JP4284027B2 - 光学活性イソオキサゾリジン類の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、光学活性イソオキサゾリジン類の製造方法に関し、特に医薬品、農薬などの原体及び重要中間体、その他ファインケミカルズの合成において有用な中間体である光学活性イソオキサゾリジン類を、不斉1,3-双極子付加環化反応により製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
光学活性なイソオキサゾリジン類の合成方法として、ニトロンを基質とする不斉1,3-双極子付加環化反応を用いる方法は、5員環上に連続する3つの不斉中心を構築することができるため、有用な手法であると考えられている。従来、数多くのジアステレオ選択的な反応が報告されているものの、一般に高価である不斉源の必要量が少なく、かつ適用範囲の広い、触媒量の不斉源を用いたエナンチオ選択的な不斉1,3-双極子付加環化反応の報告例はそれほど多くなく、実用的な手法の開発が急がれている(Chem,Rev.,98,863(1998))。これまでに知られているニトロンの不斉1,3-双極子付加環化反応は、光学活性なルイス酸触媒を用いた方法であり、その触媒としては、光学活性なチタン錯体触媒、光学活性なマグネシウム錯体触媒、光学活性なパラジウム錯体触媒、光学活性なイッテルビウム錯体触媒、光学活性なニッケル錯体触媒等が知られている。
【0003】
例えば、J.Org.Chem.,59,5687(1994)にはチタン錯体を用いたニトロンの不斉1,3-双極子付加環化反応が、J.Org.Chem.,61,346(1996)にはマグネシウム錯体を用いた不斉1,3-双極子付加環化反応が、Tetrahedron Lett.,37,5947(1996)にはパラジウム錯体を用いた不斉1,3-双極子付加環化反応が、Tetrahedron Lett.,38,7923(1997)及びJ.Am.Chem.Soc,,120,5840(1998)にはイッテルビウム錯体を用いた不斉1,3-双極子付加環化反応が、また、J.Am.Chem.Soc,,120,12355(1998)にはニッケル錯体を用いた不斉1,3-双極子付加環化反応が、それぞれ報告されている。
【0004】
これまで、上記の不斉付加環化反応には、反応の阻害要因となるルイス酸触媒へのニトロンの配位を防ぎ、親双極子化合物をより活性化するため、下記反応式(l)で示したようにオキサゾリジノンで修飾したα,β-不飽和アミド化合物を親双極子化合物として使用することが必要とされてきた。したがって、基質の修飾(保護)と脱保護のための工程を組み込まねばならず、工程全体が複雑にならざるを得なかった。
【0005】
【化15】
【0006】
この問題を解決すべく新たな触媒系が開発され、下記反応式(m)で示される反応への適用例が最近報告された。金属触媒ではなく、光学活性なイミダゾリジノンを不斉触媒として用いるニトロンとクロトンアルデヒドの不斉1,3-双極子付加環化反応(J.Am.Chem.Soc,,122,9874(2000))がMacMillanらにより、また、光学活性なビスオキサゾリン/亜鉛錯体を不斉触媒として用いるニトロンとアクロレインの不斉1,3-双極子付加環化反応(日本化学会第78春季年会,4G108(2000);日本化学会第80春季年会,2H608,2H609(2001))が金政らにより、それぞれ報告されており、いずれも優れた方法である。
【0007】
【化16】
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記の不斉1,3-双極子付加環化反応における不斉触媒は、現在も種々の改良がなされており、反応のレジオ選択性、エンド/エキソ選択性、エナンチオ選択性などの選択性だけでなく、広範な基質への対応、基質/触媒比、環境負荷の軽減など、様々な性能及び経済性を考慮した、更なる優れた実用触媒の研究開発が盛んに行なわれているのが現状である。
【0009】
上述のように、医薬品、農薬などの原体及び重要中間体、その他ファインケミカルズの合成において有用な中間体である光学活性イソオキサゾリジン類を、触媒量の不斉源により効率よく製造することができる新規な方法を提供することが求められており、本発明はこれらの要望を満足せしめることを課題とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記課題を解決するために、不斉1,3-双極子付加環化反応における触媒能を有する錯体に関し、鋭意検討を重ねた結果、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、ニトロン類と親双極子化合物とを、光学活性なルイス酸触媒を用いて1,3-双極子付加環化反応を行ない、光学活性なイソオキサゾリジン類を製造する際に、ルイス酸触媒として4座の光学活性配位子からなる光学活性コバルト錯体、または光学活性クロム錯体を用いることを特徴とする光学活性なイソオキサゾリジン類の製造法に関するものである。
【0011】
すなわち、本発明は、以下の発明を包含する。
【0029】
(1)下記一般式(g):
【0030】
【化25】
【0031】
〔式中、W1及びW2は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、アミノ基、ホルミル基、カルボキシル基、直鎖、分岐状、もしくは環状のアルキル基、直鎖もしくは分岐状のアルケニル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルカルボニルオキシ基、アリールカルボニルオキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アミノカルボニル基、スルホニル基、ホスホニル基、ニトロ基、またはシアノ基を示し、前記アルキル基、アルケニル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルカルボニルオキシ基、アリールカルボニルオキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アミノカルボニル基、スルホニル基、及びホスホニル基の少なくとも1つは置換基を有していてもよい。また、m及びnは、それぞれ独立した1〜5の整数であり、mまたはnが2〜4の整数であるとき、複数のW1同士及び複数のW2の少なくとも一方には少なくとも2つの異なる置換基が含まれていてもよい。また、2個のW1同士は相互に連結して、それぞれ結合している原子と共同して環を形成していてもよい。〕で表されるニトロン類と、下記一般式(e):
【0032】
【化26】
【0033】
