JPH08193038A - 高純度ジシクロペンタジエンの製造方法 - Google Patents
高純度ジシクロペンタジエンの製造方法Info
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- JPH08193038A JPH08193038A JP1997695A JP1997695A JPH08193038A JP H08193038 A JPH08193038 A JP H08193038A JP 1997695 A JP1997695 A JP 1997695A JP 1997695 A JP1997695 A JP 1997695A JP H08193038 A JPH08193038 A JP H08193038A
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- Production Of Liquid Hydrocarbon Mixture For Refining Petroleum (AREA)
Abstract
造する方法を提供すること。 【構成】 ナフサを熱分解して得られるC5 留分を25
〜45℃の温度で20〜200時間滞留させることによ
り、このC5 留分中に含まれるシクロペンタジエンを二
量化してジシクロペンタジエンとする二量化処理工程を
有し、この二量化処理工程を経て得られる前記C5 留分
中には、ジシクロペンタジエン、シクロペンタジエンお
よびプロペニルノルボルネンが、それぞれ、下記の式
(I)〜(II)を満足する割合で含まれていることを特
徴とする。 式(I) WP /(WP +WD )≦0.035 式(II) 0.45≦ WD /(WC +WD )≦0.65 〔式中、WP 、WD およびWC は、それぞれ、プロペニ
ルノルボルネン、ジシクロペンタジエンおよびシクロペ
ンタジエンの重量を表す。〕
Description
られるC5 留分を原料として高純度のジシクロペンタジ
エンを効率よく製造する方法に関する。特に、C5 留分
を原料とするイソプレンの製造プラントにおいて、イソ
プレンよりも少ない量のジシクロペンタジエンを副生成
物として製造する場合に、高純度ジシクロペンタジエン
を最も効率的に製造することができる方法に関する。
C5 留分からジシクロペンタジエン(以下「DCPD」
という)を製造する方法が知られている。ここに、DC
PDを製造するためのC5 留分には、15重量%前後の
イソプレン、13重量%前後のシクロペンタジエン(以
下「CPD」という)、7重量%前後のDCPDが含有
されている。C5 留分の組成の一例を下記表1に示す。
DCPDを得るに場合には、通常、C5 留分中に13重
量%前後の割合で含まれているCPDを二量化してDC
PDとする二量化処理が行われる。この二量化処理につ
いては、反応条件などに関し、以下に示すように種々の
検討がなされている。
は、温度82〜104℃、滞留時間4〜12時間の条件
でCPDを含有する系を滞留させることにより、当該C
PDの80〜90重量%が二量化されることが記載され
ている。そして、二量化処理後の系に含まれるDCPD
の重量をWD 、CPDの重量をWC とするとき、「WD
/(WC +WD )」の値は0.8以上と計算される。
は、100〜150℃の範囲で反応温度を変えて二量化
処理を行った結果、反応温度が130℃を超えると、C
PDの二量化速度は速くなるものの、CPDとイソプレ
ンとの共二量体およびCPDとピペリレンとの共二量体
であるプロペニルノルボルネン(以下「PNB」とい
う)が生成しやすくなり、DCPDの収率が減少する傾
向にあるので、130℃以下の反応が好ましいと記載さ
れ、具体的な反応条件として、反応温度130℃、反応
時間6時間の実施例が示されている。そして、二量化処
理後の系に含まれるDCPDの重量をWD 、CPDの重
量をWC とするとき、「WD /(WC +WD )」の値
は、反応温度が100℃のときに0.92、反応温度が
130℃のときに0.96と計算される。
DCPDの生成率をできるだけ高く、かつ、CPDとジ
オレフィンとの共二量体等の生成率をできるだけ低くす
る観点から、反応温度80〜110℃、反応時間2〜6
時間の反応条件が示されている。そして、二量化処理後
の系に含まれるDCPDの重量をWD 、CPDの重量を
WC とするとき、「WD /(WC +WD )」の値は0.
