JP3296236B2 - 制動力制御装置 - Google Patents

制動力制御装置

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JP3296236B2
JP3296236B2 JP05207397A JP5207397A JP3296236B2 JP 3296236 B2 JP3296236 B2 JP 3296236B2 JP 05207397 A JP05207397 A JP 05207397A JP 5207397 A JP5207397 A JP 5207397A JP 3296236 B2 JP3296236 B2 JP 3296236B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、制動力制御装置に
係り、特に、車両において緊急ブレーキ操作が行われた
際に、通常時に比して大きな制動力を発生させる制動力
制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、例えば特開平4−12126
0号に開示される如く、ブレーキペダルが所定速度を超
える速度で踏み込まれた場合に、通常時に比して大きな
制動液圧を発生させる制動力制御装置が知られている。
車両の運転者は、制動力を速やかに立ち上げたい場合に
ブレーキペダルを高速で操作する。上記従来の制動力制
御装置によれば、かかるブレーキ操作(以下、緊急ブレ
ーキ操作と称す)が行われた場合に通常時に比して大き
な制動液圧を発生することで、適正に運転者の要求に応
える制動力を発生させることができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、緊急ブレー
キ操作の開始後に運転者が要求する制動力は常に一定で
はない。すなわち、緊急ブレーキ操作が開始された後、
ブレーキペダルが更に踏み込まれた場合は、運転者が制
動力の増加を意図していると判断することができる。ま
た、ブレーキペダルの操作量が保持されている場合、お
よび、減少された場合は、それぞれ運転者が制動力の保
持または減少を意図していると判断することができる。
【0004】従って、緊急ブレーキ操作が開始された後
に、運転者の意図を正確に反映した制動力を発生させる
ためには、制動液圧を通常時に比して大きな液圧に増圧
した後、ブレーキペダルの操作状態に応じて、その制動
液圧を増減させることが適切である。かかる機能は、例
えば、従来の制動力制御装置に、ブレーキペダルが操作
量が増加する場合に制動液圧の増圧を図り、その操作量
が保持される場合に制動液圧の保持を図り、かつ、その
操作量が減少される場合に制動液圧の減圧を図る機能を
追加することにより実現することができる。
【0005】しかし、ブレーキペダルの操作量が増減さ
れる場合に、ホイルシリンダに供給される制動液圧が操
作量の変化勾配と同様の増減圧勾配で急変すると、制動
力の急変に伴って乗り心地が悪化することがある。更
に、ホイルシリンダに供給される制動液圧がブレーキペ
ダルの操作量の変化勾配と同様の増減圧勾配で増減され
るとすれば、ノイズ等の影響で操作量の急変が誤検出さ
れた場合に、制動力が不必要に変化する可能性がある。
【0006】本発明は、上述の点に鑑みてなされたもの
であり、緊急ブレーキ操作の実行中に、ブレーキ操作量
の変化勾配に比して緩やかな増減圧勾配で制動液圧を変
化させることのできる制動力制御装置を提供することを
目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、請求項1
に記載する如く、運転者によって緊急ブレーキ操作が行
われた際に、車両のホイルシリンダに通常時に比して大
きな制動液圧を供給するブレーキアシスト制御を実行す
る制動力制御装置において、ホイルシリンダを選択的に
高圧源および低圧源に連通させる液圧回路と、運転者の
ブレーキ操作量を検出する操作量検出手段と、ブレーキ
アシスト制御の実行中に、運転者のブレーキ操作に応じ
たホイルシリンダ圧が発生するように前記液圧回路を制
御する液圧制御手段と、を備えると共に、前記液圧制御
手段が、前記ブレーキ操作量の変化勾配に比して緩やか
な増減圧勾配でホイルシリンダ圧を変化させる勾配制御
手段を備える制動力制御装置により達成される。
【0008】本発明において、運転者によって緊急ブレ
ーキ操作が実行されると、ブレーキアシスト制御が開始
されることにより、高圧源を液圧源として、通常時に比
して大きな制動液圧がホイルシリンダに供給される。ブ
レーキアシスト制御の実行中は、ホイルシリンダが高圧
源および低圧源に選択的に連通されることにより、ホイ
ルシリンダ圧がブレーキ操作量に応じた液圧に調圧され
る。この際、ホイルシリンダ圧の増減圧勾配は、勾配制
御手段によって、ブレーキ操作量の変化勾配に比して緩
やかな傾きに制御される。
【0009】上記の目的は、請求項2に記載する如く、
上記請求項1記載の制動力制御装置において、前記勾配
制御手段が、所定の保持時間の間、前記ホイルシリンダ
を前記高圧源および低圧源の双方から切り離すことによ
り、前記緩やかな増減圧勾配を実現する制動液圧制御装
置によっても達成される。
【0010】本発明において、勾配制御手段は、ホイル
シリンダに供給する制動液圧の変更が要求される場合
に、所定の保持時間の間ホイルシリンダを高圧源および
低圧源の双方から切り離す状態(以下、アシスト圧保持
状態と称す)を実現する。アシスト圧保持状態によれ
ば、ホイルシリンダ圧は増減されることなく保持され
る。本発明において、ホイルシリンダ圧は、ホイルシリ
ンダを高圧源に連通させてホイルシリンダ圧の増圧を図
る状態(以下、アシスト圧増圧状態と称す)とアシスト
圧保持状態とを組み合わせて、または、ホイルシリンダ
を低圧源に連通させてホイルシリンダ圧の減圧を図る状
態(以下、アシスト圧減圧状態と称す)とアシスト圧保
持状態とを組み合わせてホイルシリンダ圧の調圧を図
る。この場合、ホイルシリンダ圧の増減圧勾配は緩やか
な勾配となる。
【0011】上記の目的は、請求項3に記載する如く、
上記請求項2記載の制動力制御装置において、前記液圧
制御手段が、前記保持時間の間に実行されたブレーキ操
作量に応じて、該保持時間の経過後に実現すべき増減圧
勾配を決定する保持後勾配決定手段を備える制動力制御
装置によっても達成される。
【0012】本発明において、所定の保持時間の間ホイ
ルシリンダ圧を保持した後に実現すべき増減圧勾配は、
その保持時間の間に決定される。運転者によるブレーキ
操作は、ホイルシリンダ圧が保持されている間にも実行
される。本発明の如く、保持時間の間にその後の増減圧
勾配を決定する構成によれば、運転者によるブレーキ操
作を正確にホイルシリンダ圧に反映することができる。
【0013】上記の目的は、請求項4に記載する如く、
上記請求項2記載の制動力制御装置において、前記保持
時間を設定する保持時間設定手段を備えると共に、該保
持時間設定手段が、増減圧勾配の反転を伴うホイルシリ
ンダ圧の変更が要求される場合に、増減圧勾配の反転を
伴わないホイルシリンダ圧の変更が要求される場合に比
して前記保持時間を長時間に設定する制動力制御装置に
より達成される。
【0014】本発明において、アシスト圧保持状態が維
持される保持時間は、ホイルシリンダ圧の増減圧勾配の
反転が要求される場合に、その反転が要求されない場合
に比して長時間に設定される。ホイルシリンダ圧の増減
圧勾配の反転が要求される場合は、その反転が要求され
ない場合に比して大きな圧力変化が生ずる。このような
状況下で、長い保持時間が設定されると、ホイルシリン
ダ圧が緩やかな増減圧勾配を伴って変化する。。
【0015】また、上記の目的は、請求項5に記載する
如く、上記請求項1記載の制動力制御装置において、前
記勾配制御手段が、ホイルシリンダを前記高圧源に連通
させた際に得られる増圧勾配に比して緩やかな緩増圧勾
配でホイルシリンダ圧を増圧させる緩増圧制御手段と、
ホイルシリンダを前記低圧源に連通させた際に得られる
減圧勾配に比して緩やかな緩減圧勾配でホイルシリンダ
圧を減圧させる緩減圧制御手段と、を備えると共に、前
記緩増圧制御手段および前記緩減圧制御手段を用いて前
記緩やかな増減圧勾配を実現する制動液圧制御装置によ
っても達成される。
【0016】本発明において、勾配制御手段は、ホイル
シリンダに供給する制動液圧の変更が要求される場合
に、緩減圧制御手段および緩増圧制御手段を用いてホイ
ルシリンダ圧の調圧を図る。この場合、ホイルシリンダ
圧の増減圧勾配は緩やかな勾配となる。
【0017】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の一実施例に対応
するハイドロブースタ式制動力制御装置(以下、単に制
動力制御装置と称す)のシステム構成図を示す。本実施
例の制動力制御装置は、電子制御ユニット10(以下、
ECU10と称す)により制御されている。
【0018】制動力制御装置は、ブレーキペダル12を
備えている。ブレーキペダル12の近傍には、ブレーキ
スイッチ14が配設されている。ブレーキスイッチ14
は、ブレーキペダル12が踏み込まれることによりオン
信号を出力する。ブレーキスイッチ14の出力信号はE
CU10に供給されている。ECU10は、ブレーキス
イッチ14の出力信号に基づいてブレーキペダル12が
踏み込まれているか否かを判別する。
【0019】ブレーキペダル12は、マスタシリンダ1
6に連結されている。マスタシリンダ16の上部にはリ
ザーバタンク18が配設されている。リザーバタンク1
8には、ブレーキフルードをリザーバタンク18に還流
させるためのリターン通路20が連通している。リザー
バタンク18には、また、供給通路22が連通してい
る。供給通路22はポンプ24の吸入側に連通してい
る。ポンプ24の吐出側には、アキュムレータ通路26
が連通している。アキュレータ通路26と供給通路22
との間には、アキュムレータ通路26に過剰な圧力が生
じた場合に開弁する定圧開放弁27が配設されている。
【0020】アキュムレータ通路26には、ポンプ24
から吐出される液圧を蓄えるためのアキュムレータ28
が連通している。アキュムレータ通路26には、また、
上限側圧力スイッチ30および下限側圧力スイッチ32
が接続されている。上限側圧力スイッチ30は、アキュ
ムレータ通路26の圧力(以下、アキュムレータ圧P
ACC と称す)が所定の上限値を超える場合にオン出力を
発生する。一方、下限側圧力スイッチ32は、アキュム
レータ圧PACC が所定の下限値を超える場合にオン出力
を発生する。
【0021】ポンプ24は、下限側圧力スイッチ32か
らオン出力が発せられた後、上限側圧力スイッチ30に
よってオン出力が発せられるまで、すなわち、アキュム
レータ圧PACC が下限値を下回った後、上限値に到達す
るまでオン状態とされる。このため、アキュムレータ圧
ACC は常に上限値と下限値との間に維持される。マス
タシリンダ16には、レギュレータ34が一体に組み込
まれている。レギュレータ34には、アキュムレータ通
路26が連通している。以下、マスタシリンダ16とレ
ギュレータ34とを総称してハイドブースタ36と称
す。
【0022】ハイドロブースタ36の内部には、ピスト
ン40が配設されている。ピストン40のブレーキペダ
ル12側には、アシスト液圧室46が形成されている。
ハイドロブースタ36の内部には、また、第1液圧室5
6と第2液圧室58とが隔成されている。ハイドロブー
スタ36は、アキュムレータ通路26を介して供給され
るアキュムレータ圧PACC を液圧源として、第1液圧室
56および第2液圧室通路58の双方に、ブレーキ踏力
に対して所定の倍力比を有する液圧を発生させるように
構成されている。以下、ハイドロブースタ36の第1液
圧室56および第2液圧室58で生成される液圧をマス
タシリンダ圧PM/C と称す。
【0023】ハイドロブースタ36の第1液圧室56、
および、第2液圧室58には、それぞれ第1液圧通路8
2、および、第2液圧通路84が連通している。第1液
圧通路82には、第1アシストソレノイド86(以下、
SA-186と称す)および第2アシストソレノイド88
(以下、SA-288と称す)が連通している。一方、第
2液圧通路84には、第3アシストソレノイド90(以
下、SA-390と称す)が連通している。
【0024】SA-186およびSA-288には、また、
制御圧通路92が連通している。制御圧通路92は、レ
ギュレータ切り換えソレノイド94(以下、STR94
と称す)を介してアキュムレータ通路26に連通してい
る。STR94は、オフ状態とされることでアキュムレ
ータ通路26と制御圧通路92とを遮断状態とし、か
つ、オン状態とされることでそれらを導通状態とする2
位置の電磁弁である。
【0025】SA-186には、右前輪FRに対応して設
けられた液圧通路96が連通している。同様に、SA-2
88には、左前輪FLに対応して設けられた液圧通路9
8が連通している。SA-186は、オフ状態とされるこ
とで液圧通路96を第1液圧通路82に導通させる第1
の状態を実現し、かつ、オン状態とされることで液圧通
路96を制御圧通路92に導通させる第2の状態を実現
する2位置の電磁弁である。また、SA-288は、オフ
状態とされることで液圧通路98を第1液圧通路82に
導通させる第1の状態を実現し、かつ、オン状態とされ
ることで液圧通路98を制御圧通路92に導通させる第
2の状態を実現する2位置の電磁弁である。
【0026】SA-390には、左右後輪RL,RRに対
応して設けられた液圧通路100が連通している。SA
-390は、オフ状態とされることで第2液圧通路84と
液圧通路100とを導通状態とし、かつ、オン状態とさ
れることでそれらを遮断状態とする2位置の電磁弁であ
る。第2液圧通路84と液圧通路100との間には、第
2液圧通路84側から液圧通路100側へ向かうフルー
ドの流れのみを許容する逆止弁102が配設されてい
る。
【0027】右前輪FRに対応する液圧通路96には、
右前輪保持ソレノイド104(以下、SFRH104と
称す)が連通している。同様に、左前輪FLに対応する
液圧通路96には左前輪保持ソレノイド106(以下、
SFLH106と称す)が、左右後輪RL,RRに対応
する液圧通路100には右後輪保持ソレノイド108
(以下、SRRH108と称す)および左後輪保持ソレ
ノイド110(以下、SRLH110と称す)が、それ
ぞれ連通している。以下、これらのソレノイドを総称す
る場合は「保持ソレノイドS**H」と称す。
【0028】SFRH104には、右前輪減圧ソレノイ
ド112(以下、SFRR112と称す)が連通してい
る。同様に、SFLH106、SRRH108およびS
RLH110には、それぞれ左前輪減圧ソレノイド11
4(以下、SFLR114と称す)、右後輪減圧ソレノ
イド116(以下、SRRR116と称す)および左後
輪減圧ソレノイド118(以下、SRLR118と称
す)が、それぞれ連通している。以下、これらのソレノ
イドを総称する場合には「減圧ソレノイドS**R」と
称す。
【0029】SFRH104には、また、右前輪FRの
ホイルシリンダ120が連通している。同様に、SFL
H106には左前輪FLのホイルシリンダ122が、S
RRH108には右後輪RRのホイルシリンダ124
が、また、SRLH110には左後輪RLのホイルシリ
ンダ126がそれぞれ連通している。更に、液圧通路9
6とホイルシリンダ120との間には、SFRH104
をバイパスしてホイルシリンダ120側から液圧通路9
6へ向かうフルードの流れを許容する逆止弁128が配
設されている。同様に、液圧通路98とホイルシリンダ
122との間、液圧通路100とホイルシリンダ124
との間、および、液圧通路100とホイルシリンダ12
6との間には、それぞれSFLH106、SRRH10
8およびSRLH110をバイパスするフルードの流れ
を許容する逆止弁130,132,134が配設されて
いる。
【0030】SFRH104は、オフ状態とされること
により液圧通路96とホイルシリンダ120とを導通状
態とし、かつ、オン状態とされることによりそれらを遮
断状態とする2位置の電磁弁である。同様に、SFLH
106、SRRH108およびSRLH110は、それ
ぞれオン状態とされることにより液圧通路98とホイル
シンダ122とを結ぶ経路、液圧通路100とホイルシ
ンダ124とを結ぶ経路、および、液圧通路100とホ
イルシンダ126とを結ぶ経路を遮断状態とする2位置
の電磁弁である。
【0031】SFRR112、SFLR114、SRR
R116およびSRLR118にはリターン通路20が
連通している。SFRR112は、オフ状態とされるこ
とによりホイルシリンダ120とリターン通路20とを
遮断状態とし、かつ、オン状態とされることによりホイ
ルシリンダ120とリターン通路20とを導通状態とす
る2位置の電磁弁である。同様に、SFLR114、S
RRR116およびSRLR118は、それぞれオン状
態とされることによりホイルシリンダ122とリターン
通路20とを結ぶ経路、ホイルシリンダ124とリター
ン通路20とを結ぶ経路、および、ホイルシリンダ12
6とリターン通路20とを結ぶ経路を導通させる2位置
の電磁弁である。
【0032】右前輪FRの近傍には、車輪速センサ13
6が配設されている。車輪速センサ136は、右前輪F
Rの回転速度に応じた周期でパルス信号を出力する。同
様に、左前輪FLの近傍、右後輪RRの近傍、および、
左後輪RLの近傍には、それぞれ対応する車輪の回転速
度に応じた周期でパルス信号を出力する車輪速センサ1
