JPH08163893A - 駆動源切換機構およびこれを有する駆動装置 - Google Patents

駆動源切換機構およびこれを有する駆動装置

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JPH08163893A
JPH08163893A JP6301223A JP30122394A JPH08163893A JP H08163893 A JPH08163893 A JP H08163893A JP 6301223 A JP6301223 A JP 6301223A JP 30122394 A JP30122394 A JP 30122394A JP H08163893 A JPH08163893 A JP H08163893A
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JP
Japan
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drive
shaft
rotary shaft
transmission member
drive source
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JP6301223A
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English (en)
Inventor
Etsuya Kaji
越也 加治
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HIGASHIFUJI SEISAKUSHO KK
Original Assignee
HIGASHIFUJI SEISAKUSHO KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 2個の駆動源が相互に駆動力を及ぼし合うこ
となく、また、駆動方式が異なる場合においても、1つ
の作動軸を確実に回転駆動させる。 【構成】 回転軸12に、これを所定の原位置に付勢す
る付勢手段25を設け、駆動源14・16のうちの少な
くとも一方が回転軸12と平行間隔を空けて配される駆
動軸15を具備し、駆動軸15と回転軸12とを、両軸
間に展張されて駆動軸15の回転により発生する引張力
を伝達する湾曲自在の伝達部材36によって連結し、伝
達部材36の回転軸12側の端部を、引張力によって回
転軸12に回転駆動方向の回転トルクを発生させる位置
に取り付けることにより、一方の駆動源16は、伝達部
材36に引張力を発生させて回転軸12に駆動力を伝達
し、他方の駆動源14は、回転軸12に駆動力を伝達さ
せる際に、伝達部材36を湾曲させて前記一方の駆動源
16への駆動力の伝達を回避する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、駆動源切換機構および
これを有する駆動装置に係り、例えば、水洗トイレの電
動水洗機構等に適用される技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、水洗トイレにおいては、使用者が
水洗トイレの使用後に、貯水タンク等に取り付けられて
いる操作レバーを操作することによって貯水タンク内の
水を便器に放出するという水洗機構が広く採用されてい
る。かかる水洗機構1は、例えば、図14に示すよう
に、洗浄用の水Wを貯留する貯水タンク2の底部に設け
た排水孔3を上方から閉塞する略球状の栓部材4と、貯
水タンク2の上方に取り付けられる操作レバー5に接続
されその操作によってその軸線回りに回転させられる棒
状の作動軸6の先端とを玉鎖7で接続することにより構
成されている。
【0003】前記操作レバー5は、使用者が必要に応じ
て時計回りまた反時計回りを選択することによって大便
または小便に応じた水量を排水孔3から便器(図示略)
内に流出させることができるようになっている。すなわ
ち、操作レバー5の回転方向に応じて貯水タンク2内の
栓部材4の引き上げ量を異ならせることができるように
なっていて、使用者は小便の方向を選択した場合には少
量の水Wを、大便の方向を選択した場合には大量の水W
を便器に流出させるように設定されている。
【0004】ところで、近年、消費者の高級化指向、水
洗トイレの多機能化等に伴って、このような水洗トイレ
の水洗機構1を電動式にする計画がある。つまり、使用
者は、便器に付属している操作パネルやリモートコント
ローラ等において洗浄、乾燥等の操作をする場合と同様
に、大便あるいは小便のボタンを選択することによっ
て、使用に応じた便器の水洗を実施しようとするもので
ある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、水洗ト
イレの水洗機構1を電動式にする場合においては、以下
のような解決すべき課題がある。まず、従来の水洗機構
1における操作レバー5に代えて、作動軸6にモータを
接続することが考えられるが、この場合に、単に操作レ
バー5とモータとを入れ替えるという完全な自動化を図
ることができないという問題がある。つまり、操作レバ
ー5に代えてモータを取り付けることにより操作レバー
5を排除した場合には、停電等によってモータが作動し
ない非常時等において、水洗を実施することができない
という不都合がある。また、操作レバー5の排除された
水洗トイレを初めて使用する使用者や、従来の操作レバ
ー5の方式に慣れている使用者等にとっては、水洗の実
施に手間取る等、却って不便なものとなる。
【0006】したがって、水洗トイレの水洗機構1を電
動式にする場合には、単に操作レバー5をモータに入れ
替えるだけでなく、操作レバー5とモータとを共存させ
