JPH0557522A - サイドトリマ装置 - Google Patents

サイドトリマ装置

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JPH0557522A
JPH0557522A JP21541191A JP21541191A JPH0557522A JP H0557522 A JPH0557522 A JP H0557522A JP 21541191 A JP21541191 A JP 21541191A JP 21541191 A JP21541191 A JP 21541191A JP H0557522 A JPH0557522 A JP H0557522A
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JP
Japan
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metal strip
pressing
roll
rolls
traveling
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Application number
JP21541191A
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English (en)
Inventor
Toyoji Yasuda
豊治 安田
Hiroaki Miura
博昭 三浦
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Nippon Steel Nisshin Co Ltd
Original Assignee
Nisshin Steel Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 金属帯の両側部の切断時における反りの発生
を防止し、また金属帯の表面への傷の発生を防止して、
装置の小形化および簡略化を図る。 【構成】 金属帯1の両側部を切断する回転刃に関して
その金属帯の走行方向上流側および下流側に押圧ロール
23,24を設け、さらに各押圧ロール23,26より
も前記走行方向上流側および下流側に支持ロール25,
26を設けてトリミング時における張力とパスラインを
調整する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ステンレス鋼帯または
アルミニウム帯などのような金属帯の両側部を切断して
幅方向長さを揃えるためのサイドトリマ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図16は典型的な先行技術を簡略化して
示す系統図であり、図17は図16に示される先行技術
の具体的構成を示す断面図である。所定の厚みに圧延さ
れたたとえばステンレス鋼帯などの金属帯1は、その金
属帯1の幅方向両側部を挟んで上下に各対を成して設け
られる回転刃2,3によって、走行方向A下流側に向け
て走行される前記金属帯1の両側部を切断してサイドト
リミングし、金属帯1が一定の幅に切り揃えられる。回
転刃2,3の走行方向A上流側には、金属帯1の幅方向
全長にわたって延びる上下一対のピンチロール4,5が
設けられ、金属帯1を挟持してライン停止時に金属帯1
の逆走を防止している。また回転刃2,3の走行方向A
下流側には、ルーピングピット6が設けられ、ライン停
止時に金属帯1をルーパロール7でルーピングピット6
内に押込んで、金属帯1を一定の張力に維持している。
各一対の回転刃2,3間には、金属帯1を挟んで上下に
対を成す押え部材8,9が設けられており、これらの押
え部材8,9は図18に示されるように、回転刃2,3
の各回転軸線方向に沿って複数対が隣接して設けられて
いる。これらの押え部材8,9の相互に対向する各表面
には、金属帯1に疵を発生させないために化学繊維等の
素材を用いたフェルト状のパット10,11が固着さ
れ、これらのパット10,11が接触した状態で金属帯
1を両側から押圧して拘束し、前記回転刃2,3からの
剪断力によって反りが生じることを防止している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、近年、
