JP5493404B2 - 光学活性な環状エポキシアリールエステル誘導体の製造法 - Google Patents
光学活性な環状エポキシアリールエステル誘導体の製造法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5493404B2 JP5493404B2 JP2009062952A JP2009062952A JP5493404B2 JP 5493404 B2 JP5493404 B2 JP 5493404B2 JP 2009062952 A JP2009062952 A JP 2009062952A JP 2009062952 A JP2009062952 A JP 2009062952A JP 5493404 B2 JP5493404 B2 JP 5493404B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- group
- following formula
- reaction
- copper
- methyl
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Epoxy Compounds (AREA)
- Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
Description
しかしながら、この反応の代表例であるシクロペンテンの反応において、0℃で93e.e.%という高い不斉化を達成しているが、収率が30%と低く、反応時間が200時間と長時間を必要としている。シクロヘプテンの反応においても−20℃で69e.e.%の不斉化を達成しているが、収率が10%と低く、反応時間が670時間と長時間を必要としている。従って、低温が必要であり、収率が低く、長時間の反応時間が必要であるために、この反応は工業化に適した光学活性な環状アリールエステル誘導体の製造法とは言い難い。
この反応においては、光学純度86%ee、収率88%とある程度満足すべき結果が得られてはいるが、反応時間が20日もの長時間を必要としているため、工業化に適する光学活性な環状アリールエステル誘導の製造方法とは言い難い。
従来報告されている環状オレフィン化合物から光学活性な環状アリールエステル誘導体を製造する方法はいろいろ報告されているが、反応原料がエポキシドを有している化合物から光学活性な環状エポキシアリールエステル誘導体を製造する方法は未だ開発されてはいない。
前述の目的は、前記式(1)で示される環状エポキシオレフィン化合物を、前記式(2)で示されるN,N−二座型光学活性シッフ塩基配位子及び銅化合物を触媒として用いて、有機過酸化物と反応させ、選択的不斉酸化反応を行うことにより前記式(3)で示される光学活性な環状エポキシアリールエステル誘導体の製造方法を提供することにある。
本発明は、前記式(1)で示される環状エポキシオレフィン化合物を簡便な操作で、低コスト、低リスク、且つ、温和な条件により、高収率、高光学選択的に前記式(3)式で示される光学活性な環状エポキシアリールエステル誘導体の製造方法に関する。従って、本発明は以下の通りである。
上記式(2)において、R1は水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基からなる群から選ばれる低級アルキル基であり、R2はフェニル基;p−メチル及びp−メトキシからなる群から選ばれる置換基を有するフェニル基;又はα又はβのナフチル基;p−メチル及びp−メトキシからなる群から選ばれる置換基を有するα又はβのナフチル基;又はメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、及びtert−ブチル基からなる群から選ばれる低級アルキル基を示す。上記式(3)において、Rは水素原子、ニトロ基、又はエステル基である。
次に反応系に環状エポキシオレフィン化合物を加え、有機過酸化物を反応させることにより前記式(3)で示される光学活性な環状エポキシアリールエステル誘導体を得ることができる。
前記式(2)で表されるN,N−二座型光学活性シッフ塩基配位子及び銅触媒を先ずは溶媒に溶解する。