る必要がある。つまり、操作レバー5を用いた手動によ
り作動軸6に駆動力を発生させるという駆動源と、モー
タを用いた電動により作動軸6に駆動力を発生させると
いう駆動源という2個の駆動源を有するとともに、これ
らの駆動源を必要に応じて切り換える方式を採用する必
要がある。
【0007】このような方式として通常考えられるもの
としては、作動軸6にモータのシャフトおよび操作レバ
ー5を両方とも直結する方式や、歯車機構、プーリ・ベ
ルト機構を使用して各駆動源の駆動力を作動軸に1対1
で伝達する方式のものがある。これらの方式によれば、
使用者の選択によってモータあるいは操作レバー5を作
動させて作動軸6を回転させることができる。
【0008】この場合に、操作レバー5は正逆両方向に
回転されることによって大便と小便とを選択する方式の
ものが多いため、モータの仕様としても正逆両方向に駆
動力を発生し得る方式のものを採用することが必要にな
る。しかし、実際に水洗トイレを製造する場合において
は、モータとして単一方向にのみ駆動力を発生する方式
のものの方が、構造が簡単で部品コストを低く抑えるこ
とができる点で望ましい。
【0009】つまり、正逆両方向に駆動力を発生する仕
様のモータでは、部品単価が高くなり、水洗トイレの価
格の低廉化を図ることができないという不都合がある。
したがって、作動軸6の駆動源として用いるモータに
は、単一方向にのみ駆動力を発生するものが要求される
一方、操作レバー5には、正逆両方向への動作によって
放出水量を選択できる方式のものが採用されなければな
らないことになり、上記のような1対1の駆動力伝達方
式を採用することが困難である。
【0010】さらに、上記のように、各駆動源と作動軸
6とを1対1の駆動力伝達方式により接続する場合にお
いては、各駆動源どうしも1対1の関係で相互に駆動力
を及ぼし合うことになる。このため、例え、大便、小便
の区別なく一定の水量を便器に放出する方式の水洗トイ
レであって、正逆両方向に駆動力を発生するモータを要
しない場合であっても、使用者がモータを作動させて水
洗を実施した場合に操作していない操作レバー5も動作
してしまうことになり、使用者に違和感を与えることに
なる。また、使用者が手で押える等して操作レバー5が
固定された状態でモータが作動させられると、モータを
始め水洗機構各部に不必要な外力が作用して、故障の原
因になるという不都合も考えられる。
【0011】本発明は、上述した事情に鑑みてなされた
ものであって、2個の駆動源が相互に駆動力を及ぼし合
うことなく、また、駆動方式が異なる場合においても、
1つの作動軸を確実に回転駆動することができる駆動源
切換機構およびこれを有する駆動装置を提供することを
目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、単一の回転軸を同一の一方向に回転駆動
するための2個の駆動源を選択的に切り換える駆動源切
換機構であって、前記回転軸に、該回転軸を所定の原位
置に付勢する付勢手段が設けられ、前記駆動源のうちの
少なくとも一方が、前記回転軸と平行間隔を空けて配さ
れる駆動軸を具備し、該駆動軸と前記回転軸とが、両軸
間に展張されて駆動軸の回転により発生する引張力を伝
達する湾曲自在の伝達部材によって連結され、該伝達部
材は、前記回転軸側の端部が、引張力によって該回転軸
に回転駆動方向の回転トルクを発生させる位置に取り付
けられている駆動源切換機構を提案している。
【0013】上記駆動源切換機構においては、伝達部材
の一端を取り付けた駆動軸を有する駆動源が、その軸心
回りの両方向に駆動力を発生するものであり、前記伝達
部材が、前記駆動軸側の端部を該駆動軸の軸心から半径
方向に離間した位置に取り付けられ、かつ、回転軸が原
位置に配されたときに、前記半径方向に沿って展張され
るように配されている構成とすれば効果的である。
【0014】さらに、伝達部材の駆動軸側の一端が、駆
動軸の軸心に平行な軸線回りに回転自在に取り付けられ
ていることとしてもよい。
【0015】また、本発明は、一方向に駆動力を発生す
るモータよりなる第1の駆動源と、両方向に駆動力を発
生する操作レバーよりなる第2の駆動源とを具備し、第
1の駆動源の駆動軸が回転軸に連動するように接続され
るとともに、第2の駆動源の駆動軸が伝達部材によって
回転軸に連結されている上記の駆動源切換機構を有する
駆動装置を提案している。
【0016】
【作用】本発明に係る駆動源切換機構によれば、回転軸
は付勢手段によって常に原位置に向かうように付勢され
ている。したがって、駆動源からの駆動力が付与されな
い場合には、回転軸は原位置に安定して保持されること
になる。
【0017】ここで、一方の駆動源の駆動軸と回転軸と
が伝達部材によって連結されているので、その駆動源を
作動させると、伝達部材に引張力が発生する。そして、
この伝達部材に発生した引張力により、回転軸には回転
駆動方向の回転トルクが発生させられる。したがって、
回転軸は付勢手段の付勢力に抗して所定の回転方向に回
転駆動されることになる。
【0018】また、他方の駆動源が作動させられた場合
においても、回転軸は、付勢手段の付勢力に抗して、上
記と同一の回転方向に回転駆動される。この場合におい
て、前記一方の駆動源の駆動軸と回転軸とを連結してい
る伝達部材は、回転軸側の端部のみが回転軸の回転に伴
って移動させられ、回転軸と駆動軸との間における展張
状態において発生していた引張力を緩められる。
【0019】したがって、湾曲自在に設けられた伝達部
材は、駆動軸と回転軸との間において湾曲させられるこ
とによって他方の駆動源からの駆動力を駆動軸に伝達す
ることがない。その結果、伝達部材によって連結されて
いる側の駆動源には、他方の駆動源の駆動力による影響
が及ぼされず、両駆動源により独立して同一の回転軸を
同一の一方向に回転駆動させることが可能となる。