〔式中、X1は、水素原子、水酸基、アミノ基、直鎖、分岐状、もしくは環状のアルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルアミノ基、またはアリールアミノ基を示し、前記アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルアミノ基、及びアリールアミノ基の少なくとも1つは置換基を有していてもよく、X2、X3及びX4はそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、直鎖、分岐状、もしくは環状のアルキル基、またはアリール基を示し、前記アルキル基及びアリール基の少なくとも1つは置換基を有していてもよく、また、X1とX2の組合せ、X2とX3の組合せ、X3とX4の組合せ及びX4とX1の組合せからなる群から選択された1または2以上の組合せのそれぞれが、該組合せを構成する置換基とこれらが結合している原子とが共同して環を形成するものであってもよい。〕で表されるα,β-不飽和カルボニル類とを、下記一般式(c):
【0034】
【化27】
【0035】
〔式中、Y1とY2は異なる基であり、それぞれ、水素原子、直鎖、分岐状、もしくは環状のアルキル基、またはアリール基(該アリール基は、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、シアノ基及びニトロ基の少なくとも1つで置換されていてもよい。)であり、2個のY1同士または2個のY2同士の少なくとも一方は、相互に結合して環を形成していてもよい。また、Y3、Y4及びY5はそれぞれ独立して、水素原子、直鎖、分岐状、もしくは環状のアルキル基、直鎖もしくは分岐状のアルケニル基、アリール基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、またはアラルキルオキシカルボニル基であり、前記アルキル基、アルケニル基、アリール基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、及びアラルキルオキシカルボニル基の少なくとも1つは置換基を有していてもよく、また、Y4とY5は相互に連結してこれらが結合している炭素原子と共同して環を形成してもよい。また、Mはコバルトあるいはクロムイオンを表し、これら金属イオンの価数と配位子の価数が異なるときZは塩を形成し得る陰イオン対を表し、金属イオンの価数と配位子の価数が同じ時Zは存在しない。〕で表される4座の配位子からなる、光学活性金属錯体化合物の存在下に反応させる工程を含む、下記一般式(h):
【0036】
【化28】
【0037】
〔式中、W1、W2、X1、X2、X3、X4、m及びnは前記に同じであり、*は不斉炭素原子であることを表す。〕で表される光学活性イソオキサゾリジン類の製造方法。
【0038】
(2) 前記一般式(e)の式中、X1が水素原子である上記(1)に記載の光学活性イソオキサゾリジン類の製造方法。
【0039】
(3) 前記一般式(c)で表される4座の配位子からなる光学活性金属錯体化合物が、下記一般式(i):
【0040】
【化29】
【0041】
〔式中、Y1及びY2は前記に同じであり、Y6は直鎖、分岐状、もしくは環状のアルキル基、アリール基、アルコキシ基、またはアリールオキシ基を示し、前記アルキル基、アリール基、アルコキシ基、及びアリールオキシ基の少なくとも1つは置換基を有していてもよい。また、Z-は塩を形成しうる陰イオン対を意味する。〕で表される光学活性コバルト(III)錯体である(1)または(2)に記載の光学活性イソオキサゾリジン類の製造方法。
【0042】
(4) 前記(2)により製造された前記一般式(h)〔式中、X1は水素原子である。〕で表される光学活性イソオキサゾリジン類を、反応後に単離・精製することなく直接水素化ホウ素ナトリウムと反応させる工程を含む、下記一般式(k):
【0043】
【化30】
【0044】
〔式中、X 2 、X3、X4、W1、W2、m、n及び*は前記に同じ。〕で表される光学活性イソオキサゾリジン類の製造方法。
【0045】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の光学活性イソオキサゾリジン類の製造方法(以下、「本発明の方法」という。)について詳細に説明する。
【0046】
光学活性イソオキサゾリジン類の製造方法としては、次式(a):
【0047】
【化31】
【0048】
で表されるニトロン類と、次式(b):
【0049】
【化32】
【0050】
で表されるオレフィン類とを出発原料として、対応する光学活性オキサゾリジン類を製造する方法を挙げることができる。
【0051】
前記一般式(a)において、R1、R2及びR3は、それぞれ独立して、水素原子、直鎖、分岐状、もしくは環状のアルキル基、またはアリール基を示し、前記アルキル基及びアリール基の少なくとも一方は本発明において目的とされる反応を損なわない範囲で置換基を有していてもよい。
【0052】
直鎖、分岐状もしくは環状のアルキル基の代表例としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、1-ペンチル基、2-ペンチル基、3-ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert-ペンチル基、1-ヘキシル基、2-ヘキシル基、3-ヘキシル基、1,1,2-トリメチル-n-プロピル基、1,2,2-トリメチル-n-プロピル基、及び3,3-ジメチル-n-ブチル基等が挙げられ、環状のアルキル基の代表例としては、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等を挙げることができる。
【0053】
アリール基の代表例としては、フェニル基、o-ヒドロキシフェニル基、o-メトキシフェニル基、o-クロロフェニル基、o-ブロモフェニル基、p-ヒドロキシフェニル基、p-メトキシフェニル基、p-クロロフェニル基、p-ブロモフェニル基、2,3-ジクロロフェニル基、2,4-ジクロロフェニル基、2,6-ジクロロフェニル基、2,3,5-トリクロロフェニル基、α-ナフチル基、β-ナフチル基、また、フラン環、チオフェン環、ピリジン環等の置換または非置換の芳香族複素環基等を挙げることができる。
【0054】
また、R1とR2とが、あるいはR2とR3とが相互に連結して、これらが結合している原子(窒素原子または炭素原子)と共同して環を形成してもよい。例えば、R1とR2が共にフェニル基を示す場合に、双方のベンゼン環上のオルト位同士がメチレン鎖を介して相互に連結する場合、被置換側の分子鎖とともに7員環が形成される。あるいは、R2とR3が相互に連結して-(CH2)5-となる場合、シクロヘキサン環が形成される。このように形成されたシクロヘキサン環等の環は、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、tert-ブチル基等のアルキル基;フェニル基、ナフチル基等のアリール基から選ばれる1または2以上の置換基で置換されていてもよい。
【0055】
次に前記一般式(b)において、R4、R5、R6及びR7は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、ホルミル基、カルボキシル基、直鎖、分岐状、もしくは環状のアルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルカルボニルオキシ基、アリールカルボニルオキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アミノカルボニル基、シアノ基、またはニトロ基を示し、前記アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルカルボニルオキシ基、アリールカルボニルオキシ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、及びアミノカルボニル基の少なくとも1つは本発明において目的とされる反応を損なわない範囲で置換基を有していてもよい。
