JPH08184991A - 静電荷像現像トナー - Google Patents
静電荷像現像トナーInfo
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- JPH08184991A JPH08184991A JP6336876A JP33687694A JPH08184991A JP H08184991 A JPH08184991 A JP H08184991A JP 6336876 A JP6336876 A JP 6336876A JP 33687694 A JP33687694 A JP 33687694A JP H08184991 A JPH08184991 A JP H08184991A
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Abstract
る静電荷像現像トナーを提供すること。 【構成】 線状ポリエステルの存在下に架橋ポリエステ
ル用モノマーを重合することにより得られた結着樹脂お
よび着色剤を主成分とする静電荷像現像トナー。
Description
法、静電印刷法等において使用される静電荷現像トナー
に関する。
においては、静電荷像支持体上に形成された静電荷像は
樹脂と着色剤を主成分とするトナー粒子により可視化さ
れる。この可視化された像はそのまま静電荷像支持体上
に定着されるか、あるいは他の支持体に転写された後定
着される。このためトナーには、単に現像性のみではな
く、良好な転写性及び定着性が要求される。近年省エネ
ルギーの観点から低エネルギーで定着できるトナーに関
する要求が強い。加熱定着方法は、オーブン定着のよう
な非接触加熱方式と熱ローラ定着のような接触加熱方式
とに大別される。接触加熱定着方式は、熱効率が高い、
定着部に大きな電力を使用しない、定着部を小型化でき
るという利点がある。このため、省エネルギーの観点か
らは好ましい方式である。しかしこの方式は、オフセッ
トの発生という問題を有している。オフセットとは、定
着時に、像を形成しているトナーの一部が加熱ローラの
表面に転移し、これが次に送られてくる支持体上に転写
され、画像を汚染する現象をいう。このオフセット現象
を防止するため、種々の提案が成されている。
性を有する化合物を含有させる提案である。この提案は
広く実施されている。この化合物を配合した場合、感光
体上にワックスが付着し、いわゆるフィルミングが発生
し易くなると共に、貯蔵安定性に欠けるという問題を生
ずるものであった。またトナーを構成する樹脂に、高分
子量のポリマーを使用する提案もある。この場合オフセ
ットは防止できるが、軟化点が高くなるため定着温度が
高くなる、樹脂が強靱であるためトナー製造時の粉砕が
困難になる等の問題点を有しており、実用的ではない。
この問題点を解決するものとして、樹脂として低分子量
から高分子量までの広い分子量分布を有するスチレン等
のビニル系ポリマーを用いたトナーが提案されている。
このトナーは、オフセット防止と定着性に関してはある
程度満足できるものであるが、低温での定着性は満足で
きるものではない。一方、ポリエステル樹脂に代表され
るような縮合系樹脂の場合には、比較的低分子量のポリ
マーが得られる。そこでこれを用いた低温定着が可能な
トナーが提案されている。このトナーの場合、高い定着
温度でオフセットが発生するという問題点を有してい
る。さらには、高分子量のビニル系ポリマーと低分子量
のポリエステル樹脂を混合配合したトナーが、特開昭5
4−114245号、特開昭58−11955号、特開
昭58−14147号公報等で提案されている。このト
ナーは所定の定着温度以上に定着ローラーが温度上昇し
た場合のオフセット防止にはある程度の効果が認められ
るものの、両樹脂の均一混合が困難であり、このための
摩擦帯電性が不均一になり易いという問題点を残してい
る。
として、3価以上のアルコール及び/または3価以上の
カルボン酸を用いた架橋構造を有する樹脂を使用したト
ナーが、特開昭54−86342号、特開昭56−19
52号、特開昭56−21136号、特開昭56−16
8660号、特開昭57−37353号、特開昭58−
