JPH08150938A - 車椅子等の人力で駆動される車両用のブレーキ装置 - Google Patents

車椅子等の人力で駆動される車両用のブレーキ装置

Info

Publication number
JPH08150938A
JPH08150938A JP6293116A JP29311694A JPH08150938A JP H08150938 A JPH08150938 A JP H08150938A JP 6293116 A JP6293116 A JP 6293116A JP 29311694 A JP29311694 A JP 29311694A JP H08150938 A JPH08150938 A JP H08150938A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
brake
tire
brake member
contact
wheelchair
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP6293116A
Other languages
English (en)
Inventor
Masamichi Nakayama
雅道 中山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Individual
Original Assignee
Individual
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Individual filed Critical Individual
Priority to JP6293116A priority Critical patent/JPH08150938A/ja
Publication of JPH08150938A publication Critical patent/JPH08150938A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Handcart (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 わずかな力でブレーキ操作が可能である車椅
子等の人力で駆動される車両用のブレーキ装置を提供す
ること。 【構成】 ブレーキ装置1は、人が操作するためのレバ
ー部7と、タイヤ5に接触してブレーキ動作を行なうブ
レーキ部9と、レバー部7の動きをブレーキ部9に伝達
するリンク機構11とを備えている。ブレーキ部9は、
ブレーキ側軸支部21から下方に伸びる支柱27と、支
柱27から垂直に伸びる支持部29と、支持部29に回
動可能に軸支されてタイヤ5に接触するブレーキ部材3
1とから構成されている。ブレーキ部材31は、前方側
が凸とされた曲面を有する接触部31aと、接触部31
aの中央の左右両端から後方に突出した軸支部31bと
からなる。ブレーキ部材31は、側面から見ると略T字
状となっており、矢印E,F方向に回動可能に取付られ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば車椅子やトレー
ナ等の人力で駆動される種々の車両に対し、その車輪が
回転しない様に規制してブレーキをかけるブレーキ装置
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、例えば車椅子等を停止状態に
保つための装置として、車椅子の車輪にブレーキ部材を
押し当てて車椅子が移動しない様に固定するブレーキ装
置が知られている。
【0003】このブレーキ装置は、例えば図8(a)に
示す様に、車椅子の側部にてタイヤの近傍に取り付けら
れるものであり、人がブレーキ操作するための長尺のレ
バーP1と、タイヤP2を略垂直に押圧する棒状のブレ
ーキ部材P3と、レバーP1の動きを(てこの原理でそ
の押圧力を増大して)ブレーキ部材P3に伝えるリンク
機構P4とから構成されている。
【0004】この装置にてブレーキをかける場合には、
図8(b)に示す様に、レバーP1を矢印B方向に回動
させる。これによって、レバーP1の動きがリンク機構
P4を介してブレーキ部材P3に伝えられ、ブレーキ部
材P3は矢印D方向に回動して車輪のタイヤP2表面を
押圧して、車輪の回転を規制する。そして、レバーP1
が所定位置を超えるとリンク機構P4にてブレーキ部材
