JPH08193038A - 高純度ジシクロペンタジエンの製造方法 - Google Patents

高純度ジシクロペンタジエンの製造方法

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JPH08193038A
JPH08193038A JP1997695A JP1997695A JPH08193038A JP H08193038 A JPH08193038 A JP H08193038A JP 1997695 A JP1997695 A JP 1997695A JP 1997695 A JP1997695 A JP 1997695A JP H08193038 A JPH08193038 A JP H08193038A
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仁志 岡
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章 飯尾
Shigeo Hirai
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高純度のジシクロペンタジエンを効率的に製
造する方法を提供すること。 【構成】 ナフサを熱分解して得られるC5 留分を25
〜45℃の温度で20〜200時間滞留させることによ
り、このC5 留分中に含まれるシクロペンタジエンを二
量化してジシクロペンタジエンとする二量化処理工程を
有し、この二量化処理工程を経て得られる前記C5 留分
中には、ジシクロペンタジエン、シクロペンタジエンお
よびプロペニルノルボルネンが、それぞれ、下記の式
(I)〜(II)を満足する割合で含まれていることを特
徴とする。 式(I) WP /(WP +WD )≦0.035 式(II) 0.45≦ WD /(WC +WD )≦0.65 〔式中、WP 、WD およびWC は、それぞれ、プロペニ
ルノルボルネン、ジシクロペンタジエンおよびシクロペ
ンタジエンの重量を表す。〕

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ナフサを熱分解して得
られるC5 留分を原料として高純度のジシクロペンタジ
エンを効率よく製造する方法に関する。特に、C5 留分
を原料とするイソプレンの製造プラントにおいて、イソ
プレンよりも少ない量のジシクロペンタジエンを副生成
物として製造する場合に、高純度ジシクロペンタジエン
を最も効率的に製造することができる方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、ナフサを熱分解して得られる
5 留分からジシクロペンタジエン(以下「DCPD」
という)を製造する方法が知られている。ここに、DC
PDを製造するためのC5 留分には、15重量%前後の
イソプレン、13重量%前後のシクロペンタジエン(以
下「CPD」という)、7重量%前後のDCPDが含有
されている。C5 留分の組成の一例を下記表1に示す。
【0003】
【表1】
【0004】上記表1に示すような組成のC5 留分から
DCPDを得るに場合には、通常、C5 留分中に13重
量%前後の割合で含まれているCPDを二量化してDC
PDとする二量化処理が行われる。この二量化処理につ
いては、反応条件などに関し、以下に示すように種々の
検討がなされている。
【0005】(1)米国特許第2,704,778号に
は、温度82〜104℃、滞留時間4〜12時間の条件
でCPDを含有する系を滞留させることにより、当該C
PDの80〜90重量%が二量化されることが記載され
ている。そして、二量化処理後の系に含まれるDCPD
の重量をWD 、CPDの重量をWC とするとき、「WD
/(WC +WD )」の値は0.8以上と計算される。
【0006】(2)特公昭46−37334号公報に
は、100〜150℃の範囲で反応温度を変えて二量化
処理を行った結果、反応温度が130℃を超えると、C
PDの二量化速度は速くなるものの、CPDとイソプレ
ンとの共二量体およびCPDとピペリレンとの共二量体
であるプロペニルノルボルネン(以下「PNB」とい
う)が生成しやすくなり、DCPDの収率が減少する傾
向にあるので、130℃以下の反応が好ましいと記載さ
れ、具体的な反応条件として、反応温度130℃、反応
時間6時間の実施例が示されている。そして、二量化処
理後の系に含まれるDCPDの重量をWD 、CPDの重
量をWC とするとき、「WD /(WC +WD )」の値
は、反応温度が100℃のときに0.92、反応温度が
130℃のときに0.96と計算される。
【0007】(3)特開平5−78263号公報には、
DCPDの生成率をできるだけ高く、かつ、CPDとジ
オレフィンとの共二量体等の生成率をできるだけ低くす
る観点から、反応温度80〜110℃、反応時間2〜6
時間の反応条件が示されている。そして、二量化処理後
の系に含まれるDCPDの重量をWD 、CPDの重量を
C とするとき、「WD /(WC +WD )」の値は0.
