JPH0817023B2 - テープカートリッジ - Google Patents

テープカートリッジ

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JPH0817023B2
JPH0817023B2 JP16630193A JP16630193A JPH0817023B2 JP H0817023 B2 JPH0817023 B2 JP H0817023B2 JP 16630193 A JP16630193 A JP 16630193A JP 16630193 A JP16630193 A JP 16630193A JP H0817023 B2 JPH0817023 B2 JP H0817023B2
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光 水谷
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Hitachi Maxell Energy Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、誤消去防止用のスライ
ド式の切換片を備えているテープカートリッジに関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来の誤消去防止手段としては、本体ケ
ースの外側壁に設けた爪片を折り取る爪除去方式と、ス
ライド自在な切換片で検出開口を開閉する切換方式とが
ある。例えば、実開昭63−47483号公報には、切
換方式の誤消去防止手段が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】切換方式の誤消去防止
手段は、切換片を切り換え操作することによって、何度
でも信号の記録を禁止しあるいは許可できる利点を持
つ。そのため、爪除去方式の誤消去防止手段を備えてい
るテープカートリッジでも、徐々に切換方式に変わりつ
つある。小型のVHS−C型のテープカートリッジにお
いても、かかる切換方式の誤消去防止手段の採用が検討
されている。その場合に、従来品との互換性を維持する
ためには、爪片の配設位置に切換片を設ける必要があ
る。しかも、爪片のケース内方に区画された凹所内に切
換片を設けざるを得ない。こうした位置および大きさの
制約に加えて、VHS−C型のテープカートリッジで
は、さらに構造的な制約が加わる。
【0004】すなわち、VHS−C型のテープカートリ
ッジでは、図10に示すように、本体ケース1の後壁1
0の左コーナにおける爪片37の近傍位置に、上ケース
1aの後壁10aと下ケース1bの後壁10bとの突き
合わせ部を接合して熱や外力による当該箇所のケース変
形を防止するための手段を設ける必要がある。当該コー
ナではスペースの制約があって、他の箇所のごとくタッ
ピングねじによるねじ止め手段を採ることができない。
そのため通常、下ケース1bの後壁10bから接合爪2
9を上向きに突設し、この爪29を上ケース1aの後壁
10aに開口した係合孔30に係合させるという接合手
段が採用されている(実開昭57−191993号公
報)。誤消去防止手段をスライド式に変更する場合も、
かかる接合爪29による上下ケース1a・1bの接合手
段を維持することが望まれる。
【0005】しかし、スライド式の切換片ではそのスラ
イドスペースを確保する必要があり、前記接合爪29の
存在が邪魔になるところに問題がある。このような狭隘
な箇所に組み込まれる切換片は大きさに制約があって小
型にならざるを得ず、これがスライド操作時につまみ難
い点にも問題がある。
【0006】そこで本発明の目的は、検出開口の位置設
定に工夫を凝らすことにより、上下ケース接合用の接合
爪を該当位置に設定したまま、切換片をスライド切換方
式に変えて狭隘なスペースの有効利用を図れるテープカ
ートリッジを得るにある。本発明の他の目的は、切換片
の剛性の向上を図れるテープカートリッジを得るにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明では、本体ケース
1が突き合わせ結合される上下ケース1a・1bからな
り、下ケース1bの後壁10bには左右の一端寄りに接
合爪29を上向きに突設してあり、上ケース1aの後壁
10aには接合爪29が係合する係合孔30を設けてあ
るテープカートリッジを前提とする。そのうえで、下ケ
ース1bの後壁10bには、左右の一端寄りに記録の可
否を判定する検出開口11が前記接合爪29の下部29
aの後方領域に及ぶよう形成されている。この検出開口
11に切換片12が組み込まれる。その切換片12は、
接合爪29の下部29aの後方領域から離れた箇所で、
デッキ側の検知片Pの検出開口11内への進入を阻止す
る記録許可位置と、接合爪29の下部29aの後方領域
に及ぶ箇所で、検知片Pの検出開口11内への進入を許
す記録阻止位置とにわたって左右方向にスライド自在で
ある。かくして切換片12は、これの左右の一端部が記
録阻止位置において接合爪29の下部29aの後方に重
なるよう位置設定してあることを特徴とする。
【0008】
【作用】検出開口11はこれの一端側が接合爪29の下
部29aの後方領域にまで及んでおり、この及ぶ分だけ
左右に長くなっている。従って、該当の狭隘なコーナ箇
所においても切換片12を記録許可位置と記録阻止位置
とにわたってスライドさせるに要するスペースを充分に
確保し得る。切換片12を可能な限り大型化してつまみ