P3がロックされる。一方、ブレーキを解除する場合に
は、レバーP1を矢印A方向に回動させる。それによっ
て、レバーP1が前記所定位置を超えて戻されると、ブ
レーキ部材P3のロックが解除され、ブレーキ部材は矢
印C方向に回動してタイヤP2から離れる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、車椅子
等に用いられるこの種のブレーキ装置においては、ブレ
ーキは人力を用いてかけられる構造であるので、ブレー
キをかける際には、弾力のあるタイヤP2を強く押し付
けるための大きな力が必要であるという問題があった。
特に車椅子は、老人や体に障害がある人等によって使用
されるものであるので、ブレーキをかける場合に必要と
される大きな力の問題の解決が望まれていた。
【0006】本発明は前記課題を解決するためになされ
たものであり、わずかな力でブレーキ操作が可能である
車椅子等の人力で駆動される車両用のブレーキ装置を提
供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
の請求項1の発明は、車両の車輪のタイヤに対し、手動
にて操作されるブレーキ部材を用いることによって、車
両を停止状態に保つブレーキ装置において、前記ブレー
キ部材が、前記タイヤの表面に接触可能に配置され、且
つ回転の軸中心が偏心したカムであることを特徴とする
車椅子等の人力で駆動される車両用のブレーキ装置を要
旨とする。
【0008】請求項2の発明は、前記ブレーキ部材を、
上下位置に少なくとも1組備えるとともに、対応する1
対のブレーキ部材同士の間隔を変更可能としたことを特
徴とする前記請求項1〜3のいずれか記載の車椅子等の
人力で駆動される車両用のブレーキ装置を要旨とする。
【0009】
【作用及び発明の効果】請求項1の発明では、車両の車
輪のタイヤに対し、(例えばパーキングレバーを用い
て)手動にて操作されるブレーキ部材として、偏心カム
が使用されている。このブレーキ部材はタイヤの表面に
接触可能に配置されており、タイヤの回動にともなって
タイヤと接触して回動する。
【0010】つまり、本発明では、ブレーキ部材がタイ
ヤに接触している状態でタイヤが回転しようとすると、
ブレーキ部材は回転の中心が(例えばタイヤに近い位置
に)偏心したカムであるので、ブレーキ部材が回転する
につれてブレーキ部材はタイヤに強く押圧されてブレー
キがかかる。従って、大きな力でブレーキ部材をタイヤ
に押圧しなくとも、ブレーキ部材をタイヤに接触する様
に配置するだけで、強く確実にブレーキをかけることが
できる。更に、タイヤが回転するほどブレーキ部材はタ
イヤに食い込み、より強固にブレーキがかかるという効
果を奏する。
【0011】・前記請求項1の発明において、ブレーキ
部材が、タイヤと接触する接触部と、接触部と一体に設
けられて回動可能に軸支される軸支部と、を備えるとと
もに、接触部のタイヤと接触する接触面が凸状又は凹状
又は凹凸状とされたものを採用すると、その接触面にて
タイヤを押圧してブレーキ動作を行なうことができるの
で好適である。
【0012】・尚、ここで、凸状の接触部を使用する場
合には、ブレーキ部材が滑らかに回転するという利点が
あり、凹状の接触部を使用する場合には、タイヤに容易
に食い込むという利点があり、凹凸状の接触部を使用す
る場合には、タイヤとブレーキ部材の接触が確実になさ
れるという利点がある。
【0013】・前記請求項1の発明において、ブレーキ
部材が略円盤状である場合には、構成が簡単で、しかも
強度が大きく耐久性に優れているという利点がある。 ・前記請求項1の発明において、ブレーキ部材が、タイ
ヤと接触する接触部と、接触部と一体に設けられて回動
可能に軸支される軸支部と、からなり、接触部が、タイ
ヤ側に突出してタイヤと接触可能な中央凸部と、中央凸
部の上下方向両側に各々設けられてタイヤ側に突出する
第1端部凸部及び第2端部凸部と、を備えるとともに、
中央凸部がタイヤに接触した場合に、両端部凸部の先端
からタイヤまでに空間ができる様に設定した場合には、
中央凸部のみがタイヤに接触した状態で、僅かにタイヤ
が回転しただけで、どちらかの端部凸部がタイヤを押圧
するので、車椅子等の位置が殆ど移動することなく、確
実にブレーキをかけることができる。
【0014】請求項2の発明では、ブレーキ部材は一つ
ではなく、上下に二つ配置されるとともに、ブレーキ部
材同士の間隔は、例えばバネ等によって変更可能とされ