【0020】また、上記駆動源切換機構において、伝達
部材の一端を取り付けた駆動軸を有する駆動源が、その
軸心回りの両方向に駆動力を発生するものである場合
に、伝達部材の駆動軸側の端部をその軸心から半径方向
に離間した位置に取り付けるとともに、回転軸が原位置
に配された状態で、前記半径方向に沿って展張されるよ
うに配することとすれば、駆動軸をどちらの方向に回転
駆動させた場合においても、伝達部材に引張力を発生さ
せ、回転軸が確実に回転駆動されることになる。
【0021】さらに、上記駆動源切換機構において、伝
達部材の駆動軸側の一端を、駆動軸の軸心に平行な軸線
回りに回転自在に取り付けることとすれば、駆動軸の回
転によって応じて伝達部材の取り付け端を回転させ、伝
達部材に曲げ力が作用しないようにすることが可能とな
る。これにより、伝達部材の健全性が維持されることに
なる。
【0022】また、本発明に係る駆動装置によれば、第
1の駆動源であるモータを作動させることにより、これ
に連動する回転軸が一方向に回転駆動される。また、第
2の駆動源である操作レバーを操作して駆動力を発生さ
せることにより、該操作レバーの駆動軸に取り付けられ
た伝達部材に引張力が発生し、該引張力によって回転軸
に回転トルクが発生する。これにより、操作レバーによ
っても回転軸が一方向に回転駆動されることになる。
【0023】この場合において、操作レバーを操作する
ことなくモータを作動させた場合には、該モータによっ
て回転駆動される回転軸に取り付けられた伝達部材の一
端部は、伝達部材に発生している引張力を緩める方向に
移動させられる。したがって、伝達部材が湾曲させられ
て、モータの駆動力が操作レバーに伝達されることが回
避され、操作レバーは停止状態に保持される。また、モ
ータの駆動力あるいは操作レバーの駆動力が消滅した場
合には、回転軸は付勢手段によって原位置に復帰させら
れることになる。
【0024】
【実施例】以下、本発明に係る駆動源切換機構および駆
動装置の一実施例について、図1から図10を参照して
説明する。なお、本実施例においては、図14に示す水
洗機構1の符号を適宜引用して説明する。
【0025】本実施例に係る駆動装置10は、例えば、
水洗トイレの水洗機構1に適用されるものであって、図
1に示すように、貯水タンク2等に固定されるケーシン
グ11に、貯水タンク2内の作動軸6に一端を接続され
る回転軸12が回転自在に設けられるとともに、該回転
軸12と平行間隔を空けて配される駆動軸13を有する
モータ14(第1の駆動源)と、該モータ14の駆動軸
13および前記回転軸12に平行間隔を空けて回転自在
に配される駆動軸15を有する操作レバー16(第2の
駆動源)とを具備している。
【0026】これら回転軸12とモータ14の駆動軸1
3および操作レバー16の駆動軸15とは、駆動源切換
機構17によって相互に接続されている。本実施例にお
ける駆動源切換機構17は、図1に示すように、前記モ
ータ14の駆動軸13と前記回転軸12との間に配列さ
れ相互に噛合する複数の歯車18・19・20・21・
22を有する第1の伝達機構23と、図2に示すよう
に、操作レバー16の駆動軸15と前記回転軸12とを
連結する第2の駆動機構24と、前記回転軸12を原位
置に付勢する付勢手段25とを具備している。
【0027】前記第1の伝達機構23には、図1に示す
ように、歯車列18〜22の途中位置において、駆動力
の伝達の接続および切り離しを行うクラッチ26が設け
られている。このクラッチ26は、例えば、図1に示す
ように、ソレノイド27、ソレノイド27の可動体2
8、上クラッチ体29、下クラッチ体30、スプリング
31から構成された電磁クラッチである。
【0028】上クラッチ体29は、後述するように下ク
ラッチ体30の係合部に噛合可能な係合部29aと、前
記回転軸12に歯車列18〜22を介して接続している
歯車21に噛合するギヤ部29bとを備え、ケーシング
11に設けられた回転軸12と平行なシャフト32に回
転自在かつ軸線方向に移動可能に支持されている。下ク
ラッチ体30は、上クラッチ体29の係合部29aに噛
合する係合部30aと、モータ14の駆動軸13に設け
られた歯車22に噛合するギヤ部30bとを備え、上記
シャフト32に回転自在に支持されている。
【0029】これら上下クラッチ体29・30は、互い
の係合部29a・30aを対向状態に配置され、スプリ
ング31によって相互に離間する方向に付勢されてい
る。また、上下クラッチ体29・30の前記係合部29
a・30aは、上クラッチ29がシャフト32に沿って
変位させられて下クラッチ体30に押し付けられたとき
に、シャフト32の軸線方向に相互に噛合する凹凸をそ
れぞれ有しており、噛合された状態で、両者間に駆動力
を伝達させ、一体となって回転することができるように
なっている。
【0030】また、前記ソレノイド27の可動体28
は、上クラッチ体29の端面に当接状態に配置され、ソ
レノイド27への通電によって発生する磁力により上ク
ラッチ体29の方向に変位させられるようになってい
る。これにより、上クラッチ体29は、スプリング31
の付勢力に抗して押圧され、その係合部29aを下クラ
ッチ体30の係合部30aに噛合させるまで移動させる
ようになっている。そして、この状態で、モータ14に
より発生させられる駆動力が歯車列18〜22を介して
回転軸12まで伝達され、回転軸12が所定方向に回転
させられるようになっている。
【0031】一方、ソレノイド27への通電が停止され
ると磁力が消滅するので、ソレノイド27の可動体28
および上クラッチ体29は、スプリング31の弾発力に
よって下クラッチ体30から離間する方向に変位させら
れ、上下クラッチ体29・30の結合状態が切り離され
るようになっている。つまり、クラッチ26はソレノイ
