JP2002332252A - 光学活性ベンズヒドロール類の製造方法 - Google Patents

光学活性ベンズヒドロール類の製造方法

Info

Publication number
JP2002332252A
JP2002332252A JP2001137773A JP2001137773A JP2002332252A JP 2002332252 A JP2002332252 A JP 2002332252A JP 2001137773 A JP2001137773 A JP 2001137773A JP 2001137773 A JP2001137773 A JP 2001137773A JP 2002332252 A JP2002332252 A JP 2002332252A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
optically active
producing
ring
branched
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001137773A
Other languages
English (en)
Inventor
Takuji Nagata
卓司 永田
Toru Yamada
徹 山田
Mitsuaki Mukoyama
光昭 向山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Chemicals Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsui Chemicals Inc filed Critical Mitsui Chemicals Inc
Priority to JP2001137773A priority Critical patent/JP2002332252A/ja
Publication of JP2002332252A publication Critical patent/JP2002332252A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/52Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts

Landscapes

  • Catalysts (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 医薬品、農薬などの生理活性化合物の合
成中間体、ファインケミカル等における合成原料として
有用な光学活性ベンズヒドロール類の新規な製造方法の
提供。特に水素化ホウ素金属化合物等のヒドリド試薬を
利用した不斉還元反応により、光学活性ベンズヒドロー
ル類を製造する方法の提供。 【解決手段】 非対称なベンゾフェノン類を、光学活性
金属錯体触媒及びアルコール化合物の存在下、水素化ホ
ウ素金属化合物と反応させる工程を含む、光学活性ベン
ズヒドロール類の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、医薬品、農薬など
の生理活性化合物の合成中間体、ファインケミカル等に
おける合成原料として有用な光学活性ベンズヒドロール
類の製造方法、特に水素化ホウ素金属化合物等のヒドリ
ド試薬を利用した不斉還元反応により、光学活性ベンズ
ヒドロール類を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ベンズヒドロール類は医農薬中間体とし
て有用な化合物であり、これまでに数多くの医薬品に利
用されてきた。そのうちの多くの場合は、対称な化合
物、すなわち、ふたつのフェニル基上の置換基が同一な
化合物である。非対称なベンズヒドロール類には、対掌
体(光学異性体)が存在するため、医薬品に使用する場
合には異性体を作り分けて、両対掌体について生理活性
を評価する必要がある。ところが、ベンズヒドロール類
の合成に関しては、光学異性体を作り分けるための実用
的な製造方法があまりなく、実際の医薬品に使用された
例は少なかった。不斉触媒を使用してふたつの異性体を
作り分けた例としては、Coreyらによる光学活性な
ホウ素化合物を触媒として使用した例が知られている
(TetrahedronLett., 36, 9153 (1995); Tetrahedron L
ett., 37, 5675 (1996))。しかし、この方法では還元
剤として高価なカテコールボランを基質に対して2当量
使用し、しかも-78〜-40℃という低温下で反応させる必
要があること等の問題点が挙げられる。一方、不斉水添
反応については、ルテニウム触媒を用いる製造法がごく
最近、大熊・野依らにより報告された(Org. Lett., 2,
659 (2000))。この方法を利用すれば、一方のベンゼン
環のオルト位にメチル基、メトキシ基、ハロゲン原子等
を有する基質から、対応するベンズヒドロール類が高い
光学収率で合成できる。しかし、触媒の取扱いが煩雑で
あること、原料の精製を厳密に行なう必要があること、
反応を高圧の水素雰囲気下で行う必要があること、反応
時間が長いこと等の問題点があり、簡便な操作で、しか
も短時間で製造できる方法の開発が求められている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、取扱いの容
易な光学活性金属錯体触媒と、汎用のヒドリド還元剤で
ある水素化ホウ素金属化合物を用い、高い光学収率かつ
高い化学収率で光学活性ベンズヒドロール類を製造する
ことができる新規な方法を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決するために、還元剤として安全でしかも取り扱い
が容易なヒドリド還元剤である水素化ホウ素金属化合物
を用いて、非対称なベンゾフェノン類から光学活性ベン
ズヒドロール類を合成する方法について鋭意検討を重ね
てきた。その結果、4座の配位子を有する光学活性金属
錯体を触媒とするボロヒドリド還元反応により前記課題
を解決できることを見いだし、本発明に至った。
【0005】すなわち、本発明は、以下の発明を包含す
る。 (1) 非対称なベンゾフェノン類を、光学活性金属錯
体触媒の存在下、ヒドリド試薬と反応させる工程を含
む、光学活性ベンズヒドロール類の製造方法。 (2) 前記非対称なベンゾフェノン類が、下記一般式
(a):
【0006】
【化6】 〔式中、R1はハロゲン原子、トリフルオロメチル基、
水酸基、ニトロ基、シアノ基、置換基を有していてもよ
いアルコキシ基、アラルキルオキシ基、アリールオキシ
基、アシルオキシ基、アミノ基、スルフィド基、もしく