72と計算される。
【0008】上記(1)〜(3)に記載の従来技術によ
れば、DCPDの生産率がある程度高く、生産性の向上
を図る観点からは好ましい。
【0009】しかしながら、上記(1)〜(3)の技術
を含めて従来の製造方法においては、C5 留分の二量化
処理によって、DCPDの沸点に極めて近い沸点を有す
るためにDCPDからの分離が困難な共二量体、特にP
NBが多量に生成される。このため、最終的に得られる
DCPD製品の純度を高めることが困難となり、高純度
DCPDを効率的に製造することができない。
【0010】例えば上記(2)の方法において、二量化
処理後の系に含まれるPNB(「低沸コダイマ」と記載
されている分を推定)の重量をWP 、DCPDの重量を
Dとするとき、「WP /(WP +WD )」の値は、反
応温度が100℃のときに0.084、反応温度が13
0℃のときに0.229とされている。また、上記
(3)の方法において、「WP /(WP +WD )」の値
は0.041と計算される。
【0011】このように、従来の製造方法においては、
生産性の向上を図る観点から、高温・短時間の反応条件
でCPDの二量化処理が行われており、斯かる反応条件
では、DCPDの生成率を高めることができるが、これ
に伴い、PNB等の共二量体の生成率も増加してしま
う。そして、分離され難い共二量体の増加によってDC
PDの純度を高めることが困難となり、高純度のDCP
Dを効率的に製造することができない、という問題があ
った。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、以上のよう
な事情に基いてなされたものである。本発明の目的は、
高純度のDCPDを効率的に製造する方法を提供するこ
とにある。本発明の他の目的は、C5 留分を原料とする
イソプレンの製造プラントにおいて、イソプレンよりも
少ない量のDCPDを副生成物として製造する場合の方
法として好適な高純度DCPDの製造方法を提供するこ
とにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、C5 留分中
に含まれるCPDの二量化処理を特定の反応条件下で行
って、当該C5 留分中に存在するDCPD、CPDおよ
びPNBの割合を、特定の関係式を満足するよう制御す
ることにより、最終的に得られるDCPD製品の純度を
容易に高めることができることを見出し、斯かる知見に
基いて本発明を完成するに至った。
【0014】すなわち、本発明の高純度DCPDの製造
方法は、ナフサを熱分解して得られるC5 留分を25〜
45℃の温度で20〜200時間滞留させることによ
り、このC5 留分中に含まれるCPDを二量化してDC
PDとする二量化処理工程を有し、この二量化処理工程
を経て得られる前記C5 留分中には、DCPD、CPD
およびPNBが、それぞれ、下記の式(I)〜(II)を
満足する割合で含まれていることを特徴とする。 式(I) WP /(WP +WD )≦0.035 式(II) 0.45≦ WD /(WC +WD )≦0.65 〔式中、WP 、WD およびWC は、それぞれ、C5 留分
中に含まれているPNB、DCPDおよびCPDの重量
を表す。〕
【0015】本発明の製造方法においては、二量化処理
工程を経て得られるC5 留分を、DCPDの純度が75
重量%以上になるまで常圧蒸留によって精製する精製工
程(A)と、この精製工程(A)を経て得られる留分
を、DCPDの純度が95重量%以上になるまで減圧蒸
留によって精製する精製工程(B)と、この精製工程
(B)を経て得られる留分からDCPDよりも沸点の高
い物質を分離除去することにより、DCPDの純度が9
6.5重量%以上になるまで精製する精製工程(C)と
を有していることが好ましい。
【0016】本発明の製造方法においては、前記精製工
程(A)と、前記精製工程(B)と、この精製工程
(B)を経て得られる留分からDCPDよりも沸点の低
い共二量体等を分離除去することにより、DCPDの純
度が98重量%以上になるまで精製する精製工程(D)
と、この精製工程(D)を経て得られる留分からDCP
Dよりも沸点の高い物質を分離除去することにより、D
CPDの純度が99重量%以上になるまで精製する精製
