JPH08209474A - ポリエステル混繊糸 - Google Patents
ポリエステル混繊糸Info
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- JPH08209474A JPH08209474A JP1538695A JP1538695A JPH08209474A JP H08209474 A JPH08209474 A JP H08209474A JP 1538695 A JP1538695 A JP 1538695A JP 1538695 A JP1538695 A JP 1538695A JP H08209474 A JPH08209474 A JP H08209474A
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- JP
- Japan
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- yarn
- polyester
- shd
- filament
- denier
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- Yarns And Mechanical Finishing Of Yarns Or Ropes (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 熱伸長糸を含む混繊糸において十分な張り
腰感を与える婦人物衣料、紳士物衣料及び生活資材用等
に有用な織編物用のポリエステル混繊糸を提供する。 【構成】 単糸が3.0デニール以下の熱伸長糸と単
糸が3.0〜10.0デニールで10%伸長時応力が1
0g以上の熱収縮糸とのポリエステル混繊糸。
腰感を与える婦人物衣料、紳士物衣料及び生活資材用等
に有用な織編物用のポリエステル混繊糸を提供する。 【構成】 単糸が3.0デニール以下の熱伸長糸と単
糸が3.0〜10.0デニールで10%伸長時応力が1
0g以上の熱収縮糸とのポリエステル混繊糸。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はポリエステル混繊糸に関
し、更に詳しくは折織編物にソフト感、ふくらみ感、十
分な張り腰感、弾撥感、を提供し得るポリエステル混繊
糸に関する。
し、更に詳しくは折織編物にソフト感、ふくらみ感、十
分な張り腰感、弾撥感、を提供し得るポリエステル混繊
糸に関する。
【0002】
【従来技術】ポリエステルマルチフィラメントは衣料用
途をはじめ生活資材用途、産業資材用途等に広く用いら
れている。主に衣料用途織編物のふくらみ感、ソフト感
ドレープ性等を向上させるため、異なる沸水収縮率を有
するポリエステルマルチフィラメントを複数本合糸、混
繊して得られる異収縮混繊糸が良く知られている。従来
の異収縮混繊糸は糸として熱処理されると収縮率差が顕
在化し、糸長差を発現するが、織編物の組織拘束力下で
は、熱処理されても十分な糸長差を発現せず、ふくらみ
感に不足する場合があった。そこで熱処理により伸長す
るポリエステルマルチフィラメントと収縮するポリエス
テルマルチフィラメントの混繊糸が提案されており、特
公平4−18051号公報はその代表的なものである。
前記公報に記載の織編物用潜在嵩高性ポリエステル複合
糸条は従来の熱収縮するフィラメントばかりで構成され
た異収縮混繊糸に比較して、織編物とした後、熱処理さ
れる場合の嵩高性において明らかに優れており、格段の
向上が認められる。
途をはじめ生活資材用途、産業資材用途等に広く用いら
れている。主に衣料用途織編物のふくらみ感、ソフト感
ドレープ性等を向上させるため、異なる沸水収縮率を有
するポリエステルマルチフィラメントを複数本合糸、混
繊して得られる異収縮混繊糸が良く知られている。従来
の異収縮混繊糸は糸として熱処理されると収縮率差が顕
在化し、糸長差を発現するが、織編物の組織拘束力下で
は、熱処理されても十分な糸長差を発現せず、ふくらみ
感に不足する場合があった。そこで熱処理により伸長す
るポリエステルマルチフィラメントと収縮するポリエス
テルマルチフィラメントの混繊糸が提案されており、特
公平4−18051号公報はその代表的なものである。
前記公報に記載の織編物用潜在嵩高性ポリエステル複合
糸条は従来の熱収縮するフィラメントばかりで構成され
た異収縮混繊糸に比較して、織編物とした後、熱処理さ
れる場合の嵩高性において明らかに優れており、格段の
向上が認められる。
【0003】但し、該公報に記載の織編物用潜在嵩高性
ポリエステル複合糸条には下記の様な課題が存在する。
即ち、織編物用潜在嵩高性ポリエステル複合糸条が含ん
でいるマルチフィラメントA(熱伸長糸)は20〔%〕
以上といった大きなオーバーフィード率でリラックス熱
処理することによって得られることが同公告公報第8欄
に記されており、破断伸度が50〔%〕以上存在するも
のである。従って、表面のソフトタッチにつながるもの
であるが、十分な張り腰を期待できるマルチフィラメン
トではない。そのため熱収縮糸で、破断強度が4〔g/
デニール〕以上であるマルチフィラメントBが存在し、
同公告公報の第1表の実施例1及び2には破断強度が
5.5〔g/デニール〕、5.2〔g/デニール〕、破
断伸度が31.0〔%〕、35.0〔%〕のものが使用
されており、一定の張り腰を有するものになるが、その
デニール/フィラメントが実施例1では30デニール/
18フィラメント(単繊維デニールは1.67デニー
ル)、実施例2では73デニール/36フィラメント
(単繊維デニールは2.03デニールとなっており、そ
の単繊維デニールの不足からややたらついた風合いにな
り易いものである。
ポリエステル複合糸条には下記の様な課題が存在する。
即ち、織編物用潜在嵩高性ポリエステル複合糸条が含ん