72と計算される。
れば、DCPDの生産率がある程度高く、生産性の向上
を図る観点からは好ましい。
を含めて従来の製造方法においては、C5 留分の二量化
処理によって、DCPDの沸点に極めて近い沸点を有す
るためにDCPDからの分離が困難な共二量体、特にP
NBが多量に生成される。このため、最終的に得られる
DCPD製品の純度を高めることが困難となり、高純度
DCPDを効率的に製造することができない。
処理後の系に含まれるPNB(「低沸コダイマ」と記載
されている分を推定)の重量をWP 、DCPDの重量を
WDとするとき、「WP /(WP +WD )」の値は、反
応温度が100℃のときに0.084、反応温度が13
0℃のときに0.229とされている。また、上記
(3)の方法において、「WP /(WP +WD )」の値
は0.041と計算される。
生産性の向上を図る観点から、高温・短時間の反応条件
でCPDの二量化処理が行われており、斯かる反応条件
では、DCPDの生成率を高めることができるが、これ
に伴い、PNB等の共二量体の生成率も増加してしま
う。そして、分離され難い共二量体の増加によってDC
PDの純度を高めることが困難となり、高純度のDCP
Dを効率的に製造することができない、という問題があ
った。
な事情に基いてなされたものである。本発明の目的は、
高純度のDCPDを効率的に製造する方法を提供するこ
とにある。本発明の他の目的は、C5 留分を原料とする
イソプレンの製造プラントにおいて、イソプレンよりも
少ない量のDCPDを副生成物として製造する場合の方
法として好適な高純度DCPDの製造方法を提供するこ
とにある。
的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、C5 留分中
に含まれるCPDの二量化処理を特定の反応条件下で行
って、当該C5 留分中に存在するDCPD、CPDおよ
びPNBの割合を、特定の関係式を満足するよう制御す
ることにより、最終的に得られるDCPD製品の純度を
容易に高めることができることを見出し、斯かる知見に
基いて本発明を完成するに至った。
方法は、ナフサを熱分解して得られるC5 留分を25〜
45℃の温度で20〜200時間滞留させることによ
り、このC5 留分中に含まれるCPDを二量化してDC
PDとする二量化処理工程を有し、この二量化処理工程
を経て得られる前記C5 留分中には、DCPD、CPD
およびPNBが、それぞれ、下記の式(I)〜(II)を
満足する割合で含まれていることを特徴とする。 式(I) WP /(WP +WD )≦0.035 式(II) 0.45≦ WD /(WC +WD )≦0.65 〔式中、WP 、WD およびWC は、それぞれ、C5 留分
中に含まれているPNB、DCPDおよびCPDの重量
を表す。〕
工程を経て得られるC5 留分を、DCPDの純度が75
重量%以上になるまで常圧蒸留によって精製する精製工
程(A)と、この精製工程(A)を経て得られる留分
を、DCPDの純度が95重量%以上になるまで減圧蒸
留によって精製する精製工程(B)と、この精製工程
(B)を経て得られる留分からDCPDよりも沸点の高
い物質を分離除去することにより、DCPDの純度が9
6.5重量%以上になるまで精製する精製工程(C)と
を有していることが好ましい。
程(A)と、前記精製工程(B)と、この精製工程
(B)を経て得られる留分からDCPDよりも沸点の低
い共二量体等を分離除去することにより、DCPDの純
度が98重量%以上になるまで精製する精製工程(D)
と、この精製工程(D)を経て得られる留分からDCP
Dよりも沸点の高い物質を分離除去することにより、D
CPDの純度が99重量%以上になるまで精製する精製
工程(E)とを有していることが好ましい。
程(A)と、前記精製工程(B)と、この精製工程
(B)を経て得られる留分を150〜250℃の温度で
加熱することにより、この留分中に含まれるDCPDを
