JP3003979B2 - 永久磁石およびその製造方法 - Google Patents

永久磁石およびその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】この発明は各種電気機器等に使用
される高性能磁石、特に希土類元素を含む合金系の急冷
磁石およびその製法に関し、Fe−R−B系(RはYを
含む希土類元素である、以下同じ)およびFe−Co−
R−B系の合金溶湯を急冷凝固させることによって優れ
た磁石特性を有する磁石としさらに急冷凝固後の磁石を
特定条件下で焼鈍することによって、均質で安定な磁石
性能を得るものである。 【0002】なお、本明細書において、RはYを包含す
る希土類元素のうち少なくとも1種、R’はCe,La
を除き、Yを包含する希土類元素の少なくとも1種を示
す。 【0003】 【従来の技術】高性能を有する希土類磁石としては、粉
末冶金法によるSm−Co系磁石でエネルギー積とし
て、32MGOeのものが量産されているが、Sm,C
oは原料価格が高いという欠点を有する。希土類の中で
原子量の小さい希土類元素、たとえばセリウムやプラセ
オジム、ネオジムはサマリウムよりも豊富にあり、価格
が安い。又Feは安価である。 【0004】そこで、近年Nd−Fe−B系磁石が開発
され、特開昭59−46008号公報では、焼結磁石
が、また特開昭60−9852号公報では、高速急冷法
によるものが述べられている。 【0005】焼結法による磁石では、従来のSm−Co
系の粉末冶金プロセスを適用出来るものの、酸化しやす
いNd−Fe系合金インゴットを2〜10μm程度に微
粉末化する工程を有するため、取り扱いが難かしいこ
と、あるいは粉末冶金プロセスは工程数が多い(溶解→
鋳造→インゴット粗粉砕→微粉砕→プレス→焼結→磁
石)ため安価な原料を用いるという特徴を生かせない面
があった。 【0006】一方、高速急冷法による磁石では工程が簡
素化され(溶解→高速急冷→粗粉砕→冷間プレス(温間
プレス)→磁石)、かつ微粉末化工程を必要としないと
いう利点がある。しかしながら、高速急冷法による磁石
を工業材料となすためには一層の高保磁力化、高エネル
ギー積化、低コスト化および着磁特性の改良等が望まれ
ていた。 【0007】希土類−鉄−ホウ素永久磁石の諸特性の中
で保磁力は温度に鋭敏であり、希土類コバルト永久磁石
の保磁力(iHc)の温度係数が0.15%/℃である
のに対して、希土類−鉄−ホウ素永久磁石材料の保磁力
(iHc)の温度係数は0.6〜0.7%/℃と4倍以
上高いという問題点があった。したがって、希土類−鉄
−ホウ素永久磁石材料は温度上昇に伴って減磁する危険
が大きく、磁気回路上での限定された設計を余儀なくさ
れていた。さらには、例えば、熱帯で使用する自動車の
エンジンルーム内の部品用永久磁石としては使用不可能
であった。希土類−鉄−ホウ素永久磁石材料は保磁力の
温度係数が大きいところに実用上の問題があることは従
来より知られており、保磁力の絶対値が大きい磁石の出
現が望まれていた(日経ニューマテリアル、1986、
4−28(No. 9)第80頁)。R−B−Fe合金に液
体急冷法により高い保磁力iHeとエネルギ積を具備さ
せることを提案する特開昭60−9852号公報の組成
は、希土類元素R(Nd,Pr)=10%以上、B=
0.5〜10%、残部Feからなるものが特許請求の範
囲に記載されている。従来R−B−Fe合金の優れた磁
石特性はNd2 Fe14B相化合物によるものと説明され
ており、そのため焼結法、高速急冷法共に磁石特性を改
良するための多くの提案(特開昭59−89401,6
0−144906,61−579749,57−141
901,61−73861号公報)はこの化合物に該当
する組成の近傍、すなわち、R=12〜17%、B=5
〜8%の範囲の合金の実験に基づいている。希土類元素
は高価であるため、その含有量を低下させることが望ま
れるが、希土類元素の含有量が12%未満になると、保
磁力iHcが急激に劣化するという問題があり、特開昭
60−9852号ではR=10%となるとiHcは6k
Oe以下になる事が示されている。すなわち、R−B−
Fe系合金において希土類元素の含有量が12%未満に
