現される。
れると、リザーバタンク408に貯留されているブレー
キフルードがフロントポンプ460およびリアポンプ4
62に汲み上げられて液圧通路432,434,436
に供給される。アシスト圧増圧状態では、液圧通路43
2,434,436の内圧が、定圧開放弁438,44
0,442の開弁圧を超えてマスタシリンダ圧PM/C に
比して高圧となるまでは、液圧通路432,434,4
36からマスタシリンダ402へ向かうブレーキフルー
ドの流れがSMFR326,SMFL328,SMR3
30によって阻止される。
態が実現されると、その後、液圧通路432,434,
436には、マスタシリンダ圧PM/C に比して高圧の液
圧が発生する。アシスト圧増圧状態では、ホイルシリン
ダ120〜126と、それらに対応する液圧通路33
2,334,336とが導通状態に維持されている。従
って、アシスト圧増圧状態が実現されると、その後、全
ての車輪のホイルシリンダ圧PW/C は、フロントポンプ
460またはリアポンプ462を液圧源として、速やか
にマスタシリンダ圧PM/C を超える圧力に昇圧される。
態において、液圧通路434,432,436は、それ
ぞれ逆止弁444,446,448を介してマスタシリ
ンダ402に連通している。このため、マスタシリンダ
圧PM/C が各車輪のホイルシリンダ圧PW/C に比して大
きい場合は、アシスト圧増圧状態においても、マスタシ
リンダ402を液圧源としてホイルシリンダ圧PW/C を
昇圧することができる。
アシスト圧保持状態を示す。アシスト圧保持状態は、B
A制御の実行中に各車輪のホイルシリンダ圧PW/C を保
持する必要がある場合、すなわち、BA制御中に(IV)ア
シスト圧保持モードが要求される場合に実現される。ア
シスト圧保持状態は、図27に示す如く、マスタカット
ソレノイドSMFR426,SMFL428,SMR4
30をオン状態とすることで実現される。
ロントポンプ460とリザーバタンク408、および、
リアポンプ462とリザーバタンク408が、それぞれ
SRCF414および416によって遮断状態とされ
る。このため、アシスト圧保持状態では、フロントポン
プ460およびリアポンプ462から液圧通路432,
434,436にフルードが吐出されることはない。ま
た、図27に示すアシスト圧保持状態では、液圧通路4
32,434,436が、SMFR426,SMFL4
24,SMR430によってマスタシリンダ402から
実質的に切り離されている。このため、図27に示すア
シスト圧保持状態によれば、全ての車輪のホイルシリン
ダ圧PW/C を一定値に保持することができる。
アシスト圧減圧状態を示す。アシスト圧減圧状態は、B
A制御の実行中に各車輪のホイルシリンダ圧PW/C を減
圧する必要がある場合、すなわち、BA制御中に (III)
アシスト圧減圧モード、および、(VI)アシスト圧緩減モ
ードの実行が要求された場合に実現される。アシスト圧
減圧状態は、図28に示す如く、全てのソレノイドをオ
フ状態とすることで実現される。
ロントポンプ460およびリアポンプ462がリザーバ
タンク408から切り離される。このため、フロントポ
ンプ462およびリアポンプ462から液圧通路43
2,434,436にフルードが吐出されることはな
い。また、アシスト圧減圧状態では、各車輪のホイルシ
リンダ120〜126とマスタシリンダ402とが導通
状態となる。このため、アシスト圧減圧状態を実現する
と、全ての車輪のホイルシリンダ圧PW/C を、マスタシ
リンダ圧PM/C を下限値として減圧することができる。
によって緊急ブレーキ操作が実行された場合に、上述し
た第1実施例の場合と同様に、上記図26乃至図28に
示すアシスト圧増圧状態、アシスト圧保持状態およびア
シスト圧減圧状態を組み合わせてBA機能を実現する。
このため、本実施例の制動力制御装置によれば、上述し
た第1実施例の場合と同様に、運転者によって緊急ブレ
ーキ操作が行われた際に、速やかに運転者の意図する
制動力を発生させること、および、BA制御の実行中
常に制動力に運転者の意図を反映させることができる。
したBA制御が開始されると、その後、各車輪のホイル
シリンダ圧PW/C が速やかに昇圧されることにより、何
れかの車輪について過剰なスリップ率が生ずる場合があ
る。ECU10は、このような場合には、BA+ABS
制御を開始する。以下、上記図28と共に図29および
図30を参照して、BA+ABS制御に伴う制動力制御
装置の動作を説明する。
S制御が開始された後、運転者によって制動力の増加を
意図するブレーキ操作が行われると、ABS対象車輪の
ホイルシリンダ圧PW/C をABS制御の要求に応じた圧
力に制御しつつ、他の車輪のホイルシリンダ圧PW/C の
増大を図る。図29は、左前輪FLをABS対象車輪と
するBA+ABS制御の実行中に、上記の機能を果たす
べく実現される状態(以下、アシスト圧増圧(ABS)
状態と称す)を示す。アシスト圧増圧(ABS)状態
は、リアリザーバカットソレノイドSRCR416、お
よび、マスタカットソレノイドSMFR426,SMF
L428,SMR430をオン状態とし、フロントポン
プ460およびリアポンプ462をオン状態とし、か
つ、左前輪FLの保持ソレノイドSFLH106および
減圧ソレノイドSFLR114を、ABS制御の要求に
応じて適宜制御することで実現される。
左右後輪RL,RRのホイルシリンダ124,126に
は、上記図26に示すアシスト圧増圧状態の場合と同様
に、リアポンプ462から吐出されるブレーキフルード
が供給される。このため、アシスト圧増圧(ABS)状
