JP2004238362A - 光学活性四級アンモニウム塩、その製造方法、及びこれを相間移動触媒として用いた光学活性α−アミノ酸誘導体の製造方法 - Google Patents

光学活性四級アンモニウム塩、その製造方法、及びこれを相間移動触媒として用いた光学活性α−アミノ酸誘導体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】グリシン誘導体の不斉アルキル化反応用の相間移動触媒として高い立体選択性を示し得る、新規のスピロ型光学活性四級アンモニウムの塩、中でも高選択性発現に有効な新規置換基部位を有するもの、更にその中でも触媒合成上有利な対称性の高いもの、これらの塩の製造方法、中でも対称性の高い該塩の効率的な製造方法、該塩を製造するための新規中間体化合物とその製造方法、該塩を相間移動触媒として使用し、立体選択的に医、農薬合成中間体として有用な光学活性α−アミノ酸誘導体を製造する方法を提供すること。
【解決手段】新規化合物である、ビナフチル基の4,4’部位に置換基を有する上記の塩、中でも2か所用いられる該塩中のビナフチル部が同一のものを相間移動触媒として、グリシン誘導体の不斉アルキル化反応に使用する。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、軸不斉を有する新規な光学活性スピロ型四級アンモニウム塩及びその製造方法、並びに該塩を製造するための中間体及びその製造方法に関する。また、該塩を相間移動触媒として使用し、立体選択的に医、農薬合成中間体として有用な光学活性α−アミノ酸誘導体を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
上記技術分野における従来技術として、例えば、下記一般式(18)
【0003】
【化18】
Figure 2004238362
で示される光学活性スピロ型四級アンモニウム塩において、
=水素原子、X=臭化物イオンである化合物(A)、
=フェニル基、X=臭化物イオンである化合物(B)、
=β−ナフチル基、X=臭化物イオンである化合物(C)、及び
=3,4,5−トリフルオロフェニル基、X=臭化物イオンである化合物(D)
が知られている[例えば、化合物(A)〜(D)について、特許文献1参照。化合物(C)について、特許文献2参照]。
【0004】
また、上記一般式(18)において、
=3,5−ジトリフルオロメチルフェニル基、X=臭化物イオンである化合物(E)、及び
=3,5−ジ−(3,5−ジトリフルオロメチルフェニル)フェニル基、X=臭化物イオンである化合物(F)
が知られている(例えば、非特許文献1参照)。
【0005】
また、上記一般式(18)において、
=β−ナフチル基、X=チオシアン酸イオンである化合物(G)、
=β−ナフチル基、X=硫酸水素イオンである化合物(H)、
=3,5−ジトリフルオロメチルフェニル基、X=チオシアン酸イオンである化合物(I)、
=(3,5−ジトリフルオロメチルフェニル基、X=硫酸水素イオンである化合物(J)、
=3,4,5−トリフルオロフェニル基、X=チオシアン酸イオンである化合物(K)、及び
=3,4,5−トリフルオロフェニル基、X=硫酸水素イオンである化合物(L)
が知られている(例えば、特許文献3参照)。
【0006】
また、下記一般式(19)
【0007】
【化19】
Figure 2004238362
で示される、ビナフチル基とビフェニル基をともに含有する光学活性スピロ型四級アンモニウム塩において、
=水素原子、X=臭化物イオンである化合物(M)、及び
=β−ナフチル基、X=臭化物イオンである化合物(N)
が知られている(例えば、特許文献4参照)。
【0008】
また、下記一般式(20)
【0009】
【化20】
Figure 2004238362
で示される、ビナフチル基とビフェニル基をともに含有する光学活性スピロ型四級アンモニウム塩において、
=β−ナフチル基、R=水素原子、X=臭化物イオンである化合物(O)、
=3,5−ジフェニルフェニル基、R=水素原子、X=臭化物イオンである化合物(P)、及び
=3,5−ジフェニルフェニル基、R=フェニル基、X=臭化物イオンである化合物(Q)
が知られている(例えば、特許文献4参照)。
【0010】
また、これらの光学活性スピロ型四級アンモニウム塩を不斉合成のための触媒又は触媒の前駆体として用いた例として、グリシン誘導体の不斉アルキル化反応に適用した例(例えば、特許文献1、特許文献4参照)、オキシム類の不斉Neber転移反応に適用した例(例えば、特許文献2参照)、重硫酸塩をフッ化物塩へと反応系内で調製してからの、シリルエノレートの不斉アルドール反応に適用した例(例えば、特許文献3参照)、グリシン誘導体の不斉アルドール反応に適用した例(例えば、非特許文献1参照)が知られており、これらはいずれも良好な収率、良好〜極めて高い立体選択性で目的の生成物を得ることが可能であることが知られている。
【0011】
ここで、上記各種不斉反応において、更に高い立体選択性を成し得るためには、上記一般式(18)〜(20)中のRに水素原子以外の置換基を導入することが必須であることが知られている。
【0012】
例えば、同条件下での検討例が最も多いグリシン誘導体の不斉ベンジル化反応に適用された触媒[上記化合物(A)〜化合物(C)及び上記化合物(M)〜化合物(Q)]を比較すると、Rが水素原子である化合物(A)では79%ee(非特許文献2参照)、また化合物(M)では64%ee(特許文献4、実施例10参照)と、各一般式の構造中で最も低い選択性である一方、Rに置換基の導入された化合物(B)では89%ee(特許文献1参照)、化合物(N)では83%ee(特許文献4、実施例12参照)、化合物(O)では87%ee(特許文献4、実施例11参照)と、80%台の高い選択性が達成され、また化合物(C)では96%ee(特許文献1、実施例14参照)、化合物(P)では92%ee(特許文献4、実施例13参照)、化合物(Q)では95%ee(特許文献4、実施例9参照)と、90%台の非常に高い選択性が達成されている。
【0013】
【特許文献1】
特開2001−48866号公報
【特許文献2】
特開2002−255912号公報
【特許文献3】
特開2002−173492号公報
【特許文献4】
特開2002−326992号公報
【非特許文献1】
Keiji Maruoka et. al., Angew.Chem.Int.Ed.2002,41,4542−4544
【非特許文献2】
Keiji Maruoka et. al. J.Am.Chem.Soc.1999,121,6519−6520
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、高選択性を示す上記置換触媒の合成は、いずれも、Rの部位に置換基を導入する工程を必要とするばかりでなく、左右非対称のスピロ構造の部分合成を別々に行う必要があるため、市販の光学活性BINOLから出発した場合、最短でも化合物(B)の13工程、長いものでは化合物(D)の16工程かけて合成する必要があり、各工程での収率は比較的高いものの、触媒調製における工程数の短縮が、工業化の上でクリアすべき重要な技術課題の一つとなっていた。
【0015】
また、上記した公知の化合物(A)〜化合物(Q)の中で、化合物(A)は、Rの部位に置換基導入の必要がなく、上記化合物群のうち唯一、スピロ構造が対称なために、同一原料を用いることが可能なことから、触媒調製の工程数がBINOLから7工程と最も少ないが、立体規制基を有しないために不斉反応における高選択性が実現できない。
【0016】
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、
▲1▼ グリシン誘導体の不斉アルキル化反応用の相間移動触媒として、90%ee以上の高い立体選択性を示し得る、新規の軸不斉含有スピロ型光学活性四級アンモニウム塩、その中でも触媒合成工程数上有利な、スピロ骨格の各環が同一の構造を有する化合物を提供すること、及び高選択性発現のための立体規制用新規置換基部位を有する化合物を提供すること、
▲2▼ 該塩類の製造方法、中でもスピロ骨格の各環が同一の構造を有する該塩の効率的な製造方法を提供すること、
▲3▼ 該塩を製造するための中間体及びその製造方法を提供すること、並びに
▲4▼ 該塩を相間移動触媒として使用し、立体選択的に医、農薬合成中間体として有用な光学活性α−アミノ酸誘導体を製造する方法を提供すること
である。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記課題を解決する方法について鋭意検討した結果、新規置換基部位となる4,4’位に置換基を導入した触媒類は従来の3,3’位に置換基を導入したものに相当し得る立体規制能を有すること、及び4,4’位に置換基を導入したスピロ骨格の各環が同一の構造を有する触媒を従来の非対称触媒よりも短工程で合成できることを見出す一方、スピロ骨格の各環が3,3’位に置換基を導入した同一のビナフチル構造を有する触媒はその合成が非常に困難であることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0018】
すなわち、本発明は、
(1)下記一般式(1)で示される光学活性四級アンモニウム塩、
【0019】
【化21】
Figure 2004238362
[上記一般式(1)中、R、R、R、Rは各々独立して水素原子、メチル基、エチル基、ビニル基、エチニル基、炭素数3〜10の直鎖の、分岐した若しくは環式のアルキル基、炭素数3〜10の直鎖の、分岐した若しくは環式のアルケニル基、炭素数3〜10の直鎖の、分岐した若しくは環式のアルキニル基、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜4のアルキル基、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜3のアルコキシ基、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数5〜20のアリール基、若しくはハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数5〜20のアリール基、又はハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数5〜25のアラルキル基を表す。ただしR、R、R、Rが同時に水素原子になることはない。Xは、ハロゲン化物イオン、チオシアン化物イオン、硫酸水素イオン、過塩素酸イオン、又はヘキサフルオロリン酸イオンを表す。また、二つのビナフチル部における軸不斉の組み合せは(R,R)又は(S,S)を示す。]
(2)上記一般式(1)において、RとRとが同一の置換基であり、且つRとRとが同一の置換基である化合物、
(3)上記一般式(1)において、RとRとが同一の置換基であり、RとRとが同一の置換基である化合物であって、なお且つR、R、R、Rが、水素原子、及びハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜4のアルキル基、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜3のアルコキシ基、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数5〜20のアリール基、若しくはハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数5〜20のアリール基からなる群より選ばれる置換基である化合物、
(4)上記一般式(1)において、RとRとが同一の置換基であり、RとRとが同一の置換基である化合物であって、なお且つR、R、R、Rが、水素原子、フェニル基、β−ナフチル基、3,4,5−トリフルオロフェニル基、3,5−ジトリフルオロメチルフェニル基、3,5−ジ−(3,5−ジトリフルオロメチルフェニル)フェニル基、及び3,5−ジフェニルフェニル基からなる群より選ばれる置換基であり、且つXがハロゲン化物イオンである化合物、
(5)上記一般式(1)において、RとRとが同一の置換基であり、RとRとが同一の置換基である化合物であって、なお且つR、R、R、Rが、水素原子、フェニル基、及び3,5−ジフェニルフェニル基からなる群より選ばれる置換基であり、且つXが臭化物イオンである化合物、
(6)上記一般式(1)において、R及びRが水素原子である化合物、
(7)上記一般式(1)において、R、Rが、水素原子、及びハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜4のアルキル基、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜3のアルコキシ基、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数5〜20のアリール基、若しくはハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数5〜20のアリール基からなる群より選ばれる置換基であり、且つR及びRが水素原子である化合物、
(8)上記一般式(1)において、R、Rが、水素原子、フェニル基、β−ナフチル基、3,4,5−トリフルオロフェニル基、3,5−ジトリフルオロメチルフェニル基、3,5−ジ−(3,5−ジトリフルオロメチルフェニル)フェニル基、及び3,5−ジフェニルフェニル基からなる群より選ばれる置換基であり、R及びRが水素原子であり、且つXがハロゲン化物イオンである化合物、
(9)上記一般式(1)において、R、Rが、水素原子、フェニル基、及び3,5−ジフェニルフェニル基からなる群より選ばれる置換基であり、R及びRが水素原子であり、且つXが臭化物イオンである化合物、
(10)下記一般式(2)で示される光学活性ビナフチルジハロゲン化合物、
【0020】
【化22】
Figure 2004238362
[上記一般式(2)中、R、Rは各々独立して水素原子、メチル基、エチル基、ビニル基、エチニル基、炭素数3〜10の直鎖の、分岐した若しくは環式のアルキル基、炭素数3〜10の直鎖の、分岐した若しくは環式のアルケニル基、炭素数3〜10の直鎖の、分岐した若しくは環式のアルキニル基、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜4のアルキル基、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜3のアルコキシ基、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数5〜20のアリール基、若しくはハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数5〜20のアリール基、又はハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数5〜25のアラルキル基を表す。ただしR及びRが同時に水素原子になることはない。Xはハロゲン原子を示す。また、ビナフチル部における軸不斉は(R)又は(S)を示す。]
(11)上記一般式(2)において、R、Rが、水素原子、及びハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜4のアルキル基、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜3のアルコキシ基、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数5〜20のアリール基、若しくはハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数5〜20のアリール基からなる群より選ばれる置換基であり、且つXがハロゲン原子である化合物、
(12)上記一般式(2)において、R、Rが、水素原子、フェニル基、β−ナフチル基、3,4,5−トリフルオロフェニル基、3,5−ジトリフルオロメチルフェニル基、3,5−ジ−(3,5−ジトリフルオロメチルフェニル)フェニル基、及び3,5−ジフェニルフェニル基からなる群より選ばれる置換基であり、且つXがハロゲン原子である化合物、
(13)上記一般式(2)において、R、Rが、水素原子、フェニル基、及び3,5−ジフェニルフェニル基からなる群より選ばれる置換基であり、且つXが臭素原子である化合物、
