JPH08209708A - 法面保護工造成用型枠 - Google Patents

法面保護工造成用型枠

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JPH08209708A
JPH08209708A JP1711195A JP1711195A JPH08209708A JP H08209708 A JPH08209708 A JP H08209708A JP 1711195 A JP1711195 A JP 1711195A JP 1711195 A JP1711195 A JP 1711195A JP H08209708 A JPH08209708 A JP H08209708A
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JP
Japan
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side plates
side plate
connecting member
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JP1711195A
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Inventor
Takao Imoto
宝男 井本
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ITOKIN KK
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ITOKIN KK
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Publication date
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  • Pit Excavations, Shoring, Fill Or Stabilisation Of Slopes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 左右一対の側板2・3間に、これら側板2・
3に直交するU字状の内枠6が前後方向に複数並設さ
れ、各内枠6の左右両端に、側板2・3に回動自在に連
結された棒状の連結部材7・8が接合された法面保護工
造成用型枠において、折り畳み形状をコンパクトにして
保管効率や運搬効率を向上する。 【構成】 左右一方の側の連結部材7を内枠6の前面に
接合すると共に、他方の側の連結部材8を内枠6の後面
に接合して、左右いずれの側においても、折り畳み時に
回動する連結部材7・8と側板2・3との間に内枠6を
挟み込まずに折り畳めることを可能とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、切土や盛土または山肌
などの法面(傾斜面)を保護するための法面保護工で使
用される法面保護工造成用型枠に関するものである。
【0002】
【従来の技術】上記のような法面保護工造成用型枠(以
下、型枠と略記する)の具体例が、例えば実公平6-4323
6 号公報に開示されている。その型枠は、図8に示すよ
うに、金網等から成る一対の側板51・52を備えている。
これら側板51・52は、図中、L−Rで示す左右方向に相
対向するように互いに平行に配設され、そして、これら
側板51・52間には、棒鋼を略U字状に曲げ成形した複数
の内枠53…が、前後方向(図中、F−B方向)に所定の
間隔で並べて配設されている。
【0003】各内枠53には、その底部側の水平部53a に
沿って連結横棒54が溶接接合されている。また、水平部
53a の両端から上方に延びる各垂直部53b ・53b の上端
側には、それぞれ対向する側板51・52側に向かって、上
記の連結横棒54に平行に延びる上部連結棒55・55が接合
されている。連結横棒54および各上部連結棒55・55にお
ける側板51・52との連結端には、例えば図9に示すよう