14146号、特開昭59−30542号、特開昭61
−105561号、特開昭61−105563号、特開
昭61−124961号、特開昭61−275769号
公報などで提案されている。しかし、これらの樹脂を使
用したトナーにおいても多価アルコールまたは多価カル
ボン酸の樹脂中における配合量が30モル%以下の場合
には、架橋反応が十分に進行せず、オフセット防止効果
は不十分である。また30モル%よりも多く配合した場
合には、オフセット防止効果は認められる。しかし、未
反応のアルコール性水酸基やカルボン酸のカルボニル基
が残存し易く、トナーの耐湿性が大幅に低下するという
問題点を有している。また、架橋反応が進み樹脂の溶融
開始温度が上昇するためトナーの最低定着温度も上昇
し、低温定着には有用ではない。上記に述べたとおりポ
リエステル樹脂に代表される縮合系樹脂は、ビニル系樹
脂よりも低分子量体を作りやすいため低温定着性に優れ
ていると言われながらも、縮合系樹脂低分子量体のみで
はオフセット現象が起きるため、低温定着トナーとして
縮合性樹脂は実用化に至っていない。オフセット防止の
ため架橋ポリエステルをトナーに用いると低温定着性に
劣るという欠点があり、結局オフセット防止と低温定着
性を両立したトナーを得ることができなかった。
定着性を損なわずにオフセット防止効果を併せ持った静
電荷像現像用トナーを提供することである。
着色剤を主成分とする静電荷像現像トナーにおいて、該
結着樹脂が、線状ポリエステルと架橋ポリエステルとを
複合して成り、架橋ポリエステルの架橋網目中に線状ポ
リエステルを取り込んだ構造を有することを特徴とする
静電荷像現像トナーである。
の架橋網目構造中に線状ポリエステルを取り込む相互侵
入高分子網目(Interpenetrating P
olymer Networks、以下IPN法と略
す)法のものを指す。このIPN法とは、「ポリマーア
ロイ 基礎と応用」(高分子学会編、1981、東京化
学同人)の338頁で述べられているように、高分子網
目の人為的重なり合いを利用したポリマーブレンドの一
種であり、本発明のように線状ポリエステルと架橋ポリ
エステルとをIPN化する場合、「架橋ポリエステル網
目中を線状ポリエステルが貫く構造」を完全なIPN化
と呼ぶが、一般的に認められているように、線状ポリエ
ステルと架橋ポリエステルとがミクロ相分離し電子顕微
鏡観察で各々の相が確認できるIPN(相分離IP
N)、線状ポリエステルと架橋ポリエステルとが部分相
溶し単一のブロードな挙動を示すIPN(部分IPN)
などの構造も本発明に有効である。なお、この場合の単
一なブロードの挙動とは、線状および架橋ポリエステル
の両者固有の特性、例えばTgについては両者がIPN
化された場合、2つの固有のTgのピークとして発現す
るのではなく、両者のTgが複合化されたなだらかな1
つのピークとして発現する状態をいう。本発明で使用す
る結着樹脂は、線状ポリエステルの存在下に、架橋ポリ
エステルを合成することにより製造できる。線状ポリエ
ステルは通常の方法で合成したものを使用できる。結着
樹脂を製造する際には、まず線状ポリエステルを溶融
し、次いで架橋ポリエステル用モノマーを添加したの
ち、この混合物を攪拌しなが縮合させることが好まし
い。こうして得られた樹脂は、本発明でいう「架橋ポリ
エステルの架橋網目中に線状ポリエステルを取り込んだ
構造」を有する。
ルの重合度が高い場合(末端官能基数の合計が50未満
のもの)、架橋ポリエステルと複合化すると、その樹脂
の構造は線状ポリエステルの長い「ひも」に架橋ポリエ
ステルが数珠状に連なるのでより好ましい。すなわち、
このような構造をとることにより、線状ポリエステルの
持つ低温定着性を損なうことなく、かつ、架橋ポリエス
テルの持つ溶融粘度の低下を防止する効果を合わせ持つ
樹脂が得られるので、該樹脂を用いることにより低温か
ら高温までの幅広い定着温度を有するトナーが得られ
る。トナー樹脂に特に低温定着性が要求される場合、線
状ポリエステルの重量比は架橋ポリエステルよりも多く
なければいけない。これは、トナー粒子中に低温定着に
寄与する線状ポリエステルを多く含有させるためであ