ド27への通電時に接続状態となるものであって、ソレ
ノイド27への通電のON/OFFによって、モータ1
4から回転軸12への駆動力の伝達および遮断を行うこ
とができるようになっている。
【0032】前記第2の伝達機構24は、図1および図
2に示すように、前記回転軸12および前記操作レバー
16の駆動軸15に平行間隔を空けて配される軸線回り
に回転自在にケーシング11に取り付けられる滑車33
と、前記回転軸12に設けた第1のアーム部34と前記
操作レバー16に設けた第2のアーム部35との間に前
記滑車33を介して掛け渡されるステンレスワイヤのよ
うな伝達部材36とを具備している。
【0033】伝達部材36の両端には、例えば、図3に
示すようなブロック37がそれぞれ取り付けられてい
る。このブロック37には、伝達部材36に対して直交
する方向に突出する円柱状の支持突起37aが設けられ
ている。また、前記第1のアーム部34および第2のア
ーム部35には、それぞれ前記伝達部材36のブロック
37の支持突起37aを回転自在に嵌合させる嵌合孔3
4a・35aがそれぞれの軸心から半径方向に離間した
位置に設けられている。該嵌合孔34a・35aは、前
記回転軸12の軸心および操作レバー16の駆動軸15
の軸心と平行に設けられており、これに嵌合されるブロ
ック37は、回転軸12等の軸心に平行な軸線回りに回
転自在に支持されるようになっている。
【0034】また、上記伝達部材36は、図2に示すよ
うに、回転軸12が原位置に配されている状態におい
て、滑車33から操作レバー16に向かう操作レバー1
6側の端部が、該操作レバー16の軸心から半径方向に
延びる放射線に沿って配置されるようになっている。す
なわち、この状態における操作レバー16の第2のアー
ム部35は、上記伝達部材36の配置されている放射線
上に、前記伝達部材36を取り付ける嵌合孔35aを配
置するようになっている。
【0035】操作レバー16に対する伝達部材36の配
置をこのように設定したのは、回転軸12が原位置に配
されている図2の状態(以下、単に初期状態という。)
で、操作レバー16を時計方向・反時計方向のいずれの
方向に回転させた場合にも、伝達部材36を垂ませるこ
となく引張力を発生させるように第2のアーム部35の
嵌合孔35aの位置を変位させるためである。
【0036】一方、初期状態における伝達部材36の他
端、すなわち、滑車33から回転軸12に向かう回転軸
12側の端部は、回転軸12の軸心と滑車33の外周縁
とを結ぶ直線よりも反回転駆動側に配される第1のアー
ム部34の嵌合孔34aに取り付けられている。つま
り、伝達部材36に引張力が発生したならば、回転軸1
2を、図2に矢印で示す回転駆動方向に回転させること
ができるように取り付けられている。
【0037】また、前記付勢手段25は、例えば、ケー
シング11に設けられた固定軸38と、回転軸12に設
けられた引掛孔39との間に掛け渡されるコイルスプリ
ングよりなり、回転軸12の回転角度に応じて伸張させ
られることによって、回転駆動される回転軸12を常に
原位置に向けて付勢するようになっている。
【0038】ところで、このように構成された駆動装置
10においては、単一方向に回転駆動させられる回転軸
12により、これに直結する作動軸6を回転させるもの
であるから、該作動軸6の回転駆動方向も単一方向とさ
れる。したがって、単一の回転駆動方向の作動軸6によ
り、大便および小便時の水量調整を行うには、その回転
角度によって栓部材4の引き上げ量を調整する必要があ
る。
【0039】操作レバー16によって水洗トイレの水洗
を実施する場合に、上記作動軸6の回転角度を達成する
ために、本実施例では、操作レバー16とケーシング1
1とに、操作レバー16が所定の回転角度だけ回転した
ときに当接する機械的なストッパ40・41・42を設
けている。すなわち、例えば、図2に示すように、大便
の場合には、操作レバー16を反時計回りに90゜回転
させると操作レバー16に固設されているストッパ40
がケーシング11に固設されているストッパ41に当接
してそれ以上の回転が抑制される。また、小便の場合に
は、操作レバー16を時計回りに50゜回転させた位置
においてストッパ40・42が当接するようになってい
る。
【0040】また、モータ14によって水洗を実施する
場合には、本実施例では、回転軸12に図1に示すよう
にカム43を設けておき、このカム43によって接点を
入切することによって、放水量を切り換えることとして
いる。図4に、本実施例の駆動装置10に使用される電
気回路を示す。図4中符号44は交流電源、45は主ス
イッチ、46は副スイッチ、47は整流器、48は第1
端子、49はコモン端子、50は第2端子、51は第1
接点、52は第2接点、53は突出部である。
【0041】前記第1端子48、コモン端子49、第2
端子50はそれぞれ近接配置される板バネによって構成
されており、第1端子48はケーシング11に固定さ
れ、コモン端子49および第2端子50は、それぞれの
一端をケーシング11に揺動可能に取り付けられてい
る。また、前記カム43は、図4に示すように、円形の
外周面43aを有しているとともに、該外周面43aの
一部に、半径方向内方に向けて2段階に凹む第1凹部4
3bおよび第2凹部43cが設けられたものとなってい
る。
【0042】そして、第2端子50の突出部53が、カ
ム43の外周面43aに配置されているときには、第1
端子48の第1接点51はコモン端子49に接触し、か
つ、コモン端子49の第2接点52も第2端子50に接
触状態とされている。また、カム43が回転させられて
第2端子50の突出部53が第1凹部43b内に配置さ
れると、コモン端子49および第2端子50が第2接点
52を接触状態に保持したまま揺動して、第1端子48
の第1接点51が離間するようになっている。さらに、
