JPH08141252A - ミシンの布押え - Google Patents

ミシンの布押え

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JPH08141252A
JPH08141252A JP28570594A JP28570594A JPH08141252A JP H08141252 A JPH08141252 A JP H08141252A JP 28570594 A JP28570594 A JP 28570594A JP 28570594 A JP28570594 A JP 28570594A JP H08141252 A JPH08141252 A JP H08141252A
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JP
Japan
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presser
needle
cloth
sewing machine
presser foot
Prior art date
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Application number
JP28570594A
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English (en)
Inventor
Shiro Ebihara
史朗 蛯原
Masao Ogawa
雅夫 小川
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Brother Industries Ltd
Original Assignee
Brother Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 縫製の際の針折れや目とびを防止すると共
に、布をスムーズに送る。 【構成】 押え腕18には、布送り方向に並べられた2
枚の押え足22,24が回動可能に取り付けられてい
る。押え腕18と後ろの押え足22との間には、ねじり
コイルバネ30が懸架されている。押え腕18と押えホ
ルダ12との間には、ねじりコイルバネ28が懸架され
ている。布押え4は押えホルダ12部分で押え棒3に固
定される。その押え棒3の後方には、引張り棒5が上軸
によって上下動するように配置されている。引張り棒5
の下端と押え腕18の後端部との間には、引張りコイル
バネ32が懸架されている。そして、縫製の際に針の上
下動と同期して引張り棒5が上下動して、針が針板に対
して上方から下方に移動するときに、前の押え足24が
ベッド部に接近するように回動する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ミシンのベッド面に対
して略垂直に圧力を加える押え棒に取り付けられたミシ
ンの布押えに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、ミシンの布押えとしては、ベッド
面に対して略垂直に圧力を加える押え棒と、その押え棒
に対しピンによりベッド面に対して略垂直方向に回動可
能に軸支された押え足等から構成されたものが知られて
いた。このような布押えでは加工布の段部が送られてき
た時、押え足が段部を乗り越えるためには、押え足がピ
ンを中心に前上がり方向に回動する必要があり、押え棒
はその回動に必要な量だけ上昇する必要があった。この
とき、押え足は段部を上りきれないことが多く、段部の
縫製をスムーズに行うことは困難であった。
【0003】かかる欠点を解決すべく開発された布押え
として、押え棒に対しピンによりベッド面に対して略垂
直方向に回動可能な押え腕が取り付けられ、その押え腕
に前部押え足及び後部押え足が回動可能に軸支されたミ
シンの布押えも知られていた。このミシンの布押えを用
いて段部を縫製する場合、前部押え足と後部押え足の少
なくとも一方が加工布の段部又は平坦部と密着して押圧
するため、送り歯と協働して段部を比較的スムーズに送
ることができた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ジーン
ズ等の厚手の布の段部のように段部が高い場合には、か
かる二枚の押え足を備えた布押えを用いたとしても、針
が布に刺さった瞬間に布が押え足に対してずれて針が曲
がったり折れたりすることがあった。
【0005】また、縫目は、針が布に刺さり最下点に達
