JPH08199147A - ラミネート用接着剤組成物およびそれを用いた金属板ラミネート用フィルム - Google Patents

ラミネート用接着剤組成物およびそれを用いた金属板ラミネート用フィルム

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JPH08199147A
JPH08199147A JP3022495A JP3022495A JPH08199147A JP H08199147 A JPH08199147 A JP H08199147A JP 3022495 A JP3022495 A JP 3022495A JP 3022495 A JP3022495 A JP 3022495A JP H08199147 A JPH08199147 A JP H08199147A
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weight
film
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metal plate
adhesive
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JP3022495A
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Hiroshi Fukushima
洋 福島
Kosei Okada
孝生 岡田
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ポリエステルフィルムラミネート缶製造用接
着剤であり、ポリエステルフィルム面に塗工した状態で
表面タックフリーとなり、接着剤塗布ポリエステルフィ
ルムを巻き取り貯蔵可能な接着剤を得ること。 【構成】 重量平均分子量 5,000〜50,000、Tgが45℃〜
80℃のポリエステルとエポキシ樹脂、および、ブロック
フリーポリイソシアネートよりなるラミネート金属板作
成用接着剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリエステルフィルム
を金属板にラミネートする際に用いる熱硬化型接着剤組
成物、および、該接着剤組成物を用いた金属板ラミネー
トフィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、製缶工業においては、製缶後の金
属板表面に缶内面、外面ともに溶剤系塗料あるいは水系
塗料による塗装が行われてきた。しかし、缶外面の塗装
は美装性等を確保する上で複数回の塗装が必要であり、
製造ラインが長大なものとならざるを得ず、また、缶塗
装時の溶剤乾燥のために使用するエネルギーが膨大とな
るなどの難点が指摘されている。このような難点のない
製缶法として、ポリエステルフィルムを金属板にラミネ
ートするという技術が開発されている。ポリエステルフ
ィルムを金属板に熱融着にてラミネートする発明が特開
平3−212433号公報に示されており、また、ポリ
エステルフィルムと金属板とを熱硬化型接着剤を用いて
ラミネートする発明が特開平4−266984号公報に
示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ポリエステルフィルム
を熱融着法にて金属板にラミネートする場合ポリエステ
ルフィルムの接着性能が、用いる金属板の表面処理条件
やラミネート条件の影響を大きく受けるため、両者のラ
ミネート工程の精密な工程管理が必要であり、この管理
条件の振れによっては、剥離しやすいラミネート板が生
ずるという難点がある。また、熱硬化型の接着剤を用
い、ポリエステルフィルムと金属板とをラミネートする
場合には、製缶工程の高速製造ラインに対応した接着剤
を硬化させるための設備と、短時間で硬化する接着剤と
が必要であるため、硬化時間の長さに比例して、設備投
資、工場スペース、使用エネルギー量などが大きくな
り、コスト負担が大きくなる。
【0004】このような難点のない短時間硬化型接着剤
を用いたラミネート製缶法としては、ブロックイソシア
ネートを接着剤として用いたものがあり、例えば、特開
平4−266984号公報にはTgが−30℃〜40℃のブロ
ック共重合ポリエステル樹脂と、ブロックイソシアネー
トおよび必要によりエポキシ樹脂を配合した熱ラミネー
ト用接着剤組成物を用いることにより、短時間で耐沸水
性に優れたポリエステルフィルムラミネート金属板を得
る発明が開示されている。
【0005】ところが、この発明では、ポリエステルフ
ィルム上に塗布、乾燥した接着剤層がタックフリーにな
らないため、接着剤塗布後のポリエステルフィルムを巻
き取り保管することができないという欠点があった。
【0006】フィルムラミネート缶の製造の際には、ラ
ミネート時の両者の位置合わせの精度向上や、接着剤ラ
ミネートフィルムの在庫の調整の点などから、接着剤塗
布後のフィルムを巻き取り保管できることは極めて重要
である。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記の課
題を解決するために、接着剤塗布乾燥後のポリエステル
フィルム巻き取り保管時の耐ブロッキング性と可撓性を
併せ持つポリエステルポリマーと、金属板に対する密着
性が良く、架橋し凝集力を発揮するエポキシ樹脂と、ポ
リエステルフィルム基材表面の活性水素基や、エポキシ
樹脂の水酸基やグリシジル基と反応するブロックフリー
イソシアネートからなる接着剤組成物が、短時間の加熱
で硬化可能で、かつ、ポリエステルフィルムと金属板間
の接着性に優れ、ラミネート金属板の缶への加工後の耐
レトルト性にも優れた接着剤組成物であり、さらにポリ
エステルフィルムに塗布して乾燥した当該接着剤層は、
タックフリーな状態で巻き取り保管が可能なことを見い
だし、本発明を完成した。
【0008】すなわち、本発明は、(A) 重量平均分子量
5,000〜50,000の範囲にあり、Tgが45℃〜80℃の範囲に
あるポリエステルポリマー20〜80重量部、(B) 重量平均
分子量 500〜6,000 の範囲にあるエポキシ樹脂10〜70重
量部、(C) ブロックフリーイソシアネート1〜40重量
部、(ただし、(A) 、(B) 、(C) 成分の合計 100重量
部)からなることを特徴とする熱硬化型ラミネート用接
着剤組成物である。
【0009】以下、本発明の接着剤組成物について、よ
り詳細に説明する。
【0010】(A) 成分について ポリエステルポリマーは、重量平均分子量が 5,000〜5
0,000の範囲にあるものが用いられる。重量平均分子量
が 5,000未満のポリエステルポリマーを含む接着剤組成
物は、硬化した接着剤層の硬化時の凝集力が低く、接着
性良好なラミネート缶を作ることが難しく、一方、重量
平均分子量が50,000を越えるポリエステルポリマーを含
む接着剤組成物は、粘度が高すぎてその塗工作業性が低
下するので好ましくない。
【0011】また、Tgが45℃未満のポリエステルポリマ
ーを含む接着剤組成物は、乾燥後の接着剤層がタックフ
リーになり難く、Tgが80℃を越えるポリエステルポリマ
ーを含む接着剤組成物は、高温でのラミネートが必要と
なり工業的に好ましくない。
【0012】(A) 成分であるポリエステルポリマーは、
多塩基酸と多価アルコールの縮合物である。ここで用い
うる多塩基酸の具体例としては、フタル酸、イソフタル
酸、テレフタル酸等の芳香族多塩基酸、ジヒドロフタル
酸、テトラヒドロフタル酸、シクロヘキサンジカルボン
酸等の脂環式多塩基酸、コハク酸、アジピン酸、スベリ
ン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジオイック
酸等の脂肪族多塩基酸、マレイン酸、フマル酸、イタコ
ン酸等の不飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸から誘導されたダ
イマー酸等や、上記脂肪酸の無水物や低級エステル類が
挙げられる。
【0013】また、用いうる多価アルコールの具体例と
しては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、
トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プ
ロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,2-ブ
タンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオー
ル、ポリブチレングリコール、1,3-ペンタンジオール、
ネオペンチルグリコール、1,6-ヘキサンジオール、シク
ロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、ビ
スフェノールA、水添ビスフェノールA、ビスフェノー
ルAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAの
プロピレンオキサイド付加物等が挙げられる。
【0014】ポリエステルの製造方法は、従来から公知
の方法を用いればよく、例えば、前記の多塩基酸と多価
アルコールとを反応容器中で 200〜250 ℃で重縮合させ
ることによって得ることができる。
【0015】(A) 成分の使用割合は、本発明の接着剤組
成物 100重量部中20〜80重量部、好ましくは、30〜70重
量部である。(A) 成分の使用量が20重量部未満の接着剤
組成物は、得られるラミネート金属板の加工性が不足す
る。また、(A) 成分の使用量が80重量部を越える接着剤
組成物を使用して得たラミネート金属板は、缶へ加工後
のレトルト処理でポリエステルフィルムが缶より剥離す
る傾向が認められるので好ましくない。
【0016】(B) 成分について (B) 成分であるエポキシ樹脂は重量平均分子量 500〜6,
000 、好ましくは 700〜4,000 の範囲にあるものを用い
るのがよい。重量平均分子量が 500未満のエポキシ樹脂
を含む接着剤組成物では、硬化した接着剤層の可撓性が
不足するため好ましくない。一方、重量平均分子量が
6,000を越えるエポキシ樹脂は融点が高いため、これを
含む接着剤組成物のラミネート温度を非常に高温にする
必要があり、工業的に不利である。
【0017】(B) 成分であるエポキシ樹脂としては、可
撓性、耐熱性等の点からビスフェノールA型のエポキシ
樹脂が好ましい。
【0018】(B) 成分の使用割合は、本発明の接着剤組
成物 100重量部中10〜70重量部、好ましくは、15〜65重
量部である。(B) 成分の使用量が10重量部未満なる接着
剤組成物では、その硬化後の架橋が不十分なため凝集力
が不足し、ポリエステルフィルムラミネート金属板の缶
への加工後のレトルト処理でフィルムが缶面より剥離す
る傾向があり好ましくない。(B) 成分の使用量が70重量
部を越えた接着剤組成物は、硬化した接着剤層の可撓性
が不足し、ラミネート金属板の缶への加工後のポリエス
テルフィルムと缶面との接着性が低下する。
【0019】(C) 成分について (C) 成分として用いるブロックフリーイソシアネートと
は、ウレトジオン環を持つポリイソシアネートの多量体
である。このウレトジオン環は、加熱によって解離しイ
ソシアネート基を再生する。
【0020】従来用いられてきたブロックイソシアネー
トは、その加熱時に解離し、イソシアネート基を再生す
る際にブロック剤が揮発成分として発生し、その処理に
困難を伴うのに対し、本発明で用いるブロックフリーイ
ソシアネートはウレトジオン環の解離の際には、揮発成
分は全く発生せず、硬化物は非ブロック化ポリイソシア
ネートの硬化物と同等の性能を示す。
【0021】ブロックフリーイソシアネートは低温での
解離性と貯蔵安定性とを両立し、また、常温で固体であ
る分子量のものを用いることによって、本発明の接着剤
組成物をポリエステルフィルムに塗布し乾燥した後の接
着剤層がタックフリーとなり、該フィルムの巻き取り保
管が可能となるのである。
【0022】ブロックフリーイソシアネートが解離した
際に再生するイソシアネート基は、(A) 成分であるポリ
エステルポリマーの末端の官能基や(B) 成分であるエポ
キシ樹脂中のグリシジル基や水酸基と反応して架橋する
ほか、基材であるポリエステルフィルム表面の活性水素
を持つ官能基と反応し、本発明の接着剤組成物の基材に
対する強い接着力を発揮する。
【0023】(C) 成分であるブロックフリーイソシアネ
ートの具体例としては、VESTAGON BF1540 (ヒュルス社
製)等を挙げることができる。
【0024】(C) 成分の使用割合は、本発明の接着剤組
成物 100重量部中1〜40重量部、好ましくは5〜35重量
部の割合である。(C) 成分の含有量が1重量部未満の接
着剤組成物は、イソシアネート基と基材表面の官能基と
の反応が不十分なため、ポリエステルフィルムラミネー
ト金属板の缶への加工後のレトルト処理で、該フィルム
が缶面より剥離してしまう。一方、(C) 成分の含有量が
40重量部を越える接着剤組成物は、その耐水性が低く、
該接着剤組成物を用いて作ったフィルムラミネート金属
板の缶への加工後のレトルト処理で、該フィルムが缶面
より剥離しやすくなる。
【0025】本発明の接着剤組成物には、アミン類、ジ
カルボン酸、ポリフェノール等のエポキシ樹脂の硬化剤
を本発明の効果を損なわない範囲で配合してもよい。ま
た、ジブチルチンジラウリレート等のイソシアネート硬
化触媒を配合してもよい。
【0026】本発明の接着剤組成物には、塗布時の作業
性を上げる目的でアセトン、メチルエチルケトン、メチ
ルイソブチルケトン、酢酸エチル、酢酸ブチル、トルエ
ン、エタノール等の溶剤が含まれてもよい。また、酸化
チタン、シリカ等の顔料を配合してもよい。
【0027】本発明の接着剤組成物を塗布する基材であ
るポリエステルフィルムとしては、コロナ放電処理等の
表面処理がなされた、延伸または未延伸のポリエチレン
テレフタレートフィルムを用いることが好ましい。
【0028】また、本発明の接着剤組成物を塗布、乾燥
したポリエステルフィルムをラミネートする金属板とし
ては、熱延鋼板、冷延鋼板、ブリキ、およびチンフリー
スチール、チンニッケルスチール、亜鉛メッキ鋼板、ニ
ッケルメッキ鋼板等の各種メッキ鋼板、ステンレス鋼
板、アルミニウム鋼板等の金属板が好ましく、必要に応
じて各種表面処理ならびにプライマー処理がなされるの
がより好ましい。
【0029】本発明の接着剤組成物を使用する際には、
接着剤組成物をロールコーター、ナイフコーター、グラ
ビア印刷、スプレー塗装等の通常の塗装方法で、ポリエ
ステルフィルムに膜厚 0.5〜10μm程度になるように塗
布し、必要に応じて希釈溶剤を乾燥除去する。接着剤層
はタックフリーとなり、巻き取り保管可能である。接着
剤を塗布、乾燥したポリエステルフィルムは接着剤層面
を金属板に当接させ加熱加圧ロールを用いてラミネート
することでポリエステルフィルムラミネート金属板を得
ることができる。
【0030】本発明の接着剤組成物の特性を十分に引き
出すためには、得られたポリエステルフィルムラミネー
ト金属板を加熱処理することがより好ましい。例えば、
3ピース缶では缶胴部の溶接や、溶接跡の上塗り塗料の
硬化の際に加熱処理が必要であり、この熱を利用すれば
本発明の接着剤組成物は十分な性能を発揮する。
【0031】
【実施例】以下に実施例および比較例を掲げ、本発明を
さらに詳しく説明する。なお、化合物の略号および表中
の略号は次の通りである。 PE 1 :テレフタル酸(6モル)、イソフタル酸(4モ
ル)、エチレングリコール( 2.5モル)、ネオペンチル
グリコール(6モル)、シクロヘキサンジメタノール
( 2.5モル)の割合で仕込んで得られたTgが55℃、重量
平均分子量35,000のポリエステルポリマー PE 2 :テレフタル酸( 3.5モル)、イソフタル酸(6
モル)、セバシン酸(0.5モル)、エチレングリコール
(6モル)、ネオペンチルグリコール(6モル)の割合
で仕込んで得られたTgが55℃、重量平均分子量40,000の
ポリエステルポリマー PE 3 :テレフタル酸( 4.5モル)、イソフタル酸(4
モル)、セバシン酸(1.5モル)、エチレングリコール
( 4.5モル)、ネオペンチルグリコール(6モル)、ジ
エチレングリコール( 0.5モル)、トリエチレングリコ
ール(1モル)の割合で仕込んで得られたTgが20℃、重
量平均分子量30,000のポリエステルポリマー PE 4 :テレフタル酸( 5.5モル)、イソフタル酸(
4.5モル)、エチレングリコール( 4.5モル)、ネオペ
ンチルグリコール(5モル)、ビスフェノールAのエチ
レンオキサイド付加物( 1.5モル)の割合で仕込んで得
られたTgが55℃、重量平均分子量 3,000のポリエステル
ポリマー EP 1 :エピコート 1001 (油化シェル社製)重量平均
分子量 900 EP 2 :エピコート 1009 (油化シェル社製)重量平均
分子量 3,800 EP 3 :エピコート 828 (油化シェル社製)重量平均
分子量 380 BF 1 :VESTAGON BF1540 (ヒュルス社製)ブロックイ
ソシアネート B 11 :VESTANAT B1358A (ヒュルス社製)ブロックイ
ソシアネート B 12 :コロネート 2513 (日本ポリウレタン社製)ブ
ロックイソシアネート
【0032】
【実施例1】 (1) ポリエステルポリマー PE 1 の合成 ジメチルテレフタレート 466.1g、ジメチルイソフタレ
ート 310.7g、エチレングリコール62.1g、ネオペンチ
ルグリコール 104.2g、シクロヘキサンジメタノール 1
44.2gおよびエステル交換触媒として酢酸亜鉛二水和物
0.5gを2リットル4つ口フラスコに仕込み、窒素気流
下攪拌しながら 160〜200 ℃に加熱し、メタノールを溜
出させながらエステル交換を行った。メタノールの溜出
が止まった時点で三酸化アンチモン 1.0gを加え、 250
℃に昇温し、10mmHg減圧下重縮合させ、重量平均分子量
35,000のポリエステルポリマー PE 1 を得た。
【0033】(2) 接着剤組成物の調製 ポリエステルポリマー PE 1 を50重量部、エポキシ樹脂
EP 1 を30重量部、ブロックフリーイソシアネート BF
1 を20重量部、およびイソシアネート硬化触媒としてジ
ブチルチンジラウリレート 0.5重量部を、メチルエチル
ケトンで希釈し、固形分25重量%の接着剤組成物を得
た。
【0034】(3) ポリエステルフィルムと金属板の接着 厚さ12μmのコロナ放電処理ポリエステルフィルム上に
バーコーターを用いて接着剤組成物を溶剤乾燥後の厚さ
2μmになるように塗布した。 100℃、20秒間、乾燥炉
中で溶剤を乾燥しラミネート用ポリエステルフィルムを
得た。続いて、加熱加圧ロールを用いてロール温度 150
℃、ロール圧力4Kg/cm2 の条件でチンフリースチール
に該ポリエステルフィルムをラミネートした。次に、 2
00℃、1分間加熱処理をし、ポリエステルフィルムラミ
ネート金属板を得た。このフィルムラミネート金属板を
下記の試験方法で評価し、その結果を表1に示した。
【0035】[評価方法] 碁盤目剥離試験:JIS K 5400 に基づいて行った。 加工性 :ポリエステルフィルムラミネート金属
板のフィルム側から、金属板に達するようにカッターで
5cm長の切り込みをX状に入れ、切り込みの交点を裏側
からエリクセン試験機(JIS B7729)を用いて6mm押し
込み、該フィルムの接着性を評価した。 ○:剥離しない。 ×:交点から剥離する。 耐熱性 :加工性試験後の試験片の耐熱性試験
( 125℃、30分間)で、加熱処理後のポリエステルフィ
ルムの接着性を評価した。 ○:剥離しない。 ×:交点から花びら状にめくれ上がって剥離する。ある
いは、周辺部分がテント張り状に剥離する。 耐レトルト性 :加工性試験後の試験片のプレッシャー
クッカー試験( 125℃、30分間)で、レトルト処理後の
ポリエステルフィルムの接着性を評価した。 ○:剥離しない。 ×:交点から花びら状にめくれ上がって剥離する。ある
いは、周辺部分がテント張り状に剥離する。 タック :乾燥後の接着剤塗布フィルムを接着剤
層を内側にして折りたたみ、3kgf/cm2 の荷重をかけて
50℃で24時間保持した後、フィルムをほどいた際のブロ
ッキングの有無を目視で判定した。 ○:ブロッキングなし(タックフリー)。 ×:ブロッキングあり。
【0036】
【実施例2〜12、比較例1〜12】接着剤組成物の配合を
表1に示す以外は、実施例1と同様にしてポリエステル
フィルムラミネート金属板を作成し、その評価結果を表
1に併記した。
【0037】実施例1〜12に示すように、2種類のポリ
エステルポリマー、2種類のエポキシ樹脂のいずれの組
み合わせを用いても、本発明の範囲内では良好な接着性
を示す。
【0038】比較例1、2に示すように、(C) 成分のブ
ロックフリーイソシアネートを使用しない場合は、碁盤
目剥離試験ならびに加工性は良好であるが、加工後の耐
