JPH08212546A - 磁気記録媒体の製造方法および装置 - Google Patents

磁気記録媒体の製造方法および装置

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JPH08212546A
JPH08212546A JP7015152A JP1515295A JPH08212546A JP H08212546 A JPH08212546 A JP H08212546A JP 7015152 A JP7015152 A JP 7015152A JP 1515295 A JP1515295 A JP 1515295A JP H08212546 A JPH08212546 A JP H08212546A
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JP
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magnetic
coating film
magnetic coating
powder
recording medium
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JP7015152A
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English (en)
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Kazunori Komatsu
和則 小松
Tokuo Shibata
徳夫 柴田
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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    • GPHYSICS
    • G11INFORMATION STORAGE
    • G11BINFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
    • G11B5/00Recording by magnetisation or demagnetisation of a record carrier; Reproducing by magnetic means; Record carriers therefor
    • G11B5/84Processes or apparatus specially adapted for manufacturing record carriers
    • G11B5/842Coating a support with a liquid magnetic dispersion
    • G11B5/845Coating a support with a liquid magnetic dispersion in a magnetic field

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  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Dispersion Chemistry (AREA)
  • Manufacturing Of Magnetic Record Carriers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、装置を大型化させることなく、磁
性粉末を、磁性塗膜に対して任意の方向に、所望のよう
に、配向することができ、角型比の高い磁気記録媒体を
得ることのできる磁気記録媒体の製造方法および装置を
提供することを目的する。 【構成】 本発明においては、連続的に搬送される長尺
状の非磁性支持体1に、磁性粉末を含む磁性塗膜4、5
を形成し、複数のマグネット10、11、21、22、
23、24、25、26により、磁性塗膜4、5に印加
される磁界の方向が、磁性塗膜4、5の表面に垂直で、
かつ、非磁性支持体1の搬送方向に平行な面内におい
て、搬送方向下流側に向かって、搬送方向となす角度が
徐々に大きくなるように変化させて、磁性塗膜4、5に
磁界を印加して、磁性粉末を斜めの角度に配向してい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁気記録媒体の製造方
法および装置に関するものであり、さらに詳細には、磁
性塗膜中に含まれる磁性粉末を、磁性塗膜面に対して、
斜め方向に配向して、磁気記録媒体を製造する方法およ
び装置に関するものである。
【0002】
【先行技術】従来、長尺状の磁気記録媒体は、磁性塗膜
中の磁性粉末を、磁性塗膜面に平行に、かつ、磁気記録
媒体の長手方向に配向して、製造されていた。しかしな
がら、このように、磁性粉末を、長手方向に配向する場
合には、媒体内の減磁界が増大するため、記録密度を向
上させる上で限界があり、長波長域での出力は向上する
ものの、短波長域での出力が劣るという問題があった。
そこで、磁気記録媒体の磁性塗膜の厚さ方向に磁界を印
加して、磁性粉末の配向をおこなう垂直配向方法が提案
されている。この方法によれば、記録密度が高密度にな
るほど、減磁界が減少するため、高密度記録、短波長記
録に優れているという利点があるが、その一方で、垂直
方向での角型比を所望の値にまで増大させることができ
ないためか、長波長域での出力が低下するという問題が
あった。そこで、これらの配向方法の問題点を解決する
ため、磁性粉末を、磁性塗膜面に対して、垂直で、か
つ、磁気記録媒体の長手方向の面内において、長手方向
から10°ないし70°の斜め方向に配向させることに
よって、電磁変換特性を向上させ、短波長域から長波長
域にわたり、高い出力を得ることができるようにした傾
斜配向方法が提案されている。
【0003】この傾斜配向方法にあっては、従来、一対
のマグネットを、磁性塗膜面に対して、所定の角度だけ
傾けて配置することによって、磁性塗膜面に対して、傾
斜方向の磁界を発生させ、この磁界により、磁性塗膜中
の磁性粉末を、磁性塗膜面に対して、傾斜方向に配向す
るのが一般であった。しかしながら、このような方法に
よっては、磁性塗膜面となす角度の小さい磁界を発生す
ることが困難であり、所望のように、磁性粉末を、傾斜
方向に配向することができないという問題があった。ま
た、この方法においては、磁性粉末を配向する角度に応
じて、磁気記録媒体を挟んで、配置される一対のマグネ
ットの位置を変える必要があり、必然的に、装置が大型
化するという問題があった。さらには、一対のマグネッ
トを、磁性塗膜面に対して、所定の角度だけ傾けて配置
するため、磁性粉末を配向させることのできる領域が小
さくなって、所望の傾斜方向における角型比の高い磁気
記録媒体を効率良く生産することができないという問題
もあった。そこで、特開平3−35420号公報は、磁
性塗膜面に略垂直な磁界と、磁性塗膜面に略垂直な磁界
を同時に印加し、これらの磁界のベクトルの和によっ
て、磁性塗膜面に対して、斜め方向の磁界を発生させ、
この斜め方向の磁界により、磁性粉末を、磁性塗膜面に
対して、傾斜方向に配向させる傾斜配向方法を提案して
いる。
【0004】この方法によれば、磁性塗膜面に略垂直な
磁界を発生させるマグネットと、磁性塗膜面に略垂直な
磁界を発生させるマグネットの強さを適宜選択すること
により、任意の角度で、磁性粉末を配向させることがで
きるだけでなく、磁性粉末を配向する角度が変わって
も、マグネットの位置を変える必要はなく、装置の小型
化が図れるという利点がある。しかしながら、このよう
に、磁性塗膜面に対して、傾斜方向の磁界を生成し、こ
の磁界によって、磁性粉末を、磁性塗膜面に対して、傾
斜方向に配向させる場合においても、磁性粉末を均一に
配向させるために、長い時間にわたって、斜めの磁界を
印加しなければならず、配向時間が短いときは、磁性粉
末を、十分に配向することができず、磁気記録媒体の角
型比が低く、他方、十分な時間にわたり配向させるとき
には、装置が大型化するという問題があった。そこで、
特開平6−309661号公報は、磁性塗膜に、磁性塗
膜面に平行な長手方向の磁界を印加し、次いで、磁性塗
膜面に対して、傾いた斜めの磁界を印加することによ
り、磁性塗膜中に磁性粉末を、磁性塗膜面に対して、傾
斜方向に配向する傾斜配向方法を提案している。
【0005】
【発明の解決しようとする課題】この方法は、磁性塗膜
に、磁性塗膜面に平行な長手方向の磁界を印加して、一
旦、すべての磁性粉末を、磁性塗膜面に平行な長手方向
に配向させた後に、傾斜方向の角度の磁界を印加して、
磁性粉末を、磁性塗膜面に対して、所望の角度に配向さ
せようとするものであるが、この方法によっても、磁性
粉末を均一に配向させるためには、長い時間にわたっ
て、斜めの磁界を印加しなければならず、配向時間が短
いときは、磁性粉末を、十分に配向することができず、
磁気記録媒体の角型比が低く、他方、十分な時間にわた
り、配向させるときには、装置が大型化するという問題
があった。
【0006】
【発明の目的】本発明は、装置を大型化させることな
く、磁性粉末を、磁性塗膜に対して、任意の方向に、所
望のように、配向することができ、角型比の高い磁気記
録媒体を得ることのできる磁気記録媒体の製造方法およ
び装置を提供することを目的とするものである。
【0007】
【発明の構成】本発明のかかる目的は、連続的に搬送さ
れる長尺状の非磁性支持体上に、磁性粉末を含む磁性塗
膜を形成し、複数のマグネットにより前記磁性塗膜に印
加される磁界の方向が、前記磁性塗膜の表面に垂直で、
かつ、前記非磁性支持体の搬送方向に平行な面内におい
て、前記非磁性支持体の搬送方向下流側に向かって、前
記搬送方向とのなす角度が徐々に大きくなるように変化
させて、前記磁性塗膜に磁界を印加して、前記磁性粉末
を、斜めの角度に配向することによって達成される。本
発明の上記目的は、また、非磁性支持体上に形成された
磁性粒子を含む磁性塗膜の表面に対して、垂直な磁界を
生成する第1のマグネットと、該第1のマグネットによ
り生成された磁界内で、前記磁性塗膜の表面に平行でか
つ所定の方向の水平な磁界を生成する第2のマグネット
