JPH0696926A - 樹脂結合型希土類コバルト磁石 - Google Patents
樹脂結合型希土類コバルト磁石Info
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- JPH0696926A JPH0696926A JP4313623A JP31362392A JPH0696926A JP H0696926 A JPH0696926 A JP H0696926A JP 4313623 A JP4313623 A JP 4313623A JP 31362392 A JP31362392 A JP 31362392A JP H0696926 A JPH0696926 A JP H0696926A
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- magnetic
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- H01—ELECTRIC ELEMENTS
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- H01F1/00—Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties
- H01F1/01—Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials
- H01F1/03—Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity
- H01F1/032—Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity of hard-magnetic materials
- H01F1/04—Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity of hard-magnetic materials metals or alloys
- H01F1/047—Alloys characterised by their composition
- H01F1/053—Alloys characterised by their composition containing rare earth metals
- H01F1/055—Alloys characterised by their composition containing rare earth metals and magnetic transition metals, e.g. SmCo5
- H01F1/0555—Alloys characterised by their composition containing rare earth metals and magnetic transition metals, e.g. SmCo5 pressed, sintered or bonded together
- H01F1/0558—Alloys characterised by their composition containing rare earth metals and magnetic transition metals, e.g. SmCo5 pressed, sintered or bonded together bonded together
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 磁束の温度特性を改良し特に加熱状態におけ
る不可逆変化および永久減磁率の小さいボンド磁石を提
供することを目的とする。 【構成】 一般式がR(CO1-u-v-wCuuFevMw)z
(ただし0.03≦u≦0.12、0.1≦v≦0.
4、0.001≦w≦0.1、6.5≦z≦8.8Rは
希土類金属元素の1種もしくは2種以上の組み合せ、M
はAl,Si,Ti,Zr,Hf,V,Nb,Taのう
ちの1種もしくは2種以上の組み合せをそれぞれ示
す。)で表される組成を有し、磁気特性のうち角形性
(SQ=Hk/iHc) がSQ>0.4であることを特徴
とする樹脂結合型希土類コバルト磁石。 【効果】 温度に対する磁束の安定性が格段に優れる。
る不可逆変化および永久減磁率の小さいボンド磁石を提
供することを目的とする。 【構成】 一般式がR(CO1-u-v-wCuuFevMw)z