【0056】
ハロゲン原子の代表例としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素原子を挙げることができる。
【0057】
直鎖もしくは分岐状のアルキル基の代表例としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、1-ペンチル基、2-ペンチル基、3-ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert-ペンチル基、1-ヘキシル基、2-ヘキシル基、3-ヘキシル基、1,1,2-トリメチル-n-プロピル基、1,2,2-トリメチル-n-プロピル基、及び3,3-ジメチル-n-ブチル基等が挙げられ、環状のアルキル基の代表例としては、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等を挙げることができる。
【0058】
アリール基の代表例としては、フェニル基、o-ヒドロキシフェニル基、o-メトキシフェニル基、o-クロロフェニル基、o-ブロモフェニル基、p-ヒドロキシフェニル基、p-メトキシフェニル基、p-クロロフェニル基、p-ブロモフェニル基、2,3-ジクロロフェニル基、2,4-ジクロロフェニル基、2,6-ジクロロフェニル基、2,3,5-トリクロロフェニル基、α-ナフチル基、β-ナフチル基、また、フラン環、チオフェン環、ピリジン環等の置換または非置換の芳香族複素環基等を挙げることができる。
【0059】
アルコキシ基の代表例としては、メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、イソプロポキシ基、n-ブトキシ基、イソブトキシ基、sec-ブトキシ基等を挙げることができる。
【0060】
アリールオキシ基の代表例としては、フェノキシ基、α-ナフチルオキシ基、β-ナフチルオキシ基等を挙げることができる。
【0061】
アルキルカルボニルオキシ基の代表例としては、アセトキシ基、エチルカルボニルオキシ基、n-プロピルカルボニルオキシ基、イソプロピルカルボニルオキシ基、n-ブチルカルボニルオキシ基、イソブチルカルボニルオキシ基、sec-ブチルカルボニルオキシ基等を挙げることができる。
【0062】
アリールカルボニルオキシ基の代表例としては、ベンゾイルオキシ基、α-ナフチルカルボニルオキシ基、β-ナフチルカルボニルオキシ基等を挙げることができる。
【0063】
アシル基の代表例としては、アセチル基、エチルカルボニル基、n-プロピルカルボニル基、イソプロピルカルボニル基、n-ブチルカルボニル基、イソブチルカルボニル基、sec-ブチルカルボニル基等を挙げることができる。
【0064】
アルコキシカルボニル基の代表例としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n-プロポキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、n-ブトキシカルボニル基、イソブトキシカルボニル基、sec-ブトキシカルボニル基等を挙げることができる。
【0065】
アリールオキシカルボニル基の代表例としては、フェノキシカルボニル基、α-ナフトキシカルボニル基、β-ナフトキシカルボニル基等を挙げることができる。
【0066】
アミノカルボニル基の代表例としては、ジメチルアミノカルボニル基、ジエチルアミノカルボニル基、フェニルメチルアミノカルボニル基、1-ピロリジニルカルボニル基、1-ピペリジニルカルボニル基、ジベンジルアミノカルボニル基等を挙げることができる。
【0067】
また、R4とR5、R5とR6、R6とR7またはR7とR4は相互に連結してこれらが結合する原子(炭素原子)とともに環を形成してもよい。また、これらの4つの組合せ(2つの置換基からなる)から選択された組合せの2以上によって2以上の環構造が被置換側の分子鎖とともに形成されていてもよく、その際、2以上の環構造は同一でも、少なくとも2つの異なる環構造が形成されているものでもよい。例えば、R5とR6が相互に連結して-(CH2)3-または-(CH2)4-となる場合、それぞれシクロペンテン環またはシクロヘキセン環が形成される。このように形成されたシクロペンテン環、シクロヘキセン環等の環は、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、tert-ブチル基等のアルキル基;フェニル基、ナフチル基等のアリール基から選ばれる1または2以上の置換基で置換されていてもよい。
【0068】
また、R4、R5、R6及びR7の少なくとも1つは電子吸引置換基であり、その代表例としては、ホルミル基、カルボキシル基、フェニル基、シアノ基、ニトロ基、アシル基、アルコキシカルボニル基等を挙げることができる。
【0069】
本発明の方法では、次式(e):
【0070】
【化33】
【0071】
で表されるα,β-不飽和カルボニル類、及び次式(g):
【0072】
【化34】
【0073】
で表されるニトロン類を出発原料として用いると、さらに好適である。
【0074】
前記一般式(e)において、X1、X2、X3及びX4はそれぞれ独立しており、このうちX1は、水素原子、水酸基、アミノ基、直鎖、分岐状、もしくは環状のアルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルアミノ基またはアリールアミノ基を示し、前記アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルアミノ基及びアリールアミノ基の少なくとも1つは本発明において目的とされる反応を損なわない範囲で置換基を有していてもよい。
【0075】
この直鎖もしくは分岐状のアルキル基の代表例としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、1-ペンチル基、2-ペンチル基、3-ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert-ペンチル基、1-ヘキシル基、2-ヘキシル基、3-ヘキシル基、1,1,2-トリメチル-n-プロピル基、1,2,2-トリメチル-n-プロピル基、及び3,3-ジメチル-n-ブチル基等が挙げられ、環状のアルキル基の代表例としては、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等を挙げることができる。
【0076】
アリール基の代表例としては、フェニル基、o-ヒドロキシフェニル基、o-メトキシフェニル基、o-クロロフェニル基、o-ブロモフェニル基、p-ヒドロキシフェニル基、p-メトキシフェニル基、p-クロロフェニル基、p-ブロモフェニル基、2,3-ジクロロフェニル基、2,4-ジクロロフェニル基、2,6-ジクロロフェニル基、2,3,5-トリクロロフェニル基、α-ナフチル基、β-ナフチル基、また、フラン環、チオフェン環、ピリジン環等の置換または非置換の芳香族複素環基等を挙げることができる。