ている。従って、ブレーキ装置の取付誤差や、使用によ
る位置変化や、タイヤの空気圧の変化等によって、ブレ
ーキ装置とタイヤとの位置関係が多少ずれている場合で
も、ブレーキが可能な好適な位置にブレーキ部材を配置
することができる。つまり、常に僅かな力でブレーキが
かけられるとともに、ブレーキ装置とタイヤとの位置関
係が多少ずれていても、常に確実にブレーキをかけるこ
とができるという利点がある。
【0015】・尚、本発明において、両ブレーキ部材が
軸中心に上下方向に開く様に回動可能とし、且つ互いに
閉じる方向に付勢しておくと、ブレーキ部材が自動的に
タイヤに追随して確実にブレーキ動作を行なうことがで
きるので好適である。この場合、両ブレーキ部材が所定
角度を保って開度を維持する様な規制部材を設けておく
と、好適な角度でブレーキ部材がタイヤに接触するの
で、一層望ましい。
【0016】
【実施例】以下に本発明の実施例を図面に基づき説明す
る。 (実施例1)図1に示す様に、本発明の実施例1の車椅
子のブレーキ装置1は、車椅子の(両側の側面前部に
て、位置変更金具2を介して、車輪3のタイヤ5に近接
した位置に配置されている。
【0017】このブレーキ装置1は、人が操作するため
のレバー部7と、タイヤ5に接触してブレーキ動作を行
なうブレーキ部9と、レバー部7の動きをブレーキ部9
に伝達するリンク機構11とを、主として備えている。
このうち、前記レバー部7は、金属製のロッド13と、
そのロッド13の上部に設けられたプラスチック製の把
持部15とから構成されている。また、ロッド13の下
部には、後記基板部17に軸支される略くの字状のロッ
ド側軸支部18が設けられている。
【0018】前記リンク機構11は、金属からなる板状
の基板部17を備えており、この基板部17の上部の左
右のねじ19によって、位置変位金具2の水平方向に伸
びる開口部分2aに、左右方向に取付位置変更可能に取
り付けられている。このリンク機構11には、後記支柱
27の上部に設けられたブレーキ側軸支部21と前記ロ
ッド側軸支部18の屈曲部分とを接続する連桿23が取
り付けられている。尚、ブレーキ側軸支部21には、ブ
レーキ部9をタイヤ5から離す方向に付勢するバネ25
が取り付けられている。
【0019】前記ブレーキ部9は、前記ブレーキ側軸支
部21から下方に伸びる支柱27と、この支柱27から
垂直に図1の手前方向(車椅子の側面外方向)に伸びる
支持部29と、支持部29に回動可能に軸支されて直接
にタイヤ5に接触するブレーキ部材31とから構成され
ている。
【0020】このうち、支持部29は、その前方(以下
前方はタイヤ側を示し、後方はその逆方向を示す)に
て、図2に示す様に、支持部29の端部に沿って支持孔
33が設けられている。また、ブレーキ部材31は、そ
の前方側が凸とされた曲面を有する接触部31aと、接
触部31aの中央の左右両端から後方に突出した軸支部
31bとからなり、側面から見ると(前方が滑らかにカ
ーブする)略T字状となっている。このブレーキ部材3
1は、アルミニウム(又はその合金)から構成されてお
り、接触部31aの中央には、すべり止めのゴム部材3
1cが貼り付けられ、軸支部31bの先端には、取付孔
31dが設けられている。
【0021】よって、ブレーキ部材31は、その軸支部
31bの取付孔31dを支持孔33の両端に合わせて、
両孔31d,33にピン35を差し込むことによって、
矢印E,F方向に回動可能に取付られる。尚、その回動
の範囲は、例えば軸支部31bの先端の上下に設けられ
た突起31eによって、所望の範囲(例えば上下各15
度)に設定されている。
【0022】次に、本実施例のブレーキ装置1の動作
を、図1に基づいて説明する。尚、図1はブレーキがか
けられた状態を示している。 i)ブレーキをかける場合 ブレーキが解除されている場合には、レバー部7は矢印
A方向に倒されている。従って、ブレーキ部材31はタ
イヤ5より所定の距離をおいて離れて配置されており、
この時、ブレーキ部材31は自重によって矢印C方向に
回転して、前記突起31eにて規制される位置にまで下
がっている。
【0023】このとき、レバー部7を矢印B方向に回動
させると、その動作は、リンク機構11を介してブレー
キ部9に伝わり、ブレーキ部9は矢印D方向に回動し、
ブレーキ部材31がタイヤ5に接触することにより、ブ
レーキ部材31は矢印E方向に回動する。そして、レバ