態が実現されると、左右後輪RL,RRのホイルシリン
ダ圧PW/C は、BA制御中にアシスト圧増圧状態が実現
された場合と同様に昇圧される。
ABS制御は、左前輪FLについて(ii)減圧モードが実
行されることにより開始される。従って、フロントリザ
ーバ454には、BA+ABS制御が開始されると同時
にブレーキフルードが流入する。図29に示すアシスト
圧増圧(ABS)状態において、フロントポンプ460
は、このようにしてフロントリザーバ454に流入した
ブレーキフルードを吸入して圧送する。
ブレーキフルードは、主に右前輪FRのホイルシリンダ
120へ供給されると共に、左前輪FLについて(i) 増
圧モードが実行される際にホイルシリンダ122へ供給
される。上記の制御によれば、右前輪FRのホイルシリ
ンダ圧PW/C を、BA制御中にアシスト圧増圧状態が実
現された場合と同様に昇圧し、また、左前輪FLのホイ
ルシリンダ圧PW/C を、左前輪FLに過大なスリップ率
を発生させない適当な値に制御することができる。
(ABS)状態によれば、ABS対象車輪である左前輪
FLのホイルシリンダ圧PW/C をABS制御の要求に応
じた圧力に制御しつつ、ABS制御の非対象車輪である
右前輪FRおよび左右後輪RL,RRのホイルシリンダ
圧PW/C を、BA制御中にアシスト圧増圧状態が実現さ
れた場合と同様に速やかに昇圧させることができる。
S制御が開始された後、運転者によって制動力の保持を
意図するブレーキ操作が行われると、ABS対象車輪の
ホイルシリンダ圧PW/C をABS制御の要求に応じた圧
力に制御しつつ、他の車輪のホイルシリンダ圧PW/C の
保持を図る。図30は、左前輪FLをABS対象車輪と
するBA+ABS制御の実行中に、上記の機能を果たす
べく実現される状態(以下、アシスト圧保持(ABS)
状態と称す)を示す。アシスト圧保持(ABS)状態
は、マスタカットソレノイドSMFR426,SMFL
428,SMR430をオン状態とし、フロントポンプ
460およびリアポンプ462をオン状態とし、右前輪
FRの保持ソレノイドSFRH104をオン状態とし、
かつ、左前輪FLの保持ソレノイドSFLH106およ
び減圧ソレノイドSFLR114をABS制御の要求に
応じて適宜制御することで実現される。
リアポンプ462は、上記図27に示すアシスト圧保持
状態が実現された場合と同様にリザーバタンク408か
ら遮断される。また、液圧通路430は、上記図27に
示すアシスト圧保持状態が実現された場合と同様に実質
的にマスタシリンダ402から遮断される。このため、
アシスト圧保持(ABS)状態が実現されると、左右後
輪RL,RRのホイルシリンダ圧PW/C は、BA制御中
にアシスト圧保持状態が実現される場合と同様に一定値
に保持される。
保持(ABS)状態が実現されると同時に、または、ア
シスト圧保持(ABS)状態が実現されるに先立って、
ホイルシリンダ122から流出したブレーキフルードが
蓄えられる。フロントポンプ460は、アシスト圧保持
(ABS)状態が実現されている間、フロントリザーバ
454に蓄えられているブレーキフルードを吸入して圧
送する。
のホイルシリンダ120は、SFRH104によってフ
ロントポンプ460から切り離されている。このため、
フロントポンプ460によって圧送されるブレーキフル
ードは、左前輪FLのホイルシリンダ122にのみ供給
される。また、フロントポンプ460からホイルシリン
ダ122へのブレーキフルードの流入は、左前輪FLに
ついて (i)増圧モードが行われる場合にのみ許容され
る。上記の処理によれば、右前輪FRのホイルシリンダ
圧PW/C が一定値に保持されると共に、左前輪FLのホ
イルシリンダ圧P W/C が、左前輪FLに過大なスリップ
率を発生させることのない適当な圧力に制御される。
(ABS)状態によれば、ABS対象車輪である左前輪
FLのホイルシリンダ圧PW/C をABS制御の要求に応
じた適当な圧力に制御しつつ、ABS制御の非対象車輪
である右前輪FRおよび左右後輪RL,RRのホイルシ
リンダ圧PW/C を、BA制御中にアシスト圧保持状態が
実現された場合と同様に一定値に保持することができ
る。
S制御が開始された後、運転者によって制動力の減圧を
意図するブレーキ操作が行われると、ABS対象車輪の
ホイルシリンダ圧PW/C をABS制御の要求に応じた圧
力に制御しつつ、他の車輪のホイルシリンダ圧PW/C の
減圧を図る。上述した機能は、上記図28に示すアシス
ト圧減圧状態を実現しつつ、ABS対象車輪について、
ABS制御の要求に応じて (i)増圧モード、(ii)保持モ
ードおよび (iii)減圧モードが実現されるように、適宜
保持ソレノイドS**Hおよび減圧ソレノイドS**R
を制御することで実現される。以下、かかる制御が実行
されている状態をアシスト圧減圧(ABS)状態と称
す。
が実現されている場合、全ての保持ソレノイドS**H
はマスタシリンダ402に連通している。このため、ア
シスト圧減圧(ABS)制御を実現すると、ABS制御
の非制御対象車輪のホイルシリンダ圧PW/C をマスタシ
リンダ圧PM/C を下限値として減圧することができる。
また、ABS制御の対象車輪については、(ii)保持モー
ドおよび (iii)減圧モードを実現することで、そのホイ
ルシリンダ圧PW/C を保持または減圧することができ
る。
は、運転者が制動力の減少を意図している場合に、すな
わち、何れの車輪のホイルシリンダ圧PW/C も増圧する
必要がない場合に実現される。従って、ABS対象車輪