なると、保磁力iHcが劣化するとの事実があったので
あるが、かかる組成範囲において保磁力iHcの劣化を
防止するように組成ならびに組織を設計する方法は従来
知られていなかった。 【0008】焼結法と高速急冷法においては、基本的に
Nd2 Fe14B化合物を用いているが、応用物理第55
巻、第2号(1986)頁121に示される如く、上記
磁石は単なる製法の違いだけではなく両磁石は合金組織
と保磁力発生機構の観点から全く異なったタイプの磁石
である。すなわち焼結磁石は結晶粒径が約10μmであ
り、従来のSm−Co系磁石で言えば、逆磁区の核発生
が保磁力を決めるSmCo5 型磁石のようなニュークリ
エーション型であり、一方高速急冷磁石は0.01〜1
μmの微細粒子をアモルファス相が取り囲んだ極めて微
細な組織により磁壁のピン止めが保磁力を決定するSm
2 Co17型磁石のようなピンニング型磁石である。それ
ゆえ、特性向上のための両磁石へのアプローチの考え方
としては保磁力発生機構が十分異なる事を考慮して検討
する必要があった。 【0009】 【課題を解決するための手段】本発明は平衡相ととも
に、非平衡相を比較的容易に作製可能である高速急冷法
に着目し、Fe(Co)−R−B系に対して種々の元素
を添加することを検討した結果、Zrの添加により、R
含有量が12原子%未満の組成領域で、等方性であって
も高保磁力、高エネルギー積を示し、実用に適した高性
能磁石を提供しうる事を見出したものである。この発明
は高速急冷法で得られるものであり、焼結法においては
実現出来ないものである。 【0010】さらに本発明はZr、またはZrとNb,
Mo,Hf,TaおよびWの少なくとも1種を添加し、
高速急冷することにより着磁特性および耐食性が良好な
磁石合金を提供するものである。またこの発明はその磁
石の性能をさらに安定に得るための方法を提供するもの
である。 【0011】すなわち、本発明は、{R′a(Ceb
1-b1-ax (Fe1-z Coz100-x-y-wyw (但し、R′は
Ce,Laを除き、Yを包含する希土類元素の少なくと
も1種、5.5≦x<12,2≦y<15、0≦z≦
0.7、0<w≦10、85/90≦a≦1.00、0
≦b≦1、MはZr、またはZrとNb,Mo,Hf,
TaおよびWの少なくとも1種)の組成をもち、微結晶
相あるいは微結晶とアモルファス相との混相からなり、
20kOe の低磁場で95%以上着磁可能な永久磁石にあ
る。 【0012】本発明の磁石は、前記の組成のFe−R−
BおよびFe−Co−R−Bからなる系の合金溶湯をい
わゆる液体急冷法によって高速で冷却凝固させたもので
ある。この液体急冷法は、水冷等により冷却された金属
製の回転体の表面に、ノズルから溶湯を射出して高速で
急冷凝固させ、リボン状の材料を得る方法であり、ディ
スク法、単ロール法(片ロール法)、双ロール法等があ
るが、この発明の場合には片ロール法、すなわち1個の
回転ロールの周面上に溶湯を射出する方法が最も適当で
ある。片ロール法でこの発明の磁石を得る場合、水冷回
転ロールの周速度は、2m/sec 〜100m/sec の範囲内
とすることが望ましい。その理由は、ロール周速度が2
m/sec 未満の場合および100m/sec を越える場合のい
ずれにおいても保磁力iHcが低くなるからである。高
保磁力、高エネルギー積を得るためにはロール周速度を
5〜30m/sec とする事が望ましい。このようにロール
周速度2〜100m/sec にて片ロール法で前記組成の合
金溶湯を急冷凝固させることによって、保磁力iHc
が、3〜20kOe、磁化σが80〜150emu/gr程度
の磁石が得られる。このように溶湯から直接急冷凝固さ
せれば、非晶質もしくは極めて微細な結晶質の組織が得
られ、その結果上述のように磁石特性が優れた磁石が得
られるのである。 【0013】急冷後の組織は急冷条件により異なるが、
アモルファスあるいは微結晶又はその混合組織からなる
が、焼鈍により、その微結晶又はアモルファスと微結晶
からなる組織およびサイズをさらにコントロール出来、
より高い高特性が得られる。微結晶相としては、少くと
も50%以上が、0.01〜3μm未満好ましくは0.