熱性試験ならびに耐レトルト性試験において、試験片周
辺部のポリエステルフィルム−接着剤界面がテント張り
状に剥離した。
【0039】比較例3、4に示すように、(A) 成分のポ
リエステルポリマーの使用量が80重量部を越えるかある
いは、(B) 成分のエポキシ樹脂の使用量が10重量部未満
では凝集力が不足し、加工後の耐熱性試験および耐レト
ルト性試験において、試験片周辺部が凝集破壊し、テン
ト張り状に剥離した。
【0040】比較例5、6に示すように、(A) 成分のポ
リエステルポリマーの使用量が20重量部未満かあるい
は、(B) 成分のエポキシ樹脂の使用量が70重量部を越え
ると、加工性が低下し、加工性試験で基材金属板−接着
剤界面で剥離する。
【0041】比較例7に示すように、(C) 成分のブロッ
クフリーイソシアネートの使用量が30重量部を越える
と、碁盤目剥離試験、加工性、ならびに加工後の耐熱性
は良好であるが、加工後の耐レトルト性試験で接着剤層
が吸湿し、接着剤層の凝集破壊か、あるいは、基材金属
板−接着剤界面で剥離する。
【0042】比較例8、9に示すように、(C) 成分のブ
ロックフリーイソシアネートの代わりにブロックイソシ
アネートを用いると、碁盤目剥離試験、加工性、ならび
に加工後の耐熱性は良好であるが、加工後の耐レトルト
性試験で凝集力が低下し、凝集破壊してテント張り状に
剥離する。これは、解離したブロック剤が接着剤層中に
残り、耐レトルト性に悪影響を及ぼすためと思われる。
また、ブロックイソシアネートを用いた場合では、乾燥
後の接着剤層がタックフリーにならない。
【0043】比較例10に示すように、(B) 成分のエポキ
シ樹脂の重量平均分子量が 500未満では、可撓性が不足
し、加工後の耐熱性試験ならびに耐レトルト性試験で接
着剤層の凝集破壊か、あるいは、基材金属板−接着剤界
面で剥離する。
【0044】比較例11に示すように、(A) 成分のポリエ
ステルポリマーのTgが45℃未満では接着性は良好である
が、乾燥後の接着剤層がタックフリーにならない。
【0045】比較例12に示すように、(A) 成分のポリエ
ステルポリマーの重量平均分子量が5,000未満では凝集
力が不足し、加工後の耐熱性試験ならびに耐レトルト性
試験で接着剤層の凝集破壊か、あるいは、基材金属板−
接着剤界面で剥離する。
【0046】
【発明の効果】本発明の接着剤は、接着性、加工後の接
着性、レトルト処理後の接着性に優れた、短時間の加熱
で硬化するポリエステルフィルムラミネート用接着剤で
あり、本発明の接着剤を用いることにより、接着剤塗布
フィルムがタックフリーとなり、巻き取り保管が可能
で、ポリエステルフィルムラミネート金属板の製造を短
時間、かつ、使用エネルギー量を低減させて、しかも高
速で行うことができる。
【表1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09J 7/02 JKA JKZ JLA 163/00 JFP 167/00 JFR

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A) 重量平均分子量 5,000〜50,000の範
    囲にあり、ガラス転移温度(Tg)が45℃〜80℃の範囲に
    あるポリエステルポリマー20〜80重量部、(B) 重量平均
    分子量 500〜6,000 の範囲にあるエポキシ樹脂10〜70重
    量部、(C) ブロックフリーイソシアネート1〜40重量
    部、(ただし、(A) 、(B) 、(C) 成分の合計 100重量
    部)からなることを特徴とする熱硬化型ラミネート用接
    着剤組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の接着剤組成物をポリエス
    テルフィルムに塗布し、接着剤面をタックフリーとした
    状態で巻き取った金属板ラミネート用フィルム。
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Cited By (11)

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