(ただし0.03≦u≦0.12、0.1≦v≦0.
4、0.001≦w≦0.1、6.5≦z≦8.8Rは
希土類金属元素の1種もしくは2種以上の組み合せ、M
はAl,Si,Ti,Zr,Hf,V,Nb,Taのう
ちの1種もしくは2種以上の組み合せをそれぞれ示
す。)で表される組成を有し、磁気特性のうち角形性
(SQ=Hk/iHc) がSQ>0.4であることを特徴
とする樹脂結合型希土類コバルト磁石。 【効果】 温度に対する磁束の安定性が格段に優れる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、温度特性の改良された
樹脂結合型希土類コバルト磁石に関する。
樹脂結合型希土類コバルト磁石に関する。
【0002】
【従来の技術】希土類金属とコバルトは、種々の金属間
化合物を形成するが、そのうちで磁石材料として広く用
いられているのは、RCo5 とR2Co17 系の金属間化
合物である。これらの金属間化合物は、鋳造後に粉砕を
した粉末の状態でもすぐれた磁気特性を有するため、樹
脂バインダーと混合して成形する樹脂結合型磁石(以下
ボンド磁石と呼ぶ)の材料として広く用いられている。
化合物を形成するが、そのうちで磁石材料として広く用
いられているのは、RCo5 とR2Co17 系の金属間化
合物である。これらの金属間化合物は、鋳造後に粉砕を
した粉末の状態でもすぐれた磁気特性を有するため、樹
脂バインダーと混合して成形する樹脂結合型磁石(以下
ボンド磁石と呼ぶ)の材料として広く用いられている。
【0003】このようなボンド磁石は、切削性にすぐれ
ているため、複雑な形状のものでも比較的安価に製造で
きるという利点を有しているが、加熱されると磁束の不
可逆変化を生じ、磁気特性が低下してしまうという欠点
を有している。特にSmCo5 の金属間化合物を用いた
ボンド磁石は、バインダーとして耐熱性のエポキシ樹脂
を使用しても、その実用温度範囲は60〜80℃の程度
が限界であり、それ以上の温度では磁束の不可逆変化率
が大きくなり、実用性がなくなるという欠点を有してい
る。
ているため、複雑な形状のものでも比較的安価に製造で
きるという利点を有しているが、加熱されると磁束の不
可逆変化を生じ、磁気特性が低下してしまうという欠点
を有している。特にSmCo5 の金属間化合物を用いた
ボンド磁石は、バインダーとして耐熱性のエポキシ樹脂
を使用しても、その実用温度範囲は60〜80℃の程度
が限界であり、それ以上の温度では磁束の不可逆変化率
が大きくなり、実用性がなくなるという欠点を有してい
る。
【0004】永久磁石のΦ0 (開磁路磁束)の変化は、
現象面から以下の3つに分類される。
現象面から以下の3つに分類される。
【0005】(1)可逆変化 状態が変化すれば磁束もそれにつれてある変化を起こす
が、その状態が元に戻れば磁束も元の値に復元するも
の。
が、その状態が元に戻れば磁束も元の値に復元するも
の。
【0006】(2)不可逆変化 着磁方向の磁化が種々の原因で反転するために起こる減
磁で、再着磁すれば元の値に復元するもの。
磁で、再着磁すれば元の値に復元するもの。
【0007】(3)永久減磁 物理的、科学的変化に伴って起こる減磁で、再着磁して
も復元しないもの。
も復元しないもの。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記欠点を
解決するため磁束の温度特性を改良し特に加熱状態にお
ける不可逆変化および永久減磁率の小さいボンド磁石を
提供することを目的とする。
解決するため磁束の温度特性を改良し特に加熱状態にお
ける不可逆変化および永久減磁率の小さいボンド磁石を
提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明の製造方
法は、一般式が、 R(CO1-u-v-wCuuFevMw)z ただし0.03≦u≦0.12 0.1≦v≦0.4 0.001≦w≦0.1 6.5≦z≦8.8 Rは希土類金属元素の1種もしくは2種以上の組み合
せ、MはAl,Si,Ti,Zr,Hf,V,Nb,T
aのうちの1種もしくは2種以上の組み合せをそれぞれ
示す。
法は、一般式が、 R(CO1-u-v-wCuuFevMw)z ただし0.03≦u≦0.12 0.1≦v≦0.4 0.001≦w≦0.1 6.5≦z≦8.8 Rは希土類金属元素の1種もしくは2種以上の組み合
せ、MはAl,Si,Ti,Zr,Hf,V,Nb,T