る。更に低温定着性が重要である場合、架橋ポリエステ
ルを構成するモノマー成分を芳香族系から脂肪族系へ変
化させる事により対応できる。このときモノマー成分の
メチレン鎖長を伸ばす、芳香族環を水添する等の通常考
えられる代替も有効である。
エステルの架橋網目中に線状ポリエステルを取り込んだ
複合物が主成分でなくてはならない。複合化の際の線状
ポリエステルと架橋用ポリエステルとの挙動として、線
状ポリエステルが架橋網目に取り込まれる、線状ポリエ
ステルの反応点(末端など)と架橋用ポリエステルとが
反応する等が推測できる。しかし、複合化時に線状ポリ
エステルと架橋用ポリエステルとの反応が多数起こる
と、それは複合化ではなく単なる線状ポリエステルの架
橋である。これでは線状ポリエステルの持つ低温定着へ
の効果が薄くなる。そのため、線状ポリエステルの反応
点になる末端基数は少ない方がよい。具体的には、酸価
と水酸価の合計が100未満であることが好ましい。本
発明では線状、架橋用樹脂共にポリエステルであるた
め、線状ポリエステルの酸基、水酸基が、架橋用ポリエ
ステルとの反応点となるためである。
100よりも多い場合、その線状ポリエステルは次段階
の複合化における反応性が高すぎ、本発明が目的とする
複合化が難しくなる。すなわち線状ポリエステルの酸
価、水酸価の合計が100を超えた場合、線状ポリエス
テルの末端の反応性が高く、本発明に有効な「架橋網目
中に線状ポリエステルを取り込んだ構造」ではなく、
「線状ポリエステル末端が反応した線状ポリエステルの
架橋構造」が主体となり、好ましくない。また、一般的
に酸価、水酸価の合計が100よりも高い場合、その樹
脂は重合度が低く、ガラス転移点が重合度と共に変化す
る領域であるため、低重合度によるガラス転移点の低下
が起き、後述するようにDSCで測定したガラス転移点
が50℃以下となり、トナーの保存安定性が低下するの
で好ましくない。
オール成分と、ジカルボンまたはその低級アルキルエス
テルまたはその無水物とを主成分とする組成物を縮合し
たものが好ましく、一方、架橋ポリエステルは、ジオー
ル成分と、ジカルボン酸またはその低級アルキルエステ
ルまたはその無水物と、ポリオールまたはポリカルボン
酸及びその無水物及びその低級アルキルエステルを重縮
合させたものが好ましい。但し、本発明でいう線状ポリ
エステルにも、モノマー成分にポリオールやポリカルボ
ン酸及びその無水物及びその低級アルキルエステルを含
有させ架橋構造を持たせる(数珠状の構造)ことにより
低温定着性を向上させることができる。この場合は、線
状ポリエステルは架橋ポリエステルよりも架橋密度が低
くなくてはいけない。すなわち、線状ポリエステルの架
橋が著しく進行し、複合化する架橋ポリエステルよりも
架橋密度が高くなった場合、線状ポリエステルの持つ低
温定着に有利な性質が失われてしまうため好ましくな
い。さらに、架橋密度の高い線状ポリエステルを本発明
の複合化に供した場合、「架橋ポリエステルの架橋網目
中に線状ポリエステルを取り込んだ構造」を主体とする
複合化は難しくなり、また線状ポリエステル自体の架橋
網目があるため低温定着には不利となり好ましくない。
ール成分としては、次の化合物が例示される。ジエタノ
ールアミン、エチレングリコール、ジエチレングリコー
ル、プロピレングリコール、イソプロピレングリコー
ル、オクタンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プ
ロパンジオール、スピログリコール、ネオベンチルグリ
コール、1,3−ブタジオール、1,4−ブタンジオー
ル、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオー
ル、1,6−ヘキサンジオール、ヘキシレングリコー
ル、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−
ペンタンジオール、ヒドロベンゾイン、ビス(β−ヒド
ロキシエチル)テレフタレート、ビス(ヒドロキシブチ
ル)テレフタレート、ポリオキシエチレン化ビスフェノ
ールA、ポリオキシプロピレン化ビスフェノールA、ポ
