JPH06118708A - トナー用ポリエステル樹脂 - Google Patents

トナー用ポリエステル樹脂

Info

Publication number
JPH06118708A
JPH06118708A JP4264774A JP26477492A JPH06118708A JP H06118708 A JPH06118708 A JP H06118708A JP 4264774 A JP4264774 A JP 4264774A JP 26477492 A JP26477492 A JP 26477492A JP H06118708 A JPH06118708 A JP H06118708A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
toner
acid
resin
diol
polyester resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP4264774A
Other languages
English (en)
Inventor
Shinji Kubo
伸司 久保
Takayuki Tajiri
象運 田尻
Hitoshi Iwasaki
等 岩崎
Yoichi Nagai
陽一 永井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Rayon Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Rayon Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Rayon Co Ltd filed Critical Mitsubishi Rayon Co Ltd
Priority to JP4264774A priority Critical patent/JPH06118708A/ja
Publication of JPH06118708A publication Critical patent/JPH06118708A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Developing Agents For Electrophotography (AREA)
  • Polyesters Or Polycarbonates (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 溶融流動性及び低温定着性が良好で、かつ耐
ブロッキング性に優れたトナー用樹脂の提供。 【構成】 テレフタル酸及び/又はイソフタル酸成分を
50モル%以上含む酸成分と、式(I)で表わされるジ
オール及び水素添加ビスフェノールAを5〜80モル%
(対全酸成分)含むジオールとから構成され、その軟化
温度が115℃以下、ガラス転移温度が60℃以上であ
るトナー用ポリエステル樹脂。 【化1】 (式中、Rは炭素数3以下のアルキレン基、x及びy
は、2≦x+y≦7を満たす0以上の整数)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子写真法、静電記録
法、静電印刷法などにおいて、静電荷像または磁気潜像
の現像に用いる乾式トナーとして有用なポリエステル樹
脂に関する。さらに詳しくは、耐ブロッキング性、溶融
流動性および低温定着性に優れ、特に高い溶融流動性が
要求されるフルカラー用、低温定着性が要求される高速
複写機および高速プリンター用として有用なトナー用ポ
リエステル樹脂に関する。
【0002】
【従来の技術】静電荷像より恒久的な顕像を得る方法に
おいては、光導電性感光体または静電記録体上に形成さ
れた静電荷像を予め摩擦により帯電させたトナーによっ
て現像した後定着される。磁気潜像の場合は、磁気ドラ
ム上の潜像を磁性体を含むトナーによって現像した後定
着される。定着は光導電性感光体または静電記録体上に
現像によって得られたトナー像を直接融着させるか、紙
やフィルム上にトナー像を転写した後、これを転写シー
ト上に融着させることによって行われる。トナー像の融
着は、溶剤蒸気との接触、加圧もしくは加熱によって行
われ、加熱方式には電気オーブンによる無接触加熱方式
と加圧ローラーによる圧着加熱方式があるが、定着工程
の高速化が要請される最近では主として後者が用いられ
ている。
【0003】乾式現像方式で使用されるトナーには、1
成分系トナーと2成分系トナーがある。2成分系トナー
は、先ず樹脂、着色剤、荷電制御剤およびその他必要な
添加剤を溶融混練して十分に分散させた後、次いで粗粉
砕、微粉砕し、所定の粒度範囲に分級して製造される。
1成分系トナーは、上記の2成分系のトナーの各成分の
他に磁性鉄粉を添加して同様に製造される。
