JPH1072397A - 2−インダノン類の製造方法 - Google Patents

2−インダノン類の製造方法

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JPH1072397A
JPH1072397A JP23176296A JP23176296A JPH1072397A JP H1072397 A JPH1072397 A JP H1072397A JP 23176296 A JP23176296 A JP 23176296A JP 23176296 A JP23176296 A JP 23176296A JP H1072397 A JPH1072397 A JP H1072397A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 反応温度の制御が容易で、製品の回収が簡単
で、かつ安全な2−インダノン類の製造方法の提供。 【解決手段】 インデンまたはそのベンゼン環置換体
を、水を溶媒として、有機酸を加え、40〜110℃で
これらの混合物に過酸化水素を滴下して酸化し、必要な
らば還元剤により過剰の過酸化物を分解した後、この反
応混合物に酸を加えて加熱処理することを特徴とする2
−インダノン類の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】 【産業上の利用分野】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、医薬、農薬、樹脂
改質等の製造原料として有用な2−インダノン類を工業
的規模で製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】2−インダノン類の製造方法としては、
例えば、インデンに臭素水を反応させてブロモヒドリン
体とし、次いでアルコール中でアルカリと反応させた
後、硫酸と加熱する方法(以下ブロモヒドリン法と略
す;J.Am.Chem.Soc.,57,2022
(1935),J.Chem.Soc.,2,2550
(1922)およびJustus Liebigs A
nn. Chem.,639,204(1961))
や、インデンを原料とし、大過剰のギ酸を溶媒として用
い、過酸化水素により過ギ酸として酸化してギ酸エステ
ル体とし、次いで硫酸中で加熱処理する方法(以下ギ酸
エステル法と略す;Org.Synth.,41,53
(1961))等が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ブロモ
ヒドリン法は、臭素水を使用するために安全衛生および
廃棄物・廃水処理の面で問題がある。他方、ギ酸エステ
ル法では、大過剰のギ酸を溶媒として使用するため、イ
ンデンと過ギ酸を反応させた後、中間体であるギ酸エス
テル体を取り出すためにギ酸を留去しなければならず、
これは未反応の過酸化物を濃縮することになって爆発等
の危険性を伴うという欠点を有している。
【0004】これらの問題点を改善するために、溶媒と
して非水溶性有機溶媒を用いて過酸化水素による酸化反
応を行った後、静置して有機層を分離し、得られた有機
層を鉱酸処理する方法(特開昭62−185035)
や、大過剰の有機酸を用いて有機過酸により酸化した
後、非水溶性有機溶媒で抽出し、得られた抽出液を鉱酸
処理し、抽出残液の有機酸を繰り返し酸化反応に用いる
方法(特開昭63−39833)が提案されている。
【0005】しかし、これらの方法は、いずれも非水溶
性有機溶媒を用いるため、油水分離および溶媒回収等の
工程が必要となり、またいずれの方法も、有機過酸で酸
化する際の反応温度が30〜40℃と低いため、工業的
規模で実施するには、酸化に伴う発熱を制御するため
に、低温まで冷却できる特殊な設備が必要で、そのよう
