JP4605321B2 - 光学活性オキサゾリン化合物及び該化合物を用いる光学活性アリルアルコール誘導体の製造法 - Google Patents

光学活性オキサゾリン化合物及び該化合物を用いる光学活性アリルアルコール誘導体の製造法 Download PDF

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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規な光学活性トリスオキサゾリン化合物、更に該誘導体を配位子とする銅錯体を使用することを特徴とする、光学活性アリルアルコール誘導体の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
不斉アリル酸化反応は、プロキラルなオレフィン化合物から、医薬、農薬を始めとする種々のファインケミカル誘導体の重要な中間体である、光学活性アリルアルコール誘導体を合成する有用な製造方法である。
【0003】
不斉アリル酸化反応としては、光学活性遷移金属錯体を触媒として用いる反応が知られており、例えば、Tetrahedron Letters 36, 1831 (1995)、Tetrahedron Letters 36, 2495 (1995)には、光学活性ビスオキサゾリン銅錯体を用いた反応が、Tetrahedron : Asymmetry 6, 147 (1995)およびTetrahedron : Asymmetry 6, 661 (1995)には、光学活性プロリン銅錯体を用いた反応が報告されている。
【0004】
また、Synlett 1245 (1995)には光学活性トリスオキサゾリン銅錯体を用いた反応が報告されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記の不斉アリル酸化反応において触媒として用いられる光学活性金属錯体は、現在も種々の改良がなされており、触媒性能および経済性を考慮した更に優れた触媒の開発研究が盛んに行なわれているのが現状である。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、不斉アリル酸化反応について鋭意検討を重ねた結果、新規な光学活性トリスオキサゾリン化合物を開発し、該化合物を配位子とする銅錯体が不斉アリル酸化反応の触媒として極めて有用である事を見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
即ち、本発明は、式(1)
【0008】
【化6】
Figure 0004605321
【0009】
〔式中、Rは、C1-6アルキル基、フェニル基(該フェニル基は、ハロゲン原子、C1-6アルキル基又はC1-6アルコキシ基で任意に置換されていてもよい。)又はベンジル基(該ベンジル基は、ハロゲン原子、C1-6アルキル基又はC1-6アルコキシ基で任意に置換されていてもよい。)を意味し、
*は不斉炭素原子であることを表わし、その炭素原子の絶対配置はR又はSを意味する。〕で表わされる光学活性トリスオキサゾリン化合物、及び
式(2)
【0010】
【化7】
Figure 0004605321
【0011】
〔式中、rは1〜4の整数を意味する。〕で表わされる環状オレフィンと、式(3)
【0012】
【化8】
Figure 0004605321
【0013】
〔式中、Wは、C1-8アルキル基又はフェニル基(該フェニル基は、ハロゲン原子、C1-6アルキル基又はC1-6アルコキシ基で任意に置換されていてもよい。)を意味し、Zは、水素原子又はC1-8アルキル基を意味する。〕で表わされる過酸エステルを、式(1)
【0014】
【化9】
Figure 0004605321
【0015】
〔式中、Rは前記に同じ。*は不斉炭素原子であることを表わし、その炭素原子の絶対配置はR又はSを意味する。〕で表わされる光学活性トリスオキサゾリン化合物を配位子とする銅錯体の存在下反応させることを特徴とする、式(4)
【0016】
【化10】
Figure 0004605321
【0017】
〔式中、W及びrは前記に同じ。*は不斉炭素原子であることを表わし、その炭素原子の絶対配置はR又はSを意味する。〕で表わされる光学活性アリルアルコール誘導体の製造方法に関するものである。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、更に詳細に本発明を説明する。
【0019】
まず、R、W及びZの各置換基における語句について説明する。
【0020】
尚、本明細書中、「n」はノルマルを、「i」はイソを、「s」はセカンダリーを、「t」はターシャリーを、「o」はオルトを、「p」はパラを意味する。
【0021】