はアルコキシカルボニル基を示す。R2及びR3はそれぞ
れ独立して、水素原子、ハロゲン原子、トリフルオロメ
チル基、水酸基、ニトロ基、シアノ基、置換基を有して
いてもよいアルコキシ基、アラルキルオキシ基、アリー
ルオキシ基、アシルオキシ基、アミノ基、アルキルチオ
基、アリールチオ基、アルコキシカルボニル基、直鎖、
分岐状、もしくは環状のアルキル基、アラルキル基、も
しくはアリール基を示す。mは1〜4、nは1〜5の整
数であり、それぞれ2以上の整数のとき、複数のR2
び/または複数のR3は、同一でも異なっていてもよ
い。また、複数のR2及び/または複数のR3同士は相互
に結合し、または縮合して環を形成していてもよい。た
だし、R1またはR2がR3と同一である場合において、
分子構造が対称となるものを除く。〕で表される化合物
である前記(1)に記載の方法。 (3) 前記非対称なベンゾフェノン類が、下記一般式
(b):
【0007】
【化7】 〔式中、R2、R3及びmは、前記と同義であり、Xはハ
ロゲン原子であり、2個のR4は同一でも異なっていて
もよく、水素原子、置換基を有していてもよい直鎖、分
岐状、もしくは環状のアルキル基、アラルキル基、もし
くはアリール基を示す。nは1〜3の整数であり、nが
2または3であるとき、複数のR3は同一でも異なって
いてもよく、R3とR4、および/または、複数のR3
士は相互に結合し、または縮合して環を形成していても
よい。〕で表される化合物である前記(1)に記載の方
法。 (4) 前記非対称なベンゾフェノン類が、下記一般式
(c):
【0008】
【化8】 〔式中、R2、R3、R4、m及びnは、前記と同義であ
る。〕で表される化合物である前記(1)に記載の方
法。 (5) 前記光学活性金属錯体触媒が、下記一般式
(d):
【0009】
【化9】 〔式中、R5とR6は異なる基であり、それぞれ、水素原
子、直鎖、分岐状、もしくは環状のアルキル基もしくは
アリール基であり、置換基を有していてもよく、2個の
5同士または2個のR6同士は、相互に結合して環を形
成していてもよく、また、R7、R8及びR9は、同一で
も異なっていてもよく、水素原子、直鎖、分岐状、もし
くは環状のアルキル基、直鎖もしくは分岐状のアルケニ
ル基、アリール基、アシル基またはアルコキシカルボニ
ル基、アリールオキシカルボニル基またはアラルキルオ
キシカルボニル基であり、前記アルキル基、アルケニル
基、アリール基、アシル基、アルコキシカルボニル基、
アリールオキシカルボニル基またはアラルキルオキシカ
ルボニル基は置換基を有していてもよく、また、R7
8、またはR8とR9は相互に結合し、または縮合して
環を形成していてもよく、Mは金属イオンを表し、金属
イオンの価数と配位子の価数が異なるときYは塩を形成
し得る陰イオン対を表し、金属イオンの価数と配位子の
価数が同じ時Yは存在しない。〕で表される化合物であ
る前記(1)〜(4)のいずれかに記載の方法。 (6) 前記光学活性金属錯体触媒が、下記一般式
(e)及び(e'):
【0010】
【化10】 〔式中、R8及びR9は前記と同義であり、R8およびR9
は相互に結合し、または縮合して環を形成していてもよ
く、コバルトイオンが3価の時Yは塩を形成し得る陰イ
オン対を表し、コバルトイオンが2価の時Yは存在しな
い。〕で表される化合物である前記(1)〜(4)のい
ずれかに記載の方法。 (7) 非対称なベンゾフェノン類とヒドリド試薬との
反応を、アルコール化合物の存在下に行う前記(1)〜
(6)のいずれかに記載の方法。 (8) 前記ヒドリド試薬が、水素化ホウ素金属化合物
である前記(1)〜(7)のいずれかに記載の方法。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の原料となるベンゾフェノン類は、プロキラルな
ベンゾフェノン骨格を有する化合物であれば、特に制限
されず、目的の光学活性ベンズヒドロールに対応して適
宜選択することができる。
【0012】本発明の方法は、特に前記一般式(a)で
表される非対称なベンゾフェノン類を出発原料として、
対応する光学活性ベンズヒドロール化合物を製造する際
に好適である。前記一般式(a)において、R1はハロ
ゲン原子、トリフルオロメチル基、水酸基、ニトロ基、
シアノ基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、ア
ラルキルオキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ
基、アミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、もし
くはアルコキシカルボニル基を示す。R2及びR3はそれ
ぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、トリフルオロ
メチル基、水酸基、ニトロ基、シアノ基、置換基を有し
ていてもよいアルコキシ基、アラルキルオキシ基、アリ
ールオキシ基、アシルオキシ基、アミノ基、アルキルチ
オ基、アリールチオ基、アルコキシカルボニル基、直
鎖、分岐状、もしくは環状のアルキル基、アラルキル
基、もしくはアリール基を示す。mは1〜4、nは1〜
5の整数であり、それぞれ2以上の整数のとき、複数の
2及び/または複数のR3は、同一でも異なっていても
よい。また、複数のR2及び/または複数のR3同士は相
互に結合し、または縮合して環を形成していてもよい。
【0013】上記R1、R2及びR3のハロゲン原子とし
ては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が代表的である。ア
ルコキシ基は、直鎖、分岐状、もしくは環状のアルキル
基に対応するアルキルオキシ基のいずれでもよく、メト
キシ基、エトキシ基、n-プロピルオキシ基、イソプロ
ピルオキシ基、シクロプロピルオキシ基、ブチルオキシ
基、ヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基等が代
表的である。アラルキルオキシ基としては、ベンジルオ
キシ基、フェニルエチルオキシ基、フェニルプロピルオ
キシ基、フェニルブチルオキシ基、フェニルペンチルオ
キシ基等が代表的である。アリールオキシ基としては、
フォノキシ基、α-ナフチルオキシ基、β-ナフチルオキ
シ基等が代表的である。アシルオキシ基としては、アセ
トキシ基、プロピオニルオキシ基、イソプロピオニルオ
キシ基、ブチリルオキシ基、ベンゾイルオキシ基等が代
表的である。アミノ基としては、ジメチルアミノ基、ジ
エチルアミノ基、ジベンジルアミノ基、ピペリジニル基
等が代表的である。アルキルチオ基としては、メチルチ