熱分解してCPDとし、次いで、80〜120℃の温度
でこの系を滞留させることにより、この系に含まれるC
PDを二量化してDCPDとすることにより、DCPD
の純度が99重量%以上になるまで精製する精製工程
(F)とを有していることが好ましい。
従来の製造方法より低温・長時間である特定の反応条件
で実施することにより、当該二量化処理工程を経て得ら
れるC5 留分は、DCPDからの分離が困難なPNBの
含有割合が少ないものとなり、その結果、最終的に得ら
れるDCPD製品の純度を高めることができる。
明する。本発明の製造方法は、特定の反応条件下でCP
Dを二量化処理する二量化処理工程と、DCPDの純度
を高めるための精製処理工程とに大別される。
る処理温度(反応温度)は25〜45℃とされ、好まし
くは30〜40℃とされる。処理温度が25℃未満であ
ると、DCPDの生成率が低くなって生産性の観点から
好ましくない。一方、処理温度が45℃を超えると、P
NBの生成率が増加して最終的に得られるDCPD製品
の純度を高めることができない。
間)は20〜200時間とされ、好ましくは50〜15
0時間とされる。滞留時間が20時間未満であると、D
CPDの生成率が低くなって生産性の観点から好ましく
ない。一方、滞留時間が200時間を超えると、PNB
の生成率が増加して最終的に得られるDCPD製品の純
度を高めることができない。
ては、上記表1に示した典型的組成を挙げることができ
るが、C5 留分の組成は、熱履歴等によって経時的に変
化するため、処理温度や滞留時間などの処理条件は、C
5 留分の組成に応じて、25〜45℃、20〜200時
間の範囲内において適宜変更することができる。
方法よりも低温条件で行われ、また、滞留時間も比較的
長いので、C5 留分の貯蔵タンク内において処理するこ
とができる。そして、貯蔵タンクを利用する場合には、
二量化処理のための設備や加熱手段を特別に設ける必要
はないので、この点からも効率的かつ経済的である。
おいて、このC5 留分中に含まれるPNBとDCPDと
の合計重量に対するPNBの重量の比〔WP /(WP +
WD)〕は0.035以下とされる。この重量比が0.
035を超える場合には、最終的に得られるDCPD製
品の純度を高めることができない。
PDとの合計重量に対するDCPDの重量の比〔WD /
(WC +WD )〕は0.45以上0.65以下とされ
る。この重量比が0.45未満である場合にはDCPD
の生産性の観点から好ましくない。一方、この重量比が
0.65を超えるような反応条件によって二量化処理を
行うと、前記〔WP /(WP +WD )〕の値が0.03
5を超えてしまう。
るイソプレンの製造プラントにおいて、イソプレンより
も少ない量のDCPDを副生成する場合に、高純度DC
PDを最も効率的に製造することができる。
有量と、DCPDおよびCPDの合計含有量とを比較す
ると、両者は同量か、後者(DCPDおよびCPDの合
計含有量)が若干多い程度である(表1に示す組成にお
いては、前者が15.0重量%、後者が19.8重量%
である。)。
るC5 留分について、重量比〔WD/(WC +WD )〕
を0.65以下に制御することは、イソプレンよりも少
ない量のDCPDを製造することになる(例えば、表1
に示す組成のC5 留分について、WD /19.8≦0.
65とすると、WD ≦12.87重量%となり、この割
合はイソプレンの生成量である15.0重量%よりも少
ない。)。
する精製処理工程は、DCPDの純度を高めるための工
程であり、以下に詳述する精製処理工程〔イ〕、精製処
理工程〔ロ〕および精製処理工程〔ハ〕を挙げることが
できる。
〔イ〕は、二量化処理工程を経て得られるC5 留分を、
DCPDの純度が75重量%以上になるまで常圧蒸留に
よって精製する精製工程(A)と、この精製工程(A)
を経て得られる留分を、DCPDの純度が95重量%以