aのうちの1種もしくは2種以上の組み合せをそれぞれ
示す。
【0010】で表される組成となるように溶解、鋳造し
た R2Co17系金属間化合物の合金インゴットを、Ar
ガス雰囲気中で1100〜1200℃に3〜100時間
保持して溶体化処理した後、300℃まで3℃/分以上
の速度で急冷し、さらに400〜900℃に加熱して磁
気硬化のための時効処理を行なった後、粒度分布が2〜
100μとなるように微粉砕し、該微粉砕された磁性粉
末に有機物樹脂を混合した後、15KOe以上の磁場を
加えながらプレス成形することを特徴とする。
た R2Co17系金属間化合物の合金インゴットを、Ar
ガス雰囲気中で1100〜1200℃に3〜100時間
保持して溶体化処理した後、300℃まで3℃/分以上
の速度で急冷し、さらに400〜900℃に加熱して磁
気硬化のための時効処理を行なった後、粒度分布が2〜
100μとなるように微粉砕し、該微粉砕された磁性粉
末に有機物樹脂を混合した後、15KOe以上の磁場を
加えながらプレス成形することを特徴とする。
【0011】本発明者らの研究によれば、磁束の温度に
よる減磁、すなわち、不可逆変化および永久減磁率を小
さくするためには、B−Hカーブの形状が大いに重要
で、中でも角型性SQ=HK/iHCをなるべく高める
必要がある。望ましくはSQ=0.5以上、好ましくは
SQ=0.6〜0.8である。
よる減磁、すなわち、不可逆変化および永久減磁率を小
さくするためには、B−Hカーブの形状が大いに重要
で、中でも角型性SQ=HK/iHCをなるべく高める
必要がある。望ましくはSQ=0.5以上、好ましくは
SQ=0.6〜0.8である。
【0012】そのためには、 磁性粉末の均質化 磁性粉末の成形時の充てん率 磁性粉末の成形時の配向度 を高めることが有効な手段であることを見出し、本発明
に至ったものである。
に至ったものである。
【0013】すなわち、粉末の成形時の充てん率を高め
るためには、粉末の粒度をできるだけ広い範囲に分布さ
せるのが望ましい。なぜなら、大きな粒度の粉末間のす
き間に小さな粒度の粉末をうめ込むことにより、粉末間
の空隙を少なくし、充てん率を高めることができるから
である。しかし、従来のRCo5 系の合金では、粉末の
粒度は単極区粒子径の3〜6μに制限される。これは、
その保磁力機構が、単磁区粒子の一斉回転によるためで
あり、このため、粉末の充てん率を高めることができ
ず、磁束の温度による減磁が大きくなる一因となってい
た。
るためには、粉末の粒度をできるだけ広い範囲に分布さ
せるのが望ましい。なぜなら、大きな粒度の粉末間のす
き間に小さな粒度の粉末をうめ込むことにより、粉末間
の空隙を少なくし、充てん率を高めることができるから
である。しかし、従来のRCo5 系の合金では、粉末の
粒度は単極区粒子径の3〜6μに制限される。これは、
その保磁力機構が、単磁区粒子の一斉回転によるためで
あり、このため、粉末の充てん率を高めることができ
ず、磁束の温度による減磁が大きくなる一因となってい
た。
【0014】これに対し、上述したような組成のR2C
o17 系の合金は、従来に比べてすぐれた磁気特性が得
られるという特徴を有していると共に、その保磁力機構
が、磁壁の移度とそのピンニングによるため、粒度の影
響を受けない。したがって粉末の粒度を2〜100μと
いう広い範囲に分布させることにより、磁束の温度によ
る減磁を小さくすることが可能になった。
o17 系の合金は、従来に比べてすぐれた磁気特性が得
られるという特徴を有していると共に、その保磁力機構
が、磁壁の移度とそのピンニングによるため、粒度の影
響を受けない。したがって粉末の粒度を2〜100μと
いう広い範囲に分布させることにより、磁束の温度によ
る減磁を小さくすることが可能になった。
【0015】また、粉末の均質化については、鋳造後の
熱処理条件が重要である。
熱処理条件が重要である。
【0016】本発明合金は、高周波溶解炉を用いて溶解
され、鋳型に鋳造される。インゴットの大きさは量産製
造では、1kg〜200kgで、そのマイクロ組織は、
主に柱状晶である。次にインゴットを適当な塊状に粉砕
し、Arガス雰囲気炉中で1100℃〜1200℃に3
時間(以下hrs)〜100hrs保持均質化し溶体化
処理する。溶体化急冷速度は300℃まで、3℃/分以
上で冷やさなければならない。溶体化処理を行った合金
インゴットを、400℃〜900℃に加熱磁気硬化のた
め時効処理を行う。こうした磁性熱処理を終了した合金
は、塊状なので、粉末化工程を経て、粒度2μ〜100
μの微粉末とする。この磁性粉末とバインダーとして有
機物樹脂を混合し、所望の形状に磁場中でプレス成形
し、さらにキュアー処理を行ない、樹脂結合型磁石を得
る。この時、バインダーは、熱硬化性樹脂もしくは熱可
塑性樹脂を用いなければならない。本発明は永久磁石の
熱減磁率を小さくすることを目的としているため、バイ
ンダーは熱硬化性樹脂を用いることがより好ましいもの
である。例えば、エポキシ、ポリアミド、フェノール、
ポリエステルなどである。一方熱可塑性樹脂のポリアミ
ド、ナイロン、アクリルなどを用いても良い。
され、鋳型に鋳造される。インゴットの大きさは量産製
造では、1kg〜200kgで、そのマイクロ組織は、
主に柱状晶である。次にインゴットを適当な塊状に粉砕
し、Arガス雰囲気炉中で1100℃〜1200℃に3
時間(以下hrs)〜100hrs保持均質化し溶体化
処理する。溶体化急冷速度は300℃まで、3℃/分以
上で冷やさなければならない。溶体化処理を行った合金
インゴットを、400℃〜900℃に加熱磁気硬化のた
め時効処理を行う。こうした磁性熱処理を終了した合金
は、塊状なので、粉末化工程を経て、粒度2μ〜100
μの微粉末とする。この磁性粉末とバインダーとして有
機物樹脂を混合し、所望の形状に磁場中でプレス成形
し、さらにキュアー処理を行ない、樹脂結合型磁石を得
る。この時、バインダーは、熱硬化性樹脂もしくは熱可
塑性樹脂を用いなければならない。本発明は永久磁石の
熱減磁率を小さくすることを目的としているため、バイ
ンダーは熱硬化性樹脂を用いることがより好ましいもの
である。例えば、エポキシ、ポリアミド、フェノール、
ポリエステルなどである。一方熱可塑性樹脂のポリアミ
ド、ナイロン、アクリルなどを用いても良い。
【0017】さらに、成形時の粉末の配向度を高めるた
めには、印加磁場の強さは150KOe以上でなければ
ならない。
めには、印加磁場の強さは150KOe以上でなければ
ならない。
【0018】次に、本発明における金属間化合物の組成
限定の理由について説明する。先に述べたように、本発
明に使用する金属間化合物は、粉末状態で充分大きな値
の保磁力を有するものでなければならず、そのために
は、R,Co,CuおよびFeは必須の成分であり、さ
らにAl,Si,Ti,Zr,Hf,V,Nb,Taの
うちの1種もしくは2種以上の組み合せを添加すること
により、より一層保磁力を向上させることができる。ま
た、本発明の目的を達成するためには、得られる金属間
化合物は、R2Co17 の相を主相とするものでなければ
ならず、そのためには、Zの値は6.5≦Z≦8.5で
なければならない。
限定の理由について説明する。先に述べたように、本発
明に使用する金属間化合物は、粉末状態で充分大きな値
の保磁力を有するものでなければならず、そのために
は、R,Co,CuおよびFeは必須の成分であり、さ
らにAl,Si,Ti,Zr,Hf,V,Nb,Taの
うちの1種もしくは2種以上の組み合せを添加すること
により、より一層保磁力を向上させることができる。ま
た、本発明の目的を達成するためには、得られる金属間
化合物は、R2Co17 の相を主相とするものでなければ
ならず、そのためには、Zの値は6.5≦Z≦8.5で
なければならない。
【0019】Cuは、多すぎると保磁力は向上するが、
B−Hカーブの角型性SQの値が小さくなって永久減磁
率が大きくなる。また、少なすぎると保磁力が小さくな
り、充分な特性のボンド磁石が得られないため、上述の
範囲が望ましい。
B−Hカーブの角型性SQの値が小さくなって永久減磁
率が大きくなる。また、少なすぎると保磁力が小さくな
り、充分な特性のボンド磁石が得られないため、上述の
範囲が望ましい。
【0020】Feは、多すぎると軟磁性であるFe−C
oの化合物相が出やすくなるため、保磁力を低下させる
と共に、永久減磁率も大きくなる。また、少なすぎると
Brの値が小さくなり、充分な特性のボンド磁石が得ら
れないため、上述の範囲が望ましい。
oの化合物相が出やすくなるため、保磁力を低下させる
と共に、永久減磁率も大きくなる。また、少なすぎると
Brの値が小さくなり、充分な特性のボンド磁石が得ら
れないため、上述の範囲が望ましい。
【0021】Alなどの添加元素は、添加量が少なすぎ
ると添加の効果が得られず、多すぎるとBrの値を減少
させるため、上述の範囲が望ましい。
ると添加の効果が得られず、多すぎるとBrの値を減少
させるため、上述の範囲が望ましい。