な設備のない場合は過酸化水素の滴下に非常に長時間か
かり経済的ではないという欠点を有している。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記欠点
を解決すべく鋭意検討を行った結果、酸化反応の際に反
応溶媒として水を用いることにより、使用する有機酸量
が低減でき、かつ40〜110℃の高温での反応が可能
となり、また次いで酸化反応液に直接酸を加えて加熱処
理することにより、製造工程簡素化も可能となって、高
収率で2−インダノン類が得られ、工業的に非常に有用
であることを見出しこの発明を完成したものである。
【0007】さらに、本発明は、過酸化水素を滴下して
反応系内で有機過酸を生成させながら、この有機過酸で
インデン類を酸化し、また酸化反応終了後は反応液を濃
縮することがないため、過酸化物濃度が高くなることは
なく、安全性の面でも向上され工業的に極めて有用な製
造方法である。
【0008】すなわち本発明は、インデンまたはそのベ
ンゼン環置換体を、水を溶媒として、有機酸を加え、4
0〜110℃でこれらの混合物に過酸化水素を滴下して
酸化した後、次いでこの反応混合物に酸を加えて加熱処
理することを特徴とする2−インダノン類の製造方法で
ある。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明で原料として使用されるも
のはインデン類、すなわちインデンまたはそのベンゼン
環置換体である。インデンのベンゼン環置換体とは、イ
ンデン骨格のベンゼン環側、すなわち4位、5位、6
位、7位の少なくとも一つに置換基を有する化合物のこ
とである。置換基としては、アルキル基、アルコキシル
基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、ニトロ基、アミ
ノ基およびハロゲン等が挙げられる。
【0010】また、本発明で使用する有機酸としては低
級脂肪族カルボン酸、例えば、ギ酸、酢酸等が挙げられ
る。使用する有機酸の使用量は、原料のインデン類に対
して0.2〜10当量、好ましくは0.5〜5当量であ
る。使用量が少なすぎると、反応速度が遅くなり反応に
長時間かかり好ましくない。逆に多すぎても、効果はな
く経済的ではない。
【0011】本発明で使用する水としては、工業用水、
イオン交換水、純水、蒸留水等いずれでも使用でき、特
に限定されない。なお後記のとおり、この後の過酸化水
素の添加を通常30〜35重量%の過酸化水素水の滴下
によって行うため、滴下開始後は過酸化水素からの水分
が付加されるが、本発明においては反応開始時におい
て、すなわち過酸化水素滴下前に、インデン類と有機酸
とともに水が存在している状態で過酸酸化を行うことが
必要である。
【0012】また水の使用量は、反応開始時において、
有機酸に対し重量で0.3〜20倍、好ましくは0.5
〜10倍である。使用量が多すぎると、反応速度が遅く
なり反応に長時間かかり好ましくない。少なすぎると、
副反応が増え収率が低下する。
【0013】本発明方法においては、上記混合物に、過
酸化水素を滴下して酸化反応を行うが、過酸化水素とし
ては3〜90重量%の過酸化水素水を使用できるが、通
常は市販の30〜35重量%の過酸化水素水を使用す
る。この使用量は、原料のインデン類に対し0.5〜5
当量、好ましくは0.8〜3当量である。使用量が少な
すぎると、原料のインデン類の転化が不十分となる。た
だし、過酸化水素量を少なくしてその全量を転化させ、
原料のインデン類を残して後で回収することもできるの
で、そのような方式をとる場合は、この限りではない。
また逆に多すぎる場合は未反応の過酸化水素が残るだけ
で経済的ではない。
【0014】過酸化水素の滴下温度および反応温度は4
0〜110℃の範囲に設定する。これよりも低い温度で
