JPH08187615A - 板状体の切断集積装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 板状体の様々な切断寸法にも即座に対応する
ことができ、板状体の切断及び集積を自動的に行うこと
ができ、しかも、低コストである板状体の切断集積装置
を提供する。 【構成】 板状体ｐを吊り上げて所定の方向へ押し出す
第１の供給機構１と、板状体ｐを支持し搬送する第１の
搬送機構２と、板状体ｐを搬送方向と平行に複数に切断
し小板状体として送り出す第１の切断機構３と、小板状
体を所定時間をおいて順次搬送する第２の搬送機構４
と、小板状体を搬送方向と平行に複数に切断し板片とし
て送り出す第２の切断機構６と、各板片の切断による変
形を矯正し平坦化する矯正機構７と、平坦化された各板
片をこの送り出された方向と略直角な方向に所定の角度
傾斜させて支持し、これらの板片をその傾斜面が上がる
方向へ順次移動させて集積する集積機構８とを備えたこ
とを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、板状体の切断及び集積
を自動的に行う板状体の切断集積装置に関するものであ
る。

【０００２】

【従来の技術】従来、金属の電解精錬においては、電解
槽内に陰極板を懸吊するのに金属製のリボン状の吊手が
好適に用いられており、これらの吊手は、電着金属薄板
（板状体）を次の様な方法により切断加工することで製
造される。 （ａ）金属板の挿入方向に対して直角の方向に所定の間
隔をおいて配列された刃体を有するスリッタを切断幅が
異なる毎に用意し、電着金属薄板をこれらのスリッタを
順次通過させることにより、所定の大きさの金属片に切
断し吊手とする方法。 （ｂ）成形機等を用い、大きな電着金属薄板から所定の
大きさの金属片を打ち抜き吊手とする方法。 （ｃ）シャーリングを用いて大きな電着金属薄板を順次
縦横に切断し吊手とする方法。 これらの方法により製造された吊手は、一旦収納ボック
ス等に格納された後、人手により、あるいは集積装置を
用いて、所定枚数重ねられて集積され梱包される。ま
た、集積された状態のまま次工程へ送られることもあ
る。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところで、上記（ａ）
の方法では、電着金属薄板の挿入、切断された吊手の送
り出し及び集積をそれぞれ人手で行なっているために作
業能率が悪く、手で重ね合わせる際に吊手同士がぶつか
り合って表面に傷が付いてしまう等の問題点があった。
また、各スリッタ毎に少なくとも３人の人手が必要とな
り、省力化及び自動化が難しいという問題点もあった。
また、上記（ｂ）の方法では、油圧ユニットが必要とな
るために装置全体が複雑かつ高価になりランニングコス
トが高くなり、また、異なった大きさの吊手を作成する
場合、この大きさに合った金型を新たに作成する必要が
あり、しかも金型はかなり高価であり、さらに、打ち抜
きの寸法精度が悪く歩留まりが低い等、さまざまな問題
点があった。

【０００４】また、上記（ｃ）の方法では、例えば、矩
形状の吊手を作成するのに、各辺毎に１回ずつシャーリ
ングを動作させなければならず、単位時間当りの製造数
量が少なく作業能率が悪くなり、また、集積工程が複雑
になるため用いる集積装置が大型かつ高価になり、場合
によっては人手で行なわざるを得ない等の問題点があっ
た。上記各問題点は、それぞれの方法において自動化を
妨げる要因になっており、早急に改善する必要があっ
た。

【０００５】本発明は上記事情に鑑みてなされたもの
で、板状体の様々な切断寸法にも即座に対応することが
でき、板状体の切断及び集積を自動的に行うことがで
き、しかも、低コストである板状体の切断集積装置を提
供することを目的としている。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は次のような板状体の切断集積装置を採用し
た。すなわち、請求項１記載の板状体の切断集積装置
は、積載された板状体から１枚づつ吊り上げて所定の方
向へ押し出す第１の供給機構と、この押し出された板状
体を支持し所定の方向へ搬送する第１の搬送機構と、こ
の搬送された板状体を搬送方向と平行に複数に切断し小
板状体として送り出す第１の切断機構と、これらの小板
状体を送り出された方向と略直角な方向へ所定時間をお
いて順次搬送する第２の搬送機構と、この小板状体を搬
送方向と平行に複数に切断し板片として送り出す第２の
切断機構と、これら各板片の切断による変形を矯正し平
坦化する矯正機構と、平坦化された各板片をこの送り出
された方向と略直角な方向に所定の角度傾斜させて支持
し、これらの板片をその傾斜面が上がる方向へ順次移動
させて集積する集積機構とを備えたものである。