工程(E)とを有していることが好ましい。
【0017】本発明の製造方法においては、前記精製工
程(A)と、前記精製工程(B)と、この精製工程
(B)を経て得られる留分を150〜250℃の温度で
加熱することにより、この留分中に含まれるDCPDを
熱分解してCPDとし、次いで、80〜120℃の温度
でこの系を滞留させることにより、この系に含まれるC
PDを二量化してDCPDとすることにより、DCPD
の純度が99重量%以上になるまで精製する精製工程
(F)とを有していることが好ましい。
【0018】
【作用】C5 留分中に含まれるCPDの二量化処理を、
従来の製造方法より低温・長時間である特定の反応条件
で実施することにより、当該二量化処理工程を経て得ら
れるC5 留分は、DCPDからの分離が困難なPNBの
含有割合が少ないものとなり、その結果、最終的に得ら
れるDCPD製品の純度を高めることができる。
【0019】以下、本発明の製造方法について詳細に説
明する。本発明の製造方法は、特定の反応条件下でCP
Dを二量化処理する二量化処理工程と、DCPDの純度
を高めるための精製処理工程とに大別される。
【0020】<二量化処理工程>二量化処理工程におけ
る処理温度(反応温度)は25〜45℃とされ、好まし
くは30〜40℃とされる。処理温度が25℃未満であ
ると、DCPDの生成率が低くなって生産性の観点から
好ましくない。一方、処理温度が45℃を超えると、P
NBの生成率が増加して最終的に得られるDCPD製品
の純度を高めることができない。
【0021】二量化処理工程における滞留時間(反応時
間)は20〜200時間とされ、好ましくは50〜15
0時間とされる。滞留時間が20時間未満であると、D
CPDの生成率が低くなって生産性の観点から好ましく
ない。一方、滞留時間が200時間を超えると、PNB
の生成率が増加して最終的に得られるDCPD製品の純
度を高めることができない。
【0022】二量化処理に供されるC5 留分の組成とし
ては、上記表1に示した典型的組成を挙げることができ
るが、C5 留分の組成は、熱履歴等によって経時的に変
化するため、処理温度や滞留時間などの処理条件は、C
5 留分の組成に応じて、25〜45℃、20〜200時
間の範囲内において適宜変更することができる。
【0023】本発明における二量化処理は、従来の製造
方法よりも低温条件で行われ、また、滞留時間も比較的
長いので、C5 留分の貯蔵タンク内において処理するこ
とができる。そして、貯蔵タンクを利用する場合には、
二量化処理のための設備や加熱手段を特別に設ける必要
はないので、この点からも効率的かつ経済的である。
【0024】二量化処理工程を経て得られるC5 留分に
おいて、このC5 留分中に含まれるPNBとDCPDと
の合計重量に対するPNBの重量の比〔WP /(WP
D)〕は0.035以下とされる。この重量比が0.
035を超える場合には、最終的に得られるDCPD製
品の純度を高めることができない。
【0025】また、C5 留分中に含まれるCPDとDC
PDとの合計重量に対するDCPDの重量の比〔WD
(WC +WD )〕は0.45以上0.65以下とされ
る。この重量比が0.45未満である場合にはDCPD
の生産性の観点から好ましくない。一方、この重量比が
0.65を超えるような反応条件によって二量化処理を
行うと、前記〔WP /(WP +WD )〕の値が0.03
5を超えてしまう。
【0026】本発明の製造方法は、C5 留分を原料とす
るイソプレンの製造プラントにおいて、イソプレンより
も少ない量のDCPDを副生成する場合に、高純度DC
PDを最も効率的に製造することができる。
【0027】通常、C5 留分中におけるイソプレンの含
有量と、DCPDおよびCPDの合計含有量とを比較す
ると、両者は同量か、後者(DCPDおよびCPDの合
計含有量)が若干多い程度である(表1に示す組成にお
いては、前者が15.0重量%、後者が19.8重量%
である。)。
【0028】そのため、二量化処理工程を経た後におけ
るC5 留分について、重量比〔WD/(WC +WD )〕
を0.65以下に制御することは、イソプレンよりも少
ない量のDCPDを製造することになる(例えば、表1
に示す組成のC5 留分について、WD /19.8≦0.