でいるマルチフィラメントA(熱伸長糸)は20〔%〕
以上といった大きなオーバーフィード率でリラックス熱
処理することによって得られることが同公告公報第8欄
に記されており、破断伸度が50〔%〕以上存在するも
のである。従って、表面のソフトタッチにつながるもの
であるが、十分な張り腰を期待できるマルチフィラメン
トではない。そのため熱収縮糸で、破断強度が4〔g/
デニール〕以上であるマルチフィラメントBが存在し、
同公告公報の第1表の実施例1及び2には破断強度が
5.5〔g/デニール〕、5.2〔g/デニール〕、破
断伸度が31.0〔%〕、35.0〔%〕のものが使用
されており、一定の張り腰を有するものになるが、その
デニール/フィラメントが実施例1では30デニール/
18フィラメント(単繊維デニールは1.67デニー
ル)、実施例2では73デニール/36フィラメント
(単繊維デニールは2.03デニールとなっており、そ
の単繊維デニールの不足からややたらついた風合いにな
り易いものである。
【0004】
【課題を解決しようとする課題】本発明は前記の様な従
来の熱処理により伸長するポリエステルマルチフィラメ
ントと収縮するポリエステルマルチフィラメントの混繊
糸が持つ張り腰の不足を補い、且つ織編物の拘束力下に
おいても十分なソフト感、バルキー感を現出し得るポリ
エステル混繊糸を提供しようとするものである。
来の熱処理により伸長するポリエステルマルチフィラメ
ントと収縮するポリエステルマルチフィラメントの混繊
糸が持つ張り腰の不足を補い、且つ織編物の拘束力下に
おいても十分なソフト感、バルキー感を現出し得るポリ
エステル混繊糸を提供しようとするものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】即ち本発明は、ポリエ
ステルマルチフィラメントA及びBを含んで構成された
ポリエステル混繊糸であって、下記式(1)〜(6)を
満足することを特徴とするポリエステル混繊糸。 SHD(A)〔%〕≦0………………………………………………………(1) SHD(B)〔%〕>0………………………………………………………(2) SHD(B)〔%〕−SHD(A)〔%〕≧5.0………………………(3) D/f(A)〔den〕≦3.0≦D/f(B)〔den〕≦10.0(4) ST10/f(B)〔g〕≧10.0………………………………………(5) 20≦Di〔ケ/m〕≦100………………………………………………(6) (但し、SHD(A)はポリエステルマルチフィラメン
トAの160℃乾熱収縮率〔%〕、SHD(B)はポリ
エステルマルチフィラメントBの160℃乾熱収縮率
〔%〕、D/f(A)はポリエステルマルチフィラメン
トAの単繊維デニール〔den〕、D/f(B)はポリ
エステルマルチフィラメントBの単繊維デニール〔de
n〕、ST10/f(B)はポリエステルマルチフィラ
メントBの単繊維10%伸張時応力〔g〕、Diは混繊
糸の交絡度〔ケ/m〕を示す。)である。
ステルマルチフィラメントA及びBを含んで構成された
ポリエステル混繊糸であって、下記式(1)〜(6)を
満足することを特徴とするポリエステル混繊糸。 SHD(A)〔%〕≦0………………………………………………………(1) SHD(B)〔%〕>0………………………………………………………(2) SHD(B)〔%〕−SHD(A)〔%〕≧5.0………………………(3) D/f(A)〔den〕≦3.0≦D/f(B)〔den〕≦10.0(4) ST10/f(B)〔g〕≧10.0………………………………………(5) 20≦Di〔ケ/m〕≦100………………………………………………(6) (但し、SHD(A)はポリエステルマルチフィラメン
トAの160℃乾熱収縮率〔%〕、SHD(B)はポリ
エステルマルチフィラメントBの160℃乾熱収縮率
〔%〕、D/f(A)はポリエステルマルチフィラメン
トAの単繊維デニール〔den〕、D/f(B)はポリ
エステルマルチフィラメントBの単繊維デニール〔de
n〕、ST10/f(B)はポリエステルマルチフィラ
メントBの単繊維10%伸張時応力〔g〕、Diは混繊
糸の交絡度〔ケ/m〕を示す。)である。
【0006】本発明のポリエステル混繊糸は少なくとも
ポリエステルマルチフィラメントA及びBを含んで構成
される。ポリエステルマルチフィラメントAは後述の測
定法によるSHD(160℃乾熱収縮率)が0〔%〕以
下であることが必要である。これは、実質的にポリエス
テルマルチフィラメントAが熱により伸長する特性を有
することを示している。SHD(A)が0〔%〕より大
なる場合、混繊糸を構成するすべてのフィラメントが熱
収縮することになり、従来の異収縮混繊糸と同様に織編
物の拘束力下での染色加工時の熱処理による糸長差が不
十分になり、ふくらみ感に不足する。より好ましくは−
15.0〔%〕以上−2.0〔%〕以下である。
ポリエステルマルチフィラメントA及びBを含んで構成
される。ポリエステルマルチフィラメントAは後述の測
定法によるSHD(160℃乾熱収縮率)が0〔%〕以
下であることが必要である。これは、実質的にポリエス
テルマルチフィラメントAが熱により伸長する特性を有
することを示している。SHD(A)が0〔%〕より大
なる場合、混繊糸を構成するすべてのフィラメントが熱
収縮することになり、従来の異収縮混繊糸と同様に織編
物の拘束力下での染色加工時の熱処理による糸長差が不
十分になり、ふくらみ感に不足する。より好ましくは−
15.0〔%〕以上−2.0〔%〕以下である。
【0007】ポリエステルマルチフィラメントBのSH
Dは0〔%〕より大なることが必要である。SHD
(B)が0〔%〕以下である場合には混繊糸を構成する
すべてのフィラメントが熱伸長することになり、染色加
工時の熱処理により、結果的に糸長差が小さくなり、ソ
フトではあるがふくらみ感に欠けた風合いとなる。より