オ基、エチルチオ基等が代表的であり、アリールチオ基
としてはフェニルチオ基、α−ナフチルチオ基、β−ナ
フチルチオ基等が代表的である。アルコキシカルボニル
基としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニ
ル基、プロピルオキシカルボニル基、イソプロピルオキ
シカルボニル基、フェノキシカルボニル基等が代表的で
ある。
【0014】R2及びR3の直鎖、分岐状、もしくは環状
のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n-プロ
ピル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、n-ブチ
ル基、n-ヘキシル基、シクロヘキシル基等が代表的で
ある。アラルキル基としては、ベンジル基、フェニルエ
チル基、フェニルプロピル基、フェニルブチル基、フェ
ニルペンチル基等が代表的である。アリール基として
は、フェニル基、α-ナフチル基、β-ナフチル基等の芳
香族置換基、また、フリル基、チエニル基、ピリジル
基、ピロリル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル
基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、イミダゾリル
基、ピラゾリル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、
ピラリジニル基、キノリル基、イソキノリル基等の複素
環式芳香族置換基等が代表的である。また、これらの置
換基はさらに他の置換基を有していてもよい。mは1〜
4、nは1〜5の整数であり、それぞれ2以上の整数の
とき、複数のR2及び/または複数のR3は、同一でも異
なっていてもよい。
【0015】また、複数のR2及び/または複数のR3
士は相互に結合し、または縮合してそれぞれ結合してい
る炭素原子と共同して環を形成していてもよく、例え
ば、隣接する2個のR2同士が相互に連結して、-(CH2)4
-または-CH=CH-CH=CH-となる場合、それぞれシクロヘキ
サン環またはベンゼン環が形成され、このように形成さ
れたシクロヘキサン環、ベンゼン環等の環は、例えば、
メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基
等のアルキル基;フェニル基、ナフチル基等のアリール
基から選ばれる1または2以上の置換基で置換されてい
てもよく、また、前記ベンゼン環は縮合し、ナフタレン
環等の縮合多環を形成してもよい。
【0016】この一般式(a)で表される非対称なベン
ゾフェノン類の具体例として、下記式(a−1)〜(a
−8)で表されるもの等が挙げられる。
【0017】
【化11】 また、本発明の方法は、前記一般式(b)で表される非
対称なベンゾフェノン類を出発原料として、対応する光
学活性ベンズヒドロール化合物を製造する際にさらに好
適である。
【0018】前記一般式(b)において、R2、R3及び
mは、前記と同義であり、Xはハロゲン原子であり、2
個のR4は同一でも異なっていてもよく、水素原子、置
換基を有していてもよい直鎖、分岐状、もしくは環状の
アルキル基、アラルキル基、もしくはアリール基を示
す。nは1〜3の整数であり、nが2または3であると
き、複数のR3は同一でも異なっていてもよく、R3とR
4、および/または、複数のR3同士は相互に結合し、ま
たは縮合して環を形成していてもよい。
【0019】上記Xのハロゲン原子としては、フッ素、
塩素、臭素、ヨウ素が代表的である。
【0020】R4の直鎖、分岐状、もしくは環状のアル
キル基としては、メチル基、エチル基、n-プロピル
基、イソプロピル基、シクロプロピル基、n-ブチル
基、n-ヘキシル基、シクロヘキシル基等が代表的であ
る。アラルキル基としては、ベンジル基、フェニルエチ
ル基、フェニルプロピル基、フェニルブチル基、フェニ
ルペンチル基等が代表的である。アリール基としては、
フェニル基、α-ナフチル基、β-ナフチル基等の芳香族
置換基、また、フリル基、チエニル基、ピリジル基、ピ
ロリル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、チア
ゾリル基、イソチアゾリル基、イミダゾリル基、ピラゾ
リル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、ピラリジニ
ル基、キノリル基、イソキノリル基等の複素環式芳香族
置換基等が代表的である。また、これらの置換基はさら
に他の置換基を有していてもよい。mは1〜4、nは1
〜3の整数であり、それぞれ2以上の整数のとき、複数
のR2及び/または複数のR3は、同一でも異なっていて
もよい。
【0021】また、複数のR2同士、複数のR3同士、及
び/またはR3とR4は相互に結合し、または縮合してそ
れぞれ結合している炭素原子と共同して環を形成してい
てもよく、例えば、隣接する2個のR2同士が相互に連
結して、-(CH2)4-、-CH=CH-CH=CH-または-O(CH2)2O-と
なる場合、それぞれシクロヘキサン環、ベンゼン環また
は1,4-ジオキサン環が形成され、このように形成さ
れたシクロヘキサン環、ベンゼン環等の環は、例えば、
メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基
等のアルキル基;フェニル基、ナフチル基等のアリール
基から選ばれる1または2以上の置換基で置換されてい
てもよく、また、前記ベンゼン環は縮合し、ナフタレン
環等の縮合多環を形成してもよい。
【0022】この一般式(b)で表される非対称なベン
ゾフェノン類の具体例として、下記式(b−1)〜(b
−16)で表されるもの等が挙げられる。
【0023】
【化12】 さらに、本発明の方法は、前記一般式(c)で表される
非対称なベンゾフェノン類を出発原料として、対応する
光学活性ベンズヒドロール化合物を製造する際に特に好
適である。
【0024】前記一般式(c)において、R2、R3、R
4、m及びnは、前記と同義であり、この一般式(c)
で表される非対称なベンゾフェノン類の具体例として、
下記式(c−1)〜(c−16)で表されるもの等が挙
げられる。
【0025】
【化13】 本発明の方法において、触媒として用いられる光学活性
金属錯体触媒は、特に限定されず、例えばチタン、バナ
ジウム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、ルテニウ
ム、ロジウム、ハフニウム、及びジルコニウムから選ば
れる少なくとも1種の遷移金属の錯体を代表的なものと