リオキシエチレン化ビフェノール、ポリオキシプロピレ
ン化ビフェノール等。また本発明のポリエステル樹脂の
重縮合に際しては、必要に応じてポリオール成分を添加
することもできる。この場合ポリオールとしてはグリセ
リン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタ
ン、トリエタノールアミン、ペンタエリスリトール、ソ
ルビトール、グリセロール、1,3,5−トリヒドロキ
シメチルベンゼン等を使用される。
ルとしては次の化合物が例示される。フマル酸、マレイ
ン酸、コハク酸、イタコン酸、メサコニン酸、シトラコ
ン酸、グルタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフ
タル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、シクロヘキセン
ジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカン二
酸、ナフタレンジカルボン酸、ビフェニル−4,4−ジ
カルボン酸、2,3−ピペラジン−ジカルボン酸、イミ
ノジカルボン酸、イミダゾール−4,5−ジカルボン
酸、ピペリジンジカルボン酸、N−フェニルピラゾール
ジカルボン酸、ピリジンジカルボン酸、カルバゾール−
3,6−ジカルボン酸、9−メチルカルバゾール−3,
6−ジカルボン酸、カルバゾール−3,6−ジ酪酸、カ
ルバゾール−3,6−γ,γ′−ジケト酪酸等が使用で
きる。また、フェノール性水酸基含有ジカルボン酸とし
ては次の化合物が例示される。4−ヒドロキシイソフタ
ル酸、5−ヒドロキシイソフタル酸、4,6−ヒドロキ
シイソフタル酸、2,5−ヒドロキシ−1,4−ベンゼ
ン二酢酸、ケリダム酸、ビス(2−ヒドロキシ−3−カ
ルボキシフェニル)メタン及びこれらの酸無水物または
低級アルキルエステル等が使用できる。
の際には、ポリカルボン酸及びその無水物及びその低級
アルキルエステルまたはポリオールを添加することもで
きる。この場合のポリカルボン酸としては、次の化合物
が例示される。トリメリット酸、ピロメリット酸、1,
2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、1,2,4−
ナフタレントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレンジ
カルボン酸、ピリジントリカルボン酸、、ピリジン−
2,3,4,6−テトラカルボン酸、1,2,7,8−
テトラカルボン酸、及びこれらの酸無水物、及び低級ア
ルキルエステル等が使用できる。ポリオールとしては次
の化合物が例示される。グリセリン−トリ−12−ヒド
ロキシステアレート、ガラクチトールヘキサポリイソプ
ロピルエーテル等。特に架橋用ポリエステルを合成する
場合には、上記以外にジオール成分としてポリエチレン
グリコール、ポリプロピレングリコール等、ジカルボン
酸成分としてドデカンジカルボン酸に代表されるような
炭素数6以上のアルキルまたはアルケニルジカルボン酸
等、脂肪族系の成分が特に有用である。ポリエステル樹
脂中に置けるジオール成分、ジカルボン酸またはその無
水物またはその低級アルキルエステルの配合比は、樹脂
の水酸基価、酸価を制御するため任意に変えることがで
きる。
は、示差走査熱量計(DSC)で測定したガラス転移温
度が50℃以上、島津製作所製,高化式フローテスター
CFT−500Cで測定したフロー軟化点が80℃以上
であることが望ましい。この場合、ガラス転移温度が5
0℃より低いとトナーの保存安定性が低下し、またフロ
ー軟化点が80℃より低いとトナーの保存安定性が低下
し好ましくない。また.本発明で使用する複合化ポリエ
ステルの熱的性質は目的に応じて任意に変える事ができ
るが、DSCで測定したガラス転移点は100℃以下、
フローテスターで測定したフロー軟化点は180℃以下
である事が望ましい。本発明では線状ポリエステルと架
橋ポリエステルとを複合化して用いるため、架橋ポリエ
ステルのガラス転移点か室温以下でも良いが、このとき
同時に複合化に用いる線状ポリエステルのガラス転移点