好ましくはSHD(B)は5.0〔%〕以上80.0
〔%〕以下である。又、染色加工時の熱処理により、十
分な糸長差を発現し、ふくらみ感を満足させるために
は、ポリエステルマルチフィラメントBのSHD(SH
D(B))とポリエステルマルチフィラメントAのSH
D(SHD(A)))との差が5.0〔%〕以上である
ことが必要である。前記のSHDの差が5.0〔%〕未
満の場合には、SHD(A)≦0〔%〕、SHD(B)
>0〔%〕を共に満足していても、熱処理後の糸長差が
不足し、ふくらみ感が不足する。両マルチフィラメント
のSHDの差は、より好ましくは、10.0〔%〕以
上、95.0〔%〕以下である。
Dは0〔%〕より大なることが必要である。SHD
(B)が0〔%〕以下である場合には混繊糸を構成する
すべてのフィラメントが熱伸長することになり、染色加
工時の熱処理により、結果的に糸長差が小さくなり、ソ
フトではあるがふくらみ感に欠けた風合いとなる。より
好ましくはSHD(B)は5.0〔%〕以上80.0
〔%〕以下である。又、染色加工時の熱処理により、十
分な糸長差を発現し、ふくらみ感を満足させるために
は、ポリエステルマルチフィラメントBのSHD(SH
D(B))とポリエステルマルチフィラメントAのSH
D(SHD(A)))との差が5.0〔%〕以上である
ことが必要である。前記のSHDの差が5.0〔%〕未
満の場合には、SHD(A)≦0〔%〕、SHD(B)
>0〔%〕を共に満足していても、熱処理後の糸長差が
不足し、ふくらみ感が不足する。両マルチフィラメント
のSHDの差は、より好ましくは、10.0〔%〕以
上、95.0〔%〕以下である。
【0008】本発明のポリエステル混繊糸が織編物表面
のソフト感を満足させるためにはポリエステルマルチフ
ィラメントAの単繊維デニール(D/f(A))が比較
的小なることが好ましく、3.0〔den〕以下である
ことが必要である。3.0〔den〕を越える場合には
風合いが粗硬になるので好ましくない。より好ましくは
0.1〔den〕以上、2.5〔den〕以下である。
のソフト感を満足させるためにはポリエステルマルチフ
ィラメントAの単繊維デニール(D/f(A))が比較
的小なることが好ましく、3.0〔den〕以下である
ことが必要である。3.0〔den〕を越える場合には
風合いが粗硬になるので好ましくない。より好ましくは
0.1〔den〕以上、2.5〔den〕以下である。
【0009】一方、本発明のポリエステル混繊糸が織編
物に十分な張り腰感を与えるためにはポリエステルマル
チフィラメントBの単繊維デニール(D/f(B))が
大きいことが好ましく、3.0〔den〕以上10.0
〔den〕以下であることが必要である。3.0〔de
n〕未満の場合、張り腰感において、従来の混繊糸織編
物と差の無い、たらついた風合いとなるので好ましくな
い。但し、あまりにポリエステルマルチフィラメントB
の単繊維デニールが大きくなり過ぎると風合いに粗硬感
が現れる他、ポリエステルマルチフィラメントAとの混
繊性が悪くなるので10.0〔den〕以下であること
が必要である。ポリエステルマルチフィラメントBの単
繊維デニールはより好ましくは5.0〔den〕以上
8.5〔den〕以下である。
物に十分な張り腰感を与えるためにはポリエステルマル
チフィラメントBの単繊維デニール(D/f(B))が
大きいことが好ましく、3.0〔den〕以上10.0
〔den〕以下であることが必要である。3.0〔de
n〕未満の場合、張り腰感において、従来の混繊糸織編
物と差の無い、たらついた風合いとなるので好ましくな
い。但し、あまりにポリエステルマルチフィラメントB
の単繊維デニールが大きくなり過ぎると風合いに粗硬感
が現れる他、ポリエステルマルチフィラメントAとの混
繊性が悪くなるので10.0〔den〕以下であること
が必要である。ポリエステルマルチフィラメントBの単
繊維デニールはより好ましくは5.0〔den〕以上
8.5〔den〕以下である。
【0010】前記の様に、ポリエステルマルチフィラメ
ントBの単繊維デニールはかなり大きなものであるが、
その構成フィラメントの初期モジュラスが小さい場合、
張り腰感が不十分になる。これは織編物に外力が与えら
れた場合の繊維軸方向の変形が容易になるためと考えら
れる。そこで、本発明のポリエステル混繊糸を構成する
ポリエステルマルチフィラメントは後述の測定法による
単繊維10%伸長時応力(ST10/f(B))が1
0.0〔g〕以上であることが必要である。ST10/
f(B)が10.0〔g〕未満の場合には、D/f
(B)が3.0〔den〕以上10.0〔den〕以下
の範囲を満足していても張り腰感が満足しない。ST1
0/f(B)はより好ましくは15.0〔g〕以上であ
る。但し、あまりにST10/f(B)が大き過ぎると
曲げ硬さが顕著になるので55.0〔g〕以下が好まし
い。
ントBの単繊維デニールはかなり大きなものであるが、
その構成フィラメントの初期モジュラスが小さい場合、
張り腰感が不十分になる。これは織編物に外力が与えら
れた場合の繊維軸方向の変形が容易になるためと考えら
れる。そこで、本発明のポリエステル混繊糸を構成する
ポリエステルマルチフィラメントは後述の測定法による
単繊維10%伸長時応力(ST10/f(B))が1
0.0〔g〕以上であることが必要である。ST10/
f(B)が10.0〔g〕未満の場合には、D/f
(B)が3.0〔den〕以上10.0〔den〕以下
の範囲を満足していても張り腰感が満足しない。ST1
0/f(B)はより好ましくは15.0〔g〕以上であ
る。但し、あまりにST10/f(B)が大き過ぎると
曲げ硬さが顕著になるので55.0〔g〕以下が好まし
い。
【0011】本発明のポリエステル混繊糸には流体交絡
処理が施されており、後述の測定法による交絡度(D
i)が20〔ケ/m〕以上100〔ケ/m〕以下である