銅触媒として、銅(II)トリフルオロメタンスルホネートに代表される銅(II)触媒を用いる場合は、更に、還元剤であるフェニルヒドラジンを添加する。なお、この場合、フェニルヒドラジンを加えることにより、液の色は暗赤色から透明な赤色の反応液に変化する。これは、銅(II)触媒が銅(I)触媒へと反応系中で変化していることを示す。
フェニルヒドラジンの使用量は、銅(II)触媒に対して、好ましくは1.0〜1.5倍当量、より好ましくは約1.0倍当量である。
なお、銅触媒として六フッ化リン銅テトラアセトニトリルで代表される銅(I)触媒を用いる場合は、フェニルヒドラジンを添加する必要はない。
アセトン等の反応溶媒の使用量は、銅触媒に対し通常50〜200倍容量であり、好ましくは90〜130倍容量であり、より好ましくは約110倍容量である。
環状エポキシオレフィン化合物の使用量は、銅触媒に対して、好ましくは80〜150倍当量、より好ましくは約100倍当量である。
有機過酸化物の使用量は、銅触媒に対して、好ましくは10〜30倍当量、より好ましくは約20倍当量である。
(S)−1−フェニル−N−(ピリジン−2−イルメチレン)エチルアミンの製造
(S)−1−フェニル−エチルアミン133.2mg(1.10mmol)、ピリジン−2−カルボアルデヒド(107.1mg(1.00mmol)をトルエン5mLに溶解し、硫酸ナトリウム1.0gを加え、この反応溶液を12時間110℃で攪拌した。反応液をろ過後、反応液を減圧留去すると目的物の(S)−1−フェニル−N−(ピリジン−2−イルメチレン)エチルアミン178.7mg(収率85%)が得られた。分析用のサンプルとして事前にトリエチルアミンで中性にしたシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=5/1)を使用して精製した。
(S)−1−フェニル−N−(ピリジン−2−イルメチレン)エチルアミン分析値:僅かな黄色オイル;[α]D 25:+38(c 1.0,CHCl3);IR(Nujol):νmax=3060,2971,1645,1586,1493,1467,1436,1371,1080,762,700,612cm−1;1H NMR(400MHz,CDCl3):δ=1.61(d,J=6.8Hz,3H),4.65(q,J=6.8Hz,1H),7.2−7.4(m,6H),7.72(dt,J=7.2Hz,1.6Hz,1H),8.09(d,J=7.6Hz,1H),8.46(S,1H),8.63(d,J=4.8Hz,1H);13C NMR(100.6MHz,CDCl3):δ=24.5,69.5,121.4,124.6,126.6,126.9,128.5,136.4,144.5,149.3,154.8,160.4。
各種アルドイミンズ配位子(Aldimins Ligands)の製造
対応するキラルアミン化合物(1.10mmol)及びアルデヒド化合物(1.00mmol)以外は全く参考例1と同様にして各種アルドイミンズ配位子(Aldimins Ligands)を合成した。
(S)−N−[(6−メチルピリジン−2−イル)メチレン]−1−フェニルエチルアミン:収率83%;僅かな黄色オイル;[α]D 25:+5.6(c 1.0,CHCl3);IR(Nujol):νmax=2971,2862,1646,1591,1456,1369,1085,792,764,699cm−1;1H NMR(400MHz,CDCl3):δ=1.60(d,J=6.8Hz,3H),2.58(S,3H),4.62(q,J=6.8Hz,1H),7.16(d,J=7.2Hz,1H),7.23(d,J=6.8Hz,1H),7.34(T,J=7.2Hz,2H),7.4−7.5(m,2H),7.61(t,J=7.8Hz,1H),7.92(d,J=7.8Hz,1H),8.45(S,1H);13C NMR(100.6MHz,CDCl3):δ=24.3,24.5,69.5,118.4,124.3,126.7,126.9,128.5,136.7,144.6,154.3,158.0,160.8。