について、上記の如く(ii)保持モードと (iii)減圧モー
ドとが実現できれば、ABS対象車輪のホイルシリンダ
圧PW/C を、適正にBA+ABS制御によって要求され
る圧力に制御することができる。
BS)状態によれば、ABS対象車輪のホイルシリンダ
圧PW/C をABS制御の要求に応じた適当な圧力に制御
しつつ、ABS制御の非対象車輪である右前輪FRおよ
び左右後輪RL,RRのホイルシリンダ圧PW/C を、B
A制御中にアシスト圧減圧状態が実現された場合と同様
にマスタシリンダ圧PM/C を下限値として減圧すること
ができる。
よれば、BA制御が開始された後、何れかの車輪に過大
なスリップ率が発生した場合に、ABS対象車輪のホ
イルシリンダ圧PW/C をABS制御によって要求される
適当な圧力に抑制するABS機能と、ABS制御の非
制御対象車輪のホイルシリンダ圧PW/C を、マスタシリ
ンダ圧PM/C に比して高圧の領域で、運転者のブレーキ
操作に応じて増減させるBA機能とを、同時に実現する
ことができる。
施例の第3実施例について説明する。図31は、本発明
の第3実施例に対応するポンプアップ式制動力制御装置
(以下、単に制動力制御装置と称す)のシステム構成図
を示す。尚、図31において、上記図25に示す構成部
分と同一の部分については、同一の符号を付してその説
明を省略または簡略する。
ンジン・フロントドライブ式車両(FF車両)用の制動
力制御装置として好適な装置である。本実施例の制動力
制御装置は、ECU10により制御されている。ECU
10は、上述した第1実施例および第2実施例の場合と
同様に、上記図8乃至図10、および、上記図12乃至
図18に示す制御ルーチンを実行することで制動力制御
装置の動作を制御する。
備えている。ブレーキペダル12の近傍には、ブレーキ
スイッチ14が配設されている。ECU10は、ブレー
キスイッチ14の出力信号に基づいてブレーキペダル1
2が踏み込まれているか否かを判別する。ブレーキペダ
ル12は、バキュームブースタ400に連結されてい
る。また、バキュームブースタ400は、マスタシリン
ダ402に固定されている。マスタシリンダ402の内
部には第1油圧室404および第2油圧室406が形成
されている。第1油圧室404および第2油圧室406
の内部には、ブレーキ踏力Fと、バキュームブースタ4
00が発生するアシスト力Faとの合力に応じたマスタ
シリンダ圧PM/C が発生する。
タンク408が配設されている。リザーバタンク408
には、第1リザーバ通路500、および、第2リザーバ
通路502が連通している。第1リザーバ通路500に
は、第1リザーバカットソレノイド504(以下、SR
C-1504と称す)が連通している。同様に、第2リザ
ーバ通路502には、第2リザーバカットソレノイド5
06(以下、SRC-2506と称す)が連通している。
路508が連通している。同様に、SRC-2506に
は、第2ポンプ通路510が連通している。SRC-15
04は、オフ状態とされることで第1リザーバ通路50
0と第1ポンプ通路508とを遮断し、かつ、オン状態
とされることでそれらを導通させる2位置の電磁弁であ
る。また、SRC-2506は、オフ状態とされることで
第2リザーバ通路502と第2ポンプ通路510とを遮
断し、かつ、オン状態とされることでそれらを導通させ
る2位置の電磁弁である。
4、および、第2油圧室406には、それぞれ第1液圧
通路422、および、第2液圧通路424が連通してい
る。第1液圧通路422には、第1マスタカットソレノ
イド512(以下、SMC-1512と称す)が連通して
いる。一方、第2液圧通路424には、第2マスタカッ
トソレノイド514(以下、SMC-2514と称す)が
連通している。
16と左後輪RLに対応して設けられた液圧通路518
とが連通している。第1ポンプ圧通路516には、第1
ポンプソレノイド520(以下、SMV-1520と称
す)が連通している。SMV-1520には、更に、右前
輪FRに対応して設けられた液圧通路522が連通して
いる。SMV-1520の内部には定圧開放弁524が設
けられている。SMV-1520は、オフ状態とされた場
合に第1ポンプ圧通路516と液圧通路522とを導通
状態とし、かつ、オン状態とされた場合に定圧開放弁5
24を介してそれらを連通させる2位置の電磁弁であ
る。第1ポンプ圧通路516と液圧通路522との間に
は、また、第1ポンプ圧通路516側から液圧通路52
2側へ向かうフルードの流れのみを許容する逆止弁52
6が配設されている。
28と右後輪RRに対応して設けられた液圧通路530
とが連通している。第2ポンプ圧通路528には、第2
ポンプソレノイド532(以下、SMV-2532と称
す)が連通している。SMV-2532には、更に、左前
輪FLに対応して設けられた液圧通路534が連通して
いる。SMV-2532の内部には定圧開放弁536が設
けられている。SMV-2532は、オフ状態とされた場
合に第2ポンプ圧通路528と液圧通路534とを導通
状態とし、かつ、オン状態とされた場合に定圧開放弁5
36を介してそれらを連通させる2位置の電磁弁であ
る。第1ポンプ圧通路528と液圧通路534との間に
は、また、第2ポンプ圧通路528側から液圧通路53
6側へ向かうフルードの流れのみを許容する逆止弁53
8が配設されている。
部には、それぞれ定圧開放弁540,542が設けられ
ている。SMC-1512は、オフ状態とされた場合に第
1液圧通路422と液圧通路518(および第1ポンプ
圧通路516)とを導通状態とし、かつ、オン状態とさ