して挙げることができる。これらの中で、チタン、バナ
ジウム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、及びルテ
ニウムから選ばれる少なくとも1種の遷移金属の錯体と
して、例えば、光学活性チタン(IV)錯体、光学活性鉄
(III)錯体、光学活性ルテニウム(III)錯体、光学活
性オキソバナジウム(IV)錯体、光学活性マンガン(II
I)錯体、光学活性コバルト(II)錯体、及び光学活性
コバルト(III)錯体等が挙げられる。また、本発明の
方法は、前記一般式(d)で表される光学活性金属錯体
触媒を用いると好適である。一般式(d)において、R
5とR6は異なる基であり、それぞれ、水素原子、直鎖、
分岐状、もしくは環状のアルキル基もしくはアリール基
であり、置換基を有していてもよい。この直鎖、分岐
状、もしくは環状のアルキル基としては、メチル基、エ
チル基、イソプロピル基、t-ブチル基、シクロペンチ
ル基、シクロヘキシル基等が代表的である。アリール基
としては、フェニル基、ペンタフルオロフェニル基、p
-メトキシフェニル基、p-クロロフェニル基、p-トリ
フルオロメチルフェニル基、3,5-ジメチルフェニル基、
3,5-ジメトキシフェニル基、3,5-ジイソプロピルフェニ
ル基、2,4,6-トリメチルフェニル基、2,4,6-トリイソプ
ロピルフェニル基、1-ナフチル基、2-ナフチル基等が代
表的である。また、2個のR5同士または2個のR6同士
は、相互に結合して環を形成していてもよく、例えば、
-(CH24-等の基を介して相互に結合して6員環等の環
を形成していてもよい。
【0026】さらに、R7、R8及びR9は、同一でも異
なっていてもよく、水素原子、直鎖、分岐状、もしくは
環状のアルキル基、直鎖もしくは分岐状のアルケニル
基、アリール基、アシル基またはアルコキシカルボニル
基、アリールオキシカルボニル基またはアラルキルオキ
シカルボニル基であり、前記アルキル基、アルケニル
基、アリール基、アシル基、アルコキシカルボニル基、
アリールオキシカルボニル基またはアラルキルオキシカ
ルボニル基は置換基を有していてもよい。この直鎖、分
岐状、もしくは環状のアルキル基としては、メチル基、
エチル基、イソプロピル基、t-ブチル基、シクロペン
チル基、シクロヘキシル基等が代表的である。アリール
基としては、フェニル基、ペンタフルオロフェニル基、
p-メトキシフェニル基、p-クロロフェニル基、p-ト
リフルオロメチルフェニル基、3,5-ジメチルフェニル
基、3,5-ジメトキシフェニル基、3,5-ジイソプロピルフ
ェニル基、2,4,6-トリメチルフェニル基、2,4,6-トリイ
ソプロピルフェニル基、1-ナフチル基、2-ナフチル基等
の置換または非置換の芳香族炭化水素基;フリル基、チ
エニル基、ピリジル基等の置換または非置換の芳香族複
素環基が代表的である。アシル基としては、アセチル
基、トリフルオロアセチル基、プロピオニル基、ブチリ
ル基、イソブチリル基、ピバロイル基等の脂肪族アシル
基;ベンゾイル基、3,5-ジメチルベンゾイル基、2,4,6-
トリメチルベンゾイル基、2,6-ジメトキシベンゾイル
基、2,4,6-トリメトキシベンゾイル基、2,6-ジイソプロ
ポキシベンゾイル基、1-ナフチルカルボニル基、2-ナフ
チルカルボニル基、9-アントリルカルボニル基等の芳香
族アシル基が代表的であり、アルコキシカルボニル基の
代表例としては、メトキシカルボニル基、エトキシカル
ボニル基、n-ブトキシカルボニル基、n-オクチルオキシ
カルボニル基、イソプロピルオキシカルボニル基、シク
ロペンチルオキシカルボニル基、シクロヘキシルオキシ
カルボニル基、シクロオクチルオキシカルボニル基、t-
ブトキシカルボニル基、1-アダマンチルオキシカルボニ
ル基、1,7,7-トリメチル-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-イ
ルオキシカルボニル基等が挙げられ、アリールオキシカ
ルボニル基の代表例としては、フェノキシカルボニル基
が挙げられ、アラルキルオキシカルボニル基の代表例と
しては、ベンジルオキシカルボニル基、1-フェネチルオ
キシカルボニル基、2-フェネチルオキシカルボニル基等
が挙げられる。
【0027】また、R7とR8、またはR8とR9は相互に
結合し、または縮合して環を形成していてもよい。例え
ば、R8とR9が相互に結合して-(CH24-または-CH=CH
-CH=CH-となる場合、それぞれシクロヘキサン環または
ベンゼン環が形成され、このように形成されたシクロヘ
キサン環、ベンゼン環等の環は、例えば、メチル基、エ
チル基、n-プロピル基、イソプロピル基、t-ブチル基等
のアルキル基;フェニル基、ナフチル基等のアリール
基;メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基等のア
ルコキシ基;フェノキシ基、2,6-ジメチルフェノキシ基
等のアリールオキシ基;ベンジルオキシ基、1-フェネチ
ルオキシ基、2-フェネチルオキシ基等のアラルキルオキ
シ基;フッ素、塩素、臭素等のハロゲン原子;シアノ
基;ニトロ基から選ばれる1または2以上の置換基で置
換されていてもよく、また前記ベンゼン環は縮合し、ナ
フタレン環などの縮合多環を形成してもよい。
【0028】また、Mは金属イオンを表し、例えば、チ
タン、オキソバナジウム、マンガン、鉄、コバルト、ニ
ッケル、ルテニウム、ロジウム、ハフニウム、ジルコニ
ウム等が挙げられ、好ましくはマンガン、コバルト等が
挙げられる。金属イオンの価数と配位子の価数が異なる
ときYは塩を形成し得る陰イオン対を表し、金属イオン
の価数と配位子の価数が同じ時Yは存在しない。該陰イ
オン対としては、Cl -、Br-、I-、OH-、CH3
2 -、PhCO2 -、p-CH364SO3 -、CF3SO3
-、PF6 -、BF4 -、BPh4 -、SbF6 -、ClO4 -
が代表的である。
【0029】この一般式(d)で表される光学活性金属
錯体触媒の具体例として、下記式(d−1)〜(d−
6)で表されるもの、及びその鏡像異性体等が挙げられ
る。
【0030】
【化14】 更に好ましい光学活性金属錯体触媒は、前記一般式
(e)及び(e')で示される光学活性コバルト錯体で
ある。該光学活性コバルト(II)錯体及び光学活性コバ
ルト(III)錯体を用いると高い光学収率で光学活性ベ
ンズヒドロール類が収率よく得られるので好ましい。こ
の錯体の具体例として、下記式(e−1)〜(e−1
4)で表されるもの、及びそれらの鏡像異性体等が挙げ
られる。
【0031】
【化15】
【0032】