ことが必要である。これは撚糸、製編織等後工程での取
扱性を満足させるためである。Diが20〔ケ/m〕未
満の場合には構成フィラメント間の一体性に欠け、後工
程での取扱性が損なわれるため好ましくない。100
〔ケ/m〕を越える場合には混繊糸の構成フィラメント
同志が織編物中で動きづらくなるので染色加工時の熱処
理後のふくらみ感を発現させ難くなり、風合いが硬化
し、好ましくない。
処理が施されており、後述の測定法による交絡度(D
i)が20〔ケ/m〕以上100〔ケ/m〕以下である
ことが必要である。これは撚糸、製編織等後工程での取
扱性を満足させるためである。Diが20〔ケ/m〕未
満の場合には構成フィラメント間の一体性に欠け、後工
程での取扱性が損なわれるため好ましくない。100
〔ケ/m〕を越える場合には混繊糸の構成フィラメント
同志が織編物中で動きづらくなるので染色加工時の熱処
理後のふくらみ感を発現させ難くなり、風合いが硬化
し、好ましくない。
【0012】本発明のポリエステル混繊糸を構成するポ
リエステルマルチフィラメントAの構成フィラメント断
面形状は通常の丸断面、多葉断面、多角断面、偏平断
面、中空断面、その他特殊異形断面のどの様なものも適
用可能である。ポリエステルマルチフィラメントBの構
成フィラメント断面形状はポリエステルマルチフィラメ
ントA同様、どの様なものも適用可能であるが、8葉断
面あるいは8角断面であることが特に好ましい。これは
ポリエステルマルチフィラメントBの単繊維デニールが
大なるため、光学的な影響が大きいことと関わりがあ
る。通常の丸断面の場合、光沢の少ない織編物となる。
一般的に多く使用されている3葉断面や3角断面の場
合、非常に強い光沢を有するものとなる。主に婦人衣料
用途の織編物用途を考える場合、この中間の光沢を呈し
得る断面形状を有するフィラメントからポリエステルマ
ルチフィラメントBを構成させておくことが好ましく、
8葉断面あるいは8角断面フィラメントが最善である。
リエステルマルチフィラメントAの構成フィラメント断
面形状は通常の丸断面、多葉断面、多角断面、偏平断
面、中空断面、その他特殊異形断面のどの様なものも適
用可能である。ポリエステルマルチフィラメントBの構
成フィラメント断面形状はポリエステルマルチフィラメ
ントA同様、どの様なものも適用可能であるが、8葉断
面あるいは8角断面であることが特に好ましい。これは
ポリエステルマルチフィラメントBの単繊維デニールが
大なるため、光学的な影響が大きいことと関わりがあ
る。通常の丸断面の場合、光沢の少ない織編物となる。
一般的に多く使用されている3葉断面や3角断面の場
合、非常に強い光沢を有するものとなる。主に婦人衣料
用途の織編物用途を考える場合、この中間の光沢を呈し
得る断面形状を有するフィラメントからポリエステルマ
ルチフィラメントBを構成させておくことが好ましく、
8葉断面あるいは8角断面フィラメントが最善である。
【0013】本発明で言うポリエステルとはエステル結
合を有する重合体であるが、具体的にはポリエチレンテ
レフタレート、ポリブチレンテレフタレート、イソフタ
ル酸成分共重合ポリエステル、5−ナトリウムスルホイ
ソフタル酸成分共重合ポリエステル等が好適に使用でき
る。これらポリエステルに酸化チタン等の艶消し剤、カ
オリナイト等の微細孔形成剤、帯電防止剤等が少量添加
されていても良い。
合を有する重合体であるが、具体的にはポリエチレンテ
レフタレート、ポリブチレンテレフタレート、イソフタ
ル酸成分共重合ポリエステル、5−ナトリウムスルホイ
ソフタル酸成分共重合ポリエステル等が好適に使用でき
る。これらポリエステルに酸化チタン等の艶消し剤、カ
オリナイト等の微細孔形成剤、帯電防止剤等が少量添加
されていても良い。
【0014】次に本発明のポリエステル混繊糸の製造方
法の一例に関して、説明する。本発明のポリエステル混
繊糸を構成するポリエステルマルチフィラメントAはポ
リエステルを溶融吐出させ冷却後2000〜4000
〔m/min〕の速度で引取った高配向未延伸糸を必要
に応じて冷延伸し、弛緩熱処理することにより、SHD
(A)が0〔%〕以下の特性を有するものとすることが
できる。冷延伸とは、高配向未延伸糸のガラス転移温度
近傍の温度に予熱し、延伸して、熱セットすることなく
巻取ることを言う。延伸倍率は高配向未延伸糸の紡糸引
取り速度やポリエステルの固有粘度等に応じて、適宜設
定する。冷延伸糸又は高配向未延伸糸を弛緩熱処理する
場合、非接触式ヒータが好適に使用される。供給糸であ
る冷延伸糸又は高配向未延伸糸のデニール、加工速度、
ヒータのディメンジョン等に応じてヒータ温度を設定す
る。弛緩率は20〜80〔%〕といった高い弛緩率を採
用する。弛緩熱処理後の単繊維デニールは3.0〔de
n〕以下であることが必要である。
法の一例に関して、説明する。本発明のポリエステル混
繊糸を構成するポリエステルマルチフィラメントAはポ
リエステルを溶融吐出させ冷却後2000〜4000
〔m/min〕の速度で引取った高配向未延伸糸を必要
に応じて冷延伸し、弛緩熱処理することにより、SHD
(A)が0〔%〕以下の特性を有するものとすることが
できる。冷延伸とは、高配向未延伸糸のガラス転移温度
近傍の温度に予熱し、延伸して、熱セットすることなく
巻取ることを言う。延伸倍率は高配向未延伸糸の紡糸引
取り速度やポリエステルの固有粘度等に応じて、適宜設
定する。冷延伸糸又は高配向未延伸糸を弛緩熱処理する
場合、非接触式ヒータが好適に使用される。供給糸であ
る冷延伸糸又は高配向未延伸糸のデニール、加工速度、
ヒータのディメンジョン等に応じてヒータ温度を設定す
る。弛緩率は20〜80〔%〕といった高い弛緩率を採
用する。弛緩熱処理後の単繊維デニールは3.0〔de
n〕以下であることが必要である。
【0015】ポリエステルマルチフィラメントBはポリ