【0077】
アルコキシ基の代表例としては、メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、イソプロポキシ基、n-ブトキシ基、イソブトキシ基、sec-ブトキシ基等を挙げることができる。
【0078】
アリールオキシ基の代表例としては、フェノキシ基、α-ナフチルオキシ基、β-ナフチルオキシ基等を挙げることができる。
【0079】
アルキルアミノ基の代表例としては、N,N-ジメチルアミノ基、N,N-ジエチルアミノ基、1-ピロリジニル基、1-ピペリジニル基、N,N-ジベンジルアミノ基等を挙げることができる。
【0080】
アリールアミノ基の代表例としては、N-フェニルアミノ基、N-メチル-N-フェニルアミノ基等を挙げることができる。
【0081】
また、X2、X3及びX4は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、直鎖、分岐状、もしくは環状のアルキル基、またはアリール基を示し、前記アルキル基、及びアリール基の少なくとも1つは本発明において目的とされる反応を損なわない範囲で置換基を有していてもよい。
【0082】
ハロゲン原子の代表例としてはフッ素、塩素、臭素、ヨウ素原子を挙げることができる。
【0083】
直鎖もしくは分岐状のアルキル基の代表例としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、1-ペンチル基、2-ペンチル基、3-ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert-ペンチル基、1-ヘキシル基、2-ヘキシル基、3-ヘキシル基、1,1,2-トリメチル-n-プロピル基、1,2,2-トリメチル-n-プロピル基、及び3,3-ジメチル-n-ブチル基等が挙げられ、環状のアルキル基の代表例としては、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等を挙げることができる。
【0084】
アリール基の代表例としては、フェニル基、o-ヒドロキシフェニル基、o-メトキシフェニル基、o-クロロフェニル基、o-ブロモフェニル基、p-ヒドロキシフェニル基、p-メトキシフェニル基、p-クロロフェニル基、p-ブロモフェニル基、2,3-ジクロロフェニル基、2,4-ジクロロフェニル基、2,6-ジクロロフェニル基、2,3,5-トリクロロフェニル基、α-ナフチル基、β-ナフチル基、また、フラン環、チオフェン環、ピリジン環等の置換または非置換の芳香族複素環基等を挙げることができる。
【0085】
また、X1とX2、X2とX3、X3とX4またはX4とX1は相互に連結してこれらが結合する原子(炭素原子)とともに環を形成してもよい。また、これらの4つの組合せ(2つの置換基からなる)から選択された組合の2以上によって2以上の環構造が被置換側の分子鎖とともに形成されていてもよく、その際、2以上の環構造は同一でも、少なくとも2つの異なる環構造が形成されているものでもよい。
【0086】
例えば、X2とX3が相互に連結して-(CH2)3-または-(CH2)4-となる場合、それぞれシクロペンテン環、シクロヘキセン環が形成される。このように形成されたシクロペンテン環、シクロヘキセン環等の環は、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、tert-ブチル基等のアルキル基;フェニル基、ナフチル基等のアリール基から選ばれる1または2以上の置換基で置換されていてもよい。
【0087】
この一般式(e)で表されるα,β-不飽和カルボニル類の特に好ましい具体例として、下記式(e-1)〜(e-10)で表されるもの等を挙げることができる。
【0088】
【化35】
【0089】
また、前記一般式(g)において、W1及びW2は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、アミノ基、ホルミル基、カルボキシル基、直鎖、分岐状、もしくは環状のアルキル基、直鎖もしくは分岐状のアルケニル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルカルボニルオキシ基、アリールカルボニルオキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アミノカルボニル基、スルホニル基、ホスフィニル基、ニトロ基、またはシアノ基を示し、前記アルキル基、アルケニル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルカルボニルオキシ基、アリールカルボニルオキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アミノカルボニル基、スルホニル基、及びホスホニル基の少なくとも1つは本発明において目的とされる反応を損なわない範囲で置換基を有していてもよい。また、m及びnは、それぞれ独立した1〜5の整数である。更に、mまたはnが2〜4の整数であるとき、複数のW1同士及び複数のW2同士の少なくとも一方における複数の基は同一でも、少なくとも2つの異なる基を含むものであってもよい。
例えば、3つのW1を有する場合に、そのうちの2つが同一の置換基であり、1つがこれらと異なる置換基であるように、少なくとも2つの異なった置換基が含まれる場合であってもよい。
【0090】
ハロゲン原子の代表例としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素原子を挙げることができる。
【0091】
直鎖、分岐状もしくは環状のアルキル基の代表例としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、1-ペンチル基、2-ペンチル基、3-ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert-ペンチル基、1-ヘキシル基、2-ヘキシル基、3-ヘキシル基、1,1,2-トリメチル-n-プロピル基、1,2,2-トリメチル-n-プロピル基、及び3,3-ジメチル-n-ブチル基等が挙げられ、環状のアルキル基の代表例としては、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等を挙げることができる。
【0092】
直鎖もしくは分岐状のアルケニル基の代表例としては、ビニル基、1-プロペニル基、イソプロペニル基等を挙げることができる。
【0093】
アリール基の代表例としては、フェニル基、o-ヒドロキシフェニル基、o-メトキシフェニル基、o-クロロフェニル基、o-ブロモフェニル基、p-ヒドロキシフェニル基、p-メトキシフェニル基、p-クロロフェニル基、p-ブロモフェニル基、2,3-ジクロロフェニル基、2,4-ジクロロフェニル基、2,6-ジクロロフェニル基、2,3,5-トリクロロフェニル基、α-ナフチル基、β-ナフチル基、また、フラン環、チオフェン環、ピリジン環等の置換または非置換の芳香族複素環基等を挙げることができる。