65とすると、WD ≦12.87重量%となり、この割
合はイソプレンの生成量である15.0重量%よりも少
ない。)。
【0029】<精製処理工程>本発明の製造方法を構成
する精製処理工程は、DCPDの純度を高めるための工
程であり、以下に詳述する精製処理工程〔イ〕、精製処
理工程〔ロ〕および精製処理工程〔ハ〕を挙げることが
できる。
【0030】<精製処理工程〔イ〕>精製処理工程
〔イ〕は、二量化処理工程を経て得られるC5 留分を、
DCPDの純度が75重量%以上になるまで常圧蒸留に
よって精製する精製工程(A)と、この精製工程(A)
を経て得られる留分を、DCPDの純度が95重量%以
上になるまで減圧蒸留によって精製する精製工程(B)
と、この精製工程(B)を経て得られる留分から、DC
PDよりも沸点の高い物質を分離除去することにより、
DCPDの純度が96.5重量%以上になるまで精製す
る精製工程(C)とを組み合わせてなる精製方法であ
る。
【0031】精製工程(A)は、例えば、理論段数10
〜30段の蒸留塔を用い、塔頂温度を40〜60℃、塔
底温度を110〜140℃に設定して常圧蒸留を行い、
5〜C6 の未反応成分(例えばイソペンタン、n−ペ
ンタン、C5 モノオレフィン類、1,4−ペンタジエ
ン、1,3−ペンタジエン、シクロペンタン、シクロペ
ンテン、C5 アセチレン類、C6 類等)、C4 以下の成
分、イソプレン、CPDなどよりなる留分を塔頂から除
去するとともに、75重量%以上のDCPDを含む留分
を塔底から取り出す工程である。なお、ここで、「常
圧」とは、圧力0〜2kg/cm2 Gの範囲を含むもの
とする。
【0032】精製工程(B)は、例えば、理論段数5〜
20段の蒸留塔を用い、塔頂温度を80〜110℃、塔
底温度を95〜125℃に設定して、100〜250T
orrの減圧下で蒸留を行い、精製工程(A)で分離除
去できなかったC5 〜C6 の未反応成分、イソプレン、
CPDなどよりなる留分を塔頂から除去するとともに、
95重量%以上のDCPDを含む留分を塔底から取り出
す工程である。なお、上記の精製工程(A)および精製
工程(B)において、蒸留塔の塔頂から除去されたC5
〜C6 留分は、イソプレンの製造原料として用いられ
る。
【0033】精製工程(C)は、例えば、理論段数3〜
10段の蒸留塔を用い、塔頂温度を90〜120℃、塔
底温度を95〜125℃に設定して、80〜200To
rrの減圧下で蒸留を行い、DCPDよりも沸点の高い
物質を含む留分を塔底から除去するとともに、96.5
重量%以上のDCPDを含む留分を塔頂から取り出す工
程である。なお、この留分中に3.5重量%未満の割合
で含まれる不純物の大部分はPNBである。
【0034】<精製処理工程〔ロ〕>精製処理工程
〔ロ〕は、前記精製工程(A)と、前記精製工程(B)
と、この精製工程(B)を経て得られる留分から、DC
PDよりも沸点の低い共二量体等を分離除去することに
より、DCPDの純度が98重量%以上になるまで精製
する精製工程(D)と、この精製工程(D)を経て得ら
れる留分から、DCPDよりも沸点の高い物質を分離除
去することにより、DCPDの純度が99重量%以上に
なるまで精製する精製工程(E)とを組み合わせてなる
精製方法である。
【0035】精製工程(D)は、例えば、理論段数50
〜100段の蒸留塔を用い、塔頂温度を40〜100
℃、塔底温度を90〜120℃に設定して、10〜10
0Torrの減圧下で蒸留を行い、DCPDよりも沸点
の低い共二量体等を含む留分を塔頂から除去するととも
に、98重量%以上のDCPDを含む留分を塔底から取
り出す工程である。
【0036】精製工程(E)は、前記精製処理工程
〔イ〕の精製工程(C)と同様の操作を行って、99重
量%以上のDCPDを含む留分を蒸留塔の塔頂から取り
出す工程である。
【0037】<精製処理工程〔ハ〕>精製処理工程
〔ハ〕は、前記精製工程(A)と、前記精製工程(B)
と、この精製工程(B)を経て得られる留分を150〜
250℃の温度で加熱することにより、この留分中に含
まれるDCPDを熱分解してCPDとし、次いで、80
〜120℃の温度でこの系を滞留させることにより、こ
の系に含まれるCPDを二量化してDCPDとすること