01〜1μm未満の範囲内の大きさである時、高特性が
得られる。アモルファス相を含まない組織からなる時高
特性が得られる。 【0014】液体急冷法によって急冷凝固された磁石
を、不活性雰囲気もしくは真空中において300〜90
0℃の温度範囲にて0.001〜50時間焼鈍する。こ
のような焼鈍熱処理を施すことによって、この発明で対
象とする成分の急冷磁石では、急冷条件によって諸特性
が敏感でなくなり、安定した特性が容易に得られる。こ
こで焼鈍温度は、300℃未満では焼鈍の効果はなく、
900℃を越える場合には、保磁力iHcが急激に低下
する。また焼鈍時間が0.001時間未満では焼鈍の効
果がなく、50時間を越えてもそれ以上特性は向上せ
ず、経済的に不利となるだけである。したがって焼鈍条
件は前述のように規定した。また、上記焼鈍中に、磁場
中処理を行なうことにより磁石特性を向上させることが
できる。得られたリボン状の磁石を、好ましくは30〜
500μmの粒径に粉砕して、冷間プレス又は温間プレ
スする事により高密度のバルク体磁石となす事が出来
る。 【0015】さらに本発明に係る永久磁石は、液体急冷
法の他に粉末結合法、すなわち液体急冷法により得たリ
ボンまたは粉末を必要ならばさらに焼鈍処理および粉砕
した後に、樹脂等で結合してボンディッド磁石とする事
が出来る。 【0016】従来の高速急冷法により得られたリボン状
の磁石あるいは、それを粉砕後バルク体となした磁石お
よびポンディッド磁石は特開昭59−211549号公
報に示される如く知られている。しかし従来の磁石は
J.A.P60(10),vol15(1986)36
85頁に示される如く飽和磁化まで着磁させるためには
40kOe以上110kOeにもおよぶ着磁磁場が必要
であり、通常の電磁石である15〜20kOeで飽和着
磁可能な磁石が望まれていた。本発明におけるZr等を
含有させた磁石合金は図1に示す如く15〜20kOe
で十分着磁可能であるという利点を有し、そのため15
〜20kOeでの着磁後の特性は大巾に改良される。 【0017】なお、図中、Fe−13.5Nd−5Bは
従来の磁石の例、Fe−9.5Nd−8B−4Zrは本
発明の磁石の例、横軸は着磁磁場(kOe)、縦軸はB
r(Hex)−ある着磁磁場における残留磁化−に対す
るBr(40k)−40kOeの着磁磁場に対する残留
磁化の比率である。 【0018】次にこの発明における成分限定理由につい
て説明すると、希土類元素の量xの値が、5.5未満で
は保磁力iHcが低下する傾向があり、xの値が12以
上となれば磁化の値が小さくなる。又CeとLaの複合
添加の合計が85/90を越えて添加されると最大エネ
ルギー積が低下する。又Smメタルも、異方性化定数を
低下させるのでxの20%以下に押えた方が良い。Bの
量yの値は、2未満では保磁力iHcが小さく、15以
上ではBrが低下する。CoでFeを置換することで磁
気性能が改善しかつキューリー温度も改良されるが、置
換量zは0.7を越えると保磁力の低下をまねく。 【0019】ZrまたはZrとNb,Mo,Hf,Ta
およびWの少なくとも1種のM元素の量wが10を越え
ると磁化の急激な減少をまねく。またiHcの増加のた
めには0.1以上のwが好ましく、耐食性を上昇させる
ためには0.5以上、より好ましくは1以上が良好であ
る。M元素を2種以上複合添加すると、単独添加の場合
よりも保磁力iHc向上効果が大きい。なお複合添加の
場合の添加量上限は10%である。 【0020】Bの50%以下をSi,C,Ga,Al,
P,N,Ce,S等で置換してもB単独と同様な効果を
有する。 【0021】yは2〜15未満の範囲、zは0〜0.7
の範囲、wは0を含まず〜10の範囲とする必要があ
る。 【0022】等方性で高エネルギー積を得るための好ま
しい領域はxは12未満、より好ましくは、10未満、
yは2〜15未満、より好ましくは4〜12、さらに好
ましくは4〜10の範囲、zは0〜0.7、より好まし
くは0〜0.6、wは0を含まず〜10、より好ましく
は2〜10の範囲である。 【0023】又、等方性で着磁特性が良く高エネルギー