【0094】
アルコキシ基の代表例としては、メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、イソプロポキシ基、n-ブトキシ基、イソブトキシ基、sec-ブトキシ基等を挙げることができる。
【0095】
アリールオキシ基の代表例としては、フェノキシ基、α-ナフチルオキシ基、β-ナフチルオキシ基等を挙げることができる。
【0096】
アルキルカルボニルオキシ基の代表例としては、アセトキシ基、エチルカルボニルオキシ基、n-プロピルカルボニルオキシ基、イソプロピルカルボニルオキシ基、n-ブチルカルボニルオキシ基、イソブチルカルボニルオキシ基、sec-ブチルカルボニルオキシ基等を挙げることができる。
【0097】
アリールカルボニルオキシ基の代表例としては、ベンゾイルオキシ基、α-ナフチルカルボニルオキシ基、β-ナフチルカルボニルオキシ基等を挙げることができる。
【0098】
アシル基の代表例としては、アセチル基、エチルカルボニル基、n-プロピルカルボニル基、イソプロピルカルボニル基、n-ブチルカルボニル基、イソブチルカルボニル基、sec-ブチルカルボニル基等を挙げることができる。
【0099】
アルコキシカルボニル基の代表例としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n-プロポキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、n-ブトキシカルボニル基、イソブトキシカルボニル基、sec-ブトキシカルボニル基等を挙げることができる。
【0100】
アリールオキシカルボニル基の代表例としては、フェノキシカルボニル基、α-ナフトキシカルボニル基、β-ナフトキシカルボニル基等を挙げることができる。
【0101】
アミノカルボニル基の代表例としては、ジメチルアミノカルボニル基、ジエチルアミノカルボニル基、フェニルメチルアミノカルボニル基、1-ピロリジニルカルボニル基、1-ピペリジニルカルボニル基、ジベンジルアミノカルボニル基等を挙げることができる。
【0102】
スルホニル基の代表例としては、メタンスルホニル基、p-トルエンスルホニル基、p-フルオロフェニルスルホニル基、p-トリフルオロメチルフェニルスルノニル基等を挙げることができる。
【0103】
ホスホニル基の代表例としては、ジメチルホスホニル基、メチルフェニルホスホニル基、ジフェニルホスホニル基等を挙げることができる。
【0104】
また、2個のW1同士及びW2同士の少なくとも一方は相互に連結して、それぞれ結合している原子と共同して環を形成していてもよい。例えば、隣接する2個のW1同士が相互に連結して-(CH2)3-、-(CH2)4-または-(CH2)2O-となる場合、それぞれインダン環、テトラヒドロナフタレン環、ジヒドロベンゾフラン環が形成される。このように形成されたインダン環、テトラヒドロナフタレン環、ジヒドロベンゾフラン環等の環は、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、tert-ブチル基等のアルキル基;フェニル基、ナフチル基等のアリール基から選ばれる1または2以上の置換基で置換されていてもよい。なお、2以上の環状構造が形成された場合に、少なくとも2つの異なる環状構造が同一のフェニル基に対して形成されていてもよい。
【0105】
この一般式(g)で表されるニトロン類の具体例として、下記式(g-1)〜(g-20)で表されるもの等を挙げることができる。
【0106】
【化36】
【0107】
この中でも(g-5)、(g-6)、(g-7)、(g-8)、(g-13)、(g-14)、(g-15)、(g-16)、(g-20)のようにベンゼン環のオルト位にハロゲン原子を有するニトロン類からは、非常に高い光学純度でイソオキサゾリジンを製造できる。
【0108】
この一般式(g)で表されるニトロン類は、公知の方法に従って調製することができる。例えば、O.H.Wheelerら、J.Am.Chem.Soc.,78,3363(1956)に報告された方法に従って調製することができる。すなわち、N-フェニルヒドロキシルアミンと芳香族アルデヒドをエタノール中で作用させることにより合成できる。
【0109】
本発明の方法においては、次式(c):
【0110】
【化37】
【0111】
で表される光学活性金属錯体化合物を触媒に用いると、高い光学収率で光学活性オキサゾリジン類が収率よく得られるので好ましい。
【0112】
この光学活性金属錯体化合物を表す前記一般式(c)において、Y1とY2は異なる基であり、それぞれ、水素原子、直鎖、分岐状、もしくは環状のアルキル基、またはアリール基であり、これらの置換基の少なくとも1つは本発明において目的とされる反応を損なわない範囲で更に置換基を有していてもよい。
【0113】
この直鎖、分岐状、もしくは環状のアルキル基の代表例としては、メチル基、エチル基、イソプロピル基、tert-ブチル基、シクロヘキシル基等を挙げることができる。
【0114】
アリール基の代表例としては、フェニル基、p-メトキシフェニル基、p-クロロフェニル基、p-フルオロフェニル基、3,5-ジメチルフェニル基、2,4,6-トリメチルフェニル基、2,6-ジイソプロピルフェニル基、α-ナフチル基、β-ナフチル基等の置換または非置換の芳香族炭化水素基を挙げることができる。
【0115】
また、2個のY1同士及び2個のY2同士の少なくとも一方は、相互に結合して被置換側の分子鎖とともに環を形成していてもよく、例えば、-(CH2)4-等の基を介して相互に結合して6員環等の環を形成していてもよい。
【0116】
さらに、Y3、Y4及びY5はそれぞれ独立して、水素原子、直鎖、分岐状、もしくは環状のアルキル基、直鎖もしくは分岐状のアルケニル基、アリール基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、またはアラルキルオキシカルボニル基であり、前記アルキル基、アルケニル基、アリール基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、及びアラルキルオキシカルボニル基の少なくとも1つは本発明において目的とされる反応を損なわない範囲で置換基を有していてもよい。
【0117】
この直鎖、分岐状、もしくは環状のアルキル基の代表例としては、メチル基、エチル基、イソプロピル基、tert-ブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等を挙げることができる。
【0118】
直鎖もしくは分岐状のアルケニル基の代表例としては、ビニル基、イソプロペニル基等を挙げることができる。
【0119】
アリール基の代表例としては、フェニル基、p-メトキシフェニル基、p-クロロフェニル基、p-フルオロフェニル基、3,5-ジメチルフェニル基、2,4,6-トリメチルフェニル基、2,6-ジイソプロピルフェニル基、α-ナフチル基、β-ナフチル基等の置換または非置換の芳香族炭化水素基を挙げることができる。
【0120】