(14)上記一般式(2)で示される化合物にアンモニアを反応させる、上記一般式(1)において、RとRとが同一の置換基であり、且つRとRとが同一の置換基である化合物の製造方法、
(15)上記一般式(2)で示される化合物に、同一の軸不斉の立体配置をもつ下記式(3)
【0021】
【化23】
Figure 2004238362
で示される化合物を反応させる、上記一般式(1)において、R及びRが水素原子である化合物の製造方法、
(16)下記一般式(4)で示される光学活性ビナフチルジメチル化合物、
【0022】
【化24】
Figure 2004238362
[上記一般式(4)中、R、Rは各々独立して水素原子、メチル基、エチル基、ビニル基、エチニル基、炭素数3〜10の直鎖の、分岐した若しくは環式のアルキル基、炭素数3〜10の直鎖の、分岐した若しくは環式のアルケニル基、炭素数3〜10の直鎖の、分岐した若しくは環式のアルキニル基、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜4のアルキル基、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜3のアルコキシ基、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数5〜20のアリール基、若しくはハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数5〜20のアリール基、又はハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数5〜25のアラルキル基を表す。ただしR及びRが同時に水素原子になることはない。また、ビナフチル部における軸不斉は(R)又は(S)を示す。]
(17)上記一般式(4)において、R、Rが、水素原子、及びハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜4のアルキル基、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜3のアルコキシ基、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数5〜20のアリール基、若しくはハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数5〜20のアリール基からなる群より選ばれる置換基である化合物、
(18)上記一般式(4)において、R、Rが、水素原子、フェニル基、β−ナフチル基、3,4,5−トリフルオロフェニル基、3,5−ジトリフルオロメチルフェニル基、3,5−ジ−(3,5−ジトリフルオロメチルフェニル)フェニル基、及び3,5−ジフェニルフェニル基からなる群より選ばれる置換基である化合物、
(19)上記一般式(4)において、R、Rが、水素原子、フェニル基、及び3,5−ジフェニルフェニル基からなる群より選ばれる置換基である化合物、
(20)上記一般式(4)で示される化合物に、ハロゲンラジカルを反応させる、上記一般式(2)で示される化合物の製造方法、
(21)下記一般式(5)で示される光学活性ビナフチル化合物、
【0023】
【化25】
Figure 2004238362
[上記一般式(5)中、R、Rは各々独立して水素原子、メチル基、エチル基、ビニル基、エチニル基、炭素数3〜10の直鎖の、分岐した若しくは環式のアルキル基、炭素数3〜10の直鎖の、分岐した若しくは環式のアルケニル基、炭素数3〜10の直鎖の、分岐した若しくは環式のアルキニル基、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜4のアルキル基、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜3のアルコキシ基、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数5〜20のアリール基、若しくはハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数5〜20のアリール基、又はハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数5〜25のアラルキル基を表す。ただしR及びRが同時に水素原子になることはない。また、ビナフチル部における軸不斉は(R)又は(S)を示す。]
(22)上記一般式(5)において、R、Rが、水素原子、及びハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜4のアルキル基、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜3のアルコキシ基、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数5〜20のアリール基、若しくはハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数5〜20のアリール基からなる群より選ばれる置換基である化合物、
(23)上記一般式(5)において、R、Rが、水素原子、フェニル基、β−ナフチル基、3,4,5−トリフルオロフェニル基、3,5−ジトリフルオロメチルフェニル基、3,5−ジ−(3,5−ジトリフルオロメチルフェニル)フェニル基、及び3,5−ジフェニルフェニル基からなる群より選ばれる置換基である化合物、
(24)上記一般式(5)において、R、Rが、水素原子、フェニル基、及び3,5−ジフェニルフェニル基からなる群より選ばれる置換基である化合物、
(25)上記一般式(5)に示される化合物に、ニッケル触媒の存在下、メチルマグネシウムハライドを反応させる、上記一般式(4)で示される化合物の製造方法、
(26) 下記一般式(6)で示される光学活性ビナフチルジヒドロキシ化合物、
【0024】
【化26】
Figure 2004238362
[上記一般式(6)中、R、Rは各々独立して水素原子、メチル基、エチル基、ビニル基、エチニル基、炭素数3〜10の直鎖の、分岐した若しくは環式のアルキル基、炭素数3〜10の直鎖の、分岐した若しくは環式のアルケニル基、炭素数3〜10の直鎖の、分岐した若しくは環式のアルキニル基、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜4のアルキル基、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜3のアルコキシ基、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数5〜20のアリール基、若しくはハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数5〜20のアリール基、又はハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数5〜25のアラルキル基を表す。ただしR及びRが同時に水素原子になることはない。また、ビナフチル部における軸不斉は(R)又は(S)を示す。]
(27)上記一般式(6)において、R、Rが、水素原子、及びハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜4のアルキル基、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜3のアルコキシ基、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数5〜20のアリール基、若しくはハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数5〜20のアリール基からなる群より選ばれる置換基である化合物、
(28)上記一般式(6)において、R、Rが、水素原子、フェニル基、β−ナフチル基、3,4,5−トリフルオロフェニル基、3,5−ジトリフルオロメチルフェニル基、3,5−ジ−(3,5−ジトリフルオロメチルフェニル)フェニル基、及び3,5−ジフェニルフェニル基からなる群より選ばれる置換基である化合物、
(29)上記一般式(6)において、R、Rが、水素原子、フェニル基、及び3,5−ジフェニルフェニル基からなる群より選ばれる置換基である化合物、
(30)上記一般式(6)で示される化合物に、ハロゲンアニオンにより水酸基部位を求核置換させることが可能な試剤を反応させる、上記一般式(2)で示される化合物の製造方法、
(31)下記一般式(7)で示される光学活性ビナフチルジエステル化合物、
【0025】
【化27】
Figure 2004238362
[上記一般式(7)中、R、Rは各々独立して水素原子、メチル基、エチル基、ビニル基、エチニル基、炭素数3〜10の直鎖の、分岐した若しくは環式のアルキル基、炭素数3〜10の直鎖の、分岐した若しくは環式のアルケニル基、炭素数3〜10の直鎖の、分岐した若しくは環式のアルキニル基、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜4のアルキル基、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜3のアルコキシ基、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数5〜20のアリール基、若しくはハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数5〜20のアリール基、又はハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数5〜25のアラルキル基を表す。ただしR及びRが同時に水素原子になることはない。Rは炭素数1〜6の直鎖の、分枝した又は環状のアルキル基を示す。また、ビナフチル部における軸不斉は(R)又は(S)を示す。]
(32)上記一般式(7)において、R、Rが、水素原子、及びハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜4のアルキル基、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜3のアルコキシ基、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数5〜20のアリール基、若しくはハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数5〜20のアリール基からなる群より選ばれる置換基である化合物、
(33)上記一般式(7)において、R、Rが、水素原子、フェニル基、β−ナフチル基、3,4,5−トリフルオロフェニル基、3,5−ジトリフルオロメチルフェニル基、3,5−ジ−(3,5−ジトリフルオロメチルフェニル)フェニル基、及び3,5−ジフェニルフェニル基からなる群より選ばれる置換基であり、且つRが炭素数1〜4のアルキル基である化合物、
(34)上記一般式(7)において、R、Rが、水素原子、フェニル基、及び3,5−ジフェニルフェニル基からなる群より選ばれる置換基であり、且つRがメチル基である化合物、
(35)上記一般式(7)で示される化合物に、水素アニオンを反応させることを特徴とする上記一般式(6)で示される化合物の製造方法、
(36)上記一般式(5)に示される化合物に、パラジウム触媒及び有機塩基存在下、一酸化炭素及び対応するアルコールを反応させる、上記一般式(7)で示される化合物の製造方法、
(37)下記一般式(8)で示される光学活性ビナフトール化合物、
【0026】
【化28】
Figure 2004238362
[上記一般式(8)中、R、Rは各々独立して水素原子、メチル基、エチル基、ビニル基、エチニル基、炭素数3〜10の直鎖の、分岐した若しくは環式のアルキル基、炭素数3〜10の直鎖の、分岐した若しくは環式のアルケニル基、炭素数3〜10の直鎖の、分岐した若しくは環式のアルキニル基、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜4のアルキル基、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜3のアルコキシ基、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数5〜20のアリール基、若しくはハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数5〜20のアリール基、又はハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数5〜25のアラルキル基を表す。ただし、Rが水素原子になることはなく、またR及びRが同時にフェニル基、又は3,5−ジフェニルフェニル基になることはない。また、ビナフチル部における軸不斉は(R)又は(S)を示す。]
(38)上記一般式(8)において、R、Rが、水素原子、及びハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜4のアルキル基、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜3のアルコキシ基、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数5〜20のアリール基、若しくはハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数5〜20のアリール基からなる群より選ばれる置換基である化合物、
(39)上記一般式(8)において、R、Rが、水素原子、フェニル基、β−ナフチル基、3,4,5−トリフルオロフェニル基、3,5−ジトリフルオロメチルフェニル基、3,5−ジ−(3,5−ジトリフルオロメチルフェニル)フェニル基、及び3,5−ジフェニルフェニル基からなる群より選ばれる置換基である化合物、
(40)上記一般式(8)において、R、Rが、水素原子、フェニル基、及び3,5−ジフェニルフェニル基からなる群より選ばれる置換基である化合物、
(41)上記一般式(8)で示される化合物、下記式(9)
【0027】
【化29】
Figure 2004238362
に示される化合物、又は下記式(10)
【0028】
【化30】
Figure 2004238362
に示される化合物に、トリフレート化剤を反応させる、上記一般式(5)に示される化合物の製造方法、
(42)下記一般式(11)で示される光学活性ビナフチルジエーテル化合物、
【0029】
【化31】
Figure 2004238362
[上記一般式(11)中、R、Rは各々独立して水素原子、メチル基、エチル基、ビニル基、エチニル基、炭素数3〜10の直鎖の、分岐した若しくは環式のアルキル基、炭素数3〜10の直鎖の、分岐した若しくは環式のアルケニル基、炭素数3〜10の直鎖の、分岐した若しくは環式のアルキニル基、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜4のアルキル基、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜3のアルコキシ基、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数5〜20のアリール基、若しくはハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数5〜20のアリール基、又はハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数5〜25のアラルキル基を表す。また、Rは炭素数1〜6の直鎖の、分枝した又は環状のアルキル基を示す。ただし、R、R及びRが、それぞれフェニル基、フェニル基及びn−ヘキシル基、又は3,5−ジフェニルフェニル基、3,5−ジフェニルフェニル基、及びn−ヘキシル基になることはない。また、ビナフチル部における軸不斉は(R)又は(S)を示す。]
(43)上記一般式(11)において、R、Rが、水素原子、及びハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜4のアルキル基、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜3のアルコキシ基、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数5〜20のアリール基、若しくはハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数5〜20のアリール基からなる群より選ばれる置換基である化合物、