れた場合に定圧開放弁540を介してそれらを連通させ
る2位置の電磁弁である。また、SMC-2514は、オ
フ状態とされた場合に第2液圧通路424と液圧通路5
30(および第2ポンプ圧通路528)とを導通状態と
し、かつ、オン状態とされた場合に定圧開放弁442を
介してそれらを連通させる2位置の電磁弁である。
間には、第1液圧通路422側から液圧通路518側へ
向かうフルードの流れのみを許容する逆止弁544が配
設されている。同様に、第2液圧通路424と液圧通路
530との間には、第2液圧通路424側から液圧通路
530側へ向かう流体の流れのみを許容する逆止弁54
6が配設されている。
れた4本の液圧通路516,522,528,534に
は、第1実施例および第2実施例の場合と同様に保持ソ
レノイドS**H、減圧ソレノイドS**R、ホイルシ
リンダ120〜126および逆止弁128〜134が連
通している。また、右前輪FRおよび左後輪RLの減圧
ソレノイドSFRR112およびSRLR118には、
第1減圧通路548が連通している。更に、左前輪FL
および右後輪RRの減圧ソレノイドSFLR114およ
びSRRR116には、第2減圧通路550が連通して
いる。
50には、それぞれ第1リザーバ552および第2リザ
ーバ554が連通している。また、第1リザーバ552
および第2リザーバ554は、それぞれ逆止弁556,
558を介して第1ポンプ560の吸入側、および、第
2ポンプ562の吸入側に連通している。第1ポンプ5
60の吐出側、および、第2ポンプ562の吐出側は、
吐出圧の脈動を吸収するためのダンパ564,566に
連通している。ダンパ564,566は、それぞれ液圧
通路522,534に連通している。
138,140,142が配設されている。ECU10
は、車輪速センサ136〜142の出力信号に基づいて
各車輪の回転速度VW を検出する。また、マスタシリン
ダ302に連通する第2液圧通路324には、液圧セン
サ144が配設されている。ECU10は、液圧センサ
144の出力信号に基づいてマスタシリンダ圧PM/C を
検出する。
説明する。本実施例の制動力制御装置は、油圧回路内に
配設された各種の電磁弁の状態を切り換えることによ
り、通常ブレーキ機能、ABS機能、および、B
A機能を実現する。 通常ブレーキ機能は、図31に示す如く、制動力制御
装置が備える全ての電磁弁をオフ状態とすることにより
実現される。以下、図31に示す状態を通常ブレーキ状
態と称す。また、制動力制御装置において通常ブレーキ
機能を実現するための制御を通常ブレーキ制御と称す。
右前輪FRのホイルシリンダ120および左後輪RLの
ホイルシリンダ126は、共に第1液圧通路422を介
してマスタシリンダ402の第1油圧室404に連通し
ている。また、左前輪FLのホイルシリンダ122およ
び右後輪RRのホイルシリンダ124は、共に第2液圧
通路424を介してマスタシリンダ402の第2油圧室
406に連通している。この場合、ホイルシリンダ12
0〜126のホイルシリンダ圧PW/C は、常にマスタシ
リンダ圧PM/C と等圧に制御される。従って、図31示
す状態によれば、通常ブレーキ機能が実現される。
て、第1ポンプ560および第2ポンプ562をオン状
態とし、かつ、保持ソレノイドS**Hおよび減圧ソレ
ノイドS**RをABSの要求に応じて適当に駆動する
ことにより実現される。以下、制動力制御装置において
ABS機能を実現するための制御をABS制御と称す。
右後輪に対応して設けられた4本の液圧通路518,5
22,528,534の全てに高圧のマスタシリンダ圧
PM/ C が導かれている。従って、かかる状況下で保持ソ
レノイドS**Hを開弁状態とし、かつ、減圧ソレノイ
ドS**Rを閉弁状態とすると、各車輪のホイルシリン
ダ圧PW/C を増圧することができる。以下、この状態を
(i) 増圧モードと称す。
イドS**Hおよび減圧ソレノイドS**Rの双方を閉
弁状態とすると、各車輪のホイルシリンダ圧PW/C を保
持することができる。以下、この状態を(ii)保持モード
と称す。更に、ABS制御の実行中に、保持ソレノイド
S**Hを閉弁状態とし、かつ、減圧ソレノイドS**
Rを開弁状態とすると、各車輪のホイルシリンダ圧P
W/C を減圧することができる。以下、この状態を(iii)
減圧モードと称す。
車輪毎に適宜上記の(i) 増圧モード、(ii)保持モード、
および、(iii) 減圧モードが実現されるように、各車輪
のスリップ状態に応じて保持ソレノイドS**Hおよび
減圧ソレノイドS**Rを制御する。保持ソレノイドS
**Hおよび減圧ソレノイドS**Rが上記の如く制御
されると、全ての車輪のホイルシリンダ圧PW/C が対応
する車輪に過大なスリップ率を発生させることのない適
当な圧力に制御される。このように、上記の制御によれ
ば、制動力制御装置においてABS機能を実現すること
ができる。
ドが行われる際にはホイルシリンダ120〜126内の
ブレーキフルードが、第1減圧通路548および第2減
圧通路550を通って第1リザーバ552および第2リ
ザーバ554に流入する。第1リザーバ552および第
2リザーバ554に流入したブレーキフルードは、第1
ポンプ560および第2ポンプ562に汲み上げられて
液圧通路522,534へ供給される。
ーキフルードの一部は、各車輪で (i)増圧モードが行わ
れる際にホイルシリンダ120〜126に流入する。ま
た、そのブレーキフルードの残部は、ブレーキフルード
の流出分を補うべくマスタシリンダ402に流入する。
このため、本実施例のシステムによれば、ABS制御の