を含み、該第2のマグネットが、前記磁界の前記所定の
方向における一端部から他端部に向けて、その強度が徐
々に減少するように、前記水平な磁界を生成するように
構成された磁気記録媒体の製造装置によって達成され
る。
【0008】本発明の好ましい実施態様においては、前
記磁性塗膜の表面に平行な長手方向の磁界を発生させる
マグネットを備え、一旦、磁性粉末を、前記磁性塗膜の
表面に平行な長手方向に配向した後に、前記磁性粉末
を、前記複数のマグネットによって、斜めの角度に配向
するように構成されている。本発明のさらに好ましい実
施態様においては、さらに、前記磁性塗膜を乾燥させる
乾燥手段を備え、前記複数のマグネットによる配向が、
前記磁性塗膜を乾燥しながらおこなわれるように構成さ
れている。本発明のさらに好ましい実施態様において
は、さらに、前記第2のマグネットが、前記一端部から
前記他端部側とは反対側に延びるように設けられてい
る。本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記
第1のマグネットが、互いに異極が対向するように配置
された永久磁石を備え、前記第2のマグネットが、少な
くとも二つのソレノイドコイルを備えている。本発明に
おいて、複数のマグネットは、永久磁石を含んでいる。
永久磁石が発生する磁界の方向および強度は、永久磁石
の材質、形状、対をなす永久磁石との間隙などを調整す
ることによって、制御することができる。
【0009】本発明において、複数のマグネットは、ソ
レノイドコイルを含んでいる。ソレノイドコイルが発生
する磁界の方向および強度は、ソレノイドコイルに供給
する電流値、ソレノイドコイルの巻き密度、ソレノイド
コイルの径などを調整することにより、制御することが
できる。本発明において、斜めの角度とは、磁性塗膜の
表面に垂直で、かつ、磁性塗膜の長手方向に平行な面内
における長手方向となす角度が、10°ないし90°の
角度をいう。角型比を向上させるためには、この角度が
大きいほど、効果的である。したがって、斜めの角度
は、30°ないし90°の範囲にあることが好ましい。
本発明において、磁性塗膜に印加される磁界の方向が、
非磁性支持体の搬送方向下流側に向かって、磁性塗膜の
表面に対して、徐々に、斜めの角度になるように変化さ
せるとは、最も上流側のマグネットにより印加される磁
界の方向が、磁性塗膜の表面に対して、平行かつ長手方
向である場合の他、下流側のマグネットにより印加され
る磁界の方向に比して、磁性塗膜の表面に対して、平行
かつ長手方向に近い場合も含まれる。
【0010】本発明において、磁性塗膜に含まれる磁性
粉末は、とくに限定されるものではないが、たとえば、
γ−酸化鉄系強磁性粉末、コバルト含有γ−酸化鉄系強
磁性粉末、強磁性金属または合金粉末、窒化系強磁性粉
末、バリウムフェライト、ストロンチウムフェライトな
ど、従来公知の強磁性粉末を用いることができる。これ
らのうちで、特に好ましいものは、α−Feを主成分と
する強磁性合金粉末である。これらの強磁性金属粉末に
は、上記の原子以外に、Al、Si、S、Sc、Ca、
Ti、V、Cr、Y、Mo、Rh、Pd、Ag、Sn、
Sb、Te、Ba、Ta、W、Re、Au、Hg、P
b、Bi、La、Ce、Pr、Nd、P、Co、Mn、
Zn、Ni、Sr、Bなどの原子が含まれていてもよ
い。とくに、Al、Si、Ca、Y、Ba、La、N
d、Co、Ni、Bが、α−Fe以外に含まれる原子と
して重要である。これらの強磁性金属粉末には、後述す
る分散剤、潤滑剤、界面活性剤、帯電防止剤などで、分
散前にあらかじめ処理をおこなってもよい。これらの磁
性粉末の具体例は、たとえば、特公昭44-14090号、特公
昭45-18372号、特公昭47-22062号、特公昭47-22513号、
特公昭46-28466号、特公昭46-38755号、特公昭47−4286
号、特公昭47-12422号、特公昭47-17284号、特公昭47-1
8509号、特公昭47-18573号、特公昭39-10307号、特公昭
48-39639号公報、米国特許第 3,026,215号、同第 3,03
1,341号、同第 3,100,194号、同第 3,242,005号、同 3,
389,014号明細書などに記載されている。
【0011】強磁性金属粉末は少量の水酸化物または酸
化物を含んでもよい。強磁性金属粉末は、公知の製造方
法により得られたものを用いることができ、たとえば、
複合有機酸塩(主としてシュウ酸塩)と水素などの還元
性気体で還元する方法、酸化鉄を水素などの還元性気体
で還元して、FeあるいはFe−Co粒子などを得る方
法、金属カルボニル化合物を熱分解する方法、強磁性金
属の水溶液に水素化ホウ素ナトリウム、次亜リン酸塩あ
るいはヒドラジンなどの還元剤を添加して還元する方
法、金属を低圧の不活性気体中で蒸発させて微粉末を得
る方法などにより、得られた強磁性金属粉末を用いるこ
とができる。このようにして得られた強磁性金属粉末に
は、公知の徐酸化処理を施すことができる。徐酸化処理
の方法としては、有機溶剤に浸漬した後、乾燥させる方
法、有機溶剤に浸漬した後、酸素含有ガスを送り込ん
で、表面に酸化膜を形成した後に、乾燥させる方法、有
機溶剤を用いず、酸素ガスと不活性ガスの分圧を調整し
て、表面に酸化皮膜を形成する方法などが挙げられる。
磁性塗膜に含まれる強磁性金属粉末は、Hcが、通常、
1500〜4000エルステッド、好ましくは、180
0〜3500エルステッド、さらに好ましくは、200
0〜3000エルステッドで、飽和磁化σsが、通常、
110〜190emu/g 、好ましくは、125〜180em
u/g 、さらに好ましくは、130〜160emu/g 、長軸
長が、通常、0.03〜0.25μm、好ましくは、
0.04〜0.15μm、さらに好ましくは、0.05
〜0.13μm、結晶子サイズが、通常、80〜300
オングストローム、好ましくは、100〜200オング
ストローム、さらに好ましくは、120〜190オング
ストロームである。強磁性金属粉末の針状比は、4〜1
8が好ましく、さらに好ましくは、5〜12である。強
磁性金属粉末の含水率は、0.01〜2%とするのが好
ましい。結合剤の種類によって、強磁性金属粉末の含水
率を最適化することが好ましい。
【0012】本発明の磁性塗膜中の強磁性金属粉末をB
ET法による比表面積で表わすと、45〜80m2/g で
あり、好ましくは、50〜70m2/g である。45m2/
g 未ではノイズが高くなり、80m2/g を越えると、
平滑な表面が得られにくく、好ましくない。強磁性金属
粉末のpHは、用いる結合剤との組み合わせにより、最
適化することが好ましい。その範囲は、4〜12であ
り、好ましくは、6〜10である。強磁性金属粉末
必要に応じて、Al、Si、Pまたはこれらの酸化物な
どで、表面処理を施してもよい。その量は、強磁性金属
粉末に対して、0.1〜10%であり、表面処理を施す
と、脂肪酸などの潤滑剤の吸着が、100mg/m2
下になり、好ましい。強磁性金属粉末には、可溶性のN
a、Ca、Fe、Ni、Srなどの無機イオンを含む場
合があるが、200ppm以下であれば、とくに特性に
影響を与えない。また、本発明に用いられる強磁性金属
粉末は空孔が少ない方が好ましく、その値は、20容量
%以下、好ましくは、5容量%以下である。また、強磁
性金属粉末の形状は、上述の結晶子サイズ、針状比につ
いての特性を充足していれば、針状、粒状、米粒状、板
状のいずれでもよい。強磁性金属粉末のSFDを0.6
以下とするためには、強磁性金属粉末のHcの分布を小
さくする必要がある。そのための方法としては、ゲータ
イトの粒度分布を向上させる方法やγ−ヘマタイトの焼
結を防止する方法などがある。
【0013】本発明において、磁性塗膜は、研磨剤を含
んでいてもよい。研磨剤としては、α化率が90%以上
のα−アルミナ、β−アルミナ、炭化珪素、酸化クロ
ム、酸化セリウム、コランダム、人造ダイアモンド、窒
化珪素、チタンカーバイド、酸化チタン、二酸化珪素、
窒化ホウ素など、主として、モース硬度6以上の公知の
材料を、単独でまたは組み合わせて使用することがで
き、また、これらの研磨剤同士の複合体、すなわち、研
磨剤を他の研磨剤で表面処理したものを使用することも
できる。これらの研磨剤には、主成分以外の化合物また
は元素が含まれていてもよい。研磨剤の形状は、針状、
球状、サイコロ状のいずれでもよいが、その一部に角を
有するものが、研磨性が高く好ましい。本発明に用いら
れる研磨剤の具体例としては、住友化学工業株式会社製
AKP−50、HIT−50、日本化学工業株式会社製
S7、S−1、戸田工業株式会社製100ED、140
EDなどが挙げられる。研磨剤は、あらかじめ結合剤で
分散処理した後、磁性塗料中に添加してもよい。本発明
において、磁性塗膜は、単層でも、多層でもよく、さら
に、非磁性粉末を結合剤中に分散させた非磁性層を備え
ていてもよい。
【0014】非磁性支持体上に、磁性塗膜のみが設けら
れている場合には、磁性塗膜に、磁気記録媒体の帯電防
止性や研磨性を向上させるために、帯電防止剤や研磨剤
などを含有させる必要があり、磁性粉末の充填率が低下
することがあるが、非磁性支持体上に、非磁性粉末を結
合剤中に分散させた非磁性層を設け、その上に、磁性塗
膜を設ける場合には、非磁性層中に、帯電防止剤や研磨
剤などを含有させることにより、磁気記録媒体の帯電防
止性や研磨性を向上させることができるので、磁性塗膜
中の磁性粉末の充填率が低下することを防止することが
でき、好ましい。好ましくは、非磁性層に含まれる非磁
性粉末は、酸化チタン、硫酸バリウム、シリカ、α−ア
ルミナ、酸化亜鉛、α酸化鉄、酸化セリウム、酸化スズ
およびジルコニアから選ばれた少なくとも一種の非磁性
粉末である。これら非磁性粉末の粒子サイズは、0.0
1ないし2μmが好ましいが、必要に応じて、粒子サイ
ズの異なった非磁性粉末を組み合わせてもよい。たとえ
ば、導電性を付与するために、カーボンブラックを、主
な非磁性粉末100重量部に対して、30重量部以下混
ぜてもよく、また、粒子サイズの大きなCr23、ダイ
アモンド、窒化珪素、SiCなどを研磨剤として、主な
非磁性粉末に、20重量部以下混合してもよい。主な非