易くしても、これを検出開口11に納めることが可能と
なる。
【0009】切換片12が記録阻止位置にシフトされた
とき、切換片12の左右の一端部が接合爪29の下部2
9aの後方に重なる配置関係になる。このとき切換片1
2に外部から押圧荷重を受けても、切換片12はこれが
前記下部29aで受け止められる。
【0010】
【発明の効果】本発明によれば、検出開口11が接合爪
29の下部29aの後方領域にまで及ぶよう形成されて
いるので、下ケース1bの後壁10bの隅部の狭隘な箇
所において、切換片12を少々大きく形成しても、該切
換片12のスライドスペースを充分に確保することがで
きる。切換片12は、これの左右の一端部が記録阻止位
置において接合爪29の下部29aの後方に重なる配置
関係としてあるので、切換片12は外部からの押圧力を
受けてもたわみ変形することがない。上下ケース1a・
1bの切換片12を有する箇所は接合爪29と係合孔3
0との係合により接合されているので、切換片12が衝
撃力などにより検出開口11から脱落することをよく防
止できる。
【0011】
【実施例】図1ないし図7は本発明に係るテープカート
リッジの実施例としてVHS−C型が挙げられている。
図7において、符号1は上ケース1aと下ケース1bを
突き合わせて一体的に結合してなる本体ケースである。
この本体ケース1の内部左右に、繰出用のテープリール
2と巻取用のテープリール3を配置してあり、繰出用の
テープリール2から導出されたテープ4は、ケース前端
の左右に設けたガイドローラ5・5を介して巻取用のテ
ープリール3に巻き取られる。本体ケース1の前面には
両ガイドローラ5・5間にテープローディング用のポケ
ット6を凹設してあり、このポケット6を横断するテー
プ4の前方外側が本体ケース1に付設した前蓋7で不使
用時に覆われている。
【0012】本体ケース1の後方左隅のデッドスペース
を利用して、切換式の誤消去防止手段9が設けられてい
る。誤消去防止手段9は、本体ケース1の後壁10に形
成した検出開口11に装着される切換片12を有し、該
切換片12は記録(録画)阻止位置と記録(録画)許可
位置とにわたって左右横方向にのみスライド操作でき
る。
【0013】検出開口11は上下ケース1a・1bの後
壁10a・10bのうち下ケース1b側の後壁10bの
左端寄りにケース内方へ入り込み状に凹設されており、
従来のテープカートリッジにおける爪片の配設位置を含
んで、この配設位置より左側方に延長された横長四角形
状に形成してある。検出開口11の内奥には、テープリ
ール収納領域と仕切る形の内奥壁13を後壁10bに連
続して形成する。検出開口11の左端は、後壁10bか
ら上向きに突設した接合爪29の下部29aの後側領域
にまで及んでいる。図3に示すように、接合爪29の先
端は上ケース1aの後壁10aに開口した係合孔30に
これの内方から係合させることにより、上下ケース1a
・1bが当該コーナにおいて一体的に接合される。
【0014】図5および図6において、切換片12はプ
ラスチック成形品であって、デッキ側の検知片Pが検出
開口11内に進入することを阻む主壁14と、該主壁1
4の下端から後ろ向きに突設されて検出開口11の底壁
面16に受け止め支持されるベース壁15とを一体に成
形した断面L字形状に形成されている。主壁14は、従
来のテープカートリッジにおける爪片よりひと回り大き
な四角形に形成する。ベース壁15は底壁面16の前後
幅と同幅に形成し、その後縁の左右両端は内奥壁13の
断面形状に対応して斜めにあるいは階段状に形成した。
【0015】切換片12を検出開口11に沿って左右横
方向にのみスライド自在に支持するために、切換片12
と底壁面16との間にスライド案内手段18を有する。
このスライド案内手段18は、底壁面16の奥端に凹設
した左右方向のガイド溝19と、ベース壁15の下面内
奥側に突設したスライド爪20とからなり、切換片12
は接合爪29の下部29aの後方領域から右方向に離れ
た記録許可位置(図2および図3の状態)と、前記下部
29aの後方領域に重なるよう達する記録阻止位置(図
1の状態)とにわたって左右横方向にスライド自在に支
持される。
【0016】図4において切換片12は、主壁14を外
面側にして検出開口11に後側方から組み込み、この状
態でスライド爪20をガイド溝19に係合させる。これ
で、切換片12が開口外面に向かって平行移動状に抜け
落ちることは阻止されるが、なお外倒れ状に抜け落ちる
おそれがある。この外倒れを阻止し、同時にスライド爪
20の係合状態を維持するために規制壁21を有し、こ
れでベース壁15の浮き上がりを接当規制している。図
5に示すように、その規制壁21は検出開口11に臨む
上ケース1a側の後壁10の内面から下向きに突設して
形成され、切換片12のスライド位置の如何に関わら
ず、ベース壁15の上面に接触ないし近接対向状態で接
当作用する。
【0017】切換片12を左右の各切換位置に保持する
ために、検出開口11に臨む上ケース1a側の後壁10
の下端と切換片12との間に位置保持手段22を有す
る。図3ないし図5において、切換片12と上ケース1
aとは、互い違い状に切欠かれた段部23・24を介し
て、それぞれの外表面が面一状になるよう接合してお
り、上ケース1a側の段部23に形成した左右一組の係
合凹部25と、切換片12側の段部24に形成した係合
突起26とで前記位置保持手段22を構成している。
【0018】係合突起26は、切換片12が記録阻止位