38,140,142が配設されている。車輪速センサ
136〜142の出力信号はECU10に供給されてい
る。ECU10は、車輪速センサ136〜142の出力
信号に基づいて各車輪の回転速度VW を検出する。
【0033】ハイドロブースタ36の第2液圧室58に
連通する第2液圧通路84には、液圧センサ144が配
設されている。液圧センサ144は、第2液圧室58の
内部に発生する液圧、すなわち、ハイドロブースタ36
によって生成されるマスタシリンダ圧PM/C に応じた電
気信号を出力する。液圧センサ144の出力信号はEC
U10に供給されている。ECU10は、液圧センサ1
44の出力信号に基づいてマスタシリンダ圧PM/C を検
出する。
【0034】次に、本実施例の制動力制御装置の動作を
説明する。本実施例の制動力制御装置は、液圧回路内に
配設された各種の電磁弁の状態を切り換えることによ
り、通常のブレーキ装置としての機能、アンチロッ
クブレーキシステムとしての機能、および、制動力の
速やかな立ち上がりが要求される場合に通常時に比して
大きな制動力を発生させる機能(ブレーキアシスト機
能)を実現する。
【0035】図1は、通常のブレーキ装置としての機
能(以下、通常ブレーキ機能と称す)を実現するための
制動力制御装置の状態を示す。すなわち、通常ブレー
キ機能は、図1に示す如く、制動力制御装置が備える全
ての電磁弁をオフ状態とすることにより実現される。以
下、図1に示す状態を通常ブレーキ状態と称す。また、
制動力制御装置において通常ブレーキ機能を実現させる
ための制御を通常ブレーキ制御と称す。
【0036】図1において、左右前輪FL,FRのホイ
ルシリンダ120,122は、第1液圧通路82を介し
てハイドロブースタ34の第1液圧室56に連通してい
る。また、左右後輪RL,RRのホイルシリンダ12
4,126は、第2液圧通路84を介してハイドロブー
スタ36の第2液圧室58に連通している。この場合、
ホイルシリンダ120〜126のホイルシリンダ圧P
W/C は、常にマスタシリンダ圧PM/C と等圧に制御され
る。従って、図1示す状態によれば、通常ブレーキ機能
が実現される。
【0037】図2は、アンチロックブレーキシステム
としての機能(以下、ABS機能と称す)を実現するた
めの制動力制御装置の状態を示す。すなわち、ABS
機能は、図2に示す如く、SA-186およびSA-288
をオン状態とし、かつ、ABSの要求に応じて保持ソレ
ノイドS**Hおよび減圧ソレノイドS**Rを適当に
駆動することにより実現される。以下、図2に示す状態
をABS作動状態と称す。また、制動力制御装置におい
てABS機能を実現させるための制御をABS制御と称
す。
【0038】ECU10は、車両が制動状態にあり、か
つ、何れかの車輪について過剰なスリップ率が検出され
た場合にABS制御を開始する。ABS制御中は、前輪
に対応して設けられた液圧通路96,98が、後輪に対
応して設けられた液圧通路100と同様にハイドロブー
スタ36の第2液圧室58に連通する。従って、ABS
制御中は、全ての車輪のホイルシリンダ圧PW/C が第2
液圧室58を液圧源として昇圧される。
【0039】ABS制御の実行中に、保持ソレノイドS
**Hを開弁状態とし、かつ、減圧ソレノイドS**R
を閉弁状態とすると、各車輪のホイルシリンダ圧PW/C
を増圧することができる。以下、この状態を (i)増圧モ
ードと称す。また、ABS制御中に保持ソレノイドS*
*Hおよび減圧ソレノイドS**Rの双方を閉弁状態と
すると、各車輪のホイルシリンダ圧PW/C を保持するこ
とができる。以下、この状態を(ii)保持モードと称す。
更に、ABS制御中に保持ソレノイドS**Hを閉弁状
態とし、かつ、減圧ソレノイドS**Rを開弁状態とす
ると、各車輪のホイルシリンダ圧PW/C を減圧すること
ができる。以下、この状態を (iii)減圧モードと称す。
【0040】ECU10は、ABS制御中に、各車輪の
スリップ状態に応じて、各車輪毎に適宜上記の (i)増圧
モード、(ii)保持モード、および、 (iii)減圧モードが
実現されるように、保持ソレノイドS**Hおよび減圧
ソレノイドS**Rを制御する。保持ソレノイドS**
Hおよび減圧ソレノイドS**Rが上記の如く制御され
ると、全ての車輪のホイルシリンダ圧PW/C は、対応す
る車輪に過大なスリップ率を発生させることのない圧力
に制御される。従って、上記の制御によれば、制動力制
御装置においてABS機能を実現することができる。
【0041】図3乃至図5は、ブレーキアシスト機能
(以下、BA機能と称す)を実現するための制動力制御
装置の状態を示す。ECU10は、運転者によって制動
力の速やかな立ち上がりを要求するブレーキ操作、すな
わち、緊急ブレーキ操作が実行された後に図3乃至図5
に示す状態を適宜実現することでBA機能を実現する。
以下、制動力制御装置において、BA機能を実現させる
ための制御をBA制御と称す。
【0042】図3は、BA制御の実行中に実現されるア
シスト圧増圧状態を示す。アシスト圧増圧状態は、BA
制御の実行中に各車輪のホイルシリンダ圧PW/C を増圧
させる必要がある場合に実現される。本実施例のシステ
ムにおいて、アシスト圧増圧状態は、図3に示す如く、
SA-186、SA-288、SA-390およびSTR94
をオン状態とすることで実現される。
【0043】アシスト圧増圧状態では、全てのホイルシ
リンダ120〜126がSTR94を介してアキュムレ
ータ通路26に連通する。従って、アシスト圧増圧状態
を実現すると、全ての車輪のホイルシリンダ圧P
W/C を、アキュムレータ28を液圧源として昇圧するこ
とができる。アキュムレータ28には、高圧のアキュム
レータ圧PACC が蓄えられている。このため、アシスト
圧増圧状態によれば、全ての車輪のホイルシリンダ圧P
W/C を、マスタシリンダ圧PM/C に比して高圧に昇圧す
ることができる。
【0044】ところで、図3に示すアシスト圧増圧状態
において、液圧通路96,98,100は、上記の如く
アキュムレータ通路26に連通していると共に、逆止弁
102を介して第2液圧通路84に連通している。この
ため、第2液圧通路84に導かれるマスタシリンダ圧P
M/C が各車輪のホイルシリンダ圧PW/C に比して大きい
場合は、アシスト圧増圧状態においてもハイドロブース
タ36を液圧源としてホイルシリンダ圧PW/C を昇圧す
ることができる。
【0045】図4は、BA制御の実行中に実現されるア
シスト圧保持状態を示す。アシスト圧保持状態は、BA
制御の実行中に各車輪のホイルシリンダ圧PW/C を保持
する必要がある場合に実現される。アシスト圧保持状態
は、図4に示す如く、SA-186、SA-288、SA-3
90およびSTR94をオン状態とした状態で、更に、
全ての保持ソレノイドS**Hをオン状態(閉弁状態)
とすることで実現される。
【0046】アシスト圧保持状態では、ハイドロブース
タ36とホイルシリンダ120〜126とが遮断状態と
され、リターン通路20とホイルシリンダ120〜12
6とが遮断状態とされ、かつ、アキュムレータ28から
ホイルシリンダ120〜126へ向かうフルードの流れ
が阻止される。このため、アシスト圧保持状態によれ
ば、全ての車輪のホイルシリンダ圧PW/C を一定値に保
持することができる。
【0047】図5は、BA制御の実行中に実現されるア
シスト圧減圧状態を示す。アシスト圧減圧状態は、BA
制御の実行中に各車輪のホイルシリンダ圧PW/C を減圧
する必要がある場合に実現される。アシスト圧減圧状態
は、図5に示す如く、SA-186およびSA-288をオ
ン状態とすることで実現される。アシスト圧減圧状態で
は、アキュムレータ28とホイルシリンダ120〜12
6とが遮断状態とされ、リターン通路20とホイルシリ
ンダ120〜126とが遮断状態とされ、かつ、ハイド
ロブースタ36とホイルシリンダ120〜126とが導
通状態とされる。このため、アシスト圧減圧状態によれ
ば、全ての車輪のホイルシリンダ圧PW/C を、マスタシ
リンダ圧PM/C を下限値として減圧することができる。
【0048】図6は、運転者によって緊急ブレーキ操作
が実行された場合にマスタシリンダ圧PM/C およびホイ
ルシリンダ圧PW/C に生ずる変化を示す。運転者によっ
て緊急ブレーキ操作が行われると、図6中に破線で示す
如く、マスタシリンダ圧PM/ C には急激な増圧が生ず
る。ECU10は、液圧センサ198の出力信号に基づ
いて緊急ブレーキ操作が実行されたことを検出すると、
その後、BA制御を開始する。
【0049】制動力制御装置においてBA制御が開始さ
れると、先ず (I)開始増圧モードが実行される(図6中
期間)。 (I)開始増圧モードは、所定の増圧時間T
STA の間、制動力制御装置を上記図3に示すアシスト圧
増圧状態に維持することにより実現される。上述の如
く、アシスト圧増圧状態によれば、各車輪のホイルシリ
ンダ圧PW/C をアキュムレータ28を液圧源として昇圧
することができる。従って、 (I)開始増圧モードによれ
ば、BA制御が開始された後、各車輪のホイルシリンダ
圧PW/C を、速やかにマスタシリンダ圧PM/C を超える
圧力に昇圧することができる。
【0050】制動力制御装置において、 (I)開始増圧モ
ードが終了すると、以後、運転者のブレーキ操作に対応
して、(II)アシスト圧増圧モード、 (III)アシスト圧減
圧モード、(IV)アシスト圧保持モード、 (V)アシスト圧
緩増モード、および、(VI)アシスト圧緩減モードの何れ
かが実行される。BA制御の実行中に、マスタシリンダ
圧PM/C が急激に増圧されている場合は、運転者が更に
大きな制動力を要求していると判断できる。本実施例の
制動力制御装置では、この場合、(II)アシスト圧増圧モ
ードが実行される(図6中期間)。(II)アシスト圧増
圧モードは、上述した (I)開始増圧モードと同様に、制
動力制御装置をアシスト圧増圧状態とすることで実現さ
れる。アシスト圧増圧状態によれば、各車輪のホイルシ
リンダ圧PW/C をマスタシリンダ圧PM/C を超える領域
で急激に昇圧させることができる。従って、(II)アシス
ト圧増圧モードによれば、マスタシリンダ圧PM/C が急
激に増圧される状況下で、運転者の意図を正確にホイル
シリンダ圧PW/C に反映させることができる。
【0051】BA制御の実行中に、マスタシリンダ圧P
M/C が急激に減圧されている場合は、運転者が制動力を
速やかに低下させることを意図していると判断できる。
本実施例では、この場合、 (III)アシスト圧減圧モード
が実行される(図6中期間)。 (III)アシスト圧減圧
モードは、上記図5に示すアシスト圧減圧状態を維持す
ることにより実現される。アシスト圧減圧状態によれ
ば、上述の如く、各車輪のホイルシリンダ圧PW/C をマ
スタシリンダ圧PM/C に向けて速やかに減圧させること
ができる。従って、 (III)アシスト圧減圧モードによれ
ば、運転者の意図を正確にホイルシリンダ圧PW/C に反
映させることができる。
【0052】BA制御の実行中にマスタシリンダ圧P
M/C がほぼ一定値に維持されている場合は、運転者が制
動力を保持することを意図していると判断できる。本実
施例では、この場合、(IV)アシスト圧保持モードが実行
される(図6中期間および)。(IV)アシスト圧保持
モードは、上記図4に示すアシスト圧保持状態を維持す
ることにより実現される。アシスト圧保持状態によれ
ば、上述の如く、各車輪のホイルシリンダ圧PW/C を一
定値に維持することができる。従って、(IV)アシスト圧
保持モードによれば、運転者の意図を正確にホイルシリ
ンダ圧PW/C に反映させることができる。
【0053】BA制御の実行中にマスタシリンダ圧P
M/C が緩やかに増圧されている場合は、運転者が制動力
を緩やかに立ち上げることを意図していると判断でき
る。本実施例では、この場合、 (V)アシスト圧緩増モー
ド(図示せず)が実行される。 (V)アシスト圧緩増モー
ドは、上記図3に示すアシスト圧増圧状態と上記図4に
示すアシスト圧保持状態とを繰り返すことにより実現さ
れる。 (V)アシスト圧緩増モードによれば、各車輪のホ
イルシリンダ圧PW/C をアキュムレータ圧PACC に向け
て段階的に昇圧させることができる。従って、 (V)アシ
スト圧緩増モードによれば、マスタシリンダ圧PM/C
緩やかに増圧される状況下で、運転者の意図を正確にホ
イルシリンダ圧PW/C に反映させることができる。
【0054】BA制御の実行中にマスタシリンダ圧P
M/C が緩やかに減圧されている場合は、運転者が制動力
を緩やかに低下させることを意図していると判断でき
る。本実施例では、この場合(VI)アシスト圧緩減モード
が実行される(図6中期間)。(VI)アシスト圧緩減モ
ードは、上記図5に示すアシスト圧減圧状態と上記図4
に示すアシスト圧保持状態とを繰り返すことにより実現
される。(VI)アシスト圧緩減モードによれば、各車輪の
ホイルシリンダ圧PW/C をマスタシリンダ圧PM/Cに向
けて段階的に減圧させることができる。従って、(VI)ア
シスト圧緩減モードによれば、マスタシリンダ圧PM/C
が緩やかに減圧される状況下で、運転者の意図を正確に
ホイルシリンダ圧PW/C に反映させることができる。
【0055】上述の如く、制動力制御装置によれば、運
転者によって緊急ブレーキ操作が実行された後に、通常
時に比して大きく、かつ、運転者の意図が正確に反映さ
れたホイルシリンダ圧PW/C を発生させることができ
る。本実施例のシステムにおいては、ブレーキペダル1
2が操作されることに伴って、または、液圧センサ14
4が連通する第2液圧通路84の内圧の脈動に伴って、
マスタシリンダ圧PM/C の増減圧勾配が急変することが
ある。BA制御の実行中に、このような増減圧勾配の急
変が生じた際に、ホイルシリンダ圧PW/C がその変化に
追従して急変するとすれば、制動力の変化に伴って車両
の乗り心地が悪化する。従って、BA制御中に実行され
たブレーキ操作をホイルシリンダ圧P W/C に反映させる
にあたっては、マスタシリンダ圧PM/C が変化した際
に、ホイルシリンダ圧PW/C を、マスタシリンダ圧P
M/C の変化勾配に比して緩やかな増減圧勾配で変化させ
ることが望ましい。
【0056】上記の機能は、例えば、マスタシリンダ圧
M/C の変化に対応してホイルシリンダ圧PW/C を変化
させる際に、制動力制御装置がアシスト圧増圧状態から
アシスト圧減圧状態へ、または、アシスト圧減圧状態か
らアシスト圧増圧状態へ直接変化するのを防止するこ
と、すなわち、それらの状態変化を必ずアシスト圧保持
状態を経て実行させることにより実現できる。
【0057】本実施例のシステムにおいて、BA制御中
にホイルシリンダ圧PW/C の変化が要求される場合、ホ
イルシリンダ圧PW/C の増減圧勾配の反転が要求される
状況下では、その反転が要求されない状況下に比して大
きな制動力変化が生じ易い。従って、ホイルシリンダ圧
W/C の増減圧勾配の反転が要求される場合には、その
反転が要求されない場合に比して、更に緩やかにホイル
シリンダ圧PW/C を変化させることが望まれる。
【0058】上記の機能は、例えば、BA制御の実行中
に(II)アシスト圧増圧モードまたは(V)アシスト圧緩増
モードから (III)アシスト圧減圧モードまたは(VI)アシ
スト圧緩減モードへの切り換えが要求される場合、また
は、その逆の切り換えが要求される場合に、制動力制御
装置を比較的長時間アシスト圧保持状態に維持した後
に、目的の状態に変化させることで実現できる。
【0059】運転者によるブレーキ操作は、制動力制御
装置がアシスト圧保持状態に維持されている間にも実行
される。従って、ホイルシリンダ圧PW/C の急変を避け
るべく、上記の如く制動力制御装置をアシスト圧保持状
態に維持する保持時間を設ける場合には、その保持時間
の後に実現すべき増減圧勾配を、保持時間中に決定する
ことが望ましい。かかる機能は、例えば、制動力制御装
置がアシスト圧保持状態とされた後に液圧センサ144
の検出値に生じた変化量に基づいて、その後実行すべき
制御モードを決定することで実現される。
【0060】本実施例の制動力制御装置は、上述した要
求を満たし得る手法によりBA制御を実行する点に特徴
を有している。以下、図7乃至図20を参照して、制動
力制御装置の特徴部について説明する。図7乃至図13
に示すフローチャートは、ECU10がBA制御を実現
すべく実行する制御ルーチンのフローチャートを示す。
図7乃至図13に示すルーチンは、運転者によって緊急
ブレーキ操作が実行されたことが検出された後、所定時
間毎に起動される定時割り込みルーチンである。本ルー
チンが起動されると、先ずステップ200の処理が実行
される。
【0061】ステップ200では、BA制御が開始され
た後、既に (I)開始増圧モードが終了しているか否かが
判別される。その結果、未だ (I)開始増圧モードが終了
していないと判別される場合は、次にステップ202の
処理が実行される。ステップ202では、タイマTMODE
がリセットされる。タイマTMODEは、所定の上限値に向
けて常時カウントアップを続けるタイマである。本ルー
チンにおいて、タイマTMODEは、BA機能を実現するた
めの各制御モードの継続時間を計数するタイマとして用
いられる。本ステップ202の処理が終了すると、次に
ステップ204の処理が実行される。
【0062】ステップ204では、制動力制御装置を、
上記図3に示すアシスト圧増圧状態とするための処理が
実行される。本ステップ204の処理が実行されると、