【０００７】請求項２記載の板状体の切断集積装置は、
請求項１記載の板状体の切断集積装置において、前記第
１の切断機構の後に、これら小板状体の切断による変形
を矯正し平坦化する第２の矯正機構を設けたものであ
る。

【０００８】請求項３記載の板状体の切断集積装置は、
請求項１記載の板状体の切断集積装置において、前記第
１の切断機構に、この第１の切断機構により送り出され
た板屑を搬送する第３の搬送機構を設けたものである。

【０００９】請求項４記載の板状体の切断集積装置は、
請求項１ないし３のいずれか１項記載の板状体の切断集
積装置において、前記第１の供給機構が、上下方向に移
動自在かつ任意の位置に固定可能に設けられ、板状体を
吸引して吊り上げる吸引部と、この吊り上げられた板状
体の押し出し方向の両側に設けられ該板状体を支持する
支持部と、支持された該板状体の押し出し方向に移動自
在かつ任意の位置に固定可能に設けられ該板状体を押し
出す爪部とを備えたものである。

【００１０】請求項５記載の板状体の切断集積装置は、
請求項１ないし３のいずれか１項記載の板状体の切断集
積装置において、前記第１の搬送機構が、上下方向移動
自在かつ任意の位置に固定可能に設けられ押し出された
前記板状体を受けて下降させる受け部と、該受け部の下
方に設けられ下降する板状体を受けて所定の方向へ搬送
する第１の搬送部とを備えたものである。

【００１１】請求項６記載の板状体の切断集積装置は、
請求項１ないし３のいずれか１項記載の板状体の切断集
積装置において、前記第１の切断機構が、前記第１の搬
送機構の送り出し側の前記板状体の搬送方向と直角の方
向に配列された複数の刃体を備え、隣り合う刃体の間隔
を任意に調節可能としたものである。

【００１２】請求項７記載の板状体の切断集積装置は、
請求項１ないし３のいずれか１項記載の板状体の切断集
積装置において、前記第２の切断機構が、前記第２の搬
送機構の送り出し側の前記小板状体の搬送方向と直角の
方向に配列された複数の刃体を備え、隣り合う刃体間の
間隔を任意に調節可能としたものである。

【００１３】請求項８記載の板状体の切断集積装置は、
請求項１ないし３のいずれか１項記載の板状体の切断集
積装置において、前記第２の搬送機構が、前記第１の切
断機構より送り出された複数の小板状体をそれぞれ収納
し、これらの小板状体を所定時間をおいて１枚づつ順次
送り出す送り出し部と、該送り出し部より順次送り出さ
れる小板状体をその送り出された方向と略直角の方向へ
搬送する第２の搬送部とを備えたものである。

【００１４】

【作用】本発明の請求項１記載の板状体の切断集積装置
では、板状体は、第１の供給機構、第１の搬送機構、第
１の切断機構、第２の搬送機構、第２の切断機構、矯正
機構、集積機構を順次通過させることにより、所定の形
状の板片に加工され、切断によりねじれや撓み等の変形
が生じた場合に変形が矯正されて平坦化され、その後集
積される。これにより、板状体の切断及び集積が速やか
にしかも自動的に行なわれ、特に複雑な装置を用いる必
要も無いので低コストで製造することが可能になる。

【００１５】請求項２記載の板状体の切断集積装置で
は、前記第１の切断機構の後に、これらの小板状体を矯
正し平坦化する第２の矯正機構を設けたことにより、板
状体が前記第１の切断機構により切断される際に、得ら
れた小板状体にねじれや撓み等の変形が生じても、第２
の矯正機構によりこの変形が矯正されて平坦化される。
これにより、変形のない平坦な小板状体が得られる。

【００１６】請求項３記載の板状体の切断集積装置で
は、前記第１の切断機構に、この第１の切断機構により
送り出された板屑を搬送する第３の搬送機構を設けたこ
とにより、板屑のみが効率的に回収され、この板屑が小
板状体を傷つけるおそれもなくなる。

【００１７】請求項４記載の板状体の切断集積装置で
は、前記吸引部により所定の位置に吊り上げられた板状
体は、この板状体の押し出し方向の両側に設けられた支
持部により両側から一旦支持され、この支持された板状
体が爪部によりその押し出し方向へ向かって押し出され
る。これにより、板状体は所定の高さに位置した状態で
第１の搬送機構に向かって所定の速度で押し出され、第
１の搬送機構への板状体の供給を人手を要せずに自動で
かつ速やかに行うことが可能になる。

