JP3068900B2 - エポキシ基含有化合物の製造方法 - Google Patents

エポキシ基含有化合物の製造方法

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JP3068900B2
JP3068900B2 JP3200975A JP20097591A JP3068900B2 JP 3068900 B2 JP3068900 B2 JP 3068900B2 JP 3200975 A JP3200975 A JP 3200975A JP 20097591 A JP20097591 A JP 20097591A JP 3068900 B2 JP3068900 B2 JP 3068900B2
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  • Epoxy Compounds (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はエポキシ基含有化合物の
製造方法に関し、特にニッケル化合物とアルデヒド化合
物の併存下に行なう新規な反応により、エポキシ基含有
化合物を得る方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、エポキシ基含有化合物を製造する
方法として、二重結合を有する化合物を、ベンゼン、ク
ロロホルムあるいは四塩化炭素などの不活性溶媒中で、
過安息香酸、過ギ酸、過フタル酸、過プロピオン酸、過
酢酸あるいはトリフルオロ過酢酸などの有機過酸化物で
酸化する方法が知られている。特に、工業的には、過酸
化物を生じさせる物質、例えば氷酢酸と不飽和化合物と
の混合物に、強酸触媒を加えて60〜70℃に加熱しな
がら過酸化水素を加えて過酢酸を生成させ、この過酢酸
を利用してエポキシ基含有化合物を製造する方法が行わ
れている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記方
法における反応は、過敏な反応であるため、選択的にエ
ポキシ化反応を行うことが困難であり、しかもエポキシ
基含有化合物の生成に伴って、生成したエポキシ基含有
化合物の一部が重合することがある。また、この反応
は、反応温度が50℃以上の厳しい反応条件下で行なわ
れるため、副反応が生起し易く、エポキシ基含有化合物
を高収率で得ることができない。また酸化剤として使用
する過酸類は高価かつ取扱いが危険なものであるため、
工業的に高コストになるという不利がある。
【0004】さらに、有機過酸化物を使用しないエポキ
シ基含有化合物の製造方法として、不飽和化合物に次亜
ハロゲン酸を使用してハロヒドリンを生成させ、次いで
このハロヒドリンをアルカリ処理し、エポキシ基を生成
する方法も知られているが、この方法は、構造の複雑な
オレフィン類には適用できない。
【0005】そこで本発明の目的は、従来、この種のエ
ポキシ基含有化合物の製造に用いられてきた反応に比し
て温和な反応条件で行なうことができ、過酸類等の高価
な酸化剤を使用しないため工業的に低コストで行なうこ
とができ、また良好な触媒効率で、エポキシ基含有化合
物を得ることができる新規な方法を提供することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記課題を解
決するために、一般式(I−a)または(I−b): H2 C=CH(R1 ) (I−a) [式中、R1 は直鎖または分岐状のアルキル基、もしく
はアリール基であり、置換基を有していてもよい〕
【0007】
【化4】
【0008】[式中、R2 およびR3 は同一でも異なっ
てもよく、水素原子、置換または非置換のアルキル基も
しくはアリール基であり、R4 は水素原子、アルキル基
またはアリール基であり、R5 はアルキル基またはアリ
ール基である〕で表される二重結合含有化合物を、 一般式(II)または(II)′:
【0009】
【化5】
【0010】[式(II)および(II)′中、R7 および
9 、ならびにR10およびR12は同一でも異なってもよ
く、低級アルキル基、アリール基、アルコキシ基または
ハロゲン化アルキル基、あるいは下記式(a): −COOR13 (a) (ここで、R13はアルキル基またはアリール基である)
もしくは下記式(b): −CONR1415 (b) (ここで、R14およびR15は同一でも異なってもよく、
アルキル基またはアリール基であり、R14とR15は相互
に結合して環を形成していてもよく、内に酸素原子ま
たは窒素原子を含んでいてもよい)で表わされる基であ
り、置換基を有していてもよく、R8 およびR11は、水
素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基、アリール基ま
たはアリールアルキル基であり、置換基を有していても
よく、またR7 とR8 、およびR11とR12はそれぞれ相
互に結合して環を形成していてもよい]で表されるニッ
ケル化合物から選ばれる少なくとも1種と、イソバレル
アルデヒドとの存在下に、酸素含有ガスと反応させる工
程を含む、一般式(IV−a)または(IV−b):
【0011】
【化6】
【0012】[R1 〜R5 は前記一般式(I−a)また
は(I−b)において定義したとおりである]で表され
るエポキシ基含有化合物の製造方法を提供するものであ
る。
【0013】以下、本発明のエポキシ基含有化合物の製
造方法について詳細に説明する。
【0014】本発明の出発物質である二重結合含有化合
物は前記式(I−a)または(I−b)で表されるもの
である。前記式(I−a)において、R1 は直鎖または
分岐状のアルキル基、もしくはアリール基であり、置換
基を有していてもよい。R1 の直鎖または分岐状のアル
キル基としては、例えば、エチル基、n−プロピル基、
n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル
基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル
基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n
−ウンデシル基、n−ドデシル基等が挙げられる。アリ
ール基としては、例えば、フェニル基、p−メトキシフ
ェニル基、p−クロロフェニル基、p−フルオロフェニ
ル基、ナフチル基等が挙げられる。
【0015】また、前記式(I−b)において、R2
よびR3 は同一でも異なってもよく、水素原子、置換ま
たは非置換のアルキル基もしくはアリール基である。こ
の置換または非置換のアルキル基としては、例えば、メ
チル基、エチル基、n−プロピル基、フェニルメチル基
等が挙げられ、アリール基としては、例えば、フェニル
基、ナフチル基、あるいはp−フルオロフェニル基、p
−クロロフェニル基、p−メトキシフェニル基等の置換
基を有するアリール基が挙げられる。また、R 4 は水素
原子、アルキル基またはアリール基であり、このアルキ
ル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロ
ピル基等が挙げられ、アリール基としては、例えば、フ
ェニル基等が挙げられる。さらに、R5 はアルキル基ま
たはアリール基である。このR5 のアルキル基として
は、例えば、メチル基、エチル基、等が挙げられ、アリ
ール基としては、フェニル基等が挙げられる。また、R
2 とR3 は相互に結合して環を形成していてもよく、例
えば、相互に結合してシクロペンチル基、シクロヘキシ
ル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基等の環を形
成していてもよい。
【0016】また、R2 とR4 は相互に結合して環を形
成していてもよく、例えば、相互に結合して、ノルボル
ニル基などの基を形成していてもよい。
【0017】前記一般式(I−a)で表わされる二重結
合含有化合物(以下、「末端オレフィン化合物」とい
う)の代表例として、1−デセン、1−テトラデセン等
の脂肪族不飽和炭化水素類;スチレン等の芳香族不飽和
炭化水素などが挙げられる。
【0018】また、前記一般式(I−b)で表される二
重結合含有化合物(以下、「アリルエステル化合物」と
いう)の代表例として、安息香酸3−メチル−2−ブテ
ニル、安息香酸2−ブテニル、安息香酸2−プロペニ
ル、安息香酸2−メチル−2−プロペニル等が挙げられ
る。
【0019】本発明の方法においては、所望の構造を有
するエポキシ基含有化合物が得られるように、前記末端
オレフィン化合物またはアリルエステル化合物のいずれ
かを選択すればよい。
【0020】本発明の方法は、前記末端オレフィン化合
物またはアリルエステル化合物のいずれかを、前記一般
式(II)または(II)′で表わされるニッケル化合物か
ら選ばれる少くとも1種とイソバレルアルデヒドの存在
下に酸素含有ガスと反応させる方法である。
【0021】本発明の方法で用いられるニッケル化合物
を表わす前記一般式(II)または(II)′において、R
7 およびR9 、ならびにR 10 およびR 12 は、同一でも異
なってもよく、低級アルキル基、アリール基、アルコキ
シ基またはハロゲン化アルキル基、あるいは前記式
(a)または(b)で表わされる基である。この低級ア
ルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロ
ピル基、イソプロピル基、t−ブチル基などが挙げら
れ、アリール基としては、フェニル基などが挙げられ
る。アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エト
キシ基等が挙げられる。ハロゲン化アルキル基として
は、例えば、トリフルオロメチル基等が挙げられる。ま
た、前記式(a)において、R13はアルキル基またはア
リール基であり、このアルキル基としては、例えば、メ
チル基、エチル基等が挙げられ、アリール基としては、
フェニル基などが挙げられる。さらに前記式(b)にお
いて、R14およびR15は同一でも異なってもよく、アル
キル基またはアリール基である。このアルキル基および
アリール基としては、前記R13について例示のものと同
じものが挙げられる。
【0022】またR14とR15は相互に結合して環を形成
していてもよく、環内に酸素原子または窒素原子を含ん
でいてもよい。
【0023】さらに、R7 およびR9 、ならびにR10
よびR12は置換基を有していてもよく、この置換基を有
するR7 またはR9 としては、例えば、メトキシフェニ
ル基等が挙げられる。
【0024】R8 およびR11は、水素原子、ハロゲン原
子、低級アルキル基、アリール基またはアリールアルキ
ル基である。ハロゲン原子としては、例えば、塩素、臭
素、フッ素等が挙げられ、低級アルキル基としては、例
えば、メチル基、エチル基等が挙げられる。アリール基
としては、例えば、フェニル基等が挙げられる。また、
8 およびR 11 は置換基を有していてもよく、この置換
基を有する 8 およびR 11 として、例えば、o−、m−
またはp−メトキシフェニル基、3,4−または3,5
−ジメトキシフェニル基、3,4,5−トリメトキシフ
ェニル基等が挙げられる。
【0025】さらに、またR7 とR8 、およびR11とR
12はそれぞれ相互に結合して環を形成していてもよく、
例えば、R7 とR8 は相互に結合して5員環または6員
環等の環を形成していてもよい。
【0026】この一般式(II)または(II)′で表され
るニッケル化合物の代表例として、下記式(IIA)〜
(IIM)で表される化合物を挙げることができる。
【0027】
【化7】
【0028】
【化8】
【0029】
【化9】
【0030】
【化10】
【0031】本発明の方法において、前記一般式(II)
または(II)′で表わされるニッケル化合物は、1種単
独でも2種以上を組合せて用いてもよい。
【0032】また、このニッケル化合物は、いずれの方
法によって得られたものでもよく、特に限定されない。
また、市販品を用いてもよい。
【0033】このニッケル化合物は、例えば、所望のニ
ッケル化合物に対応するジケトン化合物と、NiS
4 、NiCl2 またはNi(OAc)2 とを用いて、
脱塩法で製造することができる。このようにして得られ
る生成物は、反応溶媒等を除去した後、乾燥してそのま
ま使用してもよい。さらに有機溶媒で抽出した精製物と
して使用してもよいし、減圧下に、昇華精製して使用し
てもよく、またこれらの精製法を組合わせて精製し使用
に供してもよい。
【0034】本発明の方法において、前記一般式(II)
または(II)′で表されるニッケル化合物の使用量は、
通常、出発原料である前記一般式(I)で表される二重
結合含有化合物に対して0.005〜10モル%の割合
であり、特に、エポキシ基含有化合物の収率が高い点
で、0.0096〜4モル%の割合が一般的である。
【0035】本発明の方法においては、イソバレルアル
デヒドの使用量は、出発物質である前記一般式(I)で
表される二重結合含有化合物1モルに対して、通常、1
モル以上、好ましくは1〜10モルが一般的である。
【0036】また、この反応は、溶媒を用いて行うこと
もでき、この場合には、通常は、上記式(II)で表され
る化合物1モルに対して、1〜10モルの上記アルデヒ
ド化合物を、溶媒で希釈して使用することもできる。
【0037】用いられる溶媒としては、反応に対して不
活性な溶媒を使用することができ、このような溶媒の具
体的な例としては、ベンゼン、トルエン、o−、m−ま
たはp−キシレン、メシチレン等の芳香族炭化水素系溶
媒;クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタンの
ようなハロゲン化炭化水素系溶媒;酢酸エチル、酢酸プ
ロピル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒;アセトニトリ
ル、アセトン、ジエチルケトン、THFなどを挙げるこ
とができる。これらの溶媒は単独であるいは組み合わせ
て使用することができる。特に、ジクロロエタンが、エ
ポキシ基含有化合物の収率が高い点で、好ましい。
【0038】本発明の方法で用いられる酸素含有ガス
は、酸素ガス(純酸素)でもよいし、酸素含有窒素ガス
(例えば空気)、酸素含有アルゴンガス等の酸素含有不
活性ガスでもよい。
【0039】酸素含有ガス中の酸素の分圧は、好ましく
は0.1atm 〜10kg/cm2程度、より好ましくは0.2
〜1.0atm程度である。酸素の分圧がこの範囲内にあ
ると、反応速度が速く、反応収率もよい。
【0040】反応温度は、通常、0〜100℃程度であ
り、さらに20〜50℃が、エポキシ基含有化合物の収
率が高くなる点で、好ましい。
【0041】反応圧力は、特に制限されず、常圧で十分
である。
【0042】本発明の方法における反応は、液相中で連
続的に行ってもよいし、回分的に行ってもよい。
【0043】以上の反応によって得られる反応混合物
は、通常、副生物、未反応の出発原料、触媒等を含有す
るため、本発明の目的物であるエポキシ基含有化合物
は、この反応混合物中から分離、精製して得ることがで
きる。用いられる分離方法は、特に制限されず、例え
ば、蒸留、吸着による方法、抽出、再結晶等公知の分離
方法によればよい。
【0044】本発明の方法によって得られるエポキシ基
含有化合物は、例えば、合成中間体、ポリマー原料等の
用途に有用である。
【0045】
【実施例】以下、実施例および比較例により本発明を具
体的に説明するが、本発明は、これらの実施例に限定さ
れるものではない。
【0046】(実施例1、2)各例において、反応容器
に、表1に示す二重結合含有化合物2.5mmol、イ
ソバレルアルデヒド15.0mmol、Ni(dmp)
2 0.0075mmol(二重結合含有化合物に対して
0.3mol%)、および1,2−ジクロロエタン1
0.0mlを仕込んだ。次いで、反応容器内に1atm
の酸素ガスを充填し、室温で表1に示す時間、反応させ
た。反応終了後、得られた反応混合物をガスクロマトグ
ラフィーにかけて分析し、生成物であるエポキシ基含有
化合物の同定、およびその収率、並びに触媒(Ni(d
mp)2 )当りの収率を求めた。結果を表1に示す。
【0047】(比較例1)反応容器に、1−デセン0.
01mol、イソブチルアルデヒド0.06mol、N
i(dmp)2 0.018mmol、および1,2−ジ
クロロエタン30.0mlを仕込んだ。次いで、反応容
器内に1atmの酸素ガスを充填し、室温で12時間、
攪拌しながら反応させた。反応終了後、得られた反応混
合物を飽和炭酸水素ナトリウム溶液、飽和食塩水で順次
洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。次い
で、減圧下に溶媒を留去し、得られた油状物をシリカゲ
ルカラムクロマトグラフィー(溶離液:ヘキサン/酢酸
エチルの混合液)で精製したところ、無色油状物1.8
9gが得られた。この無色油状物をガスクロマトグラフ
ィーにかけて分析し、得られたエポキシ基含有化合物を
同定し、またその収率を求めた。結果を表1に示す。
【0048】
【表1】
【0049】(実施例3)反応容器に、安息香酸3−メ
チル−2−ブテニル570mg(3.0mmol)とイ
ソバレルアルデヒド1550mg(18.0mmo
l)、1,2−ジクロロエタン10ml、およびNi
(dmp)2 4mg(0.006mmol)(安息香酸
3−メチル−2−ブテニルに対して0.2mol%)を
仕込んだ。次いで、反応容器内に1atmの酸素ガスを
充填し、室温で20時間、攪拌しながら反応させた。反
応終了後、得られた反応混合物を減圧下に濃縮し、得ら
れた油状物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶
離液:ヘキサン/酢酸エチルの混合液)で精製したとこ
ろ、無色油状物597mgが得られた。この無色油状物
を分析したところ、安息香酸2,3−エポキシ−3−メ
チルブチルであることが確認された。また、収率は97
%であった。また触媒当りの収率(%)を表2に示す。
【0050】(実施例4〜6)各例において、反応容器
に、表1に示すアリルエステル化合物2.5mmol、
イソバレルアルデヒド15.0mmol、Ni(dm
p)2 0.0075mmol(アリルエステル化合物に
対して0.3mol%)、および1,2−ジクロロエタ
ン10.0mlを仕込んだ。次いで、反応容器内に1a
