JPH08208596A - 光学活性スルホキシド類の製造方法 - Google Patents

光学活性スルホキシド類の製造方法

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JPH08208596A
JPH08208596A JP7017791A JP1779195A JPH08208596A JP H08208596 A JPH08208596 A JP H08208596A JP 7017791 A JP7017791 A JP 7017791A JP 1779195 A JP1779195 A JP 1779195A JP H08208596 A JPH08208596 A JP H08208596A
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JP
Japan
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optically active
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linear
branched alkyl
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JP7017791A
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English (en)
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Mitsuaki Mukoyama
山 光 昭 向
Shimizu Imagawa
川 清 水 今
Takuji Nagata
田 卓 司 永
Toru Yamada
田 徹 山
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Mitsui Petrochemical Industries Ltd
Original Assignee
Mitsui Petrochemical Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】医薬品、または農薬などの生理活性化合物の合
成中間体となる光学活性体を合成する際に、光学活性点
の導入に対して有用な反応試剤となる、光学活性スルホ
キシド類の新規な製造方法の提供。 【構成】スルフィド類を、酸素分子と、アルデヒドの共
存下、特定の光学活性マンガン(III) 錯体触媒の存在下
に反応させる工程を有する、光学活性スルホキシドの製
造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、医薬品、または農薬な
どの生理活性化合物の合成中間体となる光学活性体を合
成する際に、光学活性点の導入時に有用な反応試剤とな
る光学活性スルホキシド類の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般的な光学活性スルホキシド類の合成
法としては、アンデルセン法が代表的な方法である。こ
のアンデルセン法は、塩化スルフィニルとl-メントール
からスルフィン酸l-メンチルを合成し、再結晶によって
ジアステレオマーを分割した後、グリニヤール試薬など
の求核剤を作用させて、光学活性スルホキシドを得る方
法である。また、直接スルフィド類を不斉酸化する方法
としては、例えば、水の存在下、光学活性な酒石酸ジエ
チルを配位子としたチタン化合物を触媒とし、ヒドロペ
ルオキシド類を酸化剤とする反応が代表的であり、この
反応を利用すれば、スルフィド類から対応する光学活性
スルホキシドを得ることができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、アンデルセン
法は、再結晶操作を含め工程数が多いこと、あるいは、
グリニヤール試薬などの求核剤を利用するため、求核剤
と反応してしまう官能基を持つ光学活性スルホキシドの
製造には適用できないという問題がある。また、直接ス
ルフィド類を不斉酸化する方法は、爆発の危険があり、
取り扱いに細心の注意を要求される過酸化物を酸化剤に
用いる必要があり、生産コストおよび安全性に問題があ
る。
【0004】そこで本発明の目的は、酸化剤として安全
で安価な酸素分子を用い、スルフィド類から光学活性ス
ルホキシド類を合成する方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記課題を解
決するために、一般式(a):
【0006】
【化6】
【0007】[式中、R1 およびR2 は互いに異なる基
を示し、直鎖または分岐状のアルキル基、脂環式炭化水
素基もしくはアリール基であり、置換基を有していても
よい]で表されるスルフィド類を、酸素分子と、一般式