(44)上記一般式(11)において、R、Rが、水素原子、フェニル基、β−ナフチル基、3,4,5−トリフルオロフェニル基、3,5−ジトリフルオロメチルフェニル基、3,5−ジ−(3,5−ジトリフルオロメチルフェニル)フェニル基、及び3,5−ジフェニルフェニル基からなる群より選ばれる置換基であり、且つRが炭素数1〜4のアルキル基である化合物、
(45)上記一般式(11)において、R、Rが、水素原子、フェニル基、及び3,5−ジフェニルフェニル基からなる群より選ばれる置換基であり、且つRがエチル基である化合物、
(46)上記一般式(11)に示される化合物に、三臭化ホウ素を反応させる、上記一般式(8)で示される化合物の製造方法、
(47)下記一般式(12)で示される光学活性ビナフチルジエーテル化合物、
【0030】
【化32】
Figure 2004238362
[上記一般式(12)中、Rは、メチル基、エチル基、ビニル基、エチニル基、炭素数3〜10の直鎖の、分岐した若しくは環式のアルキル基、炭素数3〜10の直鎖の、分岐した若しくは環式のアルケニル基、炭素数3〜10の直鎖の、分岐した若しくは環式のアルキニル基、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜4のアルキル基、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜3のアルコキシ基、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数5〜20のアリール基、若しくはハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数5〜20のアリール基、又はハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数5〜25のアラルキル基を表す。また、Rは炭素数1〜6の直鎖の、分枝した又は環状のアルキル基を示す。また、ビナフチル部における軸不斉は、(R)又は(S)を示す。]
(48)上記一般式(12)において、Rが、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜4のアルキル基、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜3のアルコキシ基、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数5〜20のアリール基、若しくはハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数5〜20のアリール基である化合物、
(49)上記一般式(12)において、Rが、フェニル基、β−ナフチル基、3,4,5−トリフルオロフェニル基、3,5−ジトリフルオロメチルフェニル基、3,5−ジ−(3,5−ジトリフルオロメチルフェニル)フェニル基、又は3,5−ジフェニルフェニル基であり、且つRが炭素数1〜4のアルキル基である化合物、
(50)上記一般式(12)において、Rが、フェニル基、又は3,5−ジフェニルフェニル基であり、且つRがエチル基である化合物、
(51)上記一般式(12)で示される化合物に、パラジウム触媒の存在下、ぎ酸アンモニウムを反応させる、上記一般式(11)に示され、且つRが水素原子である化合物の製造方法、
(52)下記一般式(13)
【0031】
【化33】
Figure 2004238362
[上記一般式(13)中、Rは炭素数1〜6の直鎖の、分枝した又は環状のアルキル基を示す。また、ビナフチル部における軸不斉は、(R)又は(S)を示す。]
で示される光学活性ビナフチルジエーテル化合物に、無機塩基及びパラジウム触媒存在下、一般式(14)
【0032】
【化34】
Figure 2004238362
[上記一般式(14)中、Rはメチル基、エチル基、ビニル基、エチニル基、炭素数3〜10の直鎖の、分岐した若しくは環式のアルキル基、炭素数3〜10の直鎖の、分岐した若しくは環式のアルケニル基、炭素数3〜10の直鎖の、分岐した若しくは環式のアルキニル基、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜4のアルキル基、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜3のアルコキシ基、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数5〜20のアリール基、若しくはハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数5〜20のアリール基、又はハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数5〜25のアラルキル基を表す。]
で示されるボロン酸化合物を反応させる、上記一般式(12)で示される化合物の製造方法、
(53)上記一般式(14)において、Rが、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜4のアルキル基、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜3のアルコキシ基、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数5〜20のアリール基、若しくはハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数5〜20のアリール基である、上記一般式(12)で示される化合物の製造方法、
(54) 上記一般式(14)において、Rが、フェニル基、β−ナフチル基、3,4,5−トリフルオロフェニル基、3,5−ジトリフルオロメチルフェニル基、3,5−ジ−(3,5−ジトリフルオロメチルフェニル)フェニル基、又は3,5−ジフェニルフェニル基であり、且つ上記一般式(13)において、Rが炭素数1〜4のアルキル基である、上記一般式(12)で示される化合物の製造方法、
(55)上記一般式(14)において、Rが、フェニル基、又は3,5−ジフェニルフェニル基であり、且つ上記一般式(13)において、Rがエチル基である、上記一般式(12)で示される化合物の製造方法、
(56)上記一般式(1)で示される化合物からなる相間移動触媒、
(57)上記一般式(1)で示される化合物の存在下、下記一般式(15)
【0033】
【化35】
Figure 2004238362
[上記一般式(15)中、R、Rは水素原子、又は炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜3のアルコキシ基、若しくはハロゲンで置換されていてもよい炭素数5〜6のアリール基を表す。ただしR及びRは同時に水素原子となることはない。Rは炭素数1〜6の直鎖の、分枝した又は環状のアルキル基を表す。]
で示されるグリシンエステルのシッフ塩基を、下記一般式(16)
【0034】
【化36】
Figure 2004238362
[上記一般式(16)中、R10は炭素数1〜10の直鎖の、分岐した若しくは環式のアルキル基、炭素数1〜10の直鎖の、分岐した若しくは環式のアルケニル基、炭素数1〜10の直鎖の、分岐した若しくは環式のアルキニル基、又はハロゲン原子で核が1〜15置換されていてもよい炭素数5〜25のアラルキル基を表す。Yは、塩素原子、臭素原子、又はヨウ素原子を示す。]
で示されるハロゲン化アルキルと無機塩基の存在下、二相の溶液中で反応させ、下記一般式(17)
【0035】
【化37】
Figure 2004238362
[上記一般式(17)中、R、R、R、R10は上記と同じ定義である。また、*部の不斉炭素の立体配置は(R)又は(S)を示す。]
で示される化合物を立体選択的に製造する方法、
である。
【0036】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0037】
本発明において、上記一般式(1)に示される光学活性四級アンモニウム塩としては、上記定義に該当する化合物であれば特に限定するものではないが、R、R、R、Rが、水素原子、及びハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜4のアルキル基、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜3のアルコキシ基、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数5〜20のアリール基、若しくはハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数5〜20のアリール基からなる群より選ばれる置換基である化合物ことが好ましく、R、R、R、Rが、従来技術において検討された置換基である、水素原子、フェニル基、β−ナフチル基、3,4,5−トリフルオロフェニル基、3,5−ジトリフルオロメチルフェニル基、3,5−ジ−(3,5−ジトリフルオロメチルフェニル)フェニル基、及び3,5−ジフェニルフェニル基からなる群より選ばれる置換基である化合物がさらに好ましく、R、R、R、Rが、水素原子、フェニル基、及び3,5−ジフェニルフェニル基からなる群より選ばれる置換基である化合物が特に好ましい。
【0038】
本発明においては、上記R、R、R、Rは、ハロゲン原子により置換されていてもよい。また、R、水素原子以外の置換基であることが好ましい。
【0039】
上記一般式(1)に示される光学活性四級アンモニウム塩のうち、置換基RとRとが同一の置換基であり、且つ置換基RとRとが同一である化合物としては、例えば、スピロビ[(R)−1,1’−ビ−4−フェニル−ビナフチル−2,2’−ジメチルアンモニウム]ブロミド、スピロビ[(R)−1,1’−ビ−4−(3,5−ジフェニル)フェニル−ビナフチル−2,2’−ジメチルアンモニウム]ブロミド等が挙げられ、さらにそのエナンチオマーである(S)体が挙げられる。
【0040】
また、本発明において上記一般式(1)に示される化合物のうち、置換基RとRとが水素原子である化合物としては、例えば、[(R)−1,1’−ビ−4−フェニル−ビナフチル−2,2’−ジメチルアンモニウム]スピロ[(R)−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジメチルアミン]ブロミド、[(R)−1,1’−ビ−4−(3,5−ジフェニル)フェニル−ビナフチル−2,2’−ジメチルアンモニウム]スピロ[(R)−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジメチルアミン]ブロミド等が挙げられ、さらにそのエナンチオマーである(S,S)体が挙げられる。
【0041】
本発明において、上記一般式(2)に示される光学活性ビナフチルジハロゲン化合物としては、上記定義に該当する化合物であれば特に限定するものではないが、R、Rが、水素原子、及びハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜4のアルキル基、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜3のアルコキシ基、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数5〜20のアリール基、若しくはハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数5〜20のアリール基からなる群より選ばれる置換基であり、且つXがハロゲン原子である化合物が好ましく、R、Rが、水素原子、フェニル基、β−ナフチル基、3,4,5−トリフルオロフェニル基、3,5−ジトリフルオロメチルフェニル基、3,5−ジ−(3,5−ジトリフルオロメチルフェニル)フェニル基、及び3,5−ジフェニルフェニル基からなる群より選ばれる置換基であり、且つXがハロゲン原子である化合物がさらに好ましく、R、Rが、水素原子、フェニル基、及び3,5−ジフェニルフェニル基からなる群より選ばれる置換基であり、且つXが臭素原子である化合物が特に好ましい。
【0042】
本発明において、上記一般式(2)に示される光学活性ビナフチルジハロゲン化合物としては、具体的には、例えば、(R)−1,1’−ビ−2−ブロモメチル−4−フェニル−ナフチル、(R)−1,1’−ビ−2−ブロモメチル−4−(3,5−ジフェニル)フェニル−ナフチル、(R)−1,1’−ビ−2−ブロモメチル−4,6−ジフェニル−ナフチル、(R)−1,1’−ビ−2−ブロモメチル−4,6−ジ(3,5−ジフェニル)フェニル−ナフチル等が挙げられ、さらにそのエナンチオマーである(S)体が挙げられる。
【0043】
本発明において、上記一般式(1)に示される光学活性四級アンモニウム塩のうち、置換基RとRとが同一の置換基であり、且つ置換基RとRとが同一である化合物は、例えば、上記一般式(2)で示される光学活性ビナフチルジハロゲン化合物にアンモニアを反応させることにより得ることができる。このとき、アンモニアとしては、通常10%〜飽和の、好ましくは20〜28wt%のアンモニア水を用いても良い。また、溶剤として水又はこれに反応に不活性な有機溶剤を添加しても良い。また、このとき反応系を封管する等してアンモニアの減損を防止することが好ましい。アンモニアの使用量は基質に対して通常1〜8当量、好ましくは2〜5当量用い、反応温度は通常5℃〜30℃で行い、溶液中の基質濃度は通常5〜20wt%で行い、反応時間は通常5〜72時間で、好ましくは10〜36時間で行えば、良好な収率で目的のアンモニウム塩を与える。
【0044】
本発明において、上記一般式(1)に示される化合物のうち、置換基RとRとが水素原子である化合物は、例えば、上記一般式(2)に示される光学活性ビナフチルジハロゲン化合物に、アセトニトリル又はアルコール等の溶剤中、炭酸カリウムや炭酸ナトリウム等の酸捕捉剤存在下、例えば、J.Org.Chem.1994,59,649.に従って合成した同一の軸不斉の立体配置をもつ上記式(3)で示される化合物を反応させることにより得られる。このとき、溶液中の基質濃度は通常5〜30wt%、反応温度は通常室温〜使用溶剤の沸点までの範囲、好ましくは30℃〜60℃、反応時間は通常5〜48時間、好ましくは10〜24時間で行えば、良好な収率で目的のアンモニウム塩を与える。
【0045】
本発明において、上記一般式(4)に示される光学活性ビナフチルジメチル化合物としては、上記定義に該当する化合物であれば特に限定するものではないが、R、Rが、水素原子、及びハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜4のアルキル基、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜3のアルコキシ基、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数5〜20のアリール基、若しくはハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数5〜20のアリール基からなる群より選ばれる置換基である化合物が好ましく、R、Rが、水素原子、フェニル基、β−ナフチル基、3,4,5−トリフルオロフェニル基、3,5−ジトリフルオロメチルフェニル基、3,5−ジ−(3,5−ジトリフルオロメチルフェニル)フェニル基、及び3,5−ジフェニルフェニル基からなる群より選ばれる置換基である化合物がさらに好ましく、R、Rが、水素原子、フェニル基、及び3,5−ジフェニルフェニル基からなる群より選ばれる置換基である化合物が特に好ましい。
【0046】
本発明において、上記一般式(4)に示される光学活性ビナフチルジメチル化合物としては、具体的には、例えば、(R)−1,1’−ビ−2−ブロモメチル−4−フェニル−ナフチル、(R)−1,1’−ビ−2−ブロモメチル−4−(3,5−ジフェニル)フェニル−ナフチル、(R)−1,1’−ビ−2−ブロモメチル−4,6−ジフェニル−ナフチル、(R)−1,1’−ビ−2−ブロモメチル−4,6−ジ(3,5−ジフェニル)フェニル−ナフチル等が挙げられ、さらにそのエナンチオマーである(S)体が挙げられる。