エステルを溶融紡糸し、延伸して得る。延伸後の単繊維
デニールは3.0〔den〕以上10.0〔den〕以
下であることが重要である。溶融吐出等の口金の孔形状
は放射状にスリット8本有するものが8葉断面あるいは
8角断面フィラメントを得るのに適している。紡糸引取
り速度は通常の1000〜2000〔m/min〕で
も、2000〜4000〔m/min〕の高配向未延伸
糸のプロセスによってもよく、延伸糸でSHDが0
〔%〕より大なるものとする。SHDを大きくするため
には、ポリエステルを第3成分(例えばイソフタル酸成
分等)共重合ポリエステルを用いたり、紡糸引取り速度
を高配向未延伸糸のプロセスにしたり、延伸を冷延伸に
したりして、調節できる。ポリエステルマルチフィラメ
ントBのST10/f(B)を10.0〔g〕以上にす
る要因としては構成フィラメント数(単繊維デニー
ル)、ポリエステルの固有粘度、紡糸引取り速度、延伸
倍率等があげられ、適宜調節して得ることができる。
エステルを溶融紡糸し、延伸して得る。延伸後の単繊維
デニールは3.0〔den〕以上10.0〔den〕以
下であることが重要である。溶融吐出等の口金の孔形状
は放射状にスリット8本有するものが8葉断面あるいは
8角断面フィラメントを得るのに適している。紡糸引取
り速度は通常の1000〜2000〔m/min〕で
も、2000〜4000〔m/min〕の高配向未延伸
糸のプロセスによってもよく、延伸糸でSHDが0
〔%〕より大なるものとする。SHDを大きくするため
には、ポリエステルを第3成分(例えばイソフタル酸成
分等)共重合ポリエステルを用いたり、紡糸引取り速度
を高配向未延伸糸のプロセスにしたり、延伸を冷延伸に
したりして、調節できる。ポリエステルマルチフィラメ
ントBのST10/f(B)を10.0〔g〕以上にす
る要因としては構成フィラメント数(単繊維デニー
ル)、ポリエステルの固有粘度、紡糸引取り速度、延伸
倍率等があげられ、適宜調節して得ることができる。
【0016】これらの工程で得られたポリエステルマル
チフィラメントA及びBを含む供給糸を引き揃え流体交
絡処理することが必要である。流体交絡処理ノズルとし
ては一般的にインターレーサーノズルやタスランノズル
と呼ばれる空気交絡ノズルが好適に使用される。流体交
絡処理後の混繊糸はDiが20〔ケ/m〕以上100
〔ケ/m〕以下であることが必要である。
チフィラメントA及びBを含む供給糸を引き揃え流体交
絡処理することが必要である。流体交絡処理ノズルとし
ては一般的にインターレーサーノズルやタスランノズル
と呼ばれる空気交絡ノズルが好適に使用される。流体交
絡処理後の混繊糸はDiが20〔ケ/m〕以上100
〔ケ/m〕以下であることが必要である。
【0017】前記の様な工程で本発明のポリエステル混
繊糸が得られるが、各々の工程で連続して行われること
は製造コスト低減から好ましい。例えば、ポリエステル
マルチフィラメントAの溶融紡糸と冷延伸、冷延伸と弛
緩熱処理、弛緩熱処理と流体交絡処理、ポリエステルマ
ルチフィラメントBの溶融紡糸と延伸、延伸と流体交絡
処理等は容易に一連の工程で実施が可能である。
繊糸が得られるが、各々の工程で連続して行われること
は製造コスト低減から好ましい。例えば、ポリエステル
マルチフィラメントAの溶融紡糸と冷延伸、冷延伸と弛
緩熱処理、弛緩熱処理と流体交絡処理、ポリエステルマ
ルチフィラメントBの溶融紡糸と延伸、延伸と流体交絡
処理等は容易に一連の工程で実施が可能である。
【0018】本発明のポリエステル混繊維糸は必要に応
じて撚糸(撚止めセット)され。製編織され、染色加工
される。染色加工に到る間の撚止めセットや糊付け−乾
燥、ウォータージェット織機製織後の生機乾燥等の温度
は90℃程度以下の比較的低い温度に設定しておくこと
が好ましい。染色加工時には主にリラックス工程、プレ
セット工程でポリエステル混繊糸のSHD差を顕在化さ
せ、ふくらみ感豊かな風合いを得る。アルカリ熱水溶液
で処理して減量加工し、ソフト感、ふくらみ感、ドレー
プ性を向上させることも好ましいが、その際、張り腰感
の保持のため、減量率は35〔%〕程度以下としておく
ことが好ましい。浸染、捺染等染色し、帯電防止剤等の
仕上げ剤付与を行い、ファイナルセットして仕上げ加工
反を得ることができる。
じて撚糸(撚止めセット)され。製編織され、染色加工
される。染色加工に到る間の撚止めセットや糊付け−乾
燥、ウォータージェット織機製織後の生機乾燥等の温度
は90℃程度以下の比較的低い温度に設定しておくこと
が好ましい。染色加工時には主にリラックス工程、プレ
セット工程でポリエステル混繊糸のSHD差を顕在化さ
せ、ふくらみ感豊かな風合いを得る。アルカリ熱水溶液
で処理して減量加工し、ソフト感、ふくらみ感、ドレー
プ性を向上させることも好ましいが、その際、張り腰感
の保持のため、減量率は35〔%〕程度以下としておく
ことが好ましい。浸染、捺染等染色し、帯電防止剤等の
仕上げ剤付与を行い、ファイナルセットして仕上げ加工
反を得ることができる。
【0019】次に、本発明で用いた測定法について説明
する。
する。
【SHD】(160℃乾熱収縮率〔%〕)適当な枠周の
ラップリールで初荷重1/10〔g/den〕で8回巻
のカセをとり、カセに1/30〔g/den〕の荷重を
かけその時のカセの長さL0〔mm〕を測定する。次い
でその荷重を取り除き、1/1000〔g/den〕の
荷重をかけた状態で沸騰水中に30〔min〕間浸漬す
る。その後、カセを沸騰水から取り出し、冷却後1/1
000〔g/den〕の荷重をかけた状態でカセを乾熱
160〔℃〕オーブン中で20〔min〕間熱処理す
る。ついで冷却後荷重を1/30〔g/den〕に取り
替えたそのときのカセの長さL1〔mm〕を測定する。
SHD(160℃乾熱収縮率〔%〕)は次式により、算
出する。 SHD〔%〕={(L0−L1)/L0}×100