(b):
【0008】
【化7】
【0009】[式中、R3 、R4 およびR5 は同一でも
異なっていてもよく、水素原子、直鎖または分岐状のア
ルキル基であり、R3 とR4 、R4 とR5 、またはR5
とR3 は相互に結合して環を形成していてもよい]で表
されるアルデヒドの共存下、一般式(c):
【0010】
【化8】
【0011】[式中、R6 およびR7 は異なる基であ
り、それぞれ水素原子、直鎖または分岐状のアルキル基
またはアリール基であり、置換基を有していてもよく、
2個のR6 同士、あるいは2個のR7同士は相互に結合
して環を形成していてもよい。R8 は直鎖または分岐状
のアルキル基、アリール基、またはアルコキシ基であ
り、置換基を有していてもよい。R9 は直鎖または分岐
状のアルキル基またはアリール基であり、置換基を有し
ていてもよい。X- は陰イオンを表す]で表される光学
活性マンガン錯体触媒の存在下に反応させる工程を有す
る、一般式(d):
【0012】
【化9】
【0013】[式中、R1 およびR2 は前記一般式
(a)で定義したとおりであり、*は光学活性点を示
す]で表される光学活性スルホキシド類の製造方法を提
供するものである。
【0014】以下、本発明の光学活性スルホキシド類の
製造方法(以下、「本発明の方法」という)について詳
細に説明する。
【0015】本発明の方法の出発物質である原料のスル
フィド類は、前記一般式(a)で表されるものである。
この一般式(a)において、R1 およびR2 は互いに異
なる基であり、直鎖または分岐状のアルキル基、脂環式
炭化水素基もしくはアリール基であり、置換基を有して
いてもよい。直鎖または分岐状のアルキル基もしくは脂
環式炭化水素基の代表例としては、メチル基、エチル
基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル
基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、2−アダマ
ンチル基、ベンジル基等が挙げられる。また、アリ−ル
基の代表例としては、フェニル基、4−トルイル基、4
−tert−ブチルフェニル基、2−ナフチル基、2−
クロロフェニル基、2−ブロモフェニル基、4−ブロモ
フェニル基、4−ニトロフェニル基等が挙げられる。
【0016】前記一般式(a)で表されるスルフィド類
の具体例として、シクロペンチルメチルスルフィド、シ
クロヘキシルメチルスルフィド、2−アダマンチルメチ
ルスルフィド、メチルフェニルスルフィド、エチルフェ
ニルスルフィド、ベンジルフェニルスルフィド、メチル
−4−トルイルスルフィド、4−tert−ブチルフェ
ニルメチルスルフィド、メチル−2−ナフチルスルフィ
ド、2−クロロフェニルメチルスルフィド、2−ブロモ
フェニルメチルスルフィド、4−ブロモフェニルメチル
スルフィド、メチル−4−ニトロフェニルスルフィド等
が挙げられる。
【0017】また、本発明の方法は、前記一般式(a)
におけるR1 がアリール基であるスルフィド類、すなわ
ち、下記一般式(a−1):
【0018】
【化10】
【0019】で表されるスルフィド類を出発原料とし
て、対応するスルホキシドを製造する場合に特に有効で
ある。この一般式(a−1)において、R2 は前記一般
式(a)で定義したとおりであり、R10は、水素原子、
直鎖または分岐状のアルキル基、アリール基、ハロゲン
原子もしくはニトロ基であり、nは1〜5の整数であ
る。R10の直鎖または分岐状のアルキル基の代表例とし
ては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−
プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基等が挙
げられる。アリール基の代表例としては、フェニル基、
4−トルイル基、2−ナフチル基等が挙げられる。ハロ
ゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素等が挙げられ
る。
【0020】この一般式(a−1)で表されるスルフィ
ド類の具体例として、メチルフェニルスルフィド、エチ
ルフェニルスルフィド、ベンジルフェニルスルフィド、
メチル4−トルイルスルフィド、4−tert−ブチル
フェニルメチルスルフィド、メチル2−ナフチルスルフ
ィド、2−クロロフェニルメチルスルフィド、2−ブロ
モフェニルメチルスルフィド、4−ブロモフェニルメチ
ルスルフィド、メチル4−ニトロフェニルスルフィド等
が挙げられる。
【0021】本発明の方法は、前記一般式(a)で表さ
れるスルフィド類と酸素分子とを反応させる方法であ
る。反応に供される酸素分子は、純酸素あるいは酸素を
含む混合気体である空気であってもよい。酸素は常圧下
に供給してもよいし、また、空気を用いる場合でも、特
に加圧する必要はない。例えば、酸素分圧として、0.