金属帯1の板厚が非常に薄口化され、しかも生産性を向
上するために走行速度や稼働率を向上することが望まれ
ている。また金属帯1の板幅精度を向上し、掻き傷など
の表面欠陥のない極めて高い製品品質が要求されてい
る。ところが前記先行技術では、押え部材8,9のパッ
ト10,11上に溜った金属粉や片などが金属帯1の表
面に直接接触するために擦り傷が発生してしまう。また
金属帯1の板幅および板厚が変化するたびに、前記押え
部材8,9をその板幅および板厚に応じて取付け、ある
いは取外し作業を行う必要があり、各押え部材8,9の
取付け位置を回転刃2,3よりも切断位置に調整するた
めに不所望に長い準備時間を要し稼働率を低下させてし
まう。さらに各回転刃2,3よりも走行方向A下流側に
は、フリーループを形成するためのルーピングピット6
およびルーパロール7を設ける必要があり、そのために
比較的大きな占有空間が必要となり、金属帯1のライン
長が大きくなってしまうという問題を有する。
【0004】したがって本発明の目的は、人手作業をな
くし、構成を複雑化することなしに金属帯表面の掻き傷
などの発生を防止して、製品品質と板幅精度の向上を図
ることができるようにしたサイドトリマ装置を提供する
ことである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、予め定
める走行方向に向けて走行する金属帯の幅方向両側部
を、その両側部の上下に各対を成して配置される回転刃
によって切断するサイドトリマ装置において、前記各対
を成す回転刃よりも走行方向上流側および下流側に設け
られ、前記金属帯の幅方向全長にわたって延び、金属帯
をその走行経路よりも下方に押圧する一対の押圧ロール
と、前記一対の押圧ロールよりも走行方向上流側および
下流側に設けられ、前記金属帯の幅方向全長にわたって
延び、金属帯を走行経路上で支持する一対の支持ロール
とを含むことを特徴とするサイドトリマ装置である。
【0006】また本発明は、前記一対の押圧ロールを上
下方向に変位調整して、各押圧ロール間の金属帯の走行
経路がほぼ一直線状に維持されるとともに前記回転刃の
切断位置に一致するようにトリミングレベルを調整する
レベル調整手段を含むことを特徴とする。
【0007】また本発明は、走行方向上流側に設けられ
る前記押圧ロールまたは前記支持ロールとの間に走行す
る金属帯を狭持自在に押圧して、各押圧ロール間の金属
帯の走行経路が金属帯の極力尾端に至るまでほぼ一直線
状に維持されるとともに前記回転刃の切断位置に一致す
るように調整されるトリミングレベルを保持する押圧手
段を含むことを特徴とする。また本発明は、前記押圧手
段が走行する金属帯を狭持自在に押圧するテンションパ
ットまたはロールを備えることを特徴とする。
【0008】
【作用】請求項1記載の本発明に従えば、金属帯の幅方
向両側部を上下に各対を成して設けられる回転刃に関し
て、前記金属帯の走行方向上流側および下流側には一対
の押圧ロールが設けられ、これらの押圧ロールの前記走
行方向上流側および下流側には一対の支持ロールが設け
られる。前記走行方向上流側の押圧ロールと支持ロール
との組、および走行方向下流側の押圧ロールと支持ロー
ルとの組の間で前記金属帯は緊張され、これによって回
転刃によって生じる剪断力に抗することができ、反りの
発生を防止することができる。また前述のようにして走
行方向上流側と下流側とにおいて各組を成す押圧ロール
と支持ロールとの間で金属帯を緊張した状態に保つこと
ができるので、前記先行技術に関連して述べたように、
金属帯を一定の張力に維持するために、ルーピングピッ
ト6およびルーパロール7を設ける必要がなくなり、こ
れによって構成を簡略化して占有空間を少なくし、金属
帯のライン長を短くすることができる。
【0009】請求項2記載の本発明に従えば、レベル調
整手段によって前記一対の押圧ロールを上下方向に変位
調整して、各押圧ロール間の走行経路が回転刃の切断位
置に一致するようにトリミングレベルを調整することが
でき、これによってトリミング時における不所望な応力
の発生を可及的に少なくし、金属帯の反りの発生を防止
して、製品品質を向上することができる。また、緊張し
た金属帯が回転刃やその刃先に巻回して(巻付く状態に
なり)、押圧模様や押圧疵の発生を防止して、製品品質
を向上することができる。