【0047】
本発明の上記一般式(2)に示される光学活性ビナフチルジハロゲン化合物はは、例えば、上記一般式(4)に示される光学活性ビナフチルジメチル化合物に、ベンゼン等の溶剤中、N−ブロモスクシンイミド(以下、NBSと省略)等のハロゲンラジカル源にアザイソブチロニトリル(以下、AIBNと省略)等のラジカル開始剤を作用させることにより生ずるハロゲンラジカルを反応させることにより得ることができる。このとき、溶液中の基質濃度は通常5〜30wt%、反応温度は通常室温〜使用溶剤の沸点までの範囲、好ましくは60℃〜100℃、反応時間は通常0.5〜5時間、好ましくは1〜3時間で行われる。このとき、ハロゲンラジカル源の使用量は基質に対して2〜2.5当量、ラジカル開始剤の使用量は基質に対して5〜15mol%で行えば、良好な収率で目的のジハロゲン体を与える。
【0048】
本発明において、上記一般式(5)に示される光学活性ビナフチル化合物としては、上記定義に該当する化合物であれば特に限定するものではないが、R、Rが、水素原子、及びハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜4のアルキル基、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜3のアルコキシ基、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数5〜20のアリール基、若しくはハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数5〜20のアリール基からなる群より選ばれる置換基である化合物が好ましく、R、Rが、水素原子、フェニル基、β−ナフチル基、3,4,5−トリフルオロフェニル基、3,5−ジトリフルオロメチルフェニル基、3,5−ジ−(3,5−ジトリフルオロメチルフェニル)フェニル基、及び3,5−ジフェニルフェニル基からなる群より選ばれる置換基である化合物がさらに好ましく、R、Rが、水素原子、フェニル基、及び3,5−ジフェニルフェニル基からなる群より選ばれる置換基である化合物が特に好ましい。
【0049】
本発明において、上記一般式(5)に示される光学活性ビナフチル化合物としては、具体的には、例えば、(R)−1,1’−ビ−4−フェニル−2−トリフルオロメタンスルフォニルナフチル、(R)−1,1’−ビ−4−(3,5−ジフェニル)フェニル−2−トリフルオロメタンスルフォニルナフチル、(R)−1,1’−ビ−4,6−ジフェニル−2−トリフルオロメタンスルフォニルナフチル、(R)−1,1’−ビ−4,6−ジ(3,5−ジフェニル)フェニル−2−トリフルオロメタンスルフォニルナフチル等が挙げられ、さらにそのエナンチオマーである(S)体が挙げられる。
【0050】
本発明において、上記一般式(4)に示される光学活性ビナフチルジメチル化合物は、例えば、上記一般式(5)に示される光学活性ビナフチル化合物に、エーテル等の溶剤中、NiCl(dppp)等のニッケル触媒の存在下、メチルマグネシウムハライド又はブロミドを反応させることにより得られる。このとき、溶液中の基質濃度は通常5〜20wt%、反応温度は通常−10℃〜使用溶剤の沸点、反応時間は通常5〜48時間、好ましくは10〜36時間で行われる。このとき、ニッケル触媒の使用量は基質に対し1〜15mol%、好ましくは2.5〜7.5mol%で行えば、良好な収率で目的のジメチル体を与える。
【0051】
本発明において、上記一般式(6)に示される光学活性ビナフチルジヒドロキシ化合物としては、上記定義に該当する化合物であれば特に限定するものではないが、R、Rが、水素原子、及びハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜4のアルキル基、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜3のアルコキシ基、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数5〜20のアリール基、若しくはハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数5〜20のアリール基からなる群より選ばれる置換基である化合物が好ましく、R、Rが、水素原子、フェニル基、β−ナフチル基、3,4,5−トリフルオロフェニル基、3,5−ジトリフルオロメチルフェニル基、3,5−ジ−(3,5−ジトリフルオロメチルフェニル)フェニル基、及び3,5−ジフェニルフェニル基からなる群より選ばれる置換基である化合物がさらに好ましく、R、Rが、水素原子、フェニル基、及び3,5−ジフェニルフェニル基からなる群より選ばれる置換基である化合物が特に好ましい。
【0052】
本発明において、上記一般式(6)に示される光学活性ビナフチルジヒドロキシ化合物としては、具体的には、例えば、(R)−1,1’−ビ−4−(3,5−ジフェニル)フェニル−2−ヒドロキシメチルナフチル、(R)−1,1’−ビ−4,6−ジ(3,5−ジフェニル)フェニル−2−ヒドロキシメチルナフチル等が挙げられ、さらにそのエナンチオマーである(S)体が挙げられる。
【0053】
本発明において、上記一般式(2)に示される光学活性ビナフチルジハロゲン化合物は、例えば、上記一般式(6)に示される光学活性ビナフチルジヒドロキシ化合物に、ジクロルメタン等の適当な溶剤中、三臭化ホウ素等の水酸基をハロゲンアニオンで置換させることが可能な試剤を反応させることにより得ることができる。このとき、溶液中の基質濃度は通常5〜20wt%、反応温度は通常−10℃〜40℃、好ましくは通常0℃〜室温、反応時間は通常10分間〜10時間、好ましくは20分〜3時間で行えば、良好な収率で目的のジハロゲン体を与える。
【0054】
本発明において、上記一般式(7)に示される光学活性ビナフチルジエステル化合物としては、上記定義に該当する化合物であれば特に限定するものではないが、R、Rが、水素原子、及びハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜4のアルキル基、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜3のアルコキシ基、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数5〜20のアリール基、若しくはハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数5〜20のアリール基からなる群より選ばれる置換基である化合物が好ましく、R、Rが、水素原子、フェニル基、β−ナフチル基、3,4,5−トリフルオロフェニル基、3,5−ジトリフルオロメチルフェニル基、3,5−ジ−(3,5−ジトリフルオロメチルフェニル)フェニル基、及び3,5−ジフェニルフェニル基からなる群より選ばれる置換基であり、且つRが炭素数1〜4のアルキル基である化合物がさらに好ましく、R、Rが、水素原子、フェニル基、及び3,5−ジフェニルフェニル基からなる群より選ばれる置換基であり、且つRがメチル基である化合物が特に好ましい。
【0055】
本発明において、上記一般式(7)に示される光学活性ビナフチルジエステル化合物としては、具体的には、例えば、(R)−1,1’−ビ−4−(3,5−ジフェニル)フェニル−2−メトキシカルボニルナフチル、(R)−1,1’−ビ−4,6−ジ(3,5−ジフェニル)フェニル−2−メトキシカルボニルナフチル等が挙げられ、さらにそのエナンチオマーである(S)体が挙げられる。
【0056】
本発明において、上記一般式(6)に示される光学活性ビナフチルジヒドロキシ化合物は、例えば、上記一般式(7)に示される光学活性ビナフチルジエステル化合物に、テトラヒドロフラン等の適当な溶剤中、LiAlH等の水素アニオンを反応させることにより得られる。このとき、溶液中の基質濃度は通常5〜30wt%、反応温度は通常−20℃〜30℃、好ましくは−10℃〜10℃、反応時間は通常10分間〜10時間、好ましくは20分〜2時間で行えば、良好な収率で目的のジヒドロキシルメチル体を与える。
【0057】
本発明において、上記一般式(7)に示される光学活性ビナフチルジエステル化合物は、例えば、上記一般式(5)に示される光学活性ビナフチル化合物に、ジメチルスルホキシド等の適当な溶剤中、パラジウム触媒及び酸を捕捉するためのジイソプロピルエチルアミン等の有機塩基存在下、加圧してもよい一酸化炭素雰囲気下、一酸化炭素及びアルコールを反応させることにより得られる。このとき、溶液中の基質濃度は通常5〜30wt%、反応圧力は通常1〜20atm、好ましくは2〜10atm、反応温度は通常室温〜100℃、好ましくは50℃〜80℃、反応時間は通常24〜72時間で行われる。このとき使用するパラジウム触媒は、0価のものを用いても良いし、系内で2価のアセテート等から調製したものを用いても良く、使用量は基質に対して通常10〜20mol%用いる。またこのとき、塩基の使用量は基質に対して通常2〜8当量、好ましくは2.5〜5当量使用し、また、アルコールの使用量は基質に対して2〜200当量、好ましくは10〜50当量用いれば、良好な収率で目的のジエステル体を与える。
【0058】
本発明において、上記一般式(8)に示される光学活性ビナフトール化合物としては、上記定義に該当する化合物であれば特に限定するものではないが、R、Rが、水素原子、及びハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜4のアルキル基、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜3のアルコキシ基、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数5〜20のアリール基、若しくはハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数5〜20のアリール基からなる群より選ばれる置換基である化合物が好ましく、R、Rが、水素原子、フェニル基、β−ナフチル基、3,4,5−トリフルオロフェニル基、3,5−ジトリフルオロメチルフェニル基、3,5−ジ−(3,5−ジトリフルオロメチルフェニル)フェニル基、及び3,5−ジフェニルフェニル基からなる群より選ばれる置換基である化合物がさらに好ましく、R、Rが、水素原子、フェニル基、及び3,5−ジフェニルフェニル基からなる群より選ばれる置換基である化合物が特に好ましい。
【0059】
本発明において、上記一般式(8)に示される光学活性ビナフトール化合物としては、具体的には、例えば、(R)−1,1’−ビ−4−フェニル−2−ビナフトール、(R)−1,1’−ビ−4−(3,5−ジフェニル)フェニル−2−ビナフトール等が挙げられ、さらにそのエナンチオマーである(S)体が挙げられる。
【0060】
本発明の上記一般式(5)に示される光学活性ビナフチル化合物は、例えば、上記一般式(8)、上記式(9)、又は上記式(10)に示される光学活性ビナフトール化合物に、ジクロルメタン等の溶剤中、トリエチルアミン等の有機塩基存在下、トリフルオロメタンスルホン酸無水物やトリフルオロメタンスルホニルクロリド等のトリフレート化剤を反応させることにより得られる。このとき、溶液中の基質濃度は通常5〜30wt%、反応温度は通常−78℃〜室温、反応時間は通常30分間〜3時間で行えば、良好な収率で目的のジトリフレート体を与える。なお、上記式(9)及び式(10)に示される化合物は、ともに、J.Org.Chem.2001,66,2358.に記載される方法に従って合成することができる。
【0061】
本発明において、上記一般式(11)に示される光学活性ビナフチルジエーテル化合物としては、上記定義に該当する化合物であれば特に限定するものではないが、R、Rが、水素原子、及びハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜4のアルキル基、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜3のアルコキシ基、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数5〜20のアリール基、若しくはハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数5〜20のアリール基からなる群より選ばれる置換基である化合物が好ましく、R、Rが、水素原子、フェニル基、β−ナフチル基、3,4,5−トリフルオロフェニル基、3,5−ジトリフルオロメチルフェニル基、3,5−ジ−(3,5−ジトリフルオロメチルフェニル)フェニル基、及び3,5−ジフェニルフェニル基からなる群より選ばれる置換基であり、且つRが炭素数1〜4のアルキル基である化合物がさらに好ましく、R、Rが、水素原子、フェニル基、及び3,5−ジフェニルフェニル基からなる群より選ばれる置換基であり、且つRがエチル基である化合物が特に好ましい。
【0062】
本発明において、上記一般式(11)に示される光学活性ビナフチルジエーテル化合物としては、具体的には、例えば、(R)−2,2’−ジエトキシ−4,4’−ジフェニル−1,1’−ビナフタレン、(R)−2,2’−ジエトキシ−4,4’−ジ(3,5−ジフェニル)フェニル−1,1’−ビナフタレン等が挙げられ、さらにそのエナンチオマーである(S)体が挙げられる。
【0063】
本発明において、上記一般式(8)に示される光学活性ビナフトール化合物は、例えば、上記一般式(11)に示される光学活性ビナフチルジエーテル化合物に、ジクロルメタン等の溶剤中、三臭化ホウ素を反応させることにより得られる。このとき、溶液中の基質濃度は通常5〜20wt%、反応温度は通常−10℃〜50℃、好ましくは0℃〜30℃、反応時間は通常20分間〜3時間、好ましくは30分間〜2時間で行えば、良好な収率で目的のビナフトール体を与える。
【0064】
本発明において、上記一般式(12)に示される光学活性ビナフチルエーテル化合物としては、上記定義に該当する化合物であれば特に限定するものではないが、例えば、(R)−6,6’−ジクロロ−2,2’−ジエトキシ−4,4’−ジフェニル−1,1’−ビナフタレン、(R)−6,6’−ジクロロ−2,2’−ジエトキシ−4,4’−ジ(3,5−ジフェニル)フェニル−1,1’−ビナフタレン等が挙げられ、さらにそのエナンチオマーである(S)体が挙げられる。
【0065】
本発明の一般式(11)に示される光学活性ビナフチルジエーテル化合物のうち、Rが水素原子である化合物は、例えば、上記一般式(12)に示される光学活性ビナフチルエーテル化合物に、メトキシエタノール等の溶剤中、パラジウム触媒の存在下、ぎ酸アンモニウムを反応させることにより得ることができる。溶液中の基質濃度は通常5〜20wt%、反応温度は通常室温〜使用する溶剤の沸点、好ましくは50℃〜80℃、反応時間は通常30分間〜5時間、好ましくは1時間〜3時間で行われる。このとき、使用するパラジウム触媒はカーボンに担持させたものを用いることができ、その使用量は基質に対して通常5〜20mol%用いる。また、ぎ酸アンモニウムの使用量は基質に対して通常3〜20当量、好ましくは5〜10当量用いて行えば、良好な収率で目的の脱クロル体を与える。
【0066】
本発明において、上記一般式(12)に示される光学活性ビナフチルジエーテル化合物は、上記一般式(13)に示される光学活性ビナフチルジエーテル化合物に、テトラヒドロフラン等の溶剤中、パラジウム触媒及び酸捕捉剤となる炭酸カリウムや炭酸ナトリウム等の無機塩基の水溶液存在下、上記一般式(14)で示されるボロン酸化合物を反応させることにより得られる。溶液中の基質濃度は基質に対し通常5〜20wt%、反応温度は通常室温〜使用する溶剤の沸点、反応時間は通常3時間〜48時間、好ましくは5時間〜24時間で行われる。このとき、使用するパラジウム触媒は0価のものを用いても良いし、系内で2価のアセテート等から調製したものを用いても良く、その使用量は基質に対して0.5〜10mol%、好ましくは1〜5mol%用いる。またこのとき、塩基の使用量は基質に対して通常2〜50当量、好ましくは5〜30当量用いて行えば、良好な収率で目的の4,4’置換体を与える。
【0067】