した後僅かに上昇する際にできる上糸のループをカマの
剣先が捉えることにより形成されるのであるが、この
際、布の押圧力が十分でないと、針が上昇する際に針と
共に布までも持ち上がってしまうため、上糸のループが
できず、従って縫目が形成されず、目飛びが生じること
ことがあった。
【0006】更に、段部において、前部押え足が段部に
完全に上ったとき、後部押え足は前上がり状態となっ
て、後部押え足と布の段部と布の平坦部により三角形の
隙間が生じるが、このとき、前部押え足の押圧力は十分
でないため、布は前上がり状態の後部押え足により布送
り方向とは逆方向に押し戻され、結果として布送りがで
きなかった。この際、針が刺さっていれば、針によって
布はその位置で固定されているため、段部が押し戻され
るおそれは小さいが、針が抜けた後は、針による支えが
ないため、段部が押し戻されるおそれが高かった。
【0007】本発明は上記課題に鑑みなされたものであ
り、縫製の際に針折れや目飛びが発生せず、布送りをス
ムーズに行うことのできるミシンの布押えを提供するこ
とを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、請求項1記載のミシンの布押えは、ミシンのベッド
面に対して略垂直に圧力を加える押え棒に取り付けられ
たミシンの布押えであって、前記押え棒に取り付けら
れ、前記略垂直方向に回動可能な押え腕と、前記押え腕
の回動中心より後側にて該押え腕に取り付けられ、前記
略垂直方向に回動可能な後部押え足と、貫通する針穴を
有し、前記押え腕の回動中心より前側にて該押え腕に取
り付けられ、前記略垂直方向に回動可能な前部押え足
と、前記針穴を通過する針の動作に調時して、前記押え
腕の前端が前記ベッド面に接近する方向に回動する力を
付与する回動力付与手段とを備えたものである。
【0009】また、請求項2記載のミシンの布押えは、
請求項1記載のミシンの布押えであって、前記回動力付
与手段は、前記針の先端が前記ベッド面に設けた針板に
対して上方から下方に移動するときに、前記押え腕の前
端が前記ベッド面に接近する方向に回動する力を付与す
るものである。
【0010】更に、請求項3記載のミシンの布押えは、
請求項1又は請求項2記載のミシンの布押えであって、
前記回動力付与手段は、前記針の先端が前記ベッド面に
設けた針板に対して下方であって最下点から上方に移動
するとき、前記押え腕の前端が前記ベッド面に接近する
方向に回動する力を付与するものである。
【0011】そして、請求項4記載のミシンの布押え
は、請求項1又は請求項2記載のミシンの布押えであっ
て、前記回動力付与手段は、前記針の先端が前記ベッド
面に設けた針板よりも下方に位置している間、前記押え
腕の前端が前記ベッド面に接近する方向に回動する力を
付与するものである。
【0012】また、請求項5記載のミシンの布押えは、
請求項1〜4のいずれか記載のミシンの布押えであっ
て、前記回動力付与手段は、前記針の先端が前記ベッド
面に設けた針板よりも上方に位置している間であって、
かつ、前記針の上下動に対応して前記針板の上方にて布
送り方向に移動し前記針板の下方にて反布送り方向に移
動する送り歯が前記針板よりも下方に位置する間、前記
押え腕の前端が前記ベッド面に接近する方向に回動する
力を付与するものである。
【0013】更に、請求項6記載のミシンの布押えは、
請求項1記載のミシンの布押えであって、前記回動力付
与手段は、前記針の上下動に対応して前記ベッド面に設
けた針板よりも上方にて布送り方向に移動し前記針板の
下方にて反布送り方向に移動する送り歯が前記針板より
も下方に位置する間、前記押え腕の前端が前記ベッド面
に接近する方向に回動する回動力を付与するものであ
る。
【0014】
【作用】上記構成を備えた請求項1記載のミシンの布押
えでは、前部押え足及び後部押え足は、ミシンのベッド
面に対して略垂直に圧力を加える押え棒により、所定の
布押圧力を付与されている。ここで、回動力付与手段
は、ベッド面に設けた針板に対して上下動を行うミシン
の針の動作に調時して、押え腕の前部がベッド面に接近
する方向に回動する力を付与する。
【0015】かかる回動力が押え腕に付与されると、前
部押え足は、押え腕の回動中心より前側にてベッド面に
対して略垂直方向に回動可能となるように押え腕に取り
付けられているため、布押圧力が高められることにな
る。即ち、回動力付与手段は、前部押え足の布押圧力を
針の動作に基づいて変化させることになる。
【0016】また、請求項2記載のミシンの布押えで
は、請求項1記載のミシンの布押えの作用に加えて、回
動力付与手段は、針の先端がベッド面に設けた針板に対
して上方から下方に移動するときに、押え腕の前端がベ
ッド面に接近する方向に回動する力を付与し、前部布押
え足の布押圧力を高くする。
【0017】更に、請求項3記載のミシンの布押えは、
請求項1又は請求項2記載のミシンの布押えの作用に加
えて、回動力付与手段は、針の先端がベッド面に設けた
針板に対して下方であって最下点から上方に移動すると
き、即ち針が上糸のループを形成するとき、押え腕の前
端がベッド面に接近する方向に回動する力を付与し、前
部布押え足の布押圧力を高くする。
【0018】そして、請求項4記載のミシンの布押え
は、請求項1又は請求項2記載のミシンの布押えの作用
に加えて、回動力付与手段は、針の先端がベッド面に設
けた針板よりも下方に位置している間、押え腕の前端が
ベッド面に接近する方向に回動する力を付与し、前部押
え足の布押圧力を高くする。尚、針の先端がベッド面に
設けた針板よりも下方に位置している間には、針の先端
がベッド面に設けた針板に対して下方であって最下点か
ら上方に移動するときが含まれる。
【0019】また、請求項5記載のミシンの布押えは、
請求項1〜4のいずれか記載のミシンの布押えの作用に
加えて、回動力付与手段は、針の先端が針板よりも上方
に位置し、かつ、送り歯が針板よりも下方に位置する
間、押え腕の前端がベッド面に接近する方向に回動する
力を付与し、前部布押え足の布押圧力を高くする。例え
ば、段縫いを行う場合において、前部押え足が段部に載
置し、後部押え足が段部に上りかけて前上がりの状態と
なったとき、布に針が刺さっておらず、かつ、送り歯が
針板よりも下方に位置する期間は、前部押え足の布押圧
力が弱く、段部は前上がり状態の後部押え足により押し
戻されることが多いため、この期間は前部布押え足の布
押圧力を高くするのが好ましい。
【0020】更に、請求項6記載のミシンの布押えは、
請求項1又は請求項2記載のミシンの布押えの作用に加
えて、回動力付与手段は、送り歯が針板よりも下方に位
置する期間、押え腕の前端がベッド面に接近する方向に
回動する回動力を付与し、前部布押え足の布押圧力を高
くする。尚、送り歯は、針の上下動に対応して前後・上
下に移動するものである。また、送り歯が針板よりも下
方に位置する期間には、針が針板の下方に位置する期間
の他、針の先端が針板よりも上方に位置し、かつ、送り
歯が針板よりも下方に位置する期間が含まれる。
【0021】
【実施例】以下、本発明を具体化した一実施例を図面を
参照して説明する。図1は本発明のミシンの布押えを適
用した家庭用ミシンの左側面図、図2は布押えの斜視
図、図3は布押えの説明図であり、図3(a)は平面
図、図3(b)は左側面図である。
【0022】本実施例の家庭用ミシン1は、図1に示す
ように、針棒2、押え棒3、布押え4、引張り棒5、送
り歯8等から構成されている。針棒2は、ミシンの頭部
1aにおいて図示しないミシンの主軸とリンク機構を介
して上下動可能に支持されると共に、公知の針揺動機構
により布送り方向に対して略直交する方向に揺動可能で
ある。
【0023】押え棒3は、ミシンの頭部1aにおいて図
示しない圧縮バネにより下方へ押圧されている。この押
え棒3の下端には、布押え4が取り付けられているが、
この詳細な構造については後述する。また、押え棒3の
後方には、ミシンの頭部1aにおいてミシンの主軸にカ
ムを介して連結された引張り棒5が設けられている。
【0024】送り歯8は、図示しない送り機構によりミ
シンの主軸と同期して略平行四辺形の軌跡を描いて運動
する周知のものであり、針板の上方では布送り方向に移
動し、針板の下方では反布送り方向に移動するものであ
る。次に、布押え4の詳細について図2及び図3に基づ
いて説明する。
【0025】布押え4は、押えホルダ12、押え腕1
8、後部押え足22、前部押え足24及び引張り棒5等
から構成されている。押えホルダ12は、図2に示すよ
うに、押え棒3の下端にて締めネジ14により取り外し
可能に固定されている。
【0026】押え腕18は、押えホルダ12の下端に設
けた段ピン16(回動中心)によりベッド面10(図1
参照)に対して略垂直方向に回動可能となるように軸支
されている。この押え腕18は、押えホルダ12に周回
された周回部18a、この周回部18aから左右に略直
角に曲げられた屈曲部18b,18b、この屈曲部18
b,18bから前方向に曲げられ延出された延出部18
c,18cから構成される。段ピン16には、ねじりコ
イルバネ28が押えホルダ12の前面と押え腕18の一
方の屈曲部18bの上面との間に懸架されている。この
ねじりコイルバネ28は、押え腕18の前部がベッド面
10(図1参照)に接近するように、押え腕18を付勢
している。
【0027】後部押え足22は、押え腕18の周回部1
8aに設けた段ピン(回動中心)20によりベッド面1
0(図1参照)に対して略垂直方向に回動可能となるよ
うに軸支されている。この後部押え足22には、図3
(b)に示すように、前端に前上がりの傾斜部22aが
形成され、後端に後上がりの傾斜部22bが形成され、
中央に加工布を押圧する平坦部22cが形成されてい
る。尚、段ピン20は押え腕18の周回部18aにおい
て段ピン16よりも後方に設けられている。
【0028】段ピン20には、ねじりコイルバネ30が
押え腕18の周回部18aの上面と後部押え足22の平
坦部22cの上面との間に懸架されるように支持されて
いる。このねじりコイルバネ30は、後部押え足22の
傾斜部22aがベッド面10(図1参照)に接近するよ
うに、後部押え足22を付勢している。
【0029】前部押え足24は、押え腕18の延出部1
8cに設けた支持部(回動中心)38によりベッド面1
0(図1参照)に対して略垂直方向に回動可能に軸支さ
れている。この前部押え足24には、図3(b)に示す
ように、前端に前上がりの傾斜部24aが形成され、前
部押え足24の後端に後部押え足22の前上がりの傾斜
部22aと略一致する切断面24bが形成され、中央に
加工布を押圧する平坦部24cが形成されている。尚、
支持部38は押え腕18において段ピン16よりも前方
に設けられている。また、支持部38と段ピン20との
距離は段ピン16と段ピン20との距離よりも十分長く
設定されている。
【0030】図3(b)に示すように、前部押え足24
の後端に設けた切断面24bと後部押え足22の前上が
りの傾斜部22aとは係合可能に配置されている。即
ち、前部押え足24の傾斜部24aがベッド面10(図
1参照)に接近する方向に回動したとき、前部押え足2
4の切断面24bが後部押え足22の傾斜部22aと係
合して後部押え足の傾斜部22aがベッド面10から離
れる方向へはね上げる。一方、前部押え足24の傾斜部
24aがベッド面10から離れる方向に回動したとき、
両者は係合しない。
【0031】前部押え足24の平坦部24cには、3つ
の針穴26が形成され、針棒2が上下動すると、針棒2
の下端に設けられた針2aはいずれかの針穴26内に落
ちるように構成されている。本発明の特徴の1つである
引張り棒(回動力付与手段)5は、押え棒3の後方に
て、ミシンの頭部1aから下方に延出されている。この
引張り棒5の下端5aと押え腕18の周回部18aとの
間には、引張りコイルバネ32が架設されている。この
引張り棒5が上方に持ち上げられると、押え腕18の前
部はベッド面10(図1参照)に接近する方向に回動す
る。
【0032】図4は引張り棒5を上下動させる構成を表
す概略説明図であり、図5はカムの正面図である。図4
に示すように、引張り棒5の中央付近には、この引張り
棒5を上下動可能に支持するコ字状の押え棒だき50が
締めネジ52によって締め付け固定されている。このコ
字状の押え棒だき50の上段側には、連結リンク54の
下端が段かしめ軸56にて揺動可能に支持されている。
段かしめ軸56の頭部には、図示しないバネ掛け溝が設
けられ、引張りバネ60の上端フックが掛けられてい
る。この引張りバネ60は、引張り棒5を常に前記固定
押え棒20に対し平行となるように維持するものであ
る。
【0033】図示しないミシンの主軸にはカム62が固
着されている。このカム62は、円板形状をなし、その
板面に図5に示すカム溝62aを有している。また、支
軸64は、図示しないミシンの主軸と平行に支承されて
いる。この支軸64には、カムフォロア68及び揺動リ
ンク74が締め付け固定されている。カムフォロア68
の一端には、カム62のカム溝62aに係合するピン7
2が固定されている。揺動リンク74の揺動先端には、
連結リンク78が段ネジ80の段部にて回動可能に支持
され、連結リンク78の他端には、L字リンク31の一
端が回動可能に支持されている。
【0034】このL字リンク31は、押え棒3を上下動
可能に支持するコ字状の押え棒だき28の上段部に設け
た段ネジ34にて、揺動可能に支持されている。また、
L字リンク31の他端にはカシメジク58が設けられ、
このカシメジク58の段部には、前述の連結リンク54
の上端が回動可能に支持されている。
【0035】従って、カム62が図示しないミシンの主
軸の回転に伴って回転すると、支軸64はピン72がカ
ム溝62aの形状に沿って移動するのに追従して自己の
軸心を中心として回転する。これに伴い、揺動リンク7
4が支軸64を中心として揺動し、連結リンク78、L
字リンク31を介して引張り棒5が上下動する。尚、カ
ムフォロア68のピン72の位置がカム62の中心から
遠くなる程、引張り棒5は上方へ引っ張られる。
【0036】上記のように構成された布押え4の動作に
ついて、図6のタイミングチャートに基づいて説明す
る。図6(a)はミシンの主軸の回転角(0〜360
゜)に対する針2aの上下位置を表すチャートであり、
図6(b)は針2aの上下位置に対する送り歯8の前後
位置(水平送り)及び上下位置(上下送り)を表すチャ
ートであり、図6(c)は針2aの上下位置及び送り歯
8の前後・上下位置に対する引張り棒5の上下位置を表
すチャートである。
【0037】本実施例では、カム溝62aを図5に示す
形状に形成したことにより、引張り棒5は以下のタイミ
ングにより上下動される。引張り棒5と針2aとの関係
については、針2aがベッド面10(図1参照)に設け
た針板(図6参照)の上方から下方に移動するときか
ら、その後針板の下方から上方に移動して暫時経過する
まで、引張り棒5は上昇している。即ち、針2aが針板
の上方から下方に移動する時点P、針2aが最下点から
僅かに上昇する時点Qにおいては、引張り棒5は上昇
し、これにより押え腕18は該押え腕18の前部がベッ
ド面10(図1参照)に接近する方向に回動する力を受
け、前部押え足24の布押圧力が高められる。
【0038】具体的には、針2aが針板の上方から下方
に移動する時点Pにおいて、加工布が前部押え足24に
対してずれると、針2aが曲がったり折れたりするおそ
れがあるため、本実施例では、このときに前部押え足2
4の布押圧力を高くして加工布がずれるのを防止してい
る。特に、図7(a)に示すように、段部41の際(キ
ワ)に後部押え足22が昇りかかった時には、加工布4
0が前部押え足24に対してずれる傾向が強いため、前
部押え足24の布押圧力を高くする必要性が高い。
【0039】また、針2aが最下点に達した後僅かに上
昇する時点Qにおいて、上糸のループをカマの剣先が捉
えることにより形成されるのであるが、この際、前部押
え足24による布押圧力が十分でないと、針2aが上昇
するのに伴って加工布までも持ち上がってしまい、上糸
のループができず、従って縫目が形成されず、目飛びが
生じるおそれがある。このため、本実施例では、このと
きに前部押え足24の布押圧力を高くして加工布が前部
押え足24に対してずれるのを防止している。
【0040】更に、針2aが加工布に刺さっている期間
(針2aが針板より下方に位置する期間)において加工
布が前部押え足24に対してずれると、針2aが曲がっ
たり折れたりするおそれがあるため、本実施例では針2
aが針板よりも下方に位置している間は前部押え足24
の布押圧力を高くして、かかる針折れ等を防止してい
る。図7(b)で前部押え足24の布押圧力を高くする
必要性が高い。
【0041】次に、引張り棒5と送り歯8との関係につ
いては、送り歯8がフロント位置からリア位置に移動し
た時点Rから、その後リア位置からフロント位置に移動
を開始する時点Sまで、引張り棒5は上昇し、これによ
り押え腕18は該押え腕18の前部がベッド面10(図
1参照)に接近する方向に回動する力を受け、前部押え
足24の布押圧力を高めている。特に、送り歯8が針板
より下方に位置している期間Tでは、引張り棒5は上昇
位置に配置され、前部押え足24は布押圧力の高い状態
で維持されている。
【0042】具体的には、送り歯8が布送りを行う期
間、即ち送り歯8がフロント位置からリア位置に移動す
る期間であって針板上方に位置している期間は、前部押
え足24の押圧力は布送りに支障のない程度にする必要
があるため、引張り棒5は下降位置に配置される。一
方、送り歯8が布送りを行わない期間、即ち図6(b)
の点R〜点Sの期間は、前部押え足24に対する布40
のずれを防止する必要があるため、引張り棒5は上昇さ
れる。
【0043】このミシン1により段縫いを行う場合、図
7(a)に示すように、前部押え足24が布40の段部
41に完全に上り、後部押え足22は前上がり状態とな
って後部押え足22と布40の段部41と布40の平坦
部42により三角形の隙間が生じたとき、前部押え足2
4の押圧力が十分でないと、布40は前上がり状態の後
部押え足22により反布送り方向に押し戻され、結果と
して布送りができなくなる。特に、針2aが布40から