は、反応速度が遅くなり反応に長時間かかり好ましくな
い。また温度が高すぎると、過酸化物の分解が激しくな
り、また爆発の危険性も増大する。過酸化水素の滴下時
間は、特に限定はせず冷却能力に合わせて決定すればよ
いが、通常0.5〜24時間程度である。酸化反応は、
滴下終了後直ぐに反応を終了させてもよいが、好ましく
は滴下終了後、撹拌を0.5〜5時間継続して反応を完
結させる。
【0015】過酸による酸化反応終了後、酸化反応液に
酸を直接加えて加熱処理を行うが、その際、必ずしも必
要ではないが、酸化反応で多量の過酸化物が残存してい
る時には、酸処理の前に、収率の低下防止、及び安全性
向上のためにあらかじめ反応生成物に還元剤を加えて、
過剰の過酸化物を分解した後、酸を加えて加熱処理を行
うこともできる。還元剤としては例えば亜硫酸ナトリウ
ムや亜硫酸水素ナトリウム等を使用することができる。
その添加量は、未反応の過酸化物に対して0.5〜5当
量、好ましくは0.8〜1.5当量である。添加量が少
なすぎて過酸化物が多く残っていると、酸処理で収率低
下などの悪影響を及ぼす。逆に、多すぎると酸処理には
影響しないが、使用する還元剤の種類によっては亜硫酸
ガス等が発生し望ましくない。
【0016】酸処理に使用する酸としては、硫酸、塩
酸、臭化水素酸等が挙げられるが、好ましくは安価な硫
酸もしくは塩酸を使用する。酸の添加量は、原料のイン
デン類に対し0.1〜5当量程度で、添加して加熱する
ことにより、目的とする2−インダノン類が得られる。
この加熱反応は、通常70〜140℃で0.1〜10時
間行う。
【0017】反応終了後、有機層を分離し、これを精製
して2−インダノン類が得られるが、2−インダノン類
は熱安定性および保存安定性が悪いため、減圧下で滞留
時間の短い連続蒸留や薄膜蒸留、または被蒸留物の温度
が高くならないような減圧回分蒸留、水蒸気蒸留や再結
晶等の手段を用いて精製する。また、有機層に重合防止
剤等の添加物を加えて精製すると効果がある。
【0018】
【実施例】以下、実施例に基いて、本発明方法を具体的
に説明する。 [実施例1]撹拌機、温度計、還流冷却器を備えた内容
積200ミリリットルのフラスコに、インデン(98.
6%)23.2g(0.2モル)、90重量%ギ酸1
5.3g(0.3モル)、水30gを仕込み、70℃で
34.5重量%過酸化水素水23.7g(0.24モ
ル)を0.4時間かけて滴下し、滴下終了後70℃で
2.6時間撹拌を継続した。反応終了後、過酸化物量を
よう素滴定法により測定したところ、過酸化水素換算で
0.4重量%であった。
【0019】次に反応液に30重量%重亜硫酸ソーダ水
を過酸化物量と当量(3.9g)添加し0.5時間撹拌
した後、90℃まで昇温して36重量%塩酸を40.6
g(0.4モル)添加し、100℃で0.5時間撹拌し
た。反応終了後、反応液を60℃まで冷却して静置し、
分離して有機層26.4gを回収した。この有機層を液
体クロマトグラフにより分析したところ、2−インダノ
ン濃度は70.1重量%で、収率は71.1モル%であ
った。結果を表1に示す。
【0020】[実施例2]実施例1で用いたと同じ20
0ミリリットルのフラスコを用い、インデン(98.6
%)11.6g(0.1モル)、90重量%ギ酸15.
3g(0.3モル)、水45gを仕込み、70℃で3
4.5重量%過酸化水素水12.8g(0.13モル)
を1時間かけて滴下し、滴下終了後70℃で1時間撹拌
を継続した。反応終了後、過酸化物量をよう素滴定法に
より測定したところ、過酸化水素換算で0.6重量%で
あった。
【0021】次に反応液に30重量%重亜硫酸ソーダ水
を過酸化物量と当量(5.4g)添加し0.5時間撹拌
した後、90℃まで昇温して36重量%塩酸を20.3
g(0.2モル)添加し、100℃で0.5時間撹拌し
た。反応終了後、反応液を60℃まで冷却して静置し、
