JPH08211854A - 表示装置のドライバ回路および表示装置 - Google Patents

表示装置のドライバ回路および表示装置

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Publication number
JPH08211854A
JPH08211854A JP7200051A JP20005195A JPH08211854A JP H08211854 A JPH08211854 A JP H08211854A JP 7200051 A JP7200051 A JP 7200051A JP 20005195 A JP20005195 A JP 20005195A JP H08211854 A JPH08211854 A JP H08211854A
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JP
Japan
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signal
circuit
clock signal
display device
phase
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Application number
JP7200051A
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English (en)
Inventor
Masayuki Furukawa
雅行 古河
Katsuya Kihara
勝也 木原
Yutaka Marushita
裕 丸下
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Sanyo Electric Co Ltd
Original Assignee
Sanyo Electric Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】位相ずれの少ない相補クロック信号を生成する
ことのできる表示装置のドライバ回路を提供する。 【解決手段】液晶表示モジュール2のXドライバ13は、
アナログスイッチ14とシフトレジスタ15とから構成され
ている。シフトレジスタ15は、直列に接続された複数の
シフトレジスタSR1 〜SRm が設けられている。各シフト
レジスタSR1 〜SRm には、インバータ回路19が設けら
れ、そのインバータ回路19により正相のクロック信号CK
1 から逆相のクロック信号バーCK1 を生成する。そし
て、各シフトレジスタSR1 〜SRm は、入力した正相のク
ロック信号CK1 と、生成した逆相のクロック信号バーCK
1 とに基づいてアナログスイッチ14をオンオフ制御す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は表示装置のドライバ
回路および表示装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、薄膜トランジスタ(TFT;Thin
Film Transistor)を用いたアクティブマトリックス方
式の液晶ディスプレイ(LCD;Liquid Crystal Displ
ay)が高画質な表示装置として注目されている。
【0003】マトリックスに配置された点(ドット)で
表示を行うドットマトリックスLCDには、単純マトリ
ックス方式とアクティブマトリックス方式とがある。単
純マトリックス方式は、マトリックスに配置された各画
素セルの液晶を走査信号に同期して外部から直接駆動す
る方式であり、電極と液晶だけでLCDの表示部である
画素部(液晶パネル)が構成されている。そのため、走
査線数が増大すると1つの画素セルに割り当てられる駆
動時間(デューティ)が少なくなり、コントラストが低
下するという欠点がある。
【0004】一方、アクティブマトリックス方式は、マ
トリックスに配置された各画素セルに画素駆動素子(ア
クティブエレメント、スイッチ素子、画素制御素子)と
信号蓄積素子(画素容量)とを集積し、各画素セルに一
種の記憶動作を行わせて液晶を準スタティックに駆動す
る方式である。すなわち、画素駆動素子は、走査信号に
よってオンオフ状態が切り換わるスイッチとして機能す
る。そして、外部から送られてくるビデオ信号(データ
信号、表示信号)は、駆動回路(データドライバ)を介
してLCD内部の配線(データ線)へ転送される。その
転送されたビデオ信号(正確にはビデオ信号から分離さ
れた画像信号)は、オン状態にある画素駆動素子を介し
て画素セルに伝達され、液晶の駆動が行われる。その
後、画素駆動素子がオフ状態になると、画素セルに印加
されたビデオ信号は電荷の状態で信号蓄積素子に蓄えら
れ、次に画素駆動素子がオン状態になるまで引き続き液
晶の駆動が行われる。そのため、走査線数が増大して1
つの画素セルに割り当てられる駆動時間が少なくなって
も、液晶の駆動が影響を受けることはなく、コントラス
トが低下することもない。従って、アクティブマトリッ
クス方式によれば、単純マトリックス方式に比べてはる
かに高画質な表示が可能になる。
【0005】アクティブマトリックス方式は画素駆動素
子の違いにより、トランジスタ型(3端子型)とダイオ
ード型(2端子型)とに大別される。トランジスタ型
は、ダイオード型に比べて製造が困難である反面、コン
トラストや解像度を高くするのが容易でCRTに匹敵す
る高品位なLCDを実現することができるという特徴が
ある。トランジスタ型の画素駆動素子としては、一般に
TFTが用いられる。
【0006】図7は、データドライバの一部回路図であ
って、シフトレジスタ50の回路図である。シフトレジ
スタ50は、それぞれ2つのクロックドインバータ回路
51,52とインバータ回路53とから構成されてい
る。図8に示すように、クロックドインバータ回路51
は、高電位側電源VDDと低電位側電源Vss間に直列に接
続されたPチャネルMOSトランジスタ(PMOSトラ
ンジスタ)TP1 ,TP2 とNチャネルMOSトランジスタ
(NMOSトランジスタ)TN1 ,TN2 とから構成されて
いる。クロックドインバータ回路51の入力端子AはP
MOSトランジスタTP1のゲートであって、入力端子B
はNMOSトランジスタTN1 のゲートである。そして、
クロックドインバータ回路51は、PMOSトランジス
タTP1 のゲートにLレベルの信号、NMOSトランジス
タTN1 のゲートにHレベルの信号を入力すると、PMO
SトランジスタTP2 とNMOSトランジスタTN2 とから
なるインバータ回路として動作し、入力信号INを反転
した信号を出力信号OUTとして出力するようになって
いる。
【0007】シフトレジスタ50の出力端子は、サンプ
リングトランジスタであるNMOSトランジスタ54の
ゲートに接続されている。すなわち、図示しないタイミ
ングコントローラからクロック信号CK, バーCKを入力す
ると、シフトレジスタ50は、入力したスタートパルス
