JPH0817247B2 - 感温素子材料の製造方法 - Google Patents

感温素子材料の製造方法

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JPH0817247B2
JPH0817247B2 JP63282982A JP28298288A JPH0817247B2 JP H0817247 B2 JPH0817247 B2 JP H0817247B2 JP 63282982 A JP63282982 A JP 63282982A JP 28298288 A JP28298288 A JP 28298288A JP H0817247 B2 JPH0817247 B2 JP H0817247B2
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照夫 清宮
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富士電気化学株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、磁気異方性が温度によって変化する強磁性
体からなる感温素子材料の製造方法に関し、更に詳しく
は、遷移温度帯が室温よりも低いスピン再配列型強磁性
物質と金属微粒粉末とを原料とし、加温することなく室
温で磁界中成形を行い、焼結によって遷移温度帯を高温
側へシフトさせる感温素子材料の製造方法に関するもの
である。
[従来の技術] 磁化容易方向が温度によって変化する強磁性材料はス
ピン再配列型強磁性物質と呼ばれており、代表的な例と
して希土類コバルト化合物がある。RCo5型化合物(Rは
希土類元素を示す)は、六方晶結晶構造を有している。
スピン再配列現象は磁化容易軸の方向が温度変化に伴い
P面(結晶の基底面)からC軸方向へ変化する現象であ
り、磁化容易軸がP面からC軸へ変化する温度領域を遷
移温度帯、C軸と磁化容易軸とのなす角をβと表現して
いる。
希土類コバルト化合物の結晶磁気異方性については、
一般にRのみを考えるR副格子とCoのみを考えるCo副格
子とに分割して論じられる。結晶磁気異方性定数に対す
るR副格子からの寄与は低温で顕著であり、Co副格子か
らの寄与は広い温度領域にわたっている。そのために室
温以上の温度領域においてはCo副格子からの寄与が重要
であり、またCo副格子はC軸指向である。
以上のことから希土類コバルト化合物の遷移温度を変
化させる方法としては次の三つの技術がある。
希土類元素の組成によりR副格子の基底面指向を変
化させる。Y0.25Nd0.75Co5,NdCo5,Dy0.9Sm0.1Co5,Dy
Co5に示す組成についてβ(度)の温度特性を調べると
第4図に示すようになり、希土類元素の組成によって遷
移温度帯が変化することが判る。
Coの一部を第3元素で置換することによりC軸指向
を変化させる。これについては例えば特公昭60−1940号
公報に詳細なデータが記載されている。
希土類元素とコバルトの比Zの値を変える。第5図
に示すようにDyCoZにおいてZの値を4.4〜5.5の範囲で
変えると遷移温度帯を変えることができる。
このようにして材料元素の種類や組成比率等によって
所望の遷移温度帯をもつ感温素子材料が得られ、それら
は感温スイッチや感温バルブ、温度計等の他、エネルギ
ー変換装置への応用等も考えられている。
ところでこのようなスピン再配列現象を利用するに
は、結晶方向の良く揃った感温素子材料を製造する必要
がある。結晶方向が揃った材料としては単結晶がある
が、それは生産性が低いため工業用材料としては不向き
である。
そこで特公昭58−47842号公報に見られるように結晶
配向性のよい感温素子材料を簡便に製造する方法が発明
された。この製造法の特徴は、スピン再配列型強磁性物
質の微粒粉末を磁界中でプレス成形するとき、その物質
を遷移温度帯を超えた温度(例えば150℃程度)に加熱
した状態で行うことによって結晶軸の方向を揃えること
にある。この成形体を1100〜1200℃で焼成することによ
り、高密度、高配向の焼結体が得られる。