分離して有機層13.5gを回収した。この有機層を液
体クロマトグラフにより分析したところ、2−インダノ
ン濃度は77.6重量%で収率は80.5モル%であっ
た。結果を表1に示す。
【0022】[実施例3〜5]実施例2において、過酸
酸化反応におけるインデン、ギ酸、水、過酸化水素水の
添加量、反応温度及び塩酸処理工程における塩酸量を表
1記載のとおりとした以外は実施例2と同様にして2−
インダノンの合成を行った。結果を表1に示す。
【0023】
【表1】
【0024】[実施例6〜8]過酸酸化反応は実施例2
と同条件で行ったが、酸処理における塩酸量、反応温度
および反応時間を表2の条件で、実施例2と同様にして
2−インダノンの製造を行った。結果を表2に示す。
【0025】
【表2】
【0026】[実施例9]過酸化水素酸化反応は実施例
2と同条件で行ったが、酸処理は98重量%硫酸により
行った。結果を表2に示す。
【0027】[実施例10]撹拌機、温度計、還流冷却
器を備えた内容積2リットルのフラスコに、インデン
(98.6%)474g(4モル)、98重量%ギ酸2
82g(6モル)、水682.5gを仕込み、70℃で
32重量%過酸化水素水552.5g(5.2モル)を
2.4時間かけて滴下し、滴下終了後70℃で1時間撹
拌を継続した。反応終了後、過酸化物量をよう素滴定法
により測定したところ、過酸化水素換算で0.4重量%
であった。
【0028】次に反応液に30重量%重亜硫酸ソーダ水
88.1g添加し0.5時間撹拌した後、90℃まで昇
温して36重量%塩酸を202.6g(2モル)添加
し、100℃で2.3時間撹拌した。反応終了後、反応
液を60℃まで冷却して静置し、分離して有機層53
8.4gを回収した。この有機層を液体クロマトグラフ
により分析したところ、2−インダノン濃度は55.9
重量%で、収率は56.6モル%であった。結果を表3
に示す。
【0029】[実施例11]インデン(98.6%)2
37g(2モル)、98重量%ギ酸282g(6モ
ル)、水625.2gを仕込み、70℃で33.7重量
%過酸化水素水262.2g(2.6モル)を1.2時
間かけて滴下し、滴下終了後70℃で0.8時間撹拌を
継続した。反応終了後、過酸化物量をよう素滴定法によ
り測定したところ、過酸化水素換算で0.7重量%であ
った。
【0030】次に反応液に30重量%重亜硫酸ソーダ水
を96g添加し0.5時間撹拌した後、90℃まで昇温
して36重量%塩酸を144.7g(1.4モル)添加
し、100℃で1時間撹拌した。反応終了後、反応液を
60℃まで冷却して静置し、分離して有機層265gを
回収した。この有機層を液体クロマトグラフにより分析
したところ、2−インダノン濃度は66.5重量%で収
率は66.3モル%であった。結果を表3に示す。
【0031】[実施例12]インデン(98.6%)4
74g(4モル)、98重量%ギ酸282g(6モ
ル)、水626.4gを仕込み、50℃で34.5重量
%過酸化水素水433.5g(4.4モル)を4時間か
けて滴下し、滴下終了後50℃で5時間撹拌を継続し
た。反応終了後、過酸化物量をよう素滴定法により判定
したところ、過酸化水素換算で0.8重量%であった。
【0032】次に反応液に30重量%重亜硫酸ソーダ水
を170.1g添加し0.5時間撹拌した後、90℃ま
で昇温して36重量%塩酸を202.6g(2モル)添
加し、100℃で2時間撹拌した。反応終了後、反応液
を60℃まで冷却して静置し、分離して有機層538.
4gを回収した。この有機層を液体クロマトグラフによ
り分析したところ、2−インダノン濃度は57重量%で
収率は57.7モル%であった。結果を表3に示す。
【0033】
【表3】
【0034】[実施例13]5−メチルインデン13.
0g(0.1モル)、90重量%ギ酸15.3g(0.