信号SPに基づいてNMOSトランジスタ54をオンに
する。そのNMOSトランジスタ54を介してビデオラ
インVLに伝達されるビデオ信号が画素セルに供給され
る。
【0008】次のクロック信号CK, バーCKが入力される
と、シフトレジスタ50は、NMOSトランジスタ54
をオフにするとともに、スタートパルス信号SPを次のシ
フトレジスタ50へ伝達する。
【0009】従って、クロック信号CK, バーCKに基づい
てNMOSトランジスタ54が順次オンに制御される。
そして、そのオンに制御されたNMOSトランジスタ5
4を介してビデオ信号が画素セルに供給される。
【0010】また、近年では、LCDパネルにおいて
は、その画素セルアレイのセル数が多くなっている(例
えば、従来では640×400であったものが1280
×1024)。従って、画素セルのセル数の増加に応じ
て1水平期間にビデオ信号をサンプリングするためのN
MOSトランジスタ54およびシフトレジスタ50の数
が多くなり、それにともなってクロック信号CK, バーCK
の周波数が高くなる。その結果、高い周波数のクロック
信号CK, バーCKを生成するためのタイミングコントロー
ラは複雑で規模が大きくなる。そこで、データドライバ
を複数の系列に構成して、クロック信号の周波数を抑え
る方法が用いられている。そのドライバの一部回路図を
図9に示す。
【0011】データドライバの1系列のシフトレジスタ
61にはクロック信号CK1,バーCK1が、2系列のシフト
レジスタ62にはクロック信号CK2,バーCK2 が、3系列
のシフトレジスタ63にはクロック信号CK3,バーCK3
が、4系列のシフトレジスタ64にはクロック信号CK4,
バーCK4 が供給されている。各クロック信号CK1,バーCK
1 〜CK4,バーCK4 は、それぞれ1/8周期異なる位相の
クロック信号であって、そのクロック信号に基づいて各
シフトレジスタ61〜64は、NMOSトランジスタ6
5〜68を順にオンオフ制御する。従って、ビデオ信号
をサンプリングする周波数に比べて1/8の周波数のク
ロック信号CK1,バーCK1 〜CK4,バーCK4 によりNMOS
トランジスタ65〜68を駆動することができるので、
外部のクロック生成回路の構成を簡単にすることができ
る。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】ところで、各クロック
信号CK1,バーCK1 〜CK4,バーCK4 は、所定の電圧(例え
ば5V)で駆動されるタイミングコントローラにより生
成される。そして、生成された各クロック信号CK1,バー
CK1 〜CK4,バーCK4 は、各画素セルを駆動するのに必要
な電圧(例えば18V)にレベル変換され供給されてい
る。しかしながら、レベル変換回路を通すことにより、
図10に示すように、クロック信号CK1 に対して反転ク
ロック信号バーCK1 の位相がずれる場合がある。また、
タイミングコントローラから伝送される間に、伝送経路
の負荷によって正相クロック信号CK1 〜CK4 と逆相クロ
ック信号バーCK1 〜バーCK4 の位相がずれる場合があ
る。尚、クロック信号CK2,バーCK2 〜CK4,バーCK4 にお
ける位相のずれは、クロック信号CK1,バーCK1 と同様で
あるので、図を省略してある。
【0013】そのため、シフトレジスタ61〜64で
は、位相のずれたクロック信号CK1,バーCK1 〜CK4,バー
CK4 においても動作するように補償設計する必要があ
り、回路設計が面倒であるという問題がある。
【0014】また、タイミングコントローラでは、各ク
ロック信号CK1,バーCK1 〜CK4,バーCK4 を生成する段階
で、一方のクロック信号、例えばクロック信号バーCK1
〜バーCK4 の位相を予め進めたり遅らしたりしてシフト
レジスタに入力される段階での位相のずれが少なくなる
ように調整する必要があり、その回路の構成が複雑にな
るという問題がある。
【0015】本発明は上記問題点を解決するためになさ
れたものであって、以下の目的を有するものである。 1〕位相ずれの少ない相補クロック信号を生成すること
の可能な表示装置のドライバ回路を提供する。
【0016】2〕位相ずれの少ない相補クロック信号を
生成することが可能な表示装置のドライバ回路を備え、
そのようなドライバ回路を用いて回路設計を容易にする
ことが可能な表示装置を提供する。
【0017】3〕高性能な表示装置のドライバ回路を提
供する。 4〕高画質な表示装置を提供する。
【0018】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、相補クロック信号に基づいて動作するシフトレジス
タ群を備えた表示装置のドライバ回路において、相補ク
ロック信号のうち正相のクロック信号のみを入力し、そ
の正相のクロック信号に基づいて逆相のクロック信号を
生成するようにしたことをその要旨とする。
【0019】請求項2に記載の発明は、正相のクロック
信号を入力し、その正相のクロック信号に基づいて逆相
のクロック信号を生成するインバータ回路をドライバ回
路内に少なくとも1つ以上設け、前記シフトレジスタ群
は、入力した正相のクロック信号と、インバータ回路に
より生成された逆相のクロック信号とに基づいて動作す
るようにしたことをその要旨とする。
【0020】請求項3に記載の発明は、前記インバータ
回路は、前記シフトレジスタ群を構成する複数のシフト
レジスタよりなるブロック毎に設けたことをその要旨と
する。
【0021】請求項4に記載の発明は、前記インバータ
回路は、前記シフトレジスタ群を構成するシフトレジス
タにそれぞれ設けたことをその要旨とする。請求項5に
記載の発明は、並列に接続されたインバータ回路と、N
チャネルMOSトランジスタとから構成され、正相のク
ロック信号を入力し、そのクロック信号とは逆相のクロ
ック信号を生成し出力する反転回路と、直列に接続され
たインバータ回路と、NチャネルMOSトランジスタと
から構成され、正相のクロック信号を入力し、そのクロ
ック信号と同相のクロック信号を生成し出力する非反転
回路とから構成された反転信号生成回路を備え、前記シ
フトレジスタ群を構成する各シフトレジスタは、前記反
転信号生成回路により生成された正相および逆相のクロ
ック信号を入力し、それらのクロック信号に基づいて入
力したスタートパルスを順次伝達して前記サンプリング
トランジスタ群をそれぞれオンオフ制御するようにした
ことをその要旨とする。
【0022】請求項6に記載の発明は、前記反転回路と
非反転回路には、ダイオードと抵抗とから構成された入
力保護回路をそれぞれ設け、その入力保護回路を介して
クロック信号を入力するようにしたことをその要旨とす
る。
【0023】請求項7に記載の発明は、請求項1〜6の
うちのいずれか1項に記載の表示装置のドライバ回路を
備えた表示モジュールと、その表示モジュールに接続さ
れ、ビデオ信号を入力し、そのビデオ信号に基づいた画
像データと正相のクロック信号とを生成し、出力する駆
動回路部とから構成されることをその要旨とする。
【0024】請求項8に記載の発明は、請求項7に記載