以後、各車輪のホイルシリンダ圧PW/C は、アキュムレ
ータ28を液圧源として所定の変化率で昇圧し始める。
本ステップ204の処理が終了すると、次にステップ2
06の処理が実行される。
【0063】ステップ206では、タイマTMODEの計数
値が増圧時間TSTA を超えているか否かが判別される。
増圧時間TSTA は、上述した (I)開始増圧モードを実行
する時間として定められた時間である。上記の判別の結
果、TMODE>TSTA が成立しないと判別される場合は、
再び上記ステップ204の処理が実行される。上記の処
理によれば、BA制御が開始された後、増圧時間TSTA
の間制動力制御装置を継続的にアシスト圧増圧状態に維
持して、 (I)開始増圧モードを実現することができる。
【0064】本実施例の制動力制御装置において、 (I)
開始増圧モードが開始された後増圧時間TSTA が経過す
ると、上記ステップ206でTMODE>TSTA が成立する
と判別される。この場合、 (I)開始増圧モードを終了し
て他の制御モードを開始すべく、以後、ステップ208
以降の処理が実行される。図14は、 (I)開始増圧モー
ドに次いで実行される制御モードを、 (I)開始増圧モー
ドの終了時における変化速度ΔPM/C との関係で表した
テーブル(以下、開始増圧終了時テーブルと称す)を示
す。本実施例においては、ステップ208以降の処理に
より、図14に示す開始増圧終了時テーブルと対応する
ように (I)開始増圧モードに次いで実行される制御モー
ドが決定される。
【0065】ステップ208では、 (I)開始増圧モード
の終了時にマスタシリンダ圧PM/Cに生じている変化速
度ΔPM/C が取り込まれる。ステップ210では、上記
の如く取り込んだ変化速度ΔPM/C が、正の所定値ΔP
1 を超えているか否かが判別される。その結果、ΔP
M/C >ΔP1 (>0)が成立すると判別される場合は、
運転者によって制動力を増加させることが要求されてい
ると判断できる。この場合、開始増圧モードに続く制御
モードが(II)アシスト圧増圧モードに決定され、次にス
テップ212の処理が実行される。
【0066】ステップ212では、(II)アシスト圧増圧
モードを開始すべく、制動力制御装置を上記図4に示す
アシスト圧増圧状態とする処理が実行される。本ステッ
プ212の処理が実行されると、以後、各車輪のホイル
シリンダ圧PW/C は、アキュムレータ28を液圧源とし
て速やかに昇圧される。本ステップ212の処理が終了
すると、次にステップ214の処理が実行される。
【0067】ステップ214では、現在実行されている
制御モードが(II)アシスト圧増圧モードであることを表
すべく、フラグXPAINCをオン状態とする処理が実
行される。本ステップ214の処理が終了すると、今回
のルーチンが終了される。上記ステップ210で、ΔP
M/C >ΔP1 が成立しないと判別された場合は、次にス
テップ216の処理が実行される。
【0068】ステップ216では、上記ステップ208
で取り込んだ変化速度ΔPM/C が、負の所定値ΔP2
下回っているか否かが判別される。その結果、ΔPM/C
<ΔP2 (<0)が成立すると判別される場合は、運転
者によって制動力を減少させることが要求されていると
判断できる。この場合、 (I)開始増圧モードに続く制御
モードが (III)アシスト圧減圧モードに決定され、次に
ステップ218の処理が実行される。
【0069】ステップ218では、 (III)アシスト圧減
圧モードを開始すべく、制動力制御装置を上記図5に示
すアシスト圧減圧状態とする処理が実行される。本ステ
ップ218の処理が実行されると、以後、各車輪のホイ
ルシリンダ圧PW/C は、マスタシリンダ圧PM/C を下限
として減圧される。本ステップ218の処理が終了する
と、次にステップ220の処理が実行される。
【0070】ステップ220では、現在実行されている
制御モードが (III)アシスト圧減圧モードであることを
表すべくフラグXPAREDをオン状態とする処理が実
行される。本ステップ220の処理が終了すると、今回
のルーチンが終了される。上記ステップ216で、ΔP
M/C <ΔP2 が成立しないと判別された場合、すなわ
ち、 (I)開始増圧モードが終了した時点で変化速度ΔP
M/C が“0”近傍に維持されていると判断される場合
は、運転者によって制動力を保持することが要求されて
いると判断できる。この場合、次にステップ222の処
理が実行される。
【0071】ステップ222では、(IV)アシスト圧保持
モードを開始すべく、制動力制御装置を上記図4に示す
アシスト圧保持状態とする処理が実行される。本ステッ
プ222の処理が実行されると、以後、各車輪のホイル
シリンダ圧PW/C は、増減されることなく一定値に保持
される。本ステップ222の処理が終了すると、次にス
テップ224の処理が実行される。
【0072】ステップ224では、現在実行されている
制御モードが(IV)アシスト圧保持モードであることを表
すべくフラグXPAHOLDをオン状態とする処理が実
行される。本ステップ224の処理が終了すると、今回
のルーチンが終了される。上記ステップ200〜224
の処理が実行された後、再び本ルーチンが起動された際
には、上記ステップ200で、既に (I)開始増圧モード
が終了していると判別される。この場合、ステップ20
0に次いで、ステップ226の処理が実行される。
【0073】ステップ226では、その時点で発生して
いるマスタシリンダ圧PM/C 、および、その変化速度Δ
M/C を取り込む処理が実行される。本ステップ226
の処理が終了すると、次にステップ228の処理が実行
される。ステップ228では、制動力制御装置において
現在実行されている制御モードが判別される。本ステッ
プ228では、フラグXPAINCがオン状態である場
合は、現在実行中の制御モードが(II)アシスト圧増圧モ
ードであると判別される。この場合、本ステップ228
に次いで、図8に示すステップ230の処理が実行され
る。
【0074】図15は、現在実行中の制御モードがアシ
スト圧増圧モードである場合に、次に実行される制御モ
ードを、マスタシリンダ圧PM/C の変化速度ΔPM/C
の関係で表したテーブル(以下、増圧時テーブルと称
す)を示す。本実施例では、ステップ230以降の処理
により、図15に示す増圧時テーブルと対応するように
(II)アシスト圧増圧モードに次いで実行される制御モー
ドが決定される。
【0075】ステップ230では、マスタシリンダ圧P
M/C に正の所定値ΔP3 を超える変化速度ΔPM/C が生
じているか否かが判別される。その結果、ΔPM/C >Δ
3(>0)が成立すると判別される場合は、運転者に
よって制動力を増加させることが要求されていると判断
できる。この場合、本ステップ230に次いでステップ
232の処理が実行される。
【0076】ステップ232では、制動力の更なる増加
を可能とすべく、引続き(II)アシスト圧増圧モードの実
行を要求する処理、すなわち、(II)アシスト圧増圧モー
ドを要求モードとする処理が実行される。本ステップ2
32の処理が終了すると、以後、図13に示すステップ
302の処理が実行される。本ルーチン中、上記ステッ
プ230でΔPM/C >ΔP3 なる条件を満たす変化速度
ΔPM/C が生じていないと判別される場合は、運転者に
よって制動力を保持すること、または、制動力を減少さ
せることが要求されていると判断できる。この場合、上
記ステップ230に次いでステップ234の処理が実行
される。
【0077】ステップ234の処理は、上述の如く、(I
I)アシスト圧増圧モードが実行されている場合に、すな
わち、制動力制御装置がアシスト圧増圧状態とされてい
る場合に実行される。従って、その後即座に制動力制御
装置がアシスト圧減圧状態とされると、ホイルシリンダ
圧PW/C に急激な変化が発生する。このため、本ステッ
プ234では、運転者が制動力の保持を要求している
か、或いは、制動力の減少を要求しているかに関わら
ず、制動力の保持を図るための処理、具体的には、(IV)
アシスト圧保持モードを要求モードとする処理が実行さ
れる。本ステップ234の処理が終了すると、以後図1
3に示すステップ302の処理が実行される。
【0078】本ルーチンにおいて、上記ステップ228
で、フラグXPAREDがオン状態であると判別される
場合は、現在実行中の制御モードが (III)アシスト圧減
圧モードであると判断される。この場合、上記ステップ
228に次いで、図9に示すステップ236の処理が実
行される。図16は、現在実行中の制御モードが (III)
アシスト圧減圧モードである場合に、次に実行される制
御モードを、マスタシリンダ圧PM/C の変化速度ΔP
M/Cとの関係で表したテーブル(以下、減圧時テーブル
と称す)を示す。本実施例では、ステップ236以降の
処理により、図16に示す減圧時テーブルと対応するよ
うに (III)アシスト圧減圧モードに次いで実行される制
御モードが決定される。
【0079】ステップ236では、マスタシリンダ圧P
M/C に負の所定値ΔP4 を下回る変化速度ΔPM/C が生
じているか否かが判別される。その結果、ΔPM/C <Δ
4(<0)が成立すると判別される場合は、運転者に
よって制動力を減少させることが要求されていると判断
できる。この場合、本ステップ236に次いでステップ
238の処理が実行される。
【0080】ステップ238では、制動力の更なる減少
を可能とすべく、引続き (III)アシスト圧減圧モードの
実行を要求する処理、すなわち、 (III)アシスト圧減圧
モードを要求モードとする処理が実行される。本ステッ
プ238の処理が終了すると、次に図13に示すステッ
プ302の処理が実行される。本ルーチン中、上記ステ
ップ236でΔPM/C <ΔP4 なる条件を満たす変化速
度ΔPM/C が生じていないと判別される場合は、運転者
によって制動力を保持すること、または、制動力を増加
させることが要求されていると判断できる。この場合、
上記ステップ236に次いでステップ240の処理が実
行される。
【0081】ステップ240の処理は、上述の如く、
(III)アシスト圧減圧モードが実行されている場合に、
すなわち、制動力制御装置がアシスト圧減圧状態とされ
ている場合に実行される。従って、その後即座に制動力
制御装置がアシスト圧増圧状態とされると、ホイルシリ
ンダ圧PW/C に急激な変化が発生する。このため、本ス
テップ240では、運転者が制動力の保持を要求してい
るか、或いは、制動力の増加を要求しているかに関わら
ず、(IV)アシスト圧保持モードを要求モードとする処理
が実行される。本ステップ240の処理が終了すると、
以後図13に示すステップ302の処理が実行される。
【0082】本ルーチンにおいて、上記ステップ228
でフラグXPAHOLDがオン状態であると判別される
場合は、現在実行中の制御モードが(IV)アシスト圧保持
モードであると判断される。この場合、上記ステップ2
28に次いで、図10に示すステップ242の処理が実
行される。図17および図18は、現在実行中の制御モ
ードがアシスト圧保持モードである場合に、次に実行さ
れる制御モードを、マスタシリンダ圧PM/C の変化速
度ΔPM/C と、マスタシリンダ圧PM/C の変化量“P
M/C −PSTA ”との関係で表したテーブルを示す。本実
施例では、ステップ242以降の処理により、図17に
示すテーブル(以下、非反転テーブルと称す)または図
18に示すテーブル(以下、反転テーブルと称す)と対
応するように、(IV)アシスト圧保持モードに次いで実行
される制御モードが決定される。
【0083】本ルーチンにおいて、図17に示す非反転
テーブルは、(IV)アシスト圧保持モードの前後でホイル
シリンダ圧PW/C の増減圧勾配が反転しない場合に用い
られる。また、図18に示す反転テーブルは、(IV)アシ
スト圧保持モードの前後でホイルシリンダ圧PW/C の増
減圧勾配が反転する場合に用いられる。尚、図17およ
び図18に示す変化量“PM/C −PSTA ”は、現在のマ
スタシリンダ圧PM/Cと、現在実行されている制御モー
ドの開始時点におけるマスタシリンダ圧PM/C(以下、
開始時マスタシリンダ圧PSTA と称す)との差、すなわ
ち、現在の制御モードが開始された後にマスタシリンダ
圧PM/C に生じた変化量に相当する値である。
【0084】ステップ242では、マスタシリンダ圧P
M/C に正の所定値ΔP5 を超える変化速度ΔPM/C が生
じており、かつ、正の所定値P1 を超える変化量PM/C
−P STA が生じているか否かが判別される。その結果、
ΔPM/C >ΔP5 (>0)が成立し、かつ、PM/C −P
STA >P1 (>0)が成立する場合は、運転者が、制動
力を速やかに増加させることを意図していると判断でき
る。この場合、本ステップ242に次いで、ステップ2
44の処理が実行される。
【0085】ステップ244では、現在実行されている
(IV)アシスト圧保持モードが開始される以前に、 (III)
アシスト圧減圧モードまたは(IV)アシスト圧緩減モード
が実行されていたか否かが判別される。その結果、これ
らのモードのうち何れかが実行されていたと判別される
場合は、今回の処理サイクルで(II)アシスト圧増圧モー
ドが開始されると、ホイルシリンダ圧PW/C の増減圧勾
配に反転が生ずると判断できる。この場合、次にステッ
プ246の処理が実行される。
【0086】一方、上記ステップ244で、前回の制御
モードが (III)アシスト圧減圧モードおよび(IV)アシス
ト圧緩減モードの何れにも該当しないと判別された場合
は、今回の処理サイクルで(II)アシスト圧増圧モードが
開始されても、ホイルシリンダ圧PW/C の増減圧勾配に
反転は生じないと判断できる。この場合、ステップ24
6がジャンプされ、次にステップ248の処理が実行さ
れる。
【0087】ステップ246では、タイマTMODEの計数
値が所定時間TMODE1Lに達しているか否かが判別され
る。所定時間TMODE1Lは、制動力制御装置をアシスト圧
増圧状態からアシスト圧減圧状態に変化させる過程で、
または、その逆方向に変化させる過程で、ホイルシリン
ダ圧PW/C の急変を防止するために制動力制御装置をア
シスト圧保持状態に維持すべき時間である。本実施例に
おいて、TMODE1Lは30msecに設定されている。
【0088】上記の判別の結果、TMODE≧TMODE1Lが成
立すると判別される場合は、制動力制御装置をアシスト
圧増圧状態に変化させても、ホイルシリンダ圧PW/C
不当に急激な変化は生じないと判断することができる。
この場合、上記ステップ246に次いで、ステップ24
8の処理が実行される。一方、上記の判別の結果、T
MODE≧TMODE1Lが成立しないと判別された場合は、未だ
制動力制御装置をアシスト圧増圧状態とすることは適正
でないと判断することができる。この場合、上記ステッ
プ246に次いで、(IV)アシスト圧保持モードを要求モ
ードとするステップ276の処理が実行される。
【0089】ステップ248では、制動力の速やかな立
ち上がりを可能とすべく、(II)アシスト圧増圧モードの
実行を要求する処理、すなわち、(II)アシスト圧増圧モ
ードを要求モードとする処理が実行される。本ステップ
248の処理が終了すると、次に図13に示すステップ
302の処理が実行される。上記の処理によれば、ホイ
ルシリンダ圧PW/C の増減圧勾配の反転が要求されない
場合は、上記ステップ242の条件が成立した後速やか
に、また、ホイルシリンダ圧PW/C の増減圧勾配の反転
が要求される場合は、上記ステップ242の条件が成立
した後、所定時間TMODE1Lの経過を待って、(II)アシス
ト圧増圧モードを要求モードとすることができる。
【0090】本ルーチン中、上記ステップ242におい
て、上述した条件が成立しないと判別される場合は、運
転者が制動力を速やかに立ち上げることを意図していな
いと判断できる。この場合、上記ステップ242に次い
で、ステップ250の処理が実行される。ステップ25
0では、マスタシリンダ圧PM/C に負の所定値ΔP6
下回る変化速度ΔPM/C が生じており、かつ、負の所定
値P4 を下回る変化量PM/C −P STA が生じているか否
かが判別される。その結果、ΔPM/C <ΔP6 (<0)
が成立し、かつ、PM/C −PSTA <P4 (<0)が成立
する場合は、制動力の保持を意図していた運転者が、制
動力を速やかに減少させることを意図し始めたと判断す
ることができる。この場合、本ステップ250に次い
で、ステップ252の処理が実行される。
【0091】ステップ252では、現在実行されている
(IV)アシスト圧保持モードが開始される以前に、(II)ア
シスト圧増圧モードまたは (V)アシスト圧緩増モードが
実行されていたか否かが判別される。その結果、これら
のモードのうち何れかが実行されていたと判別される場
合は、今回の処理サイクルで (III)アシスト圧減圧モー
ドが開始されると、ホイルシリンダ圧PW/C の増減圧勾
配に反転が生ずると判断できる。この場合、次にステッ
プ254の処理が実行される。
【0092】一方、上記ステップ252で、前回の制御
モードが(II)アシスト圧増圧モードおよび (V)アシスト
圧緩増モードの何れにも該当しないと判別された場合
は、今回の処理サイクルで (III)アシスト圧減圧モード
が開始されても、ホイルシリンダ圧PW/C の増減圧勾配
に反転は生じないと判断できる。この場合、ステップ2