アシル基の代表例としては、アセチル基、トリフルオロアセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、ピバロイル基等の脂肪族アシル基;ベンゾイル基、3,5-ジメチルベンゾイル基、2,4,6-トリメチルベンゾイル基、2,6-ジメトキシベンゾイル基、2,4,6-トリメトキシベンゾイル基、2,6-ジイソプロポキシベンゾイル基、α-ナフチルカルボニル基、β-ナフチルカルボニル基、9-アントリルカルボニル基等の芳香族アシル基を挙げることができる。
【0121】
アルコキシカルボニル基の代表例としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n-ブトキシカルボニル基、n-オクチルオキシカルボニル基、シクロペンチルオキシカルボニル基、シクロヘキシルオキシカルボニル基、シクロオクチルオキシカルボニル基、tert-ブトキシカルボニル基等を挙げることができ、アリールオキシカルボニル基の代表例としては、フェノキシカルボニル基等を挙げることができ、アラルキルオキシカルボニル基の代表例としては、ベンジルオキシカルボニル基、フェネチルオキシカルボニル基等を挙げることができる。
【0122】
また、Y4とY5は相互に連結して、Y4及びY5がそれぞれ結合している炭素原子と共同して環を形成してもよい。例えば、R4及びR5が相互に連結して、-(CH2)4-または-CH=CH-CH=CH-となる場合、それぞれシクロヘキサン環またはベンゼン環が形成され、このように形成されたシクロヘキサン環、ベンゼン環等の環は、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基等のアルキル基;フェニル基、ナフチル基等のアリール基から選ばれる1または2以上の置換基で置換されていてもよく、また、前記ベンゼン環は縮合し、ナフタレン環等の縮合多環を形成してもよい。
【0123】
Mは2価または3価のコバルトイオン、または3価のクロムイオンを表し、これら金属イオンの価数と配位子の価数が異なるときZは塩を形成し得る陰イオン対を表し、金属イオンの価数と配位子の価数が同じ時Zは存在しない。
【0124】
このZが陰イオン対を表すとき、陰イオン対の代表例としては、F-、Cl-、Br-、I-、OH-、CH3CO2 -、p-CH3C6H4SO3 -、CF3SO3 -、PF6 -、BF4 -、BPh4 -、SbF6 -、ClO4 -等を挙げることができる。
【0125】
前記式(c)で表される光学活性コバルト(II)錯体、コバルト(III)錯体、クロム(III)錯体の具体例として、下記式(c-1)〜(c-10)で表されるもの等が挙げられる。
【0126】
【化38】
【0127】
さらに本発明の方法においては、次式(i):
【0128】
【化39】
【0129】
で表される光学活性コバルト錯体化合物を触媒に用いると、より短時間で反応を完結させることができ、さらに高い光学収率で光学活性オキサゾリジン類が収率よく得られるので特に好ましい。
【0130】
この光学活性金属錯体化合物を表す前記式(i)において、Y1とY2は前記一般式(c)で表される光学活性金属錯体化合物に同じであり、それぞれ、水素原子、直鎖、分岐状、もしくは環状のアルキル基、またはアリール基であり、これらのアルキル基及びアリール基の少なくとも1つは本発明において目的とされる反応を損なわない範囲で置換基を更に有していてもよい。
【0131】
この直鎖、分岐状、もしくは環状のアルキル基の代表例としては、メチル基、エチル基、イソプロピル基、tert-ブチル基、シクロヘキシル基等を挙げることができる。
【0132】
アリール基の代表例としては、フェニル基、p-メトキシフェニル基、p-クロロフェニル基、p-フルオロフェニル基、3,5-ジメチルフェニル基、2,4,6-トリメチルフェニル基、2,6-ジイソプロピルフェニル基、α-ナフチル基、β-ナフチル基等の置換または非置換の芳香族炭化水素基を挙げることができる。
【0133】
また、2個のY1同士及び2個のY2同士の少なくとも一方は、相互に結合して環を形成していてもよく、例えば、-(CH2)4-等の基を介して相互に結合して6員環等の環を形成していてもよい。
【0134】
次に、Y6は直鎖、分岐状、もしくは環状のアルキル基、アリール基、アルコキシ基、またはアリールオキシ基を示し、前記アルキル基、アリール基、アルコキシ基、及びアリールオキシ基の少なくとも1つは本発明において目的とされる反応を損なわない範囲で置換基を有していてもよい。
【0135】
この直鎖、分岐状、もしくは環状のアルキル基の代表例としては、メチル基、イソプロピル基、tert-ブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等を挙げることができる。
【0136】
アリール基の代表例としては、フェニル基、p-メトキシフェニル基、p-クロロフェニル基、p-フルオロフェニル基、3,5-ジメチルフェニル基、2,4,6-トリメチルフェニル基、2,6-ジイソプロピルフェニル基、3,5-ジメトキシフェニル基、α-ナフチル基、β-ナフチル基、9-アントラニル基等の置換または非置換の芳香族炭化水素基を挙げることができる。
【0137】
アルコキシ基の代表例としては、メトキシ基、エトキシ基、n-ブトキシ基、n-オクチルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、シクロオクチルオキシ基、tert-ブトキシ基等を挙げることができ、アリールオキシ基の代表例としては、フェノキシ基、2,6-ジメチルフェノキシ基、2,6-ジ-tert-ブチルフェノキシ基等を挙げることができる。
【0138】
また、Z-は塩を形成しうる陰イオン対を意味する。この陰イオン対の代表例としては、F-、Cl-、Br-、I-、OH-、CH3CO2 -、p-CH3C6H4SO3 -、CF3SO3 -、PF6 -、BF4 -、BPh4 -、SbF6 -、ClO4 -等を挙げることができる。
【0139】
前記式(i)で表される光学活性コバルト(III)錯体の具体例として、下記式(i-1)〜(i-12)で表されるもの等が挙げられる。
【0140】
【化40】
【0141】
【化41】
【0142】
前記一般式(i)で表される光学活性コバルト(III)錯体は、公知の方法に従って調製することができる。例えば、Y.Nishidaら、Inorg.Chim.Acta,38,213(1980); L.Claisen,Ann.Chem.,297,57(1897); E.G.Jager,Z.Chem.,8,30,392,および 475(1968)に報告された方法に従って調製することができ、特開平9-151143号公報、Bull.Chem.Soc.Jpn.,74,1333(2001)等にも開示されている。
【0143】
次に、本発明の不斉1,3-双極子付加環化反応の具体的な方法について説明する。反応は、無溶媒又は適当な溶媒の存在下、前記式(a)または式(g)で表されるニトロン類と、前記式(b)または式(e)で表される親双極子化合物とを、触媒として前記式(c)または式(i)で表される光学活性金属錯体化合物を使用して行う。
【0144】