カム43が回転させられて第2端子50の突出部53が
第2凹部43c内に配置されると、コモン端子49はそ
の揺動端をストッパ54によって係止され、第2端子5
0のみが揺動させられて、第2接点52が離間するよう
になっている。
【0043】次に、このように構成された駆動源切換機
構17および駆動装置10の作用について、以下に説明
する。まず、電動式の水洗を実施しようとする場合に
は、水洗トイレの使用者は、便器等に備えられたパネル
あるいはリモートコントローラ(図示略)において、大
便洗浄スイッチAまたは小便洗浄スイッチBを選択す
る。
【0044】このとき、回転軸12は、図2に示す原位
置に配されている。また、電気回路の接点は、図4に示
すように全て接触状態に保持されている。この状態で、
上記のように洗浄スイッチA・Bが選択されると、前記
電気回路に設けられた主スイッチ45および副スイッチ
46が作動させられる。
【0045】すなわち、主スイッチ45がON状態とさ
れて、ソレノイド27を含む回路が作動状態となり第1
の伝達機構23におけるクラッチ26が接続される。こ
れにより、モータ14の駆動力が歯車列18〜22を介
して回転軸12に伝達可能な準備状態となる。また、副
スイッチ46においては、洗浄スイッチA・Bの別によ
って、接点Aまたは接点BがON状態となる。
【0046】例えば、洗浄スイッチBが選択された場合
には、副スイッチ46が図5に示すように作動して第1
端子48からコモン端子49を通るルートで回路が閉成
されることにより、モータ14が駆動される。これによ
り、歯車列18〜22を介してモータ14の駆動力が回
転軸12に伝達され、該回転軸12に直結している作動
軸6が回転させられて栓部材4が引き上げられ、貯水タ
ンク2内の水Wの放出が開始される。
【0047】そして、カム43が所定角度回転させられ
て、図6に示すように、第2端子の突出部53がカム4
3の第1凹部43b内に配されると、コモン端子49が
第1端子48に対して揺動させられることによって第1
接点51が離間し、モータ14が停止される。このと
き、第1接点51の遮断に連動させて、主スイッチ45
および副スイッチ46を遮断するようにしておけば、モ
ータ14の停止と同時にソレノイド27への通電も停止
され、クラッチ26が切断されることになる。
【0048】これにより、回転軸12は、付勢手段25
の付勢力によって原位置に復帰させられる。また、この
際には、栓部材4の引き上げ量が小さいので貯水タンク
2内に発生している水流も栓部材4を排出孔3に引き込
むように作用し、栓部材4は即座に排出孔3を閉鎖し
て、放水も停止されることになる。
【0049】ここで、貯水タンク2からの水Wの放出
を、ある程度長い時間に亙って持続させたい場合には、
主スイッチ45および副スイッチ46について、例え
ば、タイマーリレー等によって洗浄スイッチBが押下さ
れた時点から所定時間経過後にOFF状態とされるよう
に設定しておいてもよい。この場合には、例えば、前記
下クラッチ体30とケーシング11との間に、ソレノイ
ド27が作動され上下クラッチ体29・30が結合され
た状態で下クラッチ体30に密接させられて摩擦力によ
り下クラッチ体30の逆転を防止する逆回転ストッパ5
5を設けておけば有効である。
【0050】このようにしておけば、第1接点51の遮
断によって、モータ14が停止されても、ソレノイド2
7が作動している限り、下クラッチ体30が固定された
状態に保持されるようになり、下クラッチ体30に噛合
している上クラッチ体29も固定される結果、作動軸6
もその状態が保持される。したがって、タイマーリレー
によって主スイッチ45がOFF状態とされるまで、栓
部材4は引き上げられた状態に保持され、貯水タンク2
からの水Wの放出が続行される。
【0051】また、主スイッチ45がOFF状態とされ
ると、ソレノイド27への通電が停止されるので、クラ
ッチ26が切断されることによって逆回転ストッパ55
による回転軸12の状態保持力が解放される。これによ
り、回転軸12は付勢手段25によって原位置に復帰さ
せられて、貯水タンク2からの放水が停止されることに
なる。
【0052】一方、大便洗浄スイッチAが選択された場
合には、副スイッチ46が図7に示すように作動して第
2端子50とコモン端子49を通るルートで回路が閉成
されることにより、モータ14が駆動される。これによ
り、歯車列18〜22を介してモータ14の駆動力が回
転軸12に伝達され、該回転軸12に直結している作動
軸6が回転させられて貯水タンク2内の水Wの放出が開
始される。
【0053】そして、カム43が所定角度回転させられ
て、図8(a)に示すように、第2端子50の突出部5
3がカム43の第1凹部43b内に配されると、コモン
端子49が第1端子48に対して揺動させられることに
よって第1接点51が離間するが、コモン端子49と第
2端子50との第2接点52は接触状態に保持されるの
で、モータ14は継続して作動させられる。
【0054】さらに、カム43が所定角度回転させられ
て、図8(b)に示すように、第2端子50の突出部5
3がカム43の第2凹部43c内に配されると、第2端
子50がコモン端子49に対して揺動させられることに
よって、第2接点52が離間し、モータ14が停止され
る。この場合には、上記の小便洗浄スイッチBが選択さ
れた場合と比較して、作動軸6の回転角度が大きくなる
ので、栓部材4の引き上げ量が大きく、大量の水Wが排
出孔3から放出されることになる。
【0055】なお、栓部材4が排出孔3から大きく離間
させられているために、貯水タンク2内の水流が栓部材
4を排出孔3に引き込む力が弱められ、排出孔3を閉塞
するまでに時間がかかることも放水量を増大させるよう
に作用している。
【0056】そして、上記小便洗浄スイッチBの場合と