54がジャンプされ、次にステップ256の処理が実行
される。
【0093】ステップ254では、タイマTMODEの計数
値が所定時間TMODE1Lに達しているか否かが判別され
る。その結果、TMODE≧TMODE1Lが成立すると判別され
る場合は、制動力制御装置をアシスト圧減圧状態に変化
させても、ホイルシリンダ圧PW/C に不当に急激な変化
は生じないと判断することができる。この場合、次にス
テップ256の処理が実行される。一方、上記の判別の
結果、TMODE≧TMODE1Lが成立しないと判別された場合
は、未だ制動力制御装置をアシスト圧減圧状態とするこ
とは適正でないと判断することができる。この場合、次
に、(IV)アシスト圧保持モードを要求モードとするステ
ップ276の処理が実行される。
【0094】ステップ256では、制動力を速やかに減
少させるべく、 (III)アシスト圧減圧モードの実行を要
求する処理、すなわち、 (III)アシスト圧減圧モードを
要求モードとする処理が実行される。本ステップ248
の処理が終了すると、次に図13に示すステップ302
の処理が実行される。上記の処理によれば、ホイルシリ
ンダ圧PW/C の増減圧勾配の反転が要求されない場合
は、上記ステップ250の条件が成立した後速やかに、
また、ホイルシリンダ圧PW/C の増減圧勾配の反転が要
求される場合は、上記ステップ250の条件が成立した
後、所定時間TMODE1Lの経過を待って、 (III)アシスト
圧減圧モードを要求モードとすることができる。
【0095】本ルーチン中、上記ステップ250の条件
が成立しない場合は、運転者が制動力を速やかに減少さ
せることを意図していないと判断できる。この場合、次
にステップ258の処理が実行される。ステップ258
では、タイマTMODEの計数値が所定時間TMODE1Sに達し
ているか否かが判別される。所定時間TMODE1Sは、運転
者が制動力を速やかに変化させることを意図してブレー
キペダル12を操作した場合に、変化量PM/C −PSTA
が所定値P1 以上、或いは、所定値P4 以下となるのに
要する時間の上限値とほぼ等しい値である。本実施例に
おいて、所定値TMODE1Sは12msecに設定されている。
【0096】本ルーチンにおいて、TMODE≧TMODE1S
成立しない間は、上記ステップ242の条件および上記
ステップ250の条件が何れも成立しない場合であって
も、運転者によって、制動力を速やかに変化させること
を意図したブレーキ操作が実行された可能性を否定する
ことができない。この場合、上記ステップ258に次い
で、(IV)アシスト圧保持モードを要求モードとするステ
ップ276の処理が実行される。一方、上記ステップ2
58で、TMODE≧TMODE1 が成立すると判別された場合
は、運転者によって制動力を速やかに変化させることを
意図するブレーキ操作が行われていないと判断すること
ができる。この場合、上記ステップ258に次いでステ
ップ260の処理が実行される。
【0097】ステップ260では、マスタシリンダ圧P
M/C に、正の所定値P2 を超える変化量PM/C −PSTA
が生じているか否かが判別される。その結果、PM/C
ST A >P2 (>0)が成立する場合は、運転者が、制
動力を緩やかに増加させることを意図していると判断で
きる。この場合、本ステップ260に次いで、ステップ
262の処理が実行される。
【0098】ステップ262では、現在実行されている
(IV)アシスト圧保持モードが開始される以前に、 (III)
アシスト圧減圧モードまたは(IV)アシスト圧緩減モード
が実行されていたか否かが判別される。その結果、これ
らのモードのうち何れかが実行されていたと判別される
場合は、今回の処理サイクルで (V)アシスト圧緩増モー
ドが開始されると、ホイルシリンダ圧PW/C の増減圧勾
配に反転が生ずると判断できる。この場合、次にステッ
プ264の処理が実行される。
【0099】一方、上記ステップ262で、前回の制御
モードが (III)アシスト圧減圧モードおよび(IV)アシス
ト圧緩減モードの何れにも該当しないと判別された場合
は、今回の処理サイクルで (V)アシスト圧緩増モードが
開始されても、ホイルシリンダ圧PW/C の増減圧勾配に
反転は生じないと判断できる。この場合、ステップ26
4がジャンプされ、次にステップ266の処理が実行さ
れる。
【0100】ステップ264では、タイマTMODEの計数
値が所定時間TMODE1Lに達しているか否かが判別され
る。その結果、TMODE≧TMODE1Lが成立すると判別され
る場合は、制動力制御装置をアシスト圧増圧状態に変化
させても、ホイルシリンダ圧P W/C に不当に急激な変化
は生じないと判断することができる。この場合、次にス
テップ264の処理が実行される。一方、上記の判別の
結果、TMODE≧TMODE1Lが成立しないと判別された場合
は、未だ制動力制御装置をアシスト圧増圧状態とするこ
とは適正でないと判断することができる。この場合、次
に、(IV)アシスト圧保持モードを要求モードとするステ
ップ276の処理が実行される。
【0101】ステップ266では、制動力を緩やかに増
加させるべく、 (V)アシスト圧緩増モードを要求モード
とする処理が実行される。本ステップ266の処理が終
了すると、次に図13に示すステップ302の処理が実
行される。上記の処理によれば、ホイルシリンダ圧P
W/C の増減圧勾配の反転が要求されない場合は、(IV)ア
シスト圧保持モードが所定時間TMODE1S実行された時点
で、また、ホイルシリンダ圧PW/C の増減圧勾配の反転
が要求される場合は、(IV)アシスト圧保持モードが所定
時間TMODE1L実行された時点で、 (V)アシスト圧緩増モ
ードを要求モードとすることができる。
【0102】本ルーチン中、上記ステップ260におい
て、PM/C −PSTA >P2 が成立しないと判別される場
合は、運転者が (V)アシスト圧緩増モードの実行を要求
していないと判断することができる。この場合、上記ス
テップ260に次いで、ステップ268の処理が実行さ
れる。ステップ268では、マスタシリンダ圧P
M/C に、負の所定値P3 を下回る変化量PM/C −PSTA
が生じているか否かが判別される。その結果、PM/C
ST A <P3 (<0)が成立する場合は、運転者が制動
力を緩やかに減少させることを意図していると判断でき
る。この場合、本ステップ268に次いで、ステップ2
70の処理が実行される。
【0103】ステップ270では、現在実行されている
(IV)アシスト圧保持モードが開始される以前に、(II)ア
シスト圧増圧モードまたは (V)アシスト圧緩増モードが
実行されていたか否かが判別される。その結果、これら
のモードのうち何れかが実行されていたと判別される場
合は、今回の処理サイクルで(VI)アシスト圧緩減モード
が開始されると、ホイルシリンダ圧PW/C の増減圧勾配
に反転が生ずると判断できる。この場合、次にステップ
272の処理が実行される。
【0104】一方、上記ステップ270で、前回の制御
モードが(II)アシスト圧増圧モードおよび (V)アシスト
圧緩増モードの何れにも該当しないと判別された場合
は、今回の処理サイクルで(VI)アシスト圧緩減モードが
開始されても、ホイルシリンダ圧PW/C の増減圧勾配に
反転は生じないと判断できる。この場合、ステップ27
2がジャンプされ、次にステップ274の処理が実行さ
れる。
【0105】ステップ272では、タイマTMODEの計数
値が所定時間TMODE1Lに達しているか否かが判別され
る。その結果、TMODE≧TMODE1Lが成立すると判別され
る場合は、制動力制御装置をアシスト圧減圧状態に変化
させても、ホイルシリンダ圧P W/C に不当に急激な変化
は生じないと判断することができる。この場合、次にス
テップ274の処理が実行される。一方、上記の判別の
結果、TMODE≧TMODE1Lが成立しないと判別された場合
は、未だ制動力制御装置をアシスト圧減圧状態とするこ
とは適正でないと判断することができる。この場合、次
に、(IV)アシスト圧保持モードを要求モードとするステ
ップ276の処理が実行される。
【0106】ステップ274では、制動力を速やかに減
少させるべく、(VI)アシスト圧緩減モードの実行を要求
する処理、すなわち、(VI)アシスト圧緩減モードを要求
モードとする処理が実行される。本ステップ274の処
理が終了すると、次に図13に示すステップ302の処
理が実行される。上記の処理によれば、ホイルシリンダ
圧PW/C の増減圧勾配の反転が要求されない場合は、(I
V)アシスト圧保持モードが所定時間TMODE1S実行された
時点で、また、ホイルシリンダ圧PW/C の増減圧勾配の
反転が要求される場合は、(IV)アシスト圧保持モードが
所定時間TMODE1L実行された時点で、(VI)アシスト圧緩
減モードを要求モードとすることができる。
【0107】本ルーチン中、上記ステップ268で、P
M/C −PSTA <P3 が成立しないと判別される場合は、
運転者が制動力を保持することを意図している、すなわ
ち、運転者が引続き(IV)アシスト圧保持モードの実行を
要求していると判断される。この場合、上記ステップ2
68に次いでステップ276の処理が実行される。ステ
ップ276では、現在実行されている(IV)アシスト圧保
持モードを引続き要求モードとする処理が実行される。
本ステップ276の処理が終了すると、次に図13に示
すステップ302の処理が実行される。
【0108】上記の処理によれば、マスタシリンダ圧P
M/C がP3 ≦PM/C −PSTA ≦P2を満たす範囲内で変
動する場合には、要求モードをアシスト圧保持モードに
維持することができる。従って、本実施例の制動力制御
装置によれば、マスタシリンダ圧PM/C が僅かに変化し
た場合に、制御モードが煩雑に切り換わるのを防止する
ことができる。
【0109】本ルーチンにおいて、上記ステップ228
で、フラグXPASLINCがオン状態であると判別さ
れる場合は、現在実行中の制御モードが (V)アシスト圧
緩増モードであると判断される。この場合、上記ステッ
プ228に次いで、図11に示すステップ282の処理
が実行される。尚、フラグXPASLINCは、後述の
如く、制御モードとして (V)アシスト圧緩増モードが選
択された際にオンとされるフラグである。
【0110】図19は、現在実行中の制御モードがアシ
スト圧緩増モードである場合に、次に実行される制御モ
ードを、マスタシリンダ圧PM/C の変化速度ΔPM/C
と、マスタシリンダ圧PM/C の変化量PM/C −PSTA
との関係で表したテーブル(以下、緩増時テーブルと称
す)を示す。本実施例では、ステップ282以降の処理
により、図19に示す緩増時テーブルと対応するように
(V)アシスト圧緩増モードに次いで実行される制御モー
ドが決定される。
【0111】ステップ282では、マスタシリンダ圧P
M/C に正の所定値ΔP7 を超える変化速度ΔPM/C が生
じており、かつ、正の所定値P5 を超える変化量PM/C
−P STA が生じているか否かが判別される。その結果、
ΔPM/C >ΔP7 (>0)が成立し、かつ、PM/C −P
STA >P5 (>0)が成立する場合は、制動力を緩やか
に増加させることを意図していた運転者が、制動力を速
やかに増加させることを意図し始めたと判断できる。こ
の場合、本ステップ282に次いで、ステップ284の
処理が実行される。
【0112】ステップ284では、制動力の速やかな立
ち上がりを可能とすべく、(II)アシスト圧増圧モードの
実行を要求する処理、すなわち、(II)アシスト圧増圧モ
ードを要求モードとする処理が実行される。本ステップ
284の処理が終了すると、次に図13に示すステップ
302の処理が実行される。本ルーチン中、上記ステッ
プ282で、上述した条件が成立しないと判別される場
合は、運転者が制動力を速やかに増加させることを意図
していないと判断できる。換言すると、運転者が、制
動力を緩やかに増加させること、制動力を保持するこ
と、および制動力を減少させること、の何れかを要求
していると判断することができる。この場合、次にステ
ップ286の処理が実行される。
【0113】ステップ286では、タイマTMODEの計数
値が所定時間TMODE2 に達しているか否かが判別され
る。本実施例の制動力制御装置において、 (V)アシスト
圧緩増モードは、制動力制御装置を断続的に上記図3に
示すアシスト圧増圧状態とすることで実現される。所定
時間TMODE2 は、 (V)アシスト圧緩増モードの実行が要
求された場合に、制動力制御装置をアシスト圧増圧状態
に維持すべき時間として定められている時間である。従
って、本ステップ286でTMODE≧TMODE2 が成立しな
いと判別される場合は、制動力制御装置を引き続きアシ
スト圧増圧状態に維持すべきと判断することができる。
この場合、次にステップ288の処理が実行される。
【0114】ステップ288では、現在実行されている
(V)アシスト圧緩増モードを、引き続き要求モードとす
る処理が実行される。本ステップ288の処理が終了す
ると、次に図13に示すステップ302の処理が実行さ
れる。本ルーチン中、上記ステップ286でTMODE≧T
MODE2 が成立すると判別される場合は、制動力制御装置
をアシスト圧増圧状態に維持すべき期間が既に終了して
いると判断することができる。この場合、上記ステップ
286に次いで、ステップ290の処理が実行される。
【0115】ステップ290の処理は、上述の如く、運
転者が制動力を緩やかに増加させること、制動力を
保持すること、および制動力を減少させること、の何
れかを要求する状況下で実行される。制動力を緩やかに
増加させるため、および、制動力を保持するためには、
現在アシスト圧増圧状態に維持されている制動力制御装
置をアシスト圧保持状態とすることが適切である。ま
た、制動力を減少させる場合には、制動力の急激な変化
を避けるべく、制動力制御装置を、アシスト圧保持状態
を経てアシスト圧減圧状態に変化させることが適切であ
る。このため、本ステップ290では、運転者が上記
〜の何れを要求しているかに関わらず、(IV)アシスト
圧保持モードを要求モードとする処理が実行される。本
ステップ290の処理が終了すると、以後図13に示す
ステップ302の処理が実行される。
【0116】上記の処理によれば、 (V)アシスト圧緩増
モードの実行が要求され始めた後、(II)アシスト圧増圧
モードを要求する条件(上記ステップ282の条件)が
成立しない場合には、所定期間TMODE2 に渡って (V)ア
シスト圧緩増モードを要求モードとして維持した後に、
要求モードを(IV)アシスト圧保持モードに変更すること
ができる。
【0117】本ルーチンにおいて、上記ステップ228
で、フラグXPASLREDがオン状態であると判別さ
れる場合は、現在実行中の制御モードが(VI)アシスト圧
緩減モードであると判断される。この場合、上記ステッ
プ228に次いで、図12に示すステップ292の処理
が実行される。尚、フラグXPASLREDは、後述の
如く、制御モードとして(VI)アシスト圧緩減モードが選
択された際にオンとされるフラグである。
【0118】図20は、現在実行中の制御モードが(VI)
アシスト圧緩減モードである場合に、次に実行される制
御モードを、マスタシリンダ圧PM/C の変化速度ΔP
M/Cと、マスタシリンダ圧PM/C の変化量PM/C −P
STA との関係で表したテーブル(以下、緩減時テーブル
と称す)を示す。本実施例では、ステップ292以降の
処理により、図20に示す緩減時テーブルと対応するよ
うに(VI)アシスト圧緩減モードに次いで実行される制御
モードが決定される。
【0119】ステップ292では、マスタシリンダ圧P
M/C に負の所定値ΔP8 を下回る変化速度ΔPM/C が生
じており、かつ、負の所定値P6 を下回る変化量PM/C
−P STA が生じているか否かが判別される。その結果、
ΔPM/C <ΔP8 (<0)が成立し、かつ、PM/C −P
STA <P6 (<0)が成立する場合は、制動力を緩やか
に減少させることを意図していた運転者が、制動力を速
やかに減少させることを意図し始めたと判断できる。こ
の場合、本ステップ292に次いで、ステップ294の
処理が実行される。
【0120】ステップ294では、制動力を速やかに減
少させるべく、 (III)アシスト圧減圧モードを要求モー
ドとする処理が実行される。本ステップ294の処理が
終了すると、次に図13に示すステップ302の処理が
実行される。本ルーチン中、上記ステップ292で、上
述した条件が成立しないと判別される場合は、運転者が
制動力を速やかに減少させることを意図していないと判
断できる。換言すると、運転者が、制動力を緩やかに
減少させること、制動力を保持すること、および、
制動力を増加させること、の何れかを要求していると判
断することができる。この場合、次にステップ296の
処理が実行される。
【0121】ステップ296では、タイマTMODEの計数
値が所定時間TMODE3 に達しているか否かが判別され
る。本実施例の制動力制御装置において、(VI)アシスト
圧緩減モードは、制動力制御装置を断続的に上記図5に
示すアシスト圧減圧状態とすることで実現される。所定
時間TMODE3 は、(VI)アシスト圧緩減モードの実行が要
求された場合に、制動力制御装置をアシスト圧減圧状態
に維持すべき時間として定められている時間である。従
って、本ステップ296でTMODE≧TMODE3 が成立しな
いと判別される場合は、制動力制御装置を引き続きアシ