【0004】樹脂はトナー配合中の主成分であるため、
トナーに要求される性能の大部分を支配する。このため
トナー用樹脂には、トナー製造における溶融混練工程で
の着色剤の分散性、粉砕工程での粉砕性の良いことなど
が要求され、またトナーの使用においては定着性、オフ
セット性、ブロッキング性および電気的性質が良いこと
など多様な性能が要求される。トナーの製造に用いられ
る樹脂としては、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポ
リスチレン樹脂、メタクリル系樹脂などが公知である
が、圧着加熱定着方式用は主にスチレンと(メタ)アク
リル酸エステルの共重合体が用いられてきた。しかし、
複写機の高速化傾向にともない、トナーの低温定着性が
強く要求されているため、より低温で定着が可能である
ことや定着されたトナー像の耐塩ビ可塑剤性が優れてい
ることにより、ポリエステル樹脂が注目されている。
【0005】さらに、カラー画像を得るためには、上述
の現像工程において3〜4色のトナーを転写紙に付着さ
せ、次いで定着工程において溶融混合しながら発色し、
定着させなければならない。フルカラートナー用バイン
ダーには上述のように定着工程での混合性の良い樹脂、
換言すれば溶融流動性の良い樹脂が強く望まれている。
溶融流動性の良好なバインダーを用いた場合、定着工程
での耐オフセット現象が生じる問題がある。しかしなが
ら、オフセット現象を防止するため、バインダーを架橋
させたり高分子化すると、溶融流動性が低下するため、
フルカラートナー用のバインダー用樹脂としては適さな
い。従って、フルカラー用複写機の場合、非オフセット
性を得るため、定着ローラー表面にシリコーンオイル等
を塗布している。
【0006】また、定着部の高速化、省エネルギー化が
強く望まれている今日、フルカラー以外の一般複写機、
プリンターにおいても、定着ローラーにシリコーンオイ
ル等を塗布するなどのオフセット防止の手法が用いられ
ている例も少なくない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】フルカラートナー用や
高速複写機用トナーのためのバインダー樹脂は、溶融混
合や低エネルギー溶融のため、低粘度化(低軟化温度
化)の必要がある。一般にポリマーを低粘度化すればす
るほどガラス転移温度(Tg)は低くなり、耐ブロッキ
ング性が低下する。
【0008】フルカラー現像において、高画質で熱安定
性の高いバインダーは、できるだけ低粘度でできるだけ
高Tgの樹脂が有用で、低粘度・高Tg化の進んだレジ
ンが要望されている。
【0009】本発明の目的は、溶融流動性および低温定
着性が良好で、かつ耐ブロッキング性に優れたトナー用
樹脂を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らはこれら問題
を解決するために鋭意検討したところ、水素添加ビスフ
ェノールAを使用すると低粘度・高Tg化が促進される
ことを見い出した。
【0011】また、本発明者らは、式〔I〕で表される
ジオールが、低粘度・高Tg化を促進することを先に見
い出していたが、式〔I〕で表されるジオール成分に水
素添加ビスフェノールAを併用することにより、さらな
る低粘度・高Tg化が達成できることを見い出した。
【0012】すなわち、本発明は、テレフタル酸および
/またはイソフタル酸成分を50モル%以上含む酸成分
と、式(I)で表わされるジオールおよび水素添加ビス
フェノールAを全酸成分に対して5〜80モル%の割合
で含むジオールとから縮合されたポリエステルであり、
該ポリエステルの軟化温度(T1 )が115℃以下で、
ガラス転移温度(T2 )が60℃以上であることを特徴
とするトナー用ポリエステル樹脂である。
【0013】
【化2】 (式中、Rは炭素数3以下のアルキレン基を表わし、x
およびyは、2≦x+y≦7を満たすそれぞれ0以上の
整数である。)
【0014】
【作用】本発明でいうテレフタル酸および/またはイソ
フタル酸成分とは、テレフタル酸、イソフタル酸および
それらの低級アルキルエステルからなる群より選ばれた
一種以上をいう。これらの芳香族ジカルボン酸成分は、
ポリエステル樹脂のTgを上げる効果があり、トナーの
耐ブロッキング性を向上させる。このためテレフタル酸
および/またはイソフタル酸成分は、全酸成分中50モ
ル%以上使用する必要があり、60モル%以上使用する
ことが好ましい。
【0015】本発明で使用できるその他の酸成分の例と
しては、フタル酸、セバシン酸、イソデシル琥珀酸、マ
レイン酸、フマル酸、アジピン酸およびこれらのモノメ
チル、モノエチル、ジメチル、ジエチルエステル等、並
びにこれらの酸無水物が挙げられる。これらのジカルボ
ン酸成分はトナーの定着性や耐ブロッキング性に大きく