1-6アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、1−ペンチル基、2−ペンチル基、3−ペンチル基、i−ペンチル基、ネオペンチル基、t−ペンチル基、1−ヘキシル基、2−ヘキシル基、3−ヘキシル基、1,1,2−トリメチル−n−プロピル基、1,2,2−トリメチル−n−プロピル基及び3,3−ジメチル−n−ブチル基等が挙げられる。
【0022】
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子が挙げられる。
【0023】
1-6アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、s−ブトキシ基、t−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基及びn−ヘキシルオキシ基等が挙げられる。
【0024】
1-8アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、1−ペンチル基、2−ペンチル基、3−ペンチル基、i−ペンチル基、ネオペンチル基、t−ペンチル基、1−ヘキシル基、2−ヘキシル基、3−ヘキシル基、1−メチル−1−エチル−n−ペンチル基、1,1,2−トリメチル−n−プロピル基、1,2,2−トリメチル−n−プロピル基、3,3−ジメチル−n−ブチル基、1−ヘプチル基、2−ヘプチル基、1−エチル−1,2−ジメチル−n−プロピル基、1−エチル−2,2−ジメチル−n−プロピル基、1−オクチル基及び3−オクチル基等が挙げられる。
【0025】
次に、好ましいR、W及びZについて説明する。
【0026】
好ましいRとしては、フェニル基、イソプロピル基、4−メトキシフェニル基、4−トリフルオロメチルフェニル基及び4−t−ブチルフェニル基が挙げられる。
【0027】
好ましいWとしては、メチル基、エチル基、t−ブチル基及びフェニル基が挙げられ、より好ましくは、メチル基及びフェニル基が挙げられ、更に好ましくはフェニル基が挙げられる。
【0028】
好ましいZとしては、t−ブチル基及び1,1−ジメチルプロピル基が挙げられ、より好ましくは、t−ブチル基が挙げられる。
【0029】
光学活性トリスオキサゾリン化合物の合成法について説明する。
【0030】
スキーム1に、式(1)の光学活性トリスオキサゾリン化合物の製造方法を示した。
【0031】
スキーム1
【0032】
【化11】
Figure 0004605321
【0033】
〔式中、Rは前記に同じ。PPh3はトリフェニルホスフィンを、Et3Nはトリエチルアミンを意味し、*は不斉炭素原子であることを表わし、その炭素原子の絶対配置はR又はSを意味する。〕
即ち、トリカルボン酸(5)を、トリフェニルホスフィン−四塩化炭素−トリエチルアミンの存在下、光学活性エターノールアミン誘導体(6)と反応させることにより、目的とする光学活性トリスオキサゾリン化合物(1)を合成することができる。
【0034】
トリカルボン酸(5)は、市販の化合物を用いることができる。
【0035】
光学活性エターノールアミン誘導体(6)は、Tetrahedron Lett.,37, 3219 (1996)、J. Org. Chem.,57, 2768 (1992)及びJ. Am. Chem. Soc.,120, 1207 (1998)に記載の方法に従って製造することができる。
【0036】
光学活性エターノールアミン誘導体(6)の使用量は、トリカルボン酸(5)に対して、3〜5倍モルの範囲、好ましくは、3〜3.5倍モルの範囲である。
【0037】
トリフェニルホスフィンの使用量は、トリカルボン酸(5)に対して、6〜15倍モルの範囲、好ましくは、6〜12倍モルの範囲である。
【0038】
四塩化炭素の使用量は、トリフェニルホスフィンに対して、1〜4倍モルの範囲、好ましくは、1〜3倍モルの範囲である。
【0039】
トリエチルアミンの使用量は、トリフェニルホスフィンに対して、1〜3倍モルの範囲、好ましくは、1〜2倍モルの範囲である。
【0040】
反応溶媒としては、反応に関与しないものであれば特に制限はなく、例えば、アセトニトリル、プロピオニトリル、ブチロニトリル等のニトリル類、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン等の芳香族炭化水素類、n−ヘキサン、シクロヘキサン、n−オクタン、n−デカン等の脂肪族炭化水素類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、t−ブチルメチルエーテル、ジメトキシエタン等のエーテル類等が挙げられ、好ましくは、アセトニトリルが挙げられる。
【0041】
反応温度は、通常−10℃〜60℃の範囲、好ましくは0℃〜40℃の範囲がよい。
【0042】
反応時間は、反応温度により変化するため、特定できないが、例えば室温では、通常0.5〜10時間、好ましくは、1〜5時間反応させれば充分である。
【0043】