ラップリールで初荷重1/10〔g/den〕で8回巻
のカセをとり、カセに1/30〔g/den〕の荷重を
かけその時のカセの長さL0〔mm〕を測定する。次い
でその荷重を取り除き、1/1000〔g/den〕の
荷重をかけた状態で沸騰水中に30〔min〕間浸漬す
る。その後、カセを沸騰水から取り出し、冷却後1/1
000〔g/den〕の荷重をかけた状態でカセを乾熱
160〔℃〕オーブン中で20〔min〕間熱処理す
る。ついで冷却後荷重を1/30〔g/den〕に取り
替えたそのときのカセの長さL1〔mm〕を測定する。
SHD(160℃乾熱収縮率〔%〕)は次式により、算
出する。 SHD〔%〕={(L0−L1)/L0}×100
【ST10/f】(単繊維10%伸長時応力〔g〕) 東洋ボールドウィン社製テンシロン測定装置を用いてマ
ルチフィラメントを試料とし、測定する。試料長200
〔mm〕、引張速度200〔mm/min〕でS−S曲
線チャートを描かせる。S−S曲線チャート中の10
〔%〕引張時の応力をF〔g〕とし、マルチフィラメン
トのフィラメント数をn〔本〕とするとき、ST10/
f(単繊維10%伸長時応力〔g〕)は次式により、算
出する。 ST10/f〔g〕=F/n
ルチフィラメントを試料とし、測定する。試料長200
〔mm〕、引張速度200〔mm/min〕でS−S曲
線チャートを描かせる。S−S曲線チャート中の10
〔%〕引張時の応力をF〔g〕とし、マルチフィラメン
トのフィラメント数をn〔本〕とするとき、ST10/
f(単繊維10%伸長時応力〔g〕)は次式により、算
出する。 ST10/f〔g〕=F/n
【Di】(交絡度〔ケ/m〕) 適当な長さの糸を取り出し、下端に1/10〔g/de
n〕の荷重をかけて垂直に吊り下げる。ついで適当な針
を糸中に突き刺しゆっくりと持ち上げ、荷重が持ち上が
るまでに移動する距離L0〔mm〕を測定する。測定を
10〔回〕繰り返し、L0〔mm〕10〔回〕の平均値
L〔mm〕を求める。Di(交絡度〔ケ/m〕)は次式
により算出する。 Di〔ケ/m〕=1000/(2×L)
n〕の荷重をかけて垂直に吊り下げる。ついで適当な針
を糸中に突き刺しゆっくりと持ち上げ、荷重が持ち上が
るまでに移動する距離L0〔mm〕を測定する。測定を
10〔回〕繰り返し、L0〔mm〕10〔回〕の平均値
L〔mm〕を求める。Di(交絡度〔ケ/m〕)は次式
により算出する。 Di〔ケ/m〕=1000/(2×L)
【0020】
【実施例】以下、具体的実施例をあげて説明する。
【0021】
【実施例1】固有粘度0.62のポリエチレンテレフタ
レートセミダルレジンを18ケのY型のノズル孔から溶
融吐出し、冷却固化後、3000〔m/min〕の速度
で引取り高配向未延伸糸を得た。該高配向未延伸糸を7
8〔℃〕に予熱しながら1.65〔倍〕に延伸し、熱セ
ットを施すことなく巻取り、20.0〔den〕/18
〔フィラメント〕の冷延伸糸を得た。該冷延伸糸を20
0〔℃〕スリットヒータで弛緩率45〔%〕に弛緩熱処
理し、29.0〔den〕/18〔フィラメント〕(単
繊維デニール1.61〔den〕)でSHDが−5.0
〔%〕の熱伸長糸を得た。一方、前記と同一のレジンを
5ケの丸型のノズル孔から溶融吐出し、冷却固化後、1
500〔m/min〕の速度で引取り、未延伸糸を得
た。該未延伸糸を82〔℃〕に予熱しながら3.0
〔倍〕に延伸し、29.0〔den〕/9〔フィラメン
ト〕(単繊維デニール3.22〔den〕)でSHDが
19.0〔%〕、ST10/fが10.3〔g〕の高収
縮性延伸糸を得た。前記熱伸長糸と、高収縮性延伸糸と
を引揃えヘバライン社製インターレーサーノズルで流体
交絡処理し、58.2〔den〕/27〔フィラメン
ト〕でDiが57〔ケ/m〕の混繊糸を得た。該混繊糸
にS方向450〔T/m〕の撚糸を施し、低温サイジン
グ後経糸として使用し、別途、東洋紡績製ポリエチレン
テレフタレート75〔den〕/72〔フィラメント〕
セミダルマルチフィラメントにSとZの両方向の撚糸を
施し、80〔℃〕、45〔min〕の湿熱セットを施
し、S、Z72本交互に緯糸として使用して、経糸密度
160〔本/インチ〕、緯糸密度95〔本/インチ〕で
平織し、生機を得た。該生機を常法により、リラック
ス、プレセットを施し、18〔重量%〕のアルカリ減量
加工を施した後、分散染料により、染色し、ファイナル
セットして、染色加工反を得た。該染色加工反はソフト
でふくらみ感があり、張り腰感のある好ましいものであ
った。
レートセミダルレジンを18ケのY型のノズル孔から溶
融吐出し、冷却固化後、3000〔m/min〕の速度
で引取り高配向未延伸糸を得た。該高配向未延伸糸を7
8〔℃〕に予熱しながら1.65〔倍〕に延伸し、熱セ
ットを施すことなく巻取り、20.0〔den〕/18
〔フィラメント〕の冷延伸糸を得た。該冷延伸糸を20
0〔℃〕スリットヒータで弛緩率45〔%〕に弛緩熱処
理し、29.0〔den〕/18〔フィラメント〕(単
繊維デニール1.61〔den〕)でSHDが−5.0
〔%〕の熱伸長糸を得た。一方、前記と同一のレジンを
5ケの丸型のノズル孔から溶融吐出し、冷却固化後、1
500〔m/min〕の速度で引取り、未延伸糸を得
た。該未延伸糸を82〔℃〕に予熱しながら3.0
〔倍〕に延伸し、29.0〔den〕/9〔フィラメン
ト〕(単繊維デニール3.22〔den〕)でSHDが
19.0〔%〕、ST10/fが10.3〔g〕の高収
縮性延伸糸を得た。前記熱伸長糸と、高収縮性延伸糸と
を引揃えヘバライン社製インターレーサーノズルで流体
交絡処理し、58.2〔den〕/27〔フィラメン
ト〕でDiが57〔ケ/m〕の混繊糸を得た。該混繊糸
にS方向450〔T/m〕の撚糸を施し、低温サイジン
グ後経糸として使用し、別途、東洋紡績製ポリエチレン
テレフタレート75〔den〕/72〔フィラメント〕