式(b)または式(e)の親双極子化合物の使用量としては、式(a)または式(g)のニトロン類に対して1〜10倍モル、好ましくは1〜5倍モルがよい。式(c)または式(i)の光学活性金属錯体化合物の使用量としては、式(a)または式(g)のニトロン類に対して、通常1モル%〜15モル%、好ましくは1〜10モル%の範囲である。
反応溶媒としては、反応に不活性なものであれば特に制限はなく、例えば、ジクロロメタン、ジクロロエタン、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素類、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、tert-ブチルメチルエーテル、ジメトキシエタン等のエーテル類、メタノール、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、1-ブタノール、2-ブタノール、イソブタノール、シクロヘキサノール等のアルコール類、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、クロルベンゼン、o-ジクロルベンゼン等の芳香族炭化水素類、n-ヘキサン、シクロヘキサン、n-オクタン、n-デカン等の脂肪族炭化水素類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、アセトニトリル、ブチロニトリル等のニトリル類、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドン等のアミド類、1,3-ジメチルイミダゾリジノン、テトラメチル尿素等の尿素類等が挙げられる。
【0145】
これらは、単独又は組み合わせて使用することもできる。反応温度は、通常-100℃から50℃の範囲、好ましくは-78℃から0℃の範囲がよい。反応終了後は、有機溶媒を減圧濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー又は蒸留等により分離すれば、生成物である光学活性イソオキサゾリジン類を単離することができる。また、前記式(e)において、X1が水素原子である化合物を原料として使用する際、薄相クロマトグラフィー(TLC)などにより反応の完結を確認した後、水素化ホウ素ナトリウムのエタノール溶液等の還元剤を反応系中に直接添加し、後処理を行うことにより、アルデヒドより安定なアルコール体として単離することもできる。
【0146】
得られた光学活性イソオキサゾリジン類の光学純度は、そのまま、又は誘導体に変換して、光学活性クロマトグラフィーカラムや旋光度によって分析することができる。
【0147】
【実施例】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。
【0148】
(参考例1)
N,N'-ビス[2-(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-3-オキソブチリデン]-(1R,2R)-シクロヘキサン-1,2-ジアミナトコバルト(III)錯体六フッ化アンチモン酸塩(前記式(i-1))の合成:
窒素雰囲気下、N,N'-ビス[2-(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-3-オキソブチリデン]-(1R,2R)-シクロヘキサン-1,2-ジアミナトヨウ化コバルト(III)錯体(913.8 mg,1.258 mmol)の塩化メチレン溶液(20.0 mL)に六フッ化アンチモン酸銀(434.4 mg,1.264 mmol)を加えた。室温で1時間撹拌した後、生成したヨウ化銀と過剰量の六フッ化アンチモン酸銀を濾過した。濾液を減圧留去して得られた生成物を最小量の塩化メチレンに溶解し、この溶液に大量のヘキサンを加えて再沈殿精製を行い、N,N'-ビス[2-(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-3-オキソブチリデン]-(1R,2R)-シクロヘキサン-1,2-ジアミナトコバルト(III)錯体六フッ化アンチモン酸塩が緑色の固体として定量的に得られた(977.7 mg)。
【0149】
(参考例2)
N,N'-ビス[2-(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-3-オキソブチリデン]-(1S,2S)-1,2-ビス(3,5-ジメチルフェニル)エチレンジアミナトコバルト(III)錯体六フッ化アンチモン酸塩(前記式(i-3)の光学異性体)の合成:
窒素雰囲気下、N,N'-ビス[2-(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-3-オキソブチリデン]-(1S,2S)-1,2-ビス(3,5-ジメチルフェニル)エチレンジアミナトヨウ化コバルト(III)錯体(132.6 mg,0.151 mmol)の塩化メチレン溶液(8.0 mL)に六フッ化アンチモン酸銀(58.0mg,0.169 mmol)を加えた。室温で1.5時間撹拌した後、生成したヨウ化銀と過剰量の六フッ化アンチモン酸銀を濾過した。濾液を減圧留去して得られた生成物を最小量の塩化メチレンに溶解し、この溶液に大量のヘキサンを加えて再沈殿精製を行い、N,N'-ビス[2-(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-3-オキソブチリデン]-(1S,2S)-1,2-ビス(3,5-ジメチルフェニル)エチレンジアミナトコバルト(III)錯体六フッ化アンチモン酸塩が緑色の固体として得られた(140.0 mg,収率94%)。
【0150】
(実施例1)
(1R*,4S*,5S*)-3,4-ジフェニル-2-オキソ-3-アザビシクロ[3.3.0]-オクタン-5-カルバルデヒドの合成:
窒素雰囲気下、N,N'-ビス[2-(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-3-オキソブチリデン]-(1R,2R)-シクロヘキサン-1,2-ジアミナトコバルト(III)錯体六フッ化アンチモン酸塩(12.4 mg,0.015mmol,5.0 mol%;式(i-1);参考例1により合成)に、1-シクロペンテン-1-カルバルデヒド(46.7 mg,0.49 mmol)の塩化メチレン溶液(1.0 mL)を室温下で加え、-40℃に降温した後にベンジリデンフェニルアミン-N-オキシド(58.2 mg, 0.30 mmol)の塩化メチレン溶液(1.5 mL)をゆっくり滴下し、51時間撹拌した。その後、10%塩酸水溶液を加え反応を停止し、さらに室温で30分程度撹拌した。続いて塩化メチレンで抽出、抽出液を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧下で留去し、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(Hex:AcOEt = 4:1)で分離精製したところ、(1R*,4S*,5S*)-3,4-ジフェニル-2-オキソ-3-アザビシクロ[3.3.0]-オクタン-5-カルバルデヒドがジアステレオマー比99/1で得られた(70.2 mg,収率81%,51%ee(Endo))。なお、生成物の絶対立体配置は現在のところ確認できていないが、主生成物として得られた化合物の相対立体配置が(1R*,4S*,5S*)であることについては、実施例2に示すアルコール体に誘導し、NMR(NOE)及びX線構造解析により決定した。また、アルコールへの誘導時に、ジアステレオマー比に変化のないことも確認した。Endo体/Exo体の構造については下記式(h-1)に示す。
