JPH0680656A - 光学活性エポキシドの製造方法 - Google Patents

光学活性エポキシドの製造方法

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JPH0680656A
JPH0680656A JP4235830A JP23583092A JPH0680656A JP H0680656 A JPH0680656 A JP H0680656A JP 4235830 A JP4235830 A JP 4235830A JP 23583092 A JP23583092 A JP 23583092A JP H0680656 A JPH0680656 A JP H0680656A
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JP
Japan
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group
general formula
linear
optically active
branched alkyl
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Application number
JP4235830A
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English (en)
Inventor
Mitsuaki Mukoyama
山 光 昭 向
Toru Yamada
田 徹 山
Shimizu Imagawa
川 清 水 今
Takuji Nagata
田 卓 司 永
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Petrochemical Industries Ltd
Original Assignee
Mitsui Petrochemical Industries Ltd
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Publication date
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/52Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】医薬品、農薬等の生理活性化合物の合成中間
体、あるいは強誘電性液晶等の機能性材料の合成原料と
して有用な光学活性エポキシドの製造方法の提供。 【構成】オレフィン化合物(a)を、酸素分子と、アル
デヒドCR−CHOの共存下、特定の光学活
性マンガン(III) 錯体触媒(c)の存在下に反応させる
工程を有する、光学活性エポキシド(d)の製造方法。 〔式中、m=1〜4;n=1,2;R乃至RはH、
アルキル基、アリール基;RはH、アルキル基、アリ
ール基、NO、ベンジルオキシ基;R乃至R
H、アルキル基;R10とR11は互に異っていて、
H、アルキル基、アリール基;R12乃至R15はH、
アルキル基、トリアルキルシリル基、アリール基;X
は陰イオン;をそれぞれ表す〕

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光学活性エポキシドの
製造方法に関し、特に、医薬品、農薬等の生理活性化合
物の合成中間体、あるいは強誘電性液晶等の機能性材料
の合成原料として有用な光学活性エポキシドの製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】一般にエポキシドは、対応するオレフィ
ンから合成される。このオレフィンをエポキシドに変換
する技術として、従来、1 )微生物を利用する方法、2
)化学反応を利用する方法が挙げられる。微生物を利
用する方法は、Nocardia corallinaなどの微生物にオレ
フィンを与えて、その代謝物として光学活性エポキシド
を得る方法である。また、化学反応による方法は、例え
ば、光学活性な酒石酸ジエチルを配位子としたチタン化
合物を触媒とし、t−ブチルヒドロペルオキシドを酸化
剤とする反応が代表的であり、この反応を利用すれば、
アリルアルコールから対応する光学活性エポキシドを得
ることができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、微生物を利用
する方法では、生物の代謝作用を利用するため、基質特
異性が高く、末端に二重結合を有するオレフィンをエポ
キシドに変換する場合のみに適用が限定されること、さ
らに生産効率が極めて低いという問題点を指摘すること
ができる。また、化学反応を利用する方法でも、反応基
質が、アリルアルコールに限定されること、爆発の危険
があり、取り扱いに細心の注意を要求される過酸化物を
酸化剤に用いる必要があり、生産コスト・安全性に問題
点を指摘することができる。最近、反応基質の制約を解
消することを目的に、光学活性エポキシドを合成する新
しい化学反応の研究が報告されている。(E. N. Jacobs
enet al., J. Org. Chem., 56, 2296 (1991); T. Katsu
ki et al., TetrahedronLett., 32, 1055 (1991)) しか
し、これらの方法でも、酸化剤として過酸化物を用いて
おり、生産コスト・安全性という問題点は解決していな
い。
【0004】そこで本発明の目的は、酸化剤として安全
で安価な酸素分子を用い、オレフィンから光学活性エポ
キシドを製造することができる方法を提供することにあ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記課題を解
決するために、一般式(a):
【0006】
【化11】
【0007】[式中、nは0または1であり、R1 、R
2 、R3 、R4 およびR5 は同一でも異なってもよく、
水素原子、直鎖または分岐状のアルキル基もしくはアリ