【0010】また前記押圧ロールおよび支持ロールは金
属帯表面に接触して金属帯の走行動作に対応して従動す
るので、前記先行技術のように、フェルト状のパット1
0,11がそれぞれ固着された押え部材8,9によっ
て、金属帯の表面を押圧する必要がなくなり、これによ
ってその金属帯の表面に掻き傷などを生じない。
【0011】請求項3記載の本発明に従えば、前記金属
帯の走行方向上流側の押圧ロールと支持ロールとの組に
おいて、この両ロールのうちいずれか一方のロールとの
間に走行する金属帯を自在に狭持できるように押圧し
て、前記一対の押圧ロール間の金属帯の走行経路が金属
帯の極力尾端に至るまでほぼ一直線状に維持されるとと
もに前記回転刃の切断位置に一致するように調整される
トリミングレベルを保持する押圧手段が設けられる。通
常前記金属帯はたとえば溶接などが施されて先行金属帯
と後行金属帯とが接続されて連続的に走行しサイドトリ
ミングされる場合が多いのであるが、金属帯の仕様とか
サイドトリマ装置を備えるラインの設備仕様(機能構
成)上から、全く不連続的に金属帯毎に走行しサイドト
リミングされる場合や必要に応じて不連続的に走行しサ
イドトリミングされる場合がある。このように不連続的
にライン内を走行しサイドトリミングされる金属帯は、
その尾端が走行方向上流側のペイオフリールやピンチロ
ールを通過すると、開放されて蛇行(板逃げ)やバタツ
キ現象を生じ、前記一対の押圧ロール間の金属帯の走行
経路をほぼ一直線状態に維持することも前記回転刃の切
断位置に一致するようにトリミングレベルを調整するこ
とも不可能となり、トリミング時における不所望な応力
の発生を可及的に少なくして金属帯の反りの発生を防止
し板幅精度よく製品品質を向上することが実質的にでき
なくなる。しかしながら、このような場合でも、金属帯
の尾端がペイオフリールを離脱しピンチロールを通過す
る直前に、前記押圧手段によって、走行方向上流側の押
圧ロールまたは支持ロールのうちのいずれか一方のロー
ルと間に走行する金属帯を狭持し押圧すれば、その尾端
側は蛇行やバタツキ現象が生じていても、前記押圧ロー
ル間の金属帯の走行経路がほぼその尾端に至るまで一直
線状に維持されるとともに前記回転刃の切断位置に一致
するように調整されるトリミングレベルをそのまま保持
し得るので、極力尾端に至るまで安定してサイドトリミ
ングすることができて、サイドトリミング不能な屑処理
部分の発生を防止することができる。
【0012】請求項4記載の本発明に従えば、前記押圧
手段として前記金属帯の幅方向全長にわたって延びるテ
ンションパットまたはロールが備えられる。このような
テンションパットまたはロールを走行方向上流側の押圧
ロールまたは支持ロールのうちのいずれか一方のロール
との間に走行する金属帯を狭持自在に押圧することによ
って、前記一対の押圧ロール間を走行する金属帯の走行
経路を金属帯の尾端に至るまでそのまま安定な状態で保
持することができて、サイドトリミング不能な金属帯の
尾端側の長さを実質的に消失できる。
【0013】
【実施例】図1は、本発明の一実施例の基本的構成を簡
略化して示す系統図である。サイドトリマ装置20は、
基本的に、予め定める走行方向A上流側から下流側に向
けて走行するたとえばステンレス鋼帯などのような金属
帯1の幅方向(図1の紙面に垂直方向)両側部を挟んで
上下に各対を成してそれぞれ配置される回転刃21,2
2と、各回転刃21,22よりも走行方向A上流側およ
び下流側に設けられ、金属帯1の幅方向全長にわたって
延び、金属帯1をその走行経路よりも下方に押圧する一
対の押圧ロール23,24と、各押圧ロール23,24
よりも走行方向A上流側および下流側に設けられ、金属
帯1の幅方向全長にわたって延び、金属帯1を走行経路
上で支持する一対の支持ロール25,26とを含む。
【0014】前記各押圧ロール23,24は、レベル調
整手段27,28によって上下方向に変位調整され、各
押圧ロール23,24間の金属帯1の走行経路がほぼ一
直線状に維持されるとともに前記回転刃21,22の切
断位置に一致するようにトリミングレベルを調整するこ
とができる。走行方向A上流側の押圧ロール23または
支持ロール25に走行する金属帯1を狭持自在に押圧し
て、前記金属帯1の走行経路をその末端に至るまでその
まま保持できる押圧手段29を設けるように構成されて