本発明において、上記一般式(1)に示される光学活性四級アンモニウム塩は相間移動触媒として使用される。例えば、上記一般式(1)に示される光学活性四級アンモニウム塩を相間移動触媒として、上記一般式(15)に示されるグリシンエステルのシッフ塩基を、2相の溶剤中で、上記一般式(16)に示されるハロゲン化アルキルと不斉アルキル化反応させ、上記一般式(17)に示される化合物を立体選択的に製造する方法においては、溶剤はトルエン等の水と混和しない炭化水素系溶剤と、水酸化カリウム等のアルカリ金属を5〜60wt%含む水溶液の5:1〜1:3混合液、好ましくは5:1〜1:1混合液を用い、溶液中の基質濃度は通常5〜20wt%、反応温度は通常−10℃〜15℃、好ましくは−5℃〜5℃、反応時間は通常0.5時間〜48時間、好ましくは1時間〜10時間で行われる。このとき使用する相間移動触媒の使用量は基質に対して0.5〜2mol%、好ましくは0.8〜1.2mol%用いれば、高収率、高立体選択的に目的の光学活性α−アミノ酸誘導体を得ることができる。また、上記製造方法において、相間移動触媒として、上記一般式(1)に示される光学活性四級アンモニウム塩を用いれば、触媒の軸不斉が(R,R)体のものを用いたときには、上記一般式(17)で示される生成物は(S)体を与え、逆に(S,S)体の触媒を用いたときには、生成物は(R)体を与える。
【0068】
【発明の効果】
本発明によれば、
▲1▼ グリシン誘導体の不斉アルキル化反応用の相間移動触媒として高い立体選択性を示し得る、新規の軸不斉含有スピロ型光学活性四級アンモニウムの塩、その中でも触媒合成工程数上有利な、スピロ骨格の各環が同一の構造を有する化合物が提供され、また高選択性発現のための立体規制用新規置換基部位を有する化合物が提供された。
▲2▼ 該塩類の製造方法、中でもスピロ骨格の各環が同一の構造を有する該塩の効率的な製造方法が提供された。
▲3▼ 該塩を製造するための中間体及びその製造方法が提供された。
▲4▼ 該塩を相間移動触媒として使用し、立体選択的に医、農薬合成中間体として有用な光学活性α−アミノ酸誘導体を製造する方法が提供された。
【0069】
したがって、本発明は工業的に極めて有用である。
【0070】
【実施例】
以下実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
【0071】
実施例1 (S)−6,6’−ジクロロ−2,2’−ジエトキシ−4,4’−ジフェニル−1,1’−ビナフタレン(2)の調製
【0072】
【化38】
Figure 2004238362
アルゴン雰囲気下、Angew.Chem.Int.Ed.,2002,41,1159に従って合成した化合物(1)(4.0mmol)、フェニルボロン酸(9.6mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(3mol%、0.12mmol)、2M炭酸カリウム水溶液(48mL)及びテトラヒドロフラン(80mL)の混合物を還流下13時間攪拌した。次いで反応混合物を飽和食塩水にあけた。パラジウム触媒をろ別し、ろ液をエーテルで抽出した。エーテル抽出を硫酸ナトリウムにて乾燥後、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=20:1)に附し、化合物(2)を定量的に得た。
【0073】
H−NMR(400MHz,CDCl)σ 7.86(2H,t,J=1.2Hz,Ar−H),7.48−7.62(10H,m,Ar−H),7.39(2H,s,Ar−H),7.18(4H,m,Ar−H),4.11(4H,d−q,J=1.2Hz,7.2Hz,OCH),1.11(6H,t,J=7.2Hz,CHCH)。
【0074】
実施例2 (S)−6,6’−ジクロロ−2,2’−ジエトキシ−4,4’−ジ(3,5−ジフェニル)フェニル−1,1’−ビナフタレン(3)の調製
【0075】
【化39】
Figure 2004238362
フェニルボロン酸の代わりに、(3,5−ジフェニル)フェニルボロン酸を用いる以外は実施例1と同じ方法で調製し,定量的に化合物(3)を得た。
【0076】
H−NMR(400MHz,CDCl)σ 7.99(2H,d−d,J=0.4Hz,1.6Hz,Ar−H),7.97(2H,t,J=1.6Hz,Ar−H),7.82(4H,d−d,J=1.6Hz,8.8Hz,Ar−H),7.77(8H,d−d,J=1.6Hz,8.8Hz,Ar−H),7.51(10H,m,Ar−H),7.42(4H,t,J=7.2Hz,Ar−H),7.22(4H,m,Ar−H),4.13(4H,q,J=7.2Hz,OCH),1.14(6H,t,J=7.2Hz,CHCH)。
【0077】
実施例3 (S)−2,2’−ジエトキシ−4,4’−ジフェニル−1,1’−ビナフタレン(4)の調製
【0078】
【化40】
Figure 2004238362
アルゴン雰囲気下、Pd/C(150mg)を懸濁させたメトキシエタノール溶液に、ギ酸アンモニウム(32mmol)及び化合物(2)(4.0mmol)を加えた。反応溶液を60℃にて2時間攪拌した後、Pd/Cをろ別し、ろ液を減圧濃縮し、化合物(4)を定量的に得た。
【0079】
H−NMR(400MHz,CDCl)σ 7.90(2H,d−d,J=2.0Hz,10.0Hz,Ar−H),7.65(4H,d−d,J=1.2Hz,8.4Hz,Ar−H),7.55(4H,t,J=7.4Hz,Ar−H),7.48(2H,t,J=8.4Hz,Ar−H),7.38(2H,s,Ar−H),7.22−7.30(6H,m,Ar−H),4.10(4H,d−q,J=1.2Hz,7.2Hz,OCH),1.11(6H,t,J=7.2Hz,CHCH)。
【0080】
実施例4 (S)−2,2’−ジエトキシ−4,4’−ジ(3,5−ジフェニル)フェニル−1,1’−ビナフタレン(5)の調製
【0081】
【化41】
Figure 2004238362
化合物(2)の代わりに、化合物(3)を用いる以外は実施例3と同じ方法で調製し、定量的に化合物(5)を得た。
【0082】
H−NMR(400MHz,CDCl)σ 8.02(2H,d,J=8.0Hz,Ar−H),7.94(2H,d,J=1.6Hz,Ar−H),7.88(4H,d,J=1.6Hz,Ar−H),7.78(10H,m,Ar−H),7.49(10H,m,Ar−H),7.41(4H,t,J=7.6Hz,Ar−H),7.25−7.35(4H,m,Ar−H),4.13(4H,q,J=7.2Hz,OCH),1.14(6H,t,J=7.2Hz,CHCH)。
【0083】
実施例5 (S)−1,1’−ビ−4−フェニル−2−ビナフトール(6)の調製
【0084】
【化42】
Figure 2004238362
アルゴン雰囲気下、化合物(4)(3.7mmol)のジクロルメタン溶液(30mL)に、三臭化ホウ素(7.4mmol)を0℃で滴下した。反応混合物を室温まで昇温して1時間攪拌した後、再び0℃に冷却して水を滴下した。ジクロルメタンで抽出し、抽出液を飽和食塩水で洗い、乾燥後、減圧濃縮し、化合物(6)を定量的に得た。
【0085】
H−NMR(400MHz,CDCl)σ 7.95(2H,m,Ar−H),7.50−7.63(10H,m,Ar−H),7.38(2H,s,Ar−H),7.31−7.34(6H,m,Ar−H),5.15(2H,s,OH)。
【0086】
実施例6 (S)−1,1’−ビ−4−(3,5−ジフェニル)フェニル−2−ビナフトール(7)の調製
【0087】
【化43】
Figure 2004238362
化合物(4)の代わりに、化合物(5)を用いる以外は実施例5と同じ方法で調製し、化合物(7)を定量的に得た。
【0088】
H−NMR(400MHz,CDCl)σ 8.09(2H,m,Ar−H),7.96(2H,s,Ar−H),7.86(4H,d,J=1.2Hz,Ar−H),7.77(10H,m,Ar−H),7.51(10H,m,Ar−H),7.37ー7.44(8H,m,Ar−H),5.23(2H,s,OH)。
【0089】
実施例7 (S)−1,1’−ビ−4−フェニル−2−トリフルオロメタンスルフォニルナフチル(8)の調製
【0090】
【化44】
Figure 2004238362
アルゴン雰囲気下、化合物(6)(3.7mmol)のジクロルメタン溶液(25mL)へトリエチルアミン(11.1mmol)を室温で加えた後、−78℃まで冷却した。次いでトリフルオロメタンスルホン酸無水物(11.1mmol)を滴下し、反応混合物を室温まで昇温して1時間攪拌した。反応混合物を飽和塩化アンモニウム水溶液にあけ、ジクロルメタンにて抽出した。抽出液を硫酸ナトリウムにて乾燥後、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=20:1)に附し、化合物(8)を98%の収率で得た。
【0091】
H−NMR(400MHz,CDCl)σ 8.04(2H,d,J=8.4Hz,Ar−H),7.51−7.64(14H,m,Ar−H),7.43(4H,d,J=5.2Hz,Ar−H)。
【0092】
実施例8 (S)−1,1’−ビ−4−(3,5−ジフェニル)フェニル−2−トリフルオロメタンスルフォニルナフチル(9)の調製
【0093】
【化45】
Figure 2004238362
化合物(6)の代わりに、化合物(7)を用いる以外は実施例7と同じ方法で調製し、98%の収率で化合物(9)を得た。
【0094】
H−NMR(400MHz,CDCl)σ 8.17(2H,d,J=8.4Hz,Ar−H),7.99(2H,t,J=1.6Hz,Ar−H),7.82(4H,d,J=1.2Hz,Ar−H),7.77(8H,d,J=8.0Hz,Ar−H),7.70(2H,s,Ar−H),7.52(10H,m,Ar−H),7.48(2H,d,J=3.6Hz,Ar−H),7.43(6H,m,Ar−H)。
【0095】
実施例9 (S)−1,1’−ビ−4,6−ジフェニル−2−トリフルオロメタンスルフォニルナフチル(11)の調製
【0096】
【化46】
Figure 2004238362
化合物(6)の代わりに、J.Org.Chem.2001,66,2358.に従って合成した化合物(10)を用いる以外は実施例7と同じ方法で調製し、97%の収率で化合物(11)を得た。
【0097】
H−NMR(400MHz,CDCl)σ 8.25(2H,d,J=1.2Hz,Ar−H),7.74−7.54(20H,m,Ar−H),7.45−7.33(6H,m,Ar−H)。
【0098】
実施例10 (S)−1,1’−ビ−4,6−ジ(3,5−ジフェニル)フェニル −2−トリフルオロメタンスルフォニルナフチル(13)の調製
【0099】
【化47】
Figure 2004238362
化合物(6)の代わりに、J.Org.Chem.2001,66,2358.に従って合成した化合物(12)を用いる以外は実施例7と同じ方法で調製し、98%の収率で化合物(13)を得た。
【0100】
H−NMR(400MHz,CDCl)σ 7.98(2H,s,Ar−H),7.91(4H,s,Ar−H),7.84(2H,d,J=9.2Hz,Ar−H),7.78−7.34(50H,m,Ar−H)。
【0101】
実施例11 (S)−1,1’−ビ−2−メチル−4−フェニルナフチル(14)の調製
【0102】
【化48】
Figure 2004238362
アルゴン雰囲気下、化合物(8)(3.6mmol)、NiCl(dppp)(5mol%)及びジエチルエーテルの混合物に、MeMgIのジエチルエーテル溶液(1.0M,21.7mmol)を0℃で滴下した。反応混合物を還流下終夜撹拌した後、飽和塩化アンモニウム水溶液にあけた。ニッケル触媒をろ別し、ろ液をエーテルで抽出した。抽出液を硫酸ナトリウムにて乾燥後、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=30:1)に附し、化合物(14)を93%の収率で得た。
【0103】
H−NMR(400MHz,CDCl)σ 7.97(2H,d,J=8.8Hz,Ar−H),7.63(4H,d↓d,J=1.2Hz,8.4Hz,Ar−H),7.54(4H,t,J=7.4Hz,Ar−H),7.47(4H,m,Ar−H),7.35(2H,m,Ar−H),7.27−7.20(4H,m,Ar−H),2.10(6H,s,CH)。
【0104】
実施例12 (S)−1,1’−ビ−4−(3,5−ジフェニル)フェニル−2−メトキシカルボニルナフチル(15)の調製
【0105】
【化49】
Figure 2004238362
アルゴン雰囲気下、化合物(9)(0.70mmol)、Pd(OAc)(15mol%),dppp(16.5mol%)に、iPrNEt(0.51mL),MeOH(1.0mL),DMSO(2.0mL)を加えた後、反応容器をCO雰囲気下8atmに加圧し、80℃にて48時間撹拌した。反応混合物を水にあけ、酢酸エチルにて抽出、硫酸ナトリウムにて乾燥後、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:ベンゼン=1:3)に附し、化合物(15)を70%の収率で得た。
【0106】
H−NMR(400MHz,CDCl)σ 8.30(2H,d,J=1.6Hz,Ar−H),8.16(2H,d,J=8.4Hz,Ar−H),7.96(2H,t,J=1.6Hz,Ar−H),7.90(4H,d,J=1.6Hz,Ar−H),7.78(8H,d,J=8.4Hz,Ar−H),7.51(10H,m,Ar−H),7.41(6H,m,Ar−H),7.29(2H,m,Ar−H),3.60(6H,s,COCH)。
【0107】
実施例13 (S)−1,1’−ビ−4−(3,5−ジフェニル)フェニル−2−ヒドロキシメチルナフチル(16)の調製
【0108】
【化50】
Figure 2004238362
アルゴン雰囲気下、LiAlH(1.3mmol)のTHF溶液に化合物(15)(0.44mmol)を0℃で加えた後、1時間撹拌した。反応混合物をMeOH、続いて飽和塩化アンモニウム水溶液で失活させ、ジエチルエーテルにて抽出した。硫酸ナトリウムにて乾燥後、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=10:1〜3:1)に附し、化合物(16)を定量的に得た。
【0109】
H−NMR(400MHz,CDCl)σ 8.14(2H,d,J=8.4Hz,Ar−H),7.95(2H,s,Ar−H),7.87(4H,d,J=2.0Hz,Ar−H),7.82(2H,s,Ar−H),7.76(8H,d,J=7.6Hz,Ar−H),7.48(10H,m,Ar−H),7.39(6H,m,Ar−H),7.32(2H,m,Ar−H),4.51(2H,d,J=11.6Hz,CH−O),4.30(2H,d,J=11.6Hz,CH−O)。
【0110】
実施例14 (S)−1,1’−ビ−2−メチル−4,6−ジフェニルナフチル(17)の調製
【0111】
【化51】
Figure 2004238362
化合物(8)の代わりに、化合物(11)を用いる以外は実施例11と同じ方法で調製し、96%の収率で化合物(17)を得た。
【0112】
H−NMR(400MHz,CDCl)σ 8.20(2H,d,J=1.6Hz,Ar−H),7.69(4H,d,J=7.6Hz,Ar−H),7.59−7.29(22H,m,Ar−H),2.18(6H,s,Ar−CH)。
【0113】
実施例15 (S)−1,1’−ビ−4,6−ジ(3,5−ジフェニル)フェニル−2−メトキシカルボニルナフチル(18)の調製
【0114】
【化52】
Figure 2004238362
化合物(11)の代わりに、化合物(13)を用いる以外は実施例12と同じ方法で調製し、化合物(18)を57%の収率で得た。
【0115】
H−NMR(400MHz,CDCl)σ 8.51(2H,d,J=1.6Hz,Ar−H),8.38(2H,s,Ar−H),7.99(4H,d,J=1.6Hz,Ar−H),7.95(2H,t,J=1.6Hz,Ar−H),7.79−7.34(50H,m,Ar−H),3.65(6H,s,COCH)。
【0116】
実施例16 (S)−1,1’−ビ−4,6−ジ(3,5−ジフェニル)フェニル−2−ヒドロキシメチルナフチル(19)の調製
【0117】
【化53】
Figure 2004238362
化合物(15)の代わりに、化合物(18)を用いる以外は実施例13と同じ方法で調製し、定量的に化合物(19)を得た。
【0118】
H−NMR(400MHz,CDCl)σ 8.51(2H,d,J=2.0Hz,Ar−H),7.97(4H,d,J=1.6Hz,Ar−H),7.94(2H,t,J=1.6Hz,Ar−H),7.92(2H,s,Ar−H),7.79−7.32(50H,m,Ar−H),4.62(2H,d,J=11.2Hz,CH−O),4.44(2H,d,J=11.2Hz,CH−O),3.00(2H,br,ArCHOH)。
【0119】
実施例17 (S)−1,1’−ビ−2−ブロモメチル−4−フェニル−ナフチル(20)の調製
【0120】
【化54】
Figure 2004238362
アルゴン雰囲気下、化合物(14)(3.2mmol)、NBS(7.0mmol)、AIBN(10mol%)をベンゼン溶媒中2時間還流下撹拌した後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液にあけ、酢酸エチルにて抽出した。抽出液を硫酸ナトリウムにて乾燥後、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=20:1)に附し、化合物(20)を98%の収率で得た。
【0121】
H−NMR(400MHz,CDCl)σ 8.01(2H,d,J=8.4Hz,Ar−H),7.72(2H,s,Ar−H),7.67(4H,d,J=7.6Hz,Ar−H),7.58(4H,t,J=7.6Hz,Ar−H),7.52−7.43(4H,m,Ar−H),7.34−7.24(4H,m,Ar−H),4.35(4H,s,CHBr)。
【0122】
実施例18 (S)−1,1’−ビ−2−ブロモメチル−4−(3,5−ジフェニル)フェニル−ナフチル(21)の調製
【0123】
【化55】
Figure 2004238362
アルゴン雰囲気下、化合物(16)(0.44mmol)のジクロルメタン溶液(5.0mL)へ、三臭化ホウ素(0.88mmol)を0℃で滴下した。反応混合物を室温まで昇温して1時間攪拌した後、再び0℃に冷却して水を滴下した。ジクロルメタンで抽出し、抽出液を飽和食塩水で洗い、乾燥後、減圧濃縮し、化合物(21)を定量的に得た。
【0124】
H−NMR(400MHz,CDCl)σ 8.14(2H,d,J=8.4Hz,Ar−H),7.97(2H,d,J=1.6Hz,Ar−H),7.89(4H,d,J=1.6Hz,Ar−H),7.84(2H,s,Ar−H),7.80(8H,d,J=7.6Hz,Ar−H),7.51(10H,m,Ar−H),7.42(4H,t,J=7.6Hz,Ar−H),7.35−7.29(4H,m,Ar−H),4.39(4H,s,CHBr)。
【0125】
実施例19 (S)−1,1’−ビ−2−ブロモメチル−4,6−ジフェニル−ナフチル(22)の調製
【0126】
【化56】
Figure 2004238362
化合物(14)の代わりに、化合物(22)を用いる以外は実施例17と同じ方法で調製し、97%の収率で化合物(22)を得た。
【0127】
H−NMR(400MHz,CDCl)σ 8.23(2H,d,J=1.6Hz,Ar−H),7.76(2H,s,Ar−H),7.71(4H,d,J=6.8Hz,Ar−H),4.40(4H,s,CHBr)。
【0128】
実施例20 (S)−1,1’−ビ−2−ブロモメチル−4,6−ジ(3,5−ジフェニル)フェニル−ナフチル(23)の調製
【0129】
【化57】
Figure 2004238362
化合物(16)の代わりに、化合物(19)を用いる以外は実施例18と同じ方法で調製し、化合物(8)を定量的に得た。
【0130】
H−NMR(400MHz,CDCl)σ 8.51(2H,d,J=1.2Hz,Ar−H),7.96(2H,d,J=1.2Hz,Ar−H),7.92(2H,s,Ar−H),7.78−7.33(50H,m,Ar−H),4.48(4H,s,CHBr)。
【0131】
比較例1 スピロビ[(S)−1,1’−ビ −3−フェニル−ビナフチル−2,2’−ジメチルアンモニウム]ブロミドの調製検討
【0132】
【化58】
Figure 2004238362
3,3’−フェニル置換のジブロモ体(295mg,0.5mmol)に、28%アンモニア水(1.0mmol)、アセトニトリル(5mL)を加えた後、室温にて10時間撹拌した後、さらに環流下10時間撹拌し、反応混合物を水にあけた。ジクロルメタンにて抽出後、抽出液を硫酸ナトリウムにて乾燥し、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ジクロルメタン:メタノール=30:1)に附し、2級アミン化合物を47%の収率で得、出発物質のジブロミドを43%回収した。アンモニウム塩は得られなかった。
【0133】
実施例21 スピロビ[(S)−1,1’−ビ−4−フェニル−ビナフチル−2,2’−ジメチルアンモニウム]ブロミド(24)の調製
【0134】
【化59】
Figure 2004238362
化合物(20)(3.15mmol)に、28%アンモニア水(0.77mL,12.6mmol)を加えた後、封管し、室温にて24時間撹拌した後、反応混合物を水にあけた。ジクロルメタンにて抽出後、抽出液を硫酸ナトリウムにて乾燥し、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ジクロルメタン:メタノール=30:1)に附し、化合物(24)を42%の収率で得た。
【0135】
[α] 26=−534.9(c0.50,CHCl
H−NMR(400MHz,CDCl)σ 8.22(4H,d,J=8.8Hz,Ar−H),7.90(4H,s,Ar−H),7.74(8H,d,J=5.6Hz,Ar−H),7.63−7.56(20H,m,Ar−H),7.41(4H,m,Ar−H),4.70(4H,d,J=13.2Hz,CH−N−CH),4.30(4H,d,J=13.2Hz,CH−N−CH).
IR:3655,3352,3053,1593,1493,1443,1418,1382,862,775,702cm−1
HRMS(ESI):calcd for C6848:m/z=878.3781 found;878.381。
【0136】
実施例22 スピロビ[(S)−1,1’−ビ−4−(3,5−ジフェニル)フェニル−ビナフチル−2,2’−ジメチルアンモニウム]ブロミド(25)の調製
【0137】
【化60】
Figure 2004238362
化合物(20)の代わりに、化合物(21)を用いる以外は実施例21と同じ方法で調製し、定量的に化合物(25)を得た。
【0138】
H−NMR(400MHz,CDCl)σ 8.32(4H,d,J=8.4Hz,Ar−H),8.18(4H,s,Ar−H),7.72(8H,s,Ar−H),7.80−7.00(56H,br,Ar−H),4.86(4H,d,J=13.6Hz,CH−N−CH),4.48(4H,d,J=13.6Hz,CH−N−CH)。
【0139】
実施例23 [(S)−1,1’−ビ−4−フェニル−ビナフチル−2,2’−ジメチルアンモニウム]スピロ[(S)−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジメチルアミン]ブロミド(26)の調製
【0140】
【化61】
Figure 2004238362
炭酸カリウム(0.6mmol)存在下、化合物(22)(0.22mmol)及びJ.Org.Chem.1994,59,649.に従って合成した、請求項9中の式(3)の化合物(0.20mmol)をアセトニトリル中50℃にて終夜撹拌した後、反応混合物を水にあけた。ジクロルメタンにて抽出後、抽出液を硫酸ナトリウムにて乾燥し、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ジクロルメタン:メタノール=20:1〜15:1)に附し、化合物(26)を69%の収率で得た。
【0141】
H−NMR(400MHz,CDCl)σ 8.31(2H,d,J=1.6Hz,Ar−H),8.26(2H,d,J=8.8Hz,Ar−H),8.07(2H,d,J=8.4Hz,Ar−H),7.97(2H,s,Ar−H),7.93(2H,d,J=8.8Hz,Ar−H),7.85(4H,d,J=7.6Hz,Ar−H),7.76−7.34(26H,m,Ar−H),4.70(2H,d,J=13.6Hz,Ar−CH),4.63(2H,d,J=13.6Hz,Ar−CH),4.24(2H,d,J=13.2Hz,Ar−CH),4.14(2H,d,J=13.2Hz,Ar−CH)。
【0142】
実施例24 [(S)−1,1’−ビ−4−(3,5−ジフェニル)フェニル−ビナフチル−2,2’−ジメチルアンモニウム]スピロ[(S)−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジメチルアミン]ブロミド(27)の調製
【0143】
【化62】
Figure 2004238362
化合物(22)の代わりに、化合物(23)を用いる以外は実施例23と同じ方法で調製し、化合物(27)を74%の収率で得た。
【0144】
H−NMR(400MHz,CDCl)σ 8.58(2H,s,Ar−H),8.24(2H,d,J=8.4Hz,Ar−H),8.14(2H,s,Ar−H),8.09(6H,br,Ar−H),7.97(2H,d,J=8.0Hz,Ar−H),7.88−7.34(56H,m,Ar−H),4.74(2H,d,J=14.0Hz,Ar−CH),4.73(2H,d,J=12.8Hz,Ar−CH),4.36(2H,d,J=13.6Hz,Ar−CH),4.25(2H,d,J=13.2Hz,Ar−CH)。
【0145】
実施例25 スピロビ[(S)−1,1’−ビ −4,6−ジフェニル−ビナフチル−2,2’−ジメチルアンモニウム]ブロミド(28)の調製
【0146】
【化63】
Figure 2004238362
化合物(22)(3.15mmol)に、28%アンモニア水(0.77mL,12.6mmol)を加えた後、封管し、室温にて24時間撹拌した後、反応混合物を水にあけた。ジクロルメタンにて抽出後、抽出液を硫酸ナトリウムにて乾燥し、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ジクロルメタン:メタノール=30:1)に附し、化合物(28)を25%の収率で得た。
【0147】
H−NMR(400MHz,CDCl)σ 8.42(4H,s,Ar−H),7.95(4H,s,Ar−H),7.82−7.70(16H,m,Ar−H),7.63−7.57(20H,m,Ar−H),7.45(8H,t,J=7.6Hz,Ar−H),7.37(4H,t,J=7.4Hz,Ar−H),4.78(4H,d,J=13.2Hz,CH−N−CH),4.38(4H,d,J=13.2Hz,CH−N−CH
13C−NMR(100MHz,CDCl)σ 143.0,140.3,140.0,139.0,135.7,132.9,131.3,129.9,129.0,128.71,128.69,128.61,128.1,127.7,127.3,126.8,125.2,124.4,61.6。
【0148】
実施例26 スピロビ[(S)−1,1’−ビ −4,6−ジ(3,5−ジフェニル)フェニル−ビナフチル−2,2’−ジメチルアンモニウム]ブロミド(29)の調製
【0149】
【化64】
Figure 2004238362
化合物(22)の代わりに、化合物(23)を用いる以外は実施例25と同じ方法で調製し、60%の収率で化合物(29)を得た。
【0150】
[α] 26=−434.9(c0.50,CHCl
H−NMR(400MHz,CDCl)σ 8.68(4H,s,Ar−H),8.30(4H,s,Ar−H),8.04(8H,s,Ar−H),7.94(4H,d,J=9.2Hz,Ar−H),7.85(4H,d,J=9.2Hz,Ar−H),7.82(8H,s,Ar−H),7.78(4H,s,Ar−H),7.72(4H,s,Ar−H),7.66−7.61(24H,m,Ar−H),7.43−7.34(48H,m,Ar−H),7.13(8H,br,Ar−H),4.99(4H,d,J=14.0Hz,CH−N−CH),4.61(4H,d,J=14.0Hz,CH−N−CH
13C−NMR(100MHz,CDCl)σ 143.5,142.4,141.5,140.9,140.7,140.0,136.2,133.4,131.6,129.3,128.9,128.8,128.7,127.5,127.4,127.2,126.5,125.8,125.7,125.4,125.1,61.8
HRMS(ESI):calcd for C188128:m/z=2399.0042 found;2399.0136。
【0151】
実施例27〜実施例36 対称型触媒を用いた不斉アルキル化反応
【0152】
【化65】
Figure 2004238362
化合物(30)(0.5mmol)、対称型の相間移動触媒[化合物(24)、化合物(25)、化合物(28)、化合物(29)]中のいずれか一種類(0.05mmol)、トルエン(3.3mL)、及び50%水酸化カリウム水溶液(1.0mL)の混合物に、表1中のR−Xで示されるアルキル化剤(0.6mmol)を0℃で滴下し、同温にて攪拌した後、混合物を水にあけた。エーテルにて抽出後、抽出液を飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムにて乾燥後に、減圧濃縮をおこなった。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーに附し、化合物(31a)〜化合物(31c)を得た。各相間移動触媒、及び各アルキル化剤を適用したときの結果を表1に示した。尚、各反応生成物である化合物(31a)〜化合物(31c)の光学純度は、特許文献1及び非特許文献1に記載の方法に従って決定した。
【0153】
【表1】
Figure 2004238362
実施例37〜実施例47 非対称型触媒を用いた不斉アルキル化反応
【0154】
【化66】
Figure 2004238362
実施例23及び実施例24で得た化合物(26)及び化合物(27)を相間移動触媒として用い、実施例27〜36で実施した場合と同一の条件にて、不斉アルキル化反応をおこなった。その結果を表2に示す。尚、各反応生成物である化合物(31a)〜化合物(31g)の光学純度は、特許文献1及び非特許文献1に記載の方法に従って決定した。
【0155】
【表2】
Figure 2004238362
以上の実施例から明らかなとおり、新規置換基部位となる4,4’位に置換基を導入した触媒類は、従来の3,3’位に置換基を導入したものに相当し得る立体規制能を有する。例えば、グリシン誘導体の不斉ベンジル化反応においては、従来の触媒と同一条件で97%ee(実施例28)、96%ee(実施例27)、96%ee(実施例38)という極めて高い立体選択性を示している。
【0156】
また、比較例1より、スピロ骨格の各環が3,3’位に置換基を導入した同一のビナフチル構造を有する触媒はその合成が非常に困難であることは明らかである。
【0157】
なお、4,4’位に置換基を導入したスピロ骨格の各環が同一の構造を有する触媒を従来の非対称触媒よりも短工程で合成できる。例えば、最短でのものでは、実施例中の化合物26は、市販の光学活性BINOLから8工程で合成可能である。即ち、J.Org.Chem.,2001,66,2358に従い、4工程で既知の化合物10[上記式(9)で示される化合物]に誘導し、これを更にトリフレート化(実施例9)、メチル化(実施例14)、臭素化(実施例19)、アンモニアとの反応(実施例25)の計8工程で:合成可能である。

Claims (57)

  1. 下記一般式(1)で示される光学活性四級アンモニウム塩。
    Figure 2004238362
    [上記一般式(1)中、R、R、R、Rは各々独立して水素原子、メチル基、エチル基、ビニル基、エチニル基、炭素数3〜10の直鎖の、分岐した若しくは環式のアルキル基、炭素数3〜10の直鎖の、分岐した若しくは環式のアルケニル基、炭素数3〜10の直鎖の、分岐した若しくは環式のアルキニル基、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜4のアルキル基、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜3のアルコキシ基、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数5〜20のアリール基、若しくはハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数5〜20のアリール基、又はハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数5〜25のアラルキル基を表す。ただしR、R、R、Rが同時に水素原子になることはない。Xは、ハロゲン化物イオン、チオシアン化物イオン、硫酸水素イオン、過塩素酸イオン、又はヘキサフルオロリン酸イオンを表す。また、二つのビナフチル部における軸不斉の組み合せは(R,R)又は(S,S)を示す。]
  2. 上記一般式(1)において、RとRとが同一の置換基であり、且つRとRとが同一の置換基であることを特徴とする請求項1に記載の化合物。
  3. 上記一般式(1)において、R、R、R、Rが、水素原子、及びハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜4のアルキル基、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜3のアルコキシ基、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数5〜20のアリール基、若しくはハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数5〜20のアリール基からなる群より選ばれる置換基であることを特徴とする請求項2に記載の化合物。
  4. 上記一般式(1)において、R、R、R、Rが、水素原子、フェニル基、β−ナフチル基、3,4,5−トリフルオロフェニル基、3,5−ジトリフルオロメチルフェニル基、3,5−ジ−(3,5−ジトリフルオロメチルフェニル)フェニル基、及び3,5−ジフェニルフェニル基からなる群より選ばれる置換基であり、且つXがハロゲン化物イオンであることを特徴とする請求項2に記載の化合物。
  5. 上記一般式(1)において、R、R、R、Rが、水素原子、フェニル基、及び3,5−ジフェニルフェニル基からなる群より選ばれる置換基であり、且つXが臭化物イオンであることを特徴とする請求項2に記載の化合物。
  6. 上記一般式(1)において、R及びRが水素原子であることを特徴とする請求項1に記載の化合物。
  7. 上記一般式(1)において、R、Rが、水素原子、及びハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜4のアルキル基、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜3のアルコキシ基、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数5〜20のアリール基、若しくはハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数5〜20のアリール基からなる群より選ばれる置換基であることを特徴とする請求項6に記載の化合物。
  8. 上記一般式(1)において、R、Rが、水素原子、フェニル基、β−ナフチル基、3,4,5−トリフルオロフェニル基、3,5−ジトリフルオロメチルフェニル基、3,5−ジ−(3,5−ジトリフルオロメチルフェニル)フェニル基、及び3,5−ジフェニルフェニル基からなる群より選ばれる置換基であり、且つXがハロゲン化物イオンであることを特徴とする請求項6に記載の化合物。
  9. 上記一般式(1)において、R、Rが、水素原子、フェニル基、及び3,5−ジフェニルフェニル基からなる群より選ばれる置換基であり、且つXが臭化物イオンであることを特徴とする請求項6に記載の化合物。
  10. 下記一般式(2)で示される光学活性ビナフチルジハロゲン化合物。
    Figure 2004238362
    [上記一般式(2)中、R、Rは各々独立して水素原子、メチル基、エチル基、ビニル基、エチニル基、炭素数3〜10の直鎖の、分岐した若しくは環式のアルキル基、炭素数3〜10の直鎖の、分岐した若しくは環式のアルケニル基、炭素数3〜10の直鎖の、分岐した若しくは環式のアルキニル基、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜4のアルキル基、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜3のアルコキシ基、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数5〜20のアリール基、若しくはハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数5〜20のアリール基、又はハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数5〜25のアラルキル基を表す。ただしR及びRが同時に水素原子になることはない。Xはハロゲン原子を示す。また、ビナフチル部における軸不斉は(R)又は(S)を示す。]
  11. 上記一般式(2)において、R、Rが、水素原子、及びハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜4のアルキル基、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜3のアルコキシ基、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数5〜20のアリール基、若しくはハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数5〜20のアリール基からなる群より選ばれる置換基であり、且つXがハロゲン原子であることを特徴とする請求項10に記載の化合物。
  12. 上記一般式(2)において、R、Rが、水素原子、フェニル基、β−ナフチル基、3,4,5−トリフルオロフェニル基、3,5−ジトリフルオロメチルフェニル基、3,5−ジ−(3,5−ジトリフルオロメチルフェニル)フェニル基、及び3,5−ジフェニルフェニル基からなる群より選ばれる置換基であり、且つXがハロゲン原子であることを特徴とする請求項10に記載の化合物。
  13. 上記一般式(2)において、R、Rが、水素原子、フェニル基、及び3,5−ジフェニルフェニル基からなる群より選ばれる置換基であり、且つXが臭素原子であることを特徴とする請求項10に記載の化合物。
  14. 請求項10乃至請求項13のいずれかに記載の一般式(2)で示される化合物にアンモニアを反応させることを特徴とする請求項2乃至請求項5のいずれかに記載の一般式(1)で示される化合物の製造方法。
  15. 請求項10乃至請求項13のいずれかに記載の一般式(2)で示される化合物に、同一の軸不斉の立体配置をもつ下記式(3)
    Figure 2004238362
    で示される化合物を反応させることを特徴とする請求項6乃至請求項9のいずれかに記載の一般式(1)で示される化合物の製造方法。
  16. 下記一般式(4)で示される光学活性ビナフチルジメチル化合物。
    Figure 2004238362
    [上記一般式(4)中、R、Rは各々独立して水素原子、メチル基、エチル基、ビニル基、エチニル基、炭素数3〜10の直鎖の、分岐した若しくは環式のアルキル基、炭素数3〜10の直鎖の、分岐した若しくは環式のアルケニル基、炭素数3〜10の直鎖の、分岐した若しくは環式のアルキニル基、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜4のアルキル基、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜3のアルコキシ基、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数5〜20のアリール基、若しくはハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数5〜20のアリール基、又はハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数5〜25のアラルキル基を表す。ただしR及びRが同時に水素原子になることはない。また、ビナフチル部における軸不斉は(R)又は(S)を示す。]
  17. 上記一般式(4)において、R、Rが、水素原子、及びハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜4のアルキル基、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜3のアルコキシ基、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数5〜20のアリール基、若しくはハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数5〜20のアリール基からなる群より選ばれる置換基であることを特徴とする請求項16に記載の化合物。
  18. 上記一般式(4)において、R、Rが、水素原子、フェニル基、β−ナフチル基、3,4,5−トリフルオロフェニル基、3,5−ジトリフルオロメチルフェニル基、3,5−ジ−(3,5−ジトリフルオロメチルフェニル)フェニル基、及び3,5−ジフェニルフェニル基からなる群より選ばれる置換基であることを特徴とする請求項16に記載の化合物。
  19. 上記一般式(4)において、R、Rが、水素原子、フェニル基、及び3,5−ジフェニルフェニル基からなる群より選ばれる置換基であることを特徴とする請求項16に記載の化合物。
  20. 請求項16乃至請求項19のいずれかに記載の一般式(4)で示される化合物に、ハロゲンラジカルを反応させることを特徴とする請求項10乃至請求項13のいずれかに記載の一般式(2)で示される化合物の製造方法。
  21. 下記一般式(5)で示される光学活性ビナフチル化合物。
    Figure 2004238362
    [上記一般式(5)中、R、Rは各々独立して水素原子、メチル基、エチル基、ビニル基、エチニル基、炭素数3〜10の直鎖の、分岐した若しくは環式のアルキル基、炭素数3〜10の直鎖の、分岐した若しくは環式のアルケニル基、炭素数3〜10の直鎖の、分岐した若しくは環式のアルキニル基、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜4のアルキル基、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜3のアルコキシ基、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数5〜20のアリール基、若しくはハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数5〜20のアリール基、又はハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数5〜25のアラルキル基を表す。ただしR及びRが同時に水素原子になることはない。また、ビナフチル部における軸不斉は(R)又は(S)を示す。]
  22. 上記一般式(5)において、R、Rが、水素原子、及びハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜4のアルキル基、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜3のアルコキシ基、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数5〜20のアリール基、若しくはハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数5〜20のアリール基からなる群より選ばれる置換基であることを特徴とする請求項21に記載の化合物。
  23. 上記一般式(5)において、R、Rが、水素原子、フェニル基、β−ナフチル基、3,4,5−トリフルオロフェニル基、3,5−ジトリフルオロメチルフェニル基、3,5−ジ−(3,5−ジトリフルオロメチルフェニル)フェニル基、及び3,5−ジフェニルフェニル基からなる群より選ばれる置換基であることを特徴とする請求項21に記載の化合物。
  24. 上記一般式(5)において、R、Rが、水素原子、フェニル基、及び3,5−ジフェニルフェニル基からなる群より選ばれる置換基であることを特徴とする請求項21に記載の化合物。
  25. 請求項20乃至請求項24のいずれかに記載の一般式(5)に示される化合物に、ニッケル触媒の存在下、メチルマグネシウムハライドを反応させることを特徴とする請求項16乃至請求項19のいずれかに記載の一般式(4)で示される化合物の製造方法。
  26. 下記一般式(6)で示される光学活性ビナフチルジヒドロキシ化合物。
    Figure 2004238362
    [上記一般式(6)中、R、Rは各々独立して水素原子、メチル基、エチル基、ビニル基、エチニル基、炭素数3〜10の直鎖の、分岐した若しくは環式のアルキル基、炭素数3〜10の直鎖の、分岐した若しくは環式のアルケニル基、炭素数3〜10の直鎖の、分岐した若しくは環式のアルキニル基、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜4のアルキル基、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜3のアルコキシ基、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数5〜20のアリール基、若しくはハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数5〜20のアリール基、又はハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数5〜25のアラルキル基を表す。ただしR及びRが同時に水素原子になることはない。また、ビナフチル部における軸不斉は(R)又は(S)を示す。]
  27. 上記一般式(6)において、R、Rが、水素原子、及びハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜4のアルキル基、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜3のアルコキシ基、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数5〜20のアリール基、若しくはハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数5〜20のアリール基からなる群より選ばれる置換基であることを特徴とする請求項26に記載の化合物。
  28. 上記一般式(6)において、R、Rが、水素原子、フェニル基、β−ナフチル基、3,4,5−トリフルオロフェニル基、3,5−ジトリフルオロメチルフェニル基、3,5−ジ−(3,5−ジトリフルオロメチルフェニル)フェニル基、及び3,5−ジフェニルフェニル基からなる群より選ばれる置換基であることを特徴とする請求項26に記載の化合物。
  29. 上記一般式(6)において、R、Rが、水素原子、フェニル基、及び3,5−ジフェニルフェニル基からなる群より選ばれる置換基であることを特徴とする請求項26に記載の化合物。
  30. 請求項26乃至請求項29のいずれかに記載の一般式(6)で示される化合物に、ハロゲンアニオンにより水酸基部位を求核置換させることが可能な試剤を反応させることを特徴とする請求項10乃至請求項13のいずれかに記載の一般式(2)で示される化合物の製造方法。
  31. 下記一般式(7)で示される光学活性ビナフチルジエステル化合物。
    Figure 2004238362
    [上記一般式(7)中、R、Rは各々独立して水素原子、メチル基、エチル基、ビニル基、エチニル基、炭素数3〜10の直鎖の、分岐した若しくは環式のアルキル基、炭素数3〜10の直鎖の、分岐した若しくは環式のアルケニル基、炭素数3〜10の直鎖の、分岐した若しくは環式のアルキニル基、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜4のアルキル基、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜3のアルコキシ基、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数5〜20のアリール基、若しくはハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数5〜20のアリール基、又はハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数5〜25のアラルキル基を表す。ただしR及びRが同時に水素原子になることはない。Rは炭素数1〜6の直鎖の、分枝した又は環状のアルキル基を示す。また、ビナフチル部における軸不斉は(R)又は(S)を示す。]
  32. 上記一般式(7)において、R、Rが、水素原子、及びハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜4のアルキル基、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜3のアルコキシ基、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数5〜20のアリール基、若しくはハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数5〜20のアリール基からなる群より選ばれる置換基であることを特徴とする請求項31に記載の化合物。
  33. 上記一般式(7)において、R、Rが、水素原子、フェニル基、β−ナフチル基、3,4,5−トリフルオロフェニル基、3,5−ジトリフルオロメチルフェニル基、3,5−ジ−(3,5−ジトリフルオロメチルフェニル)フェニル基、及び3,5−ジフェニルフェニル基からなる群より選ばれる置換基であり、且つRが炭素数1〜4のアルキル基であることを特徴とする請求項31に記載の化合物。
  34. 上記一般式(7)において、R、Rが、水素原子、フェニル基、及び3,5−ジフェニルフェニル基からなる群より選ばれる置換基であり、且つRがメチル基であることを特徴とする請求項31に記載の化合物。
  35. 請求項31乃至請求項34のいずれかに記載の一般式(7)で示される化合物に、水素アニオンを反応させることを特徴とする請求項26乃至請求項29のいずれかに記載の一般式(6)で示される化合物の製造方法。
  36. 請求項20乃至請求項24のいずれかに記載の一般式(5)に示される化合物に、パラジウム触媒及び有機塩基存在下、一酸化炭素及び対応するアルコールを反応させることを特徴する請求項31乃至請求項34のいずれかに記載の一般式(7)で示される化合物の製造方法。
  37. 下記一般式(8)で示される光学活性ビナフトール化合物。
    Figure 2004238362
    [上記一般式(8)中、R、Rは各々独立して水素原子、メチル基、エチル基、ビニル基、エチニル基、炭素数3〜10の直鎖の、分岐した若しくは環式のアルキル基、炭素数3〜10の直鎖の、分岐した若しくは環式のアルケニル基、炭素数3〜10の直鎖の、分岐した若しくは環式のアルキニル基、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜4のアルキル基、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜3のアルコキシ基、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数5〜20のアリール基、若しくはハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数5〜20のアリール基、又はハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数5〜25のアラルキル基を表す。ただし、Rが水素原子になることはなく、またR及びRが同時にフェニル基、又は3,5−ジフェニルフェニル基になることはない。また、ビナフチル部における軸不斉は(R)又は(S)を示す。]
  38. 上記一般式(8)において、R、Rが、水素原子、及びハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜4のアルキル基、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜3のアルコキシ基、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数5〜20のアリール基、若しくはハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数5〜20のアリール基からなる群より選ばれる置換基であることを特徴とする請求項37に記載の化合物。
  39. 上記一般式(8)において、R、Rが、水素原子、フェニル基、β−ナフチル基、3,4,5−トリフルオロフェニル基、3,5−ジトリフルオロメチルフェニル基、3,5−ジ−(3,5−ジトリフルオロメチルフェニル)フェニル基、及び3,5−ジフェニルフェニル基からなる群より選ばれる置換基であることを特徴とする請求項37に記載の化合物。
  40. 上記一般式(8)において、R、Rが、水素原子、フェニル基、及び3,5−ジフェニルフェニル基からなる群より選ばれる置換基であることを特徴とする請求項37に記載の化合物。
  41. 請求項37乃至請求項40のいずれかに記載の一般式(8)で示される化合物、下記式(9)
    Figure 2004238362
    に示される化合物、又は下記式(10)
    Figure 2004238362
    に示される化合物に、トリフレート化剤を反応させることを特徴とする請求項20乃至請求項24のいずれかに記載の一般式(5)に示される化合物の製造方法。
  42. 下記一般式(11)で示される光学活性ビナフチルジエーテル化合物。
    Figure 2004238362
    [上記一般式(11)中、R、Rは各々独立して水素原子、メチル基、エチル基、ビニル基、エチニル基、炭素数3〜10の直鎖の、分岐した若しくは環式のアルキル基、炭素数3〜10の直鎖の、分岐した若しくは環式のアルケニル基、炭素数3〜10の直鎖の、分岐した若しくは環式のアルキニル基、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜4のアルキル基、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜3のアルコキシ基、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数5〜20のアリール基、若しくはハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数5〜20のアリール基、又はハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数5〜25のアラルキル基を表す。また、Rは炭素数1〜6の直鎖の、分枝した又は環状のアルキル基を示す。ただし、R、R及びRが、それぞれフェニル基、フェニル基及びn−ヘキシル基、又は3,5−ジフェニルフェニル基、3,5−ジフェニルフェニル基、及びn−ヘキシル基になることはない。また、ビナフチル部における軸不斉は(R)又は(S)を示す。]
  43. 上記一般式(11)において、R、Rが、水素原子、及びハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜4のアルキル基、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜3のアルコキシ基、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数5〜20のアリール基、若しくはハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数5〜20のアリール基からなる群より選ばれる置換基であることを特徴とする請求項42に記載の化合物。
  44. 上記一般式(11)において、R、Rが、水素原子、フェニル基、β−ナフチル基、3,4,5−トリフルオロフェニル基、3,5−ジトリフルオロメチルフェニル基、3,5−ジ−(3,5−ジトリフルオロメチルフェニル)フェニル基、及び3,5−ジフェニルフェニル基からなる群より選ばれる置換基であり、且つRが炭素数1〜4のアルキル基であることを特徴とする請求項42に記載の化合物。
  45. 上記一般式(11)において、R、Rが、水素原子、フェニル基、及び3,5−ジフェニルフェニル基からなる群より選ばれる置換基であり、且つRがエチル基であることを特徴とする請求項42に記載の化合物。
  46. 請求項42乃至請求項45のいずれかに記載の一般式(11)に示される化合物に、三臭化ホウ素を反応させることを特徴とする請求項37乃至請求項40のいずれかに記載の一般式(8)で示される化合物の製造方法。
  47. 下記一般式(12)で示される光学活性ビナフチルジエーテル化合物。
    Figure 2004238362
    [上記一般式(12)中、Rは、メチル基、エチル基、ビニル基、エチニル基、炭素数3〜10の直鎖の、分岐した若しくは環式のアルキル基、炭素数3〜10の直鎖の、分岐した若しくは環式のアルケニル基、炭素数3〜10の直鎖の、分岐した若しくは環式のアルキニル基、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜4のアルキル基、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜3のアルコキシ基、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数5〜20のアリール基、若しくはハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数5〜20のアリール基、又はハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数5〜25のアラルキル基を表す。また、Rは炭素数1〜6の直鎖の、分枝した又は環状のアルキル基を示す。また、ビナフチル部における軸不斉は、(R)又は(S)を示す。]
  48. 上記一般式(12)において、Rが、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜4のアルキル基、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜3のアルコキシ基、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数5〜20のアリール基、若しくはハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数5〜20のアリール基であることを特徴とする請求項47に記載の化合物。
  49. 上記一般式(12)において、Rが、フェニル基、β−ナフチル基、3,4,5−トリフルオロフェニル基、3,5−ジトリフルオロメチルフェニル基、3,5−ジ−(3,5−ジトリフルオロメチルフェニル)フェニル基、又は3,5−ジフェニルフェニル基であり、且つRが炭素数1〜4のアルキル基であることを特徴とする請求項47に記載の化合物。
  50. 上記一般式(12)において、Rが、フェニル基、又は3,5−ジフェニルフェニル基であり、且つRがエチル基であることを特徴とする請求項47に記載の化合物。
  51. 請求項47乃至請求項50のいずれかに記載の一般式(12)で示される化合物に、パラジウム触媒の存在下、ぎ酸アンモニウムを反応させることを特徴とする請求項42乃至請求項45のいずれかに記載の一般式(11)に示され、且つRが水素原子である化合物の製造方法。
  52. 下記一般式(13)
    Figure 2004238362
    [上記一般式(13)中、Rは炭素数1〜6の直鎖の、分枝した又は環状のアルキル基を示す。また、ビナフチル部における軸不斉は、(R)又は(S)を示す。]
    で示される光学活性ビナフチルジエーテル化合物に、無機塩基及びパラジウム触媒存在下、一般式(14)
    Figure 2004238362
    [上記一般式(14)中、Rはメチル基、エチル基、ビニル基、エチニル基、炭素数3〜10の直鎖の、分岐した若しくは環式のアルキル基、炭素数3〜10の直鎖の、分岐した若しくは環式のアルケニル基、炭素数3〜10の直鎖の、分岐した若しくは環式のアルキニル基、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜4のアルキル基、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜3のアルコキシ基、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数5〜20のアリール基、若しくはハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数5〜20のアリール基、又はハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数5〜25のアラルキル基を表す。]
    で示されるボロン酸化合物を反応させることを特徴とする請求項47乃至請求項50のいずれかに記載の一般式(12)で示される化合物の製造方法。
  53. 上記一般式(14)において、Rが、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜4のアルキル基、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜3のアルコキシ基、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数5〜20のアリール基、若しくはハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数5〜20のアリール基であることを特徴とする請求項52に記載の製造方法。
  54. 上記一般式(14)において、Rが、フェニル基、β−ナフチル基、3,4,5−トリフルオロフェニル基、3,5−ジトリフルオロメチルフェニル基、3,5−ジ−(3,5−ジトリフルオロメチルフェニル)フェニル基、又は3,5−ジフェニルフェニル基であり、且つ上記一般式(13)において、Rが炭素数1〜4のアルキル基であることを特徴とする請求項52に記載の製造方法。
  55. 上記一般式(14)において、Rが、フェニル基、又は3,5−ジフェニルフェニル基であり、且つ上記一般式(13)において、Rがエチル基であることを特徴とする請求項52に記載の製造方法。
  56. 請求項1乃至請求項9のいずれかに記載の一般式(1)で示される化合物からなる相間移動触媒。
  57. 請求項1乃至請求項9のいずれかに記載の一般式(1)で示される化合物の存在下、下記一般式(15)
    Figure 2004238362
    [上記一般式(15)中、R、Rは水素原子、又は炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜3のアルコキシ基、若しくはハロゲンで置換されていてもよい炭素数5〜6のアリール基を表す。ただしR及びRは同時に水素原子となることはない。Rは炭素数1〜6の直鎖の、分枝した又は環状のアルキル基を表す。]
    で示されるグリシンエステルのシッフ塩基を、下記一般式(16)
    Figure 2004238362
    [上記一般式(16)中、R10は炭素数1〜10の直鎖の、分岐した若しくは環式のアルキル基、炭素数1〜10の直鎖の、分岐した若しくは環式のアルケニル基、炭素数1〜10の直鎖の、分岐した若しくは環式のアルキニル基、又はハロゲン原子で核が1〜15置換されていてもよい炭素数5〜25のアラルキル基を表す。Yは、塩素原子、臭素原子、又はヨウ素原子を示す。]
    で示されるハロゲン化アルキルと無機塩基の存在下、二相の溶液中で反応させ、下記一般式(17)
    Figure 2004238362
    [上記一般式(17)中、R、R、R、R10は上記と同じ定義である。また、*部の不斉炭素の立体配置は(R)又は(S)を示す。]
    で示される化合物を立体選択的に製造する方法。
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