に、金網状の側板51・52における縦線材51a ・52a を囲
うように屈曲させた輪状部55a が設けられ、これによっ
て、連結横棒54および上部連結棒55・55は、側板51・52
に対して回動自在に連結されている。
【0004】このような連結構造により、内枠53が側板
51・52に直交するように位置させた状態(以下、拡幅状
態という)と、同図中二点鎖線で示すように、内枠53が
側板51・52間で傾斜して位置する状態(以下、折り畳み
状態という)との間で、両側板51・52間の厚さ方向の寸
法Tを変更し得るようになっている。なお、同図に示す
ように、連結横棒54および上部連結棒55・55が内枠53に
おける片側の面、例えば前方側(F方向側)の面に接合
されている構造では、拡幅状態から、例えば右側板52に
対して左側板51を前方へと移動させる操作で折り畳みを
行う場合、内枠53における左側板51側の垂直部53b が、
左側板51と連結横棒54および上部連結棒55との間に挟み
込まれることになる。そして、図中二点鎖線で示すよう
に、垂直部53b が左側板51に当接した時点で折り畳み状
態が規制され、折り畳み限界状態となる。
【0005】この折り畳み限界状態での側板51と内枠53
とのなす角α(以下、傾斜角という)については、拡幅
状態においての側板51と内枠53とのなす角をβ(=90度)
とし、また、上部連結棒55の左側板51への連結点、すな
わち、回動中心点から、内枠53における左側垂直部53b
の表面に接する直線をLとして、この直線Lと左側板51
とのなす角をγ(以下、見込み角という)とすると、α
=β−γとなる。
【0006】上記の型枠は、折り畳み状態で保管や運搬
が行われ、工事現場において拡幅状態として法面に設置
される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た従来の型枠においては、内枠53の厚さ寸法(内枠53を
構成する棒鋼の径)に応じて、両側板51・52間で内枠53
が大きく傾斜した状態までしか折り畳むことができな
い。すなわち、内枠53の厚さ寸法に応じて、前記した見
込み角γは90度よりもかなり小さなものとなり、このた
め、折り畳み限界状態での傾斜角αが比較的大きくなっ
て、折り畳み状態が充分にはコンパクト化されない。こ
のため、保管時や運搬時に過大な専有空間が必要となっ
て、保管効率や運搬効率が低下するという問題を有して
いる。
【0008】本発明は、上記した従来の問題点を解決す
るためになされたもので、よりコンパクトな折り畳み状
態となし得ることによって、保管効率や運搬効率の向
上、さらには作業性を向上し得る法面保護工造成用型枠
を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、前述の目的を
達成するために次の技術的手段を講じている。すなわ
ち、請求項1記載の法面保護工造成用型枠(以下、型枠
と略記する)は、左右一対の側板と、これら側板間で前
後方向に所定の間隔で並設される複数の内枠と、各内枠
の左右両側から各々対向する側板に向かう方向に延びる
と共に先端側が側板に回動自在に連結された複数の連結
部材とを備える型枠において、左右一方の側の連結部材
が内枠における前方側の面に接合される一方、他方の側
の連結部材が内枠における後方側の面に接合されている
ことを特徴としている。
【0010】請求項2記載の型枠は、左右一対の側板
と、これら側板間で前後方向に所定の間隔で並設される
複数の内枠と、各内枠の左右両側から各々対向する側板
に向かう方向に延びてと共に先端側が側板に回動自在に
連結された複数の連結部材とを備える法面保護工造成用
型枠において、少なくとも左右一方の側の連結部材は、
内枠における前後方向の一方の面への接合箇所に対し、
側板との連結箇所が内枠における前後方向の他方の面側
に位置するように、内枠の端部と側板との間で屈曲され
ていることを特徴としている。
【0011】なお、上記の側板が各々複数の縦線材と横
線材とを格子状にした金網から成る場合、特定部位の横
線材の間隔が他の部位の間隔よりも広げて形成され、各
連結部材は間隔の広い横線材間における縦線材に回動自