の表示装置において、前記駆動回路部は、ビデオ信号を
入力し、そのビデオ信号から同期信号を分離する同期分
離回路と、前記同期分離回路により分離された同期信号
を入力し、その同期信号に基づいて正相のクロック信号
等のタイミング信号を生成するタイミングコントローラ
と、前記同期信号が分離されたビデオ信号を入力し、前
記タイミングコントローラにより生成されたタイミング
信号を入力し、そのタイミング信号に基づいて入力した
ビデオ信号から画像データを生成し出力するビデオ信号
処理回路とから構成されることをその要旨とする。
【0025】請求項9に記載の発明は、請求項1〜6の
うちのいずれか1項に記載の表示装置のドライバ回路に
おいて、前記表示装置のドライバ回路は、多結晶シリコ
ン膜を能動層とする薄膜トランジスタによって構成され
ることをその要旨とする。
【0026】請求項10に記載の発明は、請求項7また
は請求項8に記載の表示装置において、前記表示装置の
ドライバ回路は、多結晶シリコン膜を能動層とする薄膜
トランジスタによって構成されることをその要旨とす
る。
【0027】従って、請求項1に記載の発明によれば、
相補クロック信号のうち正相のクロック信号のみが入力
され、その正相のクロック信号に基づいて逆相のクロッ
ク信号が生成される。
【0028】請求項2に記載の発明によれば、インバー
タ回路は、正相のクロック信号を入力し、その正相のク
ロック信号に基づいて逆相のクロック信号を生成する。
そして、各シフトレジスタは、入力した正相のクロック
信号と、インバータ回路により生成された逆相のクロッ
ク信号とに基づいて動作する。
【0029】請求項3に記載の発明によれば、インバー
タ回路は、複数のシフトレジスタよりなるブロック毎に
インバータ回路が設けられ、そのインバータ回路により
正相のクロック信号から逆相のクロック信号が生成され
る。
【0030】請求項4に記載の発明によれば、インバー
タ回路は、複数のシフトレジスタ毎にそれぞれ設けら
れ、そのインバータ回路により正相のクロック信号から
逆相のクロック信号が生成される。
【0031】請求項5に記載の発明によれば、反転信号
生成回路は、反転回路と非反転回路とから構成される。
反転回路は、並列に接続されたインバータ回路と、Nチ
ャネルMOSトランジスタとから構成され、正相のクロ
ック信号を入力し、そのクロック信号とは逆相のクロッ
ク信号を生成し出力する。非反転回路は、直列に接続さ
れたインバータ回路と、NチャネルMOSトランジスタ
とから構成され、正相のクロック信号を入力し、そのク
ロック信号と同相のクロック信号を生成し出力する。シ
フトレジスタは、反転信号生成回路により生成された正
相および逆相のクロック信号を入力し、それらのクロッ
ク信号に基づいて入力したスタートパルスを順次伝達し
てサンプリングトランジスタをオンオフ制御する。
【0032】請求項6に記載の発明によれば、反転信号
生成回路の反転回路と非反転回路には、ダイオードと抵
抗とから構成された入力保護回路がそれぞれ設られ、そ
の入力保護回路を介してクロック信号が入力される。
【0033】請求項7に記載の発明によれば、表示装置
は、表示モジュールと駆動回路部とから構成されてい
る。駆動回路部は、ビデオ信号を入力し、そのビデオ信
号に基づいた画像データと正相のクロック信号を生成
し、出力する。表示モジュールは、駆動回路部から入力
した正相のクロック信号に基づいて逆相のクロック信号
を生成する。そして、表示モジュールは、正相および逆
相のクロック信号に基づいて画像データを表示する。
【0034】請求項8に記載の発明によれば、請求項7
に記載の表示装置において、駆動回路部には、同期分離
回路、タイミングコントローラ、ビデオ信号処理回路が
設けられている。同期分離回路は、ビデオ信号を入力
し、そのビデオ信号から同期信号を分離する。タイミン
グコントローラは、同期分離回路により分離された同期
信号を入力し、その同期信号に基づいて正相のクロック
信号等のタイミング信号を生成する。ビデオ信号処理回
路は、同期信号が分離されたビデオ信号を入力し、タイ
ミングコントローラにより生成されたタイミング信号を
入力し、そのタイミング信号に基づいて入力したビデオ
信号から画像データを生成し出力する。
【0035】請求項9に記載の発明において、多結晶シ
リコン膜を能動層とする薄膜トランジスタは、移動度が
大きく駆動能力が高い。従って、表示装置のドライバ回
路を高性能にすることができる。
【0036】請求項10に記載の発明において、多結晶
シリコン膜を能動層とする薄膜トランジスタは、移動度
が大きく駆動能力が高い。従って、表示装置のドライバ
回路を高性能にすることが可能になり、表示装置を高画
質にすることができる。
【0037】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体化した一実施
形態を図面に従って説明する。図2は、本実施形態のア
クティブマトリックス方式LCDのブロック回路図であ
る。アクティブマトリックス方式LCDは、駆動回路部
1と液晶表示モジュール2とから構成されている。
【0038】駆動回路部1には、同期分離回路3、タイ
ミングコントローラ4、ビデオ信号処理回路5、電源回
路6およびドライブ回路7,8が設けられている。同期
分離回路3は、外部から入力したビデオ信号を画像信号
と同期信号とに分離する。そして、同期分離回路3は、
分離した画像信号をビデオ信号処理回路5へ、同期信号
をタイミングコントローラ4へ出力する。
【0039】タイミングコントローラ4は、同期信号を
入力し、その同期信号に基づいてLCD駆動のために必
要な正相のクロック信号CK1 〜CK4 、スタートパルス信
号SP1 〜SP4 等のタイミング信号を生成し、ドライブ回
路7を介して液晶表示モジュール2へ出力するようにな
っている。
【0040】ビデオ信号処理回路5は、同期分離回路3
から画像信号を入力し、その画像信号を増幅する。ま
た、ビデオ信号処理回路5は、タイミングコントローラ
4から出力されたタイミング信号を入力する。そして、
ビデオ信号処理回路5は、その増幅した画像信号を、入
力したタイミング信号に基づいて液晶表示モジュール2
の駆動に必要な波形に変換し、ドライブ回路8を介して
その液晶表示モジュール2へ出力する。
【0041】電源回路6は、外部電源を入力し、駆動回
路部1内の各回路3〜5,7,8や、液晶表示モジュー
ル2に必要な電圧を生成し、各回路3〜5,7,8およ
び液晶表示モジュール2へ出力するようになっている。
【0042】尚、液晶表示モジュール2は容量負荷入力
であって、ドライブ回路7,8は、それぞれ入力した信
号を液晶表示モジュール2の駆動に必要な信号(電圧)
に変換し出力するようになっている。
【0043】図3は、液晶表示モジュール2のブロック
回路図である。液晶表示モジュール2には、画素セルア
レイ11、垂直駆動回路(Yドライバ)12および水平
駆動回路(Xドライバ)13が設けられている。
【0044】画素セルアレイ(画素部)11には各走査
線(ゲート配線)G1〜Gnと各データ線(ドレイン配線)