実行中にブレーキペダル12に過大なストロークが生ず
ることはない。
るための制動力制御装置の状態を示す。ECU10は、
運転者によって制動力の速やかな立ち上がりを要求する
ブレーキ操作、すなわち、緊急ブレーキ操作が実行され
た後に図32乃至図34に示す状態を適宜実現すること
でBA機能を実現する。以下、制動力制御装置におい
て、BA機能を実現させるための制御をBA制御と称
す。
アシスト圧増圧状態を示す。アシスト圧増圧状態は、B
A制御の実行中に各車輪のホイルシリンダ圧PW/C を増
圧させる必要がある場合に、すなわち、BA制御中に
(I)開始増圧モード、(II)アシスト圧増圧モード、およ
び、 (V)アシスト圧緩増モードの実行が要求された場合
に実現される。
におけるアシスト圧増圧状態は、図32に示す如く、リ
ザーバカットソレノイドSRC-1504,SRC-250
6、および、マスタカットソレノイドSMC-1512,
SMC-2514をオン状態とし、かつ、第1ポンプ56
0および第2ポンプ562をオン状態とすることで実現
される。
実現されると、リザーバタンク408に貯留されている
ブレーキフルードが第1ポンプ560および第2ポンプ
562に汲み上げられて液圧通路522,534に供給
される。アシスト圧増圧状態では、液圧通路522と右
前輪FRのホイルシリンダ120および左後輪RLのホ
イルシリンダ126が導通状態に維持される。また、ア
シスト圧増圧状態では、液圧通路522側の圧力が定圧
開放弁540の開弁圧を超えてマスタシリンダ圧PM/C
に比して高圧となるまでは、液圧通路522側からマス
タシリンダ402側へ向かうフルードの流れがSMC-1
512によって阻止される。
路534と左前輪FLのホイルシリンダ122および右
後輪RRのホイルシリンダ124とが導通状態に維持さ
れると共に、液圧通路534側の内圧が定圧開放弁54
2の開弁圧を超えてマスタシリンダ圧PM/C に比して高
圧となるまでは、液圧通路534側からマスタシリンダ
402側へ向かうフルードの流れがSMC-2514によ
って阻止される。
態が実現されると、その後、各車輪のホイルシリンダ圧
PW/C は、第1ポンプ560または第2ポンプ562を
液圧源として、速やかにマスタシリンダ圧PM/C を超え
る圧力に昇圧される。このように、図32に示すアシス
ト圧増圧状態によれば、制動力を速やかに立ち上げるこ
とができる。
態において、液圧通路518,522,528,530
は、逆止弁544,546を介してマスタシリンダ40
2に連通している。このため、マスタシリンダ圧PM/C
が各車輪のホイルシリンダ圧PW/C に比して大きい場合
は、BA作動状態においてもマスタシリンダ402を液
圧源としてホイルシリンダ圧PW/C を昇圧することがで
きる。
アシスト圧保持状態を示す。アシスト圧保持状態は、B
A制御の実行中に各車輪のホイルシリンダ圧PW/C を保
持する必要がある場合、すなわち、BA制御中に(IV)ア
シスト圧保持モードが要求される場合に実現される。ア
シスト圧保持状態は、図33に示す如く、マスタカット
ソレノイドSMC-1512,SMC-2514をオン状態
とすることで実現される。
1ポンプ560とリザーバタンク408、および、第2
ポンプ562とリザーバタンク408が、それぞれSR
C-1504およびSRC-2506によって遮断状態とさ
れる。このため、アシスト圧保持状態では、第1ポンプ
560および第2ポンプ562から液圧通路522,5
34にフルードが吐出されない。また、図33に示すア
シスト圧保持状態では、液圧通路518,522および
530,534が、それぞれSMC-1512およびSM
C-2514によってマスタシリンダ402から実質的に
切り離されている。このため、図33に示すアシスト圧
保持状態によれば、全ての車輪のホイルシリンダ圧P
W/C を一定値に保持することができる。
アシスト圧減圧状態を示す。アシスト圧減圧状態は、B
A制御の実行中に各車輪のホイルシリンダ圧PW/C を減
圧する必要がある場合、すなわち、BA制御中に (III)
アシスト圧減圧モード、および、(VI)アシスト圧緩減モ
ードの実行が要求された場合に実現される。アシスト圧
減圧状態は、図34に示す如く、全てのソレノイドをオ
フ状態とすることで実現される。
1ポンプ560および第2ポンプ562がリザーバタン
ク408から切り離される。このため、第1ポンプ56
2および第2ポンプ562から液圧通路522,534
にフルードが吐出されない。また、アシスト圧減圧状態
では、各車輪のホイルシリンダ120〜126とマスタ
シリンダ402とが導通状態となる。このため、アシス
ト圧減圧状態を実現すると、全ての車輪のホイルシリン
ダ圧PW/C を、マスタシリンダ圧PM/C を下限値として
減圧することができる。
によって緊急ブレーキ操作が実行された場合に、上述し
た第1実施例の場合と同様に、上記図32乃至図34に
示すアシスト圧増圧状態、アシスト圧保持状態およびア
シスト圧減圧状態を組み合わせてBA機能を実現する。
このため、本実施例の制動力制御装置によれば、上述し
た第1実施例および第2実施例の場合と同様に、運転者
によって緊急ブレーキ操作が行われた際に、速やかに
運転者の意図する制動力を発生させること、および、
BA制御の実行中常に制動力に運転者の意図を反映させ
ることができる。
したBA制御が開始されると、その後、各車輪のホイル
シリンダ圧PW/C が速やかに昇圧されることにより、何
れかの車輪について過剰なスリップ率が生ずる場合があ