により、DCPDの純度が99重量%以上になるまで精
製する精製工程(F)とを組み合わせてなる精製方法で
ある。
【0038】精製工程(F)は、例えば、以下のように
して行われる。 精製工程(B)を経て得られる留分を、予熱器など
に通すことにより130〜230℃に加温する。 加温された留分を、理論段数3〜10の蒸留塔が連
結されてなる攪拌機付の熱分解器に供給し、温度150
〜250℃、圧力−0.5〜0.5kg/cm2Gの条
件で滞留させる。2〜8時間滞留させた後、熱分解器の
底部に設けられた取出口から熱分解残渣(重質分)を取
り出して除去するとともに、例えば温度20〜55℃に
設定された蒸留塔の塔頂から熱分解によって生成したC
PDを含む留分を取り出す。 塔頂から取り出したCPDを含む留分を、例えば管
型の二量化反応器に供給して80〜120℃の温度で2
〜10時間滞留させることによってCPDを二量化して
DCPDとし、これによって、純度が99重量%以上の
DCPDが得られる。なお、必要に応じて、このDCP
Dに極微少量含まれている軽質分や重質分を除去するた
めの蒸留操作を行ってもよい。
【0039】以上の精製処理工程における蒸留操作およ
び熱分解操作において、DCPDの純度が75重量%以
上となる系には、DCPDの酸化を防止するために、
2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、t−
ブチルカテコール等の酸化防止剤を添加することが好ま
しい。斯かる酸化防止剤の添加量としては、系に対して
10〜1000ppmとされ、好ましくは50〜500
ppmとされる。
【0040】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に具体的に説
明するが、本発明はこれらにより限定されるものではな
い。なお、以下において「部」は「重量部」を意味す
る。
【0041】<実施例1> (1)二量化処理工程 上記の表1に示した組成のC5 留分を、予熱器に通して
35℃に加温した後、当該温度に保温された容器内に供
給して80時間滞留させることにより、このC5 留分中
に含まれるCPDを二量化してDCPDとする二量化処
理を行った。二量化処理前後におけるC5 留分の組成を
下記表2に示す。
【0042】
【表2】
【0043】二量化処理後のC5 留分において、PNB
とDCPDとの合計重量に対するPNBの重量の比〔W
P /(WP +WD )〕は0.026であり、CPDとD
CPDとの合計重量に対するDCPDの重量の比〔WD
/(WC +WD )〕は0.57であった。
【0044】(2)精製処理工程〔イ〕 精製工程(A) 二量化処理工程によって得られたC5 留分1000部
を、圧力0.9kg/cm2 Gに保持された理論段数2
2段の蒸留塔に連続的に供給し、塔頂温度50℃、還流
比0.3、塔底温度130℃の操作条件で常圧蒸留を行
い、不純物を含む留分861部を塔頂から除去するとと
もに、DCPDを含む留分139部を塔底から取り出し
た。塔底から取り出した留分の組成を表3に示す。表3
に示すように、この精製工程(A)によりDCPDの割
合は80.5重量%となった。
【0045】 精製工程(B) 精製工程(A)において蒸留塔の塔底から取り出した留
分139部に、t−ブチルカテコールのDCPD溶液
(濃度10重量%)0.14部(酸化防止剤として10
0ppm)を連続的に添加し、この留分を、圧力160
Torrに保持された理論段数8段の蒸留塔に連続的に
供給し、塔頂温度98℃、還流比3.1、塔底温度11
6℃の操作条件で減圧蒸留を行い、不純物を含む留分2
4部を塔頂から除去するとともに、DCPDを含む留分
115部を塔底から取り出した。塔底から取り出した留
分の組成を併せて表3に示す。表3に示すように、この
精製工程(B)によりDCPDの割合は96.5重量%
となった。
【0046】 精製工程(C) 精製工程(B)において蒸留塔の塔底から取り出した留
分115部を、圧力110Torrに保持された理論段
数6段の蒸留塔に連続的に供給し、塔頂温度107℃、
還流比0.3、塔底温度108℃の操作条件で減圧蒸留
を行い、不純物(高沸点物質)を含む留分8部を塔底か
ら除去するとともに、DCPDを含む留分107部を塔
頂から取り出した。なお、この減圧蒸留に際しては、蒸
留塔の塔頂のコンデンサー入口から、t−ブチルカテコ
ールのDCPD溶液(濃度10重量%)0.11部(酸
化防止剤として100ppm)を連続的に添加した。塔
頂から取り出した留分の組成を併せて表3に示す。表3
に示すように、この精製工程(C)によりDCPDの割
合は97.2重量%となり、高純度のDCPDが得られ
た。
【0047】
【表3】
【0048】<実施例2> (1)二量化処理工程 実施例1の二量化処理工程と同様の操作を行って、上記
表2(二量化処理後)に示す組成のC5 留分を得た。
【0049】(2)精製処理工程〔ロ〕 精製工程(A) 実施例1の精製工程(A)と同様の操作を行って、DC
PDを80.5重量%の割合で含む留分139部を得
た。
【0050】 精製工程(B) 実施例1の精製工程(B)と同様の操作を行って、DC
PDを96.5重量%の割合で含む留分115部を得
た。
【0051】 精製工程(D) 精製工程(B)において蒸留塔の塔底から取り出した留
分115部に、t−ブチルカテコールのDCPD溶液
(濃度10重量%)0.12部(酸化防止剤として10
0ppm)を連続的に添加し、この留分を、圧力20T
orrに保持された理論段数75段の蒸留塔に連続的に
供給し、塔頂温度60℃、還流比20、塔底温度105
℃の操作条件で減圧蒸留を行い、不純物(共二量体)を
含む留分23部を塔頂から除去するとともに、DCPD
を含む留分92部を塔底から取り出した。塔底から取り
出した留分の組成を併せて表4に示す。表4に示すよう
に、この精製工程(D)によりDCPDの割合は98.
9重量%となった。
【0052】 精製工程(E) 精製工程(D)において蒸留塔の塔底から取り出した留
分92部を、圧力110Torrに保持された理論段数
6段の蒸留塔に連続的に供給し、塔頂温度107℃、還
流比1.0、塔底温度109℃の操作条件で減圧蒸留を
行い、不純物(高沸点物質)を含む留分10部を塔底か
ら除去するとともに、DCPDを含む留分82部を塔頂
から取り出した。なお、この減圧蒸留に際しては、蒸留
塔の塔頂のコンデンサー入口から、t−ブチルカテコー
ルのDCPD溶液(濃度10重量%)0.08部(酸化
防止剤として100ppm)を連続的に添加した。塔頂
から取り出した留分の組成を併せて表4に示す。表4に
示すように、この精製工程(E)によりDCPDの割合
は99.7重量%となり、極めて高純度のDCPDが得
られた。
【0053】
【表4】
【0054】<実施例3> (1)二量化処理工程 実施例1の二量化処理工程と同様の操作を行って、上記
表2(二量化処理後)に示す組成のC5 留分を得た。
【0055】(2)精製処理工程〔ハ〕 精製工程(A) 実施例1の精製工程(A)と同様の操作を行って、DC
PDを80.5重量%の割合で含む留分139部を得
た。
【0056】 精製工程(B) 実施例1の精製工程(B)と同様の操作を行って、DC
PDを96.5重量%の割合で含む留分115部を得
た。
【0057】 精製工程(F) 精製工程(B)において蒸留塔の塔底から取り出した留
分115部を予熱器を通して180℃に加温し、加温さ
れた留分を、理論段数6段の蒸留塔が上部に連結されて
なる攪拌機付の熱分解器に供給し、温度180℃で5時
間滞留させた後、熱分解器の底部に設けられた取出口か
ら熱分解残渣(重質分)20部を取り出して除去すると
ともに、蒸留塔の塔頂から熱分解によって生成したCP
Dを含む留分95部を取り出した。なお、蒸留塔は、大
気圧下、塔頂温度41℃、還流比0.5の条件で行わ
れ、また、蒸留に際しては、塔頂のコンデンサー入口か
ら、t−ブチルカテコールのDCPD溶液(濃度10重
量%)0.10部(酸化防止剤として100ppm)を
連続的に添加した。次に、蒸留塔の塔頂から得られたC
PDを含む留分95部を、予熱器を通して100℃に保
持された管型反応器内に供給して6時間滞留させること
によりCPDの二量化反応を行わせた。このようにして
得られた生成系の組成を表5に示す。表5に示すよう
に、この精製工程(F)によりDCPDの割合は99.