(S)−1−フェニル−N−(キノリン−2−イルメチレン)−エチルアミン:収率82%;黄色固体(再結晶溶媒:アセトニトリル);融点90−92℃;[α]D 26:−54(c 1.0,CHCl3);IRスペクトル(KBr):νmax=2966,2860,1633,1596,1504,1452,1367,1086,835,774,759,706cm−1;1H NMR(400MHz,CDCl3):δ=1.65(d,J=7.2Hz,3H),4.72(q,J=7.2Hz,1H),7.2−7.3(m,1H),7.3−7.4(m,2H),7.48(d,J=7.2Hz,2H),7.5−7.6(m,1H),7.7−7.8(m,1H),7.83(d,J=10.4Hz,1H),8.13(d,8.4Hz,1H),8.17(d,J=8.4Hz,1H),8.26(d,J=8.4Hz,1H),8.64(S,1H);13C NMR(100.6MHz,CDCl3):δ=24.6,69.6,118.6,126.7,127.0,127.4,127.7,128.5,128.8,129.6,129.7,136.4,144.5,147.8,155.1,160.9。
(S)−1−(ナフタレン−1−イル)−N−(キノリン−2−イルメチレン)−エチルアミン:収率84% 黄色オイル;[α]D 26:+152(c 1.0,CHCl3);IRスペクトル(Nujol):νmax=2977,2864,1649,1595,1502,1429,1369,1304,1119,959,837,778,753,619cm−1;1H NMR(400MHz,CDCl3):δ=1.79(d,J=6.8Hz,3H),5.54(q,J=6.8Hz,1H),7.5−7.6(m,4H),7.7−7.9(m,5H),8.10(d,J=8.4Hz,1H),8.18(d,J=8.4Hz,1H),8.27(d,J=8.4Hz,1H),8.31(d,J=8.4Hz,1H),8.68(S,1H);13C NMR(100.6MHz,CDCl3):δ=24.1,65.3,118.6,123.6,124.1、125.4,125.6,125.9,127.3,127.6,127.7,128.8,128.9,129.5,129.7,130.7,134.0,136.4,140.3,147.7,155.1,161.2。
(S)−3,3−ジメチル−N−(キノリン−2−イルメチレン)ブタン−2−アミン: 収率81%;黄色オイル;[α]D 26:+152(c 1.0,CHCl3);IRスペクトル(thin film):νmax=2958,2866,1646,1595,1502,1458,1393,1364,1204,1121,961,834,750,620cm−1;1H NMR(400MHz,CDCl3):δ=0.98(S,9H),1.20(d,J=6.4Hz,3H),3.15(q,J=6.4Hz,1H),7.5−7.6(m,1H),7.7−7.8(m,1H),7.83(d,J=8.4Hz,1H),8.1−8.2(m,3H),8.50(S,1H);13C NMR(100.6MHz,CDCl3):δ=17.3,26.6,34.3,75.3,118.6,127.2,127.7,128.7,129.5,129.6,136.3,147.8,155.3,160.0;MS(ESI)m/z=241.4(M+H)+,263.3(M+Na)+;Anal.calcd.for C16H20N2:C 79.96,H 8.39,N 11.66;Found:C 79.89,H 8.33,N 11.40。
メチル2−キノリイルケトンの製造
無水エーテル50mLに2−キノリンカルボニトリル2.0g(13.0mmol)を溶解した溶液に、事前にマグネシウム0.343g(14.3mmol)とヨウ化メチル2.05g(14.3mmol)を無水ジエチルエーテル30mL中で反応させて得たヨウ化マグネシウムメチル溶液を0℃で冷やしながら滴下した。滴下終了後、反応液を室温まで戻し、一晩攪拌した。0℃に冷却し、反応液を水氷で反応を停止させ、かつ2モル硫酸(25mL、50mmoL)で完全に停止させた。反応液は室温にて5時間攪拌し、水酸化ナトリウム水溶液で洗浄した。有機層と水層を分離して、さらに水層をジエチルエーテル30mLで3回抽出した。これらの有機層は水で2回洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。