る。ECU10は、このような場合には、BA+ABS
制御を開始する。以下、上記図34と共に図35および
図36を参照して、BA+ABS制御に伴う制動力制御
装置の動作を説明する。
S制御が開始された後、運転者によって制動力の増加を
意図するブレーキ操作が行われると、ABS対象車輪の
ホイルシリンダ圧PW/C をABS制御の要求に応じた圧
力に制御しつつ、他の車輪のホイルシリンダ圧PW/C の
増大を図る。図35は、右後輪RLをABS対象車輪と
するBA+ABS制御の実行中に、上記の機能を果たす
べく実現される状態(以下、アシスト圧増圧(ABS)
状態と称す)を示す。アシスト圧増圧(ABS)状態
は、第2リザーバカットソレノイドSRC-2506、お
よび、マスタカットソレノイドSMC-1512,SMC
-2514をオン状態とし、第1ポンプ560および第2
ポンプ562をオン状態とし、かつ、右後輪RLの保持
ソレノイドSRLH110および減圧ソレノイドSRL
R118をABS制御の要求に応じて適宜制御すること
で実現される。
左前輪FLのホイルシリンダ122および右後輪RRの
ホイルシリンダ124には、上記図32に示すアシスト
圧増圧状態の場合と同様に、第2ポンプ462から吐出
されるブレーキフルードが供給される。このため、アシ
スト圧増圧(ABS)状態が実現されると、これらの車
輪FL,RRのホイルシリンダ圧PW/C は、BA制御中
にアシスト圧増圧状態が実現された場合と同様に昇圧さ
れる。
ABS制御は、左後輪RLについて(ii)減圧モードが実
行されることにより開始される。従って、第1リザーバ
552には、BA+ABS制御が開始されると同時にブ
レーキフルードが流入する。図35に示すアシスト圧増
圧(ABS)状態において、第1ポンプ560は、この
ようにして第1リザーバ552に流入したブレーキフル
ードを吸入して圧送する。
ーキフルードは、主に右前輪FRのホイルシリンダ12
0へ供給されると共に、左後輪RLについて(i) 増圧モ
ードが実行される際にホイルシリンダ126へ供給され
る。上記の制御によれば、右前輪FRのホイルシリンダ
圧PW/C をBA制御中にアシスト圧増圧状態が実現され
た場合と同様に昇圧し、また、左後輪RLのホイルシリ
ンダ圧PW/C を、左後輪RLに過大なスリップ率を発生
させない適当な値に制御することができる。
(ABS)状態によれば、ABS対象車輪である左後輪
RLのホイルシリンダ圧PW/C をABS制御の要求に応
じた圧力に制御しつつ、ABS制御の非対象車輪である
左右前輪FL,FRおよび右後輪RRのホイルシリンダ
圧PW/C を、BA制御中にアシスト圧増圧状態が実現さ
れた場合と同様に速やかに昇圧させることができる。
S制御が開始された後、運転者によって制動力の保持を
意図するブレーキ操作が行われると、ABS対象車輪の
ホイルシリンダ圧PW/C をABS制御の要求に応じた圧
力に制御しつつ、他の車輪のホイルシリンダ圧PW/C の
保持を図る。図36は、右後輪RLをABS対象車輪と
するBA+ABS制御の実行中に、上記の機能を果たす
べく実現される状態(以下、アシスト圧保持(ABS)
状態と称す)を示す。アシスト圧保持(ABS)状態
は、マスタカットソレノイドSMC-1512,SMC-2
514をオン状態とし、第1ポンプ560および第2ポ
ンプ562をオン状態とし、右前輪FRの保持ソレノイ
ドSFRH104をオン状態とし、かつ、左後輪RLの
保持ソレノイドSRLH110および減圧ソレノイドS
RLR118をABS制御の要求に応じて適宜制御する
ことで実現される。
第2ポンプ562は、上記図33に示すアシスト圧保持
状態が実現された場合と同様にリザーバタンク408か
ら遮断される。また、液圧通路530,534は、上記
図33に示すアシスト圧保持状態が実現された場合と同
様に実質的にマスタシリンダ402から遮断される。こ
のため、アシスト圧保持(ABS)状態が実現される
と、左前輪FLおよび右後輪RRのホイルシリンダ圧P
W/C は、BA制御中にアシスト圧保持状態が実現される
場合と同様に一定値に保持される。
(ABS)状態が実現されると同時に、または、アシス
ト圧保持(ABS)状態が実現されるに先立って、ホイ
ルシリンダ126から流出したブレーキフルードが蓄え
られる。第1ポンプ560は、アシスト圧保持(AB
S)状態が実現されている間、第1リザーバ552に蓄
えられているブレーキフルードを吸入して圧送する。
のホイルシリンダ120は、SFRH104によって第
1ポンプ560から切り離されている。このため、第1
ポンプ560によって圧送されるブレーキフルードは、
左後輪RLのホイルシリンダ126にのみ供給される。
また、第1ポンプ560からホイルシリンダ126への
ブレーキフルードの流入は、左後輪RLについて (i)増
圧モードが行われる場合にのみ許容される。上記の処理
によれば、右前輪FRのホイルシリンダ圧PW/ C が一定
値に保持されると共に、左後輪RLのホイルシリンダ圧
PW/C が、左前輪FLに過大なスリップ率を発生させる
ことのない適当な圧力に制御される。
(ABS)状態によれば、ABS対象車輪である左後輪
RLのホイルシリンダ圧PW/C をABS制御の要求に応
じた適当な圧力に制御しつつ、ABS制御の非対象車輪
である左右前輪FL,FRおよび右後輪RRのホイルシ
リンダ圧PW/C を、BA制御中にアシスト圧保持状態が
実現された場合と同様に一定値に保持することができ
る。
S制御が開始された後、運転者によって制動力の減圧を
意図するブレーキ操作が行われると、ABS対象車輪の