磁性粉末は、必ずしも100%純粋である必要はなく、
目的に応じて、その表面が他の無機化合物で処理されて
いてもよい。
【0015】本発明において使用可能な非磁性粉末の具
体的な例としては、昭和電工株式会社製UA5600、
UA5605、住友化学工業株式会社製AKP−20、
AKP−30、AKP−50、HIT−50、HiT−
100、ZA−G1、戸田工業株式会社製TF−10
0、TF−120:TF−140、石原産業株式会社製
TT0−51B、TT0−55A、TT0−55B、T
T0−55C、TT0−55S、TT0−55D、FT
−1000、FT−2000、FTL−100、FTL
−200、M−1、S−1、SN−100、チタン工業
株式会社製ECT−52、STT−4D、STT−30
D、STT−30、STT−65C、三菱金属株式会社
製T−1、日本触媒化学工業株式会社製NS−0、NS
−3Y、NS−8Yなどが挙げられる。非磁性層に含有
される非磁性粉末は、添加する脂肪酸の非磁性粉末への
吸着を防止するとともに、バインダとの濡れを良くする
ために、有機物で表面処理を施すことが好ましい。表面
処理に用いる有機物は、pKaが3以下の有機酸、分子
量3000以下のエポキシ基含有化合物、シランカップ
リング剤、チタネート系カップリング剤などが挙げられ
る。具体的な化合物および処理方法の例は、特開平5−
182178号公報に開示されている。
【0016】本発明において、主な非磁性粉末ととも
に、非磁性層中にカ−ボンブラックを添加してもよい。
その場合は、カ−ボンブラックとして、ゴム用ファ−ネ
ス、ゴム用サ−マル、カラ−用ブラック、アセチレンブ
ラックなどを用いることができる。カ−ボンブラックの
比表面積は100ないし500m2 /g、好ましくは1
50ないし400m2 /g、カ−ボンブラックのDBP
吸油量は20ないし400ml/100g、好ましくは
30ないし200ml/100gである。カ−ボンブラッ
クの粒子径は5mμないし80mμ、好ましく10ない
し50mμ、さらに好ましくは10ないし40mμであ
る。好ましくは、カ−ボンブラックのpHは2ないし1
0、含水率は0.1ないし10%、タップ密度は0.1
ないし1g/CCである。本発明において、主な非磁性粉
末とともに用いられるカ−ボンブラックの具体的な例と
しては、キャボット株式会社製BLACKPEARLS
2000、1300、1000、900、800、88
0、700、VULCANXC−72、三菱化成工業株
式会社製#3250B、#950B、#650B、#9
70B、#850B、コンロンビアカ−ボン株式会社製
CONDUCTEXSC、RAVEN 8800、80
00、7000、5750、5250、3500、21
00、2000、1800、1500、1255、12
50、アクゾー株式会社製ケッチェンブラックECなど
が挙げられる。分散剤などで表面処理したり、樹脂でグ
ラフト化したりしたカ−ボンブラックや、表面の一部を
グラファイト化したカ−ボンブラックを使用することも
できる。また、カ−ボンブラックを、磁性塗料に添加す
る前に、あらかじめ結合剤により分散してもよい。これ
らのカ−ボンブラックは単独で、または、他の種類のカ
−ボンブラックと組合せて使用することができる。カ−
ボンブラックを使用する場合、主な非磁性粉体に対する
量は、0.1ないし30重量%であることが好ましい。
カ−ボンブラックは、非磁性層の帯電防止、遮光性付
与、膜強度向上などの働きがあるが、これらの働きは、
用いるカ−ボンブラックにより異なる。したがって、本
発明において、カ−ボンブラックを用いる場合には、カ
−ボンブラックの種類、量、組合せを変え、粒子サイ
ズ、吸油量、電導度、pHなどを、前述した範囲内で、
目的に応じて、変化させて使用することが好ましい。
【0017】本発明の非磁性層に使用可能なカ−ボンブ
ラックとしては、たとえば、カ−ボンブラック協会編
「カ−ボンブラック便覧」を参考にすることができる。
本発明において、研磨剤は、磁性塗膜だけでなく、非磁
性層にも含有されていてもよい。本発明において、磁性
塗膜が、平均粒径が50ないし300mμのカーボンブ
ラックを含有していると好ましい。カーボンブラックの
平均粒径が50mμより小さいと、摩擦係数が上昇しや
すく、他方、平均粒径が300mμより大きいと、表面
性が劣化しやすく、電磁変換特性の低下、スペーシング
ロスが発生しやすくなり、好ましくない。磁性塗膜に含
有されるカーボンブラックとしては、ゴム用ファーネ
ス、ゴム用サーマル、カラー用ブラック、アセチレンブ
ラックなどを用いることができる。カーボンブラックの
平均一次粒子径は、50ないし300mμ、好ましくは
70ないし280mμである。好ましくは、カーボンブ
ラックの比表面積は5ないし500m2/g、DBP吸
油量は10ないし400ml/100g、pHは2ない
し10、含水率は0.1ないし10%であり、タップ密
度は0.1ないし1g/ccである。分散剤などで表面
処理したり、樹脂でグラフト化したりしたカ−ボンブラ
ックや、表面の一部をグラファイト化したカ−ボンブラ
ックを使用することもできる。
【0018】これらのカーボンブラックは、磁性塗料に
添加する前に、あらかじめ結合剤で分散されていてもよ
い。これらのカーボンブラックは単独で、または、他の
カーボンブラックと組み合わせで使用することができ
る。カーボンブラックを使用する場合は、磁性粉末に対
する量の0.1ないし30%であることが好ましい。本
発明において、磁性塗膜に含有されるカーボンブラック
は、磁性塗膜の摩擦係数低減に用いられるが、遮光性付
与、膜強度向上などの働きがあるカーボンブラックを併
用することもできる。また、前述した粒子サイズより粒
子サイズの小さいカーボンブラックを、目的に応じて、
併用することも可能である。本発明の磁性塗膜に使用で
きるカーボンブラックとしては、たとえば、カ−ボンブ
ラック協会編「カ−ボンブラック便覧」を参考にするこ
とができる。本発明の磁性塗膜、非磁性層に使用される
結合剤としては、従来公知の熱可塑系樹脂、熱硬化系樹
脂、反応型樹脂やこれらの混合物が挙げられる。本発明
に使用できる熱可塑系樹脂としては、ガラス転移温度が
−100ないし150℃、数平均分子量が1000ない
し200000、好ましくは10000ないし1000
00、重合度が約50ないし1000程度の熱可塑系樹
脂が挙げられる。
【0019】このような熱可塑系樹脂の例としては、塩
化ビニル、酢酸ビニル、ビニルアルコ−ル、マレイン
酸、アクルリ酸、アクリル酸エステル、塩化ビニリデ
ン、アクリロニトリル、メタクリル酸、メタクリル酸エ
ステル、スチレン、ブタジエン、エチレン、ビニルブチ
ラ−ル、ビニルアセタ−ル、ビニルエ−テルなどを構成
単位として含む重合体または共重合体、ポリウレタン樹
脂、各種ゴム系樹脂が挙げられる。また、熱硬化性樹脂
または反応型樹脂としては、フェノ−ル樹脂、エポキシ
樹脂、ポリウレタン硬化型樹脂、尿素樹脂、メラミン樹
脂、アルキド樹脂、アクリル系反応樹脂、ホルムアルデ
ヒド樹脂、シリコ−ン樹脂、エポキシ−ポリアミド樹
脂、ポリエステル樹脂とイソシアネ−トプレポリマ−の
混合物、ポリエステルポリオ−ルとポリイソシアネ−ト
の混合物、ポリウレタンとポリイソシアネートの混合物
などがあげられる。これらの樹脂については、朝倉書店
発行の「プラスチックハンドブック」に詳細に記載され
ている。また、公知の電子線硬化型樹脂を非磁性層また
は磁性塗膜に使用することも可能である。これらの例と
その製造方法については、特開昭62−256219号
公報に詳細に記載されている。
【0020】これらの樹脂は、単独で、または、組合せ
て使用できるが、好ましいものとして、塩化ビニル樹
脂、塩化ビニル酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル酢酸ビニル
ビニルアルコ−ル樹脂、塩化ビニル酢酸ビニル無水マレ
イン酸共重合体よりなる群から選ばれる少なくとも一種
の樹脂とポリウレタン樹脂の組合せ、または、これらに
ポリイソシアネ−トを組み合わせたものが挙げられる。
ポリウレタン樹脂の構造としては、ポリエステルポリウ
レタン、ポリエ−テルポリウレタン、ポリエ−テルポリ
エステルポリウレタン、ポリカ−ボネ−トポリウレタ
ン、ポリエステルポリカ−ボネ−トポリウレタン、ポリ
カプロラクトンポリウレタンなど、公知のものが使用で
きる。これらすべての結合剤について、より優れた分散
性と耐久性を得るために、必要に応じて、COOM、S
3M、OSO3M、P=O、(OM)2、O−P=O
(OM)2、(ここに、Mは、水素原子またはアルカリ
金属塩基である。)、OH、NR2、N+3(Rは炭化
水素基である。)エポキシ基、SH、CN、などから選
ばれる少なくとも一つ以上の極性基を、共重合または付
加反応によって、導入することが好ましい。このような
極性基の量は、10-1ないし10-8モル/gであり、好
ましくは、10-2ないし10-6モル/gである。
【0021】本発明に用いられるこれらの結合剤の具体
的な例としては、ユニオンカ−バイト株式会社製VAG
H、VYHH、VMCH、VAGF、VAGD、VRO
H、VYES、VYNC、VMCC、XYHL、XYS
G、PKHH、PKHJ、PKHC、PKFE、日信化
学工業株式会社製MPR−TA、MPR−TA5、MP
R−TAL、MPR−TSN、MPR−TMF、MPR
−TS、MPR−TM、電気化学工業株式会社製100
0W、DX80、DX81、DX82、DX83、日本
ゼオン株式会社製MR110、MR100、400X1
10A、日本ポリウレタン株式会社製ニッポランN23
01、N2302、N2304、大日本インキ化学工業
株式会社製パンデックスT−5105、T−R308
0、T−5201、バ−ノックD−400、D−210
−80、クリスボン6109、7209、東洋紡績株式
会社製バイロンUR8200、UR8300、RV53
0、RV280、UR8600、UR−5500、大日
精化工業株式会社製ダイフェラミン4020、502
0、5100、5300、9020、9022、702
0、三菱化成工業株式会社製MX5004、三洋化成工
業株式会社製サンプレンSP−150、旭化成工業株式
会社製サランF310、F210などが挙げられる。