いる。
【0015】図2は、図1に示されるサイドトリマ装置
20が設けられるラインの一部を示す側面図である。ペ
イオフリール30から延びる金属帯1の両表面には、コ
イル31から引出された損傷防止用の紙32,33が添
着され、一対のピンチロール34によって挟持される。
ピンチロール34の走行方向A下流側には溶接手段35
が設けられ、ペイオフリール30の金属帯がなくなった
ときに、新たな金属帯が巻回されたペイオフリール30
から繰出された金属帯を溶接し接続しては、ライン内に
金属帯1が連続的に走行し様々な加工処理が行われる。
この溶接手段35の走行方向A下流側には、前記サイド
トリマ装置20が設けられ、金属帯1の両側部が切断さ
れて予め定める幅に切り揃えられた後、このサイドトリ
マ装置20よりも走行方向A下流側に設けられるブライ
ドルロール36によって金属帯1に張力が与えられ、そ
の金属帯1はさらに送行方向A下流側に搬送される。
【0016】前記サイドトリマ装置20とブライドルロ
ール36との間には、前記先行技術に関連して述べたよ
うなルーピングピット37を形成して、ルーパロール3
8で金属帯1をルーピングピット37内に押込んで張力
を維持する必要がなく、これによって走行方向Aに沿う
ライン長を距離Lだけ短くして、構成を簡略化すること
ができる。
【0017】図3は図1に示されるサイドトリマ装置2
0の具体的構成を示す断面図であり、図4は図3の右側
から見た側面図であり、図5は図4の上方から見た平面
図である。金属帯1の走行方向A上流側に配置される前
記支持ロール25の軸線方向両端部は、軸棒39の軸線
まわりに角変位可能に支持される支持部材40によって
軸支される。前記軸棒39は基台41に固定されてお
り、前記支持部材40を角変位させることによって支持
ロール25の高さレベルを予め設定しておくことができ
るように構成されている。このような支持ロール25の
走行方向A下流側に近接して設けられる前記押圧ロール
23の軸線方向両端部は、チョック42に軸支され、チ
ョック42はハウジング43に上下に変位可能に嵌まり
込んで案内される。このチョック42には、レベル調整
手段27として、複動シリンダ44のピストン棒45が
連結され、この複動シリンダ44が圧力付勢されること
によって、前記押圧ロール23を上昇または下降させ
て、金属帯への押圧位置を変化させることができるよう
に構成されている。
【0018】このような押圧ロール23よりもさらに走
行方向A下流側に配置されているもう一方の押圧ロール
24に関してもまた、レベル調整手段28を有し、前記
押圧ロール23と同様な構成によって上下に変位可能に
して金属帯への押圧位置を変化させることができるよう
に構成されている。
【0019】この押圧ロール24のさらに走行方向下流
側に設けられる前記支持ロール26の軸線方向両端部
は、チョック46によって軸支され、このチョック46
はハウジング47に上下に変位可能に嵌まり込んで案内
される。チョック46には複動シリンダ48のピストン
棒49が連結され、この複動シリンダ48が圧力付勢さ
れることによって、前記支持ロール26を上昇または下
降させて、支持ロール26の高さレベルを予め設定して
おくことと支持ロール26よりも走行方向A下流側にお
ける金属帯1のレベルを調整することができるように構
成されている。
【0020】このように、支持ロール25,26により
予め設定された高さレベルにある金属帯1を、押圧ロー
ル23,24によって下方へ押し下げて、緊張させると
ともにその押圧位置を変化させて、金属帯1をほぼ一直
線状態に維持するとともに各回転刃21,22の刃物径
変化に追従しこの切断位置に一致することができるよう
に、この押圧ロール23,24間において金属帯1に付
される張力およびパスラインの安定化ができるように構
成されている。
【0021】しかしながら、前述のごとく、金属帯1が
ライン内を不連続的に走行しサイドトリマ装置20でサ
イドトリミングされる場合には、金属帯1の尾端が図2
に示すようにピンチロール34を通過すると、金属帯1
を拘束するものは何もなくなるので、前述押圧ロール2
3,24間において金属帯1に付される張力およびパス
ラインの安定化は消失し崩れる。したがって、この場合
には、金属帯1の尾端がピンチロール34を通過する直
前に、押圧ロール23により押し下げられて走行してい
る金属帯1を、押圧手段29により押圧ロール23との
間に狭持することによって、かかる金属帯1に付される
張力およびパスラインの安定化を保持することができる
ように構成されている。この押圧手段29は、たとえば
軟質のラワン材など木製台を化学繊維等の素材からなる
フェルト状の不織布で包んで形成されるパット29a
を、複動シリンダ29bで押圧駆動して金属帯1を押圧
ロール23との間で狭持するが、この相手ロールは押圧
ロール23のみではなく、同様に各回転刃21,22に
近接配置される支持ロール25であってもよい。また、
このようなパット29aによる押圧手段に代えて、この
押圧ロール23または支持ロール25に対して、丁度レ
ベル調整手段27により上下動する押圧ロール23のご
ときロールを配置し駆動させて、かかる金属帯1を狭持
自在に押圧するように構成してもよい。
【0022】前記チョック42は、図6に簡略化して示
されるように、押圧ロール23,24の各軸棒51の軸
線方向両端部が軸受52,53によって軸支され、各軸
受52,53には相互に近接するにつれて下方に傾斜し
た傾斜面54,55が形成され、各傾斜面54,55上
には、これらの傾斜面54,55と平行な案内面56,
57が形成される楔片58,59が乗載される。各楔片
58,59には内周面に内ねじが刻設されたねじ孔6
0,61がそれぞれ形成され、各ねじ孔60,61には
両端部で逆向きの外ねじ62,63が刻設された調整用
ねじ棒64が螺合する。この調整用ねじ棒64をその軸
線まわりに回転させることによって、各楔片58,59
は軸受52,53の傾斜面54,55上を相互に近接/
離反する方向に変位して、各軸受52,53を上昇/下
降させることができる。このような各軸受52,53の
変位によって、軸棒51に設けられる前記押圧ローラ2
3,24を上昇/下降変位させることができ、こうして
各押圧ローラ23,24をチョック42に対して変位さ
せて金属帯1の押圧位置を微調整することができる。こ
れらの各軸受52,53、楔片58,59およびねじ棒
64によって、金属帯1のレベル調整手段65を構成す
ることができる。
【0023】図7は、図3の切断面線VII−VIIか
ら見た断面図である。この図7と、図4および図5に示
すように、前記回転刃21,22の各軸棒68,69に
は、歯車70,71が固定されて上方の歯車70には歯
車72が噛合する。各歯車72は駆動軸73の両端部近
傍にそれぞれ固定され、この駆動軸73の一端部は、メ
カニカルクラッチ74を介してモータMからの動力が伝
達/遮断自在に導かれる。各対を成す回転刃21の下端
部と回転刃22の上端部とは、各軸線方向にわずかな隙
間(ギャップ)と上下方向のわずかな重なり(ラップ)
とを有し、各回転刃21,22間に供給された金属帯1
の幅方向両端部1a,1bを切断することができるよう
に構成されている。
【0024】次に、図7にも示すごとく、金属帯1の両
側部1a,1bの切断時における金属帯1の反りを防止
することができる理由について説明する。金属帯1にい
わゆる耳延びあるいは中延びなどの反りが発生するの
は、金属帯の幅方向長さに差が生じるためである。すな
わち、前記金属帯1の両側部1a,1bが変形する前記
耳延び形状であるならば、金属帯1の中央部の長さに比
べて両側部1a,1bの長さが長いために、各両側部1
a,1bにたるみが生じ、これが波状となって現れてい
るものである。したがって、このような形状不良を修正
するためには、金属帯1の長手方向において、幅方向に
長さの短い部分に塑性伸びを与えてやることにより、幅
方向長さの不均一が解消すればよいことが考えられる。
前記各押圧ロール23,24は、金属帯1に張力をかけ
た状態で曲げおよび引張り加工を加え、塑性伸びを発生
させることができる。この原理を以下にさらに詳しく説
明する。
【0025】図8には、1本のロールによる曲げ伸ばし
過程の板厚方向の曲げ過程が終了した時点における歪分
布が示されている。
【0026】まず金属帯1に張力を作用させて曲げ加工
を加えると、図8(1)に示すような歪分布S1,S2
となる。ここで、この歪による応力が金属帯1の降伏応
力を超える部分は塑性域に入り、図8(2)に示すよう
な分布S3,S4の塑性歪が発生する。
【0027】図9は、伸ばし過程が完了し、再度一直線