在に、かつ、縦線材に沿ってスライド自在に連結されて
いることが望ましい。
【0012】
【作用】請求項1記載の型枠において、例えば、左側の
連結部材が内枠における後方側の表面に接合され、ま
た、右側の連結部材が内枠における前方側の表面に接合
されている場合、左側の側板を右側の側板に対して前方
に相対的に移動させながら両側板の間隔を狭めていくよ
うな折り畳み操作が行われる。
【0013】このとき、左右いずれの側でも、連結部材
と側板間に内枠の端部が挟み込まれる状態とはならず、
したがって、従来、このような状態が生じることによる
折り畳み状態の限界が解消される。このため、左右両側
での連結部材と側板とのなす角度がより小さくなるま
で、折り畳むことが可能となり、よりコンパクトな折り
畳み状態とすることができる。
【0014】請求項2記載の型枠において、例えば、左
側の連結部材が内枠の前方側の面に接合され、かつ、前
記した屈曲形状である場合、左側の側板を右側の側板に
対して前方に相対的に移動させる折り畳み操作が行われ
る。このとき、内枠の傾斜に伴って、左側の連結部材と
側板との間に内枠の左端側が挟み込まれる状態となる
が、連結部材が前記した屈曲形状であることにより、内
枠の左端側が側板に当接するまでの回動可能範囲は従来
よりも大きくなる。
【0015】すなわち、前記した従来例の説明図である
図9を参照して説明すると、図中実線にて示す内枠53か
ら図において上方に延びる連結部材55が後方(B方向)
に屈曲しているとすれば、この連結部材55の側板51への
連結箇所、すなわち、回動中心点は、図の位置よりも後
方に位置する。この結果、回動中心点から内枠の後方側
の表面に接する直線Lと側板とがなす前記の見込み角
γ、すなわち、回動可能範囲は大きくなる。これによ
り、折り畳み状態での内枠の傾斜角αが従来よりも小さ
くなり、よりコンパクトな折り畳み状態とすることがで
きる。
【0016】
【実施例】
〔実施例1〕以下、本発明の実施例を図面に基づき説明
する。図2に示すように、本実施例に係る法面保護工造
成用型枠(以下、型枠と略記する)1は、左右方向(図
中、L−R方向)に相対向して配置された一対の側板2
・3を備えている。これら側板2・3は、各々、鋼製の
針金から成る複数の縦線材4…と横線材5…とを格子状
に配設し、各交点を電気抵抗溶接等により相互に接合し
て形成された金網から成り、前後方向(図中、F-B 方
向)に長い帯板状に形成されている。
【0017】両側板2・3間には、スターラップと称さ
れる複数の内枠6…が、前後方向に所定の間隔で配置さ
れている。これら内枠6…は、それぞれ、下部側で略水
平に延びる水平部6aと、この水平部6aの両端から上方に
各々延びる垂直部6b・6bとを有する略U字形状に、例え
ば直径10mm程度の棒鋼を曲げ成形して形成されてい
る。
【0018】上記のように略U字形状をなす内枠6は、
水平部6aと垂直部6b・6bとの各軸心を含む面を想定した
ときに、この面が垂直で、かつ、両側板2・3に直交す
るように、後述する連結部材7〜10によって、両側板2
・3間に支持されている。なお、以下では、上記の配設
状態において、前方(F方向)側から内枠6の全体に接
する面を内枠6の前面、後方(B方向)側から接する面
を内枠6の後面と称して説明する。これら前面と後面と
の間隔が内枠6の厚さ寸法であり、これは、使用する棒
鋼の径寸法に相当する。
【0019】各内枠6における垂直部6b・6bの上端近傍
の位置には、対向する側板2・3方向にそれぞれ延びる
上部連結部材7・8が設けられている。また、各内枠6
における水平部6aと垂直部6bとの間の湾曲したコーナー
部6c・6cの位置にも、上記同様に、対向する側板2・3
方向にそれぞれ延びる下部連結部材9・10が設けられて
いる。これら連結部材7〜10は、それぞれ、例えば直径
が4mm程度の小径の棒鋼より成り、その軸心を内枠6
の水平部6aに平行にして、各内方端側が内枠6に溶接接
合されている。
【0020】そして、これら連結部材7〜10のうち、図
中左側(L側)の連結部材7・9は、内枠6におけるコ