ホイルシリンダ圧PW/C をABS制御の要求に応じた圧
力に制御しつつ、他の車輪のホイルシリンダ圧PW/C の
減圧を図る。上述した機能は、上記図34に示すアシス
ト圧減圧状態を実現しつつ、ABS対象車輪について、
ABS制御の要求に応じて (i)増圧モード、(ii)保持モ
ードおよび (iii)減圧モードが実現されるように、適宜
保持ソレノイドS**Hおよび減圧ソレノイドS**R
を制御することで実現される。以下、かかる制御が実行
されている状態をアシスト圧減圧(ABS)状態と称
す。
が実現されている場合、全ての保持ソレノイドS**H
はマスタシリンダ402に連通している。このため、ア
シスト圧減圧(ABS)制御を実現すると、ABS制御
の非制御対象車輪のホイルシリンダ圧PW/C をマスタシ
リンダ圧PM/C を下限値として減圧することができる。
また、ABS制御の対象車輪については、(ii)保持モー
ドおよび (iii)減圧モードを実現することで、そのホイ
ルシリンダ圧PW/C を保持または減圧することができ
る。
は、運転者が制動力の減少を意図している場合に、すな
わち、何れの車輪のホイルシリンダ圧PW/C も増圧する
必要がない場合に実現される。従って、ABS対象車輪
について、上記の如く(ii)保持モードと (iii)減圧モー
ドとが実現できれば、ABS対象車輪のホイルシリンダ
圧PW/C を、適正にBA+ABS制御によって要求され
る圧力に制御することができる。
BS)状態によれば、ABS対象車輪のホイルシリンダ
圧PW/C をABS制御の要求に応じた適当な圧力に制御
しつつ、ABS制御の非対象車輪である右前輪FRおよ
び左右後輪RL,RRのホイルシリンダ圧PW/C を、B
A制御中にアシスト圧減圧状態が実現された場合と同様
にマスタシリンダ圧PM/C を下限値として減圧すること
ができる。
よれば、BA制御が開始された後、何れかの車輪に過大
なスリップ率が発生した場合に、ABS対象車輪のホ
イルシリンダ圧PW/C をABS制御によって要求される
適当な圧力に抑制するABS機能と、ABS制御の非
制御対象車輪のホイルシリンダ圧PW/C を、マスタシリ
ンダ圧PM/C に比して高圧の領域で、運転者のブレーキ
操作に応じて増減させるBA機能とを、同時に実現する
ことができる。
動力制御装置の形式を、ハイドロブースタタイプおよび
ポンプアップタイプに限定しているが、本発明はこれに
限定されるものではなく、ブレーキ踏力に対する倍力比
を可変とするバキュームブースタを用いる場合には、バ
キュームブースタタイプの制動力制御装置に適用するこ
とも可能である。
ば、運転者によって緊急ブレーキ操作が行われた際に通
常時に比して大きな制動油圧を発生させると共に、その
制動油圧を、通常時に比して大きな圧力に維持したまま
運転者の意図に応じて調整することができる。
ーキ操作量と開始時操作量との偏差に基づいて制動油圧
制御機構で実現すべき状態を選択することにより、制動
油圧制御機構の状態が新たに切り換えられた後に実行さ
れたブレーキ操作の状態を適正に制動油圧に反映させる
ことができる。請求項3記載の発明によれば、ブレーキ
操作速度に基づいて制動油圧制御機構で実現すべき状態
を選択することにより、運転者の意図を適正に制動油圧
に反映させることができる。
ーキ操作量と開始時操作量との偏差、および、ブレーキ
操作速度に基づいて運転者の意図を適正に制動油圧に反
映させることができる。また、請求項5記載の発明によ
れば、開始増圧手段による制動油圧の増圧が終了した時
点の運転者の意図を、正確に制動油圧に反映させること
ができる。
の通常ブレーキ状態を示すシステム構成図である。
ロブースタの構成図である。
のABS作動状態を示す図である。
においてBA制御中またはBA+ABS制御中に実現さ
れるアシスト圧増圧状態を示す図である。
においてBA制御中またはBA+ABS制御中に実現さ
れるアシスト圧保持状態を示す図である。
においてBA制御中またはBA+ABS制御中に実現さ
れるアシスト圧減圧状態を示す図である。
制動力制御装置において緊急ブレーキ操作が行われた場
合にマスタシリンダ圧PM/C の変化速度ΔPM/C に生ず
る変化を表す図である。図7(B)は、本発明の第1実
施例に対応する制動力制御装置において緊急ブレーキ操
作が行われた場合にマスタシリンダ圧PM/C およびホイ
ルシリンダ圧P W/C に生ずる変化を表す図である。
において第1スタンバイ状態の成立性を判断すべく実行
される制御ルーチンの一例のフローチャートである。
において第2スタンバイ状態の成立性を判断すべく実行
される制御ルーチンの一例のフローチャートである。
置においてBA制御の開始条件の成立性を判断すると共
に開始増圧モードの増圧時間を演算すべく実行される制
御ルーチンの一例のフローチャートである。
準増圧時間TSTA0のマップの一例である。
置においてBA制御を実現すべく実行される制御ルーチ
ンの一例のフローチャート(その1)である。
置においてBA制御を実現すべく実行される制御ルーチ
ンの一例のフローチャート(その2)である。
置においてBA制御を実現すべく実行される制御ルーチ
ンの一例のフローチャート(その3)である。
置においてBA制御を実現すべく実行される制御ルーチ
ンの一例のフローチャート(その4)である。
置においてBA制御を実現すべく実行される制御ルーチ
ンの一例のフローチャート(その5)である。
置においてBA制御を実現すべく実行される制御ルーチ
ンの一例のフローチャート(その6)である。
置においてBA制御を実現すべく実行される制御ルーチ
ンの一例のフローチャート(その7)である。