影響を与える。樹脂の要求性能に応じて50モル%を越
えない範囲で使用できる。
【0016】本発明に於いては、ジオール成分として式
〔I〕で表されるジオールと水素添加ビスフェノールA
を用いることが必要である。これらジオール成分は、ポ
リエステル樹脂のTgを高めるとともに、軟化温度を比
較的低く維持するという効果を有するものであり、その
結果、トナーの溶融流動性および耐ブロッキング性を向
上できるものである。そして、式〔I〕で表されるジオ
ールとともに水素添加ビスフェノールAを用いることに
よって、この効果はより高められるものである。
【0017】ポリエステル樹脂中における式〔I〕で表
わされるジオールおよび水素添加ビスフェノールAの合
計量は、全酸成分に対して5〜80モル%である必要が
ある。式〔I〕で表されるジオールと水素添加ビスフェ
ノールAはTgを高める効果は高いが反応性が悪く、そ
れらの合計量が80モル%を超えると、所定のTgが得
られるまでには重合度が上がらない。また、それらの合
計量が5モル%未満の場合は、本発明の効果が発揮され
ない。また、水素添加ビスフェノールAは高価であり、
これを多量に用いたものは一般に普及している複写機・
プリンターへの使用には適さない。また、式〔I〕で表
されるジオールおよび水素添加ビスフェノールAは高温
で熱分解を起こし易いため、高温の重合温度を必要とす
る芳香族ジカルボン酸との併用には、その使用量は限ら
れる。この傾向は水素添加ビスフェノールAでは特に大
きい。なお、本発明でいうジオールの量とは、重縮合反
応における仕込み量ではなく、ポリエステル樹脂を構成
するジオール単位をジオールに換算した量をいう。
【0018】式〔I〕で表わされるジオールの具体例と
しては、ポリオキシエチレン−(2.0)−2,2−ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプ
ロピレン−(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(2.2)
−ポリオキシエチレン−(2.0)−2,2−ビス(4
−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレ
ン−(6)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
プロパン、ポリオキシプロピレン−(2.2)−2,2
−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキ
シプロピレン−(2.4)−2,2−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(3.
3)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパ
ンなどが挙げられ、これらは単独または混合して使用さ
れる。特に2.1≦n≦2.5であるポリオキシプロピ
レン−(n)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)プロパンおよび2.0≦n≦3.0であるポリオキ
シエチレン−(n)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)プロパンが好ましい。
【0019】本発明で用いられるジオールの残量は脂肪
族ジオールであることが好ましい。脂肪族ジオールの具
体例としては、エチレングリコール、ネオペンチルグリ
コール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ポリ
エチレングリコールなどが挙げられ、これらは単独また
は混合して使用される。これらの脂肪族ジオールは、縮
重合反応速度を向上させる作用を有する。これらの中で
も定着性の点からエチレングリコール、ネオペンチルグ
リコール、ブタンジオールが好ましい。
【0020】なお、p−オキシ安息香酸、p−オキシメ
チル安息香酸、p−オキシエチル安息香酸等のオキシ酸
も本発明の樹脂のポリエステル樹脂の要求性能を損なわ
ない限り全酸成分に対して10モル%を越えない範囲で
使用できる。
【0021】本発明において最も重要な点は、上記酸成
分とジオールとから縮重合して得られるポリエステル樹
脂の軟化温度(T1 )が115℃以下であり、Tg(T
2 )が60℃以上であることである。
【0022】軟化温度が115℃を超えると、フルカラ
ー用バインダーとして使用した場合、溶融混合性が低下
し、高画像が得られない。従って、程度の問題はあると
しても、色の混合性・複写物の光沢性を考えた場合、少
なくとも軟化温度は115℃以下の必要がある。また、
フルカラーでは、複写物の解像度を向上させるために、
近年トナーの粒径が微細化されつつあり、従来のトナー