置と記録許可位置とに完全に切り換わった状態のとき、
各係合凹部25と係合して切換片12の自由な横移動を
規制する。また、係合突起26は切り換え途中状態にお
いて段部23と摺接する。切換片12を記録阻止位置に
切り換えた状態では、図1に示すごとくベース壁15が
検出開口11の左側端面に先当たりして、主壁14の左
端部が接合爪29の下部29aの後方に符号dの寸法だ
け重なるよう位置するとともに、検出開口11の左側端
面と主壁14の左端面との間に操作用の隙間eを形成す
る。但し、図2に示すごとく切換片12を右側の録画許
可位置に切り換えた状態では、主壁14が検出開口11
の右側端面に近接し、右側に十分な隙間を得ることがで
きない。そのため、図1において主壁14の右側縁前部
に操作段部28を形成し、主壁14のスライド操作の容
易性を図っている。
【0019】上記の構成によれば、検出開口11の左側
端は接合爪29の下部29aの後方にまで及んでおり、
切換片12が記録阻止位置にあるとき、その主壁14の
左端部が前記下部29aの後方に重なる状態で位置す
る。従って、この後壁10bの狭隘な箇所においても、
切換片12の記録許可位置から記録阻止位置へのスライ
ドストロークを充分に長く稼ぐことができる。しかも、
切換片12が記録阻止位置で不測に外部から押圧される
場合にも、接合爪29の下部29aで受け止めることに
より、切換片12がたわみ変形することを防止する。
【0020】また、上ケース1aから突設した規制壁2
1で切換片12の外倒れを防止する。従って、たとえ検
知開口11に臨む上ケース1aの後壁10aにテープ性
状やレコーディングモード等を識別するための検出口や
検出凹部が将来的に形成される場合でも、切換片12を
支障なく装備できる。組立に際しては、切換片12をス
ライド爪20がガイド溝19と係合する状態で検出開口
11に組み込んだ後、従来と同様に上ケース1aを下ケ
ース1bに被せ付けて一体化するだけで、規制壁21に
て切換片12の組み込み状態を保持できる。
【0021】図8はスライド案内手段18を変更した本
発明の第2実施例を示す。これでは、検出開口11の底
壁面16に立設したガイドリブ19aと、切換片12の
ベース壁15に形成したスライド溝20aとで左右横方
向にのみ切換片12をスライド自在とするスライド案内
手段18を構成した。その他の構成は上記実施例と実質
的に同じである。
【0022】図9はスライド案内手段18を変更した本
発明の第3実施例を示す。これでは、検出開口11の底
壁面16の開口縁に立設したリブ19bと内奥壁13を
ガイド部材として、これらでベース壁15を前後に挟ん
でスライド案内手段18を構成した。ベース壁15の内
奥端には立壁31が上向きに突設されており、この立壁
31と主壁14との間の溝部に規制壁21が嵌まり込ん
でいる。これにおいても、その余の構成は上記実施例と
実質的に同じである。
【0023】また、上記位置保持手段22は、ベース壁
15と内奥壁13との間、あるいは主壁14と規制壁2
1との間に設けることもでき、要は相対移動する壁面間
であればどこに配してもよい。そのほか、位置保持手段
22は機械的に係合するものである必要はなく、摺接面
の摩擦力のみで位置保持するものであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】切換片を記録阻止位置に切り換えた状態での横
断平面図である。
【図2】切換片を記録許可位置に切り換えた状態での横
断平面図である。
【図3】図7におけるA矢視図である。
【図4】図3におけるB−B線断面図である。
【図5】要部の分解斜視図である。
【図6】切換片を内面側から見た斜視図である。
【図7】全体の内部平面図である。
【図8】第2実施例を示す縦断側面図である。
【図9】第3実施例を示す縦断側面図である。
【図10】従来のテープカートリッジを示す背面図であ
る。
【符号の説明】
1 本体ケース 1a 上ケース 1b 下ケース 10a 上ケースの後壁 10b 下ケースの後壁 11 検出開口 12 切換片 29 接合爪 30 係合孔

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 本体ケース1が突き合わせ結合される上
    下ケース1a・1bからなり、下ケース1bの後壁10
    bには左右方向の一端寄りに接合爪29を上向きに突設
    してあり、上ケース1aの後壁10aには接合爪29が
    係合する係合孔30を設けてあるテープカートリッジに
    おいて、 下ケース1bの後壁10bには、左右の一端寄りに記録
    の可否を判定する検出開口11が前記接合爪29の下部
    29aの後方領域にまで及ぶよう形成されており、 この検出開口11に組み込まれる切換片12を有し、こ
    の切換片12は、接合爪29の下部29aの後方領域か
    ら離れた箇所で、デッキ側の検知片Pの検出開口11内
    への進入を阻止する記録許可位置と、接合爪29の下部
    29aの後方領域に及ぶ箇所で、検知片Pの検出開口1
    1内への進入を許す記録阻止位置とにわたって左右方向
    にスライド自在であり、 切換片12は、これの左右の一端部が記録阻止位置にお
    いて接合爪29の下部29aの後方に重なるよう位置設
    定してあることを特徴とするテープカートリッジ。
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