D1〜Dm(D1…Di,Di+1 …Dm)とが配置されている。尚、
n,i,m は整数である。各走査線Gnと各データ線Dmとはそ
れぞれ直交し、その直交部分に画素GCが設けられてい
る。そして、各走査線GnはYドライバ(ゲートドライ
バ)12に接続され、走査信号(ゲート信号)が印加さ
れるようになっている。また、各データ線DmはXドライ
バ(データドライバ,ドレインドライバ)13に接続さ
れ、画像信号が印加されるようになっている。これらの
ドライバ12,13によって周辺駆動回路部101が構
成されている。そして、各ドライバ12,13のうち少
なくともいずれか一方を画素セルアレイ11と同一基板
上に形成した液晶表示モジュール2は、一般にドライバ
一体型(ドライバ内蔵型)LCDと呼ばれる。ドライバ
一体型LCDでは、各線G1〜Gn,D1〜Dmの配線長が短く
なるため、配線抵抗や配線容量を小さくすることが可能
になり、画質を向上させることができる。
【0045】画素セルGCは、画素駆動素子としてのTF
T102、液晶セルLC、補助容量CS から構成され
る。走査線GnにはTFT102のゲートが接続され、デ
ータ線DmDmにはTFT102のドレインが接続されてい
る。そして、TFT102のソースには、液晶セルLC
の表示電極(画素電極)と補助容量(蓄積容量または付
加容量)CS とが接続されている。この液晶セルLCと
補助容量CS とにより、前記信号蓄積素子が構成され
る。液晶セルLCの共通電極(表示電極の反対側の電
極)には電圧Vcom が印加されている。一方、補助容量
CS において、TFT102のソースと接続される側の
電極の反対側の電極には定電圧VR が印加されている。
この液晶セルLCの共通電極は、文字どおり全ての画素
セルGCに対して共通した電極となっている。そして、液
晶セルLCの表示電極と共通電極との間には静電容量が
形成されている。尚、補助容量CS において、TFT1
02のソースと接続される側の電極の反対側の電極は、
隣の走査線と接続されている場合もある。
【0046】このように構成された画素セルGCにおい
て、走査線Gnを正電圧にしてTFT102のゲートに正
電圧を印加すると、TFT102がオンとなる。する
と、データ線Dmに印加された画像信号で、液晶セルLC
の静電容量と補助容量CS とが充電される。反対に、走
査線Gnを負電圧にしてTFT102のゲートに負電圧を
印加すると、TFT102がオフとなり、その時点でデ
ータ線Dmに印加されていた電圧が、液晶セルLCの静電
容量と補助容量CS とによって保持される。このよう
に、画素セルGCへ書き込みたい画像信号をデータ線Dmに
与えて走査線Gnの電圧を制御することにより、画素セル
GCに任意の画像信号を保持させておくことができる。そ
の画素セルGCの保持している画像信号に応じて液晶セル
LCの透過率が変化し、画像が表示される。
【0047】ここで、画素セルGCの特性として重要なも
のに、書き込み特性と保持特性とがある。書き込み特性
に対して要求されるのは、画素セルアレイ11の仕様か
ら定められた単位時間内に、信号蓄積素子(液晶セルL
Cおよび補助容量CS )に対して所望の画像信号電圧を
十分に書き込むことができるかどうかという点である。
また、保持特性に対して要求されるのは、信号蓄積素子
に一旦書き込んだ画像信号電圧を必要な時間だけ保持す
ることができるかどうかという点である。
【0048】補助容量CS が設けられているのは、信号
蓄積素子の静電容量を増大させて書き込み特性および保
持特性を向上させるためである。すなわち、液晶セルL
Cはその構造上、静電容量の増大には限界がある。そこ
で、補助容量CS によって液晶セルLCの静電容量の不
足分を補うわけである。
【0049】Yドライバ12は、駆動回路部1のドライ
ブ回路7および電源回路6からそれぞれタイミング信号
および駆動電圧を入力し、そのタイミング信号に基づい
て走査信号(ゲート信号)を各走査線G1〜Gnに印加す
る。
【0050】Xドライバ13は、Nチャネル・サンプリ
ングトランジスタ群よりなるアナログスイッチ14と、
そのアナログスイッチ14をオンオフ制御するシフトレ
ジスタ15とから構成されている。シフトレジスタ15
は、4系統のシフトレジスタ群であって、各系統のシフ
トレジスタ群にはクロック信号CK1 〜CK4 とスタートパ
ルス信号SP1 〜SP4 がそれぞれ入力される。そして、シ
フトレジスタ15は、入力したクロック信号CK1 〜CK4
とスタートパルス信号SP1 〜SP4 とに基づいて動作し、
アナログスイッチ14をオンオフ制御するようになって
いる。
【0051】駆動回路部1のドライブ回路8からビデオ
ラインVLを介して送られてくる画像信号は、シフトレジ
スタ15によってオンに制御されたアナログスイッチ1
4を介して各データ線D1〜Dmに印加される。
【0052】1つの系統のシフトレジスタ群は、シリー
ズに接続された複数のシフトレジスタSR1 …SRi,SRi+1
…SRm )により構成されている。尚、他の3つの系統の
シフトレジスタ群については、同様の構成であるので、
図を省略してある。
【0053】図1は、Xドライバ13の一部回路図であ
って、シフトレジスタSRi,SRi+1 およびアナログスイッ
チ14を構成するNチャネルMOSトランジスタTi,Ti+
1 の回路図である。各シフトレジスタSRi,SRi+1 は、そ
れぞれ2つのクロックドインバータ回路16,17と、
2つのインバータ回路18,19とから構成されてい
る。各クロックドインバータ回路16,17は、従来と
同様に、図8に示すようにPMOSトランジスタTP1 ,
TP2 、NMOSトランジスタTN1 ,TN2 により構成され
ている。
【0054】シフトレジスタSRi を構成するクロックド
インバータ回路16の入力端子は、前段のシフトレジス
タSRi-1 に接続され、スタートパルス信号SP1 を入力し
ている。クロックドインバータ回路16の出力端子は、
インバータ回路18を介して次段のシフトレジスタSRi+
1 に接続されている。また、インバータ回路18の出力
端子には、クロックドインバータ回路17の入力端子が
接続され、そのクロックドインバータ回路17の出力端
子はインバータ回路18の入力端子に接続されている。
【0055】各シフトレジスタSRi,SRi+1 のインバータ
回路19には、正相のクロック信号CK1 が入力されてい
る。そして、インバータ回路19は、正相のクロック信
号CK1 を反転した逆相のクロック信号バーCK1 を生成
し、クロックドインバータ回路16,17へ出力するよ
うになっている。
【0056】そして、シフトレジスタSRi のクロックド
インバータ回路16の入力端子Aとクロックドインバー
タ回路17の入力端子Bには正相のクロック信号CK1 が
入力される。また、クロックドインバータ回路16の入
力端子Bとクロックドインバータ回路17の入力端子A
には逆相のクロック信号バーCK1 のクロック信号が入力
される。
【0057】一方、シフトレジスタSRi+1 のクロックド
インバータ回路16の入力端子Bとクロックドインバー