スト圧減圧状態に維持すべきと判断することができる。
この場合、次にステップ298の処理が実行される。
【0122】ステップ298では、現在実行されている
(VI)アシスト圧緩減モードを、引き続き要求モードとす
る処理が実行される。本ステップ298の処理が終了す
ると、次に図13に示すステップ302の処理が実行さ
れる。本ルーチン中、上記ステップ296でTMODE≧T
MODE3 が成立すると判別される場合は、制動力制御装置
をアシスト圧減圧状態に維持すべき期間が既に終了して
いると判断することができる。この場合、上記ステップ
296に次いで、ステップ300の処理が実行される。
【0123】ステップ300の処理は、上述の如く、運
転者が制動力を緩やかに減少させること、制動力を
保持すること、および制動力を増加させること、の何
れかを要求する状況下で実行される。制動力を緩やかに
減少させるため、および、制動力を保持するためには、
現在アシスト圧減圧状態に維持されている制動力制御装
置をアシスト圧保持状態とすることが適切である。ま
た、制動力を増加させる場合には、制動力の急激な変化
を避けるべく、制動力制御装置を、アシスト圧保持状態
を経てアシスト圧増圧状態に変化させることが適切であ
る。このため、本ステップ300では、運転者が上記
〜の何れを要求しているかに関わらず、(IV)アシスト
圧保持モードを要求モードとする処理が実行される。本
ステップ300の処理が終了すると、以後図13に示す
ステップ302の処理が実行される。
【0124】上記の処理によれば、(VI)アシスト圧緩減
モードの実行が要求され始めた後、(III)アシスト圧減
圧モードを要求する条件(上記ステップ292の条件)
が成立しない場合には、所定期間TMODE3 に渡って(VI)
アシスト圧緩減モードを要求モードとして維持した後
に、要求モードを(IV)アシスト圧保持モードに変更する
ことができる。
【0125】上述の如く、本ルーチンによれば、上記ス
テップ226〜300の処理を実行することで、現在実
行されている制御モードと運転者のブレーキ操作とに基
づいて、次に実行すべき制御モードを決定し、かつ、そ
の制御モードを要求モードとして定めることができる。
また、本ルーチンによれば、要求モードが、 (V)アシス
ト圧緩増モードから(II)アシスト圧増圧モードに変化す
る場合、および、(VI)アシスト圧緩減モードから (III)
アシスト圧減圧モードに変化する場合を除き、要求モー
ドの切り換え過程に必ず(IV)アシスト圧保持モードを介
在させることができる。そして、ホイルシリンダ圧P
W/C の増減圧勾配の変化を伴う要求モードの切り換えが
要求される場合は、要求モードを比較的長時間(所定時
間TMODE1L)にわたって(IV)アシスト圧保持モードに維
持することができる。このため、本実施例の制動力制御
装置によれば、要求モードの切り換え前後でホイルシリ
ンダ圧PW/C に急激な変化を発生させることがなく、B
A制御の実行中常に良好な乗り心地を維持することがで
きる。
【0126】更に、本ルーチンによれば、BA制御中に
ブレーキ操作が実行された場合に、(IV)アシスト圧保持
モードに続く要求モードを、(IV)アシスト圧保持モード
の実行中に行われたブレーキ操作量に基づいて設定する
ことができる。(IV)アシスト圧保持モードに続く要求モ
ードは、要求モードを(IV)アシスト圧保持モードとする
以前に実行されたブレーキ操作に基づいて決定すること
も可能である。しかしながら、かかる手法によれば、要
求モードが(IV)アシスト圧保持モードとされた後に実行
されたブレーキ操作をホイルシリンダ圧PW/C に反映さ
せることができない。この点、本ルーチンに手法によれ
ば、BA制御中に実行されたブレーキ操作の内容を、正
確にホイルシリンダ圧PW/C に反映させることができ
る。
【0127】図13に示すステップ302では、要求モ
ードが(II)アシスト圧増圧モードであるか否かが判別さ
れる。その結果、要求モードが(II)アシスト圧増圧モー
ドであると判別される場合は、次にステップ304の処
理が実行される。ステップ304では、フラグXPAI
NCをオンとし、かつ、他の制御モードに対応するフラ
グをオフとする処理が実行される。本ステップ304の
処理が実行されると、次回の処理サイクル時に、実行中
の制御モードが(II)アシスト圧増圧モードであると判断
される。本ステップ304の処理が終了すると、次にス
テップ306の処理が実行される。
【0128】ステップ306では、制動力制御装置を上
記図3に示すアシスト圧増圧状態とする処理が実行され
る。本ステップ306の処理が実行されると、以後、各
車輪のホイルシリンダ圧PW/C がアキュムレータ28を
液圧源として速やかに昇圧される。本ステップ306の
処理が終了すると、今回のルーチンが終了される。本ル
ーチン中、上記ステップ302で、要求モードが(II)ア
シスト圧増圧モードではないと判別されると、次にステ
ップ308の処理が実行される。
【0129】ステップ308では、要求モードが (III)
アシスト圧減圧モードであるか否かが判別される。その
結果、要求モードが (III)アシスト圧減圧モードである
と判別される場合は、次にステップ310の処理が実行
される。ステップ310では、フラグXPAREDをオ
ンとし、かつ、他の制御モードに対応するフラグをオフ
とする処理が実行される。本ステップ310の処理が実
行されると、次回の処理サイクル時に、実行中の制御モ
ードが (III)アシスト圧減圧モードであると判断され
る。本ステップ310の処理が終了すると、次にステッ
プ312の処理が実行される。
【0130】ステップ312では、制動力制御装置を上
記図5に示すアシスト圧減圧状態とする処理が実行され
る。本ステップ312の処理が実行されると、以後、各
車輪のホイルシリンダ圧PW/C が、マスタシリンダ圧P
M/C を下限値として速やかに減圧される。本ステップ3
12の処理が終了すると、今回のルーチンが終了され
る。
【0131】本ルーチン中、上記ステップ308で、要
求モードが (III)アシスト圧減圧モードではないと判別
されると、次にステップ314の処理が実行される。ス
テップ314では、要求モードが (V)アシスト圧緩増モ
ードであるか否かが判別される。その結果、要求モード
が (V)アシスト圧緩増モードであると判別される場合
は、次にステップ316の処理が実行される。
【0132】ステップ316では、前回の処理サイクル
時から今回の処理サイクル時にかけて要求モードが変化
したか否かが判別される。その結果、要求モードが変化
したと判別される場合は、 (V)アシスト圧緩増モードが
今回の処理サイクル時以降実行されると判断できる。こ
の場合、次にステップ318の処理が実行される。一
方、前回の処理サイクル時から今回の処理サイクル時に
かけて要求モードが変化していないと判別される場合
は、 (V)アシスト圧緩増モードが前回の処理サイクル以
前から実行されている判断できる。この場合、ステップ
318の処理がジャンプされ、次にステップ320の処
理が実行される。
【0133】ステップ318では、現在のマスタシリン
ダ圧PM/C を開始時マスタシリンダ圧PSTA として記憶
すると共に、タイマTMODEの計数値を“0”にクリアす
る処理が実行される。本ステップ318の処理が終了す
ると、次にステップ320の処理が実行される。上記の
処理によれば、 (V)アシスト圧緩増モードの実行が新た
に開始される毎に、開始時マスタシリンダ圧PSTA およ
びタイマTMODEを初期値にクリアすることができる。
【0134】ステップ320では、フラグXPASLI
NCをオンとし、かつ、他の制御モードに対応するフラ
グをオフとする処理が実行される。本ステップ320の
処理が実行されると、次回の処理サイクル時に、実行中
の制御モードが (V)アシスト圧緩増モードであると判断
される。本ステップ320の処理が終了すると、次にス
テップ322の処理が実行される。
【0135】ステップ322では、制動力制御装置を上
記図3に示すアシスト圧増圧状態とする処理が実行され
る。本ステップ322の処理が終了すると、今回のルー
チンが終了される。上述の如く、本実施例においては、
(V)アシスト圧緩増モードが要求モードとされた後、所
定期間TMODE2 が経過した時点で要求モードが(IV)アシ
スト圧保持モードに変更される。このため、上記の処理
によれば、 (V)アシスト圧緩増モードの実行が要求され
る毎に、所定期間TMODE2 を一単位として、ホイルシリ
ンダ圧PW/C を段階的に緩やかに昇圧させることができ
る。
【0136】本ルーチン中、上記ステップ314で、要
求モードが (V)アシスト圧緩増モードではないと判別さ
れると、次にステップ324の処理が実行される。ステ
ップ324では、要求モードが(VI)アシスト圧緩減モー
ドであるか否かが判別される。その結果、要求モードが
(VI)アシスト圧緩減モードであると判別される場合は、
次にステップ326の処理が実行される。
【0137】ステップ326では、前回の処理サイクル
時から今回の処理サイクル時にかけて要求モードが変化
したか否かが判別される。その結果、要求モードが変化
したと判別される場合は、(VI)アシスト圧緩減モードが
今回の処理サイクル時以降実行されると判断できる。こ
の場合、次にステップ328の処理が実行される。一
方、前回の処理サイクル時から今回の処理サイクル時に
かけて要求モードが変化していないと判別される場合
は、(VI)アシスト圧緩減モードが前回の処理サイクル時
以前から実行されていると判断できる。この場合、ステ
ップ328の処理がジャンプされ、次にステップ330
の処理が実行される。
【0138】ステップ328では、上記ステップ318
と同様に、開始時マスタシリンダ圧PSTA およびタイマ
MODEを初期値にクリアする処理が実行される。本ステ
ップ328の処理が終了すると、次にステップ330の
処理が実行される。上記の処理によれば、(VI)アシスト
圧緩増モードが新たに開始される毎に、開始時マスタシ
リンダ圧PSTA およびタイマTMODEを初期値にクリアす
ることができる。
【0139】ステップ330では、フラグXPASLR
EDをオンとし、かつ、他の制御モードに対応するフラ
グをオフとする処理が実行される。本ステップ330の
処理が実行されると、次回の処理サイクル時に、実行中
の制御モードが(VI)アシスト圧緩減モードであると判断
される。本ステップ330の処理が終了すると、次にス
テップ332の処理が実行される。
【0140】ステップ332では、制動力制御装置を上
記図5に示すアシスト圧減圧状態とする処理が実行され
る。本ステップ332の処理が終了すると、今回のルー
チンが終了される。上述の如く、本実施例においては、
(VI)アシスト圧緩減モードが要求モードとされた後、所
定期間TMODE3 が経過した時点で要求モードが(IV)アシ
スト圧保持モードに変更される。このため、上記の処理
によれば、(VI)アシスト圧緩減モードの実行が要求され
る毎に、所定期間TMODE3 を一単位として、ホイルシリ
ンダ圧PW/C を段階的に緩やかに減圧させることができ
る。
【0141】本ルーチン中、上記ステップ324で、要
求モードが(VI)アシスト圧緩減モードではないと判別さ
れる場合は、要求モードが(IV)アシスト圧保持モードで
あると判断できる。この場合、上記ステップ324に次
いで、ステップ334の処理が実行される。ステップ3
34では、前回の処理サイクル時から今回の処理サイク
ル時にかけて要求モードが変化したか否かが判別され
る。その結果、要求モードが変化したと判別される場合
は、(IV)アシスト圧保持モードが今回の処理サイクル時
以降実行されると判断できる。この場合、次にステップ
336の処理が実行される。一方、前回の処理サイクル
時から今回の処理サイクル時にかけて要求モードが変化
していないと判別される場合は、(IV)アシスト圧保持モ
ードが前回の処理サイクル以前から実行されていると判
断できる。この場合、ステップ336の処理がジャンプ
され、次にステップ338の処理が実行される。
【0142】ステップ336では、上記ステップ31
8,328と同様に、開始時マスタシリンダ圧PSTA
よびタイマTMODEを初期値にクリアする処理が実行され
る。本ステップ336の処理が終了すると、次にステッ
プ338の処理が実行される。上記の処理によれば、(I
V)アシスト圧保持モードが新たに開始される毎に、開始
時マスタシリンダ圧PSTA およびタイマTMODEを初期値
にクリアすることができる。
【0143】ステップ338では、フラグXPAHOL
Dをオンとし、かつ、他の制御モードに対応するフラグ
をオフとする処理が実行される。本ステップ338の処
理が実行されると、次回の処理サイクルにおいて、実行
中の制御モードが(IV)アシスト圧保持モードであると判
断される。本ステップ338の処理が終了すると、次に
ステップ340の処理が実行される。
【0144】ステップ340では、制動力制御装置を上
記図4に示すアシスト圧減圧状態とする処理が実行され
る。本ステップ340の処理が実行されると、以後、各
車輪のホイルシリンダ圧PW/C を一定値に保持すること
ができる。本ステップ340の処理が終了すると、今回
のルーチンが終了される。上述の如く、本ルーチンによ
れば、ホイルシリンダ圧PW/C の増減圧勾配を急激に変
化させることなく、かつ、運転者によるブレーキ操作の
内容が正確にホイルシリンダ圧PW/C に反映されるよう
に、BA制御を実行することができる。従って、本実施
例の制動力制御装置によれば、BA制御を実行すること
により、車両の乗り心地を良好に維持しつつ、通常時に
比して大きな、かつ、運転者の意図が反映された制動力
を発生させることができる。
【0145】次に、図21および図22を参照して、本
実施例の制動力制御装置の第2の特徴部分について説明
する。本実施例の制動力制御装置は、上述の如く、BA
制御の実行中にブレーキペダル12が減圧操作された場
合に、上記図5に示すアシスト圧減圧状態を実現するこ
とにより各車輪のホイルシリンダ圧PW/C をハイドロブ
ースタ36に開放する。ハイドロブースタ36は、多量
のブレーキフルードを瞬間的に吸収することはできな
い。このため、制動力制御装置がアシスト圧減圧状態と
されると、その後、一時的に液圧センサ144の検出値
が上昇する現象が生ずる。
【0146】図21は、液圧センサ144の検出値その
ものをマスタシリンダ圧PM/C として、上述の手法によ
りBA制御を実行した場合に、制動力制御装置において
実現されるタイムチャートの一例を示す。具体的には、
図21(A)〜図21(C)は、それぞれ、運転者によ
るブレーキ操作の変化、液圧センサ144に検出される
マスタシリンダ圧PM/C の変化、および、制動力制御装
置において実現される状態の変化を示す。
【0147】図21に示すタイムチャートは、制動力制
御装置が上記図4に示すアシスト圧保持状態に維持され
ている状況下で運転者によって短時間の減圧操作が実行
された後、保持操作が実行されることにより実現され
る。制動力制御装置がアシスト圧保持状態である場合
に、運転者によって減圧操作が実行されると、第2液圧
通路84内の液圧が減圧されて液圧センサ144に検出
されるマスタシリンダ圧P M/C が減圧される。
【0148】制動力制御装置がアシスト圧保持状態とさ
れている状況下でマスタシリンダ圧PM/C が大きく減圧
されると、ECU10は、上記の如く制動力制御装置を
アシスト圧減圧状態に変化させる(図21に於ける時刻
0 )。制動力制御装置がアシスト圧減圧状態に変化す
ると、その後、各車輪のホイルシリンダ圧PW/C が第2
液圧通路84に開放されるため、液圧センサ144の検
出値であるマスタシリンダ圧PM/C が上昇傾向を示す
(図21に於ける時刻t0 〜t1 )。
【0149】マスタシリンダ圧PM/C が上昇傾向を示す
と、ECU10は、運転者による減圧操作が終了された
と判断して、制動力制御装置の状態を、アシスト圧減圧
状態からアシスト圧保持状態へ復帰させる(図21に於
ける時刻t1 )。上記の如く制動力制御装置がアシスト
圧保持状態とされると、各車輪のホイルシリンダ120
〜126から第2液圧通路84へ向かうブレーキフルー
ドの流れが遮断されることにより、液圧センサ144の
検出値であるマスタシリンダ圧PM/C は急激に減圧され
る。
【0150】図21(A)に示す如く、時刻t0 以降運
転者によって保持操作が実行されていても、マスタシリ
ンダ圧PM/C に急激な減少傾向が発生すれば、図21
(C)に示す如く、制動力制御装置の状態はアシスト圧
減圧状態に変化する(図21に於ける時刻t2 )。この
ように、本実施例の制動力制御装置において、液圧セン
サ144の検出値そのものをマスタシリンダ圧PM/C
してBA制御が実行されると、第2液圧通路84に生ず
る液圧の脈動に起因して、ホイルシリンダ圧PW/C が過
度に減圧されることがある。本実施例の制動力制御装置
は、上記の如くホイルシリンダ圧P W/C が過度に減圧さ
れるのを防止すべく、BA制御の実行中にアシスト圧減
圧状態が実現された後、所定期間は、液圧センサ144
の検出値にフィルタリング処理を施し、その処理後の値
に基づいてBA制御を実行する。
【0151】図22は、上記の機能を実現すべくECU
10が実行する制御ルーチンの一例のフローチャートを
示す。本ルーチンは、所定時間毎に起動される定時割り
込みルーチンである。本ルーチンが起動されると、先ず
ステップ350の処理が実行される。ステップ350で