積を得るための好ましい領域はxは6〜12未満、より
好ましくは、6〜10未満、yは2〜15未満、より好
ましくは4〜12さらに好ましくは4〜10の範囲、z
は0〜0.7、より好ましくは0〜0.6、wは0を含
まず〜10、より好ましくは、2〜10の範囲である。 【0024】 【作用】Mの添加は、約10原子%Nd以上では特に高
保磁力化に寄与しまた低コスト化が可能な約10原子%
Nd未満では特に最大エネルギ積(BH)max の向上に
寄与する。またMは保磁力向上に対する寄与も大きい。 【0025】上述のような高保磁力化の原因としては、
R含有量xが12原子%未満、特に10原子%未満の場
合は従来のR−Fe−B磁石に見られるような安定な正
方晶R2 Fe14B化合物を使用する保磁力機構ではな
く、高速急冷法により過飽和にM元素が固溶した準安定
なR2 Fe14B相を主相とした微細組織が原因となる。
通常Mは約2原子%までは安定に高温で固溶しうるが、
2原子%以上固溶するためには高速急冷法を用いなけれ
ば不可能であり、準安定に存在する。このことは図2,
3に示されるX線回折の結果からも推察される。 【0026】図2は10m/秒で高速急冷後700℃1
0分間時効処理を施した磁石のX線回折図で、殆んどR
2 Fe14B相からなる。図3は鋳造インゴットを作成後
または1150℃4時間均質化処理後のX線回折である
が、明らかに図2と回折パターンが異なり主相がRFe
7 相で構成されている。 【0027】それゆえ、添加元素Mは低R組成でもR2
Fe14B相を安定化するが、この作用は高速急冷法にお
いてのみ得られるものであり、焼結磁石ではこのような
効果はない。 【0028】Rx w y (Fe,Co)1−x−y−
wで表現すれば、2≦w≦10、5.5≦x<12好ま
しくは6≦x<10、4≦y≦12好ましくは4≦y≦
10なる時上記作用影響が大である。又、添加元素Mは
ピンニングサイトのための境界相として働く副相を生成
し、強化する働きをもつと考えられる。さらに、α−F
eおよび他の相も一部副相として存在することができ
る。又α−Fe相および他の相も一部副相として存在す
ることが出来る。 【0029】R含有量が10原子%以上の場合、保磁力
発生機構は従来のR2 Fe14B型相によるが、Mが結晶
異方性定数を上昇させる効果により保磁力が向上すると
考えられる。又本発明による磁石は先に述べた如く着磁
磁場が低くてすみかつ量産安定性に優れた磁石である。 【0030】 【実施例】 実施例1 Rx (Fe1-z Coz 100-x-y-w y w なる組成を
有する合金をアーク溶解により作製した。得られた合金
を溶湯急冷法を用いて薄帯化した。10〜80m/秒で
回転するロール表面に石英ノズルを介して溶湯合金をア
ルゴンガス圧で射出冷却して非晶質あるいは微結晶質か
ら成る薄帯を得た。 【0031】この薄帯にアルゴンガス雰囲気中550〜
900℃の温度範囲で時効処理を施した。得られた最高
の磁気特性を表1に示す。 【0032】表1より、Zr、またはZrとNb,M
o,Hf,TaおよびWの少なくとも1種の添加によ
り、iHcと(BH)max の高い磁石が得られることが
わかる。 【0033】また、Zr、またはZrとNb,Mo,H
f,TaおよびWの少なくとも1種を添加した場合にお
いてもR≧12のときはBrが低くなる。 【0034】 【表1】 【0035】本発明の試料のNo. 1〜10および比較例
No. 11〜14の磁石を40℃、90%の温度の雰囲気
で100時間放置したところ、No. 11〜14の試料に
は0.1〜1mmの錆が発生したが、本発明の試料には殆
んど認められなかった。これより、Zr、またはZrと
Nb,Mo,Hf,TaおよびWの少なくとも1種の添
加は耐食性も改良している事がわかる。 【0036】実施例2 表2に示すような組成を有する合金が、得られるように
原料を配合し、高周波加熱によってこれらの原料を溶解
し、アルゴン雰囲気中にて周速40m/sec で回転してい
る銅ロールに石英ノズルから溶湯を噴出し、厚さ約20
μm 、幅5mmのリボンを得た。次いでリボンを50〜2
00μm 程度の粒径の粒子に粉砕した。リボンの磁石特
性を表3に示す。 【0037】 【表2】 【0038】 【表3】 【0039】実施例3 Ndx (Fe1-z Coz 100-x-y-w y w なる組成
(具体的には表4に示した)を有する合金について実施
例1と同様の処理を行なった結果を表4に示す。 【0040】 【表4】【0041】実施例4 表5に組成を示す合金を実施例1と同様にして得た。リ
ボンの磁石特性を表6に示す。 【0042】 【表5】 【0043】 【表6】 【0044】実施例5 実施例1と同様な方法で表7に示す組成の合金を作成し
た。 【0045】 【表7】 【0046】この試料を振動式磁力計を用いまず18k
Oeで着磁測定し、次に40kOeでパルス着磁後測定
したものを比較した。その値をBr18K /Br
40K (%)で表7に示す。 【0047】なお、表中の値は40kOeでパルス着磁
した試料の値である。 【0048】表7より本系合金は着磁が容易である事が
わかる。 【0049】実施例6 9.5Nd−8B−4Zr−balFeなる組成を有す
る合金をアーク溶解により作製した。得られた合金を溶
湯急冷法を用いて薄帯化した。表8に示したように、
7.5〜30m/秒で回転するロール表面に石英ノズル
を介して溶湯合金をアルゴンガス圧で射出冷却して非晶
質あるいは微結晶質から成る薄帯を得た。 【0050】この薄帯にアルゴンガス雰囲気中750℃
で10分間時効処理した。得られた磁気特性を表8に示
す。 【0051】 【表8】 【0052】又比較のため、9.5Nd−8B−4Zr
−balFeなる組成の合金をアーク溶解で作成し、そ
のまま700℃で10分間熱処理した。得られた最高の
(BH)mは7MGOeであった。さらにNo. 1〜5の
試料についてiHcおよびBrの温度係数を20℃〜1
10℃にわたって測定した所、dBr/dT=0.08
〜0.11%/℃、diHc/dT=0.34〜0.4
0%/℃と良好な値を示した。 【0053】実施例7 下記の表9に示される特性を有する薄帯を約100μm
に粉砕し熱硬化性樹脂と混合しプレス成形し、密度約6
g/ccのボンド磁石を得た。 【0054】40kOeのパルス着磁を施し測定した結
果を表9に示す。 【0055】 【表9】【0056】又、本発明の実施例のNo. 1および2の磁
石は18kOeでの着磁が40kOeでのパルス着磁と
比べ97%以上と良好であり、又、温度特性は実施例4
のリボンと同様な良好な値を示した。 【0057】又、比較例のNo. 5の試料の18kOeで
の着磁は92%であった。さらに比較例のBr,iHc
の温度特性(20〜110℃)を調べた所dBr/dT
=0.14%/℃,diHc/dT=0.41%/℃で
あった。 【0058】 【発明の効果】以上の説明、特に実施例から明らかなよ
うに、本発明により、Zr、またはZrとNb,Mo,
Hf,TaおよびWの少なくとも1種を添加することに
より、R,Fe,B含有量がほぼ同一の系のM元素無添
加磁石と比較して、添加量にもよるが、1.5倍以上の
保磁力iHcが達成される。よって、R−B−Fe合金
磁石の保磁力iHcの温度特性が優れないという欠点が
あるにせよ、かかる欠点を補って余りある高い保磁力i
Hc向上が達成され、そして実用性ある永久磁石が提供
された。 【0059】また極めて着磁特性に優れた磁石であると
いう特徴がある。 【0060】さらに、特筆すべき点として、希土類元素
Rの含有量が10%未満においても、希土類元素Rの含
有量10%以上の場合と遜色ない磁石特性が得られる。
よって、本発明により、低コストでありかつ保磁力およ
びエネルギー積の高い磁石が提供されたこととなり、当
該分野における本発明の意義は大きい。
【図面の簡単な説明】 【図1】着磁特性を示すグラフ図である。 【図2】高速急冷後700℃で、10分加熱した8Nd
−4.5Zr−7.5B−balFeのX線回折図であ
る。 【図3】1150℃で4時間加熱した同一組成の鋳造イ