[発明が解決しようとする課題] 従来技術では上記のように、スピン再配列型強磁性物
質の微粒粉末を遷移温度帯を超える温度(150℃程度)
に加熱し、その状態で磁界中プレス成形を行わなければ
ならず、次のような問題があった。
微粒粉末が金属の場合は燃え易くなるので、磁界中
プレス成形を不活性ガス中で行わなければならない。
微粒粉末を加熱する際、内部まで粉末全体が所定温
度以上にならなければならず、時間がかかる。
成形金型は耐熱性のある材質及び構造にしなければ
ならない。
これらの結果、プレス成形装置が複雑化し高価となる
し、成形工程で時間がかかり作業性が悪い等の欠点が生
じる。
本発明の目的は、上記のような従来技術の欠点を解消
し、圧粉工程の際に原料粉末を加温することなく室温で
磁界中成形し、最終的には室温を超えて磁化容易軸の方
向が結晶のC軸方向と平行に揃うようにして、高密度、
高配向の感温素子材料を容易に製造できる方法を提供す
ることにある。
[課題を解決するための手段] 上記のような技術的課題を解決できる本発明は、遷移
温度帯が室温より低いスピン再配列型強磁性物質からな
る微粒粉末と、Al,Si,V,Fe,Co,Ni,Cu,Nb,Moの1種また
は2種以上からなる金属微粒粉末との混合粉体を、室温
で磁界中成形した後、焼結によって遷移温度帯を高温側
へシフトさせ、室温を超えて磁化容易軸の方向が結晶の
C軸方向と平行になる感温磁性体にする感温素子材料の
製造方法である。なお本発明において「室温」とは約25
℃を意味する。
なおここで使用するスピン再配列型強磁性物質として
は、例えばRMZ(但しRは希土類元素の1種または2種
以上、Mはコバルトまたはその一部を第3元素で置換し
た金属間化合物、4.4≦Z≦5.5)で表される材料から、
用途並びに加える金属微粒粉末等に応じて適当な組成を
選択する。
金属微粒粉末の種類は多くの実験により求めた。実際
に使用する金属微粒粉末の種類及び混合比率は遷移温度
帯及び配向性等を考慮して定める。混合比率は、スピン
再配列型強磁性物質1モルに対して金属微粒粉末を0.05
モル以上1.1モル以下とするのが望ましい。0.05モル未
満では遷移温度帯上昇の効果が少なく、1.1モルより多
いと配向性が劣化し甚だしい場合には回転現象が生じな
くなるためである。
[作用] 本発明方法に従いスピン再配列型強磁性物質の微粒粉
末と金属の微粒粉末との混合粉体を室温で磁界中プレス
成形した状態を第1図に示す。前記のように規定したス
ピン再配列型強磁性物質10は室温で磁化容易軸の方向が
結晶のC軸方向と平行であるため、磁界中プレス成形に
よってC軸方向は第1図に示すように外部磁界Hの方向
に揃う。そしてこのスピン再配列型強磁性物質10の間隙
を埋めるように金属微粒粉末12が分散混入している。
スピン再配列型強磁性物質10単独での特性を模式的に
表すと、第2図において破線Aのようになる。その遷移
温度帯Taは室温(25℃)よりも低温側にある。
このような成形体を焼結すると、金属微粒粉末の原子
がスピン再配列型強磁性物質の微粒粉末中に拡散し、組
成が変化する。その組成に応じて、第2図の実線Bで示
すように遷移温度帯Tbが高温側にシフトし、最終的には
室温を超えて磁化容易軸の方向が結晶のC軸方向と平行
になる感温磁性体となる。従って最終的に得られる感温
磁性体の遷移温度帯は、使用するスピン再配列型強磁性
物質の組成、金属微粒粉末の種類、及びそれらの混合比
率等によって調整できることになる。
[実施例−1] 組成Nd0.8Dy0.2Co4.4(約21℃で磁化容易軸がC軸と
平行になる)を高周波溶解炉で溶かし、これをジェット
ミルにて約3μm程度に粉砕した。この粉体1モルに対
して、第1表に示す金属の微粒粉末(0.1〜3μm)を
それぞれ1モルの割合で混合した。これらの混合粉体を
室温(25℃)にて10kOeの磁界中でプレス成形した。次
いでAr雰囲気中1000℃以上の高温で2時間焼結した。
それにより得られた感温素子材料の遷移温度帯を、第
3図に示すような感温回転器を用いて求めた。この感温
回転器20は、永久磁石22a,22bの間で、試料となる円板