ろ過後有機層を留去して、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=20/1)にて分離して目的物の無色固体のメチル2−キノリイルケトン1.25g(収率56%)を得た。融点:50−51℃ IRスペクトル(KBr):νmax=3012,1691,1592,1504,1355,1306,1287,1123,942,838,756,658cm−1;1H NMR(400MHz,CDCl3):δ=2.88(S,3H),7.65(td,J=8.0Hz,1.2Hz,1H),7.79(td,J=6.8Hz,1.2Hz,1H),7.87(d,J=8.0Hz,1H),8.13(d,J=8.8Hz,1H),8.20(d,J=8.8Hz,1H),8.27(d,J=8.0Hz,1H);13C NMR(100.6MHz,CDCl3):δ=25.5,117.9,127.6,128.5,129.5,130.0,130.6,136.8,147.3,153.3,200.7。
エチル2−キノリイルケトンの製造
ヨウ化マグネシウムエチル溶液(1.0Mテトラヒドロフラン)を用いる以外は参考例3のメチル2−キノリイルケトン製造と全く同様にして反応を実施した。
収率 62%;無色固体;融点;56−57℃;IR スペクトル(KBr):νmax=2977,1692,1560,1460,1399,1358,1115,968,935,806,789,753,621cm−1;1H NMR(400MHz,CDCl3):δ=1.28(t,J=7.6Hz,3H),3.43(q,J=7.6Hz,2H),7.64(td,J=8.0Hz,0.8Hz,1H),7.78(td,J=6.8Hz,1.2Hz,1H),7.87(d,J=8.4Hz,1H),8.14(d,J=8.4Hz,1H),8.20(d,J=8.4Hz,1H),8.26(d,J=8.4Hz,1H);13C NMR(100.6MHz,CDCl3):δ=8.1,30.9,118.2,127.7,128.4,129.6,129.9,130.5,136.9,147.2,153.1,203.2。
各種N,N−二座型光学活性シッフ塩基配位子の製造
(S)−3,3−ジメチル−N−{1−(キノリンル−2−イル)エチルイデン}ブタン−2−アミンの製造
対応するケトン化合物(2.0mmol)及びキラルアミン化合物(3.2mmol)及びトリエチルアミン404.8mg(4.0mmol)をトルエン20mLに溶解した。この溶液に3mLのトルエンに溶解したテトラクロロチタン(135μl,1.2mmol)を滴下した。室温にてさらに一時間攪拌後、反応液を90℃にて24時間攪拌した。この溶液を0℃まで冷却し、1Mの水酸化ナトリウム水溶液10mLを加えて反応を停止した。酢酸エチル20mLで3回抽出した。有機層は1Mの水酸化ナトリウム水溶液10mL及び水10mLで3回洗浄後、硫酸ナトリムで乾燥した。ろ過後溶媒を留去して、N,N−二座型光学活性シッフ塩基配位子を合成した。
(S)−3,3−ジメチル−N−{1−(キノリンル−2−イル)エチルイデン}ブタン−2−アミン 収率:92%;無色の針状結晶(再結晶溶媒;アセトニトリル);融点;97−99℃;[α]D 27:+105(c 1.0,CHCl3);IRスペクトル(KBr):νmax=2970,2867,1633,1596,1558,1499,1366,1127,842,763,620cm−1;1H NMR(400MHz,CDCl3):δ=0.98(S,9H),1.08(d,J=6.4Hz,3H),2.49(S,3H),3.50(q,J=6.4Hz,1H),7.52(td,J=8.4Hz,0.8Hz,1H),7.68(td,J=8.4Hz,0.8Hz,1H),7.80(d,J=8.4Hz,1H),8.0−8.1(M,2H),8.33(d,J=8.8Hz,1H).13C NMR(100.6MHz,CDCl3):δ=12.9,15.5,26.5,34.8,65.0,119.0,126.7,127.5,128.3,129.1,129.8,135.7,147.2,158.2,163.4;MS(ESI)m/z=255.3(M+H)+,277.3(M+Na)+;計算値 C17H22N2:C 80.27,H 8.72,N 11.01;実測値:C 79.97,H 8.89,N 11.01.
(S)−1−(ナフタレン−1−イル)−N−{1−(キノリンル−2−イル)エチルイデン}エチルアミン
収率:80%;黄色の針状結晶(再結晶溶媒;メタノール);融点 :111−112℃;[α]D 26:+215.4(c 1.0,CHCl3);IRスペクトル(KBr):νmax=2971,1640,1593,1559,1501,1445,1353,1129,837,800,781,758,736,624cm−1;1H NMR(400MHz,CDCl3):δ=1.76(d,J=6.4Hz,3H),2.53(S,3H),5.70(q,J=6.4Hz,1H),7.5−7.6(M,4H),7.70(qt,J=6.8Hz,1H),7.75(d,J=8.0Hz,1H),7.82(d,J=8.0Hz,1H),7.8−7.9(M,2H),8.11(d,J=8.4Hz,1H),8.16(d,J=8.8Hz,1H),8.34(d,J=8.0Hz,1H),8.49(d,J=8.4Hz,1H);13C NMR(100.6MHz,CDCl3):δ=14.0,24.3,57.3,119.1,123.6,124.1、125.3,125.8,126.9,127.2,127.5,128.5,129.0,129.2,129.9,134.1,135.9,142.0,147.2,165.9;MS(ESI)m/z=325.3(M+H)+,347.3(M+Na)+
(S)−3,3−ジメチル−N−{1−(キノリンル−2−イル)プロピルイデン}ブタン−2−アミン
収率:89%;無色の針状結晶(再結晶溶媒;アセトニトリル);融点;64−65℃;[α]D 21:+108(c 1.0,CHCl3);IRスペクトル(KBr):νmax=2967,2866,1630,1558,1500,1455,1361,1130,835,761,620cm−1;1H NMR(400MHz,CDCl3):δ=0.99(S,9H),1.10(d,J=6.8Hz,3H),1.15(t,J=7.2Hz,3H),2.9−3.0(M,1H),3.2−3.3(M,1H),3.54(q,J=6.8Hz,1H),7.52(td,J=8.4Hz,0.8Hz,1H),7.69(td,J=6.8Hz,1.2Hz,1H),7.80(dd,J=8.4Hz,0.8Hz,1H),8.10(d,J=8.4Hz,2H),8.28(d,J=8.4Hz,1H);13C NMR(100.6MHz,CDCl3):δ=12.4,16.5,19.6,26.5,34.6,64.2,119.6,126.6,127.4,128.3,129.0,129.9,135.6,147.3,157.3,168.2;MS(ESI)m/z=269.4(M+H)+,291.3(M+Na)+;計算値 C18H24N2:C 80.55,H 9.01,N 10.44;実測値:C 80.23,H 9.00,N 10.64。
4,5−エポキシーシクロヘキセンの合成
水150mLに水溶性炭酸水素ナトリウム(25.2g、300mL)溶液に、1,4−シクロヘキサジエン16.0g(200mmol)及びメタクロロ過安息香酸50.5g(190mmol)を溶解した塩化メチレン250mLを数回に分けて、氷で冷やしながら加えた。0℃で1時間及び室温で3時間反応液を攪拌した。その後、飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液を加えて、1時間室温で反応液を攪拌した。有機層を分液し、水層は塩化メチレン50mLで2回抽出した。先程の有機層とこの抽出した塩化メチレンを合わせて、この有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水及び飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリムで乾燥した。塩化メチレンを減圧下(40KPa、55℃)で留去し、素生成物の無色液体の4,5−エポキシーシクロヘキセン15.3g(160mmmol)を得た。収率80%。1H NMR(400MHz,CDCl3):δ=2.42−2.59(m、4H)、3.24(m、2H)、5.43(s、2H) 13C NMR(100.6MHz,CDCl3):δ=25.0,51,0,121.6.
