JPH0819737B2 - 縦葺き屋根構造 - Google Patents

縦葺き屋根構造

Info

Publication number
JPH0819737B2
JPH0819737B2 JP5317455A JP31745593A JPH0819737B2 JP H0819737 B2 JPH0819737 B2 JP H0819737B2 JP 5317455 A JP5317455 A JP 5317455A JP 31745593 A JP31745593 A JP 31745593A JP H0819737 B2 JPH0819737 B2 JP H0819737B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
roof
roof plate
suspension
plate
engaging
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP5317455A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH07150701A (ja
Inventor
忠昭 奥村
Original Assignee
元旦ビューティ工業株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 元旦ビューティ工業株式会社 filed Critical 元旦ビューティ工業株式会社
Priority to JP5317455A priority Critical patent/JPH0819737B2/ja
Publication of JPH07150701A publication Critical patent/JPH07150701A/ja
Publication of JPH0819737B2 publication Critical patent/JPH0819737B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Roof Covering Using Slabs Or Stiff Sheets (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、軒棟方向に定尺な金
属鋼板製の縦葺き屋根板を用いた縦葺き屋根構造に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】従来のこの種の縦葺き屋根構造として、
図6に示したようなものが知られている。図中1は屋根
下地、2は前記屋根下地1上に流れ方向に沿って配設さ
れた樋部材、3は前記樋部材2を跨ぐように屋根下地1
上に配設された吊子、4はこの吊子3により固定される
屋根板、5は隣接する屋根板4,4間の接合部に嵌装さ
れるカバー部材、6は屋根下地1と屋根板4との間に介
装される断熱あるいは防音機能等をもった内層材、7は
屋根板24の裏面に貼着された発泡ポリエチレンをそれ
ぞれ示している。
【0003】屋根板4は、金属製の薄板材により軒棟方
向に定尺な縦葺き用の屋根板として構成されており、そ
の側縁部(母屋方向の両端部)には前記カバー部材5の
上面部を収めて屋根面と面一にするための段付部4aが
形成されると共に、この段付部4aの端部から垂下され
た側縁部4bの下端部を内側に折り返して係合端部4c
が形成されている。
【0004】一方、吊子3の上面中央部には前記屋根板
係合部4cと係合する斜め下方向きの係合爪部3aが対
向的に形成されており、この一対の係合爪部3a,3a
に隣接する屋根板4,4のそれぞれの係合端部4c,4
cを係合させたうえで、各々の側縁部4b,4b間にカ
バー部材5の脚部5aを挿入し、その下端の左右の突起
部5b,5bを係合端部4c,4cの下端部に係止する
ことにより、屋根板4,4を、これらの間に位置するよ
うに配設した吊子3を介して屋根下地1上に固定するよ
うにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
従来の縦葺き屋根構造によると、吊子3、屋根板4、カ
バー部材5が相互にスプリングバック(弾性力)により
係合する構造となっているが、隣接する吊子3間の取付
間隔の誤差、屋根板4の成型時の誤差等があった場合に
は、屋根板4の係合されるべき間隔が正規の寸法からず
れて係合しにくくなったり、著しくは係合できないとい
う不具合が生じる。
【0006】具体的には、例えば、吊子3の取付間隔が
屋根板4の幅よりも大きい場合には屋根板4の幅が相対
的に不足することになり、従ってその係合端部4cを吊
子3の係合爪部3aに係合させることができなくなる。
また、その反対に吊子3の取付間隔が屋根板4の幅より
も小さい場合には屋根板4の幅が相対的に余ることにな
り、従ってその係合端部4cと吊子3の係合爪部3aと
を充分な係合状態にできず、仮にそのまま無理にカバー
部材5を装着したとすると、前記の余剰幅分だけ屋根板
4の平面度に影響が及び意匠上好ましくない。
【0007】また、このような誤差による問題点はカバ
ー部材5についても同様であり、すなわち桁行き方向に
隣接する屋根板4,4の側縁部4b,4b間に嵌装され
るカバー部材5は前記側縁部4b,4bの間隔が規定値
に保たれていないと確実な係合を行うことができず、特
に屋根板4が正しく吊子3に係合していない場合にはカ
バー部材5の取付状態も一層不安定となる。
【0008】一方、屋根板部材4やカバー部材5のよう
に薄い金属板材を曲げ形成して作られる部材では成型時
にねじれが生じやすいが、このようなねじれは吊子3等
への係合強度に依存して矯正するようにしている。従っ
て、前述したような吊子3の取付間隔や屋根板4の寸法
に誤差があって確実な係合状態をもたせられない場合に
は、こうしたねじれを充分に矯正できないことになる。