同様に、主スイッチ45がOFF状態とされることによ
って、回転軸12が原位置に復帰させられる。また、こ
れとともに、カム43が逆回転させられることによっ
て、図4に示すように、第2端子50の突出部43は第
2凹部43cおよび第1凹部43bから外れてカム43
の最外周面43aに配され、第1接点51および第2接
点52の両方ともが接触する初期状態に再設定されるこ
とになる。
【0057】ここで、本実施例の駆動源切換機構17で
は、モータ14による回転軸12の駆動の他に、操作レ
バー16による駆動をも可能とする構造、すなわち、2
個の駆動源を選択的に切り換えることを可能とする構造
としている。このため、モータ14によって回転軸12
が駆動された場合には、操作レバー16による回転軸1
2の駆動の際に使用される第1のアーム部34も回転さ
れることになる。
【0058】しかし、本実施例に係る駆動源切換機構1
7においては、第1のアーム部34と操作レバー16に
設けた第2のアーム部35とが湾曲自在なワイヤ等の伝
達部材36によって連結されているので、回転軸12が
回転されても該伝達部材36を垂ませて操作レバー16
が停止状態に保持される。すなわち、図2に示す初期状
態から、図9に示す矢印の方向に回転軸12が回転駆動
された場合には、伝達部材36は、図9に示すように垂
ませられて、引張力の発生が防止され、操作レバー16
に駆動力が伝達されないことになる。
【0059】したがって、本実施例によれば、水洗を電
動によって実施した場合に、使用者にとって、貯水タン
ク2の側壁その他の見え易い位置に露出状態に配置され
ている操作レバー16があたかも独りでに動作するよう
に見えることが回避される結果、使用者に与える違和感
がない。また、モータ14と操作レバー16とは、実質
的に駆動系を切り離されることになるので、例えば、モ
ータ14の作動により回転軸12が回転している際に操
作レバー16が何らかの原因(例えば、手で押えられる
等)によって固定されたとしても、モータ14に不要な
外力が付与されることがなく、モータ14を始め各機構
部の健全性が維持されることになる。
【0060】次に、手動によって水洗を実施する場合に
ついて説明する。この場合、水洗トイレの使用者は、貯
水タンク2等に配備されている操作レバー16を必要に
応じて正逆いずれかの方向にひねる。
【0061】ここで、操作レバー16が操作される時点
では、回転軸12は図2に示す原位置に配されており、
モータ14を駆動するための洗浄スイッチA・Bの操作
は行われないものとする。つまり、主スイッチ45およ
び副スイッチ46が遮断状態とされているから、ソレノ
イド27への通電がなされずに、クラッチ26が切断状
態とされ、回転軸12の回転駆動力がモータ14に伝達
されることが回避されるようになっている。
【0062】この状態で、例えば、図10に示すよう
に、操作レバー16を時計方向にひねると、該操作レバ
ー16の駆動軸15に設けられている第2のアーム部3
5も回転させられて、その先端に取り付けられている伝
達部材36の端部も矢印の方向に変位させられる。これ
により、伝達部材36には引張力が発生し、第1のアー
ム部34を介して回転軸12に回転トルクが発生する。
したがって、回転軸12は、付勢手段25の付勢力に抗
して回転駆動させられて作動軸6、玉鎖7を介して栓部
材4が引き上げられ、貯水タンク2内の水Wが便器に放
出される。
【0063】操作レバー16を時計回りに回転させた場
合には、該操作レバー16は50゜回転させられた位置
においてストッパ42に当接して、それ以上の回転を抑
制される。これにより、栓部材4の引き上げ量が少な
く、少量の水Wが放出されることになる。
【0064】また、操作レバー16を、図10に鎖線で
示すように、反時計回りに回転させた場合においても、
上記と同様に伝達部材36に引張力が発生させられて、
回転軸12が付勢手段25の付勢力に抗して回転駆動さ
せられることになる。この場合には、操作レバー16は
90゜回転させられた位置においてストッパ41により
それ以上の回転を抑制されるので、上記と比較して栓部
材4の引き上げ量が大きく、大量の水Wが放出されるこ
とになる。
【0065】これらの場合に、本実施例では、回転軸1
2が原位置に配されている初期状態において、第1のア
ーム部34および伝達部材36が回転軸12の軸心を中
心とした放射線上に配されているので、操作レバー16
が正逆いずれの方向に回転させられた場合であっても、
伝達部材36には即座に引張力が発生させられて、回転
軸12が即座に回転駆動されることになる。また、伝達
部材36の両端部は、第1・第2のアーム部34・35
にそれらの軸心に平行な軸線回りに回転自在に取り付け
られているので、伝達部材36に無理な曲げ力が作用す
ることが回避され、耐久的な使用が可能である。
【0066】このように、本実施例に係る駆動源切換機
構17によれば、操作レバー16と回転軸12とを連結
する伝達部材36が湾曲自在なワイヤ等によって構成さ
れているので、モータ14によって回転軸12が回転駆
動される場合には、伝達部材36を垂ませて操作レバー
16への駆動力の伝達を遮断することができる。したが
って、モータ14の作動時に操作レバー16が動作する
ことが防止されることになり、使用者に違和感を生ずる
ことや、モータ14を始め各機構部に無理な外力が作用
することを防止することができる。
【0067】また、伝達部材36は、回転軸12が原位
置に配されているときに、操作レバー16の第2のアー
ム部5にその軸心から半径方向に延びる放射線に沿って
配されているので、操作レバー16が正逆どちらの方向
に回転させられた場合においても、即座に回転軸12に
同一方向の回転トルクを発生させることができる。すな
わち、一方向のみに駆動力を発生させる第1の駆動源た