【００１８】請求項５記載の板状体の切断集積装置で
は、受け部が押し出された板状体をその高さ位置で一旦
保持し、該板状体を第１の搬送部に向かって下降させる
ことにより、該板状体を位置ずれ等なく第１の搬送部上
に載置する。これより、該第１の搬送部に位置合わせ用
の治具等を設ける必要がなくなる。

【００１９】請求項６記載の板状体の切断集積装置で
は、第１の搬送機構の搬送方向と直角の方向に複数の刃
体を配列し、隣り合う刃体の間隔を任意に調節可能とし
たことにより、刃体の間隔は板状体の切断すべき幅に合
わせて容易に変更される。これより、刃体の間隔を適宜
設定することにより、様々の切断幅の小板状体を容易に
得ることが可能になる。

【００２０】請求項７記載の板状体の切断集積装置で
は、第２の搬送機構の搬送方向と直角の方向に複数の刃
体を配列し、隣り合う刃体間の間隔を任意に調節可能と
したことにより、刃体の間隔は小板状体の切断すべき幅
に合わせて容易に変更される。これより、刃体の間隔を
適宜設定することにより、様々の切断幅の板片を容易に
得ることが可能になる。

【００２１】請求項８記載の板状体の切断集積装置で
は、前記送り出し部が第１の切断機構より送り出された
複数の小板状体をそれぞれ収納し、これらの小板状体を
所定時間をおいて１枚づつ順次送り出すことにより、小
板状体は１枚づつ所定の間隔をおいて第２の切断機構に
供給され、これら小板状体同士が搬送中に重なる等の不
具合がなくなる。

【００２２】

【実施例】図１は本発明の一実施例の電着金属薄板（板
状体）切断集積装置（以下、薄板切断集積装置と略称す
る）を示す平面図、図２は同正面図、図３は同側面図で
あり、図において、１は積載された電着金属薄板（板状
体：以下、薄板と称する）ｐから１枚づつ吊り上げて所
定の方向へ押し出す第１の供給機構、２はこの押し出さ
れた薄板ｐを支持し所定の方向へ搬送する第１の搬送機
構、３はこの搬送された薄板ｐを搬送方向と平行に複数
に切断し小薄板（小板状体）として送り出す第１の切断
機構、４はこれらの小薄板を送り出された方向と略直角
な方向へ所定時間をおいて順次搬送する第２の搬送機
構、５は前記第１の切断機構３に設けられて該第１の切
断機構３により送り出された板屑を搬送する第３の搬送
機構、６はこの小薄板を搬送方向と平行に複数に切断し
金属片（板片）として送り出す第２の切断機構、７はこ
れら各金属片の切断による変形を矯正し平坦化する矯正
機構、８は矯正された各金属片をこの送り出された方向
と略直角な方向に所定の角度傾斜させて支持し、これら
の金属片をその傾斜面が上がる方向へ順次移動させて集
積する集積機構である。

【００２３】第１の供給機構１は、図１及び図４に示す
ように、フレーム１１の上部に配置され、図示しない駆
動機構により上下方向に移動自在かつ任意の位置に固定
可能とされ、薄板ｐを吸引して吊り上げる複数の吸引部
１２，１２，…と、この吊り上げられた薄板ｐの押し出
し方向の両側に設けられ該薄板ｐを支持する支持部１
３，１３と、支持された該薄板ｐの押し出し方向に移動
自在かつ任意の位置に固定可能に設けられ該薄板ｐを押
し出す爪部１４とにより構成されている。

【００２４】これら吸引部１２は、薄板ｐの押し出し方
向の両側がそれぞれ吸引されて吊り上げられるように、
各側の上方に水平方向に所定間隔をおいて３個づつ、計
６個設けられている。支持部１３は、断面Ｌ字型のアン
グルからなるもので、その長手方向が薄板ｐの押し出し
方向に平行となるように水平に配置され、図示しない駆
動機構により上端部を水平軸として回動可能である。爪
部１４は、フレーム１１の上部中央の薄板ｐの押し出し
方向と平行なるレール１５上に図示しない駆動機構によ
り摺動自在かつ任意の位置に固定可能に設けられてい
る。