また、誤差を吸収するために係合状態に余裕をもたせた
場合にも、それだけ係合関係が緩くなることになるの
で、ねじれを充分に矯正することができなくなる。
【0009】この発明はこのような従来の問題点に着目
してなされたもので、屋根板の寸法誤差や吊子の取付間
隔の誤差に影響されることなく確実に屋根板を屋根下地
上に固定でき、かつ屋根板やカバー部材に製造上生じる
ねじれ変形を施工時に確実に矯正することのできる縦葺
き屋根構造を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段とその作用】前記した課題
を解決するために、この発明は、下地上に、左右の側縁
に内側壁部と外側壁部と底面部とを有する樋部を形成し
た縦葺き屋根板を吊子部材によって固定する縦葺き屋根
構造であって、前記吊子部材は、少なくとも下地への固
定部を備えた下部材と、前記下部材に固着するととも
に、前記縦葺き屋根板の樋部底面部に当接する押圧部を
備えた上部材とからなり、左右に隣接する縦葺き屋根板
を、その各樋部が対向するように配設するとともに、前
記樋部の内側壁部がその内側、外側の両方向に亘り他部
材によって干渉されない空間を留保して前記下部材と係
合し、しかも、この下部材に上部材を固着させて前記屋
根板を固定するようにしたものである。
【0011】このような構成によれば、屋根板はその樋
部底面部が吊子の下部材と上部材の押圧部との間に挟持
される態様にて保持されるので、確実かつ強固に安定し
た保持が行える。さらに、内側壁部の内外には他部材と
干渉する部分がなく、したがってこの内側壁部の曲げ角
度や曲げ位置の誤差に原因する屋根板寸法の誤差や吊子
の取付間隔の誤差にかかわらず、屋根板は吊子に確実に
固定され、従って仮に屋根板にねじれがあってもこれが
確実に矯正される。
【0012】ところで、上記構成において、吊子の下部
材に、屋根板の樋部に係合する係合部を備えることによ
り、この係合部が屋根板の浮き上がりを抑えるので、上
部材を固着するまでの強風等による屋根板の外れや飛散
を防止して作業性の改善が図れる。また、上部材を固着
した後には、上部材の押圧部による屋根板の押圧と下部
材との係合によって屋根板の結合強度が強固で負圧等に
対して優れたものとなる。
【0013】また、吊子の上部材に、屋根板の外側壁部
を保持する保持部を設けたものとすることにより、この
保持部が外側壁部を保持する作用により、押圧部による
屋根板の固定機能がそれだけ強化され、屋根板の固定強
度がいっそう向上する。さらに、この保持部を備えた構
成において、屋根板の外側壁部の上端に内側向きの折り
返し部を形成すると共に、上部材の保持部に前記折り返
し部に対向するように規制片を形成して、これら折り返
し部と規制片との係合を図ることにより、屋根板の固定
はさらに強固なものとなり、強風下での風圧の作用に対
する信頼性がさらに向上する。
【0014】さらに、この発明では、吊子の上部材に、
隣接する屋根板の接合部間を上面から覆うカバー部材を
備えたものとすることができる。この場合、カバー部材
は屋根板の取付状態に影響されることなく直接に上部材
に係合固定することができるので、寸法誤差に原因する
取付不良等を回避して、強固な取付が可能であり、従っ
てまたねじれの矯正も確実に行われる。
【0015】
【実施例】以下、この発明の実施例を添付図面を参照し
ながら詳細に説明する。
【0016】図1において、11は屋根の下地である。
この下地11は、例えば図示しないC型鋼材からなる母
屋材上に敷設された木毛板などの野地材12及びアスフ
ァルトルーフィング等の防水材13から構成されてい
る。
【0017】前記下地11上には、それぞれアルミニウ
ム合金、硬質樹脂などの押出型材で形成された下部材2
1及び上部材22からなる吊子20が、ビスやボルト等
の固定具を介して、屋根の流れ方向に沿って配設されて
いる。
【0018】前記下部材21は、図示したように、前記
下地11上に載置されて固定される平坦な固定部21a
の左右端部にそれぞれ側壁部21bを立ち上げると共
に、中央部に一対の係合壁部21c,21cが起立形成
されている。また、前記係合壁部21c,21cには、
それぞれの対向面に係合爪21d,21dが形成される
と共に、上端外側向きに係合部21e,21eが形成さ
れている。
【0019】一方、前記吊子上部材22は、下部材21
と略等幅の平坦な上面部22aの下面に、下部材固定部
21aの側壁部21bと係合壁部21cとの間に臨むよ
うに斜め外側方向に延びる一対の押圧部22b,22b
と、同じくこの押圧部22bよりも内側にて鉛直下方に
延びる一対の保持部22c,22cとが形成されると共
に、さらにその内側の、前記下部材係合壁部21c,2
1cの内側に嵌合すしてその係合爪21d,21dと係
合する一対の係合腕部22d,22dが形成されてい
る。
【0020】24は前記吊子20により固定される屋根
板を示しており、この屋根板24はその幅方向の両端の
側縁部に軒棟方向の全域にわたり上方に開放した樋部2
5が形成されている。すなわちこの樋部25は、屋根板
24の側縁部を下方に折り曲げて形成された内側壁部2
5aと、この内側壁部25aの下端から外側に延設され
た底面部25bと、この底面部25bの外側端から上方
に立ちあげられた外側壁部25cとで形成されている。
図1中、Sは後述するように樋部25の内側壁部25a
の左右方向に当該内側壁部25aが他の部材と干渉しな
いようにするための空間であって、前記内側壁部25a
は、この空間Sによってその内側、外側の両方向に亘り
他部材によって干渉されない箇所を留保して吊子20の
下部材21と係合できる。
【0021】なお、この実施例では前記吊子上部材22
の上面部22aを収めて面一な屋根面を形成するため
に、上面部22aの当接部分に所定の幅及び深さを有す
る段付部24aが設けてある。
【0022】これらの吊子20及び屋根板24を使用し
て縦葺き屋根を葺くには、まず下地11上に屋根板24
の幅寸法に対応するように所定間隔で吊子20の下部材
21を配設して固定し、次に隣接する吊子下部材21間
に内層材6を敷設したうえで屋根板24を配置して行
く。
【0023】屋根板24は、その樋部25を吊子下部材
21の係合壁部21cと側壁部21bとの間に嵌合する
要領で載置し、このとき外側壁25cの上端部を係合部
21eの下側に挿入し互いに係合させる。この係合構造
に基づき、屋根板24が下部材21に仮止めされるの
で、風の強い状況下においても屋根板24が外れたり飛
ばされたりする不具合が防止される。
【0024】そして、このようにして屋根板24の樋部
25を吊子下部材21に取り付けたのち、上部材22を
その一対の係合腕部22d,22dを弾性的に下部材2
1の両係合壁部21,21間に嵌合して、その係合爪2
1d,21dに係合保持させる。
【0025】このようにして下部材21に上部材22を
係合固着すると、上部材22の押さえ部22bが屋根板
樋部25の底面部25bを下部材固定部21aとの間に
挟持押圧し、これにより屋根板24は、風圧の作用に耐
え得る十分な結合強度をもって吊子20に取り付けられ
る。したがってまた、屋根板24に製造上生じるねじれ
等があったとしても、これは樋部25の部分にて吊子2
0にしっかりと固定されることで確実に矯正される。
【0026】また、この場合、上部材22に設けた保持
部22cを介して屋根板樋部25の外側壁部25cの立
上り部分を内側に引き寄せ、外側壁部25cを確実に係
合部21eの内側に保持しうるようにしてあるため、屋
根板24をより確実に抑え付けておくことができる。さ
らに、この実施例では、屋根板24の外側壁25cの上
端に内側向きの折り返し部25dを形成すると共に、上
部材22の保持部22cに前記折り返し部25dに対向
するように規制片22eを形成して、これら折り返し部
25dと規制片22eとの係合を図ることにより、屋根
板24に強風圧が作用したときの抜けをより確実に防止
して耐風圧強度の向上を図るようにしている。
【0027】このようにして構築された縦葺き屋根構造
においては、図示したような空間Sによって屋根板樋部
25の内側壁部25aの左右方向は当該内側壁部25a
が他の部材によって干渉されなくなる。そして、上部材
カバー部22の端部と、下部材側壁部21bの上端部と
の間に挟まれた屋根板24の平面部分(この場合段付部
24a)は左右方向への変位が許容されている。
【0028】したがって、この空間S内では内側壁部2
5aは左右方向に自由に傾斜変形でき、つまり吊子20
及び吊子20によって固定される樋部25に対して、屋
根板24の内側壁部25aよりも上の本体部分は左右方
向への相対変位が可能である。このことから、すなわ
ち、吊子20の取付間隔と屋根板24の取付幅寸法との
間に施工上あるいは製造上の誤差があったとしても、屋
根板24の表面を変形させることなく、この誤差を吸収
して確実に屋根板24を固定することができるのであ
る。
【0029】次に、この発明の他の実施例について説明
する。図2に示した実施例は、屋根板24と同様の金属
板材から形成したカバー部材26を吊子上部材22に係
合させるようにした点において図1のものと異なる。
【0030】カバー部材26は、その両端部が屋根板段
付部24aの上面に重合する平面部26aと、その両端
部付近から下向きに形成された一対の係合脚部26bと
からなり、係合脚部26bの下端部には内側向きに係合
部26cが折り返し形成されている。一方、吊子上部材
22の上面部22aには前記係合部26cに対応するよ
うにこれに係合する被係合部22fが外側下方向きに形
成されており、これら係合部26cと被係合部22fと
の係合に基づき、カバー部材26を上部材22に固定す
るようにしている。
【0031】この場合、カバー部材26は屋根板24の
取付状態に影響されることなく、独立して吊子上部材2
2に固定される構成であるので、その固定を確実に行な
うことができると共に、カバー部材26にねじれがあっ
てもこれを確実に矯正することができる。
【0032】なお、この実施例では、図示したように上
部材22に取り付けた状態にてカバー部材平面部26a
の端部と屋根板段付部24aとの間に挟持されるように
ラバー等の高弾性材料からなる止水材27を介装して防
水性の向上を図っている。
【0033】図3に示した実施例は、吊子下部材21の
係合壁部21cに設けた係合部21eに加えて、側壁部
21bに内側向きに第2の係合部21gを形成すると共
に、この係合部21gに係合する鉤状の被係合部24b
を屋根板24の内側壁部25aに形成したものである。
【0034】この実施例によれば、屋根板24を吊子の
下部材21に取り付けるにあたり、2箇所の係合部21
eと21gとにより係合できるので、吊子の上部材22
の固着前であれば強風時等に確実に屋根板24を保持さ
せておくことができ、作業性のさらなる改善を図ること
ができる。また、吊子の上部材22の固着後においても
吊子の上部材22の押圧部による押圧と吊子の下部材2
1の2箇所の係合部21eと21gとの係合によって強
固に係合し、負圧等に対して優れた係合状態を得ること
ができる。
【0035】図4は、図3に示す実施例の吊子の下部材
21と上部材22との間隔が広い場合における屋根板2
4の変位状態を鎖線30で示したものである。
【0036】又、図5は、図3に示す実施例の吊子の下
部材21と上部材22との間隔が狭い場合における屋根
板24の変位状態を鎖線40で示したものである。
【0037】図4、図5で示すように、吊子の下部材2
1と上部材22とが取付位置ずれや、製作寸法誤差によ
ってその取付後の間隔が広くなったり狭くなったりして
も、屋根板24がそれぞれの鎖線30又は40に示すよ
うに変位するだけで、しっかりと保持固定することがで
きる。即ち、取付位置ずれや、製作上の寸法誤差があっ
てもこれらを吸収して十分に対応させることができる。
尚、図示省略したが、図1及び図2に示す実施例の吊子
の間隔についても、上記図4と図5で示したものと同様
の屋根板24の変位状態が生じ得るのであり、これらの
場合も、上述のように吊子の取付位置ずれや、寸法誤差
を十分に吸収できることは勿論である。
【0038】ところで、上記各実施例において、屋根板
24と、上部材上面部22aとの間(図1の場合)また
はカバー部材26との間(図2,図3の場合)から雨水
等が侵入した場合、この雨水は屋根板24の端部に形成
した樋部25に落下して軒先側へと排出される。したが
って侵入した雨水が屋根裏側へと回り込むようなことが
なく、優れた雨仕舞い性能が得られる。
【0039】また、このように樋部25を設けたことか
ら、図6の従来例に示されるような、吊子3の下に樋部
材2を配置するような構成をとる必要がなくなり、これ
により吊子20(下部材21)の固定にあたっては、そ
の固定部21aの任意の部分にてビス等の固定具を貫通
させることができる。特に、固定部21aの中央部つま
り一対の係合壁部21c,21c間にて固定した場合に
は、屋根板24を係合させた状態のまま固定具を着脱し
て吊子下部材21の移動や位置調整が行えるので、施工
作業のうえで極めて好都合である。
【0040】なお、各実施例において吊子20を構成す
る下部材21または上部材22は、屋根板24と同様に
軒棟方向に長尺な通し部材であっても、あるいは軒棟方
向の要所に配設される短いピース部材であってもよい。
ただし、図1の実施例のものは上部材22にカバー部を
一体形成した構成であるので、これを長尺材として形成
する必要がある。これに比較して、図2または図3に示
した実施例は、カバー部材26を別体で取り付ける構成
であるので、押出型材からなる上部材22を短いピース
部材として構成することができ、それだけ材料コストの
節約ができる。また、下部材21と上部材22の固定
は、各実施例ではそれぞれに設けた係合壁部21cと係
合腕部22dとの弾性的な係合構造によっているが、こ
れに限られず例えばビス等の固定具を使用した他の固定
方法を採用してもよいことは言うまでもない。尚、屋根
板24の干渉されない個所(空間S)は、図1、2に示
すように樋部内側壁のほぼ全域であってもよく、又図3
のように樋部内側壁の一部分(第2の係合部21gより
上の部分)であってもよい。
【0041】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、この発
明は、下地上に、左右の側縁に内側壁部と外側壁部と底
面部とを有する樋部を形成した縦葺き屋根板を吊子部材
によって固定する縦葺き屋根構造であって、前記吊子部
材は、少なくとも下地への固定部を備えた下部材と、前
記下部材に固着するとともに、前記縦葺き屋根板の樋部
底面部に当接する押圧部を備えた上部材とからなり、左
右に隣接する縦葺き屋根板を、その各樋部が対向するよ
うに配設するとともに、前記樋部の内側壁部がその内
側、外側の両方向に亘り他部材によって干渉されない空
間を留保して前記下部材と係合し、しかも、屋根板はそ
の樋部底面部が吊子の下部材と上部材の押圧部との間に
挟持される態様にて保持されるので、確実かつ強固に安
定した保持が行える。従って、屋根板や吊子の寸法の誤
差や取付間隔の誤差にもかかわらず、屋根板を吊子に確
実に固定でき、また仮に屋根板にねじれがあってもこれ
を確実に矯正できるという効果が得られる。
【0042】また、この発明において、吊子の下部材
に、屋根板の樋部に係合する係合部を備えることによ
り、この係合部が屋根板の浮き上がりを抑えるので、上
部材を固着するまでの強風等による屋根板の外れや飛散
を防止して作業性の改善が図れる。
【0043】また、吊子の上部材に、屋根板の外側壁部
を保持する保持部を設けたものとすることにより、この
保持部が外側壁部を保持する作用により、押圧部による
屋根板の固定機能がそれだけ強化され、屋根板の固定強
度がいっそう向上する。加えて、この保持部を備えた構
成において、屋根板の外側壁部の上端に内側向きの折り
返し部を形成すると共に、上部材の保持部に前記折り返
し部に対向するように規制片を形成して、これら折り返
し部と規制片との係合を図ることにより、屋根板の固定
はさらに強固なものとなり、強風下での風圧の作用に対
する信頼性がさらに向上する。
【0044】さらに、この発明において、吊子の上部材
に、隣接する屋根板の接合部間を上面から覆うカバー部
材を備えたものとすることができ、この場合、カバー部
材は屋根板の取付状態に影響されることなく直接に上部
材に係合固定することができるので、寸法誤差に原因す
る取付不良等を回避して、強固な取付が可能であり、従
ってまたカバー部材ねじれの矯正も確実に行なうことが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る縦葺き屋根構造の第1の実施例
の要部正面断面図。
【図2】同じく第2の実施例の要部正面断面図。
【図3】同じく第3の実施例の要部正面断面図。
【図4】第3実施例における吊子間隔が広い場合の屋根
板の変位例を示す要部正面断面図。
【図5】第3実施例における吊子間隔が狭い場合の屋根
板の変位例を示す要部正面断面図。
【図6】従来の縦葺き屋根構造の要部正面断面図。
【符号の説明】
11 屋根の下地 20 吊子 21 吊子の下部材 21a 固定部 21e 係合部 22 吊子の上部材 22a カバー部 22b 押さえ部 22c 保持部 24 屋根板 25 屋根板の樋部 25a 内側壁部 25b 底面部 25c 外側壁部 26 カバー部材 S 空間 30 屋根板の変位状態を示す鎖線 40 屋根板の変位状態を示す鎖線

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下地上に、左右の側縁に内側壁部と外側壁
    部と底面部とを有する樋部を形成した縦葺き屋根板を吊
    子部材によって固定する縦葺き屋根構造であって、 前記吊子部材は、少なくとも下地への固定部を備えた下
    部材と、前記下部材に固着するとともに、前記縦葺き屋
    根板の樋部底面部に当接する押圧部を備えた上部材とか
    らなり、 左右に隣接する縦葺き屋根板を、その各樋部が対向する
    ように配設するとともに、前記樋部の内側壁部がその内
    側、外側の両方向に亘り他部材によって干渉されない空
    間を留保して前記下部材と係合し、しかも、この下部材
    に上部材を固着させて前記屋根板を固定するようにした
    ことを特徴とする縦葺き屋根構造。
  2. 【請求項2】吊子の下部材は、屋根板の樋部に係合する
    係合部を備えることを特徴とする請求項1記載の縦葺き
    屋根構造。
  3. 【請求項3】吊子の上部材は、屋根板の外側壁部を保持
    する保持部を有することを特徴とする請求項1または請
    求項2の何れかに記載の縦葺き屋根構造。
  4. 【請求項4】屋根板の外側壁部の上端に内側向きの折り
    返し部が形成されると共に、上部材の保持部には前記折
    り返し部に対向するように規制片が形成されていること
    を特徴とする請求項3に記載の縦葺き屋根構造。
  5. 【請求項5】吊子の上部材は、隣接する屋根板の接合部
    間を上面から覆うカバー部材を備えることを特徴とする
    請求項1から請求項4の何れかに記載の縦葺き屋根構
    造。
JP5317455A 1993-11-25 1993-11-25 縦葺き屋根構造 Expired - Fee Related JPH0819737B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5317455A JPH0819737B2 (ja) 1993-11-25 1993-11-25 縦葺き屋根構造