ーナー部6cと垂直部6bとの前記した後面に接する部位に
接合箇所が設定されている。また、図中右側(R側)の
連結部材9・10は、内枠6の前記した前面に接する部位
に接合されている。一方、各連結部材7〜10における各
側板2・3側の端部は、それぞれ、側板2・3の所定の
縦線材4を囲うように輪状に屈曲成形され、これによ
り、水平面内での回動自在な連結構造となされている。
さらに詳細には、例えば左側の上部連結部材7は、図1
中、実線にて示すように、内枠6への接合点eから左側
の側板2に至る直線部分7aが、縦線材4を囲う輪状部7b
における接線方向に延びる形状で形成されている。
【0021】このような形状によれば、上部連結部材7
に対し、縦線材4を中心に図において左回りの回動を、
隣りの縦線材4に干渉されることなく90度の範囲で生じ
させることができる。すなわち、直線部分7aの全体が側
板2に沿って密着する位置までの回動が可能である。し
かも、上記の輪状部7bの形状は、内枠6への接合点eか
ら側板2方向に延びる棒鋼の先端部を、図の場合には右
回りの一方向の屈曲成形で形成することができので、成
形も容易である。
【0022】なお、右側の上部連結部材8の端部も、上
記同様の輪状部8bとして形成されており、また、図2に
示すように、下側の各連結部材9・10の端部も、これら
の上方の各上部連結部材7・8と同形状の輪状部9b・10
b として形成されている。一方、左右の側板2・3にお
ける縦線材4…のピッチはほぼ一定に設定されている
が、横線材5…のピッチは、上下方向に異なる構成とな
っている。すなわち、上端側4本の横線材5…のピッチ
は強度を確保するために比較的小さくし、その下側で
は、各連結部材7〜10が連結される部位が、他の部位よ
りも広いピッチとされている。これにより、各連結部材
7〜10、すなわち、内枠6は、上記のように広げられた
横線材間にわたって上下方向にスライド自在な連結構造
ともなっている。
【0023】なお、各上部連結部材7・8は、内枠6に
おける垂直部6bから所定の長さだけ内方に突出する長さ
寸法で作製されている。また、内枠6の水平部6aには、
その中央部に、さらに、直径4mm程度の小径の棒鋼を
略U字状に曲げ成形して形成した底当て部材11の上端側
が溶接接合されている。ここで、上記の金網状の側板2
・3についての具体的な数値を例示すれば、高さ寸法約
300mm、両側板2・3間の間隔約 310mm、縦線材の
直径2.5mm、横線材の直径2.2mm、縦線材のピッチ
25mmである。また、横線材のピッチは、上端側4本間
で10mm・15mm・15mmであり、その下側では、各連
結部材9〜10が連結される部位で28mm、その他の部位
で約20mmである。
【0024】上記構成の型枠1は、図2に示す拡幅状
態、すなわち、内枠6…が両側板2・3間に直交して位
置する状態から、左側の側板(以下、左側板という)2
を右側の側板(以下、右側板という)3に対して相対的
に前方(F方向)に移動させる操作によって、後述する
折り畳み状態とすることができる。なお、上記した拡幅
状態と折り畳み状態との移動過程では、左側の上部連結
部材7と下部連結部材9とは互いに同一の動作状態とな
るので、以降は、上部連結部材7を左連結部材7と称し
て説明し、下部連結部材9についての説明は省略する。
また、右側についても、上記同様に、上部連結部材8を
右連結部材8と称して説明し、下部連結部材10について
の説明は省略する。
【0025】前記した折り畳み操作が行われる場合、図
1に示されているように、左右いずれの側での連結部材
7・8についても、これらが側板2・3に密着する側へ
と回動するとき、その回動方向には内枠6は存在しな
い。したがって、これら連結部材7・8は、前述したよ
うに、それぞれ直線部7a・8aが左側板2・右側板3に沿
って密着するまで回動させることができる。この結果、
同図中一点鎖線で示すように、内枠6が両側板2・3に
平行になった折り畳み状態となり、この状態では、両側
板2・3間の間隔は、内枠6の厚さ寸法に、各連結部材
7・8の径寸法を加えた値に相当する寸法まで狭められ
た状態となっいる。
【0026】このようにコンパクトな折り畳み状態にし