ー部7がロック位置(図示の位置)まで操作されると、
ブレーキ部材31は、その接触部31aのゴム部材31
cの中央付近とタイヤ5とが接触する位置で停止する。
【0024】このとき、ブレーキ部材31は、従来の様
にタイヤ5を押圧しておらず、わずかに接触するのみで
ある。つまり、ブレーキ部材31はタイヤ5を押圧する
位置まで押し出される必要はなく、タイヤ5のごく近傍
に配置されれば、自重による回転によって、ブレーキ部
材31は自然にタイヤ5と接触することになる。この様
に動作するのは、このブレーキ部材31は一種の偏心カ
ムと考えられ、その重心は軸支位置より前方に配置され
ているからである。
【0025】そして、この状態では、ブレーキ部材31
はタイヤ5を押圧しているわけではないので、車輪3は
多少は回転可能である。ところが、車輪3が例えば矢印
G方向に回転すると、その車輪3の回転にともなって、
タイヤ5と接触しているブレーキ部材31は矢印E方向
に回転し、その下部がタイヤ5に深く押圧され、これに
よって、それ以上の車輪3の回転が阻止されるので、ブ
レーキがかけられる。逆に車輪3が矢印H方向に回転す
ると、ブレーキ部材31は矢印F方向に回転し、その上
部がタイヤ5に深く押圧され、それ以上の車輪3の回転
が阻止されるので、ブレーキがかけられる。つまり、車
輪3が矢印G,H方向のどちらに回転しても、ブレーキ
がかけられることになる。
【0026】ii)ブレーキが解除される場合 ブレーキがかけられている場合に、レバー部7を矢印A
方向に回動させると、リンク機構11のロックが解除さ
れ、ブレーキ部9は矢印C方向に回動する。よって、ブ
レーキ部材31はタイヤ5から離れるのでブレーキが解
除される。
【0027】この様に、本実施例では、ブレーキをかけ
る場合には、レバー部7を操作してブレーキ部材31を
タイヤ5に接触する様に配置するだけでいいので、従来
の様にタイヤ5を強く押圧する必要がなく、ブレーキ操
作のための力が殆どいらないという顕著な効果を奏す
る。
【0028】また、一旦ブレーキ操作のためにレバー部
7を矢印B方向に回動させて、ブレーキ部材31を所定
位置に配置した後では、例えば車輪3を回転させる大き
な外力がかかった場合でも、ブレーキ力を強める方向
(即ちブレーキ部材31がタイヤ5に入り込む方向)に
力がかかるだけであり、ブレーキが解除されることがな
く極めて安全である。 (実施例2)次に、実施例2について説明するが、前記
実施例1と同様な部分の説明は簡略化する。
【0029】図3に示す様に、本実施例のブレーキ装置
41は、レバー部43及びリンク機構44は前記実施例
1と同様であるが、ブレーキ部45の構造が大きく異な
る。本実施例のブレーキ部45は、図3及び図4に示す
様に、ブレーキ部45の支柱46の下端に、2つに分岐
した支持部48が設けられ、この支持部48に円盤状の
ブレーキ部材49が回動可能に支持されている。
【0030】前記ブレーキ部材49は、円形のアルミニ
ウムからなる芯板51の周囲に、ゴムの輪52が取り付
けられたものであり、芯板51の中心よりずれた位置に
回転中心としての取付孔53が設けられることによっ
て、偏心カムとして構成されている。
【0031】このブレーキ部材49は、取付孔53と支
持孔55との位置を合わせて両支持部48の間に配置さ
れ、ピン56によって回動可能に配置されるが、本実施
例では、回転中心とブレーキ部材49との表面との距離
が最短となる様に、ピン56と芯板51とを接続するバ
ネ57が取り付けられている。
【0032】次に、本実施例のブレーキ装置41の動作
を、図3に基づいて説明する。 i)ブレーキをかける場合 ブレーキが解除されている場合には、ブレーキ部材49
はタイヤ5より所定の距離をおいて離れて配置されてい
る。
【0033】このとき、レバー部43を矢印B方向に回
動させると、その動作はリンク機構44を介してブレー
キ部45に伝わり、ブレーキ部45は矢印D方向に回動
し、ブレーキ部材49がタイヤ5に接触する。そして、
レバー部43が図示のロック位置まで操作されると、そ
の位置でブレーキ部材49は停止する。
【0034】この状態では、ブレーキ部材49はタイヤ
5を押圧しているわけではないので、車輪3は多少は回
転可能である。ところが、車輪3が例えば矢印G方向に
回転すると、その車輪3の回転にともなって、タイヤ5
と接触しているブレーキ部材49は矢印F方向に回転し
てタイヤ5に深く押圧され、それ以上の車輪3の回転が