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5317455A JPH0819737B2 (ja) 1993-11-25 1993-11-25 縦葺き屋根構造

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH07150701A JPH07150701A (ja) 1995-06-13
JPH0819737B2 true JPH0819737B2 (ja) 1996-02-28

Family

ID=18088421

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5317455A Expired - Fee Related JPH0819737B2 (ja) 1993-11-25 1993-11-25 縦葺き屋根構造

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0819737B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH07150701A (ja) 1995-06-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH10266472A (ja) 屋根材
JP4970841B2 (ja) 破風化粧板及びその取り付け構造
JP2534620B2 (ja) 縦葺き屋根構造
JPH0819737B2 (ja) 縦葺き屋根構造
JPS59233060A (ja) 葺替え横葺屋根
JP3756254B2 (ja) 建築用壁面板と屋根構造及び壁面構造
JP4387042B2 (ja) 横葺き屋根構造
JPH0747548Y2 (ja) 鋼板屋根構造
JP7493408B2 (ja) 雪止め金具およびその取付構造
JP4387043B2 (ja) 横葺き屋根材
JPH0311290Y2 (ja)
JP2520845B2 (ja) 二重葺き屋根構造
JPH0348986B2 (ja)
JPH02210141A (ja) 縦葺屋根構造
JP2520843B2 (ja) 二重葺き屋根構造
JP3590287B2 (ja) 金属屋根材の設置構造
JPH017779Y2 (ja)
JPS6219771Y2 (ja)
JPH06200594A (ja) 横葺き屋根構造
JP3619436B2 (ja) 雪止め具
JPS6073942A (ja) 嵌合外囲体
JP3170460B2 (ja) 吊子及び屋根板材の接続構造
JP4365629B2 (ja) 屋根構造
JP3437378B2 (ja) 瓦棒取付構造
JPH05280158A (ja) 金属製横葺き屋根板の接続構造

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090228

Year of fee payment: 13

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090228

Year of fee payment: 13

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100228

Year of fee payment: 14

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100228

Year of fee payment: 14

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110228

Year of fee payment: 15

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees