JPH08165279A - 5−ヒドロキシイソキノリンの製造方法 - Google Patents
5−ヒドロキシイソキノリンの製造方法Info
- Publication number
- JPH08165279A JPH08165279A JP30646294A JP30646294A JPH08165279A JP H08165279 A JPH08165279 A JP H08165279A JP 30646294 A JP30646294 A JP 30646294A JP 30646294 A JP30646294 A JP 30646294A JP H08165279 A JPH08165279 A JP H08165279A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- hydroxyisoquinoline
- reaction
- water
- acid
- isoquinoline
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Other In-Based Heterocyclic Compounds (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【構成】 イソキノリン−5−スルホン酸類、苛性アル
カリおよび水を、加圧、加熱下に反応させ、5−ヒドロ
キシイソキノリン塩を得、続いて該塩を酸で中和するこ
とを特徴とする、5−ヒドロキシイソキノリンの製造方
法。 【効果】 本発明によれば、5−ヒドロキシイソキノリ
ンを、高純度、高収率で、さらに安全且つ容易に工業的
に得ることのできる、5−ヒドロキシイソキノリンの製
造方法が提供される。
カリおよび水を、加圧、加熱下に反応させ、5−ヒドロ
キシイソキノリン塩を得、続いて該塩を酸で中和するこ
とを特徴とする、5−ヒドロキシイソキノリンの製造方
法。 【効果】 本発明によれば、5−ヒドロキシイソキノリ
ンを、高純度、高収率で、さらに安全且つ容易に工業的
に得ることのできる、5−ヒドロキシイソキノリンの製
造方法が提供される。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、医薬品、農薬、機能性
化合物等の中間体として有用な、5−ヒドロキシイソキ
ノリンの製造方法に関するものである。
化合物等の中間体として有用な、5−ヒドロキシイソキ
ノリンの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】下記一般式(1)
【0003】
【化1】
【0004】で示される5−ヒドロキシイソキノリン
は、上記のように医薬品や農薬等の中間体として幅広く
用いられている。例えば医薬品としては、血液凝固阻害
剤(タンパク質分解酵素阻害剤)やエイズ治療薬(HI
V逆転写酵素阻害剤)の中間体として用いられ、また農
薬としては、ある種の殺虫剤の活性成分の中間体とし
て、また機能性化合物としてはフォトクロミズムを示す
光記憶材料の中間体として用いられている有用な化合物
である。
は、上記のように医薬品や農薬等の中間体として幅広く
用いられている。例えば医薬品としては、血液凝固阻害
剤(タンパク質分解酵素阻害剤)やエイズ治療薬(HI
V逆転写酵素阻害剤)の中間体として用いられ、また農
薬としては、ある種の殺虫剤の活性成分の中間体とし
て、また機能性化合物としてはフォトクロミズムを示す
光記憶材料の中間体として用いられている有用な化合物
である。
【0005】従来の5−ヒドロキシイソキノリンの製造
方法としては、例えば、R.A. Robinson、J. Am. Chem.
Soc.、69巻、1942頁、1947年や、Georgian、J. Org. Ch
em.、27巻、4571〜4579頁、1947年等の文献に記載され
ているように、下記一般式(2)
方法としては、例えば、R.A. Robinson、J. Am. Chem.
Soc.、69巻、1942頁、1947年や、Georgian、J. Org. Ch
em.、27巻、4571〜4579頁、1947年等の文献に記載され
ているように、下記一般式(2)
【0006】
【化2】
【0007】(式中、Xは例えばOH、ONa、OK、
ONH4またはClを表す)
ONH4またはClを表す)
【0008】で示されるイソキノリン−5−スルホン酸
またはその塩、酸ハライド等を出発原料とし、これと苛
性アルカリとを、常圧下、200〜260℃で、いわゆ
る溶融反応させ、次いで反応生成物を水で希釈溶解し、
酸で中和するなどして、5−ヒドロキシイソキノリンの
結晶を取り出すというものである。
またはその塩、酸ハライド等を出発原料とし、これと苛
性アルカリとを、常圧下、200〜260℃で、いわゆ
る溶融反応させ、次いで反応生成物を水で希釈溶解し、
酸で中和するなどして、5−ヒドロキシイソキノリンの
結晶を取り出すというものである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような従来の製造方法は、5−ヒドロキシイソキノリン
以外の副生物が多量に生成してしまうという欠点があ
る。本発明者らが検討したところ、この副生物は、ジヒ
ドロキシイソキノリン類、主として1,5−ジヒドロキ
シイソキノリンであることが判明した。この1,5−ジ
ヒドロキシイソキノリンは、次式に示されるような化合
物であり、これと目的物である5−ヒドロキシイソキノ
リンとを分別することは、その構造の類似性から極めて
困難である。
ような従来の製造方法は、5−ヒドロキシイソキノリン
以外の副生物が多量に生成してしまうという欠点があ
る。本発明者らが検討したところ、この副生物は、ジヒ
ドロキシイソキノリン類、主として1,5−ジヒドロキ
シイソキノリンであることが判明した。この1,5−ジ
ヒドロキシイソキノリンは、次式に示されるような化合
物であり、これと目的物である5−ヒドロキシイソキノ
リンとを分別することは、その構造の類似性から極めて
困難である。
【0010】
【化3】
【0011】5−ヒドロキシイソキノリンを、例えば医
薬品の中間体として利用する場合、純度の高いものが要
求されることは当然である。したがって従来において
は、副生物である1,5−ジヒドロキシイソキノリン
は、有機溶媒による再結晶等の繁雑な精製工程により分
離除去する必要がある。
薬品の中間体として利用する場合、純度の高いものが要
求されることは当然である。したがって従来において
は、副生物である1,5−ジヒドロキシイソキノリン
は、有機溶媒による再結晶等の繁雑な精製工程により分
離除去する必要がある。
【0012】このような精製工程は、製造コストが高く
なるばかりではなく、5−ヒドロキシイソキノリンの収
率も著しく損なう。
なるばかりではなく、5−ヒドロキシイソキノリンの収
率も著しく損なう。
【0013】また、従来の製造方法においては、反応終
了後、加熱の停止により反応液が冷えて固化し、撹拌や
取り出しが不能になるのを防止するため、100℃以上
の高温下で、反応生成物に水を加えて希釈する必要があ
り、この際、発泡等による反応液の溢流や強アルカリミ
ストの飛散等があり、工業的には非常に危険な操作を要
する。
了後、加熱の停止により反応液が冷えて固化し、撹拌や
取り出しが不能になるのを防止するため、100℃以上
の高温下で、反応生成物に水を加えて希釈する必要があ
り、この際、発泡等による反応液の溢流や強アルカリミ
ストの飛散等があり、工業的には非常に危険な操作を要
する。
【0014】さらに、精製工程から排出される排液は、
大量の有機物を含んでいるため処理が容易ではなく、工
業的な規模においては、安全面、環境保護面からの問題
も多い。
大量の有機物を含んでいるため処理が容易ではなく、工
業的な規模においては、安全面、環境保護面からの問題
も多い。
【0015】本発明は、上記のような従来の課題を解決
し、5−ヒドロキシイソキノリンを、高純度、高収率
で、さらに安全且つ容易に工業的に得ることのできる、
5−ヒドロキシイソキノリンの製造方法を提供すること
を目的とするものである。
し、5−ヒドロキシイソキノリンを、高純度、高収率
で、さらに安全且つ容易に工業的に得ることのできる、
5−ヒドロキシイソキノリンの製造方法を提供すること
を目的とするものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、以上の点
に鑑み、出発原料としてイソキノリン−5−スルホン酸
類を用い、これと苛性アルカリとの反応条件および生成
物の取り出しについて鋭意検討した結果、イソキノリン
−5−スルホン酸類、苛性アルカリおよび水を加圧下で
反応させることにより、目的とする反応が極めて円滑に
進行し、従来の方法に比較して副生物の生成が極端に抑
制されることを見いだし、また生成物の取り出し工程に
おいても、酸による中和、析出した結晶の分離・水洗と
いうだけの簡単な操作で、高純度の5−ヒドロキシイソ
キノリンを高収率で得られることを見いだし、本発明を
完成することができた。
に鑑み、出発原料としてイソキノリン−5−スルホン酸
類を用い、これと苛性アルカリとの反応条件および生成
物の取り出しについて鋭意検討した結果、イソキノリン
−5−スルホン酸類、苛性アルカリおよび水を加圧下で
反応させることにより、目的とする反応が極めて円滑に
進行し、従来の方法に比較して副生物の生成が極端に抑
制されることを見いだし、また生成物の取り出し工程に
おいても、酸による中和、析出した結晶の分離・水洗と
いうだけの簡単な操作で、高純度の5−ヒドロキシイソ
キノリンを高収率で得られることを見いだし、本発明を
完成することができた。
【0017】すなわち本発明は、イソキノリン−5−ス
ルホン酸類、苛性アルカリおよび水を、加圧、加熱下に
反応させ、5−ヒドロキシイソキノリン塩を得、続いて
該塩を酸で中和することを特徴とする、5−ヒドロキシ
イソキノリンの製造方法を提供するものである。
ルホン酸類、苛性アルカリおよび水を、加圧、加熱下に
反応させ、5−ヒドロキシイソキノリン塩を得、続いて
該塩を酸で中和することを特徴とする、5−ヒドロキシ
イソキノリンの製造方法を提供するものである。
【0018】また本発明は、ゲージ圧で0.5〜20kgf
/cm2の圧力が適用される、前記の製造方法を提供する
ものである。
/cm2の圧力が適用される、前記の製造方法を提供する
ものである。
【0019】さらに本発明は、反応温度が150〜30
0℃である、前記の製造方法を提供するものである。
0℃である、前記の製造方法を提供するものである。
【0020】さらにまた本発明は、40〜90重量%の
苛性アルカリ水溶液が、反応開始時の反応系において生
じるように水が配合される、前記の製造方法を提供する
ものである。
苛性アルカリ水溶液が、反応開始時の反応系において生
じるように水が配合される、前記の製造方法を提供する
ものである。
【0021】また本発明は、中和が、鉱酸を用いて行わ
れる、前記の製造方法を提供するものである。
れる、前記の製造方法を提供するものである。
【0022】以下、本発明をさらに詳細に説明する。 (イソキノリン−5−スルホン酸類)上記一般式(2)
で示される本発明における出発原料であるイソキノリン
−5−スルホン酸類とは、苛性アルカリの存在下で、イ
ソキノリン−5−スルホン酸アルカリ塩となるものを意
味する。例えば、上記一般式(2)において、XはO
H、ONa、OK、ONH4、Cl等が挙げられる。
で示される本発明における出発原料であるイソキノリン
−5−スルホン酸類とは、苛性アルカリの存在下で、イ
ソキノリン−5−スルホン酸アルカリ塩となるものを意
味する。例えば、上記一般式(2)において、XはO
H、ONa、OK、ONH4、Cl等が挙げられる。
【0023】(苛性アルカリ)本発明に用いられる苛性
アルカリとしては、各種のものを用いることができる
が、一般的には水酸化ナトリウムや水酸化カリウムが使
用される。これらは単独または適当な割合で混合して用
いることができる。
アルカリとしては、各種のものを用いることができる
が、一般的には水酸化ナトリウムや水酸化カリウムが使
用される。これらは単独または適当な割合で混合して用
いることができる。
【0024】(各成分の配合割合)苛性アルカリの配合
割合は、イソキノリン−5−スルホン酸類に対し、通常
3〜16倍モル、好ましくは4〜13倍モルがよい。水
の配合割合は、苛性アルカリ濃度が、反応開始時の反応
系において水溶液として40〜90重量%、好ましくは
50〜80重量%となるように配合するのがよい。な
お、原料として使用されるイソキノリン−5−スルホン
酸は乾燥品で、または湿潤の状態で取り扱うことがで
き、原料に含まれる水、酸や原料同士の反応により水が
生成されたりするので、これらの量も勘案して上記の水
の配合割合が決定される。苛性アルカリ濃度が、反応開
始時の反応系において40重量%未満であると、反応の
進行が円滑でなくなり、逆に90重量%を超えると、副
生物の生成量が増加し好ましくない。
割合は、イソキノリン−5−スルホン酸類に対し、通常
3〜16倍モル、好ましくは4〜13倍モルがよい。水
の配合割合は、苛性アルカリ濃度が、反応開始時の反応
系において水溶液として40〜90重量%、好ましくは
50〜80重量%となるように配合するのがよい。な
お、原料として使用されるイソキノリン−5−スルホン
酸は乾燥品で、または湿潤の状態で取り扱うことがで
き、原料に含まれる水、酸や原料同士の反応により水が
生成されたりするので、これらの量も勘案して上記の水
の配合割合が決定される。苛性アルカリ濃度が、反応開
始時の反応系において40重量%未満であると、反応の
進行が円滑でなくなり、逆に90重量%を超えると、副
生物の生成量が増加し好ましくない。
【0025】(イソキノリン−5−スルホン酸類、苛性
アルカリおよび水の反応)イソキノリン−5−スルホン
酸類、苛性アルカリおよび水は、加圧下、加熱反応され
る。加圧条件は、水の配合割合によって変化するが、概
ね、ゲージ圧で0.5〜20kgf/cm2、好ましくは1〜
15kgf/cm2がよい。反応温度は、通常150〜300
℃、好ましくは180〜250℃の範囲である。反応時
間は、通常2〜35時間である。このような反応によ
り、下記一般式(3)の5−ヒドロキシイソキノリン塩
が生成されると考えられる。
アルカリおよび水の反応)イソキノリン−5−スルホン
酸類、苛性アルカリおよび水は、加圧下、加熱反応され
る。加圧条件は、水の配合割合によって変化するが、概
ね、ゲージ圧で0.5〜20kgf/cm2、好ましくは1〜
15kgf/cm2がよい。反応温度は、通常150〜300
℃、好ましくは180〜250℃の範囲である。反応時
間は、通常2〜35時間である。このような反応によ
り、下記一般式(3)の5−ヒドロキシイソキノリン塩
が生成されると考えられる。
【0026】
【化4】
【0027】(式中、Aは、苛性アルカリとして水酸化
ナトリウムまたは水酸化カリウムを用いた場合、それぞ
れNaまたはKを表す)
ナトリウムまたは水酸化カリウムを用いた場合、それぞ
れNaまたはKを表す)
【0028】(中和)続いて、上記の5−ヒドロキシイ
ソキノリン塩を酸で中和することにより、目的とする5
−ヒドロキシイソキノリンが生成される。すなわち、例
えば5−ヒドロキシイソキノリン塩が生成された後、加
熱を停止して好ましくは100℃以下まで冷却し、且つ
適用されている圧力が操作上安全な範囲まで降下した
後、必要に応じて該塩を水で希釈した後、酸を加えて中
和し、結晶を析出させることができる。析出した5−ヒ
ドロキシイソキノリンの結晶は、濾過等の適当な手段に
より分離することができる。中和に用いる酸としては、
硫酸、塩酸等の鉱酸や、氷酢酸等の有機酸等が挙げら
れ、さらには炭酸ガスも利用することができるが、中で
も硫酸、塩酸等の鉱酸が、工業的に有利である。
ソキノリン塩を酸で中和することにより、目的とする5
−ヒドロキシイソキノリンが生成される。すなわち、例
えば5−ヒドロキシイソキノリン塩が生成された後、加
熱を停止して好ましくは100℃以下まで冷却し、且つ
適用されている圧力が操作上安全な範囲まで降下した
後、必要に応じて該塩を水で希釈した後、酸を加えて中
和し、結晶を析出させることができる。析出した5−ヒ
ドロキシイソキノリンの結晶は、濾過等の適当な手段に
より分離することができる。中和に用いる酸としては、
硫酸、塩酸等の鉱酸や、氷酢酸等の有機酸等が挙げら
れ、さらには炭酸ガスも利用することができるが、中で
も硫酸、塩酸等の鉱酸が、工業的に有利である。
【0029】5−ヒドロキシイソキノリンの結晶の析出
には、反応系のpHが6.0〜13.0、好ましくは9.0
〜11.0となるまで、酸を加えて中和するのがよい。
析出した結晶を濾過により分離する場合、濾液の温度
は、通常5〜80℃、好ましくは20〜50℃がよい。
続いて、分離された結晶を水洗すれば、高純度の5−ヒ
ドロキシイソキノリンが生成される。
には、反応系のpHが6.0〜13.0、好ましくは9.0
〜11.0となるまで、酸を加えて中和するのがよい。
析出した結晶を濾過により分離する場合、濾液の温度
は、通常5〜80℃、好ましくは20〜50℃がよい。
続いて、分離された結晶を水洗すれば、高純度の5−ヒ
ドロキシイソキノリンが生成される。
【0030】このようにして得られた5−ヒドロキシイ
ソキノリンは、高速液体クロマトグラフィーによる面積
百分率で99%以上の高い純度を示し、このままの状態
で、例えば医薬品の中間体として用いることができる。
また、収率(用いたイソキノリン−5−スルホン酸類の
重量に対する理論収率)も90%以上と高い。
ソキノリンは、高速液体クロマトグラフィーによる面積
百分率で99%以上の高い純度を示し、このままの状態
で、例えば医薬品の中間体として用いることができる。
また、収率(用いたイソキノリン−5−スルホン酸類の
重量に対する理論収率)も90%以上と高い。
【0031】
【作用】本発明においては、1,5−ジヒドロキシイソ
キノリンのような副生物の生成が最小に抑制されるた
め、繁雑な精製工程が不必要となり、コスト的に有利で
あり、しかも廃液処理も軽減するため、環境保護面から
も有利である。また、従来の製造方法のように、アルカ
リを高温で溶融することや、高温の強アルカリの反応液
に、水を加える必要がないため、作業上の危険性が少な
い。
キノリンのような副生物の生成が最小に抑制されるた
め、繁雑な精製工程が不必要となり、コスト的に有利で
あり、しかも廃液処理も軽減するため、環境保護面から
も有利である。また、従来の製造方法のように、アルカ
リを高温で溶融することや、高温の強アルカリの反応液
に、水を加える必要がないため、作業上の危険性が少な
い。
【0032】
【実施例】以下、本発明を実施例および比較例により説
明する。実施例 1 1リットル容のオートクレーブに、イソキノリン−5−
スルホン酸150g、水酸化カリウム(純度=95%)
338.7g、水100gを加え、撹拌しながら2時間か
けて200℃に昇温し、このときオートクレーブ内の圧
力はゲージ圧で1.5kgf/cm2を示した。この温度で5
時間反応を行った。この間、圧力は漸次上昇し反応終了
時は3.0kgf/cm2となった。反応液を90℃以下まで
放冷し、圧力も常圧まで降下した段階で反応物を取り出
し、1350mlの水を加え希釈した。この希釈液を、3
5%塩酸382mlにより中和し、濾過し、得られたケー
キをさらに600mlの水で洗浄し、5−ヒドロキシイソ
キノリンの高純度の結晶を得た。得られた5−ヒドロキ
シイソキノリンの収率、高速液体クロマトグラフィーに
より面積百分率、また生成された副生物の割合等を以下
の表1に示す。
明する。実施例 1 1リットル容のオートクレーブに、イソキノリン−5−
スルホン酸150g、水酸化カリウム(純度=95%)
338.7g、水100gを加え、撹拌しながら2時間か
けて200℃に昇温し、このときオートクレーブ内の圧
力はゲージ圧で1.5kgf/cm2を示した。この温度で5
時間反応を行った。この間、圧力は漸次上昇し反応終了
時は3.0kgf/cm2となった。反応液を90℃以下まで
放冷し、圧力も常圧まで降下した段階で反応物を取り出
し、1350mlの水を加え希釈した。この希釈液を、3
5%塩酸382mlにより中和し、濾過し、得られたケー
キをさらに600mlの水で洗浄し、5−ヒドロキシイソ
キノリンの高純度の結晶を得た。得られた5−ヒドロキ
シイソキノリンの収率、高速液体クロマトグラフィーに
より面積百分率、また生成された副生物の割合等を以下
の表1に示す。
【0033】実施例 2〜8 使用した苛性アルカリの種類および量、水の配合割合、
反応時間、反応温度、中和に用いた酸の種類および量等
を、以下の表1に示すように変更し、5−ヒドロキシイ
ソキノリンを製造した。得られた5−ヒドロキシイソキ
ノリンの収率、高速液体クロマトグラフィーにより面積
百分率、また生成された副生物の割合等を以下の表2に
示す。
反応時間、反応温度、中和に用いた酸の種類および量等
を、以下の表1に示すように変更し、5−ヒドロキシイ
ソキノリンを製造した。得られた5−ヒドロキシイソキ
ノリンの収率、高速液体クロマトグラフィーにより面積
百分率、また生成された副生物の割合等を以下の表2に
示す。
【0034】比較例 1 公知の方法に従い、イソキノリン−5−スルホン酸15
0g、水酸化カリウム(純度=95%)264.3g、水
酸化ナトリウム261.1gを溶融反応させた。反応終了
後、冷却して(撹拌不可能)固化した状態の反応物に、
1450mlの水を加え加熱して溶解した後、氷酢酸52
3mlをそこに加え中和し、濾過し、得られたケーキを2
N塩酸1132mlに加え、30分間撹拌した後、濾過し
た。濾液に25%アンモニア水溶液177mlを加え、析
出した結晶を25℃で濾過し、ケーキを600mlの水で
洗浄した後、60℃で減圧乾燥し、5−ヒドロキシイソ
キノリンを得た。得られた5−ヒドロキシイソキノリン
の収率、高速液体クロマトグラフィーにより面積百分
率、また生成された副生物の割合等を以下の表2に示
す。
0g、水酸化カリウム(純度=95%)264.3g、水
酸化ナトリウム261.1gを溶融反応させた。反応終了
後、冷却して(撹拌不可能)固化した状態の反応物に、
1450mlの水を加え加熱して溶解した後、氷酢酸52
3mlをそこに加え中和し、濾過し、得られたケーキを2
N塩酸1132mlに加え、30分間撹拌した後、濾過し
た。濾液に25%アンモニア水溶液177mlを加え、析
出した結晶を25℃で濾過し、ケーキを600mlの水で
洗浄した後、60℃で減圧乾燥し、5−ヒドロキシイソ
キノリンを得た。得られた5−ヒドロキシイソキノリン
の収率、高速液体クロマトグラフィーにより面積百分
率、また生成された副生物の割合等を以下の表2に示
す。
【0035】
【表1】
【0036】
【表2】
【0037】表2から分かるように、本発明により得ら
れた5−ヒドロキシイソキノリンは、従来の方法と比較
して、収率も高く、純度も高い。また副生物の生成も最
小に抑制されている。
れた5−ヒドロキシイソキノリンは、従来の方法と比較
して、収率も高く、純度も高い。また副生物の生成も最
小に抑制されている。
【0038】
【発明の効果】本発明によれば、5−ヒドロキシイソキ
ノリンを、高純度、高収率で、さらに安全且つ容易に工
業的に得ることのできる、5−ヒドロキシイソキノリン
の製造方法が提供される。
ノリンを、高純度、高収率で、さらに安全且つ容易に工
業的に得ることのできる、5−ヒドロキシイソキノリン
の製造方法が提供される。
Claims (5)
- 【請求項1】 イソキノリン−5−スルホン酸類、苛性
アルカリおよび水を、加圧、加熱下に反応させ、5−ヒ
ドロキシイソキノリン塩を得、続いて該塩を酸で中和す
ることを特徴とする、5−ヒドロキシイソキノリンの製
造方法。 - 【請求項2】 ゲージ圧で0.5〜20kgf/cm2の圧力
が適用される、請求項1に記載の製造方法。 - 【請求項3】 反応温度が150〜300℃である、請
求項1または2に記載の製造方法。 - 【請求項4】 40〜90重量%の苛性アルカリ水溶液
が、反応開始時の反応系において生じるように水が配合
される、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の製造
方法。 - 【請求項5】 中和が、鉱酸を用いて行われる、請求項
1ないし4のいずれか1項に記載の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30646294A JPH08165279A (ja) | 1994-12-09 | 1994-12-09 | 5−ヒドロキシイソキノリンの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30646294A JPH08165279A (ja) | 1994-12-09 | 1994-12-09 | 5−ヒドロキシイソキノリンの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08165279A true JPH08165279A (ja) | 1996-06-25 |
Family
ID=17957307
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP30646294A Pending JPH08165279A (ja) | 1994-12-09 | 1994-12-09 | 5−ヒドロキシイソキノリンの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08165279A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN110031557A (zh) * | 2019-02-12 | 2019-07-19 | 山东省食品药品检验研究院 | 一种盐酸法舒地尔中5-异喹啉磺酸甲酯、5-异喹啉磺酸乙酯的检测方法 |
-
1994
- 1994-12-09 JP JP30646294A patent/JPH08165279A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN110031557A (zh) * | 2019-02-12 | 2019-07-19 | 山东省食品药品检验研究院 | 一种盐酸法舒地尔中5-异喹啉磺酸甲酯、5-异喹啉磺酸乙酯的检测方法 |
CN110031557B (zh) * | 2019-02-12 | 2021-06-29 | 山东省食品药品检验研究院 | 一种盐酸法舒地尔中5-异喹啉磺酸甲酯、5-异喹啉磺酸乙酯的检测方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
CA2195635C (en) | Process for the preparation of a halosubstituted aromatic acid | |
JPH08165279A (ja) | 5−ヒドロキシイソキノリンの製造方法 | |
JPH0588708B2 (ja) | ||
JP3264533B2 (ja) | ベンゾフェノン誘導体の製造方法 | |
JP2917498B2 (ja) | 1,3―フェニレンジオキシジ酢酸の製法 | |
JPH04360879A (ja) | 芳香族トリアゾール類の精製方法 | |
JP2001247529A (ja) | α−アミノ酸アミドの製造方法 | |
US5395943A (en) | Method for purification of 2-alkyl-4-halo-5-formylimidazoles | |
JPH10265459A (ja) | 1,2,3,6−テトラヒドロ−2,2,6,6−メチルピリジン−n−オキシルの製造法 | |
JP2905900B2 (ja) | 2―メルカプト―6―ハロゲノ安息香酸の製造方法 | |
JP3523661B2 (ja) | 2−アルキル−4−ハロゲノ−5−ホルミルイミダゾールの精製方法 | |
JP3210946B2 (ja) | ベンゾフェノン誘導体の製造法 | |
JP4840750B2 (ja) | 高純度4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホンの製造方法 | |
JP2001072669A (ja) | 7−クロロ−2,4(1h,3h)−キナゾリンジオンの製造方法 | |
JPH03167153A (ja) | 3,5―ジヨードサリチル酸の製造方法 | |
JPH08165273A (ja) | N−グアニジノチオ尿素塩及び3−アミノ−5−メルカプト−1,2,4−トリアゾールの製造方法 | |
JP4114911B2 (ja) | 4−ヒドロキシベンゼンスルホンアニリドの製造方法 | |
JPS5896035A (ja) | フロログルシンの精製方法 | |
JPS6261011B2 (ja) | ||
JPH08157444A (ja) | アミノエタンスルホン酸の製造方法 | |
JPS6270350A (ja) | ベンゾフエノン誘導体の製造法 | |
JPS6155914B2 (ja) | ||
JPS6123795B2 (ja) | ||
JPH0579660B2 (ja) | ||
JPH1072397A (ja) | 2−インダノン類の製造方法 |