は、BA制御中であるか否かが判別される。その結果、
BA制御中であると判別された場合は、次にステップ3
52の処理が実行される。一方、BA制御中でないと判
別された場合は、次に、後述するステップ360の処理
が実行される。
【0152】ステップ352では、前回の処理サイクル
時から今回の処理サイクル時にかけて、 (III)アシスト
圧減圧モードおよび(VI)アシスト圧緩減モードの一方が
開始されたか否かが判別される。その結果、これらのモ
ードの何れかが開始されたと判別される場合は、次にス
テップ354の処理が実行される。一方、これらのモー
ドの何れも開始されていないと判別される場合は、ステ
ップ354がジャンプされ、次にステップ356の処理
が実行される。
【0153】ステップ354では、タイマTFILTがクリ
アされる。タイマTFILTは、 (III)アシスト圧減圧モー
ド、または、(VI)アシスト圧緩減モードが開始された後
の経過時間、すなわち、制動力制御装置がアシスト圧減
圧状態とされた後の経過時間を計数するためのタイマで
ある。本ステップ354の処理が終了すると、次にステ
ップ356の処理が実行される。
【0154】ステップ356では、タイマTFILTの計数
値が所定値TFILT0 以下であるか否かが判別される。所
定値TFILT0 は、制動力制御装置がアシスト圧減圧状態
とされた後、ホイルシリンダ120〜126内のブレー
キフルードが第2液圧通路424に放出されることに起
因して、液圧センサ144が一時的に過大なマスタシリ
ンダ圧PM/C を検出する期間に比して僅かに長い期間で
ある。
【0155】従って、上記ステップ356でTFILT≦T
FILT0 が成立すると判別される場合は、液圧センサ14
4の検出値であるマスタシリンダ圧PM/C が、運転者の
意図するマスタシリンダ圧PM/C に比して過大であると
判断することができる。この場合、上記ステップ356
に次いでステップ358の処理が実行される。一方、T
FILT≦TFILT0 が成立しないと判別される場合は、液圧
センサ144が、運転者の意図するマスタシリンダ圧P
M/C を正確に検出していると判断できる。この場合、次
にステップ360の処理が実行される。
【0156】ステップ358では、BA制御の基礎とし
て用いられるマスタシリンダ圧PM/ C(n)が演算される。
本ステップ358では、液圧センサ144の検出値P
M/C と、前回の処理サイクル時に演算されたマスタシリ
ンダ圧PM/C(n-1)とを比較して、より小さなものが今回
の処理サイクルにおけるマスタシリンダ圧PM/C(n)とし
て決定される。本ステップ358の処理が終了すると、
次にステップ362の処理が実行される。
【0157】ステップ360では、液圧センサ144の
検出値PM/C そのものが、今回の処理サイクルにおける
マスタシリンダ圧PM/C(n)として決定される。本ステッ
プ360の処理が終了すると、次にステップ362の処
理が実行される。ステップ362では、上記ステップ3
58または360で演算されたマスタシリンダ圧P
M/C(n)に基づいて、変化速度ΔPM/C が演算される。本
ステップ362では、具体的には、今回の処理サイクル
によって演算されたマスタシリンダ圧PM/C(n)と、6周
期前の処理サイクル時に演算されたマスタシリンダ圧P
M/C(n- 6)との偏差を、6周期分の時間TINT で除するこ
とにより変化速度ΔPM/C が演算される。本ステップ3
62の処理が終了すると、今回のルーチンが終了され
る。
【0158】上記の処理によれば、アシスト圧減圧状態
が実現された後、液圧センサ144の検出値PM/C が過
大な値となる可能性のある期間は、検出値PM/C が減少
傾向を示す場合にのみ、その値PM/C をBA制御の基礎
とされるマスタシリンダ圧P M/C(n)に反映させることが
できる。また、液圧センサ144に過大なマスタシリン
ダ圧PM/C が検出される可能性のない状況下では、検出
値PM/C そのものを用いてBA制御を実行することがで
きる。従って、本実施例の制動力制御装置によれば、B
A制御の実行中に、正確にかつ優れた応答性をもって運
転者のブレーキ操作の内容をホイルシリンダ圧PW/C
反映させることができる。
【0159】尚、上記の実施例においては、ポンプ24
およびアキュムレータ28が前記請求項1記載の「高圧
源」に、ハイドロブースタ36が前記請求項1記載の
「低圧源」に、液圧センサ144が前記請求項1記載の
「操作量検出手段」に、それぞれ相当していると共に、
ECU10が上記図7乃至図13に示す制御ルーチンを
実行することにより前記請求項1記載の「液圧制御手
段」が、ECU10が、アシスト圧保持モードを経由し
て制御モードが変化するように、要求モードの切り換え
を行うことにより前記請求項1記載の「勾配制御手段」
が、それぞれ実現されている。
【0160】また、上記の実施例においては、ECU1
0が、(IV)アシスト圧保持モードを実行することにより
前記請求項2記載の「勾配制御手段」が、(IV)アシスト
圧保持モードの実行中に、その後に実行すべき制御モー
ドを決定することにより前記請求項3記載の「保持後勾
配決定手段」が、それぞれ実現されている。更に、上記
の実施例においては、ECU10が、上記ステップ24
2〜246、250〜254、258〜264、およ
び、268〜272の処理を実行することにより前記請
求項4記載の「保持時間設定手段」が、また、 (V)アシ
スト圧緩増モードおよび(VI)アシスト圧緩減モードを実
行することにより前記請求項5記載の「緩増圧制御手
段」および「緩減圧制御手段」が、それぞれ実現されて
いる。
【0161】次に、図23乃至図26を参照して、本発
明の第2実施例について説明する。図23は、本発明の
第2実施例に対応するポンプアップ式制動力制御装置
(以下、単に制動力制御装置と称す)のシステム構成図
を示す。尚、図23において、上記図1に示す構成部分
と同一の部分については、同一の符号を付してその説明
を省略または簡略する。
【0162】本実施例の制動力制御装置は、フロントエ
ンジン・リアドライブ式車両(FR車両)用の制動力制
御装置として好適な装置である。本実施例の制動力制御
装置は、ECU10により制御されている。ECU10
は、上述した第1実施例の場合と同様に、上記図7乃至
図13および図22に示す制御ルーチンを実行すること
で制動力制御装置の動作を制御する。
【0163】制動力制御装置は、ブレーキペダル12を
備えている。ブレーキペダル12の近傍には、ブレーキ
スイッチ14が配設されている。ECU10は、ブレー
キスイッチ14の出力信号に基づいてブレーキペダル1
2が踏み込まれているか否かを判別する。ブレーキペダ
ル12は、バキュームブースタ400に連結されてい
る。バキュームブースタ400は、ブレーキペダル12
が踏み込まれた場合に、ブレーキ踏力Fに対して所定の
倍力比を有するアシスト力Faを発生する。バキューム
ブースタ400には、マスタシリンダ402が固定され
ている。マスタシリンダ402は、タンデムセンターバ
ルブタイプのマスタシリンダであり、その内部に第1液
圧室404および第2液圧室406を備えている。第1
液圧室404および第2液圧室406には、ブレーキ踏
力Fとアシスト力Faとの合力に応じたマスタシリンダ
圧PM/C が発生する。
【0164】マスタシリンダ402の上部にはリザーバ
タンク408が配設されている。リザーバタンク408
には、フロントリザーバ通路410、および、リアリザ
ーバ通路412が連通している。フロントリザーバ通路
410には、フロントリザーバカットソレノイド414
(以下、SRCF414と称す)が連通している。同様
に、リアリザーバ通路412には、リアリザーバカット
ソレノイド416(以下、SRCR416と称す)が連
通している。
【0165】SRCF414には、更に、フロントポン
プ通路418が連通している。同様に、SRCR416
には、リアポンプ通路420が連通している。SRCF
414は、オフ状態とされることでフロントリザーバ通
路410とフロントポンプ通路418とを遮断し、か
つ、オン状態とされることでそれらを導通させる2位置
の電磁弁である。また、SRCR416は、オフ状態と
されることでリアリザーバ通路412とリアポンプ通路
420とを遮断し、かつ、オン状態とされることでそれ
らを導通させる2位置の電磁弁である。
【0166】マスタシリンダ402の第1液圧室40
4、および、第2液圧室406には、それぞれ第1液圧
通路422、および、第2液圧通路424が連通してい
る。第1液圧通路422には、右前マスタカットソレノ
イド426(以下、SMFR426と称す)、および、
左前マスタカットソレノイド428(以下、SMFL4
28と称す)が連通している。一方、第2液圧通路42
4には、リアマスタカットソレノイド430(以下、S
MR430と称す)が連通している。
【0167】SMFR426には、右前輪FRに対応し
て設けられた液圧通路432が連通している。同様に、
SMFL428には、左前輪FLに対応して設けられた
液圧通路434が連通している。更に、SMR430に
は、左右後輪RL,RRに対応して設けられた液圧通路
436が連通している。SMFR426、SMFL42
8およびSMR430の内部には、それぞれ定圧開放弁
438,440,442が設けられている。SMFR4
26は、オフ状態とされた場合に第1液圧通路422と
液圧通路432とを導通状態とし、かつ、オン状態とさ
れた場合に定圧開放弁438を介して第1液圧通路42
2と液圧通路432とを連通させる2位置の電磁弁であ
る。また、SMFL426は、オフ状態とされた場合に
第1液圧通路422と液圧通路434とを導通状態と
し、かつ、オン状態とされた場合に定圧開放弁440を
介して第1液圧通路422と液圧通路434とを連通さ
せる2位置の電磁弁である。同様に、SMR430は、
オフ状態とされた場合に第2液圧通路424と液圧通路
436とを導通状態とし、かつ、オン状態とされた場合
に定圧開放弁442を介して第2液圧通路424と液圧
通路436とを連通させる2位置の電磁弁である。
【0168】第1液圧通路422と液圧通路432との
間には、また、第1液圧通路422側から液圧通路43
2側へ向かうフルードの流れのみを許容する逆止弁44
4が配設されている。同様に、第1液圧通路422と液
圧通路434との間、および、第2液圧通路424と液
圧通路436との間には、それぞれ第1液圧通路422
側から液圧通路434側へ向かう流体の流れのみを許容
する逆止弁446、および、第2液圧通路424側から
液圧通路436側へ向かう流体の流れのみを許容する逆
止弁448が配設されている。
【0169】左右前輪に対応して設けられた液圧通路4
32,434および左右後輪に対応して設けられた液圧
通路436には、上記第1実施例の場合と同様に、保持
ソレノイドS**H、減圧ソレノイドS**R、ホイル
シリンダ120〜126および逆止弁128〜134が
連通している。また、左右前輪の保持ソレノイドSFR
R112およびSFLR114には、フロント減圧通路
450が連通している。更に、左右後輪の保持ソレノイ
ドSRRR116およびSRLR118にはリア減圧通
路452が連通している。
【0170】フロント減圧通路450およびリア減圧通
路452には、それぞれフロントリザーバ454および
リアリザーバ455が連通している。フロントリザーバ
454およびリアリザーバ455は、それぞれ逆止弁4
56,458を介してフロントポンプ460の吸入側、
および、リアポンプ462の吸入側に連通している。フ
ロントポンプ460の吐出側、および、リアポンプ46
2の吐出側は、吐出圧の脈動を吸収するためのダンパ4
64,466に連通している。ダンパ464は、右前輪
FRに対応して設けられた右前ポンプ通路468および
左前輪FLに対応して設けられた左前ポンプ通路470
に連通している。一方、ダンパ466は、液圧通路43
6に連通している。
【0171】右前ポンプ通路468は、右前ポンプソレ
ノイド472(以下、SPFL472と称す)を介して
液圧通路432に連通している。また、左前ポンプ通路
470は、左前ポンプソレノイド474(以下、SPF
R474と称す)を介して液圧通路434に連通してい
る。SPFL472は、オフ状態とされることにより右
前ポンプ通路468と液圧通路432とを導通状態と
し、かつ、オン状態とされることによりそれらを遮断状
態とする2位置の電磁弁である。同様に、SPFR47
4は、オフ状態とされることにより左前ポンプ通路47
0と液圧通路434とを導通状態とし、かつ、オン状態
とされることによりそれらを遮断状態とする2位置の電
磁弁である。
【0172】液圧通路432と右前ポンプ通路468と
の間には、液圧通路432側から右前ポンプ通路468
側へ向かう流体の流れのみを許容する定圧開放弁476
が配設されている。同様に、液圧通路434と左前ポン
プ通路470との間には、液圧通路434側から左前ポ
ンプ通路470側へ向かう流体の流れのみを許容する定
圧開放弁478が配設されている。
【0173】各車輪の近傍には、車輪速センサ136,
138,140,142が配設されている。ECU10
は車輪速センサ136〜142の出力信号に基づいて各
車輪の回転速度VW を検出する。また、マスタシリンダ
402に連通する第2液圧通路424には、液圧センサ
144が配設されている。ECU10は液圧センサ14
4の出力信号に基づいてマスタシリンダ圧PM/C を検出
する。
【0174】次に、本実施例の制動力制御装置の動作を
説明する。本実施例の制動力制御装置は、液圧回路内に
配設された各種の電磁弁の状態を切り換えることによ
り、通常ブレーキ機能、ABS機能、および、B
A機能を実現する。 通常ブレーキ機能は、図23に示す如く、制動力制御
装置が備える全ての電磁弁をオフ状態とすることにより
実現される。以下、図23に示す状態を通常ブレーキ状
態と称す。また、制動力制御装置において通常ブレーキ
機能を実現するための制御を通常ブレーキ制御と称す。
【0175】図23に示す通常ブレーキ状態において、
左右前輪FL,FRのホイルシリンダ120,122
は、共に第1液圧通路422を介してマスタシリンダ4
02の第1液圧室404に連通している。また、左右後
輪RL,RRのホイルシリンダ124,126は、第2
液圧通路424を介してマスタシリンダ402の第2液
圧室406に連通している。この場合、ホイルシリンダ
120〜126のホイルシリンダ圧PW/C は、常にマス
タシリンダ圧PM/C と等圧に制御される。従って、図2
3示す状態によれば、通常ブレーキ機能が実現される。
【0176】ABS機能は、図23に示す状態におい
て、フロントポンプ460およびリアポンプ462をオ
ン状態とし、かつ、保持ソレノイドS**Hおよび減圧
ソレノイドS**RをABSの要求に応じて適当に駆動
することにより実現される。以下、制動力制御装置にお
いてABS機能を実現するための制御をABS制御と称
す。
【0177】ECU10は、車両が制動状態にあり、か
つ、何れかの車輪について過剰なスリップ率が検出され
た場合にABS制御を開始する。ABS制御は、ブレー
キペダル12が踏み込まれている状況下、すなわち、マ
スタシリンダ402が高圧のマスタシリンダ圧PM/C
発生している状況下で開始される。ABS制御の実行中
は、マスタシリンダ圧PM/C が、第1液圧通路422お
よび第2液圧通路424を介して、それぞれ左右前輪に
対応して設けられた液圧通路432,434、および、
左右後輪に対応して設けられた液圧通路436に導かれ
る。従って、かかる状況下で保持ソレノイドS**Hを
開弁状態とし、かつ、減圧ソレノイドS**Rを閉弁状
態とすると、各車輪のホイルシリンダ圧PW/ C を増圧す
ることができる。以下、この状態を(i) 増圧モードと称
す。
【0178】また、ABS制御の実行中に、保持ソレノ
イドS**Hおよび減圧ソレノイドS**Rの双方を閉
弁状態とすると、各車輪のホイルシリンダ圧PW/C を保
持することができる。以下、この状態を(ii)保持モード
と称す。更に、ABS制御の実行中に、保持ソレノイド
S**Hを閉弁状態とし、かつ、減圧ソレノイドS**
Rを開弁状態とすると、各車輪のホイルシリンダ圧P
W/C を減圧することができる。以下、この状態を(iii)
減圧モードと称す。
【0179】ECU10は、ABS制御中に、各車輪毎
に適宜上記の(i) 増圧モード、(ii)保持モード、およ
び、(iii) 減圧モードが実現されるように、各車輪のス
リップ状態に応じて保持ソレノイドS**Hおよび減圧
ソレノイドS**Rを制御する。保持ソレノイドS**
Hおよび減圧ソレノイドS**Rが上記の如く制御され
ると、全ての車輪のホイルシリンダ圧PW/C が対応する
車輪に過大なスリップ率を発生させることのない適当な
圧力に制御される。このように、上記の制御によれば、
制動力制御装置においてABS機能を実現することがで
きる。
【0180】図24乃至図26は、BA機能を実現す
るための制動力制御装置の状態を示す。ECU10は、
運転者によって制動力の速やかな立ち上がりを要求する
ブレーキ操作、すなわち、緊急ブレーキ操作が実行され
た後に図24乃至図26に示す状態を適宜実現すること
でBA機能を実現する。以下、制動力制御装置におい
て、BA機能を実現させるための制御をBA制御と称
す。
【0181】図24は、BA制御の実行中に実現される
アシスト圧増圧状態を示す。アシスト圧増圧状態は、B
A制御の実行中に各車輪のホイルシリンダ圧PW/C を増