用樹脂のレベルでは、表面積が大きくなっているだけブ
ロッキングが発生しやすくなっている。また、フルカラ
ーは、一般の複写機と比較すると色の混合という工程が
増えるため、さらに複写安定性が必要となる。複写プロ
セス中でトナーが粉砕されたり、定着部以外で融着する
と、直接画像低下に繋ってくる。従って、高貯蔵安定性
で高画像を得るためには、Tgは60℃以上であること
が必要である。
【0023】軟化温度とTgの関係は、同一樹脂系にお
いては、ある程度相関関係があり、Tgが高い樹脂に関
しては、軟化温度が高くなる傾向は顕著である。低軟化
温度で高Tgを同時に満たすようなバインダー樹脂は優
れた樹脂であり、軟化温度(T1 )とTg(T2 )の差
(T1 −T2 )が小さいもの程フルカラートナー用には
優れたバインダーである。溶融混合と貯蔵安定性の両方
を同時に満たすためには、軟化温度(T1 )とTg(T
2 )の差(T1 −T2 )は50℃以内が好ましい。
【0024】本発明のポリエステル樹脂は、前記モノマ
ーを反応釜に仕込み、加熱昇温することにより、エステ
ル化反応またはエステル交換反応させて製造される。こ
の時必要に応じて硫酸、チタンブトキサイド、ジブチル
スズオキサイド、酢酸マグネシウム、酢酸マンガン等の
通常のエステル化反応またはエステル交換反応で使用さ
れるエステル化触媒を使用することができる。次いで常
法に従って反応で生じた水やアルコールを除去する。重
合反応は引き続き進行させるが、このとき150mmH
g以下の真空下でジオール成分を留出除去させながら重
合を行うことが望ましい。
【0025】このようにして得たポリエステル樹脂を用
いてトナーを製造するには、従来公知の方法にしたがえ
ばよく、特に限定はない。例えば着色、荷電制御等の目
的で種々の添加物を所望量配合して混練することにより
トナー用組成物を調製し、それを微粉砕する等によりト
ナーを得ることができる。添加物としては、例えばカー
ボンブラック、鉄黒、グラファイト、ニグロシン、モノ
アゾ染料の金属錯体、群青、フタロシアニンブルー、ハ
ンザイエロー、ベンジジンイエロー、キナクドクドリ
ン、各種レーキ顔料等が挙げられる。また、トナーの製
造に際しては、本発明によるポリエステル樹脂の他に、
本発明の効果を損なわない範囲で少量の他の一般的な重
合体を併用してもよい。かかる重合体としては、シリコ
ーン樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、エポキシ樹脂、
変成ロジン、テルペン樹脂、フェノール樹脂、脂肪族若
しくは脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化
パラフィン、パラフィンワックス等が挙げられる。ま
た、トナーには、例えば鉄、マンガン、ニッケル、コバ
ルト、クロム等の金属;マグネタイト、ヘマタイト、各
種フェライト、マンガン合金、その他の強磁性合金等の
平均粒径が約0.05〜5μm(より好ましくは 0.1〜2μ
m)の磁性微粒子を含ませることもできる。その含有量
は、通常トナー総重量の15〜70重量%、好ましくは
25〜45重量%である。また、トナーには、疎水性コ
ロイダルシリカ等の流動性向上剤を10〜40重量%含
有させてもよい。もちろんこの流動性向上剤は、樹脂組
成物の外部に混合して用いてもよく、添加量としては
0.5〜5重量%程度である。本発明において、軟化温
度は、島津製作所(株)製フローテスターCFT−50
0を用いて1mmφ×10mmのノズル、荷重30k
f、昇温速度3℃/minの等速昇温下で測定した時、
サンプル1.0g中の1/2が流出した温度として定義
される。また、Tgは示差走差熱量計を用いて、昇温速
度5℃/minで測定した時のチャートのベースライン
とTg近傍の吸熱カーブの接線の交点の温度として定義
される。
【0026】また、実施例における組成分析は、樹脂を
ヒドラジンで加水分解し、液体クロマトグラフィーで定
量した。
【0027】
【実施例】次に実施例により本発明を説明するが、本発
明はこれによって限定されるものではない。 実施例1、比較例1〜2 テレフタル酸100モル部、ポリオキシプロピレン−
(2.3)−2,2−ビス(ヒドロキシフェニル)プロ
パン(以下、ジオールAと略称する)30モル部、水素
添加ビスフェノールA30モル部、エチレングリコール
70モル部を蒸留塔を有する反応容器に投入した。触媒
である三酸化アンチモンを全酸成分に対して0.05重
量%添加し、内温を260℃、撹拌回転数120rpm
に保ち、常圧下でエステル化反応させた後、30分かけ
て1.0mmHgまで減圧し、内温200℃に保ち、エ
チレングリコールを留出させながら縮合反応をおこなっ
た。縮合反応の終点を1,2,3時間に設定し、3種の
樹脂R−1〜R−3が得られた。
【0028】R−1〜R−3の組成分析(単位:モル