得ることによって、例えば保管や運搬時での専有空間を
極力小さくすることができるので、保管効率や運搬効率
が向上する。また、持ち運びも容易になるので、作業性
が向上する。なお、上記の型枠1は、法面保護工を行う
工事現場で前記の拡幅状態に広げられ、法面に沿って設
置される。その後、図3に示すように、内枠6の両コー
ナー部6c・6cに、側板2・3の長手方向に沿って棒鋼よ
り成る下部主鉄筋12・12が各々配設され、これら下部主
鉄筋は、細い針金等から成る結束線13を用いて内枠6と
交差する部分で結束される。
【0027】次いで、上部連結部材9・10における内枠
6からの内方への突出部分に、上部主鉄筋14・14が載置
され、さらに、逆U字状の上部内枠15が、内枠6の上端
に連なるように配設される。そして、上記同様に結束線
13を用いて、上部主鉄筋14・14と上部内枠15とが内枠6
に結束される。このような主鉄筋12・14の配筋作業が、
図4に示すように、全体が碁盤の目状を呈するように組
み合わせて設置された型枠1…に沿って行われる。その
後、型枠1…にモルタル及びコンクリートが打設され、
表面をコテ等で仕上げることによって、法面保護用の法
枠16が構築される。
【0028】ところで、法面への型枠1の設置時には、
図3に示されているように、両側板2・3の下縁と共に
前記底当て部11も、法面への接地状態となる。これによ
り、下部主鉄筋12・12を所定の高さ位置で配筋できるよ
うになっている。しかしながら、法面にわずかに起伏が
ある場合等には、各内枠6…間で上下方向の位置が異な
り、例えば主鉄筋12を配設すべきコーナー部6cが一直線
上に位置しないことになる。
【0029】このように、配設すべき位置と実際に載置
された主鉄筋12の位置とにずれが生じると、結束作業が
困難になったり、強固な結束状態が得られなくなる。こ
のようなずれは、法面の起伏だけによらず、例えば主鉄
筋12の曲がりによっても生じ、さらには、主鉄筋12同士
を各端部でオーバーラップさせて相互に結束し、これに
より、段差を生じた接続状態で主鉄筋12が使用される場
合にも、上記のずれが生じる。
【0030】そこで、このようなずれを解消し、主鉄筋
12の実際の配設位置に合わせて各内枠6を上下に移動可
能なように、前記の各連結部材7〜10は側板2・3の各
縦線材4に巻付けられ、この縦線材4に沿って上下にス
ライド可能となっている。そして、本実施例において
は、各連結部材7〜10が連結されている部位の横線材5
間の間隔が広く、その分、上記のスライド可能範囲が大
きくなっている。これによって、前記したずれの許容範
囲が大きくなる。この結果、結束作業ができなくなる等
のために型枠1の設置状態を修正する作業等の必要性が
少なくなるので、これによっても、作業性が向上する。
【0031】以上の説明のように、本実施例の型枠1で
は、左連結部材7が内枠6の前面に接合される一方、右
連結部材8が内枠6の後面に接合されている。これによ
り、左右いずれの側でも、連結部材7・8と側板2・3
との間に内枠6の端部を挟み込まない折り畳み状態とす
ることができる。このため、側板2・3に対し、内枠6
がより平行に近い状態となるまで折り畳むことが可能と
なって、コンパクトな折り畳み状態とすることができ
る。
【0032】特に、上記実施例では、各連結部材7・8
が側板2・3に密着するまで回動し得る連結構造を採用
していることにより、内枠6が側板2・3に平行な折り
畳み状態となるので、さらにコンパクト化を図り得るも
のとなっている。 〔実施例2〕次に、本発明の他の実施例について説明す
る。なお、説明の便宜上、前記の実施例1で示した部材
と同一の機能を有する部材には、同一の符号を付記して
説明を省略する。
【0033】本実施例に係る型枠1は、図5中、実線に
て示すように、左連結部材7の形状が前記実施例1とは
相違し、他の構成はほぼ同一である。すなわち、本実施
例での左連結部材7は、内枠6への接合箇所が、右連結
部材8と同様に内枠6の前面に設定されると共に、左側
板2への連結箇所が内枠6への接合箇所よりも後方に位
置するように、内枠6と左側板2との間で後方に屈曲さ