trans−4−ニトローベンゾイックアッシド−7−オキサービシクロ[4.1.0]ヘプタ−3−エンー2−イルエステルの合成
(S)−3,3−ジメチル−N−{1−(キノリンル−2−イル)エチルイデン}ブタン−2−アミン610mg(2.40mmol)と六フッ化リン銅テトラアセトニトリル760mg(0.20mmol)をアセトン100mLに溶解し、室温で1時間攪拌後、反応液は暗赤色の反応液に変化した。次にアルゴン気流下で4,5−エポキシーシクロヘキセン15.4g(160mmol)を滴下した。過安息香酸tert−ブチル15.6g(80.0mmol)をアセトン20mLに溶解し滴下した。反応液は緑色に変化した。反応温度を25℃、120分間放置した。アセトンを減圧留去し、残渣に酢酸エチル200mLを加えた。この有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水30mLで2回洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過後溶媒を留去し、この残渣を短いシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=8/1)にて精製を行うと、オイル状の素(1S,2S,6S)−7−オキサービシクロ[4.1.0]ヘプタ−3−エンー2−イルベンゾエイト((1S, 2S, 6S)-7-oxa-bicyclo[4.1.0]hept-3-en-2-yl benzoate)12.5gを得た。この化合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー及び再結晶で精製した。Rf=0.4(ヘキサン/酢酸エチル=3/1);融点 60−62℃;[α]D 21:+201(c 0.3,CHCl3)85%e.e;1H NMR(400MHz,CDCl3):δ=2.60−2.71(m、2H)、3.38(m、2H)、5.70−5.80(m、3H)、7.40−7.50(m、2H)、7.50−7.60(m、1H)、8.00−8.10(m、2H);13C NMR(100.6MHz,CDCl3):δ=25.0,50.0,51.4,65.5,120.9、126.9、128.4、129.7、130.0、133.2、165.9;MS(ESI)m/z=217.2(M+H)+;計算値 C13H12O3:C 72.21,H 5.59,;実測値:C72.21,H 5.59.
このオイル状化合物にメタノール100mL、ナトリム65mg(2.82mmol)及びメタノール6mLで合成したナトリウムメトキシド溶液を加え、室温で2時間攪拌した。原料は無くなった事をTLCで確認し、酢酸0.18g(3.0mmol)を含むメタノールで反応を停止した。(1S,2S,6S)−7−オキサービシクロ[4.1.0]ヘプタ−3−エンー2−オール((1S, 2S, 6S)-7-oxa-bicyclo[4.1.0]hept-3-en-2-ol)をシリカゲルカラムクロマトグラフィー及び再結晶で精製した。無色液体; Rf=0.18(ヘキサン/酢酸エチル=1/1);;融点 60−62℃;[α]D 21:+119(c 0.5,CHCl3)99.1%e.e.{ガスクロマトグラフィーで光学純度を決定。測定条件:カラム β-DEX−225(SUPELCOR) カラムオーブン温度(150℃) (1R,2S,6S)異性体(主要化合物)の保持時間:7.17分, (1S,2R,6R)異性体(副化合物)の保持時間:8.57分 ;1H NMR(400MHz,CDCl3):δ=2.03(brs 1H),2.55−2.59(m、2H),3.25(brs 1H),3.32(brs 1H),4.48(brs 1H),5.58−5.62(m、1H)、5.67−5.71(m、1H);13C NMR(100.6MHz,CDCl3):δ=25.0,50.2,53.6,62.8,124.6、124.7;MS(ESI)m/z=113.0(M+H)+
メタノールを完全に留去し、残渣を塩化メチレン150mL及びトリエチルアミン10mL(71mmol)を加えた。その後、塩化メチレン50mLの4−ニトロ塩化ベンゾイル10.8g(57mmmol)を30分間で滴下した。反応液を一晩室温にて放置して、飽和炭酸水素ナトリウム水を反応液に加え、反応を停止した。有機層を分液し、水層は塩化メチレン30mLで2回抽出した。先程の有機層とこの抽出した塩化メチレンを合わせて、この有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水及び飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリムで乾燥した。塩化メチレンを減圧下で留去し、濾過後溶媒を留去し、この残渣を短いシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=8/1)にて精製を行い、白色固体を得た。熱したヘキサン/酢酸エチル(120mL/30mL)でこの白色固体を再結晶すると無色結晶のtrans−4−ニトローベンゾイックアッシド−7−オキサービシクロ[4.1.0]ヘプタ−3−エンー2−イルエステル4.8g(23%)得た。融点;125−127℃;[α]D 21:+209(c 0.5,CHCl3);99.0%ee{HPLC測定で決定 HPLC条件 Chirapak ASカラム(展開溶媒 ヘキサン:2−プロパノール=90:10)、流速 1.0mL/min}1H NMR(400MHz,CDCl3):δ=2.60−2.70(m、2H)、3.30−3.34(m、2H)、5.70−5.80(m、3H)、8.24(d、J=9.6Hz、2H)、8.31(d、J=9.6Hz)13C NMR(100.6MHz,CDCl3):δ=25.0,49.9,51.2,120.3、123.6、127.7、130.9、135.3、150.7、164.1;MS(ESI)m/z=262.0(M+H)+;計算値 C13H11NO5:C 59.77,H 4.24,N 5.36;実測値:C 59.72,H 4.27,N 5.37.