【0022】本発明の磁性塗膜および非磁性層に用いら
れる結合剤は、磁性塗膜中に含まれる磁性粉末または非
磁性層に含まれる非磁性粉体総量に対して、好ましくは
5ないし50重量%の範囲、さらに好ましくは10ない
し30重量%の範囲で用いられる。塩化ビニル系樹脂を
用いる場合には、5ないし30重量%、ポリウレタン樹
脂合を用いる場合には、2ないし20重量%、ポリイソ
シアネ−トを用いる場合には、2ないし20重量%の範
囲で、これらを組み合わせて用いることが好ましい。本
発明において、結合剤として、ポリウレタン樹脂を用い
る場合には、ガラス転移温度が−50ないし100℃、
破断伸びが100ないし2000%、破断応力が0.0
5ないし10Kg/cm2、降伏点は0.05ないし1
0Kg/cm2のポリウレタン樹脂が好ましい。本発明
において、非磁性層を設ける場合には、結合剤の量、結
合剤中に占める塩化ビニル系樹脂、ポリウレタン樹脂、
ポリイソシアネ−ト、あるいは、それ以外の樹脂の量、
磁性塗膜を形成する各樹脂の分子量、極性基量、あるい
は、前述の樹脂の物理特性などを、必要に応じて、非磁
性層と磁性塗膜とで変えることができる。
【0023】本発明において用いられるポリイソシアネ
−トとしては、トリレンジイソシアネ−ト、4−4’−
ジフェニルメタンジイソシアネ−ト、ヘキサメチレンジ
イソシアネ−ト、キシリレンジイソシアネ−ト、ナフチ
レン−1、5−ジイソシアネ−ト、o−トルイジンジイ
ソシアネ−ト、イソホロンジイソシアネ−ト、トリフェ
ニルメタントリイソシアネ−トなどのイソシアネ−ト
類、また、これらのイソシアネ−ト類とポリアルコール
との生成物、または、イソシアネート類の縮合によって
生成したポリイソシアネ−トなどが挙げられる。これら
のイソシアネート類の具体例としては、日本ポリウレタ
ン株式会社製コロネートL、コロネ−トHL、コロネ−
ト2030、コロネ−ト2031、ミリオネ−トMRミ
リオネ−トMTL、武田薬品工業株式会社製タケネ−ト
D−102、タケネ−トD−110N、タケネ−トD−
200、タケネ−トD−202、住友バイエル株式会社
製デスモジュ−ルL、デスモジュ−ルIL、デスモジュ
−ルNデスモジュ−ルHLなどが挙げられ、これらを単
独で、または、硬化反応性の差を利用して、二つもしく
はそれ以上の組合せで磁性塗膜、非磁性層のいずれにも
用いることができる。本発明において、磁気記録媒体の
走行耐久性を向上させるため、磁性塗膜または非磁性層
が、高級脂肪酸を含んでいることが好ましい。磁性塗膜
または非磁性層に使用される高級脂肪酸は、主に炭素数
10ないし26の一塩基性脂肪酸で、飽和、不飽和のい
ずれでもよく、また直鎖状でも分岐していてもよい。カ
ルボキシル基が結合している炭素は、一級、二級、三級
のいずれでもよい。これら高級脂肪酸の具体例として
は、ラウリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸、ステア
リン酸、ベヘニン酸、オレイン酸、リノレン酸、エライ
ジン酸などが挙げられる。高級脂肪酸の添加量は、非磁
性層では、非磁性粉末(二種以上の非磁性粉末が使用さ
れている場合には、そのすべて)に対して、0.1重量
%ないし20重量%、好ましく0.1重量%ないし10
重量%、さらに好ましくは0.1重量%ないし5重量%
である。磁性塗膜では、磁性粉末に対して0.1重量%
ないし20重量%、好ましくは0.1重量%ないし10
重量%、さらに好ましくは0.1重量%ないし5重量%
である。
【0024】さらに、本発明においては、目的に応じ
て、分散剤、潤滑剤、帯電防止剤、界面活性剤、可塑剤
などの添加剤を用いてもよい。添加剤としては、潤滑効
果、帯電防止効果、分散効果、可塑効果などを有するも
のが使用される。たとえば、二硫化モリブデン、二硫化
タングステングラファイト、窒化ホウ素、フッ化黒鉛、
シリコ−ンオイル、極性基を有するシリコ−ン、脂肪酸
変性シリコ−ン、フッ素含有シリコ−ン、フッ素含有ア
ルコ−ル、フッ素含有エステル、ポリオレフィン、ポリ
グリコ−ル、アルキル燐酸エステルおよびそのアルカリ
金属塩、アルキル硫酸エステルおよびそのアルカリ金属
塩、ポリフェニルエ−テル、フッ素含有アルキル硫酸エ
ステルおよびそのアルカリ金属塩、炭素数12ないし2
2の一価、二価、三価、四価、五価、六価アルコ−ル、
(不飽和結合を含んでいても、分岐していてもよ
い。)、炭素数12ないし22のアルコキシアルコ−
ル、炭素数2ないし12の一価、二価、三価、四価、五
価、六価アルコ−ルのいずれか一つ(不飽和結合を含ん
でいても、分岐していてもよい。)とからなるモノ脂肪
酸エステルまたはジ脂肪酸エステルまたはトリ脂肪酸エ
ステル、アルキレンオキシド重合物のモノアルキルエ−
テルの脂肪酸エステル、炭素数8ないし22の脂肪酸ア
ミド、炭素数8ないし22の脂肪族アミン、炭素数10
ないし24の脂肪酸とアルコールからなる脂肪酸エステ
ル(不飽和結合を含んでいても、分岐していてもよ
い。)などが使用できる。これらの具体例としては、ス
テアリン酸アミド、ミリスチン酸アミド、ステアリン酸
ブチル、オレイン酸オレイル、ステアリン酸オクチル、
ステアリン酸アミル、ステアリン酸イソオクチル、ミリ
スチン酸オクチル、ステアリン酸ブトキシエチル、アン
ヒドロソルビタンモノステアレ−ト、アンヒドロソルビ
タンジステアレ−ト、アンヒドロソルビタントリステア
レ−ト、オレイルアルコ−ル、ラウリルアルコ−ル、が
あげられる。また、アルキレンオキサイド系、グリセリ
ン系、グリシド−ル系、アルキルフェノ−ルエチレンオ
キサイド付加体、等のノニオン界面活性剤、環状アミ
ン、エステルアミド、第四級アンモニウム塩類、ヒダン
トイン誘導体、複素環類、ホスホニウムまたはスルホニ
ウム類などのカチオン系界面活性剤、カルボン酸、スル
フォン酸、燐酸、硫酸エステル基、燐酸エステル基、な
どの酸性基を含むアニオン界面活性剤、アミノ酸類、ア
ミノスルホン酸類、アミノアルコ−ルの硫酸または燐酸
エステル類、アルキルベダイン型などの両性界面活性剤
などが挙げられる。これらの界面活性剤については、
「界面活性剤便覧」(産業図書株式会社発行)に詳細に
記載されている。これらの分散剤、潤滑剤、帯電防止
剤、界面活性剤、可塑剤などの添加剤などは、必ずしも
100%純粋なものである必要はなく、主成分以外に異
性体、未反応物、副反応物、分解物、酸化物などの不純
物成分が含まれていてもよい。これらの不純物成分の含
有量は、30%重量以下が好ましく、さらに好ましくは
10重量%以下である。
【0025】本発明で使用されるこれらの分散剤、潤滑
剤、帯電防止剤、界面活性剤、可塑剤などの添加剤は、
非磁性層と磁性塗膜とで、その種類、量を、必要に応じ
て、使い分けることができる。たとえば、非磁性層と磁
性塗膜とで、融点の異なる脂肪酸を用い、表面へのにじ
み出しを制御したり、沸点や極性の異なるエステル類を
用いて、表面へのにじみ出しを制御したり、界面活性剤
量を調節することによって塗布の安定性を向上させた
り、潤滑剤の添加量を中間層で多くして、潤滑効果を向
上させたりすることなどが考えられる。この他の目的
で、分散剤、潤滑剤、帯電防止剤、界面活性剤、可塑剤
などの添加剤を、非磁性層と磁性塗膜とで、その種類、
量を、この他の態様で、使い分けることができることは
いうまでもない。本発明で用いられる添加剤のすべてま
たはその一部は、磁性塗料製造工程のうち、いずれの工
程で添加してもよい。たとえば、混練工程前に、磁性粉
末と混合しても、磁性粉末と結合剤とを溶剤により混練
する混練工程で添加しても、分散工程で添加しても、分
散後に添加しても、塗布直前に添加してもよい。本発明
で使用されるこれら潤滑剤の具体例としては、日本油脂
株式会社製NAA−102、NAA−415、NAA−
312、NAA−160、NAA−180、NAA−1
74、NAA−175、NAA−222、NAA−3
4、NAA−35、NAA−171、NAA−122、
NAA−142、NAA−160、NAA−173K、
ヒマシ硬化脂肪酸、NAA−42、NAA−44、カチ
オンSA、カチオンMA、カチオンAB、カチオンB
B、ナイミ−ンL−201、ナイミ−ンL−202、ナ
イミ−ンS−202、ノニオンE−208、ノニオンP
−208、ノニオンS−207、ノニオンK−204、
ノニオンNS−202、ノニオンNS−210、ノニオ
ンHS−206、ノニオンL−2、ノニオンS−2、ノ
ニオンS−4、ノニオンO−2、ノニオンLP−20
R、ノニオンPP−40R、ノニオンSP−60R、ノ
ニオンOP−80R、ノニオンOP−85R、ノニオン
LT−221、ノニオンST−221、ノニオンOT−
221、モノグリMB、ノニオンDS−60、アノンB
F、アノンLG、ブチルステアレ−ト、ブチルラウレ−
ト、エルカ酸、関東化学株式会社製オレイン酸、竹本油
脂株式会社製FAL−205、FAL−123、新日本
理化株式会社製エヌジェルブLO、エヌジョルブIP
M、サンソサイザ−E4030、、信越化学工業株式会
社製TA−3、KF−96、KF−96L、KF96
H、KF410、KF420、KF965、KF54、
KF50、KF56、KF907、KF851、X−2
2−819、X−22−822、KF905、KF70
0、KF393、KF−857、KF−860、KF−
865、X−22−980、KF−101、KF−10
2、KF−103、X−22−3710、X−22−3
715、KF−910、KF−3935、ライオンア−
マ−株式会社製ア−マイドP、ア−マイドC、ア−モス
リップCP、ライオン油脂株式会社製デュオミンTD
O、日清製油株式会社製BA−41G、三洋化成工業株
式会社製プロファン2012E、ニュ−ポ−ルPE6
1、イオネットMS−400、イオネットMO−20
0、イオネットDL−200、イオネットDS−30
0、イオネットDS−1000イオネットDO−200
などが挙げられる。
【0026】本発明で用いられる有機溶媒としては、ア
セトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケト
ン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロ
ン、テトラヒドロフランなどのケトン類、メタノ−ル、