【0151】
【化42】
【0152】
(実施例2)
(1R*,4S*,5R*)-3,4-ジフェニル-2-オキソ-3-アザビシクロ[3.3.0]-オクタン-5-メタノールの合成:
反応に要する撹拌時間を51時間とする代わりに、48時間として行う以外は、実施例1と同様にして反応を行った。次に、実施例1で用いた10%塩酸水溶液を加えて反応を停止する代わりに、水素化ホウ素ナトリウム(21.0 mg,0.56 mmol)のエタノール溶液を加えて反応を停止し、さらに室温で1時間撹拌した。続いて反応溶液に水を加え、塩化メチレンで抽出、抽出液を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧下留去し、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(Hex:AcOEt = 4:1)で分離精製したところ、(1R*,4S*,5R*)-3,4-ジフェニル-2-オキソ-3-アザビシクロ[3.3.0]-オクタン-5-メタノールが単一のジアステレオマーとして得られた(79.5 mg,収率89%,51%ee(Endo))。なお、生成物の絶対立体配置は現在のところ確認できていないが、主生成物として得られた化合物の相対立体配置が(1R*,4S*,5R*)であることについては、実施例1に示した通り、NMR(NOE)及びX線構造解析により決定した。Endo体/Exo体の構造については下記式(k-1)に示す。以下、絶対立体配置が未確認のものについて、(1R*,4S*,5R*)のように絶対立体配置を示すR、及びSに*を付けて示す。
【0153】
【化43】
【0154】
(実施例3〜5)
各実施例において、ジクロロメタンの代わりに、表1に示す溶媒を使用した以外は実施例2と同様にして反応を行った。得られた(1R*,4S*,5R*)-3,4-ジフェニル-2-オキソ-3-アザビシクロ[3.3.0]-オクタン-5-メタノールの収率、ジアステレオマー比とEndo体の光学純度を表1に示す。
【0155】
【表1】
【0156】
(実施例6〜12)
各実施例において、前記光学活性コバルト(III)錯体触媒(i-1)の代わりに、表2に示す前記光学活性コバルト錯体触媒を使用した以外は実施例2と同様にして反応を行った。得られた(1R*,4S*,5R*)-3,4-ジフェニル-2-オキソ-3-アザビシクロ[3.3.0]-オクタン-5-メタノールの収率、ジアステレオマー比とEndo体の光学純度を表2に示す。
【0157】
【表2】
【0158】
(実施例13)
(1R*,4S*,5R*)-3-フェニル-4-(2-ブロモフェニル)-2-オキソ-3-アザビシクロ[3.3.0]-オクタン-5-メタノールの合成:
窒素雰囲気下、N,N'-ビス[2-(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-3-オキソブチリデン]-(1S,2S)-1,2-ビス(3,5-ジメチルフェニル)エチレンジアミナトコバルト(III)錯体六フッ化アンチモン酸塩(14.8 mg,0.015 mmol,5.0mol%;式(i-3)参考例2により合成)に、1-シクロペンテン-1-カルバルデヒド(49.0 mg,0.49 mmol)の塩化メチレン溶液(1.0 mL)を室温下で加え、-78℃に降温した後に2-ブロモベンジリデンフェニルアミン-N-オキシド(81.9 mg,0.30 mmol;式(g-7))の塩化メチレン溶液(1.0 mL)をゆっくり滴下し、96時間撹拌した。その後、水素化ホウ素ナトリウム(32.1 mg,0.85 mmol)のエタノール溶液を加え反応を停止し、さらに室温で1時間撹拌した。続いて反応溶液に水を加え、塩化メチレンで抽出、抽出液を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧下留去し、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(Hex:AcOEt = 4:1)で分離精製したところ、(1R*,4S*,5R*)-3-フェニル-4-(2-ブロモフェニル)-2-オキソ-3-アザビシクロ[3.3.0]-オクタン-5-メタノールが単一のジアステレオマーとして得られた(19.7 mg,収率18%,91%ee(Endo))。
【0159】
(実施例14)
反応温度を-78℃とする代わりに、-40℃として行う以外は、実施例13と同様にして反応を行った。その結果、(1R*,4S*,5R*)-3-フェニル-4-(2-ブロモフェニル)-2-オキソ-3-アザビシクロ[3.3.0]-オクタン-5-メタノールがジアステレオマー比99(Endo)/1(Exo)、収率88%で得られた。Endo体の光学純度は85%eeであった。
【0160】
(実施例15〜18)
各実施例において、前記ニトロン類2-ブロモベンジリデンフェニルアミン-N-オキシド(g-7)の代わりに、表3に示す前記ニトロン類を使用した以外は実施例14と同様にして反応を行った。得られた光学活性イソオキサゾリジン類の収率、ジアステレオマー比とEndo体の光学純度を表3に示す。
【0161】
【表3】
【0162】
(実施例19)
前記α,β-不飽和カルボニル類(e-1)を使用し、攪拌時間を24時間とした以外は実施例14と同様にして反応を行った。得られた光学活性イソオキサゾリジン類の収率は82%、ジアステレオマー比は96(Endo)/4(Exo)、Endo体の光学純度は61%eeであった。生成物の構造については下記式(k-2)に示す。
【0163】
【化44】
【0164】
(実施例20)
前記ニトロン類(g-6)及び前記α,β-不飽和カルボニル類(e-2)を使用し、さらに光学活性金属錯体化合物として式(I-3)を使用した以外は実施例14と同様にして反応を行った。得られた光学活性イソオキサゾリジン類の収率は97%、ジアステレオマー比は98(Endo)/2(Exo)、Endo体の光学純度は63%eeであった。生成物の構造については下記式(k-3)に示す。
【0165】
【化45】
【0166】
【発明の効果】
本発明の方法によれば、調製の容易な光学活性コバルト錯体触媒、あるいは光学活性クロム錯体を触媒に用いて、ニトロン類と種々の親双極子化合物から、不斉双極子付加環化反応により、対応する光学活性オキサゾリジン類を製造することができる。この光学活性イソオキサゾリジン類は、医薬品、農薬などの原体及び重要中間体、その他ファインケミカルズの合成において有用な中間体である。
Claims (4)
- 下記一般式(g):
- 前記一般式(e)の式中、X1が水素原子である請求項1に記載の光学活性イソオキサゾリジン類の製造方法。
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