【００２５】第１の搬送機構２は、フレーム１１の押し
出し側に隣接して設けられたフレーム２１に上下方向移
動自在かつ任意の位置に固定可能に設けられ、押し出さ
れた薄板ｐを下から受けて下降させる受け部２２と、該
受け部２２の下方に設けられ下降する薄板ｐを受けて送
り出し方向へ搬送する第１の搬送部２３とを備えてい
る。

【００２６】受け部２２は、短冊状の受片２４が薄板ｐ
の押し出し方向と直角な方向に平行に複数（この場合４
枚）配列されたもので、これらの受片２４，２４，…は
フレーム２１の外側に設けられたアクチュエータ２５を
駆動させることにより水平軸２６を中心として回動自在
とされている。第１の搬送部２３は、受片２４，２４，
…の間及びその両側にそれぞれ配置され互いに平行なる
ベルトコンベア２７，２７，…と、ベルトコンベア２
７，２７，…を駆動させる電動機２８とから構成されて
いる。

【００２７】第１の切断機構３は、第１の搬送機構２の
送り出し側に薄板ｐの搬送方向と直角の方向かつ薄板ｐ
を挟む様に配置された２本のロール３１，３１と、各ロ
ール３１に同軸的にかつその軸方向に所定の間隔をおい
て固定された複数の刃体３２（この場合４枚）と、これ
らロール３１，３１をその軸の回りに回転させる図示し
ない駆動機構とから構成されている。隣り合う刃体３２
間の間隔は、得るべき小薄板（小板状体）ｓの幅と一致
する様に調節されており、この間隔は各刃体３２をロー
ル３１の軸方向に所望の位置まで摺動させて固定具で固
定することにより任意に調節可能である。

【００２８】第２の搬送機構４は、図１、図３及び図５
に示すように、第１の切断機構３より送り出された複数
の小薄板ｓをそれぞれ収納し、これらの小薄板ｓを所定
時間をおいて１枚づつ順次送り出す送り出し部３３と、
該送り出し部３３より順次送り出される小薄板ｓをその
送り出された方向と略直角の方向へ搬送する第２の搬送
部３４と、これを駆動する図示しない駆動機構とから構
成されている。

【００２９】送り出し部３３は、短冊状の受片３５が小
薄板ｓの送り出し方向と平行に複数（この場合３枚）配
列され、これらの受片３５ａ，３５ｂ，３５ｃのそれぞ
れの長手方向に沿った一端面に水平軸３６が設けられ、
各受片３５はアクチュエータ３７により互いに異なる時
刻に水平軸３６を中心として回動する構成とされてい
る。例えば、受片３５ａが回動して所定の角度傾き、一
定時間経過後に次の受片３５ｂが回動して所定の角度傾
き、さらに一定時間経過後に最後の受片３５ｃが回動し
て所定の角度傾くという様に、複数の小薄板ｓを所定時
間をおいて１枚づつ順次送り出す構成である。第２の搬
送部３４は、受片３５ａ，３５ｂ，３５ｃの下方に、そ
れぞれが互いに平行に配置されたベルトコンベア３８，
３８，…と、ベルトコンベア３８，３８，…を駆動させ
る電動機３９とから構成されている。

【００３０】第３の搬送機構５は、第１の切断機構３の
送り出し側に設けられ、薄板ｐより小薄板ｓを切断した
切りしろを搬送するシューター４１と、シューター４１
により搬送される板屑を所定の場所へ搬送するベルトコ
ンベア４２とから構成されている。

【００３１】第２の切断機構６は、第１の切断機構３と
同様の構成要素により構成されたもので、各ロール３１
に１０枚の刃体３２が固定され、隣接する刃体３２間の
間隔が得るべき金属片の幅と一致する様に調節されてい
る点が異なる。この第２の切断機構６にも、小薄板ｓよ
り金属片を切断した切りしろを搬送するシューター４３
が設けられており、シューター４３により搬送される板
屑はベルトコンベア４２により所定の場所へ搬送され
る。

【００３２】矯正機構７は、第２の切断機構６の送り出
し側に金属片の搬送方向と直角の方向かつ金属片を挟む
様に配置された２組のロール５１，５１と、これらロー
ル５１，５１間に互い違いに配置された７本のロール５
２，５２，…と、これらロール５１，５２，…をその軸
の回りに回転させる図示しない駆動機構とから構成され
ている。この矯正機構７には、小薄板ｓより金属片を切
断した切りしろである板屑や矯正が不十分で平坦化され
なかった不良品の金属片を搬送するシューター４３が設
けられており、シューター４３により搬送される板屑や
不良品はベルトコンベア４２により所定の場所へ搬送さ
れ、スクラップとして処理される。

【００３３】集積機構８は、図１及び図６に示すよう
に、金属片を一旦収納し所定時間後に送り出すストック
部６１と、送り出された金属片を収納するとともにこれ
らの金属片を一方向から集積する集積部６２とから構成
されている。ストック部６１は、金属片の収納される方
向の断面が鋸歯状となるように、各々の傾斜片６３が短
片方向に隣接して配置され、傾斜片６３同士は垂直な隔
壁６４により隔てられて独立した構成になっている。そ
して、これら傾斜片６３，６３，…の金属片を送り出す
側の僅か上方には、傾斜片６３，６３，…の配列方向に
沿って回転軸６５が配置され、回転軸６５の各傾斜片６
３に対応する位置には金属片の進出を妨げるストッパ６
６が設けられ、該回転軸６５を回転させてストッパ６６
を軸線の回りに回転させることにより、傾斜片６３に収
納されている金属片を外方へ送り出す構成になってい
る。

【００３４】集積部６２は、金属片の収納される方向の
断面が鋸歯状となるように、各々の傾斜面６７が短片方
向に隣接して配置され、これら傾斜面６７，６７，…に
は、これらの配列方向に沿って２本の溝６８，６８が形
成され、各溝６８には、当該溝６８に沿って移動自在か
つ任意の位置に固定可能に爪６９がそれぞれ設けられて
いる。そして、集積部６２には、集積した金属片を所定
位置に搬送しストッカー等に収納するように搬送装置７
１が接続されている。

【００３５】次に、この薄板切断集積装置の動作につい
て説明する。まず、第１の供給機構１では、図示しない
駆動機構により複数の吸引部１２，１２，…を下降させ
て薄板ｐを吸引し、その後吸引部１２，１２，…を上昇
させて薄板ｐを所定位置まで吊り上げる。次に、支持部
１３，１３を図示しない駆動機構により上端部を水平軸
として内側に回動させ、薄板ｐの押し出し方向の両側を
下から支持する。次に、吸引部１２，１２，…を薄板ｐ
から外し、爪部１４をレール１５で薄板ｐの押し出し方
向に向かって摺動させ、薄板ｐを第１の搬送機構２に向
かって押し出す。

【００３６】第１の搬送機構２では、アクチュエータ２
５を駆動させて受片２４，２４，…を水平軸２６を中心
として上方へ向かって回動させ、押し出された薄板ｐを
下から受ける。その後受片２４，２４，…を水平軸２６
を中心として下方へ向かって回動させて薄板ｐを徐々に
下降させ、ベルトコンベア２７，２７，…上に載置す
る。この薄板ｐはベルトコンベア２７，２７，…により
第１の切断機構３に搬入される。

【００３７】第１の切断機構３では、予め隣り合う刃体
３２間の間隔が、得るべき小薄板ｓの幅と一致する様に
調節されており、ロール３１，３１をその軸の回りに回
転させることにより、搬入された薄板ｐを所望の小薄板
ｓに切断し第２の搬送機構４に向かって送り出す。第２
の搬送機構４では、送り出された３枚の小薄板ｓは送り
出し部３３のそれぞれの受片３５ａ，３５ｂ，３５ｃに
収納される。その後、アクチュエータ３７により受片３
５ａが回動して所定の角度傾き、収納された小薄板ｓは
ベルトコンベア３８，３８，…上に送り出され、第２の
切断機構６へ搬送される。残った小薄板ｓも、同様の方
法により、所定時間をおいて１枚づつ第２の切断機構６
に向かって順次搬送される。一方、第１の切断機構３に
おいて生じた、薄板ｐより小薄板ｓを切断した際に生じ
る切りしろは、シューター４１によりベルトコンベア４
２に搬入され、所定の場所へ搬送され、スクラップとし
て処理される。

【００３８】第２の切断機構６では、予め隣り合う刃体
３２間の間隔が、得るべき金属片の幅と一致する様に調
節されており、ロール３１，３１をその軸の回りに回転
させることにより、搬入された小薄板ｓを所望の金属片
に切断し矯正機構７に向かって送り出す。矯正機構７で
は、第２の切断機構６から送り出された金属片はこれら
のロール５１，５２，…を順次通過することにより、切
断時に生じたねじれや撓みが矯正され、平坦化されて集
積機構８へ向かって送り出される。また、小薄板ｓより
金属片を切断した際に生じる切りしろや矯正が不十分で
平坦化されなかった不良品の金属片等は、良品の金属片
から取り除かれてシューター４３及びベルトコンベア４
２により所定の場所へ搬送され、スクラップとして処理
される。