セミダルマルチフィラメントにSとZの両方向の撚糸を
施し、80〔℃〕、45〔min〕の湿熱セットを施
し、S、Z72本交互に緯糸として使用して、経糸密度
160〔本/インチ〕、緯糸密度95〔本/インチ〕で
平織し、生機を得た。該生機を常法により、リラック
ス、プレセットを施し、18〔重量%〕のアルカリ減量
加工を施した後、分散染料により、染色し、ファイナル
セットして、染色加工反を得た。該染色加工反はソフト
でふくらみ感があり、張り腰感のある好ましいものであ
った。
【0022】(比較例1)実施例1中の熱伸長糸の代わ
りに29.0〔デニール〕/18〔フィラメント〕でS
HDが7.0〔%〕のポリエチレンテレフタレート延伸
糸を使用した他は実施例1と同様に混繊糸を得て、染色
加工反を得た。該染色加工反の風合いは張り腰感におい
ては満足できたがふくらみ感が不足し、従来の異収縮混
繊糸織物と大差のないものになってしまった。
りに29.0〔デニール〕/18〔フィラメント〕でS
HDが7.0〔%〕のポリエチレンテレフタレート延伸
糸を使用した他は実施例1と同様に混繊糸を得て、染色
加工反を得た。該染色加工反の風合いは張り腰感におい
ては満足できたがふくらみ感が不足し、従来の異収縮混
繊糸織物と大差のないものになってしまった。
【0023】(比較例2)実施例1中の高収縮性延伸糸
を使用せず、29.0〔デニール〕/9〔フィラメン
ト〕でSHDが−2.0〔%〕、ST10/fが2.3
〔g〕の熱伸長糸を使用した他は実施例1と同様に染色
加工反を得た。該染色加工反の風合いはソフトではある
が、ふくらみ感に欠け、張り腰感において全く不十分な
ものとなった。
を使用せず、29.0〔デニール〕/9〔フィラメン
ト〕でSHDが−2.0〔%〕、ST10/fが2.3
〔g〕の熱伸長糸を使用した他は実施例1と同様に染色
加工反を得た。該染色加工反の風合いはソフトではある
が、ふくらみ感に欠け、張り腰感において全く不十分な
ものとなった。
【0024】(比較例3)実施例1中の熱伸長糸の代わ
りに29.0〔デニール〕/5〔フィラメント〕(単繊
維デニール5.8〔den〕)でSHDが−4.5
〔%〕の熱伸長糸を用いた他は実施例1と同様に染色加
工反を得た。該染色加工反は、張り腰感において満足で
きたものの、表面のソフト感が得られず、粗硬に感じら
れた。
りに29.0〔デニール〕/5〔フィラメント〕(単繊
維デニール5.8〔den〕)でSHDが−4.5
〔%〕の熱伸長糸を用いた他は実施例1と同様に染色加
工反を得た。該染色加工反は、張り腰感において満足で
きたものの、表面のソフト感が得られず、粗硬に感じら
れた。
【0025】(比較例4)実施例1中の高収縮性延伸糸
の代わりに29.0〔デニール〕/18〔フィラメン
ト〕(単繊維デニール1.61〔den〕)でSHDが
18.5〔%〕、ST10/fが5.3〔g〕の高収縮
性延伸糸を使用した他は実施例1と同様に染色加工反を
得た。該染色加工反はソフトでふくらみ感は豊かである
が、やや張り腰に欠け、たらついた風合いになってしま
った。
の代わりに29.0〔デニール〕/18〔フィラメン
ト〕(単繊維デニール1.61〔den〕)でSHDが
18.5〔%〕、ST10/fが5.3〔g〕の高収縮
性延伸糸を使用した他は実施例1と同様に染色加工反を
得た。該染色加工反はソフトでふくらみ感は豊かである
が、やや張り腰に欠け、たらついた風合いになってしま
った。
【0026】(比較例5)実施例1中の高収縮性延伸糸
の代わりに29.0〔デニール〕/9〔フィラメント〕
(単繊維デニール3.22〔den〕)でSHDが5
7.5〔%〕、ST10/fが2.4〔g〕の高配向未
延伸糸を延伸すること無く使用し、混繊糸を得て、実施
例1と同様に染色加工反を得た。該染色加工反はソフト
でふくらみ感はあるが全く張り腰に欠けるものであっ
た。
の代わりに29.0〔デニール〕/9〔フィラメント〕
(単繊維デニール3.22〔den〕)でSHDが5
7.5〔%〕、ST10/fが2.4〔g〕の高配向未
延伸糸を延伸すること無く使用し、混繊糸を得て、実施
例1と同様に染色加工反を得た。該染色加工反はソフト
でふくらみ感はあるが全く張り腰に欠けるものであっ
た。
【0027】(比較例6)実施例1中において、流体交
絡処理すること無く両マルチフィラメントを引揃え合糸
して、複合糸を得た。撚糸時にループ、はなれが多く発
生し、糸切れも多かった。製織時の経糸開口が悪く、製
織性が悪かった。
絡処理すること無く両マルチフィラメントを引揃え合糸
して、複合糸を得た。撚糸時にループ、はなれが多く発
生し、糸切れも多かった。製織時の経糸開口が悪く、製
織性が悪かった。
【0028】(実施例2)実施例1中の高収縮性延伸糸
の代わりに丸断面フィラメントで構成された290〔デ
ニール〕/5〔フィラメント〕(単繊維デニール5.8
0〔den〕)でSHDが19.5〔%〕、ST10/
fが18.5〔g〕の高収縮性延伸糸を使用し、実施例
1と同様に、混繊糸を得て、染色加工反を得た。該染色
加工反は張り腰感において、実施例1の染色加工反を更
に向上させた好ましいものであった。
の代わりに丸断面フィラメントで構成された290〔デ
ニール〕/5〔フィラメント〕(単繊維デニール5.8
0〔den〕)でSHDが19.5〔%〕、ST10/
fが18.5〔g〕の高収縮性延伸糸を使用し、実施例
1と同様に、混繊糸を得て、染色加工反を得た。該染色
加工反は張り腰感において、実施例1の染色加工反を更
に向上させた好ましいものであった。
【0029】(実施例3)実施例2中の高収縮性延伸糸
の代わりら8本の放射状スリットを有する紡糸口金から
吐出した8葉断面フィラメントからなる29.0〔デニ
ール〕/5〔フィラメント〕(単繊維デニール5.80
〔den〕)でSHDが19.0〔%〕、ST10/f
が18.6〔g〕の高収縮性延伸糸を用いた他は実施例