反応終了後は、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液等を加えた後、適当な溶媒により抽出し、溶媒を減圧濃縮して、ショートシリカゲルカラムクロマトグラフィー等により分離することにより、目的とする光学活性トリスオキサゾリン化合物(1)を単離する事が出来る。
【0044】
次に、光学活性アリルアルコール誘導体の製造方法について説明する。
【0045】
スキーム2に、光学活性アリルアルコール誘導体(4)の製造方法を示した。
【0046】
スキーム2
【0047】
【化12】
Figure 0004605321
【0048】
〔式中、R、W、Z及びrは前記に同じ。*は不斉炭素原子であることを表わし、その炭素原子の絶対配置はR又はSを意味する。〕
即ち、環状オレフィン(2)を、光学活性トリスオキサゾリン化合物(1)と銅化合物よりなる銅錯体の存在下、過酸エステル(3)と反応させることにより、目的とする光学活性アリルアルコール誘導体(4)を製造することができる。
【0049】
反応基質である式(2)の環状オレフィンとしては、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテン等が挙げられる。
【0050】
酸化剤である式(3)の過酸エステルとしては、過酢酸t−ブチルエステル、過安息香酸t−ブチルエステル、過プロピオン酸t−ブチルエステル、過ピバリン酸1,1−ジメチルプロピルエステル、過ピバリン酸t−ブチルエステル等が挙げられ、好ましくは、過酢酸t−ブチルエステル、過安息香酸t−ブチルエステルが挙げられる。
【0051】
光学活性トリスオキサゾリン化合物(1)と銅化合物を使用する場合、光学活性トリスオキサゾリン化合物(1)の使用量は、環状オレフィン(2)に対して0.1モル%〜50モル%の範囲、好ましくは0.1モル%〜10モル%の範囲である。
【0052】
銅化合物の使用量は、環状オレフィン(2)に対して0.1モル%〜50モル%の範囲、好ましくは0.1モル%〜10モル%の範囲である。
【0053】
銅化合物としては、酢酸第1銅、酢酸第2銅、トリフルオロメタンスルホン酸第1銅、トリフルオロメタンスルホン酸第2銅、シアン化第1銅、シアン化第2銅、塩化第1銅、塩化第2銅、臭化第1銅、臭化第2銅、沃化第1銅、沃化第2銅等が挙げられ、トリフルオロメタンスルホン酸第1銅、トリフルオロメタンスルホン酸第2銅が好ましい。
【0054】
過酸エステルの(3)使用量は、特に制限はないが、環状オレフィン(2)に対して0.1〜10倍モル、好ましくは、0.5〜5倍モルが望ましい。
【0055】
反応溶媒としては、反応に関与しないものであれば特に制限はなく、例えば、アセトニトリル、プロピオニトリル、ブチロニトリル等のニトリル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン等の芳香族炭化水素類、n−ヘキサン、シクロヘキサン、n−オクタン、n−デカン等の脂肪族炭化水素類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、ジクロロメタン、ジクロロエタン、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素類、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、t−ブチルメチルエーテル、ジメトキシエタン等のエーテル類、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、イソブタノール、シクロヘキサノール等のアルコール類等が挙げられ、好ましくは、アセトン、アセトニトリル、ベンゼン、酢酸エチル、ジクロロエタンが挙げられる。
【0056】
また、反応基質である環状オレフィン(2)をそのまま溶媒として使用することもできる。
【0057】
更に、これら溶媒の使用は、単独または組み合わせて使用することもできる。
【0058】
反応温度は、通常−50℃〜50℃の範囲、好ましくは−25℃〜30℃の範囲がよい。
【0059】
反応時間は、環状オレフィン(2)および過酸エステル(3)の反応性にもよるが、通常0.1〜1000時間である。
【0060】
反応終了後は、水を加えた後、適当な溶媒により抽出し、溶媒を減圧濃縮して、シリカゲルカラムクロマトグラフィーまたは蒸留等により分離すれば、目的とする光学活性アリルアルコール誘導体(4)を単離する事が出来る。
【0061】
得られた光学活性アリルアルコール誘導体(4)の光学純度は、光学活性クロマトグラフィーカラムや旋光度によって分析することができる。
【0062】
【実施例】
以下、実施例により更に詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0063】