置においてBA制御が実行される場合に開始増圧モード
に次いで実行される制御モードを示すテーブルである。
置においてBA制御が実行される場合にアシスト圧増圧
モードに次いで実行される制御モードを示すテーブルで
ある。
置においてBA制御が実行される場合にアシスト圧減圧
モードに次いで実行される制御モードを示すテーブルで
ある。
置においてBA制御が実行される場合にアシスト圧保持
モードに次いで実行される制御モードを示すテーブルで
ある。
置においてBA制御が実行される場合にアシスト圧緩増
モードに次いで実行される制御モードを示すテーブルで
ある。
置においてBA制御が実行される場合にアシスト圧緩減
モードに次いで実行される制御モードを示すテーブルで
ある。
置の通常ブレーキ状態およびABS作動状態を示すシス
テム構成図である。
置においてBA制御中に実現されるアシスト圧増圧状態
を示す図である。
置においてBA制御中に実現されるアシスト圧保持状態
を示す図である。
置においてBA制御中またはBA+ABS制御中に実現
されるアシスト圧減圧状態を示す図である。
置においてBA+ABS制御中に実現されるアシスト圧
増圧状態を示す図である。
置においてBA+ABS制御中に実現されるアシスト圧
保持状態を示す図である。
置の通常ブレーキ状態およびABS作動状態を示すシス
テム構成図である。
置においてBA制御中に実現されるアシスト圧増圧状態
を示す図である。
置においてBA制御中に実現されるアシスト圧保持状態
を示す図である。
置においてBA制御中またはBA+ABS制御中に実現
されるアシスト圧減圧状態を示す図である。
置においてBA+ABS制御中に実現されるアシスト圧
増圧状態を示す図である。
置においてBA+ABS制御中に実現されるアシスト圧
保持状態を示す図である。
**H) 112,114,116,118 減圧ソレノイド(S
**R) 120,122,124,126 ホイルシリンダ 144 液圧センサ 400 バキュームブースタ 402 マスタシリンダ 414 フロントリザーバカットソレノイド(SRC
F) 416 リアリザーバカットソレノイド(SRCR) 426 右前マスタカットソレノイド(SMFR) 428 左前マスタカットソレノイド(SMFL) 430 リアマスタカットソレノイド(SMR) 460 フロントポンプ 462 リアポンプ 504 第1リザーバカットソレノイド(SRC-1) 506 第2リザーバカットソレノイド(SRC-2) 512 第1マスタカットソレノイド(SMC-1) 514 第2マスタカットソレノイド(SMC-2) 560 第1ポンプ 562 第2ポンプ
Claims (5)
- 【請求項1】 運転者によって緊急ブレーキ操作が行わ
れた際に、通常時に比して大きな制動油圧を発生させる
制動力制御装置において、 ブレーキ操作と無関係に制動油圧を増圧するアシスト圧
増圧状態と、ブレーキ操作と無関係に制動油圧を保持す
るアシスト圧保持状態と、ブレーキ操作と無関係に制動
油圧を減圧するアシスト圧減圧状態と、を実現する制動
油圧制御機構と、 ブレーキ操作の状態に基づいて緊急ブレーキ操作の実行
を検出する緊急ブレーキ操作検出手段と、 緊急ブレーキ操作が検出された際に、前記制動油圧制御
機構を前記アシスト圧増圧状態として、通常時に比して
大きな制動油圧を発生させる開始増圧手段と、 前記開始増圧手段によって制動油圧が増圧された後に、
ブレーキ操作の状態に応じて前記アシスト圧増圧状態、
前記アシスト圧保持状態、および、前記アシスト圧減圧
状態を切り換えて制動油圧を調整する制動油圧調整手段
と、 を備えることを特徴とする制動力制御装置。 - 【請求項2】 請求項1記載の制動力制御装置におい
て、 前記制動油圧制御機構の状態が変化した際のブレーキ操
作量を開始時操作量として検出する開始時操作量検出手
段を備えると共に、 前記制動油圧調整手段が、現実のブレーキ操作量と前記
開始時操作量との偏差に基づいて前記制動油圧制御機構
で実現すべき状態を選択する第1の制御状態選択手段を
備えることを特徴とする制動力制御装置。 - 【請求項3】 請求項1記載の制動力制御装置におい
て、 前記制動油圧調整手段が、ブレーキ操作速度に基づいて
前記制動油圧制御機構で実現すべき状態を選択する第2
の制御状態選択手段を備えることを特徴とする制動力制
御装置。 - 【請求項4】 請求項1記載の制動力制御装置におい
て、 前記制動油圧制御機構の状態が変化した際のブレーキ操
作量を、開始時操作量として検出する開始時操作量検出
手段を備えると共に、 前記制動油圧調整手段が、現実のブレーキ操作量と前記
開始時操作量との偏差およびブレーキ操作速度に基づい
て前記制動油圧制御機構で実現すべき状態を選択する第
3の制御状態選択手段と、 前記偏差の絶対値が所定値以上であり、かつ、前記ブレ
ーキ操作速度の絶対値が所定速度以上である場合に、そ
の他の場合に比して制動油圧の増減圧勾配を急峻とする
増減圧勾配変更手段と、を備えることを特徴とする制動
力制御装置。 - 【請求項5】 請求項1記載の制動力制御装置におい
て、 前記制動油圧調整手段が、前記開始増圧手段による制動
油圧の増圧が終了した後に前記制動油圧制御機構で実現
すべき状態を、前記開始増圧手段による制動油圧の増圧
が終了した時点のブレーキ操作速度に基づいて選択する
第4の制御状態選択手段を備えることを特徴とする制動
力制御装置。
Priority Applications (5)
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