るモータ14と、両方向に駆動力を発生させる第2の駆
動源たる操作レバー16とが、それぞれ独立して回転軸
12に同一の単一方向の回転トルクを発生させることが
できる。
【0068】また、本実施例に係る駆動装置10によれ
ば、モータ14と操作レバー16の2個の駆動源を上記
駆動源切換機構17によって適宜切り換えることによっ
て、それぞれの駆動源が他の駆動源の駆動力に影響され
ることなく独立して同一の回転軸12を回転駆動させる
ことができる。したがって、使用者は、電動式であるか
手動式であるかを任意に選択して、2段階の水量を放出
させる同様の水洗作業を実施することができる。また、
停電等によって電源供給がなされない場合にも、操作レ
バー16によって回転軸12を回転させ、貯水タンク2
の水Wを放出させることができる。
【0069】なお、本実施例においては、2個の駆動源
として、モータ14および操作レバー16を採用した
が、これに限定されることなく、任意の駆動源を採用で
きる。また、3個以上の駆動源を有する駆動装置に適用
することもできる。モータ14としては、簡易な構造で
制御性が良く、しかも、安価に入手し得るステッピング
モータが好ましいが、これに限定されることなく任意に
選定してよい。また、伝達部材36としてステンレス製
のワイヤを採用したが、これに代えて、合成繊維製の
糸、紐、ベルト、チェーン等、引張力を伝達しかつ湾曲
自在の任意の伝達部材36を採用することができる。
【0070】さらに、モータ14が、クラッチ26およ
び歯車列18〜22を介して回転軸12に接続されてい
ることとしたが、高トルク型のものであれば、回転軸1
2に直結されている構造としてもよい。また、歯車列1
8〜22を構成する各歯車18・19・20・21・2
2の形状、歯数等は、必要に応じて任意に設計すること
ができる。また、モータ14に関して、操作レバー16
と同様に伝達部材36を介して回転軸12に接続する構
造を採用することも可能である。この場合は、例えば、
図11に示すように構成することができる。
【0071】また、伝達部材36は、1個の滑車33を
介して操作レバー16の第2のアーム部35と、回転軸
12の第1のアーム部34とを連結することとしている
が、これに代えて、2以上の滑車33を設け伝達部材3
6のルートを任意に設定することとしてもよい。また、
滑車33を使用することなく、図12に示すように第1
のアーム部34と第2のアーム部35とを連結する構成
としてもよい。
【0072】さらに、伝達部材36を、その両端に取り
付けたブロック37によって第1・第2のアーム部34
・35に回転自在に取り付けることとしたが、取付方法
としては任意の方法を採用することができる。しかも、
伝達部材36の健全性が確保できる範囲であれば、伝達
部材36の両端部は、第1・第2のアーム部34・35
に固定することとしてもよい。
【0073】また、回転軸12が原位置に配されている
状態で、伝達部材36の回転軸12側の端部は、回転軸
12の軸心と滑車33の外周縁とを結ぶ直線よりも反回
転駆動側に配される嵌合孔34aにブロック37によっ
て取り付けられていることとしたが、これに代えて、図
13に示すように、回転軸12に巻回される構成のもの
としてもよい。すなわち、伝達部材36は、それに発生
する引張力によって、回転軸12に回転トルクを生じさ
せるように取り付けられていればよい。
【0074】また、本実施例における駆動装置10で
は、操作レバー16が正逆両方向に駆動力を発生する方
式のものを採用したが、これに代えて、単一方向に駆動
力を発生する方式のものを適用することもできる。ま
た、本実施例においては、付勢手段25として回転軸1
2とケーシング11とを連結するコイルスプリングを採
用したが、これに代えて、渦巻きバネ、トーションバー
等、他の任意の付勢手段25を採用してよい。
【0075】さらに、本実施例においては、駆動源切換
機構17およびこれを有する駆動装置10を水洗トイレ
の水洗機構1に適用することとしたが、他の用途、例え
ば、電動バルブの保守作業等において手動用開閉機構が
付加されているバルブや、空気調整用のダクト等のよう
に、異なる駆動源を選択的に切り換える必要のある用途
に適用することとしてもよいことはいうまでもない。
【0076】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明に係る駆動
源切換機構は、単一の回転軸を同一の一方向に回転駆動
するための2個の駆動源を選択的に切り換える場合に、
回転軸に、これを所定の原位置に付勢する付勢手段を設
け、駆動源のうちの少なくとも一方が回転軸と平行間隔
を空けて配される駆動軸を具備し、駆動軸と回転軸と
を、両軸間に展張されて駆動軸の回転により発生する引
張力を伝達する湾曲自在の伝達部材によって連結し、伝
達部材の回転軸側の端部が、引張力によって回転軸に回
転駆動方向の回転トルクを発生させる位置に取り付けら
れているので、一方の駆動源は、伝達部材に引張力を発
生させて回転軸に駆動力を伝達し、他方の駆動源は、回
転軸に駆動力を伝達させる際に、伝達部材を湾曲させて
前記一方の駆動源への駆動力の伝達を回避することがで
きる。したがって、伝達部材が設けられている側の駆動
源を他方の駆動源から切り離し、独立して回転軸を駆動
させることができるという効果を奏する。
【0077】また、上記駆動源切換機構において、伝達
部材の一端を取り付けた駆動軸を有する駆動源が、その
軸心回りの両方向に駆動力を発生するものである場合
に、伝達部材を、駆動軸の軸心から半径方向に離間した
位置の駆動軸に一端を取り付け、かつ、回転軸が原位置
に配されたときに、前記半径方向に沿って展張されるよ
うに配することとすれば、駆動源により正逆どちらの方
向への駆動力を発生させた場合であっても、伝達部材を
垂ませることなく引張力を発生させて回転軸に回転トル