上に伸ばされた時点での歪分布を示している。この伸ば
し過程が終了した時点での歪分布は、図8(1)の弾性
歪分布P−Q−R−Sから歪が変化していくため、図9
(1)のS5,S6で示すような歪分布となる。この場
合も同様に降伏応力を超える部分には、図9(2)のS
7,S8で示すような塑性歪が発生する。図8(2)と
図9(2)とを合成することによって、金属帯1に残留
している塑性歪分布が図9(3)のS9,S10で示さ
れるように得られる。図9(3)の歪分布面積から、引
張塑性歪量の方が圧縮塑性歪量よりも多いため、結果的
には金属帯1は伸びることになる。この伸びをεで示す
と、数1によって表される。
【0028】
【数1】
【0029】金属帯1の幅方向長さの不均一がある場
合、その長さが短い部分には張力が多く作用する。数1
はその部分の伸びが大きくなることを示しており、その
長さの差は小さくなる。すなわち金属帯1の反りが修正
されるわけである。
【0030】次に、前述した反りを矯正するための必要
伸び率について説明する。図10(1)に示されるよう
な金属帯1の反りの場合、幅方向長さの差をΔεは直線
Aをサインカーブで近似すると、数2によって表され
る。
【0031】
【数2】
【0032】すなわち原理上はこの幅方向長さの差Δε
だけ、図10(2)に示されるように金属帯1を伸ばし
てやると、その反りは矯正される。ここで、両側部1
a,1b付近の伸びた形状の金属帯1で実際にどれだけ
伸ばすと反りが矯正されるかを、調査した結果を図11
に示す。図中のプロットが各伸び率における形状の測定
値であり、破線は前記数2によって計算した理論形状で
ある。なお、形状は、急峻度(波の高さ÷波のピッチ×
100%)として示している。また伸び率はけがき法
(長さ200mm)による実測値である。各伸び率にお
ける実測形状と理論形状とはよく一致しており、このこ
とから形状不良の金属帯の急峻度を測定すれば、反り矯
正のための最低必要伸び率として、数2より計算した値
を適用できることが確かめられた。
【0033】図12は、圧下量と伸び率との関係を示す
グラフである。ワークロールのレベリング条件を変化さ
せて伸び率の実測を行なった。なお、伸び率はけがき法
(長さ200mm)によって実測した。ラインL20は
金属帯1の板厚0.32mm、張力8,1kg/m
2、耐力28kg/mm2であり、ラインL21は、板
厚0.23mm、張力7.5kg/mm2、耐力27k
g/mm2の金属帯に対する圧下量と実測伸び率との関
係を示している。
【0034】このグラフによって、圧下量を大きくすれ
ば、伸び率は大きくなるが、その増加の割合は小さくな
っている。これは圧下量が大きくなるにつれて、金属帯
1の曲率半径がワークロール半径に近付いてゆき、ある
圧下量以上になると金属帯はワークロールに完全に密着
して、これ以上圧下量を大きくしても伸び率は大きくな
らないことを示している。また、ある圧下量以下では、
金属帯1の曲率半径が大きくなり、塑性領域が生じない
ため、伸び率がほとんど出ないことをも示している。
【0035】図13は、張力の伸び率との関係を示すグ
ラフである。このグラフは、張力が大きくなると板厚方
向の歪分布が伸びの方向に移動し、塑性伸びの領域が大
きくなり、張力を大きく取れば取るほど伸び率は大きく
なることを示している。
【0036】以上のようにレベリング条件と伸び率との
関係を定性的に分析したが、以下にレベリング条件から
伸び率を計算によって求めることについて説明する。
【0037】金属帯1に張力を作用させた状態で曲げ加
工を加えると、図14に示すように、塑性域が発生し、
この部分の応力は降伏応力σyp以上に増加することは
なく、図中B−C−E−Fのような応力分布となる。こ
こで、塑性域が発生しないとすると、A−C−E−Dの
ような応力分布となり、この状態で金属帯1に作用して
いる張力は、釣合っているはずである。しかし図のよう
な塑性域が生じた場合、ΔABCとΔDBFの面積を比
較すると、引張応力に相当するΔABCの面積の方が大
きいため、長手方向に作用している応力を板厚方向に合
計しても(図中横線で示す面積に相当する)、張力より
小さくなる。したがって金属帯1は、伸びを生じて引張
り応力が作用している領域を多くし、張力と釣合おうと
する。
【0038】押圧ロール23,24による伸びの発生を
このように考え、次のような仮定を設けて数値計算を行
った。
【0039】(1)張力は板幅方向に一様でレベリング
中一定である。 (2)バウシンガ効果は無視する。
【0040】すなわち、金属帯を板厚方向に20等分
し、各点の応力の合計が張力と釣合うように金属帯に伸
びを発生させるような計算を各曲げ、延ばし過程毎に繰
返してゆき、最後に直線上に引延ばした状態(ストレー
トニング)での伸びを計算する。金属帯の曲率半径ρ
は、実験式としてすでに提案されている数3を採用し
た。
【0041】
【数3】
【0042】また巻付角θは、図15から幾何学的に数
4によって求めることができる。
【0043】
【数4】
【0044】このようにして求められる計算伸び率は、
本件発明者の実験結果によれば精度よく算出することが
できないことが確かめられている。
【0045】以上の検討結果をまとめると、反り矯正の
ための最低必要伸び率は、その形状(急峻度)から理論
的に計算した金属帯の幅方向長さにほぼ一致し、またレ
ベリング張力を大きくすると、伸び率はほぼ比例的に増
加するが、圧下量に関してはある値以上に大きくしても
伸び率が増加しないことが確かめられた。
【0046】このような考察からも分かるように、支持
ロール25,26に対する押圧ロール23,24の圧下
量Iをレベル調整手段27,28によって微調整して、
最も反りの発生が少ない張力に微調整することができ
る。こうして金属帯1のサイドトリミング時における反
りの発生を極力防止することができる。
【0047】
【発明の効果】請求項1記載の本発明によれば、金属帯
は支持ロールによって支持された状態で押圧ロールによ
って押圧され、各押圧ロール間に設けられる上下一対の
回転刃によってサイドトリミングされ、このとき生じる
反りを可及的に少なくすることができる。また金属帯は
押圧ロールおよび支持ロールに接触しているので、前記
先行技術に関連して述べたように金属帯表面に傷などが
生じるおそれはなく、製品品質の低下を防止することが
できる。また前記先行技術のようなルーピングピットを
設ける必要がなくなるので、構成を簡略化し、ライン長
を短くすることができる。
【0048】請求項2記載の本発明によれば、レベル調
整手段を設けて前記一対の回転刃の切断位置にトリミン
グレベルが一致するように微調整することができるの
で、反り発生の原因となる不所望な剪断力を可及的に少
なくすることができ、これによってもまた金属帯のトリ
ミング時における反りの発生を可及的に少なくすること
ができる。また、緊張した金属帯が回転刃やその刃先に
巻回して(巻付く状態になり)、押圧模様や押圧疵の発
生を防止して、製品品質を向上することができる。
【0049】請求項3記載の本発明によれば、金属帯の
尾端がペイオフリールを離脱しピンチロールを通過する
直前に、前記押圧手段によって、走行方向上流側の押圧
ロールまたは支持ロールのうちのいずれか一方のロール
と間に走行する金属帯を狭持し押圧すれば、その尾端側
は蛇行やバタツキ現象が生じていても、前記押圧ロール
間の金属帯の走行経路がほぼその尾端に至るまで一直線
状に維持されるとともに前記回転刃の切断位置に一致す
るように調整されるトリミングレベルをそのまま保持し
得るので、極力尾端に至るまで安定してサイドトリミン
グすることができて、サイドトリミング不能な屑処理部
分の発生を防止することができる。
【0050】請求項4記載の本発明によれば、前記押圧
手段として前記金属帯の幅方向全長にわたって延びるテ
ンションパットまたはロールが備えられる。このような
テンションパットまたはロールを走行方向上流側の押圧
ロールまたは支持ロールのうちいずれか一方のロールと
の間に走行する金属帯を狭持自在に押圧することによっ
て、前記一対の押圧ロール間を走行する金属帯の走行経
路を金属帯の尾端に至るまでそのまま安定な状態で保持
することができて、サイドトリミング不能な金属帯の尾
端側の長さを実質的に消失できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例のサイドトリマ装置20の基
本的構成を簡略化して示す系統図である。
【図2】図1に示されるサイドトリマ装置20が設けら
れるラインの一部を示す側面図である。
【図3】図1に示されるサイドトリマ装置20の具体的
構成を示す断面図である。
【図4】図3の右側から見た側面図である。
【図5】図4の上方から見た平面図である。
【図6】レベル調整手段66の構成を示す簡略化した断
面図である。
【図7】図3の切断面線VII−VIIから見た断面図
である。
【図8】金属帯1の歪分布を示す図である。
【図9】金属帯1を伸ばした後における歪分布を示す図
である。
【図10】金属帯1の反りによる長さの差を示す図であ
る。
【図11】金属帯の伸び率と急峻度との関係を示すグラ
フである。
【図12】金属帯1の圧下量と伸び率との関係を示すグ
ラフである。
【図13】金属帯1の張力と伸び率との関係を示すグラ
フである。
【図14】金属帯1の応力分布を示す図である。
【図15】金属帯1の押圧ロール23,24および支持
ロール25,26に対する巻付角を説明するための図で
ある。
【図16】典型的な先行技術を簡略化して示す系統図で
ある。
【図17】図16に示される先行技術の具体的構成を示
す断面図である。
【図18】図17の右側から見た押え部材8,9付近の
側面図である。
【符号の説明】
1 金属帯 20 サイドトリマ装置 21,22 回転刃 23,24 押圧ロール 25,26 支持ロール 27,28 レベル調整手段 29 押圧手段 A 走行方向

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 予め定める走行方向に向けて走行する金
    属帯の幅方向両側部を、その両側部の上下に各対を成し
    て配置される回転刃によって切断するサイドトリマ装置
    において、 前記各対を成す回転刃よりも走行方向上流側および下流
    側に設けられ、前記金属帯の幅方向全長にわたって延
    び、金属帯をその走行経路よりも下方に押圧する一対の
    押圧ロールと、 前記一対の押圧ロールよりも走行方向上流側および下流
    側に設けられ、前記金属帯の幅方向全長にわたって延
    び、金属帯を走行経路上で支持する一対の支持ロールと
    を含むことを特徴とするサイドトリマ装置。
  2. 【請求項2】 前記一対の押圧ロールを上下方向に変位
    調整して、各押圧ロール間の金属帯の走行経路がほぼ一
    直線状に維持されるとともに前記回転刃の切断位置に一
    致するようにトリミングレベルを調整するレベル調整手
    段を含むことを特徴とする請求項1記載のサイドトリマ
    装置。
  3. 【請求項3】 走行方向上流側に設けられる前記押圧ロ
    ールまたは前記支持ロールとの間に走行する金属帯を狭
    持自在に押圧して、各押圧ロール間の金属帯の走行経路
    が金属帯の極力尾端に至るまでほぼ一直線状に維持され
    るとともに前記回転刃の切断位置に一致するように調整
    されるトリミングレベルを保持する押圧手段を含むこと
    を特徴とする請求項1または2記載のサイドトリマ装
    置。
  4. 【請求項4】 前記押圧手段が走行する金属帯を狭持自
    在に押圧するテンションパットまたはロールを備えるこ
    とを特徴とする請求項3記載のサイドトリマ装置。
JP21541191A 1991-08-27 1991-08-27 サイドトリマ装置 Pending JPH0557522A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08187615A (ja) * 1994-12-28 1996-07-23 Mitsubishi Materials Corp 板状体の切断集積装置
US5827494A (en) * 1994-08-04 1998-10-27 Sanyo Electric Co., Ltd. Process for producing non-sintered nickel electrode for alkaline battery
KR100894069B1 (ko) * 2002-09-03 2009-04-21 주식회사 포스코 사이드 가변파 강판재용 사이드 트리머의자동장력조절장치
JP5050131B1 (ja) * 2012-02-18 2012-10-17 和信産業株式会社 スリッタスタンド及びスリッタライン

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