タ回路17の入力端子Aには正相のクロック信号CK1 が
入力される。また、クロックドインバータ回路16の入
力端子Aとクロックドインバータ回路17の入力端子B
には逆相のクロック信号バーCK1 のクロック信号が入力
される。
【0058】すなわち、各シフトレジスタSRi,SRi+1
は、それぞれ正相のクロック信号CK1を入力し、その正
相のクロック信号CK1 から逆相のクロック信号バーCK1
を生成する。各シフトレジスタSRi,SRi+1 は、入力した
正相のクロック信号CK1 と、生成した逆相のクロック信
号バーCK1 とに基づいて動作し、スタートパルス信号SP
1 を順に次のシフトレジスタへ伝達する。
【0059】そして、シフトレジスタSRi は、入力した
スタートパルス信号SP1 をクロックドインバータ回路1
7およびインバータ回路18でラッチするとともに、N
MOSトランジスタTiをオンに制御する。すると、ビデ
オラインVLに伝達された画像信号は、オンに制御された
NMOSトランジスタTiを介してデータ線Diへ伝達され
る。
【0060】従って、各シフトレジスタSRi,SRi+1 によ
り生成される逆相のクロック信号バーCK1 は、正相のク
ロック信号CK1 に対して、インバータ回路19の分だけ
遅れることになる。このインバータ回路19による遅れ
は、従来の逆相のクロック信号バーCK1 〜バーCK4 の遅
れに比べて小さくなっている。
【0061】また、逆相のクロック信号バーCK1 はイン
バータ回路19により遅れ、正相のクロック信号CK1 よ
り進むことはない。従って、各シフトレジスタSRi,SRi+
1 の設計は、正相のクロック信号CK1 に対して少し遅れ
る逆相のクロック信号バーCK1 に対する補償設計を行う
だけでよいので、設計が容易となる。
【0062】尚、同じ系列の他のシフトレジスタSR1 〜
SRm についても、同様にインバータ回路19を設け、正
相のクロック信号CK1 から逆相のクロック信号バーCK1
を生成し、両クロック信号CK1,バーCK1 に基づいてNM
OSトランジスタT1〜Tmのオンオフ制御を行う。すなわ
ち、各シフトレジスタSR1 〜SRm において、生成される
逆相のクロック信号バーCK1 は、正相のクロック信号CK
1 に対してインバータ回路19の分だけ遅れることにな
る。従って、各シフトレジスタSR1 〜SRm において同様
に補償設計を行うことができるので、設計が容易にな
る。
【0063】また、他の系統のシフトレジスタSR1 〜SR
m においても、インバータ回路19により逆相のクロッ
ク信号バーCK2 〜バーCK4 を生成することにより、同様
に補償設計を行うことができるので、設計が容易にな
る。
【0064】更に、駆動回路部1において逆相のクロッ
ク信号バーCK1 〜バーCK4 を生成するための回路が不要
になるとともに、ドライブ回路7において逆相のクロッ
ク信号バーCK1 〜バーCK4 に対してレベル変換を行うた
めの回路が不要となるので、回路構成を簡単にすること
ができる。更にまた、正相のクロック信号CK1 〜CK4の
みを液晶表示モジュール2へ伝達するので、駆動回路部
1と液晶表示モジュール2とを接続する配線の数を少な
くすることができる。
【0065】このように、本実施形態によれば、以下の
作用および効果を得ることができる。 Xドライバ13のシフトレジスタ15を構成する各シ
フトレジスタSR1 〜SRm にそれぞれインバータ回路19
を設ける。各シフトレジスタSR1 〜SRm には、正相のク
ロック信号CK1 のみを供給する。そして、そのインバー
タ回路19により正相のクロック信号CK1 から逆相のク
ロック信号バーCK1 を生成する。シフトレジスタSR1 〜
SRm は、正相のクロック信号CK1 と、生成した逆相のク
ロック信号バーCK1 とに基づいて入力したスタートパル
ス信号SP1 によりNMOSトランジスタTiをオンオフ制
御するようにした。
【0066】その結果、正相のクロック信号CK1 に対す
る逆相のクロック信号バーCK1 の位相の遅れをインバー
タ回路19の分だけにすることができるので、各シフト
レジスタSR1 〜SRm の補償設計を簡単にすることができ
る。
【0067】逆相のクロック信号バーCK1 を生成する
インバータ回路19を各シフトレジスタSR1 〜SRm に設
けるようにした。その結果、駆動回路部1内で逆相のク
ロック信号バーCK1 を生成するための回路と、液晶表示
モジュール2を駆動するために必要な電圧に変換するた
めの回路とを省略することができ、アクティブマトリッ
クス方式LCDを小型化することができる。
【0068】ところで、TFT102として、透明絶縁
基板上に形成された多結晶シリコン膜を能動層に用いた
TFT(以下、多結晶シリコンTFTという)の開発が
進められている。
【0069】多結晶シリコンTFTは、非晶質シリコン
膜を能動層に用いた薄膜トランジスタ(以下、非晶質シ
リコンTFTという)に比べ、移動度が大きく駆動能力
が高いという利点がある。そのため、多結晶シリコンT
FTは、画素駆動素子としてだけでなく論理回路を構成
する素子としても使用することができる。従って、多結
晶シリコンTFTを用いれば、画素セルアレイ11だけ
でなく、その周辺に配置されている周辺駆動回路部10
1(Yドライバ12、Xドライバ13)までを同一基板
上に一体化することで、ドライバ一体型LCDを得るこ
とができる。すなわち、各ドライバ12,13の内部素
子を構成する各MOSトランジスタを多結晶シリコンT
FTで形成する。そして、画素セルアレイ11に配置さ
れた画素駆動素子としての多結晶シリコンTFT102
と、各ドライバ12,13を構成する多結晶シリコンT
FT103とを同一工程で形成するわけである。
【0070】また、多結晶シリコンTFTは移動度が大
きく駆動能力が高いため、多結晶シリコンTFT103
によって各ドライバ12,13を構成すれば、各ドライ
バ12,13を高性能にすることができる。そして、各
ドライバ12,13が高性能になれば、LCD(液晶表
示モジュール2)の画質を向上させることができる。
【0071】図6に、プレーナ型の多結晶シリコンTF
Tを用いたドライバ一体型で透過型構成をとる本実施形
態の液晶表示モジュール2の概略断面を示す。図6
(a)に画素セルアレイ11の一部概略断面を示し、図
6(b)に画素セルアレイ11と各ドライバ12,13
との間の配線部分の概略断面を示し、図6(c)に各ド
ライバ12,13の概略断面を示す。
【0072】図6(a)に示すように、相対向する各透
明絶縁基板201,202の間には液晶が充填された液
晶層203が形成されている。透明絶縁基板201には
液晶セルLCの表示電極204が設けられ、透明絶縁基
板202には液晶セルLCの共通電極205が設けられ
ており、各電極204,205は液晶層203を挟んで
対向している。
【0073】透明絶縁基板201における液晶層203
側の表面には、多結晶シリコンTFT102の能動層と
なる多結晶シリコン膜206が形成されている。多結晶
シリコン膜206上にはゲート絶縁膜207が形成され