抜けて針板の上方に位置し、且つ、送り歯8が針板の下
方に位置するとき(図6(a)の期間U)、段部41が
反布送り方向に押し戻され易いため、本実施例では、こ
のときに前部押え足24の布押圧力を高くして、段部4
1が押し戻されることを防止している。
【0044】尚、本発明は上記実施例に何ら限定される
ことなく、本発明の技術的範囲を逸脱しない限り、種々
の態様で実施できることはいうまでもない。例えば、上
記実施例では、ミシンの主軸の回転に同期して引張り棒
5を上下動することにより前部押え足24の布押圧力を
調整したが、これ以外に、例えば、図8に示すように、
主軸角度検出センサ、マイコン、駆動回路及び引張り棒
を上下動させるソレノイド(アクチュエータ)等により
構成してもよい。
【0045】この場合、マイコンは図9に示すフローチ
ャートに従って処理を実行する。即ち、送り歯8が針板
下方にあるか否かを主軸角度検出センサの出力信号によ
り判断し(S101)、送り歯8が針板下方になければ
(S101でNO)、再びS101を繰り返す。一方、
送り歯8が針板下方にあれば(S101でYES)、駆
動回路をオンし、ソレノイドにより引張り棒5を引き上
げる(S102)。その後、送り歯8が針板上方にある
か否かを同じく主軸角度検出センサの出力信号により判
断し(S103)、送り歯が針板上方になければ(S1
03でNO)、再びS103を繰り返す。一方、送り歯
8が針板上方にあれば(S103でYES)、駆動回路
をオフし、ソレノイドにより引張り棒5を引き下げ(S
104)、その後再びS101以下の処理を繰り返す。
このようにして、図6のタイミングチャートに従って前
部押え足24の布押圧力を調整することができる。従っ
て、上記実施例と同様の効果を得ることができる。
【0046】また、上記実施例では、送り歯8が針板下
方に位置している間は引張り棒5を引き上げて前部押え
足24の布押圧力を高めたが、例えば、針2aが針板の
上方から下方に移動する時、針2aが最下点から僅かに
上昇する時、及び針2aが針板の上方にあって且つ送り
歯8が針板の下方にある時、のいずれか一つ又は二つ以
上のタイミングにおいて引張り棒5を引き上げてもよ
い。
【0047】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1記載のミ
シンの布押えによれば、針の動作に調時して前部布押え
足の布押圧力を調整するため、縫製の際に針折れや目飛
びが発生せず、また段縫いにおける布送りをスムーズに
行うことができるという効果が得られる。
【0048】また、請求項2記載のミシンの布押えによ
れば、請求項1記載のミシンの布押えの効果に加えて、
針の先端が加工布に刺さる時に前部押え足に対して加工
布がずれるのを防止するため、針が曲がったり折れたり
することを防止できるという効果が得られる。特に、段
縫いにおいて段部の際(キワ)を縫製する場合、加工布
がずれる傾向が強いため、この効果は顕著に発揮され
る。
【0049】更に、請求項3記載のミシンの布押えによ
れば、請求項1又は請求項2記載のミシンの布押えの効
果に加えて、上糸のループを確実に形成させることがで
きるため、目飛びが発生するおそれがないという効果が
得られる。そして、請求項4記載のミシンの布押えによ
れば、請求項1又は請求項2記載のミシンの布押えの効
果に加えて、針が加工布に刺さっている間、前部押え足
の布押圧力を高くするため、上糸のループを確実に形成
させて目飛びの発生を防止すると共に、前部押え足に対
して加工布がずれるのを防止し、針が曲がったり折れた
りすることを防止できるという効果が得られる。
【0050】また、請求項5記載のミシンの布押えによ
れば、請求項1〜4のいずれか記載のミシンの布押えの
効果に加えて、特に、段縫いを行う場合において、前部
押え足が段部に載置し、後部押え足が段部に上りかけて
前上がりの状態となったときでも、段部が反布送り方向
に押し戻されることがなく、スムーズに布送りを行うこ
とができるという効果が得られる。
【0051】更に、請求項6記載のミシンの布押えによ
れば、請求項1〜5記載のミシンの布押えの効果を得る
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 家庭用ミシンの左側面図である。
【図2】 家庭用ミシンの布押えの斜視図である。
【図3】 家庭用ミシンの布押えの説明図であり、
(a)は平面図、(b)は左側面図である。
【図4】 引張り棒を上下動させる構成を表す概略説明
図である。