れている。特に、本実施例においては、上記の屈曲角
は、左側板2への連結箇所が内枠6の後面の延長線上に
略一致するように設定されている。
【0034】これにより、図中一点鎖線で示すような折
り畳み状態とすることが可能になる。すなわち、実線で
示す拡幅状態から、左側板2を右側板3に対して前方
(F方向)へと相対的に移動させる折り畳み操作を行う
と、その移動に伴って左連結部材7が左側板2への連結
点の回りに、図において左回りに回動する。この回動範
囲は、上記の連結点を通る直線のうち、内枠6の後方端
に接する直線Lと、左側板2とのなす角γとなる。特
に、本実施例においては、上記の直線Lが内枠6の後面
にほぼ一致するように設定されているので、上記のγは
ほぼ90度となる。
【0035】なお、右連結部材8は、前記実施例同様の
構成であるので、左側板2の前方への移動に伴って図に
おいて左回りに回動し、その回動可能範囲も前記実施例
同様に90度である。この結果、図中一点鎖線で示すよう
に、内枠6が側板2・3に平行に、かつ、密着して重な
るような折り畳み状態が得られる。この折り畳み状態で
は、内枠6と左側板2との間には連結部材が介在せず、
したがって、両側板2・3間の間隔は、左連結部材7の
直径寸法分、前記実施例よりもさらに小さくなってい
る。
【0036】しかも、本実施例の型枠1においては、内
枠6に溶接等による接合作業が必要な左右の連結部材7
〜10、さらには底当て部材11の接合部位が、全て、内
枠6の前面に位置している。したがって、溶接作業にお
いて、内枠6を途中で反転させる等の作業が不要となる
ので、作業性が向上する。このように上記では、左連結
部材7は、側板2との連結点が内枠6の前面での接合点
よりも後方に位置するように屈曲されている。これによ
って、左連結部材7と側板2との間に内枠6の端部を挟
み込んだ状態で折り畳まれても、左連結部材7の回動角
が大きくなる。この結果、内枠6を側板2・3により平
行に近づけることができるので、よりコンパクトな折り
畳み状態とすることができる。特に、上記実施例のよう
に、側板2との連結点が内枠6の後面の延長線上に略一
致するような屈曲形状とすれば、内枠6が側板2・3に
ほぼ平行な状態となり、これによって、さらにコンパク
ト化された折り畳み状態とし得るものになっている。
【0037】〔実施例3〕本発明のさらに他の実施例に
ついて説明する。図6に示すように、本実施例の型枠1
は前記実施例2の構成とほぼ同様であり、相違する点
は、右連結部材8も屈曲されていることである。この屈
曲形状は輪状部8bを考慮して定めたもので、同図に示す
折り畳み状態で、右側板3に対して傾斜する傾斜部8c
が、右側板3側に存するように屈曲されている。そし
て、この傾斜部8cの端部に前記同様の輪状部8bが形成さ
れている。このとき、縦線材4を囲うように輪状に曲げ
成形した後の傾斜部8cに近接する先端部8dは、折り畳み
状態でも、右側板3よりも充分内側に位置するものとな
る。なお、左側板2に対する左連結部材7も上記と同様
である。
【0038】この構成では、側板2・3間に右連結部材
8の屈曲形状に応じた空間が生じ、前記実施例1・2の
構成に比べて折り畳み寸法がやや大きくなる。しかしな
がら、連結部材7・8の端面7d・8d、すなわち、線材の
切断によって鋭利な角部を有する端面が、側板2・3よ
りも充分内側に位置することから、作業者の指先などが
上記の鋭利な端面に触れて怪我をするというおそれが低
減する。これにより、持ち運び等の作業が容易になり、
作業性が向上する。
【0039】〔実施例4〕本発明のさらに他の実施例に
ついて説明する。本実施例では、前記実施例2における
左連結部材7の屈曲構造を、図7に示すように、右連結
部材8にも適用して型枠1が構成されている。この型枠
1では、左右連結部材7・8と側板2・3との間に、そ
れぞれ内枠6の端部を挟み込んだ折り畳み状態となる
が、いずれの側でも、前記実施例2と同様に、左右連結
部材7・8は各々90度に相当する回動が可能であって、
図のように、内枠6が側板2・3に平行な折り畳み状態
となる。
【0040】したがって、前記実施例2とほぼ同様にコ