阻止されるので、ブレーキがかけられる。逆に車輪3が
矢印H方向に回転すると、ブレーキ部材49は矢印E方
向に回転してタイヤ5に深く押圧され、それ以上の車輪
3の回転が阻止されるので、ブレーキがかけられる。
【0035】ii)ブレーキが解除される場合 ブレーキがかけられている場合に、レバー部43を矢印
A方向に回動させると、リンク機構44のロックが解除
されるとともに、ブレーキ部45は矢印C方向に回動す
る。それによって、ブレーキ部材49はタイヤ5から離
れるのでブレーキが解除されることになる。
【0036】この様に、本実施例では、実施例1と同様
に、ブレーキをかける場合には、レバー部43を操作し
てブレーキ部材49をタイヤ5に接触する様に配置する
だけでよいので、ブレーキ操作のための力が殆どいらな
いという顕著な効果を奏する。また、一旦ブレーキ部材
49をブレーキをかける所定位置に配置した後では、例
えば車輪3を回転させる大きな外力がかかった場合で
も、ブレーキが解除されることがなく極めて安全であ
る。
【0037】特に、本実施例では、円盤状のブレーキ部
材49を使用しているので、形状が単純で製造が容易で
あるにもかかわらず、タイヤ5との接触面積が広く、頑
丈で安定したブレーキ操作を行なうことができるという
利点がある。 (実施例3)次に、実施例3について説明するが、前記
実施例1と同様な部分の説明は簡略化する。尚、本実施
例では、前記実施例1,2とは反対側の車輪に用いられ
るブレーキ装置を例にとって説明する。
【0038】図5及び図6に示す様に、本実施例のブレ
ーキ装置61は、レバー部62及びリンク機構63は、
前記実施例1と同様であるが、ブレーキ部64の構造が
大きく異なり、前記実施例1で使用したのと類似の形状
の2つのブレーキ部材67,68が用いられている。
【0039】本実施例のブレーキ部64には、板状の支
柱65の下部に、支柱65から直角に張り出す板状の支
持部66が設けられ、その前方(図では右側;タイヤ
側)の左右両端の突出部分に支持孔66aが各々設けら
れている。また、ブレーキ部材67,68は、前記実施
例1とほぼ同様の略T字状の部材であるが、その両ブレ
ーキ部材67,68が、(回動中心を通る水平線と)上
下方向に対称に設けられている。
【0040】前記上方及び下方のブレーキ部材67,6
8の各々は、板状の脚部71,81に回動可能に取り付
けられており、脚部71,81も支持部66に回動可能
に取り付けられている。つまり、ブレーキ部材67,6
8の各々は、その軸支部67b,67bの取付孔67
c,68cと脚部71,81の先端側の支持孔71a,
81aにて、ピン72,82にて軸支されるとともに、
軸支部67b,68bの図示しない突起によってその回
動範囲を規制されている。また、脚部71,81の各々
は、その根元側の左右両端から突出する結合部71b,
81bの取付孔71c,81cと支持部66の支持孔6
6aにて、ピン73によって軸支されている。
【0041】更に、両ブレーキ部材67,68は、各脚
部71,81の中心部から内側に突出する規制部71
d,81d同士及びピン73を接続するバネ84によっ
て、内方向に付勢されており、その内方向の回動は、規
制部71d,81d同士が当接することによって規制さ
れている。尚、外方向に所定範囲以上の回動を規制する
ために、例えば両脚部71,81の外側に支持部66と
係止する突起を設けてもよい。
【0042】次に、本実施例のブレーキ装置61の動作
を説明する。 i)ブレーキをかける場合 ブレーキが解除されている場合には、ブレーキ部材6
7,68はタイヤ5より所定の距離をおいて離れて配置
されている。このとき、ブレーキ部材67,68は、バ
ネ84によって内方向に付勢されているので、互いの規
制部71d,81dによって規制される位置まで、その
間隔が狭くなっている。
【0043】このとき、図5に示す様に、レバー部62
を矢印B方向に回動させると、その動作はリンク機構6
3を介してブレーキ部64に伝わり、ブレーキ部64は
矢印D方向に回動し、ブレーキ部材67,68がタイヤ
5に接触し、ロックと同時に停止する。
【0044】この状態では、ブレーキ部材67,68は
タイヤ5を押圧しているわけではないので、車輪3は多
少は回転可能である。ところが、車輪3が回転すると、
その車輪3の回転にともなって、タイヤ5と接触してい
るどちらかのブレーキ部材67,68は、前記実施例1