【0022】以上のような組成の金属間化合物を用い、
先に述べたような工程で製造することにより、すぐれた
磁気特性を有し、かつ熱的安定性にもすぐれたボンド磁
石を提供することができる。
先に述べたような工程で製造することにより、すぐれた
磁気特性を有し、かつ熱的安定性にもすぐれたボンド磁
石を提供することができる。
【0023】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明を詳細に説明
する。
する。
【0024】実施例1 Sm(Cobal Cu0.07 Fe0.22 Zr
0.026)8.3組成の合金を高周波溶解炉で溶解約
1kgのインゴットをつくった。該インゴットのマクロ
組織は主に柱状晶であった。なお比較例としてSmCo
5 合金も同様条件で溶解鋳造した。
0.026)8.3組成の合金を高周波溶解炉で溶解約
1kgのインゴットをつくった。該インゴットのマクロ
組織は主に柱状晶であった。なお比較例としてSmCo
5 合金も同様条件で溶解鋳造した。
【0025】次に本発明方法は、合金インゴット200
gを以下の工程の経て永久磁石を作製し、熱減磁試験用
試料とした。
gを以下の工程の経て永久磁石を作製し、熱減磁試験用
試料とした。
【0026】溶体化処理(以下SSTと呼ぶ) Ar(アルゴン)ガス雰囲気炉中で、1170℃×6時
間加熱後300℃まで、100〜150℃/分で急冷処
理し、以下常温まで、徐冷した。
間加熱後300℃まで、100〜150℃/分で急冷処
理し、以下常温まで、徐冷した。
【0027】時効処理(以下AGEと呼ぶ) Arガス雰囲気炉中で800℃×1時間+720℃×3
時間加熱2段時効処理を行った。
時間加熱2段時効処理を行った。
【0028】粉末製造 熱処理を終えたインゴットは、スタンプミルで粗粉砕
し、次にジェットミルを用いて、粒度分布2μ〜50μ
の微粉末をつくった。
し、次にジェットミルを用いて、粒度分布2μ〜50μ
の微粉末をつくった。
【0029】バインダーとの混練工程 得られた微粉末に重量比2%の一液型エポキシ樹脂を混
合し、磁性粉末表面を樹脂で被覆した。
合し、磁性粉末表面を樹脂で被覆した。
【0030】磁場成形 前項までに得られた磁性粉末を15□m/mの型内に装
入し、電磁石と油圧プレスを用いて、印加磁場16KG
をかけながら、3トン/cm3 加圧し次に脱磁後、試料
を型内から抜き出した。
入し、電磁石と油圧プレスを用いて、印加磁場16KG
をかけながら、3トン/cm3 加圧し次に脱磁後、試料
を型内から抜き出した。
【0031】焼成〜測定 磁石成形体は、恒温槽中で150℃×1時間加熱バイン
ダーをキュアーした。加熱固化した磁石は、自記磁束計
(B−Hトレーサー)でB−Hカーブを測定した。
ダーをキュアーした。加熱固化した磁石は、自記磁束計
(B−Hトレーサー)でB−Hカーブを測定した。
【0032】試料の作製 磁気測定後の磁石サンプルをφ10×7m/m円柱状に
加工し熱減磁試験用試料とした。該試料の異方性方向は
7m/m長軸方向である。従って、L/D=7/10=
0.7であるからP=Bd/Hd≒2のパーミアンス係
数となる。
加工し熱減磁試験用試料とした。該試料の異方性方向は
7m/m長軸方向である。従って、L/D=7/10=
0.7であるからP=Bd/Hd≒2のパーミアンス係
数となる。
【0033】なお比較例のボンド型SmCo5 磁石は、
次のようにして作られた。まず、SmCo5 合金を溶解
鋳造して作り、得られたインゴットは、粗粉砕、微粉砕
工程を経て、最終2μ〜5μの微粉末とした。この磁石
粉末に、3.5重量%一液型エポキシ樹脂を混合し前記
本発明と同一条件で、磁場中成形〜焼成〜測定〜試料の
作製まで行った。次に本発明ボンド磁石ならびに比較例
のボンド磁石について、熱減磁試験を行った。試料の着
磁はパルス法でフル着磁し、図1に示す測定装置で全磁
束(フラックス)を測定する方法によった。図1中試料
1の磁石は、3のプラスチックで出来た測定台にセット
され、4の円筒の先端につけられたコイル2を上へ引き
上げることにより得られた信号を、5のデジタル磁束計
で読み、熱減磁試験を行った。温度80℃、120℃、
150℃の3水準で行った。なお本発明ボンド磁石と従
来ボンド磁石の磁気特定は表1に示す通りであった。
次のようにして作られた。まず、SmCo5 合金を溶解
鋳造して作り、得られたインゴットは、粗粉砕、微粉砕
工程を経て、最終2μ〜5μの微粉末とした。この磁石