ンパクトな折り畳み状態とすることができると共に、さ
らに、実施例3と同様に、各連結部材7・8における輪
状部7b・8bの鋭利な先端面7d・8dが側板2・3の内方に
位置することで安全性が向上し、これによって、より作
業性が向上したものとなっている。なお、上記各実施例
では、複数の縦線材4と横線材5とを相互に溶接した溶
接金網で側板2・3を構成した例を挙げて説明したが、
クリンプ網構造等のその他の金網を用いて構成すること
も可能である。また、本発明の請求項1・2記載の型枠
においては、例えば硬質プラスチック板等のその他の板
状体で側板を構成とすることも可能であり、さらに、各
連結部材7〜10における側板2・3との連結構造も、回
動可能な構成であれば上記実施例以外の任意の構造を採
用することが可能である。
【0041】
【発明の効果】本発明によれば、左右両側での連結部材
と側板とのなす角度がより小さくなった折り畳み状態、
すなわち、内枠と側板とが互いに平行に近くなった折り
畳み状態とすることができ、よりコンパクトな状態とす
ることができるので、保管時や運搬時での専有空間をよ
り少なくすることが可能になる。この結果、保管効率や
運搬効率を向上することができ、また、持ち運びが容易
になるので作業性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例での型枠の拡幅状態と折り畳
み状態とを示す平面図である。
【図2】上記型枠の斜視図である。
【図3】上記型枠を用いた法面保護工施工時の使用状態
を示す正面図である。
【図4】上記型枠を用いた法面保護工施工状態を示す斜
視断面図である。
【図5】本発明の他の実施例における型枠の拡幅状態と
折り畳み状態とを示す平面図である。
【図6】本発明のさらに他の実施例における型枠の折り
畳み状態を示す平面図である。
【図7】本発明のさらに他の実施例における型枠の折り
畳み状態を示す平面図である。
【図8】従来の型枠の斜視図である。
【図9】図8に示した従来の型枠の拡幅状態と折り畳み
状態とを示す平面図である。
【符号の説明】
2 左側板 3 右側板 4 縦線材 5 横線材 6 内枠 7 左側の上部連結部材 8 右側の上部連結部材 9 左側の下部連結部材 10 右側の下部連結部材

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 左右一対の側板と、これら側板間で前後
    方向に所定の間隔で並設される複数の内枠と、各内枠の
    左右両側から各々対向する側板に向かう方向に延びると
    共に先端側が側板に回動自在に連結された複数の連結部
    材とを備える法面保護工造成用型枠において、 左右一方の側の連結部材が内枠における前方側の面に接
    合される一方、他方の側の連結部材が内枠における後方
    側の面に接合されていることを特徴とする法面保護工造
    成用型枠。
  2. 【請求項2】 左右一対の側板と、これら側板間で前後
    方向に所定の間隔で並設される複数の内枠と、各内枠の
    左右両側から各々対向する側板に向かう方向に延びてと
    共に先端側が側板に回動自在に連結された複数の連結部
    材とを備える法面保護工造成用型枠において、 少なくとも左右一方の側の連結部材は、内枠における前
    後方向の一方の面への接合箇所に対し、側板との連結箇
    所が内枠における前後方向の他方の面側に位置するよう
    に、内枠の端部と側板との間で屈曲されていることを特
    徴とする法面保護工造成用型枠。
  3. 【請求項3】 上記の側板が各々複数の縦線材と横線材
    とを格子状にした金網から成ると共に、特定部位の横線
    材の間隔が他の部位の間隔よりも広げて形成され、各連
    結部材は間隔の広い横線材間における縦線材に回動自在
    に、かつ、縦線材に沿ってスライド自在に連結されてい
    ることを特徴とする請求項1又は2記載の法面保護工造
    成用型枠。
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