のブレーキ部材と同様に機能して、その上部又は下部が
タイヤ5に深く押圧される。具体的には、タイヤ5が下
降すると、上方のブレーキ部材67の上部がタイヤ5を
押圧し、逆に、タイヤ5が上昇すると、下方のブレーキ
部材68の下部がタイヤを押圧する。これによって、そ
れ以上の車輪3の回転が阻止されるので、ブレーキがか
けられる。
【0045】尚、本実施例では、予めブレーキ部材6
7,68とタイヤ5に対する位置を設定することにより
(例えばリンク機構63の取付位置を前後に移動させ
る)、タイヤ5の空気圧が大きい様な場合は、ブレーキ
部材67,68はバネ84の付勢力に抗してやや開き、
逆にタイヤ5の空気圧が低い場合は、ブレーキ部材6
7,68の間隔は狭まる。
【0046】ii)ブレーキが解除される場合 ブレーキがかけられている場合に、図5に示す様に、レ
バー部62を矢印A方向に回動させると、リンク機構6
3のロックが解除されるとともに、ブレーキ部64は矢
印D方向に回動する。それによって、ブレーキ部材6
7,68はタイヤ5から離れるのでブレーキが解除され
る。
【0047】この様に、本実施例では、実施例1と同様
に、ブレーキをかける場合には、レバー部62を操作し
てブレーキ部材67,68をタイヤ5に接触する様に配
置するだけでいいので、ブレーキ操作のための力が殆ど
いらないという顕著な効果を奏する。
【0048】特に本実施例においては、タイヤ5の空気
圧が変化してブレーキ部材67,68とタイヤ5表面と
の位置が変化する様な場合や、ブレーキ装置等の取付位
置の精度に誤差等があった場合などでも、両ブレーキ部
材67,68が開閉することによって、ブレーキ部材6
7,68をタイヤ5表面に接触させることができるの
で、空気圧の変化や取付位置に誤差がある場合に好適に
対処できるという顕著な効果を奏する。
【0049】尚、本発明は前記実施例になんら限定され
るものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲におい
て種々の態様で実施しうることはいうまでもない。例え
ば、前記リンク機構は、前記実施例のリンク機構に限ら
ず、レバー部にてブレーキ部をタイヤ方向に移動させる
各種のものを採用できる。
【0050】また、前記ブレーキ部材の回動を範囲を設
定する構成は、前記軸支部に設けた突起でもよいが、逆
に支持部に突起を設けてもよく、回動の範囲を設定でき
れば、特に限定はない。更に、各実施例において使用し
たブレーキ部材を他の実施例に採用することができ、そ
のブレーキ部材も1つ又は2つを使用することができ
る。
【0051】このブレーキ部材としては、総てアルミニ
ウム等の金属で形成してもよく、或は総てプラスチック
等の材料で形成してもよい。また、ブレーキ部材のタイ
ヤと接触する表面に、ゴムやプラスチック等を張り付け
てもよい。更に、それらを適宜組み合わせたものを使用
してよい。
【0052】また、実施例1〜3に使用するブレーキ部
材の形状としては、例えば、図7(a)に示す様に、ブ
レーキ部材の表面側に波状等の凹凸や切欠などを設けて
もよい。更に、図7(b)に示す様に、タイヤの(水平
方向の)横断面形状に合わせて、左右方向の中央部が凹
状に形成されていてもよい。また、図7(c)に示す様
に、タイヤの(垂直方向の)縦断面形状に沿う様に、上
下方向の中央部が凹状に形成されていてもよい。
【0053】特に、実施例1〜3に使用するブレーキ部
材として、図7(d)に示す様に、(中央部及びその両
端の)3箇所に突起を有する例えば山形状のブレーキ部
材を使用すると、車輪3の僅かな回転でブレーキがかけ
られるので、車椅子を特定場所に正確に固定する場合に
は、極めて有効である。
【0054】また、前記実施例3の様に、2つのブレー
キ部材の開度が変更可能な他の例としては、例えば図7
(e)に示す様に、(外側に曲がる形状で)略くの字状
の一対のブレーキ部材110,111を、ピン112に
て回動可能に軸支して使用することができる。この場合
には、両ブレーキ部材110,111の間隔を狭める方
向に付勢するバネ113と、両ブレーキ部材110,1
11の間隔が狭くなり過ぎることを防ぐ規制部110
a,111aを設けておくことが望ましい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1のブレーキ装置を示す説明図であ
る。
【図2】 実施例1のブレーキ装置を分解して示す斜視
図である。