【化16】 前記一般式(e)及び(e')で表される光学活性コバ
ルト(II)錯体、及び光学活性コバルト(III)錯体
は、公知の方法に従って調製することができる。例え
ば、Y. Nishidaら、Inorg. Chim. Acta, 38, 213 (198
0); L. Claisen, Ann. Chem., 297, 57 (1897); E. G.
Jager, Z. Chem., 8, 30, 392, および 475 (1968)に報
告された方法に従って調製することができ、特開平9−
151143号公報にも開示されている。
【0033】本発明の方法において、触媒として、前記
一般式(e)及び(e')で表される光学活性コバルト
(II)錯体、及び光学活性コバルト(III)錯体を用い
る場合、高い光学収率および高い化学収率で光学活性ベ
ンズヒドロール化合物を得るためには、基質となる非対
称なベンゾフェノン類に対して、0.001〜50モル
%の割合、好ましくは0.01〜20モル%の割合、さ
らに好ましくは、0.1〜10モル%の割合で使用する
のが望ましい。
【0034】本発明の方法は、非対称なベンゾフェノン
類を、前記式(e)及び(e')で表される光学活性コ
バルト錯体を代表例とする光学活性金属錯体を触媒と
し、ヒドリド試薬と反応させる方法であるが、さらに、
アルコール化合物の共存下に反応を行うことが好まし
い。
【0035】このアルコール化合物の具体例として、メ
タノール、エタノール、プロパノール、2-プロパノー
ル、ブタノール、2-ブタノール、2-メチル-2-プロパ
ノール、シクロペンタノール、シクロヘキサノール、シ
クロヘプタノール等の脂肪族または脂環式アルコール、
フェノール等の芳香族アルコール、エチレングリコー
ル、プロピレングリコール等のポリアルコール、エチレ
ングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコール
モノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチル
エーテル、テトラヒドロフルフリルアルコール、テトラ
ヒドロピレン-2-メタノール、フルフリルアルコール、
テトラヒドロ-3-フラン-メタノール等の鎖状または環
状エーテルアルコール、2-(メチルアミノ)エタノー
ル、2-(エチルアミノ)エタノール、2-ピリジンメタ
ノール、2-ピペリジンメタノール等の鎖状または環状
アミノアルコールなどが挙げられる。これらの中でも、
高い光学収率および高い化学収率で光学活性ベンズヒド
ロール類が得られる点で、脂肪族アルコール及び/又は
エーテルアルコールが好ましい。
【0036】該アルコール化合物は、1種単独でも2種
以上を組み合わせても用いられる。2種以上の組み合わ
せの具体例としては、エタノール/エチレングリコー
ル、エタノール/プロピレングリコール、エタノール/
エチレングリコールモノメチルエーテル、エタノール/
プロピレングリコールモノメチルエーテル、エタノール
/テトラヒドロフルフリルアルコール、エタノール/テ
トラヒドロピレン-2-メタノール、エタノール/フルフ
リルアルコール、エタノール/テトラヒドロ-3-フラン
メタノール、エタノール/5-メチルテトラヒドロフラ
ン-2-メタノール等の組合せ、および上記の組合せにお
けるエタノールの代わりに、メタノール、プロパノー
ル、2-プロパノール、ブタノール、2-ブタノール、
2,2,2-トリフルオロエタノール、シクロペンタノ
ール、シクロヘキサノール等を、それぞれ用いた組合せ
が代表的である。本発明の方法において、該アルコール
化合物を用いる場合、これら化合物の使用量は、高い光
学収率および高い化学収率で光学活性ジオール類を得る
ためには、非対称なベンゾフェノン類1モルに対して、
0.01〜100モルの割合で使用するのが好ましく、
さらに2〜60モルの割合で使用するのが好ましい。
【0037】本発明の方法において、ヒドリド試薬とし
て用いられる金属水素化物は、特に限定されず、例え
ば、水素化アルミニウムリチウム、ビス(2-メトキシエ
トキシ)水素化アルミニウムナトリウム、トリ(tert-
ブトキシ)水素化アルミニウムリチウム、水素化ホウ素
リチウム、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素カリ
ウム、水素化ホウ素カルシウム、水素化ホウ素亜鉛、水
素化ホウ素アンモニウム、水素化シアノホウ素ナトリウ
ム等が代表的である。また、トリ(メトキシ)水素化ホ
ウ素ナトリウム、トリ(エトキシ)水素化ホウ素ナトリ
ウム、トリ(イソプロポキシ)水素化ホウ素ナトリウ
ム、トリ(tert-ブトキシ)水素化ホウ素ナトリウム、
トリ(イソプロポキシ)水素化ホウ素カリウム、トリ
(tert-ブトキシ)水素化ホウ素カリウム等のトリアル
コキシ金属水素錯体を用いることもできる。あるいは、
トリ(酢酸)水素化ホウ素ナトリウム、トリ(エチルカ
ルボン酸)水素化ホウ素ナトリウム、トリ(テトラヒド
ロ-2-フランカルボン酸)水素化ホウ素ナトリウム等の
トリカルボン酸金属水素錯体を用いることもできる。
【0038】これらのヒドリド試薬は、塩化チタン、塩
化ルビジウム、塩化セリウム等の金属塩化物、ならびに
テトラメチルアンモニウムクロリド、テトラブチルアン
モニウムブロマイド等の4級アンモニウム塩と共存させ
金属交換を伴うヒドリド試薬でもかまわない。
【0039】これらの中でも、高い光学収率が得られる
点で水素化ホウ素金属化合物が好ましく、中でも特に、
光学収率に加え、操作性、安全性の面から水素化ホウ素
ナトリウム、水素化ホウ素カリウムが好ましい。該水素
化ホウ素金属化合物は、非対称なベンゾフェノン類に対
して、0.5モル〜2モル、好ましくは1〜1.5モル
の割合で用いればよい。
【0040】また、本発明の方法において、前記反応
は、好ましくは液相中で行われる。このとき、必要に応
じて、溶媒を使用することができる。用いられる溶媒と
しては非プロトン性溶媒であれば特に制限はなく、脂肪
族炭化水素系溶媒、芳香族炭化水素系溶媒、脂環式炭化
水素系溶媒、エステル系溶媒、エーテル系溶媒、および
ハロゲン系溶媒が有効である。特に、ジクロロメタン、
クロロホルム、フロン113等のハロゲン系溶媒、トル
エン等の芳香族炭化水素系溶媒、酢酸エチル等のエステ
ル系溶媒、あるいはテトラヒドロフラン等のエーテル系
溶媒が好ましい。該溶媒は、1種単独でも2種以上を組
み合わせても用いられる。2種以上の組み合わせの具体
例としては、クロロホルム/トルエン、クロロホルム/
酢酸エチル、クロロホルム/テトラヒドロフラン、ジク
ロロメタン/テトラヒドロフラン、四塩化炭素/テトラ
ヒドロフラン、1,1,1-トリクロロエタン/テトラヒドロ