tmの酸素ガスを充填し、室温で表1に示す時間、反応
させた。反応終了後、得られた反応混合物をガスクロマ
トグラフィーにかけて分析し、生成物であるエポキシ基
含有化合物の同定、およびその収率を求めた。結果を表
1に示す。
【0051】(比較例2)イソバレルアルデヒドの代わ
りに、イソブチルアルデヒド18.0mmolを用いた
以外は、実施例4と同様にして反応させ、得られたエポ
キシ基含有化合物を同定し、またその収率を求めた。結
果を表2に示す。
【0052】(比較例3、4)各例において、アリルエ
ステル化合物として表2に示す化合物を用い、さらにイ
ソバレルアルデヒドの代わりに、イソブチルアルデヒド
18.0mmolを用いた以外は、実施例4と同様にし
て反応させ、得られたエポキシ基含有化合物を同定し、
またその収率を求めた。結果を表2に示す。
【0053】
【表2】
【0054】
【発明の効果】本発明の方法によれば、特定の構造のニ
ッケル化合物を触媒として用いる新規な反応により、エ
ポキシ基含有化合物を得ることができる。この反応は、
従来のこの種のエポキシ基含有化合物の製造に適用され
てきた反応に比して、反応温度および反応圧力等におい
て穏やかな反応条件で行なうことができ、しかも出発原
料である二重結合含有化合物の転化率および得られるエ
ポキシ基含有化合物の収率を高水準で行なうことがで
き、また、使用するニッケル化合物も少量でよく、工業
的に有利である。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−77479(JP,A) 特開 平3−246288(JP,A) 特開 平4−342598(JP,A) 特開 昭47−39015(JP,A) 特開 昭47−39016(JP,A) 特開 平5−32648(JP,A) 特許2911192(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07D 301/00 - 301/06 CA(STN)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(I−a)または(I−b): H2 C=CH(R1 ) (I−a) [式中、R1 は直鎖または分岐状のアルキル基、もしく
    はアリール基であり、置換基を有していてもよい〕 【化1】 [式中、R2 およびR3 は同一でも異なってもよく、水
    素原子、置換または非置換のアルキル基もしくはアリー
    ル基であり、R4 は水素原子、アルキル基またはアリー
    ル基であり、R5 はアルキル基またはアリール基であ
    る〕で表される二重結合含有化合物を、 一般式(II)または(II)′: 【化2】 [式(II)および(II)′中、R7 およびR9 、ならび
    にR10およびR12は同一でも異なってもよく、低級アル
    キル基、アリール基、アルコキシ基またはハロゲン化ア
    ルキル基、あるいは下記式(a): −COOR13 (a) (ここで、R13はアルキル基またはアリール基である)
    もしくは下記式(b): −CONR1415 (b) (ここで、R14およびR15は同一でも異なってもよく、
    アルキル基またはアリール基であり、R14とR15は相互
    に結合して環を形成していてもよく、内に酸素原子ま
    たは窒素原子を含んでいてもよい)で表わされる基であ
    り、置換基を有していてもよく、R8 およびR11は、水
    素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基、アリール基ま
    たはアリールアルキル基であり、置換基を有していても
    よく、またR7 とR8 、およびR11とR12はそれぞれ相
    互に結合して環を形成していてもよい]で表されるニッ
    ケル化合物から選ばれる少なくとも1種と、イソバレル
    アルデヒドとの存在下に、酸素含有ガスと反応させる工
    程を含む、 一般式(IV−a)または(IV−b): 【化3】 [R1 〜R5 は前記一般式(I−a)または(I−b)
    において定義したとおりである]で表されるエポキシ基
    含有化合物の製造方法。
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CN1092190C (zh) * 1997-06-25 2002-10-09 中国科学院大连化学物理研究所 一种烯烃用分子氧催化氧化制环氧化合物的反应方法

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