【図5】 カムの正面図である。
【図6】 引張り棒を上下動させるためのタイミングチ
ャートであり、(a)は針の上下位置を表すチャート、
(b)は送り歯の前後・上下位置を表すチャート、
(c)は引張り棒の上下位置を表すチャートである。
【図7】 段縫いの説明図であり、(a)は前部押え足
が段部に上り、後部押え足が段部に差し掛かったときの
説明図であり、(b)は前部押え足が段部から下るとき
の説明図である。
【図8】 他の実施例の概略構成図である。
【図9】 他の実施例のフローチャートである。
【符号の説明】
1・・・家庭用ミシン、 2・・・針棒、2a
・・・針、 3・・・押え棒、4・・
・布押え、 5・・・引張り棒、8・・
・送り歯、 10・・・ベッド面、16
・・・段ピン、 18・・・押え腕、20
・・・段ピン、 22・・・後部押え足、
24・・・前部押え足、 31・・・L字リン
ク、32・・・引張りコイルバネ、 40・・・布、
41・・・段部、 54・・・連結リン
ク、62・・・カム、 62a・・・カ
ム溝、68・・・カムフォロア、 74・・・揺
動リンク、78・・・連結リンク、

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ミシンのベッド面に対して略垂直に圧力
    を加える押え棒に取り付けられたミシンの布押えにおい
    て、 前記押え棒に取り付けられ、前記略垂直方向に回動可能
    な押え腕と、 前記押え腕の回動中心より後側にて該押え腕に取り付け
    られ、前記略垂直方向に回動可能な後部押え足と、 貫通する針穴を有し、前記押え腕の回動中心より前側に
    て該押え腕に取り付けられ、前記略垂直方向に回動可能
    な前部押え足と、 前記針穴を通過する針の動作に調時して、前記押え腕の
    前端が前記ベッド面に接近する方向に回動する力を付与
    する回動力付与手段とを備えたことを特徴とするミシン
    の布押え。
  2. 【請求項2】 前記回動力付与手段は、前記針の先端が
    前記ベッド面に設けた針板に対して上方から下方に移動
    するときに、前記押え腕の前端が前記ベッド面に接近す
    る方向に回動する力を付与することを特徴とする請求項
    1記載のミシンの布押え。
  3. 【請求項3】 前記回動力付与手段は、前記針の先端が
    前記ベッド面に設けた針板に対して下方であって最下点
    から上方に移動するとき、前記押え腕の前端が前記ベッ
    ド面に接近する方向に回動する力を付与することを特徴
    とする請求項1又は請求項2記載のミシンの布押え。
  4. 【請求項4】 前記回動力付与手段は、前記針の先端が
    前記ベッド面に設けた針板よりも下方に位置している
    間、前記押え腕の前端が前記ベッド面に接近する方向に
    回動する力を付与することを特徴とする請求項1又は請
    求項2記載のミシンの布押え。
  5. 【請求項5】 前記回動力付与手段は、前記針の先端が
    前記ベッド面に設けた針板よりも上方に位置している間
    であって、かつ、前記針の上下動に対応して前記針板の
    上方にて布送り方向に移動し前記針板の下方にて反布送
    り方向に移動する送り歯が前記針板よりも下方に位置す
    る間、前記押え腕の前端が前記ベッド面に接近する方向
    に回動する力を付与することを特徴とする請求項1〜請
    求項4のいずれか記載のミシンの布押え。
  6. 【請求項6】 前記回動力付与手段は、前記針の上下動
    に対応して前記ベッド面に設けた針板よりも上方にて布
    送り方向に移動し前記針板の下方にて反布送り方向に移
    動する送り歯が前記針板よりも下方に位置する間、前記
    押え腕の前端が前記ベッド面に接近する方向に回動する
    回動力を付与することを特徴とする請求項1又は請求項
    2記載のミシンの布押え。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN1128257C (zh) * 1999-10-21 2003-11-19 大和缝纫机制造株式会社 双线锁缝缝纫机
CN108004684A (zh) * 2017-12-20 2018-05-08 杰克缝纫机股份有限公司 两级压脚装置及缝纫机
CN112301566A (zh) * 2019-07-26 2021-02-02 黄植滨 一种平车超薄拖平滚轮机

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