フラン、塩化ベンザル/テトラヒドロフラン、ブロモホ
ルム/テトラヒドロフラン、ヨードホルム/テトラヒド
ロフラン等を、それぞれ用いた組合せが代表的である。
【0041】反応温度は、通常、-80〜50℃の範囲が好
ましく、さらに好ましくは-60〜30℃の範囲、特に好ま
しくは-40〜25℃である。また、反応圧力は、溶媒が気
化しないかぎり、常圧で実施可能である。
【0042】また、反応時間は、通常、数分〜15時間程
度であり、逐次、反応混合物のサンプルを採取して、薄
層クロマトグラフィー(TLC)、ガスクロマトグラフィ
ー(GC)等により分析して、反応の進行状況を確認する
ことができる。
【0043】本発明の方法において、以上の反応によっ
て得られる反応混合物から、目的の光学活性ベンズヒド
ロール類の回収、精製は、公知の方法、例えば、蒸留、
吸着による方法、抽出、再結晶等の方法を組み合わせて
行うことができる。
【0044】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明は、これらの実施例に限定されるものでは
ない。
【0045】(実施例1)2,3,4,5,6-ペンタフルオロベ
ンズヒドロールの合成 水素化ホウ素ナトリウム 170 mg (4.5 mmol)のクロロホ
ルム懸濁液(30 ml)に氷冷下でメタノール 182 μl (4.5
mmol)、ついでテトラヒドロフルフリルアルコール 6.0
ml (62 mmol)を滴下し、窒素雰囲気下で3時間攪拌して
修飾ボロヒドリド還元剤を調製した。別の反応容器に前
記式(e-2)で表わされる(S,S)の絶対立体配置を有す
る光学活性コバルト(II)錯体 19.5 mg (0.025 mmol)
と2,3,4,5,6-ペンタフルオロベンゾフェノン 710 mg
(2.6 mmol)のクロロホルム溶液(25ml)を調製し、-20
℃に冷却後、上記で調製した修飾ボロヒドリド還元剤 3
0 ml(3.75 mmol)を滴下した。2時間撹拌後、さらにメタ
ノール90 μl を添加し、撹拌を続けた。さらに10時間
撹拌を続けたところ、反応が終結していたので塩化アン
モニウム水溶液を加えて反応を停止し、生成物をジクロ
ロメタンで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無
水硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒をロータリーエバ
ポレーターで減圧留去した。ヘキサン/酢酸エチル(5/1)
溶液を用いてシリカゲルカラムクロマトグラフィーによ
り精製し、濃縮したところ、目的物 680mgが白色結晶と
して得られた(収率 96%)。この生成物の光学純度を高
速液体クロマトグラフィー(光学活性カラム:ダイセル
化学工業社製、CHIRALPAK AD;2-Propanol 4 % in Hexa
ne, 流速1.0 ml/min,保持時間 (-)-体 9.4 min,(+)-体
10.6 min)で分析したところ、91%eeであった。比旋光度
[α]D 25 −43.2°(c 1.225, CH2Cl2) (91%ee) (参考例1)2,3,4,5,6-ペンタフルオロベンズヒドロー
ルの絶対立体配置の決定 実施例1で得られた(-)-アルコールに(+)-イソシアネ
ート(Isocyanic acid (S)-(+)-(1-naphthyl)ethyl est
er)とN,N-ジメチルエタノールアミンを加えて加熱し、
カルバミン酸エステルへと誘導した。生成物をヘキサン
/クロロホルム中で再結晶し、単結晶を得た。得られた
単結晶を用いてX線構造解析を行ったところ、実施例1
で得られた(-)-2,3,4,5,6-ペンタフルオロベンズヒドロ
ールの絶対立体配置は(S)であることが明らかになっ
た。 X線構造解析:Monoclinic, space group P21, a=14.10
2(3), b=9.446(4), c=8.379(4)Å, β=103.67(2)°, V=
1084.5(7) Å3, Z=2, dcalc=1.444gcm-3, F(000)=484,
μ(Cu Kα)=1.036mm-1, λ(Cu Kα)=1.54178 Å, 1931
reflection measured, 1806 independent, R=0.0324, W
R=0.0747, GOF 1.116
【0046】(実施例2-4)各実施例において、メタ
ノールの代わりに、表1に示す添加アルコールを使用し
た以外は実施例1と同様にして反応を行った。得られた
2,3,4,5,6-ペンタフルオロベンズヒドロールの収率と光
学純度を表1に示す。
【0047】
【表1】
【0048】(実施例5、6)各実施例において、前記
光学活性コバルト(II)錯体触媒(e-2)の代わり
に、表2に示す前記光学活性コバルト(II)錯体触媒を
使用し、メタノールの代わりにエタノールを使用した以
外は実施例1と同様にして反応を行った。得られた2,3,
4,5,6-ペンタフルオロベンズヒドロールの収率と光学純
度を表2に示す。
【0049】
【表2】
【0050】(実施例7、8)各実施例において、2,3,
4,5,6-ペンタフルオロベンゾフェノンの代わりに、表3
に示す非対称なベンゾフェノン類を使用した以外は実施
例1と同様にして反応を行った。得られたベンズヒドロ
ール化合物の収率と光学純度を表3に示す。
【0051】
【表3】
【0052】
【発明の効果】本発明の方法によれば、ヒドリド試薬と
して安全で安価な水素化ホウ素ナトリウム等を用い、非
対称なベンゾフェノン類から光学活性ベンズヒドロール
類を製造することができる。この光学活性ベンズヒドロ
ール類は、医薬品、農薬などの生理活性化合物の光学活
性中間体、または液晶等の機能性材料、ファインケミカ
ル等における合成原料として有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】参考例1のX線構造解析によって求められた構
造図(ORTEP図)である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C07B 53/00 C07B 53/00 B 61/00 300 61/00 300 C07M 7:00 C07M 7:00 Fターム(参考) 4G069 AA06 AA08 BA27A BA27B BC67A BC67B BE13A BE13B BE36A BE36B CB02 CB57 DA02 FA01 4H006 AA03 AC41 AC81 BA20 BA46 BA50 BA61 BA81 BE23 FC52 4H039 CA60 CB20