が高いかあるいは複合比率が線状ポリエステルの方が多
い必要がある。
に着色剤、電荷制御剤、必要に応じて磁性粉等を分散混
合し、熱溶融混練後粉砕して製造する。着色剤として
は、カーボンブラック、アニリンブルー、フタロシアニ
ンブルー、キノリンイエロー、マラカイトグリーン、ラ
ンプブラック、ローダミン−B、キナクリドン等が例示
される。通常結着樹脂に対して1〜20重量%が添加さ
れる。電荷制御剤としては、正帯電用と負帯電用とがあ
る。正帯電用としては、ニグロシン染料、第4級アンモ
ニウム塩、ピリジニウム塩、アジン等が例示される。負
帯電用としては、クロム錯体、鉄錯体等が例示される。
これらの電荷制御剤は、結着樹脂に対し通常0.1〜1
0重量%添加される。
場合の低温定着性は低分子量体あるいは線状ポリエステ
ルが低温度域で溶融粘度がすばやく低下する事による効
果である。また、オフセット防止効果は、高温度域での
樹脂の粘度低下を架橋ポリエステルで防止する事で発現
する。各々の利点を生かすためには線状ポリエステルと
架橋ポリエステルを複合化する必要がある。この複合化
を一般的なドライブレンド法で行うと、製造される樹脂
は高化式フローテスターで測定した溶融開始温度が高く
なり、幅広い定着温度が得られるが低温定着には向かな
いものとなる。これは線状ポリエステルと架橋ポリエス
テルとでは、両者の溶融粘度が著しく異なるため互いの
分散性が悪いことに起因するものである。また、トナー
製造において線状ポリエステルと架橋ポリエステルとを
同時に混練しても得られる樹脂は溶融開始温度が高くな
り、線状ポリエステルを配合した効果が薄い。これらよ
りも線状ポリエステルと架橋ポリエステルとを更に均一
にアロイ化する手段として、本発明で用いられるIPN
法を用いれば、分子レベルでの両ポリエステルの相溶化
が可能となり、一成分の網目中に他成分を取り込んだ構
造になるので、本発明の目的を達成することができる。
詳細に説明するが本発明はこれに限定されるものではな
い。 合成例1(a)線状ポリエステル(A)の合成 ビスフェノールA・エチレンオキサイド(2,2’−ビ
ス〔4−(2−ヒドロキシエチレンオキシ)フェニル〕
プロパン)316g(1モル)、イソフタル酸166g
(1モル)、酸化ジブチルスズ2.5gを攪拌機、コン
デンサーおよび窒素導入管を備えた4つ口丸底フラスコ
に入れ、窒素ガス導入管から窒素ガスを導入しながら2
00℃に加熱攪拌した。水の流出が終わった後、1時間
かけて230℃まで昇温し、三時間反応を進め、本発明
で使用する線状ポリエステル(A)を得た。得られた樹
脂の物性を測定したところガラス転移点68℃、溶融開
始温度88℃、フロー軟化点102℃、酸価10.5KO
Hmg/g 、水酸価32.9KOHmg/g であった。なお、高化
式フローテスターによる溶融開始温度およびフロー軟化
点の測定条件は下記のとおりである。すなわち50〜8
0℃に予備加熱された、面積がほぼ1cm2 のシリンダ
ー中に樹脂ペレットを入れる。このシリンダーの底部に
は直径1mm、長さ1mmのノズルが設けられている。
20KgFの荷重をかけた面積1cm2 のプランジャー
を樹脂ペレットの上部にセットする。シリンダー内の樹
脂ペレットを昇温速度6℃/分で加熱し、軟化した樹脂
をノズルから排出する。プランジャーの下降開始を溶融
開始温度とし、プランジャーの下降開始点からプランジ
ャーがシリンダーの底部にいたる距離の1/2に達した
時点での温度をフロー軟化点とした。
ルとの複合化 (a)で合成した線状ポリエステル(A)100重量部
を攪拌機、コンデンサーおよび窒素導入管を備えた4つ
口丸底フラスコに入れ、窒素ガス導入管から窒素ガスを
導入しながら160℃に加熱攪拌した。ポリエチレング
リコール(水酸価558KOHmg/g 、分子量200)10
重量部を前記丸底フラスコに添加し均一になるまで攪拌
した。更にブタンテトラカルボン酸5.8重量部(ポリ
エチレングリコールの水酸価に対して100モル%)を
フラスコに添加し、フラスコ内容物が均一になってから
酸化ジブチルスズ0.5gを加えた。その後180℃に
昇温し1時間加熱攪拌した後、200℃で1時間加熱攪