2〜1気圧でよい。しかし、酸素を加圧して反応に用い
てもよい。
【0022】本発明において、スルフィド類と酸素分子
の反応は、前記一般式(b)で表されるアルデヒドの共
存下に行なわれる。前記一般式(b)において、R3
4およびR5 は同一でも異なっていてもよく、水素原
子、直鎖または分岐状のアルキル基であり、置換基を有
していてもよい。この直鎖または分岐状のアルキル基と
しては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル
基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチ
ル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル
基等が挙げられる。
【0023】また、R3 とR4 、R4 とR5 およびR5
とR6 は相互に結合して環を形成していてもよく、例え
ば、相互に結合してシクロヘキシル基、シクロヘプチル
基、シクロオクチル基等の環を形成していてもよい。
【0024】本発明の方法において、この一般式(b)
で表されるアルデヒドは、1種単独でも2種以上を組み
合わせても用いることができる。
【0025】この一般式(b)で表されるアルデヒドの
具体例として、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒ
ド、n−ブチルアルデヒド、n−バレルアルデヒド、イ
ソバレルアルデヒド、1−ヘキサナール、イソブチルア
ルデヒド、sec−ブチルアルデヒド、ピバルアルデヒ
ド等の脂肪族アルデヒドが挙げられる。特に、前記一般
式(b)において、R3 、R4 およびR5 がいずれも直
鎖または分岐状のアルキル基もしくはアリール基で表さ
れるアルデヒド、すなわち、3級アルデヒドが、高い光
学収率および化学収率で光学活性スルホキシド類が得ら
れる点で好ましい。さらに、これらの中でも、ピバルア
ルデヒドを用いると、得られる光学活性スルホキシド類
の光学収率が高く、特に好ましい。
【0026】本発明の方法において、アルデヒドは、前
記スルフィド類1モルに対し、1〜10モルの割合で使
用するのが好ましく、3〜8モルの割合で使用するの
が、より好ましい。光学活性スルホキシド類の光学収率
を高く保ち、かつ、十分な化学収率を得るためには、こ
の範囲で反応を行なうことが望ましい。
【0027】また、本発明の方法は、アルデヒドととも
に、前記一般式(c)で表される光学活性マンガン(II
I)錯体触媒を用いて、スルフィド類と酸素分子の反応
を行なう方法である。このマンガン(III) 錯体触媒を表
す一般式(c)において、R6とR7 は異なる基であ
り、それぞれ水素原子、直鎖または分岐状のアルキル基
もしくはアリール基であり、置換基を有していてもよ
い。この直鎖または分岐状のアルキル基の代表例として
は、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピ
ル基、tert−ブチル基等が挙げられる。アリール基
の代表例としては、フェニル基、4−メトキシフェニル
基、4−クロロフェニル基、4−ニトロフェニル基等が
挙げられる。
【0028】また、2個のR6 同士、あるいは2個のR
7 同士は相互に結合して環を形成していてもよく、例え
ば、−(CH2 4 −等の基を介して相互に結合して6
員環等の環を形成していてもよい。
【0029】さらに、R8 は、直鎖または分岐状のアル
キル基、アリール基もしくはアルコキシ基であり、置換
基を有していてもよい。直鎖または分岐状のアルキル基
の代表例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル
基、イソプロピル基、tert−ブチル基等が挙げられ
る。アリール基としては、例えば、フェニル基、メシチ
ル基、4−メトキシフェニル基、4−クロロフェニル
基、ナフチル基等が挙げられる。アルコキシ基の代表例
としては、メトキシ基、エトキシ基、シクロペントキシ
基、シクロヘキソキシ基、イソボルノキシ基等が挙げら
れる。
【0030】また、R9 は、直鎖または分岐状のアルキ
ル基もしくはアリール基であり、置換基を有していても
よい。直鎖または分岐状のアルキル基の代表例として
は、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピ
ル基、tert−ブチル基等が挙げられる。アリール基
の代表例としては、フェニル基、メシチル基、4−メト
キシフェニル基、4−クロロフェニル基、ナフチル基等
が挙げられる。
【0031】また、X- は陰イオンを表す。この陰イオ
ンの具体例としては、F- 、Cl-、Br- 、P
6 - 、ClO4 - 、BF4 - 、SO4 2- 等が挙げら
れる。
【0032】本発明の方法において、この一般式(c)
で表される光学活性マンガン(III)錯体触媒は、1種単
独でも2種以上を組み合わせても用いることができる。
【0033】この一般式(c)で表される光学活性マン
ガン(III)錯体触媒の具体例として、下記式(e)〜
(i):
【0034】
【化11】
【0035】で表されるものなどが挙げられる。
【0036】本発明の方法に用いるマンガン(III)錯体
触媒は、公知の方法により調製できる。例えば、L. J.
Boucher et al., Inorg. Chem., 16, 1360 (1977) 、T.