【００３９】集積機構８では、まず、傾斜片６３，６
３，…により、矯正機構７から順次送り出される金属片
を傾斜した状態のまま一旦収納し、所定の枚数（この場
合、２枚）収納した後に、回転軸６５を回転させてスト
ッパ６６を傾斜片６３，６３，…の送り出し口から離間
させ、傾斜片６３，６３，…各々に収納された金属片を
集積部６２の対応する傾斜面６７，６７，…各々に移動
させる。次に、爪６９を溝６８，６８内で移動させ、傾
斜面６７，６７，…各々に収納された金属片を順次傾斜
の上り方向に移動させることにより、これら金属片を集
積部６２の一端部に集積する。その後、搬送装置７１を
駆動させ、集積した金属片を所定位置に搬送しストッカ
ー等に収納する。

【００４０】このように、本実施例の薄板切断集積装置
を作動させることにより、薄板ｐの切断、及び得られた
金属片の矯正及び集積が速やかにしかも自動的に行なわ
れ、さらに、切断により生じた切りしろや不良品の金属
片等は、効果的に取り除かれてスクラップとして処理さ
れる。

【００４１】以上説明した様に、本実施例の薄板切断集
積装置は、第１の供給機構１、第１の搬送機構２、第１
の切断機構３、第２の搬送機構４、第３の搬送機構５、
第２の切断機構６、矯正機構７及び集積機構８により構
成したので、薄板をこれらの各機構を順次通過させるこ
とにより、速やかかつ自動的に所望の金属片に加工する
ことができ、特に複雑な装置を用いる必要も無く、低コ
ストで製造することができる。また、切断により生じた
切りしろや不良品の金属片等を効果的に取り除き回収す
ることができ、この板屑が小薄板ｓを傷つけるおそれが
ない。

【００４２】また、前記第１の搬送機構２を、受け部２
２と第１の搬送部２３とを備えた構成としたので、薄板
の供給を人手を要せずに自動でかつ速やかに行うことが
できる。第１の切断機構３を、隣り合う刃体３２間の間
隔を、得るべき小薄板ｓの幅と一致する様に調節する構
成としたので、薄板ｐの切断すべき幅に合わせて容易に
変更することができ、様々の幅の小薄板ｓを容易に得る
ことができる。第２の切断機構６を、隣り合う刃体３２
間の間隔を、得るべき金属片の幅と一致する様に調節す
る構成としたので、小薄板ｓの切断すべき幅に合わせて
容易に変更することができ、様々の幅の金属片を容易に
得ることができる。

【００４３】第２の搬送機構４を、送り出し部３３と第
２の搬送部３４とを備えた構成としたので、小薄板ｓを
１枚づつ所定の間隔をおいて第２の切断機構６に供給す
ることができ、これら小薄板ｓ同士が搬送中に重なる等
の不具合を防止することができる。

【００４４】なお、厚みが薄い薄板を切断する場合に
は、前記第１の切断機構３の後に、得られた小薄板のね
じれや撓みを矯正し平坦化する第２の矯正機構を設けれ
ばよい。 この場合、前記第１の切断機構３により切断
する際に得られた小薄板にねじれや撓み等の変形が生じ
ても速やかに矯正されて平坦化されるので、変形のない
平坦な小薄板ｓを得ることができる。

【００４５】

【発明の効果】以上説明したように、本発明の請求項１
記載の請求項１記載の板状体の切断集積装置によれば、
積載された板状体から１枚づつ吊り上げて所定の方向へ
押し出す第１の供給機構と、この押し出された板状体を
支持し所定の方向へ搬送する第１の搬送機構と、この搬
送された板状体を搬送方向と平行に複数に切断し小板状
体として送り出す第１の切断機構と、これらの小板状体
を送り出された方向と略直角な方向へ所定時間をおいて
順次搬送する第２の搬送機構と、この小板状体を搬送方
向と平行に複数に切断し板片として送り出す第２の切断
機構と、これら各板片の切断による変形を矯正し平坦化
する矯正機構と、平坦化された各板片をこの送り出され
た方向と略直角な方向に所定の角度傾斜させて支持し、
これらの板片をその傾斜面が上がる方向へ順次移動させ
て集積する集積機構とを備えたので、板状体をこれらの
機構を順次通過させることにより、所定の形状の板片に
速やかに加工することができ、この板片にねじれや撓み
等の変形が生じても速やかに矯正、平坦化し集積するこ
とができる。したがって、板状体の切断及び集積を速や
かにしかも自動的に行なうことができ、特に複雑な装置
を用いる必要も無く、低コストで製造することができ
る。