拌し、本発明のトナーに配合する結着樹脂を作成した。
得られた樹脂の物性を測定したところ、ガラス転移点が
59℃、溶融開始温度が85℃、フロー軟化点が123
℃であった。以下、同様の方法で合成例2及び3の複合
化樹脂を製造した。合成例1〜3の樹脂の組成を表1に
示す。
℃で溶融混練した。溶融混合物を冷却した後、粉砕、分
級して平均粒子径8.5μmの負帯電性トナー粒子を得
た。このトナー粒子100重量部に疎水性コロイダルシ
リカ0.5重量部を外添して本発明の静電荷像現像トナ
ーを得た。 実施例2 合成例1の複合化樹脂に代えて合成例2の複合化樹脂を
用い、その他は実施例1と同様にして本発明の静電荷像
現像トナーを製造した。 実施例3 合成例1の複合化樹脂に代えて合成例3の複合化樹脂を
用い、その他は実施例1と同様にして本発明の静電荷像
現像トナーを製造した。
しその後の複合化は行わず、下記の手順にて、架橋ポリ
エステル(B)を合成した。すなわち、ポリエチレング
リコール(水酸価558KOHmg/g 、分子量200)10
0重量部をフラスコに添加し、均一になるまで攪拌し
た。更にブタンテトラカルボン酸58重量部(ポリエチ
レングリコールの水酸価に対して100モル%)をフラ
スコに添加し、フラスコ内容物が均一になってから酸化
ジブチルスズ5gを加えた。その後180℃に昇温し1
時間加熱攪拌した後、200℃で1時間加熱攪拌し、架
橋ポリエステル(B)を得た。上記の線状ポリエステル
(A)100重量部と架橋ポリエステル(B)10重量
部とを混合し、比較用の複合化樹脂を得、これを使用し
て下記の手順にて比較用の静電荷像現像用トナーを得
た。 比較用の複合化樹脂 100重量部 カーボンブラック(三菱化成社製、商品名MA−100) 5重量部 鉄系錯塩染料(保土谷化学社製、商品名:T−77) 2重量部 上記配合からなる混合物を二軸混練機を用いて約150
℃で溶融混練した。溶融混合物を冷却した後、粉砕、分
級して平均粒子径8.5μmの負帯電性トナー粒子を得
た。このトナー粒子100重量部に疎水性コロイダルシ
リカ0.5重量部を外添した。
リエステル(B)を使用し、下記の配合でトナー(A)
およびトナー(B)を作成した。 <トナー(A)の作成> 線状ポリエステル(A) 100重量部 カーボンブラック(三菱化成社製、商品名MA−100) 5重量部 鉄系錯塩染料(保土谷化学社製、商品名:T−77) 2重量部 上記配合からなる混合物を二軸混練機を用いて約150
℃で溶融混練した。溶融混合物を冷却した後、粉砕、分
級して平均粒子径8.5μmの負帯電性トナー粒子を得
た。このトナー粒子100重量部に疎水性コロイダルシ
リカ0.5重量部を外添した。 <トナー(B)の作成> 架橋ポリエステル(B) 100重量部 カーボンブラック(三菱化成社製、商品名MA−100) 5重量部 鉄系錯塩染料(保土谷化学社製、商品名:T−77) 2重量部 上記配合からなる混合物を二軸混練機を用いて約150
℃で溶融混練した。溶融混合物を冷却した後、粉砕、分
級して平均粒子径8.5μmの負帯電性トナー粒子を得
た。このトナー粒子100重量部に疎水性コロイダルシ
リカ0.5重量部を外添した。次に上記トナー(A)1
00重量部とトナー(B)10重量部を混合して比較用
の静電荷像現像用トナーを得た。
とフェライトキャリアーを5/95の重量比で混合して
二成分現像剤を製造し、下記の方法にて定着強度試験を
行った。三洋電機社製SFT−Z133複写機で撮像し
た後、テフロン表面コートした定着ローラと、シリコン
ゴムで表面被服した圧着ローラからなる定着器を用いて
トナー像を上質紙に熱定着した。この時定着ローラの表
面温度は130±5℃、線速度は200mm/秒であっ
た。次に定着画像に対して綿パットによる摺擦を施し、
下記式によって定着強度を算出し、低エネルギー定着性
の指標とした。画像濃度はマクベス反射濃度計RP−9
14により測定した。
画像の画像濃度) なお、トナー評価の際、市販の複写機で撮像、130
℃、200mm/secで定着した後、定着画像に対し
て綿パットによる摺擦を施し、下記式によって定着強度
を算出し低エネルギー定着性の指標とした。また、画像
濃度はマクベス反射濃度計RD−914により測定し
た。その結果を表2に示した。なお、実施例1〜3で得
られた二成分現像剤を市販の複写機を用い10000枚
の連続複写を行ったところ、ベタ画像のマクベス反射濃
度がいずれも1.4以上であり、かつ非画像部の地カブ
リは0.1以下であって実用上問題のない画質の画像を
得ることができた。
性に優れ、しかもオフセット現象が発生しない。
Claims (4)
- 【請求項1】 結着樹脂及び着色剤を主成分とする静電
荷像現像トナーにおいて、該結着樹脂が、線状ポリエス
テルと架橋ポリエステルとを複合して成り、架橋ポリエ
ステルの架橋網目中に線状ポリエステルを取り込んだ構
造を有することを特徴とする静電荷像現像トナー。 - 【請求項2】 該結着樹脂に使用する線状ポリエステル
の酸価と水酸価の合計が、100未満であることを特徴
とする請求項1記載の静電荷像現像トナー。 - 【請求項3】 該結着樹脂に使用する線状ポリエステル
が、ジオール成分と、ジカルボン酸またはその低級アル
キルエステルまたはその無水物を重縮合させた樹脂であ
ることを特徴とする請求項1記載の静電荷像現像トナ
ー。 - 【請求項4】 該結着樹脂に使用する架橋ポリエステル
が、ジオール成分と、ジカルボン酸またはその低級アル
キルエステルまたはその無水物およびポリオールまたは
ポリカルボン酸を重縮合させた樹脂であることを特徴と
する請求項1記載の静電荷像現像トナー。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP6336876A JP2982110B2 (ja) | 1994-12-27 | 1994-12-27 | 静電荷像現像トナー |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP6336876A JP2982110B2 (ja) | 1994-12-27 | 1994-12-27 | 静電荷像現像トナー |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08184991A true JPH08184991A (ja) | 1996-07-16 |
JP2982110B2 JP2982110B2 (ja) | 1999-11-22 |
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ID=18303472
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP6336876A Expired - Fee Related JP2982110B2 (ja) | 1994-12-27 | 1994-12-27 | 静電荷像現像トナー |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2982110B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2018101126A (ja) * | 2016-12-21 | 2018-06-28 | キヤノン株式会社 | トナー |
JP2018101064A (ja) * | 2016-12-21 | 2018-06-28 | キヤノン株式会社 | トナー |
-
1994
- 1994-12-27 JP JP6336876A patent/JP2982110B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2018101126A (ja) * | 2016-12-21 | 2018-06-28 | キヤノン株式会社 | トナー |
JP2018101064A (ja) * | 2016-12-21 | 2018-06-28 | キヤノン株式会社 | トナー |
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JP2982110B2 (ja) | 1999-11-22 |
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