Claims (7)
- 下記式(1)で示される環状エポキシオレフィン化合物を、下記式(2)で示されるN,N−二座型光学活性シッフ塩基配位子及び銅化合物を触媒として用いて、有機過酸化物と反応させ、選択的不斉酸化反応を行うことを特徴とする下記式(3)で示される光学活性な不斉環状エポキシアリールエステル誘導体の製造法:
上記式(2)において、R1は水素原子、メチル基、エチル基及びプロピル基からなる群から選ばれる低級アルキル基であり、R2はフェニル基;p−メチル及びp−メトキシからなる群から選ばれる置換基を有するフェニル基;α若しくはβのナフチル基;p−メチル及びp−メトキシからなる群から選ばれる置換基を有するα若しくはβのナフチル基;又はエチル基、プロピル基、ブチル基、及びtert−ブチル基からなる群から選ばれる低級アルキル基を示す。上記式(3)において、Rは水素原子、ニトロ基、又はエステル基である。 - 前記有機過酸化物が、下記式(4)で表される、過安息香酸tert−ブチルである、請求項1記載の製造法。
- 前記銅化合物が、下記式(5)で示される六フッ化リン銅テトラアセトニトリル又は下記式(6)で示される銅(I)トリフルオロメタンスルホネートである、請求項1又は2記載の製造法。
- 前記銅化合物が、下記式(7)で示される銅(II)トリフルオロメタンスルホネートであり、反応時にフェニルヒドラジンを添加する、請求項1又は2記載の製造法。
- 前記式(2)のR1は水素原子、メチル基又はエチル基であり、R2はフェニル基、α若しくはβのナフチル基又はtert−ブチル基である、請求項1〜4のいずれか一項記載の製造法。
- 前記式(2)のR1はメチル基であり、R2はtert−ブチル基である、請求項1〜5のいずれか一項記載の製造法。
- アセトン及びメチルエチルケトンから成る群から選択される脂肪族ケトン系溶媒;アセトニトリル、プロピオニトリル及びブチロニトリルから成る群から選択される脂肪族ニトリル系溶媒;塩化メチレン及びクロロホルムから成る群から選択されるハロゲン系溶媒;ジメチルエーテル、ジエチルエーテルから成る群から選択される脂肪族エーテル系溶媒;ベンゼン、トルエン、キシレンから成る群から選択される芳香族炭化水素系溶媒;酢酸エチル、酢酸プロピルから成る群から選択される脂肪族炭化水素系エステル溶媒;又はジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドから成る群から選択される水溶性極性溶媒を反応溶媒として用いる、請求項1〜6のいずれか一項記載の製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009062952A JP5493404B2 (ja) | 2009-03-16 | 2009-03-16 | 光学活性な環状エポキシアリールエステル誘導体の製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009062952A JP5493404B2 (ja) | 2009-03-16 | 2009-03-16 | 光学活性な環状エポキシアリールエステル誘導体の製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2010215552A JP2010215552A (ja) | 2010-09-30 |
JP5493404B2 true JP5493404B2 (ja) | 2014-05-14 |
Family
ID=42974789
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2009062952A Expired - Fee Related JP5493404B2 (ja) | 2009-03-16 | 2009-03-16 | 光学活性な環状エポキシアリールエステル誘導体の製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5493404B2 (ja) |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE2537682C2 (de) * | 1975-08-23 | 1984-02-02 | Basf Ag, 6700 Ludwigshafen | Epoxy-cyclohexen - Derivate |
JP4605321B2 (ja) * | 2000-04-14 | 2011-01-05 | 日産化学工業株式会社 | 光学活性オキサゾリン化合物及び該化合物を用いる光学活性アリルアルコール誘導体の製造法 |
JP5360801B2 (ja) * | 2008-09-03 | 2013-12-04 | 国立大学法人神戸大学 | 光学活性な環状アリールエステル誘導体の製造法 |
-
2009
- 2009-03-16 JP JP2009062952A patent/JP5493404B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2010215552A (ja) | 2010-09-30 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5566372B2 (ja) | スピロホスフィン−オキサゾリン、その製造方法、及びその応用 | |
Palomas et al. | Synthesis and reactivity of electron poor allenes: formation of completely organic frustrated Lewis pairs | |
FR2999184A1 (fr) | Complexes de ruthenium comprenant un diaminocarbene n-heterocyclique insature dissymetrique | |
JPWO2008038578A1 (ja) | 軸不斉を有する光学活性な4級アンモニウム塩およびそれを用いたα−アミノ酸およびその誘導体の製造方法 | |
WO2003064420A1 (fr) | Nouveaux composes optiquement actifs, procede de resolution optique cinetique de derives d'acide carboxylique, et catalyseurs y relatifs | |
Meshram et al. | Bismuthtriflate-catalyzed Reaction of N-Alkylisatins with Allyltrimethylsilane | |
JP5493404B2 (ja) | 光学活性な環状エポキシアリールエステル誘導体の製造法 | |
JP6476497B2 (ja) | 光学活性化合物の製造方法、及び新規な金属−ジアミン錯体 | |
JP5360801B2 (ja) | 光学活性な環状アリールエステル誘導体の製造法 | |
JP6598573B2 (ja) | 新規なベンゾインデノフルオレノピラン類及びその製造方法 | |
Owsianik et al. | Three-step synthesis of chiral and sterically hindered amino alcohols based on cyclic enol phosphates | |
Pandey et al. | Organocatalytic dynamic kinetic resolution via conjugate addition: synthesis of chiral trans-2, 5-dialkylcyclohexanones | |
JP5936287B2 (ja) | 1,3,3−トリメチル−2−(3−メチルペント−2−エン−4−イニル)シクロヘキス−1−エンを製造する方法 | |
WO2002040492A1 (fr) | Diphosphines chirales et leurs complexes metalliques | |
JP5448572B2 (ja) | アセチル化合物、該アセチル化合物の製造方法、および該アセチル化合物を使用したナフトール化合物の製造方法 | |
JP4899385B2 (ja) | 3−アミノメチルオキセタン化合物の製法 | |
JP6532737B2 (ja) | ヘテロアセン化合物の製造方法 | |
Akiyama et al. | Reactions of cyclic sulfur ylides with some carbonyl compounds | |
US20230174477A1 (en) | Methods for synthesis of the tricyclic prostaglandin d2 metabolite methyl ester | |
JP3785849B2 (ja) | 光学活性ノルボルネンアルデヒド類の製造法 | |
JP4643474B2 (ja) | 1置換コハク酸イミドの製造方法 | |
JP7109000B2 (ja) | カルボン酸プレニル類及びプレノール類の製造方法 | |
JP2008280303A (ja) | エーテルを製造する方法 | |
KR100449310B1 (ko) | 2-데옥시-l-리보스의 제조방법 | |
JP2005263664A (ja) | 光学活性な3−ニトロアルキルマロン酸エステル誘導体の製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20111014 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821 Effective date: 20111014 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20130808 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20130809 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20131008 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20140124 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20140217 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5493404 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
S111 | Request for change of ownership or part of ownership |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313115 |
|
S111 | Request for change of ownership or part of ownership |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313115 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |