JPH08193269A - ダイヤモンド状カーボン膜形成方法及びその装置 - Google Patents

ダイヤモンド状カーボン膜形成方法及びその装置

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JPH08193269A
JPH08193269A JP497395A JP497395A JPH08193269A JP H08193269 A JPH08193269 A JP H08193269A JP 497395 A JP497395 A JP 497395A JP 497395 A JP497395 A JP 497395A JP H08193269 A JPH08193269 A JP H08193269A
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JP
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diamond
plasma
carbon film
reaction tube
forming
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JP497395A
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Hideki Imamura
秀樹 今村
Yuzo Matsuo
祐三 松尾
Hirohide Mizunoya
博英 水野谷
Akira Shiga
章 志賀
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Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ダイヤモンド構造に富むダイヤモンド状カー
ボン膜を得ることが出来る技術を提供することである。 【構成】 プラズマ反応管に対向した位置にある支持体
上にプラズマCVD法によりダイヤモンド状カーボン膜
を形成する方法であって、前記プラズマ反応管内に反応
ガスを導入する工程と、前記プラズマ反応管内にバルク
なダイヤモンドを配置する工程と、前記バルクなダイヤ
モンドにレーザを照射する工程とを具備するダイヤモン
ド状カーボン膜形成方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ダイヤモンド状カーボ
ン膜を形成する為の技術に関する。
【0002】
【発明の背景】磁気テープ等の磁気記録媒体において
は、高密度記録化の要請から、支持体上に設けられる磁
性層として、バインダ樹脂を用いた塗布型のものではな
く、バインダ樹脂を用いない金属薄膜型のものが提案さ
れている。すなわち、無電解メッキ等の湿式メッキ手
段、真空蒸着、スパッタリングあるいはイオンプレーテ
ィング等の乾式メッキ手段により磁性層を形成した磁気
記録媒体が提案されている。そして、この種の磁気記録
媒体は磁性体の充填密度が高く、高密度記録に適したも
のである。
【0003】この種の磁気記録媒体における金属磁性膜
を保護する為に、各種の保護膜を表面に設けることが提
案されている。例えば、ダイヤモンド状カーボン膜もこ
れらの提案の一つである。このダイヤモンド状カーボン
膜を表面に設ける手段としては各種のものが有る。例え
ば、熱フィラメントCVD装置、光CVD装置、RFプ
ラズマCVD装置、マイクロ波プラズマCVD装置、E
CRマイクロ波プラズマCVD装置などのCVD(ケミ
カルベーパーデポジション)装置が有る。
【0004】これらの装置により形成されるダイヤモン
ド状カーボン膜は、ダイヤモンド構造を有しているもの
の、完全なダイヤモンド構造のものではなく、グラファ
イト構造も有している。すなわち、ダイヤモンド及びグ
ラフィトのEELS(Electron Energy Loss Spectrosc
opy )を図3に、そしてECRマイクロ波プラズマCV
D装置を用いて形成されるダイヤモンド状カーボン膜の
EELSを図4に示すが、グラファイト結合の存在する
ことが認められる。
【0005】このグラファイト結合を有した膜は、軟ら
かいことから、金属薄膜型の磁気記録媒体の保護膜とし
ては充分なものでない。つまり、ダイヤモンド構造に富
むダイヤモンド状カーボン膜が求められている。
【0006】
【発明の開示】本発明の目的は、ダイヤモンド構造に富
むダイヤモンド状カーボン膜を得ることが出来る技術を
提供することである。この本発明の目的は、プラズマ反
応管に対向した位置にある支持体上にプラズマCVD法
によりダイヤモンド状カーボン膜を形成する方法であっ
て、前記プラズマ反応管内に反応ガスを導入する工程
と、前記プラズマ反応管内にバルクなダイヤモンドを配
置する工程と、前記バルクなダイヤモンドにレーザを照
射する工程とを具備することを特徴とするダイヤモンド
状カーボン膜形成方法によって達成される。
【0007】特に、プラズマ反応管に対向した位置にあ
る支持体上にECRプラズマCVD法によりダイヤモン
ド状カーボン膜を形成する方法であって、前記プラズマ
反応管内に反応ガスを導入する工程と、前記プラズマ反
応管内にバルクなダイヤモンドを配置する工程と、前記
バルクなダイヤモンドにパルスレーザを照射する工程と