状の感温素子材料24を回転自在に支持した構造である。
そして周囲温度を変化させながら感温素子材料24の向き
を測定した。測定結果は第1表に示す通りである。
[実施例−2] 組成Nd(Co0.96Fe0.02Al0.02)4.4(約20℃で磁化容易
軸がC軸と平行になる)を高周波溶解炉で溶かし、これ
をジェットミルにより約3μm程度に粉砕した。この粉
体1モルに対して、Cuの微粒粉末(約1μm)を0.03モ
ル〜1.20モルの割合でそれぞれ混合した。これらの混合
粉体を室温(25℃)にて10kOeの磁界中でプレス成形し
た。次いでAr雰囲気中1000℃以上の高温で2時間焼結し
た。
得られた感温磁性体の遷移温度帯は第2表に示す通り
である。この遷移温度の測定も第3図に示すような感温
回転器を用いた。
これらの実験結果から、所定の金属微粒粉末を所定量
混入することによって、遷移温度帯を高温側にシフトさ
せ且つそれを調整できることが確認され、室温での磁界
中成形で高配向性をもたせ得ることが判った。
[発明の効果] 本発明は上記のように遷移温度帯の低いスピン再配列
型強磁性物質に金属微粒粉末を加える方法だから、原料
混合粉末を加温することなしに室温で磁界中成形でき、
最終的には室温を超えて磁化容易軸の方向が結晶のC軸
方向と平行になる高密度、高配向の感温素子材料を容易
に製造することができる。
上記のように本発明では室温で磁界中成形するため、
従来技術のような加温に伴う様々な弊害を回避でき、成
形装置が簡素化し低廉化できると共に、成形作業が容易
になり成形効率を高めることができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明方法により得られる成形体の模式図、第
2図は本発明によって遷移温度帯が高温側にシフトする
様子を示す説明図、第3図は遷移温度帯の測定に用いる
感温回転器の説明図である。 また第4図は希土類元素の組成が遷移温度帯に与える影
響を示すグラフ、第5図はDyCoZにおいてZの値が遷移
温度帯に与える影響を示すグラフである。 10…スピン再配列型強磁性物質、12…金属の微粒粉末、
14…成形体。
フロントページの続き (72)発明者 幸村 治洋 東京都港区新橋5丁目36番11号 富士電気 化学株式会社内 (56)参考文献 特開 昭63−72852(JP,A) 特公 昭58−47842(JP,B2) 特公 昭60−1940(JP,B2)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】遷移温度帯が室温より低いスピン再配列型
    強磁性物質からなる微粒粉末と、Al,Si,V,Fe,Co,Ni,Cu,
    Nb,Moの1種または2種以上からなる金属微粒粉末との
    混合粉体を、室温で磁界中成形した後、焼結によって遷
    移温度帯を高温側へシフトさせ、室温を超えて磁化容易
    軸の方向が結晶のC軸方向と平行になる感温磁性体とす
    ることを特徴とする感温素子材料の製造方法。
  2. 【請求項2】スピン再配列型強磁性物質はRMZ(但しR
    は希土類元素の1種または2種以上、Mはコバルト又は
    その一部を第3元素で置換した金属間化合物、4.4≦Z
    ≦5.5)で表される請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】スピン再配列型強磁性物質1モルに対して
    金属の微粒粉末を0.05モル以上1.1モル以下の比率で混
    合する請求項1記載の方法。
JP63282982A 1988-11-09 1988-11-09 感温素子材料の製造方法 Expired - Lifetime JPH0817247B2 (ja)

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JPS601940A (ja) * 1983-06-17 1985-01-08 Sony Corp データ列伝送システム
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