上になるまで減圧蒸留によって精製する精製工程(B)
と、この精製工程(B)を経て得られる留分から、DC
PDよりも沸点の高い物質を分離除去することにより、
DCPDの純度が96.5重量%以上になるまで精製す
る精製工程(C)とを組み合わせてなる精製方法であ
る。
〜30段の蒸留塔を用い、塔頂温度を40〜60℃、塔
底温度を110〜140℃に設定して常圧蒸留を行い、
C5〜C6 の未反応成分(例えばイソペンタン、n−ペ
ンタン、C5 モノオレフィン類、1,4−ペンタジエ
ン、1,3−ペンタジエン、シクロペンタン、シクロペ
ンテン、C5 アセチレン類、C6 類等)、C4 以下の成
分、イソプレン、CPDなどよりなる留分を塔頂から除
去するとともに、75重量%以上のDCPDを含む留分
を塔底から取り出す工程である。なお、ここで、「常
圧」とは、圧力0〜2kg/cm2 Gの範囲を含むもの
とする。
20段の蒸留塔を用い、塔頂温度を80〜110℃、塔
底温度を95〜125℃に設定して、100〜250T
orrの減圧下で蒸留を行い、精製工程(A)で分離除
去できなかったC5 〜C6 の未反応成分、イソプレン、
CPDなどよりなる留分を塔頂から除去するとともに、
95重量%以上のDCPDを含む留分を塔底から取り出
す工程である。なお、上記の精製工程(A)および精製
工程(B)において、蒸留塔の塔頂から除去されたC5
〜C6 留分は、イソプレンの製造原料として用いられ
る。
10段の蒸留塔を用い、塔頂温度を90〜120℃、塔
底温度を95〜125℃に設定して、80〜200To
rrの減圧下で蒸留を行い、DCPDよりも沸点の高い
物質を含む留分を塔底から除去するとともに、96.5
重量%以上のDCPDを含む留分を塔頂から取り出す工
程である。なお、この留分中に3.5重量%未満の割合
で含まれる不純物の大部分はPNBである。
〔ロ〕は、前記精製工程(A)と、前記精製工程(B)
と、この精製工程(B)を経て得られる留分から、DC
PDよりも沸点の低い共二量体等を分離除去することに
より、DCPDの純度が98重量%以上になるまで精製
する精製工程(D)と、この精製工程(D)を経て得ら
れる留分から、DCPDよりも沸点の高い物質を分離除
去することにより、DCPDの純度が99重量%以上に
なるまで精製する精製工程(E)とを組み合わせてなる
精製方法である。
〜100段の蒸留塔を用い、塔頂温度を40〜100
℃、塔底温度を90〜120℃に設定して、10〜10
0Torrの減圧下で蒸留を行い、DCPDよりも沸点
の低い共二量体等を含む留分を塔頂から除去するととも
に、98重量%以上のDCPDを含む留分を塔底から取
り出す工程である。
〔イ〕の精製工程(C)と同様の操作を行って、99重
量%以上のDCPDを含む留分を蒸留塔の塔頂から取り
出す工程である。
〔ハ〕は、前記精製工程(A)と、前記精製工程(B)
と、この精製工程(B)を経て得られる留分を150〜
250℃の温度で加熱することにより、この留分中に含
まれるDCPDを熱分解してCPDとし、次いで、80
〜120℃の温度でこの系を滞留させることにより、こ
の系に含まれるCPDを二量化してDCPDとすること
により、DCPDの純度が99重量%以上になるまで精
製する精製工程(F)とを組み合わせてなる精製方法で
ある。
して行われる。 精製工程(B)を経て得られる留分を、予熱器など
に通すことにより130〜230℃に加温する。 加温された留分を、理論段数3〜10の蒸留塔が連
結されてなる攪拌機付の熱分解器に供給し、温度150
〜250℃、圧力−0.5〜0.5kg/cm2Gの条
件で滞留させる。2〜8時間滞留させた後、熱分解器の
底部に設けられた取出口から熱分解残渣(重質分)を取
り出して除去するとともに、例えば温度20〜55℃に
設定された蒸留塔の塔頂から熱分解によって生成したC
PDを含む留分を取り出す。 塔頂から取り出したCPDを含む留分を、例えば管