ている。ゲート絶縁膜207上には、走査線Gnを構成す
るゲート電極208が形成されている。多結晶シリコン
膜206にはドレイン領域209およびソース領域21
0が形成されて多結晶シリコンTFT102が構成され
る。
【0074】透明絶縁基板201において多結晶シリコ
ンTFT102と隣接する部分には、多結晶シリコンT
FT102の作成と同時に同一工程にて補助容量CS が
形成されている。補助容量CS の蓄積電極211は多結
晶シリコン膜206に形成され、多結晶シリコンTFT
102のソース領域210と接続されている。蓄積電極
211上には誘電体膜212が形成され、誘電体膜21
2上には補助容量CSの対向電極213が形成されてい
る。尚、誘電体膜212はゲート絶縁膜207の延長上
にあり、ゲート絶縁膜207と同一構成で同一工程にて
形成される。また、対向電極213はゲート電極208
と同一構成で同一工程にて形成される。対向電極213
およびゲート電極208の側壁には絶縁膜219が形成
され、対向電極213およびゲート電極208の上には
絶縁膜214が形成されている。多結晶シリコンTFT
102および補助容量CS の全面に層間絶縁膜215が
形成されている。ソース領域210とドレイン領域20
9とはそれぞれ、層間絶縁膜215に形成された各コン
タクトホールを介して、ソース電極216とデータ線Dm
を構成するドレイン電極217とに接続されている。ド
レイン電極217およびソース電極216を含むデバイ
スの全面に絶縁膜218が形成されている。ソース電極
216は絶縁膜218に形成されたコンタクトホールを
介して表示電極204と接続されている。尚、ドレイン
電極217およびソース電極216の材質としては一般
にアルミ合金が用いられ、表示電極204の材質として
は一般にITO(Indium Tin Oxide)が用いられる。ま
た、各電極204,217,218の形成には一般にス
パッタ法が用いられる。
【0075】このように、ソース領域210と表示電極
204とがソース電極216を介して接続されているの
は、ソース領域210と表示電極204とのオーミック
コンタクトをとるためである。すなわち、ソース電極2
16を省くと、多結晶シリコン膜206から成るソース
領域210とITOから成る表示電極204とが直接接
続される。その結果、ソース領域210と表示電極20
4とのヘテロ接合によってバンドギャップ差によるエネ
ルギーギャップが生じ、良好なオーミックコンタクトを
得られなくなる。ソース領域210と表示電極204と
のオーミックコンタクトがとれていないと、データ線Dm
に印加された画像信号が画素セルGCへ正確に書き込まれ
なくなり、LCDの画質が低下することになる。
【0076】図6(b)に示すように、透明絶縁基板2
01上には絶縁膜215を介して走査線Gnまたはデータ
線Dmが形成され、その配線Gn,Dn を含むデバイスの全
面に絶縁膜218が形成されている。絶縁膜218上に
は画素セルアレイ11と同様に、液晶層203、共通電
極205、透明絶縁基板202が形成されている。
【0077】図6(c)に示すように、透明絶縁基板2
01における液晶層203側の表面には、各ドライバ1
2,13を構成するプレーナ型の多結晶シリコンTFT
103が形成されている。多結晶シリコンTFT103
は、多結晶シリコンTFT102の作成と同時に同一工
程にて形成されている。尚、多結晶シリコンTFT10
3を構成する各部材については多結晶シリコンTFT1
02と同一符号を付してある。多結晶シリコンTFT1
03を含むデバイスの全面に絶縁膜218が形成されて
いる。絶縁膜218上には画素セルアレイ11と同様
に、液晶層203、共通電極205、透明絶縁基板20
2が形成されている。
【0078】ところで、各多結晶シリコンTFT10
2,103の能動層となる多結晶シリコン膜206の形
成方法には以下のものがある。 多結晶シリコン膜206を直接形成する方法;CVD
法またはPVD法を用いる。CVD法には常圧CVD
法,減圧CVD法,プラズマCVD法,光励起CVD法
などがある。また、PVD法には蒸着法,EB(Electr
on Beam )蒸着法,MBE(Molecular Beam Epitaxy)
法,スパッタ法などがある。
【0079】この中では、モノシラン(SiH4 )また
はジシラン(Si2 6 )の熱分解を利用する減圧CV
D法が一般的であり、最も高品質な多結晶シリコン膜2
06を形成することができる。減圧CVD法では、処理
温度が550 ℃以下では非晶質、620 ℃以上では多結晶と
なる。
【0080】また、プラズマ中でのモノシランまたはジ
シランの熱分解を利用するプラズマCVD法も用いられ
る。プラズマCVD法の処理温度は300 ℃程度で、水素
を添加すると反応が促進されて非晶質シリコン膜が形成
される。そして、不活性ガス(ヘリウム,ネオン,アル
ゴン,クリプトン,キセノン,ラドン)を添加するとプ
ラズマが励起され、同一の処理温度でも多結晶シリコン
膜が形成される。
【0081】非晶質シリコン膜を形成した後に多結晶
化させて多結晶シリコン膜206を形成する方法;固相
成長法または溶融再結晶化法を用いる。固相成長法は、
非晶質シリコン膜に600 ℃前後で20時間前後の長時間の
熱処理を行うことにより、固体のままで多結晶化させて
多結晶シリコン膜を得る方法である。
【0082】溶融再結晶化法は、非晶質シリコン膜の表
面だけを溶融させて再結晶化を図りながら基板温度を60
0 ℃以下に保つ方法であり、レーザアニール法やRTA
(Rapid Thermal Annealing )法がある。レーザアニー
ル法は、非晶質シリコン膜の表面にレーザを照射して加
熱溶融させる方法である。RTA法は、非晶質シリコン
膜の表面にランプ光を照射して加熱溶融させる方法であ
る。
【0083】従来の多結晶シリコンTFTは、1000℃程
度の高温の工程(高温プロセスと呼ばれる)を使って形
成されていた。高温プロセスは長年に渡る十分な技術的
蓄積のあるLSI技術を踏襲したものである。そのた
め、高温プロセスで形成された多結晶シリコンTFT
(高温多結晶シリコンTFTと呼ばれる)は、素子特
性,信頼性,再現性に優れている。しかし、高温プロセ
スはプロセス温度が高いため、透明絶縁基板には石英ガ
ラスを使わざるを得ない。石英ガラスは大型化に伴って
著しく高価になる上に現在のところ大型化には限りがあ
るため、透明絶縁基板の寸法が制限を受ける。そのた
め、コスト的に見合う液晶表示モジュール2のパネルサ
イズは3型以下となり、ビデオカメラのビューファイン
ダ用や液晶プロジェクタ用としては十分に使用できるも
のの、直視用としてはパネルサイズが小さすぎて使用で
きない。
【0084】一方、非晶質シリコンTFTは、400 ℃以
下の低温の工程を使って形成可能なため、透明絶縁基板
に通常のガラスを使うことができる。通常のガラスは石
英ガラスの約1/10の価格で寸法にも制限がないが、LC
D用に市販されている高耐熱ガラス(例えば、米国Corn
ing Inc.製の「7059」)でも600 ℃程度の耐熱温度しか