5重量%となり、極めて高純度のDCPDが得られた。
さらに、CPDも加えたDCPDの純度は99.9重量
%であった。
【0058】
【表5】
【0059】<比較例1> (1)二量化処理工程 上記の表1に示した組成のC5 留分を、予熱器を通して
100℃に加温した後、当該温度に保持された管型反応
器内に供給して4時間滞留させることにより、このC5
留分中に含まれるCPDを二量化してDCPDとする二
量化処理を行った。二量化処理前後におけるC5 留分の
組成を下記表6に示す。
【0060】
【表6】
【0061】二量化処理後のC5 留分において、PNB
とDCPDとの合計重量に対するPNBの重量の比〔W
P /(WP +WD )〕は0.049(実施例1における
比の約1.9倍)であり、PNBの生成率は高いもので
あった。また、CPDとDCPDとの合計重量に対する
DCPDの重量の比〔WD /(WC +WD )〕は0.8
0であった。
【0062】(2)精製処理工程 上記の二量化処理工程により得られたC5 留分につい
て、実施例1の精製工程(A)〜精製工程(C)と同様
の操作を行い、精製工程(C)における蒸留塔の塔頂か
らDCPDを含む留分110部を取り出した。塔頂から
取り出した留分の組成を表7に示す。表7に示すよう
に、DCPDの割合は94.9重量%に止まり、純度の
高いDCPD製品を得ることができなかった。これは、
高温・短時間の二量化処理によってPNBの生成率が高
くなったからであると考えられる。
【0063】
【表7】
【0064】
【発明の効果】本発明の製造方法によれば、C5 留分中
に含まれるCPDの二量化処理を従来の発想とは異なる
特定の反応条件下で行うことにより、最終的に得られる
DCPD製品の純度を容易に高めることができ、高純度
のDCPDを効率的に製造することができる。また、本
発明の製造方法は、C5 留分を原料とするイソプレンの
製造プラントにおいて、イソプレンよりも少ない量のD
CPDを副生成物として製造する場合に、高純度DCP
Dを特に効率的に製造することができる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ナフサを熱分解して得られるC5 留分を
    25〜45℃の温度で20〜200時間滞留させること
    により、このC5 留分中に含まれるシクロペンタジエン
    を二量化してジシクロペンタジエンとする二量化処理工
    程を有し、 この二量化処理工程を経て得られる前記C5 留分中に
    は、ジシクロペンタジエン、シクロペンタジエンおよび
    プロペニルノルボルネンが、それぞれ、下記の式(I)
    〜(II)を満足する割合で含まれていることを特徴とす
    る高純度ジシクロペンタジエンの製造方法。 式(I) WP /(WP +WD )≦0.035 式(II) 0.45≦ WD /(WC +WD )≦0.65 〔式中、WP 、WD およびWC は、それぞれ、C5 留分
    中に含まれているプロペニルノルボルネン、ジシクロペ
    ンタジエンおよびシクロペンタジエンの重量を表す。〕
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