型の二量化反応器に供給して80〜120℃の温度で2
〜10時間滞留させることによってCPDを二量化して
DCPDとし、これによって、純度が99重量%以上の
DCPDが得られる。なお、必要に応じて、このDCP
Dに極微少量含まれている軽質分や重質分を除去するた
めの蒸留操作を行ってもよい。
び熱分解操作において、DCPDの純度が75重量%以
上となる系には、DCPDの酸化を防止するために、
2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、t−
ブチルカテコール等の酸化防止剤を添加することが好ま
しい。斯かる酸化防止剤の添加量としては、系に対して
10〜1000ppmとされ、好ましくは50〜500
ppmとされる。
明するが、本発明はこれらにより限定されるものではな
い。なお、以下において「部」は「重量部」を意味す
る。
35℃に加温した後、当該温度に保温された容器内に供
給して80時間滞留させることにより、このC5 留分中
に含まれるCPDを二量化してDCPDとする二量化処
理を行った。二量化処理前後におけるC5 留分の組成を
下記表2に示す。
とDCPDとの合計重量に対するPNBの重量の比〔W
P /(WP +WD )〕は0.026であり、CPDとD
CPDとの合計重量に対するDCPDの重量の比〔WD
/(WC +WD )〕は0.57であった。
を、圧力0.9kg/cm2 Gに保持された理論段数2
2段の蒸留塔に連続的に供給し、塔頂温度50℃、還流
比0.3、塔底温度130℃の操作条件で常圧蒸留を行
い、不純物を含む留分861部を塔頂から除去するとと
もに、DCPDを含む留分139部を塔底から取り出し
た。塔底から取り出した留分の組成を表3に示す。表3
に示すように、この精製工程(A)によりDCPDの割
合は80.5重量%となった。
分139部に、t−ブチルカテコールのDCPD溶液
(濃度10重量%)0.14部(酸化防止剤として10
0ppm)を連続的に添加し、この留分を、圧力160
Torrに保持された理論段数8段の蒸留塔に連続的に
供給し、塔頂温度98℃、還流比3.1、塔底温度11
6℃の操作条件で減圧蒸留を行い、不純物を含む留分2
4部を塔頂から除去するとともに、DCPDを含む留分
115部を塔底から取り出した。塔底から取り出した留
分の組成を併せて表3に示す。表3に示すように、この
精製工程(B)によりDCPDの割合は96.5重量%
となった。
分115部を、圧力110Torrに保持された理論段
数6段の蒸留塔に連続的に供給し、塔頂温度107℃、
還流比0.3、塔底温度108℃の操作条件で減圧蒸留
を行い、不純物(高沸点物質)を含む留分8部を塔底か
ら除去するとともに、DCPDを含む留分107部を塔
頂から取り出した。なお、この減圧蒸留に際しては、蒸
留塔の塔頂のコンデンサー入口から、t−ブチルカテコ
ールのDCPD溶液(濃度10重量%)0.11部(酸
化防止剤として100ppm)を連続的に添加した。塔
頂から取り出した留分の組成を併せて表3に示す。表3
に示すように、この精製工程(C)によりDCPDの割
合は97.2重量%となり、高純度のDCPDが得られ
た。
表2(二量化処理後)に示す組成のC5 留分を得た。
PDを80.5重量%の割合で含む留分139部を得
た。
PDを96.5重量%の割合で含む留分115部を得
た。
分115部に、t−ブチルカテコールのDCPD溶液
(濃度10重量%)0.12部(酸化防止剤として10
0ppm)を連続的に添加し、この留分を、圧力20T
orrに保持された理論段数75段の蒸留塔に連続的に
供給し、塔頂温度60℃、還流比20、塔底温度105
℃の操作条件で減圧蒸留を行い、不純物(共二量体)を
含む留分23部を塔頂から除去するとともに、DCPD
を含む留分92部を塔底から取り出した。塔底から取り
出した留分の組成を併せて表4に示す。表4に示すよう
に、この精製工程(D)によりDCPDの割合は98.