【図3】 実施例2のブレーキ装置を示す説明図であ
る。
【図4】 実施例2のブレーキ装置の要部を分解して示
す斜視図である。
【図5】 実施例3のブレーキ装置を示す説明図であ
る。
【図6】 実施例3のブレーキ装置の要部を分解して示
す斜視図である。
【図7】 他のブレーキ部材を示す斜視図である。
【図8】 従来技術を示し、(a)はブレーキ装置を備
えた車椅子を示す斜視図、(b)はブレーキ装置のリン
ク機構を示す説明図である。
【符号の説明】
1,41,61…ブレーキ装置 3…車輪 5…タイヤ 7,43,62…レバー部 9,45,64…ブレーキ部 11,44,63…リンク機構 31,49,67,68…ブレーキ部材

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両の車輪のタイヤに対し、手動にて操
    作されるブレーキ部材を用いることによって、車両を停
    止状態に保つブレーキ装置において、 前記ブレーキ部材が、前記タイヤの表面に接触可能に配
    置され、且つ回転の軸中心が偏心したカムであることを
    特徴とする車椅子等の人力で駆動される車両用のブレー
    キ装置。
  2. 【請求項2】 前記ブレーキ部材を、上下位置に少なく
    とも1組備えるとともに、対応する1対のブレーキ部材
    同士の間隔を変更可能としたことを特徴とする前記請求
    項1記載の車椅子等の人力で駆動される車両用のブレー
    キ装置。
JP6293116A 1994-11-28 1994-11-28 車椅子等の人力で駆動される車両用のブレーキ装置 Pending JPH08150938A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6293116A JPH08150938A (ja) 1994-11-28 1994-11-28 車椅子等の人力で駆動される車両用のブレーキ装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6293116A JPH08150938A (ja) 1994-11-28 1994-11-28 車椅子等の人力で駆動される車両用のブレーキ装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08150938A true JPH08150938A (ja) 1996-06-11

Family

ID=17790641

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6293116A Pending JPH08150938A (ja) 1994-11-28 1994-11-28 車椅子等の人力で駆動される車両用のブレーキ装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08150938A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH0155020B2 (ja)
JPH08150938A (ja) 車椅子等の人力で駆動される車両用のブレーキ装置
JPH0226495Y2 (ja)
JPH07227408A (ja) ブレーキ装置
JPH0345705Y2 (ja)
JPS6242831Y2 (ja)
JP2001270445A (ja) 運搬車
JPH0468174B2 (ja)
JPS6211258Y2 (ja)
JPH08207504A (ja) キャスタのロック装置
KR200293229Y1 (ko) 헤드레스트의 틸팅장치
JP4213992B2 (ja) 車いす用ハンドブレーキ操作装置
JPH0217108Y2 (ja)
JPH067970Y2 (ja) シートバックロック機構
JP2893273B2 (ja) ランバーサポート装置の操作装置
JPS6326253Y2 (ja)
JP3494844B2 (ja) シフトレバー装置
JPH0534440Y2 (ja)
JPH07194462A (ja) 車両用シートのアームレスト取付構造
JP3100995U (ja) 貨物車両用荷台側板の固定装置
JPH0221969Y2 (ja)
JPH0139630Y2 (ja)
JPH0439717Y2 (ja)
JPH09299411A (ja) 車椅子のブレーキ装置
JP2579836Y2 (ja) 車椅子の固定装置