圧させる必要がある場合に、すなわち、BA制御中に
(I)開始増圧モード、(II)アシスト圧増圧モード、およ
び、 (V)アシスト圧緩増モードの実行が要求された場合
に実現される。
【0182】本実施例のシステムにおいて、BA制御中
におけるアシスト圧増圧状態は、図24に示す如く、リ
ザーバカットソレノイドSRCF414,SRCR41
6、および、マスタカットソレノイドSMFR426,
SMFL428,SMR430をオン状態とし、かつ、
フロントポンプ460およびリアポンプ462をオン状
態とすることで実現される。
【0183】図24に示すアシスト圧増圧状態が実現さ
れると、リザーバタンク408に貯留されているブレー
キフルードがフロントポンプ460およびリアポンプ4
62に汲み上げられて液圧通路432,434,436
に供給される。アシスト圧増圧状態では、液圧通路43
2,434,436の内圧が、定圧開放弁438,44
0,442の開弁圧を超えてマスタシリンダ圧PM/C
比して高圧となるまでは、液圧通路432,434,4
36からマスタシリンダ402へ向かうブレーキフルー
ドの流れがSMFR326,SMFL328,SMR3
30によって阻止される。
【0184】このため、図24に示すアシスト圧増圧状
態が実現されると、その後、液圧通路432,434,
436には、マスタシリンダ圧PM/C に比して高圧の液
圧が発生する。アシスト圧増圧状態では、ホイルシリン
ダ120〜126と、それらに対応する液圧通路33
2,334,336とが導通状態に維持されている。従
って、アシスト圧増圧状態が実現されると、その後、全
ての車輪のホイルシリンダ圧PW/C は、フロントポンプ
460またはリアポンプ462を液圧源として、速やか
にマスタシリンダ圧PM/C を超える圧力に昇圧される。
【0185】ところで、図24に示すアシスト圧増圧状
態において、液圧通路434,432,436は、それ
ぞれ逆止弁444,446,448を介してマスタシリ
ンダ402に連通している。このため、マスタシリンダ
圧PM/C が各車輪のホイルシリンダ圧PW/C に比して大
きい場合は、アシスト圧増圧状態においても、マスタシ
リンダ402を液圧源としてホイルシリンダ圧PW/C
昇圧することができる。
【0186】図25は、BA制御の実行中に実現される
アシスト圧保持状態を示す。アシスト圧保持状態は、B
A制御の実行中に各車輪のホイルシリンダ圧PW/C を保
持する必要がある場合、すなわち、BA制御中に(IV)ア
シスト圧保持モードが要求される場合に実現される。ア
シスト圧保持状態は、図25に示す如く、マスタカット
ソレノイドSMFR426,SMFL428,SMR4
30をオン状態とすることで実現される。
【0187】図25に示すアシスト圧保持状態では、フ
ロントポンプ460とリザーバタンク408、および、
リアポンプ462とリザーバタンク408が、それぞれ
SRCF414および416によって遮断状態とされ
る。このため、アシスト圧保持状態では、フロントポン
プ460およびリアポンプ462から液圧通路432,
434,436にフルードが吐出されることはない。ま
た、アシスト圧保持状態では、液圧通路432,43
4,436が、SMFR426,SMFL428,SM
R430によってマスタシリンダ402から実質的に切
り離されている。このため、アシスト圧保持状態によれ
ば、全ての車輪のホイルシリンダ圧PW/C を一定値に保
持することができる。
【0188】図26は、BA制御の実行中に実現される
アシスト圧減圧状態を示す。アシスト圧減圧状態は、B
A制御の実行中に各車輪のホイルシリンダ圧PW/C を減
圧する必要がある場合、すなわち、BA制御中に (III)
アシスト圧減圧モード、および、(VI)アシスト圧緩減モ
ードの実行が要求された場合に実現される。アシスト圧
減圧状態は、図26に示す如く、全てのソレノイドをオ
フ状態とすることで実現される。
【0189】図26に示すアシスト圧減圧状態では、フ
ロントポンプ460およびリアポンプ462がリザーバ
タンク408から切り離される。このため、フロントポ
ンプ462およびリアポンプ462から液圧通路43
2,434,436にフルードが吐出されることはな
い。また、アシスト圧減圧状態では、各車輪のホイルシ
リンダ120〜126とマスタシリンダ402とが導通
状態となる。このため、アシスト圧減圧状態を実現する
と、全ての車輪のホイルシリンダ圧PW/C を、マスタシ
リンダ圧PM/C を下限値として減圧することができる。
【0190】BA制御の実行中には、運転者によるブレ
ーキ操作に伴って、液圧センサ144の検出値であるマ
スタシリンダ圧PM/C に急激な変化が生ずることがあ
る。車両の乗り心地を良好に維持しつつ、ホイルシリン
ダ圧PW/C にブレーキ操作の内容を反映させるために
は、緩やかな増減圧勾配でホイルシリンダ圧PW/C を変
化させることが望ましい。
【0191】また、BA制御中にホイルシリンダ圧P
W/C の変化が要求される場合、ホイルシリンダ圧PW/C
の増減圧勾配の反転が要求される状況下では、その反転
が要求されない状況下に比して大きな制動力変化が生じ
易い。従って、ホイルシリンダ圧PW/C の増減圧勾配の
反転が要求される場合には、その反転が要求されない場
合に比して、更に緩やかにホイルシリンダ圧PW/C を変
化させることが望まれる。
【0192】更に、運転者によるブレーキ操作は、制動
力制御装置がアシスト圧保持状態に維持されている間に
も実行される。従って、制動力制御装置をアシスト圧保
持状態に維持する保持時間を設けることによりホイルシ
リンダ圧PW/C の急変を避ける場合には、その保持時間
の後に実現すべき増減圧勾配を、保持時間中に決定する
ことが望ましい。
【0193】加えて、本実施例のシステムでは、アシス
ト圧減圧状態が実現された際に、ホイルシリンダ12
4,124内のブレーキフルードが第2液圧通路144
に放出されることに伴って、液圧センサ144の検出値
M/C が一時的に過大な値となる可能性がある。本実施
例において、ECU10は、運転者によって緊急ブレー
キ操作が実行された場合に、上述した第1実施例の場合
と同様に、上記図7乃至図13に示す制御ルーチンを実
行することでBA制御を実現すると共に、上記図22に
示す制御ルーチンを実行することでBA制御の基礎とさ
れるマスタシリンダ圧PM/C(n)を演算する。
【0194】上記図7乃至図13に示す制御ルーチンに
よれば、BA制御の実行中に、ホイルシリンダ圧PW/C
の増減圧勾配の反転が要求される場合、および、その反
転が要求されない場合の双方において、適正な増減圧勾
配でホイルシリンダ圧PW/Cを変化させることができる
と共に、保持時間中に実行されたブレーキ操作の内容を
考慮して、実行すべき制御モードを決定することができ
る。また、上記図22に示す制御ルーチンによれば、液
圧センサ144の検出値PM/C に基づいて、かつ、その
値が過大とならないようにBA制御の基礎とされるマス
タシリンダ圧P M/C(n)を演算することができる。従っ
て、本実施例の制動力制御装置によれば、第1実施例の
場合と同様に、上述した要求を全て適切に満たしながら
BA制御を実行することができる。
【0195】尚、上記の実施例においては、フロントポ
ンプ460およびリアポンプ462が前記請求項1記載
の「高圧源」に、また、マスタシリンダ402が前記請
求項1記載の「低圧源」に、それぞれ相当している。次
に、図27乃至図30を参照して、本実施例の第3実施
例について説明する。図27は、本発明の第3実施例に
対応するポンプアップ式制動力制御装置(以下、単に制
動力制御装置と称す)のシステム構成図を示す。尚、図
27において、上記図23に示す構成部分と同一の部分
については、同一の符号を付してその説明を省略または
簡略する。
【0196】本実施例の制動力制御装置は、フロントエ
ンジン・フロントドライブ式車両(FF車両)用の制動
力制御装置として好適な装置である。本実施例の制動力
制御装置は、ECU10により制御されている。ECU
10は、上述した第1実施例および第2実施例の場合と
同様に、上記図7乃至図13、および、上記図22に示
す制御ルーチンを実行することで制動力制御装置の動作
を制御する。
【0197】制動力制御装置は、ブレーキペダル12を
備えている。ブレーキペダル12の近傍には、ブレーキ
スイッチ14が配設されている。ECU10は、ブレー
キスイッチ14の出力信号に基づいてブレーキペダル1
2が踏み込まれているか否かを判別する。ブレーキペダ
ル12は、バキュームブースタ400に連結されてい
る。また、バキュームブースタ400は、マスタシリン
ダ402に固定されている。マスタシリンダ402の内
部には第1液圧室404および第2液圧室406が形成
されている。第1液圧室404および第2液圧室406
の内部には、ブレーキ踏力Fと、バキュームブースタ4
00が発生するアシスト力Faとの合力に応じたマスタ
シリンダ圧PM/C が発生する。
【0198】マスタシリンダ400の上部にはリザーバ
タンク408が配設されている。リザーバタンク408
には、第1リザーバ通路500、および、第2リザーバ
通路502が連通している。第1リザーバ通路500に
は、第1リザーバカットソレノイド504(以下、SR
-1504と称す)が連通している。同様に、第2リザ
ーバ通路502には、第2リザーバカットソレノイド5
06(以下、SRC-2506と称す)が連通している。
【0199】SRC-1504には、更に、第1ポンプ通
路508が連通している。同様に、SRC-2506に
は、第2ポンプ通路510が連通している。SRC-1
04は、オフ状態とされることで第1リザーバ通路50
0と第1ポンプ通路508とを遮断し、かつ、オン状態
とされることでそれらを導通させる2位置の電磁弁であ
る。また、SRC-2506は、オフ状態とされることで
第2リザーバ通路502と第2ポンプ通路510とを遮
断し、かつ、オン状態とされることでそれらを導通させ
る2位置の電磁弁である。
【0200】マスタシリンダ402の第1液圧室40
4、および、第2液圧室406には、それぞれ第1液圧
通路422、および、第2液圧通路424が連通してい
る。第1液圧通路422には、第1マスタカットソレノ
イド512(以下、SMC-1512と称す)が連通して
いる。一方、第2液圧通路424には、第2マスタカッ
トソレノイド514(以下、SMC-2514と称す)が
連通している。
【0201】SMC-1512には、第1ポンプ圧通路5
16と左後輪RLに対応して設けられた液圧通路518
とが連通している。第1ポンプ圧通路516には、第1
ポンプソレノイド520(以下、SMV-1520と称
す)が連通している。SMV-1520には、更に、右前
輪FRに対応して設けられた液圧通路522が連通して
いる。SMV-1520の内部には定圧開放弁524が設
けられている。SMV-1520は、オフ状態とされた場
合に第1ポンプ圧通路516と液圧通路522とを導通
状態とし、かつ、オン状態とされた場合に定圧開放弁5
24を介してそれらを連通させる2位置の電磁弁であ
る。第1ポンプ圧通路516と液圧通路522との間に
は、また、第1ポンプ圧通路516側から液圧通路52
2側へ向かうフルードの流れのみを許容する逆止弁52
6が配設されている。
【0202】SMC-2514には、第2ポンプ圧通路5
28と右後輪RRに対応して設けられた液圧通路530
とが連通している。第2ポンプ圧通路528には、第2
ポンプソレノイド532(以下、SMV-2532と称
す)が連通している。SMV-2532には、更に、左前
輪FLに対応して設けられた液圧通路534が連通して
いる。SMV-2532の内部には定圧開放弁536が設
けられている。SMV-2532は、オフ状態とされた場
合に第2ポンプ圧通路528と液圧通路534とを導通
状態とし、かつ、オン状態とされた場合に定圧開放弁5
36を介してそれらを連通させる2位置の電磁弁であ
る。第1ポンプ通路528と液圧通路534との間に
は、また、第2ポンプ圧通路528側から液圧通路53
6側へ向かうフルードの流れのみを許容する逆止弁53
8が配設されている。
【0203】SMC-1512およびSMC-2514の内
部には、それぞれ定圧開放弁540,542が設けられ
ている。SMC-1512は、オフ状態とされた場合に第
1液圧通路422と液圧通路518(および第1ポンプ
圧通路516)とを導通状態とし、かつ、オン状態とさ
れた場合に定圧開放弁540を介してそれらを連通させ
る2位置の電磁弁である。また、SMC-2514は、オ
フ状態とされた場合に第2液圧通路424と液圧通路5
30(および第2ポンプ圧通路528)とを導通状態と
し、かつ、オン状態とされた場合に定圧開放弁442を
介してそれらを連通させる2位置の電磁弁である。
【0204】第1液圧通路422と液圧通路518との
間には、第1液圧通路422側から液圧通路518側へ
向かうフルードの流れのみを許容する逆止弁544が配
設されている。同様に、第2液圧通路424と液圧通路
530との間には、第2液圧通路424側から液圧通路
530側へ向かう流体の流れのみを許容する逆止弁54
6が配設されている。
【0205】左右前輪および左右後輪に対応して設けら
れた4本の液圧通路516,522,528,534に
は、第1実施例および第2実施例の場合と同様に保持ソ
レノイドS**H、減圧ソレノイドS**R、ホイルシ
リンダ120〜126および逆止弁128〜134が連
通している。また、右前輪FRおよび左後輪RLの減圧
ソレノイドSFRR112およびSRLR118には、
第1減圧通路548が連通している。更に、左前輪FL
および右後輪RRの減圧ソレノイドSFLR114およ
びSRRR116には、第2減圧通路550が連通して
いる。
【0206】第1減圧通路548および第2減圧通路5
50には、それぞれ第1リザーバ552および第2リザ
ーバ554が連通している。また、第1リザーバ552
および第2リザーバ554は、それぞれ逆止弁556,
558を介して第1ポンプ560の吸入側、および、第
2ポンプ562の吸入側に連通している。第1ポンプ5
60の吐出側、および、第2ポンプ562の吐出側は、
吐出圧の脈動を吸収するためのダンパ564,566に
連通している。ダンパ564,566は、それぞれ液圧
通路522,534に連通している。
【0207】各車輪の近傍には、車輪速センサ136,
138,140,142が配設されている。ECU10
は、車輪速センサ136〜142の出力信号に基づいて
各車輪の回転速度VW を検出する。また、マスタシリン
ダ302に連通する第2液圧通路324には、液圧セン
サ144が配設されている。ECU10は、液圧センサ
144の出力信号に基づいてマスタシリンダ圧PM/C
検出する。
【0208】次に、本実施例の制動力制御装置の動作を
説明する。本実施例の制動力制御装置は、液圧回路内に
配設された各種の電磁弁の状態を切り換えることによ
り、通常ブレーキ機能、ABS機能、および、B
A機能を実現する。 通常ブレーキ機能は、図27に示す如く、制動力制御
装置が備える全ての電磁弁をオフ状態とすることにより
実現される。以下、図27に示す状態を通常ブレーキ状
態と称す。また、制動力制御装置において通常ブレーキ
機能を実現するための制御を通常ブレーキ制御と称す。
【0209】図27に示す通常ブレーキ状態において、
右前輪FRのホイルシリンダ120および左後輪RLの
ホイルシリンダ126は、共に第1液圧通路422を介
してマスタシリンダ402の第1液圧室404に連通し
ている。また、左前輪FLのホイルシリンダ122およ
び右後輪RRのホイルシリンダ124は、共に第2液圧
通路424を介してマスタシリンダ402の第2液圧室
406に連通している。この場合、ホイルシリンダ12
0〜126のホイルシリンダ圧PW/C は、常にマスタシ
リンダ圧PM/C と等圧に制御される。従って、図27示
す状態によれば、通常ブレーキ機能が実現される。
【0210】ABS機能は、図27に示す状態におい
て、第1ポンプ560および第2ポンプ562をオン状
態とし、かつ、保持ソレノイドS**Hおよび減圧ソレ
ノイドS**RをABSの要求に応じて適当に駆動する
ことにより実現される。以下、制動力制御装置において
ABS機能を実現するための制御をABS制御と称す。
【0211】ABS制御の実行中は、左右前輪および左
右後輪に対応して設けられた4本の液圧通路518,5
22,530,534の全てに高圧のマスタシリンダ圧
M/ C が導かれている。従って、かかる状況下で保持ソ
レノイドS**Hを開弁状態とし、かつ、減圧ソレノイ
ドS**Rを閉弁状態とすると、各車輪のホイルシリン
ダ圧PW/C を増圧することができる。以下、この状態を
(i) 増圧モードと称す。
【0212】また、ABS制御の実行中に、保持ソレノ
イドS**Hおよび減圧ソレノイドS**Rの双方を閉
弁状態とすると、各車輪のホイルシリンダ圧PW/C を保
持することができる。以下、この状態を(ii)保持モード
と称す。更に、ABS制御の実行中に、保持ソレノイド
S**Hを閉弁状態とし、かつ、減圧ソレノイドS**
Rを開弁状態とすると、各車輪のホイルシリンダ圧P
W/C を減圧することができる。以下、この状態を(iii)
減圧モードと称す。
【0213】ECU10は、ABS制御の実行中に、各
車輪毎に適宜上記の(i) 増圧モード、(ii)保持モード、
および、(iii) 減圧モードが実現されるように、各車輪
のスリップ状態に応じて保持ソレノイドS**Hおよび