2と同様に染色加工反を得た。該染色加工反は実施例2
同様、ソフト感、ふくらみ感、張り腰感ともに非常に好
ましく、婦人物ブラウス地等に好ましい落ち着きのある
光沢を有する極めて好ましいものであった。
の代わりら8本の放射状スリットを有する紡糸口金から
吐出した8葉断面フィラメントからなる29.0〔デニ
ール〕/5〔フィラメント〕(単繊維デニール5.80
〔den〕)でSHDが19.0〔%〕、ST10/f
が18.6〔g〕の高収縮性延伸糸を用いた他は実施例
2と同様に染色加工反を得た。該染色加工反は実施例2
同様、ソフト感、ふくらみ感、張り腰感ともに非常に好
ましく、婦人物ブラウス地等に好ましい落ち着きのある
光沢を有する極めて好ましいものであった。
【0030】
【発明の効果】本発明は従来の異収縮混繊糸が織編物の
組織拘束力下において、十分な糸長差を発現せず、ふく
らみ感において満足できなかった点を、熱伸長糸を含ま
せて構成させたポリエステル混繊糸とすることで、格段
に向上させた。又、熱伸長糸の単繊維デニールを特定の
範囲とすることで織編物表面のソフト感においても満足
し得るものにした。更に従来の混繊糸が張り腰感におい
て満足できなかった点を特定の単繊維デニールと、単繊
維の初期モジュラスを有する熱収縮糸を含ませて構成さ
せたポリエステル混繊糸とすることで、十分な張り腰感
を織編物に与えられる様にした。本発明のポリエステル
混繊糸は特定範囲の交絡度を有する様、流体交絡処理さ
れているので、後工程での取扱性も良く、好ましく風合
いの織編物を生産性良く提供し得るものである。本発明
のポリエステル混繊糸は婦人物衣料を中心に紳士物衣
料、生活資材等の用途に広く適用可能な新規なものであ
る。
組織拘束力下において、十分な糸長差を発現せず、ふく
らみ感において満足できなかった点を、熱伸長糸を含ま
せて構成させたポリエステル混繊糸とすることで、格段
に向上させた。又、熱伸長糸の単繊維デニールを特定の
範囲とすることで織編物表面のソフト感においても満足
し得るものにした。更に従来の混繊糸が張り腰感におい
て満足できなかった点を特定の単繊維デニールと、単繊
維の初期モジュラスを有する熱収縮糸を含ませて構成さ
せたポリエステル混繊糸とすることで、十分な張り腰感
を織編物に与えられる様にした。本発明のポリエステル
混繊糸は特定範囲の交絡度を有する様、流体交絡処理さ
れているので、後工程での取扱性も良く、好ましく風合
いの織編物を生産性良く提供し得るものである。本発明
のポリエステル混繊糸は婦人物衣料を中心に紳士物衣
料、生活資材等の用途に広く適用可能な新規なものであ
る。
Claims (3)
- 【請求項1】 ポリエステルマルチフィラメントA及び
Bを含んで構成されたポリエステル混繊糸であって、下
記式(1)〜(6)を満足することを特徴とするポリエ
ステル混繊糸。 SHD(A)〔%〕≦0…………………………………………………… (1) SHD(B)〔%〕>0…………………………………………………… (2) SHD(B)〔%〕−SHD(A)〔%〕≧5.0…………………… (3) D/f(A)〔den〕≦3.0≦D/f(B)〔den〕≦10.0(4) ST10/f(B)〔g〕≧10.0…………………………………… (5) 20≦Di〔ケ/m〕≦100…………………………………………… (6) (但し、SHD(A)はポリエステルマルチフィラメン
トAの160℃乾熱収縮率〔%〕、SHD(B)はポリ
エステルマルチフィラメントBの160℃乾熱収縮率
〔%〕、D/f(A)はポリエステルマルチフィラメン
トAの単繊維デニール〔den〕、D/f(B)はポリ
エステルマルチフィラメントBの単繊維デニール〔de
n〕、ST10/f(B)はポリエステルマルチフィラ
メントBの単繊維10%伸張時応力〔g〕、Diは混繊
糸の交絡度〔ケ/m〕を示す。) - 【請求項2】 ポリエステルマルチフィラメントBが下
記式(7)及び(8)を満足する請求項1記載のポリエ
ステル混繊糸。 5.0≦D/f(B)〔den〕≦8.5…………………………………(7) ST10/f(B)〔g〕≧15.0………………………………………(8) - 【請求項3】 ポリエステルマルチフィラメントA及び
/又はBが8葉断面あるいは8角断面を有するフィラメ
ントから構成されている請求項1又は2記載のポリエス
テル混繊糸。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1538695A JPH08209474A (ja) | 1995-02-01 | 1995-02-01 | ポリエステル混繊糸 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1538695A JPH08209474A (ja) | 1995-02-01 | 1995-02-01 | ポリエステル混繊糸 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08209474A true JPH08209474A (ja) | 1996-08-13 |
Family
ID=11887313
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1538695A Pending JPH08209474A (ja) | 1995-02-01 | 1995-02-01 | ポリエステル混繊糸 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08209474A (ja) |
-
1995
- 1995-02-01 JP JP1538695A patent/JPH08209474A/ja active Pending
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