を具備することを特徴とするダイヤモンド状カーボン膜
形成方法によって達成される。
【0008】又、プラズマCVD法によりダイヤモンド
状カーボン膜を形成する装置であって、真空槽と、この
真空槽内に配設された支持体に対向した位置にあるプラ
ズマ反応管と、このプラズマ反応管内に反応ガスを供給
する反応ガス供給手段と、前記プラズマ反応管内に設け
られたバルクなダイヤモンドと、前記バルクなダイヤモ
ンドにレーザを照射するレーザ照射手段とを具備するこ
とを特徴とするダイヤモンド状カーボン膜形成装置によ
って達成される。
【0009】特に、ECRプラズマCVD法によりダイ
ヤモンド状カーボン膜を形成する装置であって、真空槽
と、この真空槽内に配設された支持体に対向した位置に
あるプラズマ反応管と、このプラズマ反応管内に反応ガ
スを供給する反応ガス供給手段と、前記プラズマ反応管
内に設けられたバルクなダイヤモンドと、前記バルクな
ダイヤモンドにパルスレーザを照射するレーザ照射手段
とを具備することを特徴とするダイヤモンド状カーボン
膜形成装置によって達成される。
【0010】尚、バルクなダイヤモンドの配設位置は共
振点、あるいはその近傍が好ましい。そして、共振点の
近傍でもマイクロ波導入口側における位置が特に好まし
い。バルクなダイヤモンドは上記の位置にセットされる
が、これはNi,Co,Mn,Fe,Rh,Ta,Cr
等の触媒作用を有する材料によって保持することが好ま
しい。例えば、上記のような材料(線)を用いてプラズ
マ反応管内に吊り下げておけば、パルスレーザがバルク
なダイヤモンドに照射されると、これより効率よくダイ
ヤモンドクラスタが生成する。
【0011】本発明では、支持体に堆積するダイヤモン
ド状カーボン膜の核となるクラスタがレーザ照射手段か
らのパルスレーザによってバルクなダイヤモンドより生
成する。このダイヤモンドクラスタにプラズマCVDに
よって生成するカーボン粒子が付着・成長する。この成
長に際して、核がダイヤモンド構造を有するものである
から、成長する部分も優先的にダイヤモンド構造にな
る。従って、支持体に堆積する膜はダイヤモンド構造が
多いものになる。すなわち、グラファイト構造の割合が
少ない硬質膜が形成されるから、保護膜として適したも
のになる。
【0012】又、プラズマ反応管内の反応ガスにもレー
ザが照射されるから、プラズマ雰囲気はより高いエネル
ギーレベルに励起され、成膜速度が速くなる。本発明で
ダイヤモンド状カーボン膜を成膜する為に用いられる反
応ガスとしては、例えばメタン等の鎖状炭化水素、ベン
ゼンやシクロヘキサン等の環状炭化水素、あるいはこれ
らの炭化水素と窒素やアンモニア等の窒素化合物との混
合物、又はピラジン、ピラゾリジン、ピラゾリン、ピラ
ゾール、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピペリジ
ン、ピペラジン、イミダゾール、ピロール、あるいはこ
れらの同族体や誘導体のような窒素含有環状炭化水素な
どの炭化水素系のものが挙げられる。
【0013】本発明は、例えば金属薄膜型の磁性膜の上
にダイヤモンド状カーボン膜を形成する為に用いられ
る。磁気記録媒体における支持体は、磁性を有するもの
でも、非磁性のものでも良い。一般的には非磁性のもの
である。例えば、PET等のポリエステル、ポリアミ
ド、ポリイミド、ポリスルフォン、ポリカーボネート、
ポリプロピレン等のオレフィン系の樹脂、セルロース系
の樹脂、塩化ビニル系の樹脂といった高分子材料、ガラ
スやセラミック等の無機系材料などが用いられる。この
支持体上に、蒸着やスパッタ等の乾式メッキ手段によっ
て金属薄膜型の磁性膜が設けられる。金属薄膜型の磁性
膜を形成する磁性粒子の材料としては、例えばFe,C
o,Ni等の金属の他に、Co−Ni合金、Co−Pt
合金、Co−Ni−Pt合金、Fe−Co合金、Fe−
Ni合金、Fe−Co−Ni合金、Fe−Co−B合
金、Co−Ni−Fe−B合金、Co−Cr合金、ある
いはこれらにAl等の金属を含有させたもの等が用いら
れる。
【0014】尚、本発明は、磁気記録媒体の保護膜の形
成にのみ適用されるものではない。その代表的な一例を
挙げただけである。
【0015】
【実施例】図1は本発明になる薄膜形成装置(ECRマ
イクロ波プラズマCVD装置)全体の概略図、図2はこ
の装置により成膜されたダイヤモンド状カーボン膜のE
ELSである。図1中、1は1600Å厚さのCo金属
磁性膜が支持体表面に設けられた磁気記録媒体の原反、
2は真空槽、3aは原反1の供給側ロール、3bは原反
1の巻取側ロール、4は冷却キャンロールであり、原反
1は供給側ロール3aから冷却キャンロール4を経て巻
取側ロール3bに走行し、巻き取られて行くように構成
されている。
【0016】5は冷却キャンロール4に対向して設けら
れたプラズマ反応管、6は反応ガス(メタン(供給量7
5sccm)と水素(供給量100sccm)との混合
ガス)供給用のパイプ、7はマイクロ波の導波管、8は
出力が0.8kWのマイクロ波(2.45GHz)発信
器、9はECR磁場が875GのECR用コイルであ
る。尚、反応ガス供給用のパイプ6の口は、プラズマ反
応管5内であって、冷却キャンロール4近傍の位置に有
る。
【0017】10は、Ni線11によってプラズマ反応
管5内に吊り下げられたバルクなダイヤモンドである。