Matsushita et al., Bull. Chem.Soc. Jpn., 54, 3743
(1977) 、あるいは、T. Katsuki et al., Tetrahedron
Lett., 32, 1055 (1991) に報告された方法にしたがっ
て調製することができる。
【0037】本発明の方法において、このマンガン(II
I) 錯体触媒は、高い光学収率および化学収率でスルホ
キシドを得るためには、スルフィド類1モルに対し、1
〜30モル%の割合で使用するのが好ましく、5〜20
モル%の割合で使用するのが、より好ましい。
【0038】本発明の方法において、スルフィド類と酸
素分子の反応に際して、溶媒を用いてもよい。用いられ
る溶媒は、特に限定されず、脂肪族炭化水素系溶媒、脂
環式炭化水素系溶媒、ハロゲン化炭化水素系溶媒、ケト
ン系溶媒、エステル系溶媒、ニトリル系溶媒、芳香族炭
化水素系溶媒が有効であるが、ベンゼン、トルエン、キ
シレン、クロロベンゼン、フルオロベンゼン、ジフルオ
ロベンゼン、トリフルオロメチルベンゼン等の芳香族炭
化水素系溶媒が特に好ましい。
【0039】また、溶媒量は、スルフィド類1ミリモル
に対し、溶媒1〜50mlを用いることが好ましい。
【0040】反応温度は、0〜60℃が好ましく、15
〜40℃がより好ましい。また、反応時間は、通常、1
〜50時間で、反応の進行状況は、薄層クロマトグラフ
ィー(TLC)により確認できる。
【0041】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明は、これらの実施例に限定されるものでは
ない。
【0042】(実施例1) 光学活性配位子の合成 (S,S)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン1.
91g(9.0mmol) と、1,2−ジクロロエタン
135mlと、エタノール65mlとの混合溶液に、3
−ホルミル−2,4−ジオキソペンタン2.56g(2
0.0mmol) を加え、70℃で5時間撹拌して反応
させた。放冷後、溶媒を減圧下で除去してから、得られ
た粗生成物を酢酸エチルに溶解させ、この溶液にヘキサ
ンを加えて、固体を生成させた。生成した固体を濾別
し、ヘキサンで洗浄した後、減圧下で乾燥して光学活性
配位子を得た。2.41g(収率:62%)
【0043】光学活性Mn(III) 錯体触媒の合成 上記の通りに調製した光学活性配位子432mg(1.
0mmol) の1,2−ジクロロエタン(28ml) と
エタノール(7ml)の混合溶液に、酢酸マンガン(II
I) 二水和物804mg(3.0mmol)を加え、7
時間加熱還流した。放冷後、塩化リチウム254mg
(6mmol)を加え、再び10時間加熱還流した。放
冷後、溶媒を減圧下で除去してから、得られた粗生成物
を、アセトンと塩化メチレンを溶媒に用いたシリカゲル
カラムクロマトグラフィーによって精製し、茶色固体と
して、前記式(e)で表される光学活性Mn(III) 錯体
触媒188mg(収率:36%)を得た。
【0044】スルフィドの不斉酸化反応 得られた光学活性Mn(III) 錯体触媒31mg(0.0
6mmol, 12mol%) のベンゼン溶液(1.5m
l)に、メチル−4−トルイルスルフィド69mg
(0.5mmol)とピバルアルデヒド129mg
(1.5mmol)のベンゼン溶液(0.5ml)を、
室温下、酸素雰囲気のもとで、撹拌して反応させた。反
応の追跡は、TLCを用いて生成物を確認しながら行な
った。反応終了後、粗生成物をシリカゲルカラムクロマ
トグラフィーで精製すると、油状物として、メチル−4
−トルイルスルホキシド58mgが得られた。(収率:
75%)
【0045】また、光学純度の決定は、光学活性HPL
Cカラムを用いて、HPLCで行なった。その結果、得
られたスルホキシドの光学純度は、21%eeであること
がわかった。
【0046】(実施例2〜10)各例において、溶媒と
してベンゼンを用いる代わりに、それぞれ酢酸エチル、
1,2−ジクロロエタン、シクロヘキサン、アセトニト
リル、メタノール、トルエン、m−キシレン、フルオロ
ベンゼン、トリフルオロメチルベンゼンを用いて反応を
行なった以外は、実施例1と同様にして行い、スルホキ
シドを得た。結果を表1に示す。
【0047】
【表1】
【0048】(実施例11〜15)各例において、用い
る溶媒の量を、それぞれ合計1ml、4ml、8ml、
12ml、18mlに変えて反応を行なった以外は、実
施例1と同様にして行い、スルホキシドを得た。結果を
表2に示す。
【0049】
【0050】(実施例16〜18)各例において、用い
る触媒の量を、それぞれ3mol%、6mol%、18
mol%に変えて反応を行なった以外は、実施例1と同
様にして行い、スルホキシドを得た。結果を表3に示
す。
【0051】
【0052】(実施例19)メチル−4−トルイルスル
フィド69mg(0.5mmol)の代わりに2−ブロ
モフェニルメチルスルフィド102mg(0.5mmo
l)を用い、ベンゼン合計2mlの代わりにm−キシレ
ン合計8mlを用いた以外は、実施例1と同様にして行
い、2−ブロモフェニルメチルスルホキシドを油状物と
して得た。結果を表4に示す。なお、光学純度の決定
は、光学活性HPLCカラムを用いてHPLCで行っ
た。スルホキシド収率:73%、光学収率:52%ee
【0053】(実施例20〜22)各例において、アル
デヒドとしてピバルアルデヒドを用いる代わりに、それ
ぞれイソブチルアルデヒド、n−ブチルアルデヒド、イ
ソバレルアルデヒドを用いて反応を行なった以外は、実
施例19と同様にして行い、スルホキシドを得た。結果
を表4に示す。
【0054】
【表2】
【0055】(実施例23〜24)各例において、用い
るアルデヒドの量を、それぞれスルフィドに対して6当
量、8当量に変えて反応を行なった以外は、実施例19
と同様にして行い、スルホキシドを得た。結果を表5に
示す。
【0056】 注 *1:スルフィド類に対するピバルアルデヒドの当量数
【0057】(実施例25)実施例1において、3−ホ
ルミル−2,4−ジオキソペンタンを用いる代わりに、
2−ホルミル−1−(1’,3’,5’−トリメチルフ
ェニル)−1,3−ジオキソブタンを用いる以外は、実
施例1と同様にして行い、光学活性配位子および、前記
式(f)で表される光学活性Mn(III) 錯体を調製し
た。これを触媒として用いる以外は、実施例19と同様
にして行い、スルホキシドを得た。結果を表6に示す。
【0058】(実施例26) 光学活性Mn(III) 錯体触媒の合成 (S,S)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン64
0mg(3.0mmol)と、塩化メチレン15ml
と、メタノール15mlとの混合溶液に、酢酸マンガン
(III) 二水和物680mg(2.5mmol)を添加し
た後、2−ホルミル−3−オキソブタン酸エチル1.1
2g(6.0mmol) の塩化メチレン(5ml)溶液
を加え、40℃で1 時間撹拌して反応させた。放冷後、
塩化リチウム320mg(7.6mmol)を加え、再
び40℃に加熱し、さらに1 時間撹拌して反応させた。
放冷後、反応混合物を濃縮し、塩化メチレン―水で抽出
操作を行ない、有機層として塩化メチレン溶液を分離
し、これを無水硫酸ナトリウムで乾燥した。次に、塩化
メチレン溶液を濃縮した後、クロロホルムを加え、さら
に、エーテルをゆっくり加えて、固体を生成させた。生
成した固体を濾別し、エーテルで洗浄した後、減圧下乾
燥し、茶色固体として、前記式(g)で表される光学活
性Mn(III) 錯体触媒780mg(収率:54%) を得
た。
【0059】スルフィドの不斉酸化反応 前記式(g)で表される光学活性Mn(III) 錯体を触媒
として用いる以外は、実施例19と同様にして行い、ス
ルホキシドを得た。結果を表6に示す。
【0060】(実施例27)2−ホルミル−3−オキソ
ブタン酸エチルを用いる代わりに、2−ホルミル−3−
オキソブタン酸シクロペンチルを用いる以外は、実施例
26と同様にして、前記式(h)で表される光学活性M
n(III) 錯体を調製した。これを触媒として用いる以外
は、実施例19と同様にして行い、スルホキシドを得
た。結果を表6に示す。
【0061】(実施例28)2−ホルミル−3−オキソ
ブタン酸エチルを用いる代わりに、2−ホルミル−3−
オキソブタン酸イソボルニルを用いる以外は、実施例2
6と同様にして行い、前記式(i)で表される光学活性
Mn(III) 錯体を調製した。これを触媒として用いる以
外は、実施例19と同様にして行い、スルホキシドを得
た。結果を表6に示す。
【0062】
【0063】(実施例29〜37)各例において、スル
フィドとして2−ブロモフェニルメチルスルフィドを用
いる代わりに、それぞれメチルフェニルスルフィド、エ
チルフェニルスルフィド、ベンジルフェニルスルフィ
ド、メチル−4−トルイルスルフィド、4−tert−
ブチルフェニルメチルスルフィド、メチル2-ナフチルス
ルフィド、2−クロロフェニルメチルスルフィド、4−
ブロモフェニルメチルスルフィド、メチル4-ニトロフェ
ニルスルフィドを用いて反応を行なった以外は、実施例
25と同様にして行い、スルホキシドを得た。なお、光