ない。
【0085】そこで、透明絶縁基板に通常のガラス(高
耐熱ガラス)を使えるように、多結晶シリコンTFTを
600 ℃程度以下の低温の工程(低温プロセスと呼ばれ
る)を使って形成することが求められている。低温プロ
セスで形成された多結晶シリコンTFTは低温多結晶シ
リコンTFTと呼ばれる。
【0086】従って、透明絶縁基板201に高耐熱ガラ
スを用いてパネルサイズの大きなLCD(液晶表示モジ
ュール2)を安価に提供するには、多結晶シリコン膜
206の形成時に低温プロセス(前記したように、固相
成長法または溶融再結晶化法を用いる)を採用すると共
に、ゲート絶縁膜207の形成時やソース領域210
およびドレイン領域209の形成時をも含む多結晶シリ
コンTFT102,103の製造の全工程に渡って低温
プロセスを採用すればよい。
【0087】尚、本発明は上記実施形態に限定されるも
のではなく、以下のように実施してもよい。 (1)上記実施形態では、4系列のシフトレジスタ15
を設けた液晶表示モジュール2に具体化したが、1系列
または複数系列(2,8系列等)のシフトレジスタを設
けた液晶表示モジュールに具体化する。
【0088】(2)上記実施形態では、各シフトレジス
タSR1 〜SRm 毎にインバータ回路19を設けて正相のク
ロック信号CK1 から逆相のクロック信号バーCK1 を生成
したが、複数のシフトレジスタに対して1つのインバー
タ回路を設けて逆相のクロック信号バーCK1 を生成し、
各シフトレジスタに供給するようにしてもよい。すなわ
ち、図4(a)に示すように、複数のシフトレジスタよ
りなるレジスタブロック20毎にインバータ回路21を
設ける。そして、そのインバータ回路21により逆相の
クロック信号バーCK1 を生成し、ブロック20の各シフ
トレジスタへ供給する。
【0089】また、図4(b)に示すように、1系列の
シフトレジスタ15を構成する複数のレジスタブロック
20に対して1つのインバータ回路22を設けて実施す
る。このとき、生成した逆相のクロック信号バーCK1 に
より動作させるシフトレジスタが多いので、インバータ
回路22は、上記実施形態のインバータ回路19に比べ
て駆動能力を大きく設定するとよい。
【0090】(3)上記実施形態では、インバータ回路
19を設け、正相のクロック信号CK1から逆相のクロック
信号バーCK1 を生成するようにしたが、図5に示すよう
に、正相のクロック信号CK1 と逆相のクロック信号バー
CK1 とを生成する相補信号生成回路30をXドライバ1
3に設けてもよい。そして、各シフトレジスタSR1 〜SR
m は、相補信号生成回路30により生成された正相のク
ロック信号CK1 と逆相のクロック信号バーCK1 とに基づ
いて動作するようにする。
【0091】相補信号生成回路30は、入力保護部31
a,31bと反転回路部32と非反転回路部33とから
構成されている。入力保護部31a,31bは、ダイオ
ードおよび抵抗により構成され、正相のクロック信号CL
K に対してESD(ElectroStatic Discharge:静電気
放電)等に対する保護を行っている。
【0092】反転回路部32は、PMOSトランジスタ
とNMOSトランジスタとからなるインバータ回路32
a,32bと、NMOSトランジスタ32cとから構成
されている。非反転回路部33は、PMOSトランジス
タとNMOSトランジスタとからなるインバータ回路3
3a,33bと、NMOSトランジスタ33cとから構
成されている。
【0093】反転回路部32のインバータ回路32a,
32bは並列に接続され、非反転回路部33のインバー
タ回路33a,33bは直列に接続されている。両回路
部32, 33のインバータ回路32b,33bの出力端
子にはNMOSトランジスタ32c,33cのソースが
それぞれ接続され、NチャネルMOSトランジスタ32
c,33cのドレインは高電位側電源VDDにそれぞれ接
続されている。また、反転回路部32のNMOSトラン
ジスタ32cのゲートはインバータ回路32aの出力端
子に接続されている。非反転回路部33のNMOSトラ
ンジスタ33cのゲートはインバータ回路33aの入力
端子に接続されている。
【0094】相補信号生成回路30は、図2に示す駆動
回路部1のタイミングコントローラ4により生成された
正相のクロック信号CLK をドライブ回路7を介して入力
する。そのクロック信号CLK は、非反転回路部33のイ
ンバータ回路33a,33bを介して同相のクロック信
号CK1 として出力される。また、クロック信号CLK は、
反転回路部32のインバータ回路32a,32bを介し
て逆相のクロック信号バーCK1 として出力される。この
とき、両回路部32, 33のNMOSトランジスタ32
c,33cは、インバータ回路32a,32b,33
a,33bによる遅れを補償している。
【0095】この構成により、正相のクロック信号CK1
と逆相のクロック信号バーCK1 とのディレイを合わせる
ことができるので、更に回路設計を容易にすることがで
きる。また、インバータ回路32a,32b,33a,
33bによるバッファにより駆動能力を大きくすること
ができるので、レジスタ毎にインバータ回路を設ける必
要がなく、上記実施形態に比べてXドライバ13の回路
面積を小さくすることができる。
【0096】(4)上記実施形態では、ドライバ一体型
の液晶表示モジュール2に具体化したが、ドライバ一体
型ではない液晶表示モジュール、例えばTAB、COG
による液晶表示モジュールに具体化する。
【0097】(5)上記実施形態では、TFT−LCD
に具体化したが、ダイオードを用いたMIM−LCD、
STN−LCD等に具体化する。また、単純マトリック
ス型LCDに具体化する。
【0098】(6)上記実施形態では、Xドライバ13
のシフトレジスタ15に具体化したが、Yドライバ12
のシフトレジスタに具体化して実施する。 (7)TFT102,103を、多結晶シリコンTFT
ではなく非晶質シリコンTFTに置き代える。
【0099】(8)低温多結晶シリコンTFT102,
103を、高温多結晶シリコンTFT102,103に
置き代える。 (9)TFT102,103を、プレーナ型以外の構造
(逆プレーナ型、スタガ型、逆スタガ型など)のTFT
に置き代える。
【0100】(10)透過型構成をとる液晶表示モジュ
ール2ではなく、反射型構成をとる液晶表示モジュール
に適用する。以上、各実施形態について説明したが、各
実施形態から把握できる請求項以外の技術的思想につい
て、以下にそれらの効果と共に記載する。
【0101】(イ)請求項7,8,10のうちのいずれ
か1項に記載の表示装置において、前記表示モジュール
は画素セルアレイとドライバ回路とから構成され、その
表示モジュールは1枚の基板上に形成されている表示装
置。
【0102】このようにすれば、ドライバ一体型の表示
装置を得ることができる。ドライバ一体型の表示装置で
は、各配線の配線長が短くなるため、配線抵抗や配線容
量を小さくすることが可能になり、画質を向上させるこ
とができる。
【0103】(ロ)上記(イ)に記載の表示装置におい