比)および軟化温度、Tgの測定結果を表1に示した。
【0029】
【表1】 R−2(実施例1)は低軟化温度でTgも60℃を越え
ているため、フルカラートナー用樹脂として用いた場
合、溶融流動性も良く、貯蔵安定性にも優れていた。
【0030】R−1(比較例1)は、低重合度のため、
軟化温度が101℃と低く、溶融流動性は非常に良好で
あるが、Tgが55.4℃と低いため、貯蔵安定性が低
かった。また低Tgのため、複写機内での現像トナーが
劣化したり、現像工程中、機械に融着して、高画質を追
求する微粒子フルカラートナーには適さなかった。
【0031】R−3(比較例2)は、R−1,2の高重
合度品であるが、Tgが76.6℃と非常に高く、貯蔵
安定性は優れていたが軟化温度が120℃と高いため、
溶融流動性が高画質を追求しているフルカラートナー用
バインダーには適さなかった。
【0032】これらの結果より、仕込み組成が同じでも
重合度の違いによりトナー用樹脂としての物性が大きく
異なることがわかった。 実施例2、比較例3〜4 ジオール成分の仕込組成を、ジオールA100モル部、
水素添加ビスフェノールA20モル部およびエチレング
リコール60モル部とした以外は、実施例1と同操作に
より、縮合反応の終点を5,6,7時間に設定し、3種
の樹脂をR−4〜R−6を得た。R−4〜R−6の組成
分析結果(モル比)と物性値の測定結果を表2に示し
た。
【0033】
【表2】 表2より、重合温度7時間のR−6(実施例2)は、低
軟化温度(101℃)、高Tg(61℃)と非常にバラ
ンスのとれた樹脂であり、フルカラーとしての溶融流動
性、微粒子トナーとしての貯蔵安定性、耐刷性にも優れ
ていた。
【0034】一方、R−4(比較例3)、R−5(比較
例4)は、低粘度であるが、重合度不足でTgが60℃
に達していなかった。従って、一般の複写機の使用には
可能であるが、高解像度を狙った微粒子フルカラートナ
ーに使用するにはTgが低かった。また溶融流動性は良
好ではあるが、貯蔵安定性・耐刷安定性に欠けた。 比較例5〜7 仕込組成を表3に示したように変えた以外は、実施例1
と同様の操作を行い、縮合反応の終点をそれぞれ2,
3,1時間に設定し、3種の樹脂をR−7〜R−9を得
た。R−7〜R−9の組成分析結果(モル比)と物性値
の測定結果を表3に示した。
【0035】
【表3】 表3より、R−7(比較例5)は酸成分の芳香族ジカル
ボン酸の使用量が少ない場合であるが、軟化温度が高い
割にTgが低いことがわかった。R−9(比較例7)の
水素添加ビスフェノールAとジオールAを使用しない場
合も同様、軟化温度が高く、Tgが低かった。従って、
これらの樹脂をフルカラートナー用に用いると、余裕流
動性も不十分で、貯蔵安定も低かった。
【0036】これらの結果でも、芳香族ジカルボン酸と
水素添加ビスフェノールAは、低粘度で高Tg化を推進
することがわかった。
【0037】また、R−8(比較例6)のように、水素
添加ビスフェノールA成分を使用しない場合には、ビス
フェノールA成分でも、ある程度の低粘度化は達成され
るが、水素添加ビスフェノールAを併用した場合に比べ
ると、低粘度、高Tg化の傾向は劣った。
【0038】
【表4】
【0039】
【発明の効果】本発明のトナー用樹脂は、高Tgである
にもかかわらず低軟化温度であるためフルカラー用や高
速複写機用のトナー用樹脂として優れており、また、貯
蔵安定性にも優れていた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 永井 陽一 愛知県豊橋市牛川通4丁目1番地の2 三 菱レイヨン株式会社豊橋事業所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 テレフタル酸および/またはイソフタル
    酸成分を50モル%以上含む酸成分と、式(I)で表わ
    されるジオールおよび水素添加ビスフェノールAを全酸
    成分に対して5〜80モル%の割合で含むジオールとか
    ら縮合されたポリエステルであり、該ポリエステルの軟
    化温度(T1 )が115℃以下で、ガラス転移温度(T
    2 )が60℃以上であることを特徴とするトナー用ポリ
    エステル樹脂。 【化1】 (式中、Rは炭素数3以下のアルキレン基を表わし、x
    およびyは、2≦x+y≦7を満たすそれぞれ0以上の
    整数である。)
JP4264774A 1992-10-02 1992-10-02 トナー用ポリエステル樹脂 Pending JPH06118708A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4264774A JPH06118708A (ja) 1992-10-02 1992-10-02 トナー用ポリエステル樹脂