クを発生させることができるという効果を奏する。した
がって、単一方向に駆動力を発生させる駆動源と、両方
向に駆動力を発生させる駆動源とを併存させ、両方向に
駆動力を発生させる駆動源を他の駆動源に対して独立さ
せることができる。
【0078】さらに、上記駆動源切換機構において、伝
達部材の駆動軸側の一端を、駆動軸の軸心に平行な軸線
回りに回転自在に取り付けることとすれば、駆動軸の回
転によって伝達部材に曲げ力が作用することが回避さ
れ、耐久的な使用を図ることができる。なお、回転軸側
の端部について同様に取り付けることとすれば、さらに
効果的である。
【0079】本発明に係る駆動装置は、一方向に駆動力
を発生するモータよりなる第1の駆動源と、両方向に駆
動力を発生する操作レバーよりなる第2の駆動源とを具
備し、第1の駆動源の駆動軸が回転軸に連動するように
接続され、第2の駆動源の駆動軸が伝達部材によって回
転軸に連結されているので、モータを使用して電動によ
り回転軸を回転させる場合と、操作レバーによって手動
により回転軸を回転させる場合とを相互に独立して実施
することができる。したがって、モータによって操作レ
バーを動作させることなく回転軸を駆動することがで
き、操作レバーによれば、その両方向への駆動力を確実
に回転軸に伝達させることができるという効果を奏す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る駆動源切換機構およびこれを有す
る駆動装置の一実施例を示す縦断面図である。
【図2】図1の駆動源切換機構の第2の伝達機構を示す
正面図である。
【図3】図2の伝達機構の伝達部材の両端に取り付ける
ブロックを説明するための斜視図である。
【図4】図1の駆動装置に採用される電気回路の一例を
示す図である。
【図5】図4の電気回路において、スイッチAが選択さ
れた場合の副スイッチの状態を示す図である。
【図6】図5の電気回路において、カムによりモータへ
の通電が遮断された状態を示す図である。
【図7】図4の電気回路において、スイッチBが選択さ
れた場合の副スイッチの状態を示す図である。
【図8】図7の電気回路において、(a)はカムにより
第1接点が遮断された状態を示し、(b)は、カムによ
り第2接点が遮断されて、モータへの通電が遮断された
状態を示す図である。
【図9】図1の駆動源切換機構において、モータにより
回転軸が回転駆動された場合の伝達部材の状態を示す正
面図である。
【図10】第1の駆動源切換機構において、操作レバー
により回転軸が回転駆動された場合の伝達部材の状態を
示す正面図である。
【図11】図1の駆動源切換機構において、モータに関
しても伝達部材を適用した例を示す模式図である。
【図12】第2の伝達機構の他の例を示す正面図であ
る。
【図13】第2の伝達機構のその他の例を示す斜視図で
ある。
【図14】従来の水洗トイレの水洗機構を説明するため
の図である。
【符号の説明】
10 駆動装置 12 回転軸 13・15 駆動軸 14 モータ(駆動源) 16 操作レバー(駆動源) 17 駆動源切換機構 25 付勢手段 36 伝達部材

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 単一の回転軸を同一の一方向に回転駆動
    するための2個の駆動源を選択的に切り換える駆動源切
    換機構であって、 前記回転軸に、該回転軸を所定の原位置に付勢する付勢
    手段が設けられ、 前記駆動源のうちの少なくとも一方が、前記回転軸と平
    行間隔を空けて配される駆動軸を具備し、 該駆動軸と前記回転軸とが、両軸間に展張されて駆動軸
    の回転により発生する引張力を伝達する湾曲自在の伝達
    部材によって連結され、 該伝達部材は、前記回転軸側の端部が、引張力によって
    該回転軸に回転駆動方向の回転トルクを発生させる位置
    に取り付けられていることを特徴とする駆動源切換機
    構。
  2. 【請求項2】 伝達部材の一端を取り付けた駆動軸を有
    する駆動源が、その軸心回りの両方向に駆動力を発生す
    るものであり、 前記伝達部材が、前記駆動軸側の端部を該駆動軸の軸心
    から半径方向に離間した位置に取り付けられ、かつ、回
    転軸が原位置に配されたときに、前記半径方向に沿って
    展張されるように配されていることを特徴とする請求項
    1記載の駆動源切換機構。
  3. 【請求項3】 伝達部材の駆動軸側の一端が、駆動軸の
    軸心に平行な軸線回りに回転自在に取り付けられている
    ことを特徴とする請求項1または請求項2記載の駆動源
    切換機構。
  4. 【請求項4】 一方向に駆動力を発生するモータよりな
    る第1の駆動源と、 両方向に駆動力を発生する操作レバーよりなる第2の駆
    動源とを具備し、 第1の駆動源の駆動軸が回転軸に連動するように接続さ
    れるとともに、 第2の駆動源の駆動軸が伝達部材によって回転軸に連結
    されていることを特徴とする請求項2または請求項3記
    載の駆動源切換機構を有する駆動装置。
JP6301223A 1994-12-05 1994-12-05 駆動源切換機構およびこれを有する駆動装置 Pending JPH08163893A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012132142A (ja) * 2010-12-17 2012-07-12 Lixil Corp 便器洗浄装置
JP2019190205A (ja) * 2018-04-27 2019-10-31 株式会社Lixil 便器洗浄装置

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