尚、光学活性アリルアルコール誘導体の絶対配置は、Tetrahedron 53, 6337 (1997)に記載の化合物と、比旋光度を比較することにより、決定した。
【0064】
実施例1(光学活性トリスオキサゾリン(7)の合成)
【0065】
【化13】
Figure 0004605321
【0066】
窒素雰囲気下、メタントリアセチックアシッド(1.077g、5.66mmol)、(R)−フェニルグリシノール(2.370g、17.3mmol)、トリエチルアミン(10ml)及び四塩化炭素(10ml)のアセトニトリル(40ml)溶液に、トリフェニルホスフィン(13.37g、51.0mmol)を室温で加えた。
2時間攪拌した後、酢酸エチル(200ml)で希釈し、100mlの飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗い、その水層から更に酢酸エチル(50ml)で2回抽出した。
有機層を混合し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥した後、この溶液をろ過、濃縮した後、ショートシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/トリエチルアミン=1:0−100:1)で精製し、1.105gの光学活性トリスオキサゾリン(7)を油状物として得た(収率40%)。
【0067】
1H NMR(CDCl3 270MHz) : 7.37-7.24(15H,m),5.20(3H,dd,J=9.6,8.9Hz),
4.62(3H,dd,J=8.6,8.6Hz),4.08(3H,dd,J=8.6,8.3Hz),2.98-2.88(1H,m),2.72(6H,d,J=6.3Hz)
13C NMR(CDCl3 270MHz) : 166.9,142.4,128.7,127.5,126.6,76.6,74.5,69.7,31.9,31.3
HREIMS m/z Calcd for C31H31N3O3H(MH+):494.2443. Found:494.2445
【0068】
実施例2(光学活性トリスオキサゾリン(8)の合成)
【0069】
【化14】
Figure 0004605321
【0070】
窒素雰囲気下、メタントリアセチックアシッド(264.9mg、1.39mmol)、(R)−2−アミノ−2−(p−メトキシフェニル)エタノール(698.8mg、4.18mmol)、トリエチルアミン(2.3ml)及び四塩化炭素(2.3ml)のアセトニトリル(10ml)溶液に、トリフェニルホスフィン(3.288g、12.5mmol)を室温で加えた。
2時間攪拌した後、酢酸エチル(30ml)で希釈し、50mlの飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗い、その水層から更に酢酸エチル(30ml)で2回抽出した。
有機層を混合し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥した後、この溶液をろ過、濃縮した後、ショートシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/トリエチルアミン=1:0−100:1)で精製し、367.5mgの光学活性トリスオキサゾリン(8)を油状物として得た(収率45%)。
【0071】
1H NMR(CDCl3 270MHz) : 7.18(6H,d,J=8.9Hz),6.86(6H,d,J=8.9Hz),
5.15(3H,dd,J=9.2,8.6Hz),4.58(3H,dd,J=8.6,8.3Hz),4.05(3H,dd,J=8.3,8.2Hz),3.79(9H,s),2.91-2.84(1H,m),2.69(6H,d,J=6.6Hz)
13C NMR(CDCl3 270MHz) : 166.6,159.0,134.6,127.7,114.1,74.6,69.2,55.3,31.9,31.3
HREIMS m/z Calcd for C34H37N3O6H(MH+):584.2760. Found:584.2776
【0072】
実施例3(シクロペンテンの不斉アリル酸化)
【0073】
【化15】
Figure 0004605321
【0074】
〔式中、Tfはトリフルオロメタンスルホニル基(CF3SO2)を、tBuはt−ブチル基を各々意味する。〕
窒素雰囲気下、トリフルオロメタンスルホン酸銅(II)(3.6mg、10μmol)に、光学活性トリスオキサゾリン(8)のジクロロメタン溶液(0.18M、90μl、15μmol)を加え、室温で1時間攪拌し、その後溶媒を減圧下除去した。この残渣に1,2−ジクロロエタン(0.50ml)とシクロペンテン(70μl、0.8mmol)を加えて、その混合液を0℃に冷却した。過安息香酸t−ブチルエステル(38μl、0.2mmol)を徐々に加えて、そのまま0℃で48時間攪拌した。反応終了後、反応混合物をシリカゲルに通して濾過(ヘキサン/酢酸エチル=9:1)し銅錯体を除去した。濾液を減圧下濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=100:1)により精製し、27.6mgの(R)−2−シクロペンテニルベンゾエートを無色油状物として得た(収率73%)。不斉収率:85%ee。(DAICEL CHIRALCEL OD−H,ヘキサン/イソプロパノール=1000/1)
【0075】
実施例4〜5
反応温度を変更した他は、実施例3と同様に不斉アリル酸化反応を行なった結果を下表に示す。
【0076】
【表1】
Figure 0004605321
【0077】
実施例6
シクロペンテンの代わりにシクロヘキセンを使用し、実施例3と同様に不斉アリル酸化反応を行なった結果を下表に示す。
【0078】
【表2】
Figure 0004605321
【0079】
実施例7
シクロペンテンの代わりにシクロヘプテンを使用し、実施例3と同様に不斉アリル酸化反応を行なった結果を下表に示す。
【0080】
但し、光学純度は、1H NMR(270MHz,キラルシフト剤:[Eu(hfc)3])で決定した。
【0081】
【表3】
Figure 0004605321
【0082】
実施例8
シクロペンテンの代わりにシクロオクテンを使用し、実施例3と同様に不斉アリル酸化反応を行なった結果を下表に示す。
【0083】
【表4】
Figure 0004605321
【0084】
実施例9
光学活性トリスオキサゾリン(8)の代わりに(7)を使用し、実施例3と同様に不斉アリル酸化反応を行なった結果を下表に示す。
【0085】
【表5】
Figure 0004605321
【0086】
実施例10〜15
溶媒及び反応温度を変更した他は、実施例9と同様に不斉アリル酸化反応を行なった結果を下表に示す。
【0087】
【表6】
Figure 0004605321
【0088】
【発明の効果】
本発明の式(1)の光学活性トリスオキサゾリン化合物は、金属に対する配位子として有効であり、特にに於ける銅触媒の配位子として使用することにより、式(2)のオレフィンから、医農薬およびその中間体として有用な式(4)の光学活性アリルアルコール誘導体を容易に製造することができる。

Claims (9)

  1. 式(1)
    Figure 0004605321
    〔式中、Rは、C1-6アルキル基、フェニル基(該フェニル基は、ハロゲン原子、C1-6アルキル基又はC1-6アルコキシ基で任意に置換されていてもよい。)又はベンジル基(該ベンジル基は、ハロゲン原子、C1-6アルキル基又はC1-6アルコキシ基で任意に置換されていてもよい。)を意味し、*は不斉炭素原子であることを表わし、その炭素原子の絶対配置はR又はSを意味する。〕で表わされる光学活性トリスオキサゾリン化合物。
  2. Rがフェニル基である請求項1記載の光学活性トリスオキサゾリン化合物。
  3. Rがイソプロピル基である請求項1記載の光学活性トリスオキサゾリン化合物。
  4. Rが4−メトキシフェニル基である請求項1記載の光学活性トリスオキサゾリン化合物。
  5. 式(2)
    Figure 0004605321
    〔式中、rは1〜4の整数を意味する。〕で表わされる環状オレフィンと、式(3)
    Figure 0004605321
    〔式中、Wは、C1-8アルキル基又はフェニル基(該フェニル基は、ハロゲン原子、C1-6アルキル基又はC1-6アルコキシ基で任意に置換されていてもよい。)を意味し、Zは、水素原子又はC1-8アルキル基を意味する。〕で表わされる過酸エステルを、式(1)
    Figure 0004605321
    〔式中、Rは前記に同じ。*は不斉炭素原子であることを表わし、その炭素原子の絶対配置はR又はSを意味する。〕で表わされる光学活性トリスオキサゾリン化合物を配位子とする銅錯体の存在下反応させることを特徴とする、式(4)
    Figure 0004605321
    〔式中、W及びrは前記に同じ。*は不斉炭素原子であることを表わし、その炭素原子の絶対配置はR又はSを意味する。〕で表わされる光学活性アリルアルコール誘導体の製造方法。
  6. Rがフェニル基である光学活性トリスオキサゾリン化合物を用いる請求項記載の光学活性アリルアルコール誘導体の製造方法。
  7. Rがイソプロピル基である光学活性トリスオキサゾリン化合物を用いる請求項記載の光学活性アリルアルコール誘導体の製造方法。
  8. Rが4−メトキシフェニル基である光学活性トリスオキサゾリン化合物を用いる請求項記載の光学活性アリルアルコール誘導体の製造方法。
  9. 過酸エステルが、過安息香酸t−ブチルエステルである請求項記載の光学活性アリルアルコール誘導体の製造方法。
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