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4264774A JPH06118708A (ja) 1992-10-02 1992-10-02 トナー用ポリエステル樹脂

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH06118708A true JPH06118708A (ja) 1994-04-28

Family

ID=17408007

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4264774A Pending JPH06118708A (ja) 1992-10-02 1992-10-02 トナー用ポリエステル樹脂

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH06118708A (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8344024B2 (en) 2007-07-31 2013-01-01 Elc Management Llc Anhydrous cosmetic compositions containing resveratrol derivatives
JP2013194139A (ja) * 2012-03-19 2013-09-30 Fuji Xerox Co Ltd トナー用ポリエステル樹脂、静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置及び画像形成方法
JP2014037060A (ja) * 2012-08-10 2014-02-27 Kao Corp 熱転写受像シート用樹脂
US8722026B2 (en) 2010-01-06 2014-05-13 Elc Management, Llc Skin lightening compositions
US8968712B2 (en) 2010-11-18 2015-03-03 The Procter & Gamble Company Cosmetic compositions
US8992897B2 (en) 2010-01-06 2015-03-31 Elc Management Llc Skin lightening compositions
US9295621B2 (en) 2007-07-31 2016-03-29 Elc Management Llc Emulsion cosmetic compositions containing resveratrol derivatives and silicone surfactant
US10307346B2 (en) 2013-07-15 2019-06-04 The Procter & Gamble Company Applied films for smoothing wrinkles and skin texture imperfections

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8344024B2 (en) 2007-07-31 2013-01-01 Elc Management Llc Anhydrous cosmetic compositions containing resveratrol derivatives
US9295621B2 (en) 2007-07-31 2016-03-29 Elc Management Llc Emulsion cosmetic compositions containing resveratrol derivatives and silicone surfactant
US8722026B2 (en) 2010-01-06 2014-05-13 Elc Management, Llc Skin lightening compositions
US8992897B2 (en) 2010-01-06 2015-03-31 Elc Management Llc Skin lightening compositions
US9314415B2 (en) 2010-01-06 2016-04-19 Elc Management Llc Skin lightening compositions
US8968712B2 (en) 2010-11-18 2015-03-03 The Procter & Gamble Company Cosmetic compositions
JP2013194139A (ja) * 2012-03-19 2013-09-30 Fuji Xerox Co Ltd トナー用ポリエステル樹脂、静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置及び画像形成方法
JP2014037060A (ja) * 2012-08-10 2014-02-27 Kao Corp 熱転写受像シート用樹脂
US10307346B2 (en) 2013-07-15 2019-06-04 The Procter & Gamble Company Applied films for smoothing wrinkles and skin texture imperfections

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3725282B2 (ja) 静電荷像現像用トナーバインダー
JPH0820636A (ja) トナー用架橋ポリエステル樹脂
JP3971228B2 (ja) 電子写真用トナー
JP4178049B2 (ja) 正帯電性トナー
EP1760534B1 (en) Polyester resin for toner, process for producing polyester resin for toner, and toner containing the same
JPH1160703A (ja) トナー用ポリエステル樹脂、その製造方法およびそれを用いたトナー
WO2004057419A2 (ja) トナー用ポリエステル樹脂組成物およびトナー
JPH06118708A (ja) トナー用ポリエステル樹脂
JP4536277B2 (ja) ポリエステル系トナー
JP3442117B2 (ja) トナー用ポリエステル樹脂
JP5832719B2 (ja) トナー
JP3984335B2 (ja) トナー用ポリエステル樹脂、その製造方法およびそれを用いたトナー
JP3072745B2 (ja) トナー用ポリエステル樹脂
JP3533021B2 (ja) トナー用ポリエステル樹脂
JPH0844113A (ja) 静電荷像現像用トナーおよびその製造方法
JP2002202634A (ja) トナーバインダー
JP2000056504A (ja) 電子写真用トナー
JPH06118709A (ja) トナー用ポリエステル樹脂
JPH09152743A (ja) トナーバインダー用ポリエステル樹脂およびその製造方法およびこれを用いたトナー
JPH07333891A (ja) 静電荷像現像用トナー
JPH04358166A (ja) トナー用ポリエステル樹脂
JP2907493B2 (ja) トナー用ポリエステル樹脂
JPH07114209A (ja) トナー用ポリエステル樹脂
JP3280751B2 (ja) トナー用ポリエステル樹脂
JPH07244403A (ja) 静電荷像現像用トナー