ール基であり、置換基を有していてもよく、R6 は、水
素原子、直鎖または分岐状のアルキル基、アリール基、
ニトロ基、もしくはベンジルオキシ基であり、mは1〜
4の整数である]で表されるオレフィン化合物を、酸素
分子と、一般式(b):
【0008】
【化12】
【0009】[式中、R7 、R8 およびR9 は、同一で
も異なっていてもよく、水素原子、直鎖または分岐状の
アルキル基であり、R7とR8 、R8 とR9 、およびR
9 とR7 は相互に結合して環を形成していてもよい]で
表されるアルデヒドの共存下、一般式(c):
【0010】
【化13】
【0011】[式中、R10とR11は異なる基であり、そ
れぞれ水素原子、直鎖または分岐状のアルキル基もしく
はアリール基であり、置換基を有していてもよく、2個
のR10同士、あるいは2個のR11同士は相互に結合して
環を形成していてもよい。また、R12、R13、R14およ
びR15は水素原子、直鎖または分岐状のアルキル基、ト
リアルキルシリル基またはアリール基であり、置換基を
有していてもよく、R12とR13、R13とR14、またはR
14とR15は相互に結合して環を形成していてもよいま
た、X- は陰イオンを表す。]で表される光学活性マン
ガン(III) 錯体触媒の存在下に反応させる工程を有す
る、一般式(d):
【0012】
【化14】
【0013】[式中、n、mおよびR1 〜R6 は前記一
般式(a)で定義したとおりである]で表される光学活
性エポキシドの製造方法を提供するものである。
【0014】また、この製造方法において、さらに前記
工程を、下記一般式(e)、(f)、(g)、(h):
【0015】
【化15】
【0016】[式中、R16、R17、R18、およびR19
同一でも異なっていてもよく、水素原子、直鎖または分
岐状のアルキル基、アリール基もしくはトリアルキルシ
リル基であり、置換基を有していてもよく、また、R18
とR19は相互に結合して環を形成していてもよい]
【0017】
【化16】
【0018】[式中、R20、R21、およびR22は同一で
も異なっていてもよく、水素原子、直鎖または分岐状の
アルキル基もしくはアリール基であり、置換基を有して
いてもよい]
【0019】
【化17】
【0020】[式中、R23、R24、R25、R26およびR
27は同一でも異なっていてもよく、水素原子、直鎖また
は分岐状のアルキル基、アリール基もしくはアミノ基で
あり、置換基を有していてもよく、また、R23とR24
24とR25、R25とR26、またはR26とR27は相互に結
合して環を形成していてもよい。]
【0021】
【化18】
【0022】[式中、R28、R29、R30、R31およびR
32は同一でも異なっていてもよく、水素原子、直鎖また
は分岐状のアルキル基もしくはアリール基であり、置換
基を有していてもよく、また、R23とR24、R24
25、R25とR26、またはR26とR27は相互に結合して
環を形成していてもよい。]で表される化合物群から選
択される少なくとも一つの含窒素化合物の存在下に行う
と、絶対立体配置が逆転した光学活性エポキシドを得る
ことができる。
【0023】以下、本発明の光学活性エポキシドの製造
方法(以下、「本発明の方法」という)について詳細に
説明する。
【0024】本発明の方法の出発物質であるオレフィン
化合物は、前記一般式(a)で表される縮環型芳香族オ
レフィンである。この一般式(a)において、nは0ま
たは1であり、R1 、R2 、R3 、R4 およびR5 は同
一でも異なってもよく、水素原子、直鎖または分岐状の
アルキル基もしくはアリール基であり、置換基を有して
いてもよい。直鎖または分岐状のアルキル基としては、
例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブ
チル基等が挙げられる。また、アリール基としては、例
えば、フェニル基、p−メトキシフェニル基、p−クロ
ロフェニル基、p−フルオロフェニル基等が挙げられ
る。
【0025】R6 は、水素原子、直鎖または分岐状のア
ルキル基、アリール基、ニトロ基、もしくはベンジルオ
キシ基であり、置換基を有していてもよい。直鎖または
分岐状のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチ
ル基、n−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル
基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシ
ル基、n−ヘプチル基等が挙げられる。アリール基とし
ては、例えば、フェニル基、p−メトキシフェニル基、
p−クロロフェニル基、p−フルオロフェニル基、ナフ
チル基等が挙げられる。また、R6 は複数の異なる置換
基を有するベンゼン環を含む基であってもよい。
【0026】さらに、mは1〜4の整数である。
【0027】この一般式(a)で表されるオレフィン化
合物の具体例として、1,2−ジヒドロナフタレン、
3,3−ジメチル−1,2−ジヒドロナフタレン、5,
7−ジメチル−3,4−ジヒドロナフタレン、4,4−
ジメチル−3,4−ジヒドロナフタレン、6−ベンジル
オキシ−5−ニトロ−3,4−ジヒドロナフタレン、7
−ニトロ−3,4−ジヒドロナフタレン、1,2−ベン
ゾ−3,4−シクロヘプタジエン等が挙げられる。
【0028】また、本発明の方法は、前記一般式(a)
におけるR1 、およびR2 が水素原子であるオレフィン
化合物、すなわち、下記一般式(a−1):
【0029】
【化19】
【0030】[式中、nおよびR3 、R4 、R5 および
6 は前記一般式(a)で定義したとおりである]で表
されるオレフィン化合物を出発原料として、対応するエ
ポキシドを製造する場合に特に有効である。
【0031】この一般式(a−1)で表されるオレフィ
ン化合物の具体例として、1,2−ジヒドロナフタレ
ン、3,3−ジメチル−1,2−ジヒドロナフタレン、
5,7−ジメチル−3,4−ジヒドロナフタレン、4,
4−ジメチル−3,4−ジヒドロナフタレン、6−ベン
ジルオキシ−5−ニトロ−3,4−ジヒドロナフタレ
ン、7−ニトロ−3,4−ジヒドロナフタレン、1,2
−ベンゾ−3,4−シクロヘプタジエン等が挙げられ
る。
【0032】本発明の方法は、前記一般式(a)で表さ
れるオレフィン化合物と酸素分子とを反応させる方法で
ある。反応に供される酸素分子は、純酸素あるいは酸素
を含む混合気体である空気であってもよい。酸素は常圧
下に供給してもよいし、また、空気を用いる場合でも、
特に加圧する必要はない。例えば、酸素分圧として、
0. 2〜1気圧でよい。しかし、酸素を加圧して反応に
用いてもよい。
【0033】本発明の方法において、オレフィン化合物
と酸素分子の反応は、前記一般式(b)で表されるアル
デヒドの共存下に行われる。前記一般式(b)におい
て、R 7 、R8 およびR9 は、同一でも異なっていても
よく、水素原子、直鎖または分岐状のアルキル基であ
り、置換基を有していてもよい。この直鎖または分岐状
のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、
n−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t
ert−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、
n−ヘプチル基等が挙げられる。
【0034】また、R7 とR8 、R8 とR9 、およびR
9 とR7 は相互に結合して環を形成していてもよく、例
えば、相互に結合してシクロヘキシル基、シクロヘプチ
ル基、シクロオクチル基等の環を形成していてもよい。
【0035】本発明の方法において、この一般式(b)
で表されるアルデヒドは、1種単独ても2種以上を組み
合わせても用いることができる。
【0036】この一般式(b)で表されるアルデヒドの
具体例として、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒ
ド、n−ブチルアルデヒド、n−バレルアルデヒド、イ
ソバレルアルデヒド、1−ヘキサナール、イソブチルア
ルデヒド、sec −ブチルアルデヒド、ピバルアルデヒド
等の脂肪族アルデヒドが挙げられる。特に、前記一般式
(b)において、R7 、R8 およびR9 が、いずれも水
素原子ではなく、直鎖または分岐状のアルキル基で表さ
れるアルデヒド、すなわち、3級アルデヒドが、高い光
学収率および化学収率でエポキシドが得られる点で、好
ましい。さらに、これらの中でも、ピバルアルデヒドを
用いると、得られるエポキシドの光学収率が高く、特に
好ましい。
【0037】本発明の方法において、アルデヒドは、前
記オレフィン化合物1モルに対し、1〜10モルの割合
で使用するのが好ましく、2. 5〜5モルの割合で使用
するのが、より好ましい。エポキシドの光学収率を高く
保ち、かつ、化学収率を満足させるためには、この範囲
で反応を行なうことが望ましい。
【0038】また、本発明の方法は、アルデヒドととも
に、前記一般式(c)で表される光学活性マンガン(II
I) 錯体触媒を用いて、オレフィン化合物と酸素分子の
反応を行う方法である。このマンガン(III) 錯体触媒を
表す一般式(c)において、R 10とR11は異なる基であ
り、それぞれ水素原子、直鎖または分岐状のアルキル基
もしくはアリール基であり、置換基を有していてもよ
い。この直鎖または分岐状のアルキル基としては、例え
ば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル
基、tert−ブチル基等が挙げられる。アリール基と
しては、例えば、フェニル基、p−メトキシフェニル
基、p−クロロフェニル基、p−ニトロフェニル基等が
挙げられる。
【0039】また、2個のR10同士、あるいは2個のR
11同士は相互に結合して環を形成していてもよく、例え
ば、−(CH2 4 −等の基を介して相互に結合して6
員環等の環を形成していてもよい。
【0040】さらに、R12、R13、R14およびR15は、
水素原子、直鎖または分岐状のアルキル基、トリアルキ
ルシリル基またはアリール基であり、置換基を有してい
てもよい。直鎖または分岐状のアルキル基としては、例
えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル
基、tert−ブチル基等が挙げられる。トリアルキル
シリル基としては、例えば、トリメチルシリル基、te
rt−ブチルジメチルシリル基等が挙げられる。アリー
ル基としては、例えば、フェニル基、p−メトキシフェ
ニル基、o−メトキシフェニル基、p−クロロフェニル
基、ナフチル基等が挙げられる。
【0041】また、R12とR13、R13とR14、またはR
14とR15は相互に結合して環を形成していてもよく、例
えば、−C(CH3 2 CH2 CH2 −等の基を介して
相互に結合して各種の置換基を有する5員環等の環を形
成していてもよく、例えば、R14とR15は相互に結合し
て下記式:
【0042】
【化20】
【0043】で表される基を形成していてもよい。
【0044】また、X- は陰イオンを表す。この陰イオ
ンの具体例としては、F- 、Cl-、Br- 、P
6 - 、ClO4 - 、BF4 - 、SO4 2-等が挙げられ
る。
【0045】本発明の方法において、前記一般式(c)
で表される光学活性マンガン(III)錯体触媒は1種単独
でも2種以上を組み合わせても用いることができる。
【0046】この一般式(c)で表される光学活性マン
ガン(III) 錯体触媒の具体例として、下記式(i)およ
び(j):
【0047】
【化21】
【0048】で表わされるものなどが挙げられる。
【0049】本発明の方法に用いるマンガン(III) 錯体
触媒は、公知の方法により調製できる。例えば、E. N.
Jacobsen et al., J. Org. Chem., 56, 2296 (1991) 、
あるいは、T. Katsuki et al., Tetrahedron Lett., 3
2, 1055 (1991) に報告された方法にしたがって調製す
ることができる。
【0050】本発明の方法において、このマンガン(II
I) 錯体触媒は、高い光学収率および化学収率でエポキ
シドが得られる点で、オレフィン化合物1モルに対し、
1〜30モル%の割合で使用するのが好ましく、5〜1
5モル%の割合で使用するのが、より好ましい。
【0051】本発明の方法において、オレフィン化合物
と酸素分子の反応に際して、溶媒を用いてもよい。用い
られる溶媒は、特に限定されず、脂肪族炭化水素系溶
媒、脂環式炭化水素系溶媒、ケトン系溶媒、エステル系
溶媒、芳香族炭化水素系溶媒が有効であるが、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、フルオロベ
ンゼン、ジフルオロベンゼン、トリフルオロメチルベン
ゼンなどの芳香族炭化水素系溶媒が特に好ましい。
【0052】また、溶媒量を少なくすると、化学収率が
向上し、光学収率も若干高くなる傾向がある。通常、溶
媒量は、オレフィン化合物1ミリモルに対し、溶媒1〜
10ml程度である。
【0053】本発明の方法において、前記アルデヒドと
マンガン(III) 錯体触媒とともに、オレフィン化合物と
酸素分子の反応を前記一般式(e)、(f)、(g)、
(h)で表される化合物群から選択される少なくとも一
つの含窒素化合物の存在下に行うと、絶対立体配置が逆
転した光学活性エポキシドを得ることができる。即ち、
この含窒素化合物を反応系に添加して得られるエポキシ
ドは、添加しない場合とは旋光度の符合が逆になる。
【0054】一般式(e)において、R16、R17
18、およびR19は同一でも異なっていてもよく、水素
原子、直鎖または分岐状のアルキル基、アリール基もし
くはトリアルキルシリル基であり、置換基を有していて
もよい。直鎖または分岐状のアルキル基またはアリール
基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピ
ル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、
sec−ブチル基、アセチル基、ベンジル基、ベンゾイ
ル基、p−フルオロベンジル基、p−トリル基等が挙げ
られる。アリール基としては、例えば、フェニル基、p
−クロロフェニル基、p−メトキシフェニル基、ナフチ
ル基等が挙げられる。トリアルキルシリル基としては、
例えば、トリメチルシリル基、tert−ブチル基、ジ
メチルシリル基等が挙げられる。
【0055】また、R18とR19は相互に結合して環を形
成していてもよく、例えば、相互に結合してベンゼン環
等の環を形成していてもよい。
【0056】この一般式(e)で表される含窒素化合物
の具体例として、イミダゾール、N−メチルイミダゾー
ル、N−エチルイミダゾール、N−n−プロピルイミダ
ゾール、N−イソプロピルイミダゾール、N−ブチルイ
ミダゾール、アセチルイミダゾールなどのN−アルキル
イミダゾール、N−フェニルイミダゾール、N−ベンジ
ルイミダゾール、N−ベンゾイルイミダゾール、N−
(p−フルオロベンジル)イミダゾール、N−(p−ト
リル)イミダゾールなどのアリールイミダゾール、N−
(トリメチルシリル)イミダゾール、N−(tert−ブチ
ルトリメチルシリル)イミダゾール、N−(トリフェニ
ルシリル)イミダゾールなどのトリアルキルシリルイミ
ダゾール等のイミダゾール類が挙げられる。
【0057】特に、含窒素化合物として、下記一般式
(e−1):
【0058】
【化22】
【0059】[式中、R16は前記一般式(e)で定義し
たとおりである]で表されるイミダゾール類を使用する
と、得られるエポキシドの光学収率が高くなる点で、有
効である。
【0060】一般式(f)において、R20、R21および
22は同一でも異なっていてもよく、水素原子、直鎖も
しくは分岐状のアルキル基またはアリール基であり、置
換基を有していてもよい。直鎖または分岐状のアルキル
基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピ
ル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、
sec−ブチル基、アセチル基、ベンジル基、ベンゾイ
ル基、p−フルオロベンジル基、p−トリル基等が挙げ
られる。アリール基としては、例えば、フェニル基、p
−クロロフェニル基、p−メトキシフェニル基、ナフチ
ル基等が挙げられる。
【0061】また、R20、R21またはR22は、相互に結
合して環を形成していてもよく、例えば、相互に結合し
てベンゼン環、ピリミジン環等の環を形成していてもよ
い。
【0062】この一般式(f)で表される含窒素化合物
の具体例として、1,2,4−トリアゾール、1,2,
4−トリアゾロ〔1,5−a〕ピリミジン、1−フェニ
ル−1,2,4−トリアゾール等のトリアゾール類が挙
げられる。
【0063】一般式(g)において、R23、R24
25、R26およびR27は同一でも異なっていてもよく、
水素原子、直鎖もしくは分岐状のアルキル基、アリール
基またはアミノ基であり、置換基を有していてもよい。
直鎖または分岐状のアルキル基としては、例えば、メチ
ル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n
−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、アセチ
ル基、ベンジル基、ベンゾイル基、p−フルオロベンジ
ル基、p−トリル基等が挙げられる。アリール基として
は、例えば、フェニル基、p−クロロフェニル基、p−
メトキシフェニル基、ナフチル基等が挙げられる。アミ
ノ基としては、例えば、ジメチルアミノ基等が挙げられ
る。
【0064】また、R23とR24、R24とR25、R25とR
26、またはR26とR27は相互に結合して環を形成してい
てもよく、例えば、相互に結合してベンゼン環等の環を
形成していてもよい。
【0065】この一般式(g)で表される含窒素化合物
の具体例として、ピリジン、キノリン、イソキノリン、
2,3−ルチジン、2,4−ルチジン、2,5−ルチジ
ン、2,6−ルチジン、3,4−ルチジン、3,5−ル
チジン、2,6−ジ−tert−ブチルピリジン、4−
ジメチルアミノピリジン等のピリジン類が挙げられる。
【0066】一般式(h)において、R28、R29
30、R31およびR32は同一でも異なっていてもよく、
水素原子、直鎖もしくは分岐状のアルキル基またはアリ
ール基であり、置換基を有していてもよい。直鎖または
分岐状のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチ
ル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル
基、イソブチル基、sec−ブチル基、アセチル基、ベ
ンジル基、ベンゾイル基、p−フルオロベンジル基、p
−トリル基等が挙げられる。アリール基としては、例え
ば、フェニル基、p−クロロフェニル基、p−メトキシ
フェニル基、ナフチル基等が挙げられる。
【0067】また、R23とR24、R24とR25、R25とR
26、またはR26とR27は相互に結合して環を形成してい
てもよく、例えば、相互に結合してベンゼン環等の環を
形成していてもよい。
【0068】この一般式(h)で表される含窒素化合物
の具体例として、ピリジン−N−オキシド、2,6−ル
チジン−N−オキシド、3,5−ルチジン−N−オキシ
ド等のピリジン−N−オキシド類が挙げられる。
【0069】本発明の方法において、これらの含窒素化
合物を用いる場合、前記一般式(e)、(f)、
(g)、(h)は、1種単独でも2種以上を組み合わせ
て用いてもよい。
【0070】これらの含窒素化合物の中でも、前記一般
式(e)で表されるイミダゾール類を用いると、高い光
学収率が得られる点で、特に好ましい。
【0071】本発明の方法において、この含窒素化合物
を用いる場合、その使用量は、通常、マンガン(III) 錯
体触媒1モルに対し、0. 5〜20モルの割合で使用す
るのが好ましく、2〜10モルの割合で使用するのが、
より好ましい。
【0072】本発明の方法における反応は、オレフィン
化合物とアルデヒドを、光学活性マンガン(III) 錯体触
媒存在下、溶媒中、酸素雰囲気下で攪拌することにより
行なわれる。あるいは、この反応系に含窒素化合物を添
加して行なわれる。
【0073】反応温度は、0〜60℃が好ましく、15
〜40℃がより好ましい。また、反応時間は、通常、1
0分〜10時間で、反応の進行状況は、薄層クロマトグ
ラフィー(TLC)やガスクロマトグラフィー(GC)
により確認することができる。
【0074】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明は、これらの実施例に限定されるものでは
ない。
【0075】(実施例1) Salen型配位化合物の合成 (S,S)−1,2−ジフェニル−1,2−エチレンジ
アミン424mg(2.0mmol) のエタノール溶液
(10ml) に、3−tert−ブチル−5−メチル−サリ
チルアルデヒド768mg(4.0mmol) を加え、
1時間加熱還流する。放冷後、激しく攪拌しながら反応
混合物に水を加えると淡黄色の結晶が生成した。これを
濾過し水洗すると、Salen型光学活性配位化合物1
120mgが淡黄色結晶として得られた。(収率:定量
的)
【0076】 Salen型光学活性Mn(III) 錯体触媒の合成 上記のとおりに調製したSalen型光学活性配位化合
物560mg(1.0mmol)のエタノール溶液(1
0ml)に、酢酸マンガン(II)四水和物490mg
(2.0mmol)を加え、酸素雰囲気下、1時間加熱
還流した。放冷後、塩化リチウム130mg(3.1m
mol)を加え、再び1時間加熱還流した。放冷後、激
しく攪拌しながら反応混合物に水を加えると濃茶色固体
が生成した。この固体を濾過し、よく水洗して粗錯体を
得た。得られた粗錯体を、ベンゼン(50ml)に溶解
し、飽和塩化リチウム水溶液で洗浄した後、ベンゼン溶
液を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。次いで、このベン
ゼン溶液を濾過し、減圧下に溶媒を留去すると、濃茶色
固体として、前記式(i)で表されるSalen型光学
活性Mn(III) 錯体触媒547mg(収率84%)が得
られた。得られたMn錯体触媒のX線表面分析による元
素分析結果を表1に示す。
【0077】
【表1】
【0078】不斉エポキシ化反応 Salen型光学活性Mn(III) 錯体触媒100mg
(0.159mmol)のフルオロベンゼン溶液(2m
l)に、予めアルゴン雰囲気下で調製しておいた、1,
2−ジヒドロナフタレン150mg(1.15mmo
l)とピバルアルデヒド300mg(3.49mmo
l)のフルオロベンゼン溶液(2ml)を、室温下、酸
素雰囲気で加え、攪拌して反応させた。反応の追跡は、
TLCで行った。反応終了後、シリカゲルカラムクロマ
トグラフィーで精製すると、油状物として、1,2−エ
ポキシ−3,4−ジヒドロナフタレン71mgが得られ
た。(収率42%)
【0079】また、光学純度の決定は、光学活性GCカ
ラムを用いてGCで行った。その結果、得られたエポキ
シドの光学純度は、12%eeであることがわかった。さ
らに、得られたエポキシドの旋光度を測定したところ、
[α]D +15.4°(CHCl3 ,c=1.00)で
あった。この結果は、文献;D.R. Boyd, D.M. Jerina,
and J.W. Daly, J. Org. Chem., 35, 3170(1970). によ
ると、(1R,2S)−エポキシ−3,4−ジヒドロナ
フタレンが優先して得られたことを示している。ここ
で、光学収率とは、下記式に基づいて求められる値であ
る。 {(〔1R,2S 〕−〔1S,2R 〕)/(〔1R,2S 〕+〔1S,2
R 〕)}×100(%) ここで、〔1R,2S 〕:(1R,2S)−エポキシ−3,
4−ジヒドロナフタレンの収量または収率 〔1S,2R 〕:(1S,2R)−エポキシ−3,4−ジヒ
ドロナフタレンの収量または収率 である。
【0080】(実施例2)(S,S)−1,2−ジフェ
ニル−1,2−エチレンジアミンの代わりに、(S,
S)−1,2−ジアミノシクロヘキサンを用いる以外は
全て実施例1と同様に反応を行なって、Salen型光
学活性配位化合物を淡黄色結晶として得た。 (定量的)
【0081】次に、上記で調製したSalen型光学活
性配位化合物を用いる以外は全て実施例1と同様にし
て、反応を行なって、前記式(j)で表されるSale
n型光学活性Mn(III) 錯体触媒を収率91%で得た。
【0082】このSalen型光学活性Mn(III) 錯体
触媒のフルオロベンゼン溶液に、N−メチルイミダゾー
ル50mg(0.73mmol)を加える以外は、全て
実施例1と同様に反応を行なってエポキシドを得た。反
応成績は以下のとおりであった。また、得られたエポキ
シドの旋光度の符号は、マイナスであり、このことは、
実施例1で得られたエポキシドと、ここで得られたエポ
キシドの絶対立体配置が逆であることを示している。 エポキシド収率 62% 光学収率 52%ee、[α]D −67.1°(CHCl3 ,c=1. 00)
【0083】(実施例3〜5)各例において、触媒とし
て、実施例2で調製した光学活性Mn(III) 錯体触媒3
8mg(0.069mmol)を用い、オレフィン化合
物として1,2−ジヒドロナフタレンの代わりに、3,
3−ジメチルジヒドロナフタレンを用いる以外は全て実
施例2と同様に反応を行なってエポキシドを得た。ま
た、実施例3において、光学活性Mn(III) 錯体触媒の
量を76mg(0.138mmol)、114mg
(0.207mmol)と変えて、それぞれ反応を行な
ってエポキシドを得た。結果を表2に示す。
【0084】
【表2】
【0085】(実施例6〜8)各例において、用いるピ
バルアルデヒドの量を、それぞれ200mg(2.33
mmol)、400mg(4.65mmol)、600
mg(6.98mmol)に変えて反応を行った以外は
実施例4と同様にしてエポキシドを得た。結果を表3に
示す。
【0086】
【表3】
【0087】(実施例9〜12)各例において、用いる
N−メチルイミダゾールの量を、それぞれ12.5mg
(0.183mmol)、25mg(0.365mmo
l)、75mg(0.110mmol)、125mg
(1.83mmol)に変えて反応を行なった以外は実
施例4と同様にしてエポキシドを得た。結果を表4に示
す。
【0088】
【表4】
【0089】(実施例13〜15)各例において、溶媒
として用いるフルオロベンゼンの量を、それぞれ合計8
ml、10ml、20mlに変えて反応を行なった以外
は実施例4と同様にしてエポキシドを得た。結果を表5
に示す。
【0090】
【表5】
【0091】(実施例16〜23)各例において、溶媒
としてフルオロベンゼンの代わりに、1,2−ジクロロ
エタン、シクロヘキサン、ジエチルケトン、酢酸エチ
ル、ベンゼン、トルエン、トリフルオロメチルベンゼ
ン、1,3−ジフルオロベンゼンを用いて反応を行なっ
た以外は、実施例4と同様にしてエポキシドを得た。結
果を表6に示す。
【0092】
【表6】
【0093】(実施例24〜31)各例において、アル
デヒドとしてピバルアルデヒドの代わりに、2,2−ジ
エチル−1−ペンタナール、2,2−ジメチル−1−ヘ
キサナール、イソブチルアルデヒド、sec −ブチルアル
デヒド、2−エチル−1−ヘキサナール、アセトアルデ
ヒド、1−ヘキサナール、1 −デカナールを用いて反応
を行なった以外は実施例1と同様にしてエポキシドを得
た。結果を表7に示す。
【0094】
【表7】
【0095】(実施例32〜38)各例において、下記
一般式(k):
【0096】
【化23】
【0097】[式中、R13およびR15は表8に示すとお
りである]で表される種々のSalen型光学活性Mn
(III) 錯体触媒を、実施例1の方法で調製し、これらの
Salen型光学活性Mn(III) 錯体触媒を用いてエポ
キシ化反応を行なった。即ち、Salen型光学活性M
n(III) 錯体触媒0.138mmol)のトルエン溶液
(2ml)に、予めアルゴン雰囲気下で調製した、1,
2−ジヒドロナフタレン150mg(1.15mmo
l)とピバルアルデヒド300mg(3.49mmo
l)のトルエン溶液(2ml)を、室温下、酸素雰囲気
で加え、攪拌した。反応終了後、シリカゲルカラムクロ
マトグラフィーで精製すると、油状物として、1,2−
エポキシ−3,4−ジヒドロナフタレンが得られた。結
果を表8に示す。
【0098】
【表8】
【0099】(実施例39〜45)各例において、含窒
素化合物としてN−メチルイミダゾールの代わりに、そ
れぞれイミダゾール、ピラゾール、トリアゾール、ピリ
ジン、2,6−ジメチルピリジン、ピリジン−N−オキ
シド、4−ジメチルアミノピリジンを用いて反応を行な
った以外は実施例4と同様にしてエポキシドを得た。結
果を表9に示す。
【0100】
【表9】
【0101】(実施例46〜56)各例において、イミ
ダゾール類としてN−メチルイミダゾールの代わりに、
それぞれN−エチルイミダゾール、N−n−プロピルイ
ミダゾール、N−n−ヘキシルイミダゾール、N−n−
オクチルイミダゾール、N−イソプロピルイミダゾー
ル、N−フェニルイミダゾール、N−ベンジルイミダゾ
ール、N−アセチルイミダゾール、N−(トリメチルシ
リル)イミダゾール、N−(p−フルオロベンジル)イ
ミダゾール、N−(p−トリル)イミダゾールを用いて
反応を行なった以外は実施例4と同様にしてエポキシド
を得た。結果を表10に示す。
【0102】
【表10】
【0103】(実施例57〜62)各例において、3,
3−ジメチルジヒドロナフタレンの代わりに、それぞれ
オレフィン化合物として1,2−ジヒドロナフタレン、
5,7−ジメチル−3,4−ジヒドロナフタレン、4,
4−ジメチル−3,4−ジヒドロナフタレン、6−ベン
ジルオキシ−5−ニトロ−3,4−ジヒドロナフタレ
ン、7−ニトロ−3,4−ジヒドロナフタレン、1,2
−ベンゾ−3,4−シクロヘプタジエンを用いて反応を
行なった以外は、実施例4と同様にしてエポキシドを得
た。各々のエポキシドの光学純度決定法と共に、結果を
表11に示す。
【0104】
【表11】
【0105】
【発明の効果】本発明の方法によれば、酸化剤として安
全で安価な酸素分子を用い、オレフィンから光学活性エ
ポキシドを製造することができる。この光学活性エポキ
シドは、医薬品、農薬等の生理活性化合物の合成中間
体、あるいは強誘電性液晶等の機能性材料の合成原料と