学純度の決定は、光学活性HPLCカラムを用いてHP
LCで行った。結果を表7に示す。
【0064】
【表3】
【0065】
【発明の効果】本発明の方法によれば、酸化剤として安
全で安価な酸素分子を用い、スルフィド類から光学活性
スルホキシドを製造することができる。この光学活性ス
ルホキシドは、医薬品、または農薬などの生理活性化合
物の合成中間体となる光学活性体を合成する際に、光学
活性点の導入に対して有用な反応試剤となる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // C07B 61/00 300 C07M 7:00 (72)発明者 山 田 徹 千葉県袖ヶ浦市長浦字拓二号580番32 三 井石油化学工業株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(a): 【化1】 [式中、R1 およびR2 は互いに異なる基を示し、直鎖
    または分岐状のアルキル基、脂環式炭化水素基もしくは
    アリール基であり、置換基を有していてもよい]で表さ
    れるスルフィド類を、酸素分子と、一般式(b): 【化2】 [式中、R3 、R4 およびR5 は同一でも異なっていて
    もよく、水素原子、直鎖または分岐状のアルキル基であ
    り、R3 とR4 、R4 とR5 、またはR5 とR3 は相互
    に結合して環を形成していてもよい]で表されるアルデ
    ヒドの共存下、一般式(c): 【化3】 [式中、R6 およびR7 は異なる基であり、それぞれ水
    素原子、直鎖または分岐状のアルキル基またはアリール
    基であり、置換基を有していてもよく、2個のR6
    士、あるいは2個のR7同士は相互に結合して環を形成
    していてもよい。R8 は直鎖または分岐状のアルキル
    基、アリール基、またはアルコキシ基であり、置換基を
    有していてもよい。R9 は直鎖または分岐状のアルキル
    基またはアリール基であり、置換基を有していてもよ
    い。X- は陰イオンを表す]で表される光学活性マンガ
    ン(III)錯体触媒の存在下に反応させる工程を有する、
    一般式(d): 【化4】 [式中、R1 およびR2 は前記一般式(a)で定義した
    とおりであり、*は光学活性点を示す]で表される光学
    活性スルホキシド類の製造方法。
  2. 【請求項2】前記スルフィド類が、下記一般式(a−
    1): 【化5】 [式中、R2 は前記一般式(a)で定義したとおりであ
    り、R10は、水素原子、直鎖または分岐状のアルキル
    基、アリール基、ハロゲン原子もしくはニトロ基であ
    り、nは1〜5の整数である]で表され、請求項1に記
    載の光学活性スルホキシド類の製造方法。
  3. 【請求項3】前記アルデヒドが、前記一般式(b)にお
    いて、R3 、R4 およびR5 が、いずれも直鎖または分
    岐状のアルキル基もしくはアリール基である請求項1ま
    たは2に記載の光学活性スルホキシド類の製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102617415A (zh) * 2012-02-20 2012-08-01 常熟理工学院 一种利用氧气氧化有机硫化物的反应方法
CN104447440A (zh) * 2013-09-12 2015-03-25 中国科学院大连化学物理研究所 一种催化不对称氧化硫醚的方法
CN105503673A (zh) * 2014-09-25 2016-04-20 中国科学院大连化学物理研究所 一种催化不对称氧化硫醚制备手性亚砜的方法

Cited By (4)

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CN102617415A (zh) * 2012-02-20 2012-08-01 常熟理工学院 一种利用氧气氧化有机硫化物的反应方法
CN104447440A (zh) * 2013-09-12 2015-03-25 中国科学院大连化学物理研究所 一种催化不对称氧化硫醚的方法
CN104447440B (zh) * 2013-09-12 2016-05-18 中国科学院大连化学物理研究所 一种催化不对称氧化硫醚的方法
CN105503673A (zh) * 2014-09-25 2016-04-20 中国科学院大连化学物理研究所 一种催化不对称氧化硫醚制备手性亚砜的方法

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