9重量%となった。
分92部を、圧力110Torrに保持された理論段数
6段の蒸留塔に連続的に供給し、塔頂温度107℃、還
流比1.0、塔底温度109℃の操作条件で減圧蒸留を
行い、不純物(高沸点物質)を含む留分10部を塔底か
ら除去するとともに、DCPDを含む留分82部を塔頂
から取り出した。なお、この減圧蒸留に際しては、蒸留
塔の塔頂のコンデンサー入口から、t−ブチルカテコー
ルのDCPD溶液(濃度10重量%)0.08部(酸化
防止剤として100ppm)を連続的に添加した。塔頂
から取り出した留分の組成を併せて表4に示す。表4に
示すように、この精製工程(E)によりDCPDの割合
は99.7重量%となり、極めて高純度のDCPDが得
られた。
表2(二量化処理後)に示す組成のC5 留分を得た。
PDを80.5重量%の割合で含む留分139部を得
た。
PDを96.5重量%の割合で含む留分115部を得
た。
分115部を予熱器を通して180℃に加温し、加温さ
れた留分を、理論段数6段の蒸留塔が上部に連結されて
なる攪拌機付の熱分解器に供給し、温度180℃で5時
間滞留させた後、熱分解器の底部に設けられた取出口か
ら熱分解残渣(重質分)20部を取り出して除去すると
ともに、蒸留塔の塔頂から熱分解によって生成したCP
Dを含む留分95部を取り出した。なお、蒸留塔は、大
気圧下、塔頂温度41℃、還流比0.5の条件で行わ
れ、また、蒸留に際しては、塔頂のコンデンサー入口か
ら、t−ブチルカテコールのDCPD溶液(濃度10重
量%)0.10部(酸化防止剤として100ppm)を
連続的に添加した。次に、蒸留塔の塔頂から得られたC
PDを含む留分95部を、予熱器を通して100℃に保
持された管型反応器内に供給して6時間滞留させること
によりCPDの二量化反応を行わせた。このようにして
得られた生成系の組成を表5に示す。表5に示すよう
に、この精製工程(F)によりDCPDの割合は99.
5重量%となり、極めて高純度のDCPDが得られた。
さらに、CPDも加えたDCPDの純度は99.9重量
%であった。
100℃に加温した後、当該温度に保持された管型反応
器内に供給して4時間滞留させることにより、このC5
留分中に含まれるCPDを二量化してDCPDとする二
量化処理を行った。二量化処理前後におけるC5 留分の
組成を下記表6に示す。
とDCPDとの合計重量に対するPNBの重量の比〔W
P /(WP +WD )〕は0.049(実施例1における
比の約1.9倍)であり、PNBの生成率は高いもので
あった。また、CPDとDCPDとの合計重量に対する
DCPDの重量の比〔WD /(WC +WD )〕は0.8
0であった。
て、実施例1の精製工程(A)〜精製工程(C)と同様
の操作を行い、精製工程(C)における蒸留塔の塔頂か
らDCPDを含む留分110部を取り出した。塔頂から
取り出した留分の組成を表7に示す。表7に示すよう
に、DCPDの割合は94.9重量%に止まり、純度の
高いDCPD製品を得ることができなかった。これは、
高温・短時間の二量化処理によってPNBの生成率が高
くなったからであると考えられる。
に含まれるCPDの二量化処理を従来の発想とは異なる
特定の反応条件下で行うことにより、最終的に得られる
DCPD製品の純度を容易に高めることができ、高純度
のDCPDを効率的に製造することができる。また、本
発明の製造方法は、C5 留分を原料とするイソプレンの
製造プラントにおいて、イソプレンよりも少ない量のD
CPDを副生成物として製造する場合に、高純度DCP
Dを特に効率的に製造することができる。
Claims (1)
- 【請求項1】 ナフサを熱分解して得られるC5 留分を
25〜45℃の温度で20〜200時間滞留させること
により、このC5 留分中に含まれるシクロペンタジエン
を二量化してジシクロペンタジエンとする二量化処理工
程を有し、 この二量化処理工程を経て得られる前記C5 留分中に
は、ジシクロペンタジエン、シクロペンタジエンおよび
プロペニルノルボルネンが、それぞれ、下記の式(I)
〜(II)を満足する割合で含まれていることを特徴とす
る高純度ジシクロペンタジエンの製造方法。 式(I) WP /(WP +WD )≦0.035 式(II) 0.45≦ WD /(WC +WD )≦0.65 〔式中、WP 、WD およびWC は、それぞれ、C5 留分
中に含まれているプロペニルノルボルネン、ジシクロペ
ンタジエンおよびシクロペンタジエンの重量を表す。〕
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP01997695A JP3766985B2 (ja) | 1995-01-13 | 1995-01-13 | 高純度ジシクロペンタジエンの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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---|---|---|---|
JP01997695A JP3766985B2 (ja) | 1995-01-13 | 1995-01-13 | 高純度ジシクロペンタジエンの製造方法 |
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