エタノ−ル、プロパノ−ル、ブタノ−ル、イソブチルア
ルコ−ル、イソプロピルアルコール、メチルシクロヘキ
サノールなどのアルコ−ル類、酢酸メチル、酢酸ブチ
ル、酢酸イソブチル、酢酸イソプロピル、乳酸エチル、
酢酸グリコ−ルなどのエステル類、グリコ−ルジメチル
エーテル、グリコールモノエチルエーテル、ジオキサン
などのグリコールエーテル系、ベンゼン、トルエン、キ
シレン、クレゾール、クロルベンゼンなどの芳香族炭化
水素類、メチレンクロライド、エチレンクロライド、四
塩化炭素、クロロホルム、エチレンクロルヒドリン、ジ
クロルベンゼンなどの塩素化炭化水素類、N、N−ジメ
チルホルムアミド、ヘキサンなどを、任意の比率で、使
用することができる。これら有機溶媒は、必ずしも10
0%純粋なものである必要はなく、主成分以外に、異性
体、未反応物、副反応物、分解物、酸化物、水分等の不
純物成分が含まれていてもよい。これらの不純物成分の
含有量は30%重量以下が好ましく、さらに好ましくは
10%重量以下である。本発明で用られる有機溶媒は、
必要ならば、磁性塗膜と非磁性層とで、その種類、量を
変えてもよい。たとえば、磁性塗膜に揮発性の高い溶媒
を用いて、表面性を向上させたり、非磁性層にシクロヘ
キサノン、ジオキサンなどの表面張力の高い溶媒を用
い、塗布の安定性をあげたり、磁性塗膜に溶解性パラメ
−タの高い溶媒を用いて、充填度を上げたりするなどが
その例としてあげられるが、これらの例に限られるもの
ではない。
【0027】本発明にかかる磁気記録媒体において、非
磁性支持体の厚みは、好ましくは、1〜100μm、さ
らに好ましくは、2〜80μmである。また、非磁性層
の厚みは、好ましくは、0.1μm〜10μm、さらに
好ましくは、0.5〜5μmである。磁性塗膜の厚み
は、0.05μm以上、4.0μm以下、好ましくは、
0.1μm以上、1.0μm以下で、非磁性層を設ける
場合には、0.1μm以上、0.8μm以下であること
がさらに好ましい。磁性塗膜と非磁性層を合わせた厚み
は、非磁性支持体の厚みの1/100ないし2倍の範囲
が好ましい。また、非磁性支持体と非磁性層の間に、非
磁性支持体と非磁性層との密着性向上のために、下塗り
層を設けることが好ましく、下塗り層の厚みは、0.0
1〜2μm、好ましくは、0.05〜0.5μmであ
る。また、非磁性支持体の磁性塗膜側と反対側に、バッ
クコ−ト層を設けてもよい。バックコ−ト層の厚みは
0.1〜2μm、好ましくは、0.3〜1.0μmであ
る。これらの下塗り層、バックコ−ト層としては、公知
のものが使用できる。本発明に用いられる非磁性支持体
としては、ポリエチレンテレフタレ−ト、ポリエチレン
ナフタレートなどのポリエステル類、ポリオレフィン
類、セルロ−ストリアセテ−ト、ポリカ−ボネ−ト、ポ
リアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリスルフ
ォン、アラミド、芳香族ポリアミドなどの公知のフィル
ムが挙げられる。これらの支持体には、あらかじめ、コ
ロナ放電処理、プラズマ処理、易接着処理、熱処理、除
塵処理などをおこなってもよい。本発明の目的を達成す
るためには、非磁性支持体として、中心線平均表面粗さ
が0.001ないし0.03μmのものを用いることが
好ましく、さらに好ましくは0.001ないし0.02
μm、最も好ましくは0.001ないし0.01μmで
ある。また、これらの非磁性支持体は、単に中心線平均
表面粗さが小さいだけではなく、1μm以上の粗大突起
が有していないことが好ましい。ここに、表面粗さは、
必要に応じて、支持体に添加されるフィラ−の大きさと
量により、自由にコントロ−ルすることができる。これ
らのフィラ−の例としては、Ca、Si、Tiなどの酸
化物や炭酸塩の他、アクリル系などの有機微粉末が挙げ
られる。
【0028】また、本発明において用いられる非磁性支
持体の長手走行方向および幅方向の100℃、30分で
の熱収縮率は、好ましくは3%以下、さらに好ましくは
1.5%以下、80℃、30分での熱収縮率は、好まし
くは1%以下、さらに好ましくは0.5%以下である。
非磁性支持体の破断強度は、両方向とも、5ないし10
0Kg/mm2、弾性率は100ないし2000Kg/
mm2であることが好ましい。本発明にかかる磁気記録
媒体の磁性塗膜を形成する磁性塗料を製造する工程は、
少なくとも混練工程、分散工程およびこれらの工程の前
後に、必要に応じて、実施される混合工程からなってい
る。個々の工程を、それぞれ2段階以上に分けて実施し
てもよい。本発明に使用される磁性粉末、結合剤、カ−
ボンブラック、研磨剤、帯電防止剤、潤滑剤、溶剤など
すべての原料は、いずれの工程の最初または途中で添加
することができる。また、個々の原料を、2つ以上の工
程に分けて、添加することもできる。たとえば、ポリウ
レタンを、混練工程、分散工程、分散後の粘度調整のた
めの混合工程とに分けて、添加してもよい。本発明にお
いて、磁気記録媒体を製造するための従来の公知の製造
技術を用いることができる。混練装置としては、オープ
ンニーダー、連続ニ−ダー、加圧ニ−ダーなどが利用さ
れるが、混練の際には、磁性粉末または非磁性粉末と、
結合剤のすべてまたはその一部(ただし全結合剤の30
%以上が好ましい。)が、磁性粉末または非磁性粉末1
00重量部に対して15重量部ないし500重量部の範
囲の溶剤により、混練処理される。これらの混練処理の
詳細については、特開平1−106338号、特開昭6
4−79274号公報に記載されている。
【0029】本発明において、非磁性支持体上に、磁性
塗膜を設ける方法としては、磁性塗料の塗布で一般的に
用いられるグラビア塗布、ロール塗布、ブレード塗布、
エクストルージョン塗布方法などが挙げられる。本発明
において、非磁性支持体上に、非磁性層および磁性塗膜
を設ける場合には、磁性塗料の塗布で一般的に用いられ
るグラビア塗布、ロール塗布、ブレード塗布、エクスト
ルージョン塗布装置などを用いて、非磁性層を塗布し
て、乾燥した後、特公平1−46186号、特開昭60
−238179号、特開平2−265672号公報に開
示されている支持体加圧型エクストルージョン塗布装置
を用いて、磁性塗膜を形成する方法、グラビア塗布、ロ
ール塗布、ブレード塗布、エクストルージョン塗布装置
などを用いて、非磁性層を塗布し、非磁性層が湿潤状態
にあるうちに、特公平1−46186号、特開昭60−
238179号、特開平2−265672号公報に開示
されている支持体加圧型エクストルージョン塗布装置を
用いて、磁性塗膜を形成する方法、特開昭63−880
80号、特開平2−17971号、特開平2−2656
72号公報開示されているような二つの塗布液用スリッ
トを備えた単一の塗布ヘッドからなる塗布装置を用い
て、非磁性層および磁性塗膜をほぼ同時に形成する方
法、特開平2−174965号公報開示されているバッ
クアップローラ付きのエクストルージョン塗布装置を用
いて、非磁性層および磁性塗膜をほぼ同時に形成する方
法などが使用可能である。これらの方法のうち、非磁性
層が湿潤状態にある間に、磁性塗膜を、非磁性層上に塗
布する方法が好ましく、非磁性層と磁性塗膜とをほぼ同
時に、非磁性支持体上に設ける方法がさらに好ましい。
【0030】本発明において、二層以上の磁性塗膜を設
ける場合にも、同様である。本発明において、配向用の
カレンダ処理ロ−ルとしては、エポキシ、ポリイミド、
ポリアミド、ポリイミドアミドなどの耐熱性のあるプラ
スチックロ−ルを使用することができる。また、金属ロ
−ル同志で、カレンダー処理をすることもできる。カレ
ンダー処理温度は、好ましくは70ないし150℃、さ
らに好ましくは80ないし150℃である。線圧力は、
好ましくは200ないし500Kg/cm、さらに好ま
しくは300ないし400Kg/cmである。本発明に
かかる磁気記録媒体の磁性塗膜表面およびその反対面の
SUS420Jに対する摩擦係数は、好ましくは0.5
以下、さらに好ましくは0.3以下、表面固有抵抗は、
好ましくは10-5ないし10-12 オ−ム/sq、磁性塗
膜の0.5%伸びでの弾性率は、走行方向、幅方向と
も、好ましくは100ないし2000Kg/mm2、破
断強度は、好ましくは1ないし30Kg/cm2、磁気
記録媒体の弾性率は、走行方向、長い方向とも、好まし
くは100ないし1500Kg/mm2、残留のびは、
好ましくは0.5%以下、100℃以下のあらゆる温度
での熱収縮率は、好ましくは1%以下、さらに好ましく
は0.5%以下、最も好ましくは0.1%以下である。
【0031】本発明において、磁性塗膜の弾性率は、好
ましくは、長手方向および幅方向ともに、100ないし
2000Kg/mm2、非磁性層の弾性率は、好ましく
は、長手方向および幅方向ともに、100ないし200
0Kg/mm2であり、磁性塗膜および非磁性層の弾性
率は、目的に応じて、異なっていてもよい。本発明にお
いて、磁性塗膜、非磁性層中に含まれる残留溶媒の量
は、好ましくは100mg/m2以下、さらに好ましく
は10mg/m2以下である。本発明において、磁性塗
膜、磁性塗膜が有する空隙率は、好ましくは30容量%
以下、さらに好ましくは10容量%以下である。本発明
にかかる磁気記録媒体の磁気特性は、磁場10KOeで
測定した場合における配向方向の角形比が、好ましくは
0.70以上であり、0.80以上がとくに好ましい。
本発明において、磁気記録媒体が、二以上の層を含む場
合、すなわち、一層の非磁性層と一層の磁性塗膜、一層
の非磁性層と二層以上の磁性塗膜、二層以上の非磁性層
と一層の磁性塗膜、二層以上の非磁性層と二層以上の磁
性塗膜を含む場合、各層の物理特性を変えることができ
るのは言うまでもない。たとえば、非磁性層の弾性率を
高くして、走行耐久性を向上させると同時に、磁性塗膜
の弾性率を非磁性塗膜よりも低くして、磁気記録媒体の
ヘッドへの当りを良くするなどである。
【0032】
【発明の作用】本発明によれば、複数のマグネットによ
り、磁性塗膜に印加される磁界の方向が、磁性塗膜の表
面に垂直で、かつ、非磁性支持体の搬送方向に平行な面
内において、非磁性支持体の搬送方向下流側に向かっ
て、搬送方向とのなす角度が徐々に大きくなるように変
化させて、磁性塗膜に磁界を印加して、磁性粉末を、斜
めの角度に配向しているので、各マグネットにより生成
された磁界による磁性粉末の回転量は小さく、複数のマ
グネットによって、徐々に、所望の角度になるように、
磁性粉末は回転され、したがって、磁性粉末を、所望の
角度に、均一に配向させることが可能になり、角型比の
高い磁気記録媒体を得ることが可能になる。本発明の好
ましい実施態様によれば、一旦、磁性粉末を、磁性塗膜
の表面に平行な長手方向に配向した後に、磁性粉末を、
複数のマグネットによって、斜めの角度に配向するよう
に構成されているから、磁性粉末の配向方向が、磁性塗
膜の表面に平行な長手方向に揃った後に、複数のマグネ
ットによって、磁性塗膜に印加される磁界の方向が、磁
性塗膜の表面に垂直で、かつ、非磁性支持体の搬送方向
に平行な面内において、非磁性支持体の搬送方向下流側
に向かって、搬送方向とのなす角度が徐々に大きくなる
ように変化させて、磁性塗膜に磁界を印加して、磁性粉
末を、斜めの角度に配向しているので、複数のマグネッ
トのうちの各マグネットによって生成された磁界による
各磁性粉末の回転量は実質的に同一となり、したがっ
て、磁性粉末を、所望の角度に、より均一に配向させる
ことが可能になり、角型比の高い磁気記録媒体を得るこ
とが可能になる。
【0033】本発明のさらに好ましい実施態様によれ
ば、複数のマグネットによる配向を、磁性塗膜を乾燥し
ながらおこなっているので、各マグネットにより配向さ
れた磁性粉末は、乾燥により磁性塗膜中で固定され、配
向された磁性粉末が、磁性粉末自身の磁気的反発力で、
その向きを変えることが防止されるから、所望の配向方
向において、角型比の高い磁気記録媒体を製造すること
が可能になる。本件発明のさらに好ましい実施態様によ
れば、非磁性支持体上に形成された磁性粒子を含む磁性
塗膜の表面に対して、垂直な磁界を生成する第1のマグ
ネットと、第1のマグネットにより生成された磁界内
で、磁性塗膜の表面に平行でかつ所定の方向の水平な磁
界を生成する第2のマグネットを含み、第1のマグネッ
トが、磁界の所定の方向における一端部から他端部に向
けて、その強度が徐々に増大するように、垂直な磁界を
生成し、第2のマグネットが、磁界の所定の方向におけ
る一端部から他端部に向けて、その強度が徐々に減少す
るように、水平な磁界を生成するように構成され、第2
のマグネットが、一端部から他端部側とは反対側に延び
るように設けられているので、磁性粉末を、長手方向に
平行な方向から徐々に所望の斜めの角度に配向すること
ができ、したがって、角型比を一層向上させることが可
能になる。
【0034】
【実施態様】以下、添付図面に基づいて、本発明の好ま
しい実施態様につき、詳細に説明を加える。図1は、本
発明の好ましい実施態様にかかる磁気記録媒体の製造装
置の略正面図である。図1において、ウエブ状の非磁性
支持体1は、送り出しロール2から、送り出され、その
表面に、2つのスリットを備えたエクストルージョン型
の同時重層塗布装置3により、同時に、磁性粉末を含む
上層用磁性塗料および下層用磁性塗料が塗布され、上側
磁性塗膜4および下側磁性塗膜5が形成される。その
後、上側磁性塗膜4および下側磁性塗膜5に、N極が対
向するように配置された一対の永久磁石6、6により、
非磁性支持体1の長手方向の磁界が印加され、上側磁性
塗膜4および下側磁性塗膜5中の磁性粉末は、非磁性支
持体1の長手方向に配向される。この長手方向への配向
は、磁性粉末の抗磁力の2倍以上で、かつ、15000
エルステッド以下の磁界の下でおこなわれるのが好まし
く、さらに好ましくは、磁性粉末の抗磁力の3倍以上
で、かつ、10000エルステッド以下の磁界により、
長手方向への配向がおこなわれる。また、磁性粉末に、
磁界が印加される時間は、3ミリ秒ないし100ミリ秒
が好ましく、6ミリ秒ないし100ミリ秒であることが
さらに好ましい。
【0035】次いで、磁性粉末が、非磁性支持体1の長
手方向に配向された上側磁性塗膜4および下側磁性塗膜
5は、第一乾燥装置7によって、第一次的に乾燥され、
ソレノイドコイル8によって、非磁性支持体1の長手方
向に、再度、配向処理された後、斜め配向装置9に送ら
れる。第一乾燥装置7による乾燥条件は、上層用磁性塗
料および下層用磁性塗料に含まれる全有機溶剤の量を1
00重量とした場合、上側磁性塗膜4および下側磁性塗
膜5中の残留溶剤の量が、第一乾燥装置7の出口で、5
0ないし90重量%となるように設定されることが好ま
しく、第一乾燥装置7の出口での上側磁性塗膜4および
下側磁性塗膜5中の残留溶剤の量が、60ないし80重
量%となるように設定されると、さらに好ましい。ま
た、ソレノイドコイル8により生成される磁界の強度
は、磁性粉末の抗磁力の1倍以上で、かつ、10000
エルステッド以下が好ましく、さらに好ましくは、磁性
粉末の抗磁力の1.5倍以上で、かつ、8000エルス
テッド以下である。上側磁性塗膜4および下側磁性塗膜
5中の磁性粉末は、一対の永久磁石6、6により、いず
れも長手方向への配向処理を受けているが、磁性粉末自
身の有する磁気的反発力により、長手方向から向きを変
えることがある。しかるに、磁性粉末は、ソレノイドコ
イル8によって、再度、長手方向に配向されるので、す
べての磁性粉末は、非磁性支持体1の長手方向に配向さ
れる。
【0036】図2は、斜め配向装置9の詳細を示す略断
面図である。図2において、斜め配向装置9は、一対の
第1マグネット10、11と、六つの第2マグネット2
1、22、23、24、25、26を備えている。一対
の第1のマグネット10、11は、たとえば、矩形状断
面を有する鉄心などからなる磁性コア15、16と、磁
性コア15、16に、所定の回数、巻回されたコイル1
7、18を有し、コイル17、18には、直流電源(図
示せず)が接続されている。磁性コア15、16の対向
する面は、非磁性支持体1の搬送方向に、非磁性支持体
1の表面に形成された上側磁性塗膜4および下側磁性塗
膜5中の磁性粉末の配向が完了するのに十分な長さを有
している。これら一対の第1マグネット10、11は、
上側磁性塗膜4および下側磁性塗膜5の表面に垂直な磁
界を生成している。また、各第2マグネット21、2
2、23、24、25、26は、それぞれ、ソレノイド
コイルから構成されており、異なった直流電源(図示せ
ず)に接続され、直流電源から供給される電流値に応じ
た強度の上側磁性塗膜4および下側磁性塗膜5の表面に
平行な磁界を生成する。
【0037】したがって、上側磁性塗膜4および下側磁
性塗膜5には、一対の第1マグネット10、11によっ
て生成される上側磁性塗膜4および下側磁性塗膜5の表
面に垂直な磁界と、第2マグネット21、22、23、
24、25、26によって生成される上側磁性塗膜4お
よび下側磁性塗膜5の表面に平行な磁界のベクトルの和
に相当する方向と強度を有する磁界が印加されるので、
各第2マグネット21、22、23、24、25、26
を構成するソレノイドコイルに供給する電流を、最も上
流側の第2マグネット21のソレノイドコイルではゼロ
で、非磁性支持体1の搬送方向に対して、上流側のソレ
ノイドコイルほど小さく、下流側のソレノイドコイルほ
ど大きくなるように制御することにより、非磁性支持体
1の搬送方向下流側に向かって、上側磁性塗膜4および
下側磁性塗膜5の表面に垂直で、かつ、非磁性支持体1
の搬送方向に平行な面内で、上側磁性塗膜4および下側
磁性塗膜5に印加される磁界が、六段階で、徐々に、非
磁性支持体1の搬送方向とのなす角度が大きくなるよう
に変化させることができ、最も下流側の第2マグネット
26によって、上側磁性塗膜4および下側磁性塗膜5中
の磁性粉末を、所望の斜めの角度になるように配向する
ことが可能になる。
【0038】ここに、上側磁性塗膜4および下側磁性塗
膜5の磁性粉末は、一対の永久磁石6、6およびソレノ
イドコイル8によって生成された磁界により、非磁性支
持体1の長手方向に配向された状態で、斜め配向装置9
に送られるので、斜め配向装置9によって印加される磁
界によって、各磁性粉末は同様に回転されて、配向され
る。また、一対の第1マグネット10、11によって生
成される垂直な磁界と第2マグネット21により生成さ
れる平行な磁界のベクトルの和に相当する方向と強度を
有する磁界が印加されて、磁性粉末は、まず、わずか
に、長手方向から斜め方向に配向され、次いで、一対の
第1マグネット10、11によって生成される垂直な磁
界と第2マグネット22により生成される平行な磁界の
ベクトルの和に相当する方向と強度を有する磁界が印加
されて、磁性粉末は、さらに、わずかに、斜め方向に配
向され、最後に、一対の第1マグネット10、11によ
って生成される垂直な磁界と第2マグネット26により
生成される平行な磁界のベクトルの和に相当する方向と
強度を有する磁界が印加されて、磁性粉末は、所望の斜
めの角度に配向されるので、一対の第1マグネット1
0、11と第2のマグネット21、22、23、24、
25、26により生成される各磁界による磁性粉末の回
転量はわずかであり、したがって、各磁界により、確実
に、磁性粉末は、わずかづつ、斜め方向に配向され、最
終的に、所望の斜めの角度に配向されることになる。
【0039】斜め配向装置9により生成される磁界の強
度は、磁性粉末の抗磁力の1倍以上で、かつ、1000
0エルステッド以下が好ましく、さらに好ましくは、磁
性粉末の抗磁力の1.5倍以上で、かつ、8000エル
ステッド以下である。斜め配向装置9には、乾燥風、加
熱空気などを吹きつける乾燥手段30が設けられてお
り、上側磁性塗膜4および下側磁性塗膜5に、加熱空気
などを吹きつけられて、乾燥されながら、上側磁性塗膜
4および下側磁性塗膜5中の磁性粉末が配向されるよう
に構成されている。このように、乾燥手段30により、
加熱空気などが吹きつけられ、乾燥されながら、上側磁
性塗膜4および下側磁性塗膜5中の磁性粉末を配向する
ことにより、配向された磁性粉末が、乾燥により磁性塗
膜中で固定され、配向された磁性粉末が、磁性粉末自身
の磁気的反発力で、その向きを変えることを防止するこ
とができ、効率的に、磁性粉末の配向をおこなうことが
可能になる。斜め配向装置9により、上側磁性塗膜4お
よび下側磁性塗膜5に、磁界が印加される時間は、磁界
の出口における上側磁性塗膜4および下側磁性塗膜5中
の残留溶剤の量が、上層用磁性塗料および下層用磁性塗
料に含まれる全有機溶剤の量に対して、0ないし50重
量%となるように設定されることが好ましく、10ない
し30重量%となるように設定されると、さらに好まし
い。具体的な時間は、非磁性支持体1の搬送速度により
異なり、非磁性支持体1の搬送速度が、100m/分な
いし1000m/分の場合には、0.1秒ないし10秒
が好ましく、さらに好ましくは、0.2秒ないし5秒で
ある。
【0040】こうして、斜め配向がなされた後、上側磁
性塗膜4および下側磁性塗膜5は、第二乾燥装置35に
よって最終的に乾燥され、さらに、カレンダー処理装置
40によってカレンダー処理された後、スリッター45
によって裁断されて、磁気記録媒体が製造される。本実
施態様によれば、斜め配向装置9において、一対の第1
マグネット10、11と第2のマグネット21、22、
23、24、25、26によって、非磁性支持体1の搬
送方向下流側に向かって、上側磁性塗膜4および下側磁
性塗膜5の表面に垂直で、かつ、非磁性支持体1の搬送
方向に平行な面内で、六段階で、徐々に、非磁性支持体
1の搬送方向とのなす角度が大きくなるように磁界が生
成され、上側磁性塗膜4および下側磁性塗膜5中の磁性
粉末が、徐々に、所望の斜めの角度に配向されるように
構成されているので、各磁界により、磁性粉末は、わず
かづつ、斜め方向に配向されるのみで、したがって、磁
性粉末を、確実に、斜め方向へ配向することができ、従
来に比し、各磁性粉末が均一に、所望の斜めの角度に配
向されたより高い角型比を有する磁気記録媒体を、より
少ないエネルギーで得ることが可能になる。
【0041】また、本実施態様によれば、上側磁性塗膜
4および下側磁性塗膜5中の磁性粉末は、一対の永久磁
石6、6により、非磁性支持体1の長手方向に配向さ
れ、さらに、ソレノイドコイル8により、再度、非磁性
支持体1の長手方向に配向されて、非磁性支持体1の長
手方向に配向された状態で、斜め配向装置9に送られ、
斜め方向に配向されるから、各磁性粉末は、斜め配向装
置9によって、同一の条件で、配向され、したがって、
磁性粉末が、より均一に所望の斜めの角度に配向され、
角型比の高い磁気記録媒体を得ることが可能になる。図
3は、本発明の別の実施態様にかかる磁気記録媒体の製
造装置に用いられる斜め配向装置の例を示すものであ
る。図3において、磁気記録媒体の製造装置に用いられ
る斜め配向装置9は、上側磁性塗膜4および下側磁性塗
膜5の表面に垂直を磁界を発生させる第1のマグネット
10、11ならびに非磁性支持体1の搬送方向上流側へ
延びるように配置され、上側磁性塗膜4および下側磁性
塗膜5の表面に平行な磁界を生成するソレノイドコイル
からなる第2のマグネット51、52、53、54、5
5、56、57、58、59が配置されている。
【0042】本実施態様によれば、ソレノイドコイル8
を省略して、コンパクトな構成で、磁性粉末が、所望の
斜めの角度に配向された磁気記録媒体を得ることができ
る。すなわち、一対の永久磁石6、6により、上側磁性
塗膜4および下側磁性塗膜5中の磁性粉末は、長手方向
に配向されるが、磁性粉末自身の有する磁気的反発力に
よって、第一乾燥装置7による第一次乾燥工程中に、長
手方向から他の方向に向きを変えることがあっても、非
磁性支持体1の搬送方向上流側へ延びるように配置され
たソレノイドコイルからなる第2のマグネット51、5
2、53によって、再度、長手方向に配向され、その
後、第1のマグネット10、11および第2のマグネッ
ト54、55、56、57、58、59により生成され
る磁界によって、徐々に、わずかづつ、所望の斜めの角
度に配向されるので、ソレノイドコイル8を設けること
なく、磁性粉末自身の有する磁気的反発力によって、磁
性粉末が向きを変えることに起因する配向効率を低下を
防止して、角型比の高い磁気記録媒体を得ることが可能
になる。
【0043】
【実施例】以下、本発明の効果をより明瞭なものとする
ため、実施例を掲げる。 実施例1 図1および図2に示される磁気記録媒体の製造装置によ
り、磁気記録媒体を製造した。幅500mm、厚さ10μ
mの長尺状のポリエチレンテレフタレートフイルムの表
面に、2つのスリットを備えたエクストルージョン型の
同時重層塗布装置3よって、同時に、以下の組成の上層
用磁性塗料および下層用磁性塗料を、乾燥後の厚さが、
それぞれ、0.2μmおよび1.5μmとなるように塗
布し、上側磁性塗膜および下側磁性塗膜を形成した。上層用磁性塗料 Fe/Zn/Ni(重量比92:4:4)粉末・・・・・・・・・・300重量部 (長径方向の平均粒径0.10μmの針状粒子;長軸/短軸比=5; 抗磁力2000エルステッド) 塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体・・・・・・・・・・・・・ 30重量部 (共重合比87:13;重合度400) 導電性カーボンブラック・・・・・・・・・・・・・・・・・ 20重量部 ポリアミド樹脂(アミン価300)・・・・・・・・・・・・ 15重量部 レシチン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 6重量部 シリコンオイル(ジメチルポリシロキサン)・・・・・・・・ 3重量部 シクロヘキサン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・300重量部 メチルエチルケトン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・300重量部 n−ブタノール・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・100重量部下層用磁性塗料 TiO2粉末・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・300重量部 (平均一次粒径0.05μm;SBET 値18m2 /g) 塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体・・・・・・・・・・・・・ 30重量部 (共重合比87:13;重合度400) 導電性カーボンブラック・・・・・・・・・・・・・・・・・ 20重量部 ポリアミド樹脂(アミン価300)・・・・・・・・・・・・ 15重量部 レシチン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 6重量部 シリコンオイル(ジメチルポリシロキサン)・・・・・・・・ 3重量部 シクロヘキサン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・500重量部 n−ブタノール・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・100重量部 その後、N極が対向するように配置された一対の永久磁
石によって、7500エルステッドの強度を有する磁界
を印加し、上側磁性塗膜および下側磁性塗膜中の磁性粉
末を、ポリエチレンテレフタレートフイルムの長手方向
に配向した。
【0044】次いで、溶剤の約35%が蒸発するまで、
加熱空気を吹き当てて、上側磁性塗膜および下側磁性塗
膜を一次乾燥し、ソレノイドコイルによって、4000
エルステッドの強度を有する磁界を印加し、上側磁性塗
膜および下側磁性塗膜中の磁性粉末を、ポリエチレンテ
レフタレートフイルムの長手方向に再度配向した。さら
に、斜め配向装置によって、加熱空気を吹き付けなが
ら、上側磁性塗膜および下側磁性塗膜中の磁性粉末を、
塗膜面に対して、斜め方向に配向し、その後、乾燥、カ
レンダー処理、裁断をおこなって、磁気記録媒体サンプ
ル#1ないし4を得た。斜め配向は、磁性粉末が、最終
的に、上側磁性塗膜および下側磁性塗膜の表面に対し
て、45°の角度に配向されるように、ポリエチレンテ
レフタレートフイルムの搬送方向上流側から下流側に向
けて配置された六つのソレノイドコイル#1、#2、#
3、#4、#5、#6に供給する電流値を変化させ、磁
界の方向を変化させておこなった。得られたサンプル#
1ないし4の45°方向の角型比を、東英工業株式会社
製振動試料型磁力計(VSM)を用いて、10KOeで
測定した。表1は、測定結果を示すものである。表1に
おいて、磁界角度とは、上側磁性塗膜および下側磁性塗
膜の表面に対する磁界の角度を表している。
【0045】表1から明らかなように、六つのソレノイ
ドコイル#1、#2、#3、#4、#5、#6の電流値
を、すべてのソレノイドコイル#1、#2、#3、#
4、#5、#6により、上側磁性塗膜および下側磁性塗
膜の表面に対して、45°の角度を有する磁界が生成さ
れるように制御して、配向したサンプル#1は角型比が
低いのに対して、六つのソレノイドコイル#1、#2、
#3、#4、#5、#6の電流値を、ソレノイドコイル
#1、#2、#3、#4、#5、#6により生成される
磁界の方向が、上側磁性塗膜および下側磁性塗膜の表面
に平行に近い角度から、徐々に45°になるように制御
して、配向したサンプル#1においては、角型比の向上
が著しいことが判明した。
【0046】 実施例2 一次乾燥を省略した点を除いて、実施例1と同様にし
て、磁気記録媒体を製造し、実施例1と同様にして、角
型比を測定した。測定結果は、表2に示されている。 実施例3 一対の永久磁石による長手方向への配向処理を省略した
点を除いて、実施例1と同様にして、磁気記録媒体を製
造し、実施例1と同様にして、角型比を測定した。測定
結果は、表2に示されている。 実施例4 一対の永久磁石による長手方向への配向処理、一次乾燥
およびソレノイドコイルによる長手方向への配向処理を
省略した点を除き、実施例1と同様にして、磁気記録媒
体を製造し、実施例1と同様にして、角型比を測定し
た。測定結果は、表2に示されている。
【0047】 表2と表1とを対比すると、磁性粉末を、一旦、長手方
向に配向した後に、斜め方向に配向する方が、より高い
角型比を有する磁気記録媒体が得られることがわかる。
また、磁性粒子をあらかじめ長手方向に配向するととも
に、磁性塗膜の一次乾燥をおこなってから、斜め方向に
配向する場合に、最も高い角型比を有する磁気記録媒体
が得られることがわかる。 実施例5 磁性粉末の最終的な配向の方向を、上側磁性塗膜および
下側磁性塗膜の表面に対して、90°になるように、斜
め配向装置によって配向した点を除き、実施例1と全く
同様にして、磁気記録媒体サンプル#5ないし8を得
た。
【0048】得られたサンプル#5ないし8の90°方
向の角型比を、実施例1と全く同様にして、測定した結
果を表3に示す。
【0049】 表1から明らかなように、六つのソレノイドコイル#
1、#2、#3、#4、#5、#6の電流値を、すべて
のソレノイドコイル#1、#2、#3、#4、#5、#
6により、上側磁性塗膜および下側磁性塗膜の表面に対
して、90°の角度を有する磁界が生成されるように制
御して、配向したサンプル#5は角型比が低いのに対し
て、六つのソレノイドコイル#1、#2、#3、#4、
#5、#6の電流値を、ソレノイドコイル#1、#2、
#3、#4、#5、#6により生成される磁界の方向
が、上側磁性塗膜および下側磁性塗膜の表面に平行に近
い角度から、徐々に90°になるように制御して、配向
したサンプル#1においては、角型比の向上が著しいこ
とが判明した。
【0050】実施例6 一次乾燥を省略した点を除いて、実施例5と同様にし
て、磁気記録媒体を製造し、実施例1と同様にして、角
型比を測定した。測定結果は、表4に示されている。 実施例3 一対の永久磁石による長手方向への配向処理を省略した
点を除いて、実施例5と同様にして、磁気記録媒体を製
造し、実施例1と同様にして、角型比を測定した。測定
結果は、表4に示されている。 実施例4 一対の永久磁石による長手方向への配向処理、一次乾燥
およびソレノイドコイルによる長手方向への配向処理を
省略した点を除き、実施例5と同様にして、磁気記録媒
体を製造し、実施例1と同様にして、角型比を測定し
た。測定結果は、表4に示されている。
【0051】 表4と表3とを対比すると、90°の角度に斜め配向す
る場合においても、実施例1ないし4の45°の角度に
斜め配向する場合と同様の結果が得られることが判明し
た。
【0052】本発明は、以上の実施態様および実施例に
限定されることなく、特許請求の範囲に記載された発明
の範囲内で、種々の変更が可能であり、それらも本発明
の範囲内に包含されるものであることは言うまでもな
い。たとえば、前記実施態様においては、磁性粉末を、
上側磁性塗膜4および下側磁性塗膜5の表面に対して、
斜め方向に配向しているが、配向方向は斜めでなくとも
よく、垂直に配向してもよい。さらに、前記実施態様に
おいては、加熱ガス吹きつけ手段30を設け、加熱ガス
を吹きつけながら、磁性粉末を、斜め方向に配向してい
るが、加熱ガス吹きつけ手段30を設けることは、必ず
しも必要でない。また、前記実施態様においては、斜め
配向に先立って、一対の永久磁石6、6によって、上側
磁性塗膜4および下側磁性塗膜5中の磁性粉末を、非磁
性支持体1の長手方向に配向し、さらに、ソレノイドコ
イル8によって、磁性粉末を、非磁性支持体1の長手方
向に、再度、配向処理しているが、磁性粉末を、斜め配
向に先立って、非磁性支持体1の長手方向に配向するこ
とは、必ずしも必要ではない。
【0053】さらに、図2に示された実施態様において
は、六つのソレノイドコイル21、22、23、24、
25、26を用いて、磁界の方向を、最終的な配向角度
に徐々に近づくように、六段階に変化させているが、ソ
レノイドコイルの数は六つに限定されるものではなく、
少なくとも二つあればよく、さらに、六段階で、磁界の
方向を、最終的な配向角度に徐々に近づくように、変化
させることも必要ではなく、ソレノイドコイルの数およ
び磁界の方向を何段階で、最終的に、所望の斜めの角度
になるように変化させるかは、任意に決定することがで
きる。また、図2に示された実施態様においては、ソレ
ノイドコイル21、22、23、24、25、26を用
いて、磁界の方向を、最終的な配向角度に徐々に近づく
ように、変化させているが、磁界の方向を、上側磁性塗
膜4および下側磁性塗膜5の表面に対して、長手方向か
つ平行な方向に近い角度から、最終的な配向角度に徐々
に近づくように、磁界の方向が制御されればよく、ソレ
ノイドコイル21、22、23、24、25、26を用
いることは、必ずしも必要でない。さらに、前記実施態
様においては、上側磁性塗膜4および下側磁性塗膜5の
表面に平行な磁界の強度を変化させることにより、磁界
の方向を、上側磁性塗膜4および下側磁性塗膜5の表面
に対して、長手方向かつ平行な方向に近い角度から、最
終的な配向角度に徐々に近づくように、磁界の方向を制
御しているが、上側磁性塗膜4および下側磁性塗膜5の
表面に平行な磁界の強度を変化させることなく、上側磁
性塗膜4および下側磁性塗膜5の表面に垂直な磁界の強
度を変化させることにより、磁界の方向を、上側磁性塗
膜4および下側磁性塗膜5の表面に対して、長手方向か
つ平行な方向に近い角度から、最終的な配向角度に徐々
に近づくように、磁界の方向を制御してもよく、さらに
は、上側磁性塗膜4および下側磁性塗膜5の表面に平行
な磁界および垂直な磁界の双方を制御するようにしても
よい。たとえば、長手方向の磁界を生成する第2のマグ
ネットを1つのソレノイドコイルにより構成するととも
に、互いに異極が対向させられた永久磁石のマグネット
対を二対以上、長手方向に並べ、垂直方向の磁界を生成
する第1のマグネットを構成し、永久磁石の対向する異
極の間隔を次第に狭めるなどして、下流側のマグネット
対ほど、生成する磁界の強さが強くなるように構成する
ことができる。また、この場合に、長手方向の磁界を生
成する第2のマグネットを2以上のソレノイドコイルに
より構成し、各ソレノイドコイルが生成する磁界の強さ
を調整し得るようにすることもできる。
【0054】さらに、前記実施態様においては、最も上
流側のソレノイドコイル21に供給する電流値をゼロと
しているが、磁界の方向を、上側磁性塗膜4および下側
磁性塗膜5の表面に対して、長手方向かつ平行な方向に
近い角度から、最終的な配向角度に徐々に近づくよう
に、磁界の方向が制御されればよく、磁界の方向を、上
側磁性塗膜4および下側磁性塗膜5の表面に対して、長
手方向かつ平行な方向から配向角度に徐々に変化させる
ことは、必ずしも必要でない。また、前記実施例におい
ては、上側磁性塗膜4と下側磁性塗膜5を、同時に形成
しているが、二以上の磁性塗膜を形成する際、同時に形
成しなくともよく、さらには、磁性塗膜は単層でもよ
い。
【0055】
【発明の効果】本発明によれば、装置を大型化させるこ
となく、磁性粉末を、磁性塗膜に対して、任意の方向
に、所望のように、配向することができ、角型比の高い
磁気記録媒体を得ることのできる磁気記録媒体の製造方
法および装置を提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の好ましい実施態様にかかる磁
気記録媒体の製造装置の略正面図である。
【図2】図2は、斜め配向装置の詳細を示す略断面図で
ある。
【図3】図3は、本発明の別の実施態様にかかる磁気記
録媒体の製造装置の斜め配向装置の詳細を示す略断面図
である。
【符号の説明】
1 非磁性支持体 2 送り出しロール 3 同時重層塗布装置 4 上側磁性塗膜 5 下側磁性塗膜 6 永久磁石 7 第一乾燥装置 8 ソレノイドコイル 9 斜め配向装置 10、11 第1マグネット 15、16 磁性コア 17、18 コイル 21、22、23、24、25、26 第2マグネット 30 乾燥手段 35 第二乾燥装置 40 カレンダー処理装置 45 スリッター 51、52、53、55、56、57、58、59 第
2マグネット

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 連続的に搬送される長尺状の非磁性支持
    体上に、磁性粉末を含む磁性塗膜を形成し、複数のマグ
    ネットにより前記磁性塗膜に印加される磁界の方向が、
    前記磁性塗膜の表面に垂直で、かつ、前記非磁性支持体
    の搬送方向に平行な面内において、前記非磁性支持体の
    搬送方向下流側に向かって、前記搬送方向とのなす角度
    が徐々に大きくなるように変化させて、前記磁性塗膜に
    磁界を印加して、前記磁性粉末を、斜めの角度に配向す
    ることを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。
  2. 【請求項2】 一旦、磁性粉末を、前記磁性塗膜の表面
    に平行な長手方向に配向した後に、前記磁性粉末を、前
    記複数のマグネットによって、斜めの角度に配向するよ
    うに構成されたことを特徴とする請求項1に記載の磁気
    記録媒体の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記複数のマグネットによる配向を、前
    記磁性塗膜を乾燥しながらおこなうことを特徴とする請
    求項1または2に記載の磁気記録媒体の製造方法。
  4. 【請求項4】 非磁性支持体上に形成された磁性粒子を
    含む磁性塗膜の表面に対して、垂直な磁界を生成する第
    1のマグネットと、該第1のマグネットにより生成され
    た磁界内で、前記磁性塗膜の表面に平行でかつ所定の方
    向の水平な磁界を生成する第2のマグネットを含み、該
    第2のマグネットが、前記磁界の前記所定の方向におけ
    る一端部から他端部に向けて、その強度が徐々に減少す
    るように、前記水平な磁界を生成するように構成された
    ことを特徴とする磁気記録媒体の製造装置。
  5. 【請求項5】 さらに、前記第2のマグネットが、前記
    一端部から前記他端部側とは反対側に延びるように設け
    られていることを特徴とする請求項4に記載の磁気記録
    媒体の製造装置。
  6. 【請求項6】 前記第1のマグネットが、互いに異極が
    対向するように配置された永久磁石を備え、前記第2の
    マグネットが、少なくとも二つのソレノイドコイルを備
    えたことを特徴とする請求項4または5に記載の磁気記
    録媒体の製造装置。
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