て、前記薄膜トランジスタは低温プロセスによって形成
される表示装置。このようにすれば、基板に通常のガラ
スを用いることが可能になり、表示モジュールを大型化
することができる。
【0104】
【発明の効果】
1〕位相ずれの少ない相補クロック信号を生成すること
の可能な表示装置のドライバ回路を提供することができ
る。
【0105】2〕位相ずれの少ない相補クロック信号を
生成することが可能な表示装置のドライバ回路を備え、
そのようなドライバ回路を用いて回路設計を容易にする
ことが可能な表示装置を提供することができる。
【0106】3〕高性能な表示装置のドライバ回路を提
供することができる。 4〕高画質な表示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施形態のドライバ回路の一部回路図。
【図2】アクティブマトリックス方式LCDのブロック
回路図。
【図3】液晶表示モジュールのブロック回路図。
【図4】別の実施形態のシフトレジスタを示す回路図。
【図5】別の実施形態の相補信号生成回路の回路図。
【図6】液晶表示モジュールの概略断面図。
【図7】従来のドライバの一部回路図。
【図8】クロックドインバータ回路の回路図。
【図9】4系統のシフトレジスタの回路図。
【図10】従来のクロック信号の波形図。
【符号の説明】
1…駆動回路部 2…液晶表示モジュール 3…同期分離回路 4…タイミングコントローラ 5…ビデオ信号処理回路 12…Yドライバ(垂直駆動回路,ゲートドライバ) 13…Xドライバ(水平駆動回路,データドライバ,ド
レインドライバ) 14,Ti,Ti+1 …アナログスイッチとしてのNチャネル
MOSトランジスタ 15…シフトレジスタ(シフトレジスタ群) 19…インバータ回路 101…周辺駆動回路部 102,103…多結晶シリコンTFT 206…多結晶シリコン膜 SR1 〜SRm …シフトレジスタ CK,CK1〜CK4 …正相のクロック信号 バーCK, バーCK1 〜バーCK4 …逆相のクロック信号 GC…画素セル

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 相補クロック信号に基づいて動作するシ
    フトレジスタ群を備えた表示装置のドライバ回路におい
    て、相補クロック信号のうち正相のクロック信号のみを
    入力し、その正相のクロック信号に基づいて逆相のクロ
    ック信号を生成するようにした表示装置のドライバ回
    路。
  2. 【請求項2】 画像信号を入力し、その画像データを正
    相および逆相のクロック信号に基づいて動作するシフト
    レジスタ群にてオンオフ制御されるサンプリングトラン
    ジスタ群によりサンプリングして画素セルに伝達して画
    像信号の画像を表示する表示装置のドライバ回路におい
    て、 前記正相のクロック信号を入力し、その正相のクロック
    信号に基づいて逆相のクロック信号を生成するインバー
    タ回路をドライバ回路内に少なくとも1つ以上設け、 前記シフトレジスタ群は、入力した正相のクロック信号
    と、インバータ回路により生成された逆相のクロック信
    号とに基づいて動作するようにした表示装置のドライバ
    回路。
  3. 【請求項3】 前記インバータ回路は、前記シフトレジ
    スタ群を構成する複数のシフトレジスタよりなる複数の
    ブロック毎に対してそれぞれ設けた請求項2に記載の表
    示装置のドライバ回路。
  4. 【請求項4】 前記インバータ回路は、前記シフトレジ
    スタ群を構成するシフトレジスタにそれぞれ設けた表示
    装置のドライバ回路。
  5. 【請求項5】 画像データを入力し、その画像データを
    正相および逆相のクロック信号に基づいて動作するシフ
    トレジスタ群にてオンオフ制御されるサンプリングトラ
    ンジスタ群によりサンプリングして画素セルに伝達して
    画像データを表示する表示装置のドライバ回路におい
    て、 並列に接続されたインバータ回路と、NチャネルMOS
    トランジスタとから構成され、正相のクロック信号を入
    力し、そのクロック信号とは逆相のクロック信号を生成
    し出力する反転回路と、 直列に接続されたインバータ回路と、NチャネルMOS
    トランジスタとから構成され、正相のクロック信号を入
    力し、そのクロック信号と同相のクロック信号を生成し
    出力する非反転回路とから構成された相補信号生成回路
    を備え、 前記シフトレジスタ群を構成する各シフトレジスタは、
    前記相補信号生成回路により生成された正相および逆相
    のクロック信号をそれぞれ入力し、それらのクロック信
    号に基づいて入力したスタートパルスを順次伝達して前
    記サンプリングトランジスタ群をそれぞれオンオフ制御
    するようにした表示装置のドライバ回路。
  6. 【請求項6】 前記反転回路と非反転回路には、ダイオ
    ードと抵抗とから構成された入力保護回路をそれぞれ設
    け、その入力保護回路を介してクロック信号を入力する
    ようにした請求項5に記載の表示装置のドライバ回路。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のうちのいずれか1項に記
    載の表示装置のドライバ回路を備えた表示モジュール
    と、 その表示モジュールに接続され、外部からビデオ信号を
    入力し、そのビデオ信号に基づいた画像信号と正相のク
    ロック信号とを生成し、出力する駆動回路部とから構成
    された表示装置。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載の表示装置において、 前記駆動回路部は、 外部からビデオ信号を入力し、そのビデオ信号から同期
    信号を分離する同期分離回路と、 前記同期分離回路により分離された同期信号を入力し、
    その同期信号に基づいて正相のクロック信号等のタイミ
    ング信号を生成するタイミングコントローラと、 前記同期信号が分離されたビデオ信号を入力し、前記タ
    イミングコントローラにより生成されたタイミング信号
    を入力し、そのタイミング信号に基づいて入力したビデ
    オ信号から画像信号を生成し出力するビデオ信号処理回
    路とを備えた表示装置。
  9. 【請求項9】 請求項1〜6のうちのいずれか1項に記
    載の表示装置のドライバ回路において、 前記表示装置のドライバ回路は、多結晶シリコン膜を能
    動層とする薄膜トランジスタによって構成される表示装
    置のドライバ回路。
  10. 【請求項10】 請求項7または請求項8に記載の表示
    装置において、 前記表示装置のドライバ回路は、多結晶シリコン膜を能
    動層とする薄膜トランジスタによって構成される表示装
    置。
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