減圧ソレノイドS**Rを制御する。保持ソレノイドS
**Hおよび減圧ソレノイドS**Rが上記の如く制御
されると、全ての車輪のホイルシリンダ圧PW/C が対応
する車輪に過大なスリップ率を発生させることのない適
当な圧力に制御される。このように、上記の制御によれ
ば、制動力制御装置においてABS機能を実現すること
ができる。
【0214】図28乃至図30は、BA機能を実現す
るための制動力制御装置の状態を示す。ECU10は、
運転者によって制動力の速やかな立ち上がりを要求する
ブレーキ操作、すなわち、緊急ブレーキ操作が実行され
た後に図28乃至図30に示す状態を適宜実現すること
でBA機能を実現する。以下、制動力制御装置におい
て、BA機能を実現させるための制御をBA制御と称
す。
【0215】図28は、BA制御の実行中に実現される
アシスト圧増圧状態を示す。アシスト圧増圧状態は、B
A制御の実行中に各車輪のホイルシリンダ圧PW/C を増
圧させる必要がある場合に、すなわち、BA制御中に
(I)開始増圧モード、(II)アシスト圧増圧モード、およ
び、 (V)アシスト圧緩増モードの実行が要求された場合
に実現される。
【0216】本実施例のシステムにおいて、BA制御中
におけるアシスト圧増圧状態は、図28に示す如く、リ
ザーバカットソレノイドSRC-1504,SRC-250
6、および、マスタカットソレノイドSMC-1512,
SMC-2514をオン状態とし、かつ、第1ポンプ56
0および第2ポンプ562をオン状態とすることで実現
される。
【0217】BA制御の実行中にアシスト圧増圧状態が
実現されると、リザーバタンク408に貯留されている
ブレーキフルードが第1ポンプ560および第2ポンプ
562に汲み上げられて液圧通路522,534に供給
される。アシスト圧増圧状態では、液圧通路522と右
前輪FRのホイルシリンダ120および左後輪RLのホ
イルシリンダ126が導通状態に維持される。また、ア
シスト圧増圧状態では、液圧通路522側の圧力が定圧
開放弁540の開弁圧を超えてマスタシリンダ圧PM/C
に比して高圧となるまでは、液圧通路522側からマス
タシリンダ402側へ向かうフルードの流れがSMC-1
512によって阻止される。
【0218】同様に、アシスト圧増圧状態では、液圧通
路534と左前輪FLのホイルシリンダ122および右
後輪RRのホイルシリンダ124とが導通状態に維持さ
れると共に、液圧通路534側の内圧が定圧開放弁54
2の開弁圧を超えてマスタシリンダ圧PM/C に比して高
圧となるまでは、液圧通路534側からマスタシリンダ
402側へ向かうフルードの流れがSMC-2514によ
って阻止される。
【0219】このため、図28に示すアシスト圧増圧状
態が実現されると、その後、各車輪のホイルシリンダ圧
W/C は、第1ポンプ560または第2ポンプ562を
液圧源として、速やかにマスタシリンダ圧PM/C を超え
る圧力に昇圧される。このように、アシスト圧増圧状態
によれば、制動力を速やかに立ち上げることができる。
【0220】ところで、アシスト圧増圧状態において、
液圧通路518,522,528,530は、逆止弁5
44,546を介してマスタシリンダ402に連通して
いる。このため、マスタシリンダ圧PM/C が各車輪のホ
イルシリンダ圧PW/C に比して大きい場合は、BA作動
状態においてもマスタシリンダ402を液圧源としてホ
イルシリンダ圧PW/C を昇圧することができる。
【0221】図29は、BA制御の実行中に実現される
アシスト圧保持状態を示す。アシスト圧保持状態は、B
A制御の実行中に各車輪のホイルシリンダ圧PW/C を保
持する必要がある場合、すなわち、BA制御中に(IV)ア
シスト圧保持モードが要求される場合に実現される。ア
シスト圧保持状態は、図29に示す如く、マスタカット
ソレノイドSMC-1512,SMC-2514をオン状態
とすることで実現される。
【0222】アシスト圧保持状態では、第1ポンプ56
0とリザーバタンク408、および、第2ポンプ562
とリザーバタンク408が、それぞれSRC-1504お
よびSRC-2506によって遮断状態とされる。このた
め、アシスト圧保持状態では、第1ポンプ560および
第2ポンプ562から液圧通路522,534にフルー
ドが吐出されない。また、アシスト圧保持状態では、液
圧通路518,522および530,534が、それぞ
れSMC-1512およびSMC-2514によってマスタ
シリンダ402から実質的に切り離されている。このた
め、アシスト圧保持状態によれば、全ての車輪のホイル
シリンダ圧PW/C を一定値に保持することができる。
【0223】図30は、BA制御の実行中に実現される
アシスト圧減圧状態を示す。アシスト圧減圧状態は、B
A制御の実行中に各車輪のホイルシリンダ圧PW/C を減
圧する必要がある場合、すなわち、BA制御中に (III)
アシスト圧減圧モード、および、(VI)アシスト圧緩減モ
ードの実行が要求された場合に実現される。アシスト圧
減圧状態は、図30に示す如く、全てのソレノイドをオ
フ状態とすることで実現される。
【0224】図30に示すアシスト圧減圧状態では、第
1ポンプ560および第2ポンプ562がリザーバタン
ク408から切り離される。このため、第1ポンプ56
2および第2ポンプ562から液圧通路522,534
にフルードが吐出されない。また、アシスト圧減圧状態
では、各車輪のホイルシリンダ120〜126とマスタ
シリンダ402とが導通状態となる。このため、アシス
ト圧減圧状態を実現すると、全ての車輪のホイルシリン
ダ圧PW/C を、マスタシリンダ圧PM/C を下限値として
減圧することができる。
【0225】本実施例において、ECU10は、運転者
によって緊急ブレーキ操作が実行された場合に、上述し
た第1実施例の場合と同様に、上記図7乃至図13に示
す制御ルーチンを実行することでBA制御を実現すると
共に、上記図22に示す制御ルーチンを実行することで
BA制御の基礎とされるマスタシリンダ圧PM/C(n)を演
算する。
【0226】上記図7乃至図13に示す制御ルーチンに
よれば、BA制御の実行中に、ホイルシリンダ圧PW/C
の増減圧勾配の反転が要求される場合、および、その反
転が要求されない場合の双方において、適正な増減圧勾
配でホイルシリンダ圧PW/Cを変化させることができる
と共に、保持時間中に実行されたブレーキ操作の内容を
考慮して、実行すべき制御モードを決定することができ
る。また、上記図22に示す制御ルーチンによれば、液
圧センサ144の検出値PM/C に基づいて、かつ、その
値が過大とならないようにBA制御の基礎とされるマス
タシリンダ圧P M/C(n)を演算することができる。従っ
て、本実施例の制動力制御装置によれば、第1実施例お
よび第2実施例の場合と同様に、BA制御の実行中に、
良好な乗り心地を維持しつつ、ブレーキ操作の内容を正
確にホイルシリンダ圧PW/C に反映させることができ
る。
【0227】尚、上記の実施例においては、第1ポンプ
560および第2ポンプ562が前記請求項1記載の
「高圧源」に相当している。
【0228】
【発明の効果】上述の如く、請求項1記載の発明によれ
ば、ブレーキアシスト制御の実行中に、ホイルシリンダ
に供給される制動液圧を、ブレーキ操作量の変化勾配に
比して緩やかな傾きで変化させることができる。このた
め、本発明によれば、ブレーキアシスト制御の実行中
に、制動力の急変を防止しつつ、ブレーキ操作量に対応
した制動力を発生させることができる。
【0229】請求項2記載の発明によれば、アシスト圧
増圧状態およびアシスト圧減圧状態と、アシスト圧保持
状態とを組み合わせてホイルシリンダ圧の調圧を図るこ
とにより、緩やかな増減圧勾配を実現することができ
る。請求項3記載の発明によれば、保持時間の間にその
後の増減圧勾配を決定することにより、運転者によって
実行されたブレーキ操作を正確にホイルシリンダ圧に反
映させることができる。
【0230】請求項4記載の発明によれば、ホイルシリ
ンダ圧の増減圧勾配の反転が要求されているか否かに応
じた保持時間を設定することにより、ホイルシリンダ圧
に要求される変化量の大小に関わらず、常に適正な増減
圧勾配を実現することができる。また、請求項5記載の
発明によれば、緩増圧制御手段および緩減圧制御手段を
用いてホイルシリンダ圧の調圧を図ることにより、緩や
かな増減圧勾配を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に対応する制動力制御装置
の通常ブレーキ状態を示すシステム構成図である。
【図2】図1に示す制動力制御装置のABS作動状態を
示す図である。
【図3】図1に示す制動力制御装置のアシスト圧増圧状
態を示す図である。
【図4】図1に示す制動力制御装置のアシスト圧保持状
態を示す図である。
【図5】図1に示す制動力制御装置のアシスト圧減圧状
態を示す図である。
【図6】図1に示す制動力制御装置において緊急ブレー
キ操作が行われた場合にマスタシリンダ圧PM/C および
ホイルシリンダ圧PW/C に生ずる変化を表す図である。
【図7】本発明の第1実施例乃至第3実施例に対応する
制動力制御装置においてBA制御を実現すべく実行され
る制御ルーチンの一例のフローチャート(その1)であ
る。
【図8】本発明の第1実施例乃至第3実施例に対応する
制動力制御装置においてBA制御を実現すべく実行され
る制御ルーチンの一例のフローチャート(その2)であ
る。
【図9】本発明の第1実施例乃至第3実施例に対応する
制動力制御装置においてBA制御を実現すべく実行され
る制御ルーチンの一例のフローチャート(その3)であ
る。
【図10】本発明の第1実施例乃至第3実施例に対応す
る制動力制御装置においてBA制御を実現すべく実行さ
れる制御ルーチンの一例のフローチャート(その4)で
ある。
【図11】本発明の第1実施例乃至第3実施例に対応す
る制動力制御装置においてBA制御を実現すべく実行さ
れる制御ルーチンの一例のフローチャート(その5)で
ある。
【図12】本発明の第1実施例乃至第3実施例に対応す
る制動力制御装置においてBA制御を実現すべく実行さ
れる制御ルーチンの一例のフローチャート(その6)で
ある。
【図13】本発明の第1実施例乃至第3実施例に対応す
る制動力制御装置においてBA制御を実現すべく実行さ
れる制御ルーチンの一例のフローチャート(その7)で
ある。
【図14】本発明の第1実施例乃至第3実施例に対応す
る制動力制御装置においてBA制御が実行される場合に
開始増圧モードに次いで実行される制御モードを示すテ
ーブルである。
【図15】本発明の第1実施例乃至第3実施例に対応す
る制動力制御装置においてBA制御が実行される場合に
アシスト圧増圧モードに次いで実行される制御モードを
示すテーブルである。
【図16】本発明の第1実施例乃至第3実施例に対応す
る制動力制御装置においてBA制御が実行される場合に
アシスト圧減圧モードに次いで実行される制御モードを
示すテーブルである。
【図17】本発明の第1実施例乃至第3実施例に対応す
る制動力制御装置においてBA制御が実行される場合に
アシスト圧保持モードに次いで実行される制御モードを
示す第1のテーブルである。
【図18】本発明の第1実施例乃至第3実施例に対応す
る制動力制御装置においてBA制御が実行される場合に
アシスト圧保持モードに次いで実行される制御モードを
示す第2のテーブルである。
【図19】本発明の第1実施例乃至第3実施例に対応す
る制動力制御装置においてBA制御が実行される場合に
アシスト圧緩増モードに次いで実行される制御モードを
示すテーブルである。
【図20】本発明の第1実施例乃至第3実施例に対応す
る制動力制御装置においてBA制御が実行される場合に
アシスト圧緩減モードに次いで実行される制御モードを
示すテーブルである。
【図21】図21(A)はブレーキ操作の変化を示すタ
イムチャートである。図21(B)は本発明の第1実施
例乃至第3実施例に対応する制動力制御装置が備える液
圧センサによって検出されるマスタシリンダ圧PM/C
変化を示すタイムチャートである。図21(C)は本発
明の第1実施例乃至第3実施例に対応する制動力制御装
置において実現される状態変化を表すタイムチャートで
ある。
【図22】本発明の第1実施例乃至第3実施例に対応す
る制動力制御装置においてBA制御の基礎として用いら
れるマスタシリンダ圧PM/C を演算するために実行され
る制御ルーチンの一例のフローチャートである。
【図23】本発明の第2実施例に対応する制動力制御装
置の通常ブレーキ状態およびABS作動状態を示すシス
テム構成図である。
【図24】図23に示す制動力制御装置のアシスト圧増
圧状態を示す図である。
【図25】図23に示す制動力制御装置のアシスト圧保
持状態を示す図である。
【図26】図23に示す制動力制御装置のアシスト圧減
圧状態を示す図である。
【図27】本発明の第3実施例に対応する制動力制御装
置の通常ブレーキ状態およびABS作動状態を示すシス
テム構成図である。
【図28】図27に示す制動力制御装置のアシスト圧増
圧状態を示す図である。
【図29】図27に示す制動力制御装置のアシスト圧保
持状態を示す図である。
【図30】図27に示す制動力制御装置のアシスト圧減
圧状態を示す図である。
【符号の説明】
10 電子制御ユニット(ECU) 12 ブレーキペダル 36 ハイドロブースタ 86 第1アシストソレノイド(SA-1) 88 第2アシストソレノイド(SA-2) 90 第3アシストソレノイド(SA-3) 94 レギュレータ切り換えソレノイド(STR) 104,106,108,110 保持ソレノイド(S
**H) 112,114,116,118 減圧ソレノイド(S
**R) 120,122,124,126 ホイルシリンダ 144 液圧センサ 400 バキュームブースタ 402 マスタシリンダ 414 フロントリザーバカットソレノイド(SRC
F) 416 リアリザーバカットソレノイド(SRCR) 426 右前マスタカットソレノイド(SMFR) 428 左前マスタカットソレノイド(SMFL) 430 リアマスタカットソレノイド(SMR) 460 フロントポンプ 462 リアポンプ 504 第1リザーバカットソレノイド(SRC-1) 506 第2リザーバカットソレノイド(SRC-2) 512 第1マスタカットソレノイド(SMC-1) 514 第2マスタカットソレノイド(SMC-2) 560 第1ポンプ 562 第2ポンプ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60T 8/00 B60T 8/32 - 8/96

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 運転者によって緊急ブレーキ操作が行わ
    れた際に、車両のホイルシリンダに通常時に比して大き
    な制動液圧を供給するブレーキアシスト制御を実行する
    制動力制御装置において、 ホイルシリンダを選択的に高圧源および低圧源に連通さ
    せる液圧回路と、 運転者のブレーキ操作量を検出する操作量検出手段と、 ブレーキアシスト制御の実行中に、運転者のブレーキ操
    作に応じたホイルシリンダ圧が発生するように前記液圧
    回路を制御する液圧制御手段と、を備えると共に、 前記液圧制御手段が、前記ブレーキ操作量の変化勾配に
    比して緩やかな増減圧勾配でホイルシリンダ圧を変化さ
    せる勾配制御手段を備えることを特徴とする制動力制御
    装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の制動力制御装置におい
    て、 前記勾配制御手段が、所定の保持時間の間、前記ホイル
    シリンダを前記高圧源および低圧源の双方から切り離す
    ことにより、前記緩やかな増減圧勾配を実現することを
    特徴とする制動液圧制御装置。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の制動力制御装置におい
    て、 前記液圧制御手段が、前記保持時間の間に実行されたブ
    レーキ操作量に応じて、該保持時間の経過後に実現すべ
    き増減圧勾配を決定する保持後勾配決定手段を備えるこ
    とを特徴とする制動力制御装置。
  4. 【請求項4】 請求項2記載の制動力制御装置におい
    て、 前記保持時間を設定する保持時間設定手段を備えると共
    に、 該保持時間設定手段が、増減圧勾配の反転を伴うホイル
    シリンダ圧の変更が要求される場合に、増減圧勾配の反
    転を伴わないホイルシリンダ圧の変更が要求される場合
    に比して前記保持時間を長時間に設定することを特徴と
    する制動力制御装置。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の制動力制御装置におい
    て、 前記勾配制御手段が、 ホイルシリンダを前記高圧源に連通させた際に得られる
    増圧勾配に比して緩やかな緩増圧勾配でホイルシリンダ
    圧を増圧させる緩増圧制御手段と、 ホイルシリンダを前記低圧源に連通させた際に得られる
    減圧勾配に比して緩やかな緩減圧勾配でホイルシリンダ
    圧を減圧させる緩減圧制御手段と、を備えると共に、 前記緩増圧制御手段および前記緩減圧制御手段を用いて
    前記緩やかな増減圧勾配を実現することを特徴とする制
    動液圧制御装置。
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