【００４６】請求項２記載の板状体の切断集積装置によ
れば、前記第１の切断機構の後に小板状体の切断による
変形を矯正し平坦化する第２の矯正機構を設けたので、
前記第１の切断機構により切断する際に得られる小板状
体にねじれや撓み等の変形が生じても、この変形を速や
かに矯正し平坦化することができる。したがって、変形
のない平坦な小板状体を得ることができる。

【００４７】請求項３記載の板状体の切断集積装置によ
れば、前記第１の切断機構に板屑を搬送する第３の搬送
機構を設けたので、板屑のみを効率的に回収することが
でき、この板屑が小板状体を傷つけるのを防止すること
ができる。

【００４８】請求項４記載の板状体の切断集積装置によ
れば、前記第１の供給機構を、上下方向に移動自在かつ
任意の位置に固定可能に設けられ、板状体を吸引して吊
り上げる吸引部と、この吊り上げられた板状体の押し出
し方向の両側に設けられ該板状体を支持する支持部と、
支持された該板状体の押し出し方向に移動自在かつ任意
の位置に固定可能に設けられ該板状体を押し出す爪部と
を備えた構成としたので、板状体を所定の高さに位置し
た状態で第１の搬送機構に向かって所定の速度で押し出
すことができ、第１の搬送機構への板状体の供給を人手
を要せずに自動でかつ速やかに行うことができる。

【００４９】請求項５記載の板状体の切断集積装置によ
れば、前記第１の搬送機構を、上下方向移動自在かつ任
意の位置に固定可能に設けられ押し出された前記板状体
を受けて下降させる受け部と、該受け部の下方に設けら
れ下降する板状体を受けて所定の方向へ搬送する第１の
搬送部とを備えた構成としたので、板状体を正しい位置
に合わせた状態で搬送することができ、位置合わせ用の
治具等を設ける必要がなくなる。

【００５０】請求項６記載の板状体の切断集積装置によ
れば、前記第１の切断機構を、前記第１の搬送機構の送
り出し側の前記板状体の搬送方向と直角の方向に配列さ
れた複数の刃体を備えたものとし、隣り合う刃体の間隔
を任意に調節可能としたので、刃体の間隔を板状体の切
断すべき幅に合わせて容易に変更することができ、した
がって、様々の切断幅の小板状体を容易に得ることがで
きる。

【００５１】請求項７記載の板状体の切断集積装置によ
れば、前記第２の切断機構を、前記第２の搬送機構の送
り出し側の前記小板状体の搬送方向と直角の方向に配列
された複数の刃体を備えたものとし、隣り合う刃体間の
間隔を任意に調節可能としたので、刃体の間隔を小板状
体の切断すべき幅に合わせて容易に変更することがで
き、したがって、様々の切断幅の板片を容易に得ること
ができる。

【００５２】請求項８記載の板状体の切断集積装置によ
れば、前記第２の搬送機構を、前記第１の切断機構より
送り出された複数の小板状体をそれぞれ収納し、これら
の小板状体を所定時間をおいて１枚づつ順次送り出す送
り出し部と、該送り出し部より順次送り出される小板状
体をその送り出された方向と略直角の方向へ搬送する第
２の搬送部とを備えた構成としたので、複数の小板状体
を所定時間をおいて１枚づつ第２の切断機構に供給する
ことができ、これら小板状体同士が搬送中に重なる等の
不具合を防止することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例の電着金属薄板（板状体）切
断集積装置を示す平面図である。