3モル)、水45gを仕込み、70℃で34.5重量%
過酸化水素水12.8g(0.13モル)を1時間かけ
て滴下し、滴下終了後70℃で1時間撹拌を継続した。
反応終了後、過酸化物量をよう素滴定法により測定した
ところ、過酸化水素換算で0.5重量%であった。
【0035】次に反応液に30重量%重亜硫酸ソーダ水
を過酸化物量と当量(4.4g)添加し0.5時間撹拌
した後、90℃まで昇温して36重量%塩酸を20.3
g(0.2モル)添加し、100℃で0.5時間撹拌し
た。反応終了後、反応液を60℃まで冷却して静置し、
分離して有機層15.5gを回収した。この有機層を液
体クロマトグラフにより分析したところ、5−メチル−
2−インダノン濃度は70.7重量%で収率は75.1
モル%であった。
【0036】[比較例1]撹拌機、温度計、還流冷却器
を備えた内容積100ミリリットルのフラスコに、イン
デン(98.6%)23.2g(0.2モル)、90重
量%ギ酸30.7g(0.6モル)を仕込み、水を添加
せず、70℃で32重量%過酸化水素水25.5g
(0.24モル)を1.7時間かけて滴下し、滴下終了
後70℃で1時間撹拌を継続した。反応終了後、過酸化
物量をよう素滴定法により測定したところ、過酸化水素
換算で0.2重量%であった。
【0037】次に反応液に30重量%重亜硫酸ソーダ水
を過酸化物量と当量(1.6g)添加し0.5時間撹拌
した後、90℃まで昇温して36重量%塩酸を10.1
g(0.1モル)添加し、100℃で1時間撹拌した。
反応終了後、反応液を60℃まで冷却して静置し、分離
して有機層25.9gを回収した。この有機層を液体ク
ロマトグラフにより分析したところ、2−インダノン濃
度は21.2重量%で、収率は20.8モル%であっ
た。結果を表4に示す。
【0038】
【比較例2】撹拌機、温度計、還流冷却器を備えた内容
積200ミリリットルのフラスコに、インデン(98.
6%)23.2g(0.2モル)、90重量%ギ酸1
5.3g(0.3モル)、水30gを仕込み、30℃で
34.5重量%過酸化水素水23.7g(0.24モ
ル)を1時間かけて滴下し、滴下終了後30℃で24時
間撹拌を継続した。反応終了後、過酸化物量をよう素滴
定法により測定したところ、過酸化水素換算で1重量%
であった。
【0039】次に反応液に40重量%重亜硫酸ソーダ水
を過酸化物量と当量(6.8g)添加し0.5時間撹拌
した後、90℃まで昇温して36重量%塩酸を10.1
g(0.1モル)添加し、100℃で2時間撹拌した。
反応終了後、反応液を60℃まで冷却して静置し、分離
して有機層27.6gを回収した。この有機層を液体ク
ロマトグラフにより分析したところ、2−インダノン濃
度は49.6重量%で、収率は51.9モル%であっ
た。結果を表4に示す。
【0040】
【表4】
【0041】
【発明の効果】本発明の製造方法によれば、酸化反応の
際に過酸化水素を滴下する温度が従来の方法に比べて高
いため、反応温度の制御が容易であり、特殊な冷却設備
を必要としない。また、酸化反応終了後は、反応混合物
に直接加えて加熱処理するため、濃縮や抽出および溶媒
回収といった繁雑な操作は必要でなく、製造工程も従来
法に比べ簡素化できる。しかも、有機酸の使用量も少な
く、溶媒等も使用しないため、製造コストの面でも極め
て有利である。さらに、有機過酸を反応系内で発生させ
ながら酸化反応を行い、また酸化反応終了後は反応液を
濃縮することがないため、過酸化物濃度が高くなること
はなく、安全性の面でも向上され工業的に極めて有用な
製造方法である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インデンまたはそのベンゼン環置換体
    を、水を溶媒として、有機酸を加え、40〜110℃で
    これらの混合物に過酸化水素を滴下して酸化した後、次
    いでこの反応混合物に酸を加えて加熱処理することを特
    徴とする2−インダノン類の製造方法。
  2. 【請求項2】 反応開始時における水の量が有機酸に対
    し、重量で0.5〜10倍であることを特徴とする請求
    項1記載の2−インダノン類の製造方法。
  3. 【請求項3】 過酸化水素による酸化反応終了後、還元
    剤を添加し、過剰の過酸化物を分解した後、酸を加えて
    加熱処理することを特徴とする請求項1記載の2−イン
    ダノン類の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109232211A (zh) * 2018-11-06 2019-01-18 江苏师范大学 一种2-茚满酮的合成方法

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CN109232211A (zh) * 2018-11-06 2019-01-18 江苏师范大学 一种2-茚满酮的合成方法

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