ンゴットのX線回折図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 米山 哲人 東京都中央区日本橋一丁目13番1号 テ ィーディーケイ株式会社内 (56)参考文献 特開 昭61−159709(JP,A)

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 1.{R′a(Ceb La1-b1-ax (Fe1-z Coz100-x-y-wyw (但し、R’は
    Ce,Laを除き、Yを包含する希土類元素の少なくと
    も1種、5.5≦x<12、2≦y<15、0≦z≦
    0.7、0<w≦10、85/90≦a≦1.00、0
    ≦b≦1、MはZr、またはZrとNb,Mo,Hf,
    TaおよびWの少なくとも1種)の組成をもち、 微結晶あるいは微結晶とアモルファス相との混相からな
    り、 20kOe の低磁場で95%以上着磁可能な永久磁石。 2.高速急冷により得られるリボン形態である請求項1
    の永久磁石。 3.前記微結晶あるいは微結晶相とアモルファス相の混
    相よりなる粉末を圧粉した請求項1の永久磁石。 4.高速急冷により得られたリボンを粉砕後圧粉した請
    求項3の永久磁石。 5.微結晶相あるいは微結晶相とアモルファス相との混
    相からなる粉末をボンド磁石とした請求項1〜4のいず
    れかの永久磁石。 6.x{Rの含有量(ここで、RはYを包含する希土類
    元素の少なくとも1種)}<10である請求項1〜5の
    いずれかの永久磁石。 7.xが6≦x≦10である請求項6の永久磁石。 8.y(Bの含有量)が4≦y≦12であり、またW
    (Mの含有量)が2≦w≦10である請求項1〜7のい
    ずれかの永久磁石。 9.保磁力(iHc)が7kOe 以上である請求項1〜8
    のいずれかの永久磁石。 10.ボンド磁石以外の磁石であって、最大エネルギ積
    (BH)max が8MGOeを超える請求項6の永久磁石。 11.{R′a(Ceb La1-b1-ax (Fe1-z
    Coz100-x-y-wyw (但し、R’はCe,La
    を除き、Yを包含する希土類元素の少なくとも1種、
    5.5≦x<12、2≦y≦15、0≦z≦0.7、0
    <w≦10、85/90≦a≦1.00、0≦b≦1、
    MはZr、またはZrとNb,Mo,Hf,Taおよび
    Wの少なくとも1種)からなる合金溶湯を高速急冷後に
    300〜900℃の温度範囲にて焼鈍し、 微結晶あるいは微結晶とアモルファス相との混相からな
    り、 20kOe の低磁場で95%以上着磁可能な永久磁石を得
    る永久磁石の製造方法。 12.高速急冷により得られるリボン形態である請求項
    11の永久磁石の製造方法。 13.前記微結晶あるいは微結晶相とアモルファス相の
    混相よりなる粉末を圧粉する請求項11の永久磁石の製
    造方法。 14.高速急冷により得られたリボンを粉砕後圧粉する
    請求項13の永久磁石の製造方法。 15.微結晶相あるいは微結晶相とアモルファス相との
    混相からなる粉末をボンド磁石とした請求項11〜14
    のいずれかの永久磁石の製造方法。 16.x{Rの含有量(ここで、RはYを包含する希土
    類元素の少なくとも1種)}<10である請求項11〜
    15のいずれかの永久磁石の製造方法。 17.xが6≦x≦10である請求項16の永久磁石の
    製造方法。 18.y(Bの含有量)が4≦y≦12であり、またW
    (Mの含有量)が2≦w≦10である請求項11〜17
    のいずれかの永久磁石の製造方法。 19.保磁力(iHc)が7kOe 以上である請求項11
    〜18のいずれかの永久磁石の製造方法。 20.ボンド磁石以外の磁石であって、最大エネルギ積
    (BH)max が8MGOeを超える請求項16の永久磁石の
    製造方法。
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