【図２】本発明の一実施例の薄板切断集積装置を示す正
面図である。

【図３】本発明の一実施例の薄板切断集積装置を示す側
面図である。

【図４】本発明の一実施例の薄板切断集積装置の第１の
供給機構の要部を示す正面図である。

【図５】本発明の一実施例の薄板切断集積装置の第２の
搬送機構の要部を示す正面図である。

【図６】本発明の一実施例の薄板切断集積装置の集積機
構を示す斜視図である。

【符号の説明】

１ 第１の供給機構 ２ 第１の搬送機構 ３ 第１の切断機構 ４ 第２の搬送機構 ５ 第３の搬送機構 ６ 第２の切断機構 ７ 矯正機構 ８ 集積機構 １１ フレーム １２ 吸引部 １３ 支持部 １４ 爪部 ２２ 受け部 ２３ 第１の搬送部 ２４ 受片 ２６ 水平軸 ３１ ロール ３２ 刃体 ３３ 送り出し部 ３４ 第２の搬送部 ３５ 受片 ３６ 水平軸 ４１ シューター ５１ ロール ５２ ロール ４３ シューター ６１ ストック部 ６２ 集積部 ６３ 傾斜片 ６４ 隔壁 ６５ 回転軸 ６６ ストッパ ６７ 傾斜面 ６８ 溝 ６９ 爪 ｐ 電着金属薄板（板状体） ｓ 小薄板（小板状体）

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 林 峰夫 東京都千代田区大手町一丁目５番１号 三 菱マテリアル株式会社内

Claims (8)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 積載された板状体から１枚づつ吊り上げ
   て所定の方向へ押し出す第１の供給機構と、この押し出
   された板状体を支持し所定の方向へ搬送する第１の搬送
   機構と、この搬送された板状体を搬送方向と平行に複数
   に切断し小板状体として送り出す第１の切断機構と、こ
   れらの小板状体を送り出された方向と略直角な方向へ所
   定時間をおいて順次搬送する第２の搬送機構と、この小
   板状体を搬送方向と平行に複数に切断し板片として送り
   出す第２の切断機構と、これら各板片の切断による変形
   を矯正し平坦化する矯正機構と、平坦化された各板片を
   この送り出された方向と略直角な方向に所定の角度傾斜
   させて支持し、これらの板片をその傾斜面が上がる方向
   へ順次移動させて集積する集積機構とを備えたことを特
   徴とする板状体の切断集積装置。
2. 【請求項２】 前記第１の切断機構の後に、これら小板
   状体の切断による変形を矯正し平坦化する第２の矯正機
   構を設けたことを特徴とする請求項１記載の板状体の切
   断集積装置。
3. 【請求項３】 前記第１の切断機構に、この第１の切断
   機構により送り出された板屑を搬送する第３の搬送機構
   を設けたことを特徴とする請求項１記載の板状体の切断
   集積装置。
4. 【請求項４】 前記第１の供給機構は、上下方向に移動
   自在かつ任意の位置に固定可能に設けられ、板状体を吸
   引して吊り上げる吸引部と、この吊り上げられた板状体
   の押し出し方向の両側に設けられ該板状体を支持する支
   持部と、支持された該板状体の押し出し方向に移動自在
   かつ任意の位置に固定可能に設けられ該板状体を押し出
   す爪部とを備えたことを特徴とする請求項１ないし３の
   いずれか１項記載の板状体の切断集積装置。
5. 【請求項５】 前記第１の搬送機構は、上下方向移動自
   在かつ任意の位置に固定可能に設けられ押し出された前
   記板状体を受けて下降させる受け部と、該受け部の下方
   に設けられ下降する板状体を受けて所定の方向へ搬送す
   る第１の搬送部とを備えたことを特徴とする請求項１な
   いし３のいずれか１項記載の板状体の切断集積装置。
6. 【請求項６】 前記第１の切断機構は、前記第１の搬送
   機構の送り出し側の前記板状体の搬送方向と直角の方向
   に配列された複数の刃体を備え、隣り合う刃体の間隔は
   任意に調節可能であることを特徴とする請求項１ないし
   ３のいずれか１項記載の板状体の切断集積装置。
7. 【請求項７】 前記第２の切断機構は、前記第２の搬送
   機構の送り出し側の前記小板状体の搬送方向と直角の方
   向に配列された複数の刃体を備え、隣り合う刃体間の間
   隔は任意に調節可能であることを特徴とする請求項１な
   いし３のいずれか１項記載の板状体の切断集積装置。
8. 【請求項８】 前記第２の搬送機構は、前記第１の切断
   機構より送り出された複数の小板状体をそれぞれ収納
   し、これらの小板状体を所定時間をおいて１枚づつ順次
   送り出すする送り出し部と、該送り出し部より順次送り
   出された小板状体をその送り出された方向と略直角の方
   向へ搬送する第２の搬送部とを備えたことを特徴とする
   請求項１ないし３のいずれか１項記載の板状体の切断集
   積装置。