粉末に、3.5重量%一液型エポキシ樹脂を混合し前記
本発明と同一条件で、磁場中成形〜焼成〜測定〜試料の
作製まで行った。次に本発明ボンド磁石ならびに比較例
のボンド磁石について、熱減磁試験を行った。試料の着
磁はパルス法でフル着磁し、図1に示す測定装置で全磁
束(フラックス)を測定する方法によった。図1中試料
1の磁石は、3のプラスチックで出来た測定台にセット
され、4の円筒の先端につけられたコイル2を上へ引き
上げることにより得られた信号を、5のデジタル磁束計
で読み、熱減磁試験を行った。温度80℃、120℃、
150℃の3水準で行った。なお本発明ボンド磁石と従
来ボンド磁石の磁気特定は表1に示す通りであった。
【0034】
【表1】
【0035】なお本発明ボンド磁石の磁気機能は、大変
高く、焼結SmCo5 磁石にも匹敵するような特性が得
られた。
高く、焼結SmCo5 磁石にも匹敵するような特性が得
られた。
【0036】図2は、本発明ボンド磁石の不可逆減磁を
示したもので、80℃、120℃、150℃に長時間加
熱した時の試料の磁束変化率を示す。図3は比較例ボン
ド型磁石の同様減磁特性を示した。ここで両者を比較す
れば明らかに熱減磁率は本発明ボンド磁石の方が不可変
逆減磁は、小さく、実用材料としてすぐれたものである
ことがわかった。
示したもので、80℃、120℃、150℃に長時間加
熱した時の試料の磁束変化率を示す。図3は比較例ボン
ド型磁石の同様減磁特性を示した。ここで両者を比較す
れば明らかに熱減磁率は本発明ボンド磁石の方が不可変
逆減磁は、小さく、実用材料としてすぐれたものである
ことがわかった。
【0037】次に1000時間加熱後の試料を再着磁し
て、永久減磁率を調べた。表2に結果を示す。
て、永久減磁率を調べた。表2に結果を示す。
【0038】
【表2】
【0039】すなわち、加熱前の磁束を100%とした
時の磁束の戻り率は、表2のような違いがあらわれた。
比較例は、120℃をこえると、かなり大きい永久減磁
を示すが、これは粉末の酸化、粉末自身の内部変化など
物理的変化を生じたものと考えられる。特に粉末の粒度
は3μ〜5μと小さいため、磁石が加熱された場合の劣
化は本発明ボンド磁石に比べ弱いことが証明された。
時の磁束の戻り率は、表2のような違いがあらわれた。
比較例は、120℃をこえると、かなり大きい永久減磁
を示すが、これは粉末の酸化、粉末自身の内部変化など
物理的変化を生じたものと考えられる。特に粉末の粒度
は3μ〜5μと小さいため、磁石が加熱された場合の劣
化は本発明ボンド磁石に比べ弱いことが証明された。
【0040】
【発明の効果】以上実施例に詳記したように本発明ボン
ド磁石は、従来の同系磁石に比べ、温度に対する磁束の
安定性は格段にすぐれてという特有の効果を有する。
ド磁石は、従来の同系磁石に比べ、温度に対する磁束の
安定性は格段にすぐれてという特有の効果を有する。
【0041】本願では磁石の組成について一例を示した
が他の合金系を用いたボンド磁石でも同様の効果を得ら
れている。
が他の合金系を用いたボンド磁石でも同様の効果を得ら
れている。
【0042】このように本発明ボンド磁石は、今までに
なく、実用永久磁石材料としてすぐれた耐熱性を有する
ことを特徴としている。その用途は、コアレスモータ
ー、小型ステップモーター、ヘッドホン、カートリッ
ジ、磁気センサー、など精密機器、電子業界にとって極
めて有益なものである。
なく、実用永久磁石材料としてすぐれた耐熱性を有する
ことを特徴としている。その用途は、コアレスモータ
ー、小型ステップモーター、ヘッドホン、カートリッ
ジ、磁気センサー、など精密機器、電子業界にとって極
めて有益なものである。
【図1】 本発明で用いた熱減磁試験における磁束検出
装置を示す図。
装置を示す図。
【図2】 本発明および比較例の各加熱温度80℃、1
20℃、150℃における不可逆減磁を示す図。
20℃、150℃における不可逆減磁を示す図。
【図3】 本発明および比較例の各加熱温度80℃、1
20℃、150℃における不可逆減磁を示す図。
20℃、150℃における不可逆減磁を示す図。
1・・・磁石 2・・・コイル 3・・・測定用ケース(A) 4・・・測定用ケース(B) 5・・・デジタル磁束計
Claims (3)
- 【請求項1】 一般式が R(CO1-u-v-wCuuFevMw)z ただし0.03≦u≦0.12 0.1≦v≦0.4 0.001≦w≦0.1 6.5≦z≦8.8 Rは希土類金属元素の1種もしくは2種以上の組み合
せ、MはAl,Si,Ti,Zr,Hf,V,Nb,T
aのうちの1種もしくは2種以上の組み合せをそれぞれ
示す。で表される組成を有し、磁気特性のうち角形性
(SQ)=Hk/iHc)がSQ>0.4であることを特
徴とする樹脂結合型希土類コバルト磁石。 - 【請求項2】 一般式が R(CO1-u-v-wCuuFevMw)z ただし0.03≦u≦0.12 0.1≦v≦0.4 0.001≦w≦0.1 6.5≦z≦8.8 Rは希土類金属元素の1種もしくは2種以上の組み合
せ、MはAl,Si,Ti,Zr,Hf,V,Nb,T
aのうちの1種もしくは2種以上の組み合せをそれぞれ
示す。で表される組成を有し、120℃で1000時間
加熱後の不可逆減磁率が20%以下であることを特徴と
する樹脂結合型希土類コバルト磁石。 - 【請求項3】 一般式が R(CO1-u-v-wCuuFevMw)z ただし0.03≦u≦0.12 0.1≦v≦0.4 0.001≦w≦0.1 6.5≦z≦8.8 Rは希土類金属元素の1種もしくは2種以上の組み合
せ、MはAl,Si,Ti,Zr,Hf,V,Nb,T
aのうちの1種もしくは2種以上の組み合せをそれぞれ
示す。で表される組成を有し、120℃で1000時間
加熱後の永久減磁率が5%以下であることを特徴とする
樹脂結合型希土類コバルト磁石。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4313623A JPH0696926A (ja) | 1992-11-24 | 1992-11-24 | 樹脂結合型希土類コバルト磁石 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4313623A JPH0696926A (ja) | 1992-11-24 | 1992-11-24 | 樹脂結合型希土類コバルト磁石 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP57094196A Division JPS58210604A (ja) | 1982-06-01 | 1982-06-01 | 樹脂結合型希土類コバルト磁石の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0696926A true JPH0696926A (ja) | 1994-04-08 |
Family
ID=18043554
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4313623A Pending JPH0696926A (ja) | 1992-11-24 | 1992-11-24 | 樹脂結合型希土類コバルト磁石 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0696926A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002289443A (ja) * | 2001-03-23 | 2002-10-04 | Nec Tokin Corp | インダクタ部品 |
JP2002313647A (ja) * | 2001-04-19 | 2002-10-25 | Nec Tokin Corp | インダクタ部品 |
JP2009270926A (ja) * | 2008-05-07 | 2009-11-19 | Toyota Motor Corp | モータ用磁石の試験装置 |
CN103021621A (zh) * | 2011-09-27 | 2013-04-03 | 株式会社东芝 | 永磁铁及其制造方法、使用该永磁铁的电动机及发电机 |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JPS52143917A (en) * | 1976-05-26 | 1977-11-30 | Hitachi Metals Ltd | Permanent magnetic material and making method of it |
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-
1992
- 1992-11-24 JP JP4313623A patent/JPH0696926A/ja active Pending
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