して有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 永 田 卓 司 千葉県袖ヶ浦市長浦字拓二号580番32 三 井石油化学工業株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(a): 【化1】 [式中、nは0または1であり、R1 、R2 、R3 、R
    4 およびR5 は同一でも異なってもよく、水素原子、直
    鎖または分岐状のアルキル基もしくはアリール基であ
    り、置換基を有していてもよく、R6 は、水素原子、直
    鎖または分岐状のアルキル基、アリール基、ニトロ基、
    もしくはベンジルオキシ基であり、mは1〜4の整数で
    ある]で表されるオレフィン化合物を、酸素分子と、一
    般式(b): 【化2】 [式中、R7 、R8 およびR9 は、同一でも異なってい
    てもよく、水素原子、直鎖または分岐状のアルキル基で
    あり、R7とR8 、R8 とR9 、およびR9 とR7 は相
    互に結合して環を形成していてもよい]で表されるアル
    デヒドの共存下、一般式(c): 【化3】 [式中、R10とR11は異なる基であり、それぞれ水素原
    子、直鎖または分岐状のアルキル基もしくはアリール基
    であり、置換基を有していてもよく、2個のR10同士、
    あるいは2個のR11同士は相互に結合して環を形成して
    いてもよい。また、R12、R13、R14およびR15は水素
    原子、直鎖または分岐状のアルキル基、トリアルキルシ
    リル基またはアリール基であり、置換基を有していても
    よく、R12とR13、R13とR14、またはR14とR15は相
    互に結合して環を形成していてもよいまた、X- は陰イ
    オンを表す。]で表される光学活性マンガン(III) 錯体
    触媒の存在下に反応させる工程を有する、一般式
    (d): 【化4】 [式中、n、mおよびR1 〜R6 は前記一般式(a)で
    定義したとおりである]で表される光学活性エポキシド
    の製造方法。
  2. 【請求項2】前記工程を、一般式(e)、(f)、
    (g)、(h): 【化5】 [式中、R16、R17、R18、およびR19は同一でも異な
    っていてもよく、水素原子、直鎖または分岐状のアルキ
    ル基、アリール基もしくはトリアルキルシリル基であ
    り、置換基を有していてもよく、また、R18とR19は相
    互に結合して環を形成していてもよい] 【化6】 [式中、R20、R21、およびR22は同一でも異なってい
    てもよく、水素原子、直鎖または分岐状のアルキル基も
    しくはアリール基であり、置換基を有していてもよい] 【化7】 [式中、R23、R24、R25、R26およびR27は同一でも
    異なっていてもよく、水素原子、直鎖または分岐状のア
    ルキル基、アリール基もしくはアミノ基であり、置換基
    を有していてもよく、また、R23とR24、R24とR25
    25とR26、またはR26とR27は相互に結合して環を形
    成していてもよい。] 【化8】 [式中、R28、R29、R30、R31およびR32は同一でも
    異なっていてもよく、水素原子、直鎖または分岐状のア
    ルキル基もしくはアリール基であり、置換基を有してい
    てもよく、また、R23とR24、R24とR25、R25
    26、またはR26とR27は相互に結合して環を形成して
    いてもよい。]で表される化合物群から選択される少な
    くとも一つの含窒素化合物の存在下に行なう請求項1に
    記載の光学活性エポキシドの製造方法。
  3. 【請求項3】前記オレフィン化合物が、下記一般式(a
    −1): 【化9】 [式中、nおよびR3 、R4 、R5 およびR6 は前記一
    般式(a)で定義したとおりである]で表されるもので
    ある、請求項1または2に記載の光学活性エポキシドの
    製造方法。
  4. 【請求項4】前記アルデヒドが、前記一般式(b)にお
    いて、R7 およびR8 およびR9 が、いずれも水素原子
    ではなく、直鎖または分岐状のアルキル基もしくはアリ
    ール基で表されるアルデヒドである、請求項1〜3のい
    ずれかに記載の光学活性エポキシドの製造方法。
  5. 【請求項5】前記含窒素化合物が、下記一般式(eー
    1): 【化10】 [式中、R16は前記一般式(e)で定義したとおりであ
    る]で表されるイミダゾール誘導体である、請求項2〜
    4のいずれかに記載の光学活性エポキシドの製造方法。
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