尚、このバルクなダイヤモンド10は、プラズマ反応管
5内のマイクロ波導入口側における共振点近傍の位置に
吊り下げられている。そして、Nd−YAGレーザ発信
器(平均出力が40W、パルスエネルギ10mJ、パル
ス間隔150ns、繰り返し周波数1〜10kHz)1
2(図示せず)からのパルスレーザが、所定の光学系を
経て、バルクなダイヤモンド10に照射される。
【0018】この装置において、反応ガスをパイプ6か
らプラズマ反応管5内に供給し、かつ、導波管7によっ
てプラズマ反応管5内に波長λのマイクロ波を導入し、
プラズマを励起し、マイクロ波の進行方向と同方向にE
CR用コイル9で磁場を掛け、サイクロトロン共鳴を起
こさせ、ECRマイクロ波プラズマCVDを行わせる。
この時、バルクなダイヤモンド10にはレーザが照射さ
れており、ダイヤモンドクラスタが生成している。この
為、原反1上に成膜されたカーボン膜は、ダイヤモンド
構造を有する割合が高いものであった。
【0019】因みに、20m/minの速度で走行する
原反1表面の金属磁性膜上に100Å厚さのダイヤモン
ド状カーボン膜を形成した。得られたダイヤモンド状カ
ーボン膜のEELSを図2に示す。これによれば、図4
の場合に比べて、明らかにグラファイト構造の強度が低
下しており、ダイヤモンド構造に富むものであることが
判る。
【0020】すなわち、金属磁性膜上に形成されるダイ
ヤモンド状カーボン膜は、バルクなダイヤモンド10か
らのクラスタが核となって成長したから、ダイヤモンド
構造に富むと推察される。又、このようにして得られた
磁気記録媒体の耐久性を調べる為にスチル耐久性試験を
行った。比較の為、従来のECRマイクロ波CVD装置
でダイヤモンド状カーボン膜を金属磁性膜上に形成し
た。この比較用の磁気記録媒体にあっては、スチル時間
が3分間経過後で8.5dBの出力低下が認められたの
に対し、本実施例のものではスチル時間が60分間経過
後にあっても出力低下が認められなかった。これよりし
ても、本実施例のダイヤモンド状カーボン膜は保護膜と
して優れた機能を有していることが判る。
【0021】
【効果】本発明によれば、ダイヤモンド構造に富むダイ
ヤモンド状カーボン薄膜が良好に形成される。
【図面の簡単な説明】
【図1】薄膜形成装置(ECRマイクロ波プラズマCV
D装置)全体の概略図
【図2】本発明で得られたダイヤモンド状カーボン膜の
EELS
【図3】ダイヤモンド膜及びグラファイト膜のEELS
【図4】従来のECRプラズマCVDで得たダイヤモン
ド状カーボン膜のEELS
【符号の説明】
1 磁気記録媒体の原反 2 真空槽 4 冷却キャンロール 5 プラズマ反応管 6 反応ガス供給用パイプ 7 マイクロ波導波管 8 マイクロ波発信器 9 ECR用コイル 10 バルクなダイヤモンド
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 志賀 章 栃木県芳賀郡市貝町大字赤羽2606 花王株 式会社情報科学研究所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プラズマ反応管に対向した位置にある支
    持体上にプラズマCVD法によりダイヤモンド状カーボ
    ン膜を形成する方法であって、前記プラズマ反応管内に
    反応ガスを導入する工程と、前記プラズマ反応管内にバ
    ルクなダイヤモンドを配置する工程と、前記バルクなダ
    イヤモンドにレーザを照射する工程とを具備することを
    特徴とするダイヤモンド状カーボン膜形成方法。
  2. 【請求項2】 プラズマ反応管に対向した位置にある支
    持体上にECRプラズマCVD法によりダイヤモンド状
    カーボン膜を形成する方法であって、前記プラズマ反応
    管内に反応ガスを導入する工程と、前記プラズマ反応管
    内にバルクなダイヤモンドを配置する工程と、前記バル
    クなダイヤモンドにパルスレーザを照射する工程とを具
    備することを特徴とするダイヤモンド状カーボン膜形成
    方法。
  3. 【請求項3】 プラズマCVD法によりダイヤモンド状
    カーボン膜を形成する装置であって、真空槽と、この真
    空槽内に配設された支持体に対向した位置にあるプラズ
    マ反応管と、このプラズマ反応管内に反応ガスを供給す
    る反応ガス供給手段と、前記プラズマ反応管内に設けら
    れたバルクなダイヤモンドと、前記バルクなダイヤモン
    ドにレーザを照射するレーザ照射手段とを具備すること
    を特徴とするダイヤモンド状カーボン膜形成装置。
  4. 【請求項4】 ECRプラズマCVD法によりダイヤモ
    ンド状カーボン膜を形成する装置であって、真空槽と、
    この真空槽内に配設された支持体に対向した位置にある
    プラズマ反応管と、このプラズマ反応管内に反応ガスを
    供給する反応ガス供給手段と、前記プラズマ反応管内に
    設けられたバルクなダイヤモンドと、前記バルクなダイ
    ヤモンドにパルスレーザを照射するレーザ照射手段とを
    具備することを特徴とするダイヤモンド状カーボン膜形
    成装置。
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