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非対称なベンゾフェノン類を、光学活性
    金属錯体触媒の存在下、ヒドリド試薬と反応させる工程
    を含む、光学活性ベンズヒドロール類の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記非対称なベンゾフェノン類が、下記
    一般式(a): 【化1】 〔式中、R1はハロゲン原子、トリフルオロメチル基、
    水酸基、ニトロ基、シアノ基、置換基を有していてもよ
    いアルコキシ基、アラルキルオキシ基、アリールオキシ
    基、アシルオキシ基、アミノ基、スルフィド基、もしく
    はアルコキシカルボニル基を示す。R2及びR3はそれぞ
    れ独立して、水素原子、ハロゲン原子、トリフルオロメ
    チル基、水酸基、ニトロ基、シアノ基、置換基を有して
    いてもよいアルコキシ基、アラルキルオキシ基、アリー
    ルオキシ基、アシルオキシ基、アミノ基、アルキルチオ
    基、アリールチオ基、アルコキシカルボニル基、直鎖、
    分岐状、もしくは環状のアルキル基、アラルキル基、も
    しくはアリール基を示す。mは1〜4、nは1〜5の整
    数であり、それぞれ2以上の整数のとき、複数のR2
    び/または複数のR3は、同一でも異なっていてもよ
    い。また、複数のR2及び/または複数のR3同士は相互
    に結合し、または縮合して環を形成していてもよい。た
    だし、R1またはR2がR3と同一である場合において、
    分子構造が対称となるものを除く。〕で表される化合物
    である請求項1に記載の光学活性ベンズヒドロール類の
    製造方法。
  3. 【請求項3】 前記非対称なベンゾフェノン類が、下記
    一般式(b): 【化2】 〔式中、R2、R3及びmは、前記と同義であり、Xはハ
    ロゲン原子であり、2個のR4は同一でも異なっていて
    もよく、水素原子、置換基を有していてもよい直鎖、分
    岐状、もしくは環状のアルキル基、アラルキル基、もし
    くはアリール基を示す。nは1〜3の整数であり、nが
    2または3であるとき、複数のR3は同一でも異なって
    いてもよく、R3とR4、および/または、複数のR3
    士は相互に結合し、または縮合して環を形成していても
    よい。〕で表される化合物である請求項1に記載の光学
    活性ベンズヒドロール類の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記非対称なベンゾフェノン類が、下記
    一般式(c): 【化3】 〔式中、R2、R3、R4、m及びnは、前記と同義であ
    る。〕で表される化合物である請求項1に記載の光学活
    性ベンズヒドロール類の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記光学活性金属錯体触媒が、下記一般
    式(d): 【化4】 〔式中、R5とR6は異なる基であり、それぞれ、水素原
    子、直鎖、分岐状、もしくは環状のアルキル基もしくは
    アリール基であり、置換基を有していてもよく、2個の
    5同士または2個のR6同士は、相互に結合して環を形
    成していてもよく、また、R7、R8及びR9は、同一で
    も異なっていてもよく、水素原子、直鎖、分岐状、もし
    くは環状のアルキル基、直鎖もしくは分岐状のアルケニ
    ル基、アリール基、アシル基またはアルコキシカルボニ
    ル基、アリールオキシカルボニル基またはアラルキルオ
    キシカルボニル基であり、前記アルキル基、アルケニル
    基、アリール基、アシル基、アルコキシカルボニル基、
    アリールオキシカルボニル基またはアラルキルオキシカ
    ルボニル基は置換基を有していてもよく、また、R7
    8、またはR8とR9は相互に結合し、または縮合して
    環を形成していてもよく、Mは金属イオンを表し、金属
    イオンの価数と配位子の価数が異なるときYは塩を形成
    し得る陰イオン対を表し、金属イオンの価数と配位子の
    価数が同じ時Yは存在しない。〕で表される化合物であ
    る請求項1〜4のいずれか1項に記載の光学活性ベンズ
    ヒドロール類の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記光学活性金属錯体触媒が、下記一般
    式(e)及び(e'): 【化5】 〔式中、R8及びR9は前記と同義であり、R8及びR9
    相互に結合し、または縮合して環を形成していてもよ
    く、コバルトイオンが3価の時Yは塩を形成し得る陰イ
    オン対を表し、コバルトイオンが2価の時Yは存在しな
    い。〕で表される化合物である請求項1〜4のいずれか
    1項に記載の光学活性ベンズヒドロール類の製造方法。
  7. 【請求項7】 非対称なベンゾフェノン類とヒドリド試
    薬との反応を、アルコール化合物の存在下に行う請求項
    1〜6のいずれか1項に記載の光学活性ベンズヒドロー
    ル類の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記ヒドリド試薬が、水素化ホウ素金属
    化合物である請求項1〜7のいずれか1項に記載の光学
    活性ベンズヒドロール類の製造方法。
JP2001137773A 2001-05-08 2001-05-08 光学活性ベンズヒドロール類の製造方法 Pending JP2002332252A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001137773A JP2002332252A (ja) 2001-05-08 2001-05-08 光学活性ベンズヒドロール類の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001137773A JP2002332252A (ja) 2001-05-08 2001-05-08 光学活性ベンズヒドロール類の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002332252A true JP2002332252A (ja) 2002-11-22

Family

ID=18984823

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001137773A Pending JP2002332252A (ja) 2001-05-08 2001-05-08 光学活性ベンズヒドロール類の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002332252A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2008038801A1 (fr) * 2006-09-29 2008-04-03 Japan Science And Technology Agency Procédé de production de composé diol, polydiol, alcool secondaire ou dicétone
JP2008088082A (ja) * 2006-09-29 2008-04-17 Japan Science & Technology Agency ジオール又はポリジオールの製法
JP2008214302A (ja) * 2007-03-07 2008-09-18 Japan Science & Technology Agency ケトン化合物を用いた2級アルコール又はジケトン化合物の製法
WO2010109901A1 (ja) 2009-03-27 2010-09-30 三井化学株式会社 光学活性アルコールを製造する方法

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09151143A (ja) * 1995-09-29 1997-06-10 Mitsui Petrochem Ind Ltd 新規な光学活性コバルト(ii)錯体および光学活性アルコールの製造方法

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09151143A (ja) * 1995-09-29 1997-06-10 Mitsui Petrochem Ind Ltd 新規な光学活性コバルト(ii)錯体および光学活性アルコールの製造方法

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2008038801A1 (fr) * 2006-09-29 2008-04-03 Japan Science And Technology Agency Procédé de production de composé diol, polydiol, alcool secondaire ou dicétone
JP2008088082A (ja) * 2006-09-29 2008-04-17 Japan Science & Technology Agency ジオール又はポリジオールの製法
US7696386B2 (en) 2006-09-29 2010-04-13 Japan Science And Technology Agency Method of producing diol, polydiol, secondary alcohol or diketone compound
JP2008214302A (ja) * 2007-03-07 2008-09-18 Japan Science & Technology Agency ケトン化合物を用いた2級アルコール又はジケトン化合物の製法
WO2010109901A1 (ja) 2009-03-27 2010-09-30 三井化学株式会社 光学活性アルコールを製造する方法
US8563786B2 (en) 2009-03-27 2013-10-22 Mitsui Chemicals, Inc. Method for producing optically active alcohol

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Ozawa et al. Palladium-catalyzed asymmetric arylation of 2, 3-dihydrofuran with phenyl triflate. A novel asymmetric catalysis involving a kinetic resolution process
Marques et al. Advances in the Catalytic Asymmetric Arylation of Imines using Organoboron Reagents: An Approach to Chiral Arylamines
Belokon et al. Asymmetric trimethylsilylcyanation of aldehydes catalyzed by chiral (salen) Ti (IV) complexes
Peach et al. Asymmetric transfer hydrogenation of α, β-unsaturated, α-tosyloxy and α-substituted ketones
ES2313618T3 (es) Compuestos de diarilfenoxialuminio.
HU217368B (hu) Királis 2,5-dialkil- foszfolánok, előállításuk és a vegyületeket ligandumként tartalmazó enantioszelektív hidrogénezőkatalizátorok
BRPI0719367B1 (pt) Processo para a preparação de nebivolol, seus intermediários e usos
Mateus et al. Synthesis and catalytic applications of new chiral ferrocenyl P, O ligands
CN102030648A (zh) 3-(3,4-二羟基苯基)-2-羟基丙酸酯的不对称合成方法
Sasaki et al. Bisoxazoline-catalyzed asymmetric nucleophilic addition of diethyl zinc to fluorinated alkyl ketones: enantiofacial control by changing the bisoxazoline substituent
EP2376411B1 (en) Aluminium complexes and use thereof as a catalyst in intramolecular ring closure reactions
JP2002332252A (ja) 光学活性ベンズヒドロール類の製造方法
WO2020243754A1 (en) LIGAND-ENABLED ß-C(sp3)–H LACTONIZATION FOR ß-C–H FUNCTIONALIZATIONS
JP2850068B2 (ja) ルテニウム−ホスフィン錯体及びこれを触媒とする光学活性1−置換−1,3−プロパンジオールの製造方法
JP3957346B2 (ja) 光学活性アルコールの製造方法
JP2006089493A (ja) 光学活性コバルト(ii)錯体
JP3976357B2 (ja) 光学活性アルコールの製造方法
EP0901996B1 (en) Process for producing optically active amines
JP2001261595A (ja) 光学活性1,3−プロパンジオール類の製造方法
JP4284027B2 (ja) 光学活性イソオキサゾリジン類の製造方法
JP2007203269A (ja) 不斉触媒
US6040465A (en) Process for producing optically active β-lactones
JP2002145842A (ja) 光学活性コバルト(ii)、及びコバルト(iii)錯体、その製造中間体
CN102464681A (zh) 手性双齿亚磷酸酯配体及其制备方法与用途
JP2003160549A (ja) 光学活性β−アリールアミドの合成法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070706

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20071023

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100601

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100609

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20101020