JPH08139606A - 信号処理回路 - Google Patents
信号処理回路Info
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- JPH08139606A JPH08139606A JP23598294A JP23598294A JPH08139606A JP H08139606 A JPH08139606 A JP H08139606A JP 23598294 A JP23598294 A JP 23598294A JP 23598294 A JP23598294 A JP 23598294A JP H08139606 A JPH08139606 A JP H08139606A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 A/D変換前あるいはD/A変換後に通過さ
れるローパスフィルタの群遅延特性が平坦でないことに
よる不具合を解消する。 【構成】 アナログ信号はLPF1を通過した後、A/
D変換器2によりデジタル信号に変換されDSP3によ
り信号処理される。処理後のデジタル信号はDAPF6
を通過し、D/A変換器4によりD/Aされた後、LP
F5を通過する。このとき、LPF1、5の群遅延特性
が平坦でないことにより出力アナログ信号の波形が乱れ
ることが、両LPFの遅延特性と逆の群遅延特性を有す
るDAPF6により補正される。
れるローパスフィルタの群遅延特性が平坦でないことに
よる不具合を解消する。 【構成】 アナログ信号はLPF1を通過した後、A/
D変換器2によりデジタル信号に変換されDSP3によ
り信号処理される。処理後のデジタル信号はDAPF6
を通過し、D/A変換器4によりD/Aされた後、LP
F5を通過する。このとき、LPF1、5の群遅延特性
が平坦でないことにより出力アナログ信号の波形が乱れ
ることが、両LPFの遅延特性と逆の群遅延特性を有す
るDAPF6により補正される。
Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【0001】
【0002】
【産業上の利用分野】本発明は、デジタル信号を信号処
理する信号処理回路に関するものである。 【0003】 【0002】 【0004】 【従来の技術】デジタル信号処理の分野では、デジタル
信号を信号処理した後、処理した結果のデジタル信号を
D/A変換してアナログ信号を出力したり、アナログ信
号をA/D変換してデジタル信号を得、これを信号処理
した後、処理した結果のデジタル信号をD/A変換して
アナログ信号を出力したりすることが必要になることが
ある。 【0005】 【0003】上述の両方を行うこの種の回路として図7
に示すものがあった。図において、1は入力端INに入
力されるアナログ信号中のサンプリング周波数fsの2
分の1の周波数以上の高域成分をカットするアナログロ
ーパスフィルタ(LPF)、2はLPF1を通過したア
ナログ信号をデジタル信号に変換するアナログ/デジタ
ル(A/D)変換器、3はA/D変換器2からのデジタ
ル信号を信号処理するデジタル信号処理回路(DS
P)、4はDSP3で処理された後のデジタル信号をア
ナログ信号に変換するD/A変換器、5はD/A変換器
4からのアナログ信号中の基本周波数成分のみを取り出
すアナログローパスフィルタ(LPF)であり、LPF
5の出力に得られる信号処理後の信号が出力端OUTか
ら出力される。 【0006】 【0004】以上の構成において、入力端INに入力さ
れるアナログ信号は折り返し歪を除くためLPF1によ
って高域成分がカットされた後、A/D変換器2によっ
てデジタル信号に変換される。デジタル信号処理回路3
はA/D変換器2からのデジタル信号を入力し、各種の
デジタル処理を行う。デジタル信号処理後のデジタル信
号はD/A変換器4によりアナログ信号に戻される。そ
して、LPF5がD/A変換器4の出力信号中から基本
周波数成分のみを取り出し、出力端OUTからアナログ
信号として出力する。 【0007】 【0005】 【0008】 【発明が解決しようとする課題】ところで、上記LPF
1及び5の遮断周波数をナイキスト周波数すなわちサン
プリング周波数fsの2分の1の周波数に近づけた場
合、LPF1、5の高域減衰特性は急峻なものが必要と
なり、遮断周波数付近で位相が回り、群遅延特性が平坦
でなくなる。群遅延特性が平坦でないと、LPF1、5
を通過する信号中の或る周波数成分のみが他の成分より
遅延して入力信号波形と異なる波形の信号が出力される
ようになる。 【0009】 【0006】このようにデジタル信号をデジタル信号処
理した結果得られる信号をD/A変換してアナログ信号
出力を得る場合に、D/A変換後に通すLPF5の群遅
延特性が平坦でないことにより波形変形がもたらされる
が、原入力信号に忠実なデジタル信号処理されたアナロ
グ信号が得られないという問題がある。 【0010】 【0007】また、LPF1が原入力信号と異なる波形
の信号を出力すると、これをA/D変換するA/D変換
器2の出力には原入力信号を忠実にA/D変換したデジ
タル信号が得られなくなり、結局デジタル信号処理回路
3によるデジタル信号処理の結果得られるデジタル信号
は原信号を忠実に信号処理したものとならなくなる。 【0011】 【0008】以上のように、デジタル信号処理する前段
で原入力信号が変質されることにより、このデジタル信
号処理の結果得られるデジタル信号をそのまま利用する
場合は勿論のこと、このデジタル信号をさらにD/A変
換して得たアナログ信号を利用する場合にも、原入力信
号に忠実なデジタル信号処理された信号が得られないと
いう問題がある。 【0012】 【0009】本発明は上述した従来の回路の欠点を除去
するためになされたもので、デジタル入力信号を信号処
理した結果得られるデジタル信号をD/A変換し、この
D/A変換後のアナログ信号が通されるアナログローパ
スフィルタの群遅延特性が平坦でないことにより、アナ
ログローパスフィルタの出力信号が原信号の波形と異な
ったものとなって生じる、原デジタル入力信号に忠実な
デジタル信号処理されたアナログ信号が得られないとい
う不具合を解消した信号処理回路を提供することを主た
る目的としている。 【0013】 【0010】 【0014】 【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ための成された本発明は、デジタル信号をデジタル信号
処理するデジタル信号処理回路と、該デジタル信号処理
回路により処理した後のデジタル信号をD/A変換する
D/A変換器と、該D/A変換器の出力に得られるアナ
ログ信号の基本周波数成分のみを通すアナログローパス
フィルタとを備え、該アナログローパスフィルタを通過
したアナログ信号を出力する信号処理回路であって、前
記デジタル信号処理回路と前記D/A変換器との間に、
前記アナログローパスフィルタの群遅延特性を前もって
補正する前記アナログローパスフィルタにより生じる群
遅延特性と逆の群遅延特性を有するデジタルフィルタを
備えることを特徴とする。また、 【0015】 【0011】アナログ信号中の高域成分をカットする第
1のアナログローパスフィルタと、該第1のアナログロ
ーパスフィルタの出力をA/D変換するA/D変換器
と、該A/D変換器の出力に得られるデジタル信号をデ
ジタル信号処理するデジタル信号処理回路と、該デジタ
ル信号処理回路により処理したデジタル信号をD/A変
換するD/A変換器と、該D/A変換器の出力に得られ
るアナログ信号の基本周波数成分のみを通す第2のアナ
ログローパスフィルタとを備える信号処理回路であっ
て、前記デジタル信号処理回路と前記D/A変換器との
間に、前記第1のアナログローパスフィルタの群遅延特
性を補正するとともに、前記第2のアナログローパスフ
ィルタの群遅延特性を前もって補正する前記第1及び第
2のアナログローパスフィルタにより生じる群遅延特性
と逆の群遅延特性を有するデジタルフィルタを備えるこ
とを特徴とする。 【0016】 【0012】 【0017】 【作用】デジタル信号はデジタル信号処理回路によりデ
ジタル信号処理され、該デジタル信号はデジタルフィル
タを通過し、さらにD/A変換器によりD/Aされた
後、アナログローパスフィルタを通過する。 【0018】このとき、D/A変換後にアナログ信号が
通されるアナログローパスフィルタの群遅延特性が平坦
でないことにより生じる波形変形が、アナログローパス
フィルタの群遅延特性をこれと逆の群遅延特性を有する
デジタルフィルタによってデジタル信号の状態で処理し
て補正することにより解消される。 【0019】 【0013】また、アナログ信号は第1のアナログロー
パスフィルタを通過してその高域成分がカットされた
後、A/D変換器によりデジタル信号に変換され、デジ
タル信号処理回路により信号処理される。処理後のデジ
タル信号はデジタルフィルタを通過し、さらにD/A変
換器によりD/Aされた後、第2のアナログローパスフ
ィルタを通過する。 【0020】このとき、A/D変換前及びD/A変換後
にアナログ信号がそれぞれ通されるアナログローパスフ
ィルタの群遅延特性が平坦でないことにより原入力信号
に対し出力信号の波形が乱れることが、両アナログロー
パスフィルタの群遅延特性をこれと逆の群遅延特性を有
するデジタルフィルタによってデジタル信号の状態で処
理して補正することにより解消される。 【0021】 【0014】 【0022】 【実施例】以下、本発明の実施例を図に基づいて説明す
る。 【0023】図1は本発明によるアナログ入力−アナロ
グ出力の信号処理回路の一実施例を示すブロック図であ
り、図において、図7について上述したものと同様のも
のには同一符号を付してある。 【0024】6はA/D変換器2の前に設けられている
アナログローパスフィルタ(LPF)1、及びD/A変
換器4の後に設けられているLPF5の両群遅延特性を
補正するために、D/A変換器4の前に設けられたデジ
タルオールパスフィルタ(DAPF)で、該フィルタの
群遅延は任意に設定することができる。 【0025】 【0015】今、LPF1、5の各々が図2に示すよう
な周波数特性及び群遅延特性を有し、群遅延特性が遮断
周波数fc(=fs/2)付近で平坦でないとすると、
DAPF6としては、図3に示すようにレベルが周波数
に対して一定で、群遅延時間がLPF1及び5とは逆に
周波数fc付近で小さくなるようになしたものを使用す
ればよく、DAPF6はLPF1を通った後の信号の群
遅延と、LPF5を通る信号の群遅延を補正する。 【0026】 【0016】デジタルフィルタはIIR(巡回)型のも
のについて示すと、一般に図4に示 【0027】すような構成となっている。図において、
A、Bは乗算器、 【外1】 は1サンプル遅延回路、+は加算器である。 【0028】図示構成のフィルタの伝達関数H(Z)
は、 【0029】 【数1】 で表わされ、式中の係数A0 、A1 、A2 、B1 、B2
を変えることにより、ローパス、バンドパス等の種々の
フィルタ特性を得ることができる。 【0030】このようなフィルタを全帯域通過フィルタ
(APF)にするためには、例えば下式の伝達関数のよ
うに係数を定めればよい。 【0031】 【数2】 式中、γ、θはフィルタのZ平面(図5)上の極の位置
で示される実数値、Cは定数である。 【0032】上式のフィルタの振幅特性は、 【0033】 【数3】 となり、周波数−振幅特性は平坦になる。また、位相特
性は、 【0034】 【数4】 は表わされ、群遅延特性は、 【0035】 【数5】 となる。 【0036】 【0017】以上のような理論のもとでアナログLPF
の群遅延特性を補正するDAPFを設計するには、計算
機を用いた反復的な計算等を行う。 【0037】 【0018】図6は本発明によるデジタル入力−アナロ
グ出力の信号処理回路の実施例を示し、図1について上
述したものと同様のものには同一符号を付してある。 【0038】DSP3には所定のデジタル信号が入力さ
れ、その出力がDAPF6−D/A変換器4−LPF5
の経路で通過し、出力端OUTに出力される。 【0039】なお、DAPF6の群遅延特性はLPF5
の群遅延特性と逆の特性を有している。 【0040】 【0019】図6の実施例においては、デジタル信号は
DSP6によって信号処理され、その処理結果がDAP
F6に入力され、該DAPF6によりLPF5の群遅延
特性を前もって補正する。 【0041】 【0020】なお、上述の各実施例において、LPFの
群遅延補正のためにDAPFを用いているが、これはア
ナログLPFの通過帯域についてフラットな周波数特性
を有していればよく、必ずしもオールパスである必要は
ない。 【0042】 【0021】 【0043】 【発明の効果】以上のように、本発明によれば、デジタ
ル信号処理後にD/A変換するものにおいて、D/A変
換後にアナログ信号が通過されるアナログローパスフィ
ルタの群遅延特性が平坦でないことにより生じる波形変
形が、アナログローパスフィルタをこれと逆の群遅延特
性を有する信号処理回路とD/A変換器との間に設けた
デジタルフィルタによってデジタル信号の状態で処理し
て補正することにより解消されるので、原デジタル入力
信号に忠実なデジタル信号処理されたアナログ信号が得
られる。 【0044】 【0022】また、本発明によれば、デジタル信号処理
の前段で入力アナログ信号をA/D変換するとともに、
デジタル信号処理の後段でD/A変換するものにおい
て、A/D変換前及びD/A変換後にアナログ信号がそ
れぞれ通されるアナログローパスフィルタの群遅延特性
が平坦でないことにより原入力信号に対する出力信号の
波形が乱れることが、両アナログローパスフィルタの群
遅延特性をこれと逆の群遅延特性を有する信号処理回路
とD/A変換器との間に設けたデジタルフィルタによっ
てデジタル信号の状態で処理して補正することにより解
消されるので、原入力信号に対し出力信号の波形が変形
されることがない。 【0045】 【0023】しかも、アナログローパスフィルタの群遅
延特性を補正するためのデジタルフィルタの群遅延特性
が精度良く設定することができるので、特性補正がより
完全な形で行われるようになるという効果も得られる。
理する信号処理回路に関するものである。 【0003】 【0002】 【0004】 【従来の技術】デジタル信号処理の分野では、デジタル
信号を信号処理した後、処理した結果のデジタル信号を
D/A変換してアナログ信号を出力したり、アナログ信
号をA/D変換してデジタル信号を得、これを信号処理
した後、処理した結果のデジタル信号をD/A変換して
アナログ信号を出力したりすることが必要になることが
ある。 【0005】 【0003】上述の両方を行うこの種の回路として図7
に示すものがあった。図において、1は入力端INに入
力されるアナログ信号中のサンプリング周波数fsの2
分の1の周波数以上の高域成分をカットするアナログロ
ーパスフィルタ(LPF)、2はLPF1を通過したア
ナログ信号をデジタル信号に変換するアナログ/デジタ
ル(A/D)変換器、3はA/D変換器2からのデジタ
ル信号を信号処理するデジタル信号処理回路(DS
P)、4はDSP3で処理された後のデジタル信号をア
ナログ信号に変換するD/A変換器、5はD/A変換器
4からのアナログ信号中の基本周波数成分のみを取り出
すアナログローパスフィルタ(LPF)であり、LPF
5の出力に得られる信号処理後の信号が出力端OUTか
ら出力される。 【0006】 【0004】以上の構成において、入力端INに入力さ
れるアナログ信号は折り返し歪を除くためLPF1によ
って高域成分がカットされた後、A/D変換器2によっ
てデジタル信号に変換される。デジタル信号処理回路3
はA/D変換器2からのデジタル信号を入力し、各種の
デジタル処理を行う。デジタル信号処理後のデジタル信
号はD/A変換器4によりアナログ信号に戻される。そ
して、LPF5がD/A変換器4の出力信号中から基本
周波数成分のみを取り出し、出力端OUTからアナログ
信号として出力する。 【0007】 【0005】 【0008】 【発明が解決しようとする課題】ところで、上記LPF
1及び5の遮断周波数をナイキスト周波数すなわちサン
プリング周波数fsの2分の1の周波数に近づけた場
合、LPF1、5の高域減衰特性は急峻なものが必要と
なり、遮断周波数付近で位相が回り、群遅延特性が平坦
でなくなる。群遅延特性が平坦でないと、LPF1、5
を通過する信号中の或る周波数成分のみが他の成分より
遅延して入力信号波形と異なる波形の信号が出力される
ようになる。 【0009】 【0006】このようにデジタル信号をデジタル信号処
理した結果得られる信号をD/A変換してアナログ信号
出力を得る場合に、D/A変換後に通すLPF5の群遅
延特性が平坦でないことにより波形変形がもたらされる
が、原入力信号に忠実なデジタル信号処理されたアナロ
グ信号が得られないという問題がある。 【0010】 【0007】また、LPF1が原入力信号と異なる波形
の信号を出力すると、これをA/D変換するA/D変換
器2の出力には原入力信号を忠実にA/D変換したデジ
タル信号が得られなくなり、結局デジタル信号処理回路
3によるデジタル信号処理の結果得られるデジタル信号
は原信号を忠実に信号処理したものとならなくなる。 【0011】 【0008】以上のように、デジタル信号処理する前段
で原入力信号が変質されることにより、このデジタル信
号処理の結果得られるデジタル信号をそのまま利用する
場合は勿論のこと、このデジタル信号をさらにD/A変
換して得たアナログ信号を利用する場合にも、原入力信
号に忠実なデジタル信号処理された信号が得られないと
いう問題がある。 【0012】 【0009】本発明は上述した従来の回路の欠点を除去
するためになされたもので、デジタル入力信号を信号処
理した結果得られるデジタル信号をD/A変換し、この
D/A変換後のアナログ信号が通されるアナログローパ
スフィルタの群遅延特性が平坦でないことにより、アナ
ログローパスフィルタの出力信号が原信号の波形と異な
ったものとなって生じる、原デジタル入力信号に忠実な
デジタル信号処理されたアナログ信号が得られないとい
う不具合を解消した信号処理回路を提供することを主た
る目的としている。 【0013】 【0010】 【0014】 【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ための成された本発明は、デジタル信号をデジタル信号
処理するデジタル信号処理回路と、該デジタル信号処理
回路により処理した後のデジタル信号をD/A変換する
D/A変換器と、該D/A変換器の出力に得られるアナ
ログ信号の基本周波数成分のみを通すアナログローパス
フィルタとを備え、該アナログローパスフィルタを通過
したアナログ信号を出力する信号処理回路であって、前
記デジタル信号処理回路と前記D/A変換器との間に、
前記アナログローパスフィルタの群遅延特性を前もって
補正する前記アナログローパスフィルタにより生じる群
遅延特性と逆の群遅延特性を有するデジタルフィルタを
備えることを特徴とする。また、 【0015】 【0011】アナログ信号中の高域成分をカットする第
1のアナログローパスフィルタと、該第1のアナログロ
ーパスフィルタの出力をA/D変換するA/D変換器
と、該A/D変換器の出力に得られるデジタル信号をデ
ジタル信号処理するデジタル信号処理回路と、該デジタ
ル信号処理回路により処理したデジタル信号をD/A変
換するD/A変換器と、該D/A変換器の出力に得られ
るアナログ信号の基本周波数成分のみを通す第2のアナ
ログローパスフィルタとを備える信号処理回路であっ
て、前記デジタル信号処理回路と前記D/A変換器との
間に、前記第1のアナログローパスフィルタの群遅延特
性を補正するとともに、前記第2のアナログローパスフ
ィルタの群遅延特性を前もって補正する前記第1及び第
2のアナログローパスフィルタにより生じる群遅延特性
と逆の群遅延特性を有するデジタルフィルタを備えるこ
とを特徴とする。 【0016】 【0012】 【0017】 【作用】デジタル信号はデジタル信号処理回路によりデ
ジタル信号処理され、該デジタル信号はデジタルフィル
タを通過し、さらにD/A変換器によりD/Aされた
後、アナログローパスフィルタを通過する。 【0018】このとき、D/A変換後にアナログ信号が
通されるアナログローパスフィルタの群遅延特性が平坦
でないことにより生じる波形変形が、アナログローパス
フィルタの群遅延特性をこれと逆の群遅延特性を有する
デジタルフィルタによってデジタル信号の状態で処理し
て補正することにより解消される。 【0019】 【0013】また、アナログ信号は第1のアナログロー
パスフィルタを通過してその高域成分がカットされた
後、A/D変換器によりデジタル信号に変換され、デジ
タル信号処理回路により信号処理される。処理後のデジ
タル信号はデジタルフィルタを通過し、さらにD/A変
換器によりD/Aされた後、第2のアナログローパスフ
ィルタを通過する。 【0020】このとき、A/D変換前及びD/A変換後
にアナログ信号がそれぞれ通されるアナログローパスフ
ィルタの群遅延特性が平坦でないことにより原入力信号
に対し出力信号の波形が乱れることが、両アナログロー
パスフィルタの群遅延特性をこれと逆の群遅延特性を有
するデジタルフィルタによってデジタル信号の状態で処
理して補正することにより解消される。 【0021】 【0014】 【0022】 【実施例】以下、本発明の実施例を図に基づいて説明す
る。 【0023】図1は本発明によるアナログ入力−アナロ
グ出力の信号処理回路の一実施例を示すブロック図であ
り、図において、図7について上述したものと同様のも
のには同一符号を付してある。 【0024】6はA/D変換器2の前に設けられている
アナログローパスフィルタ(LPF)1、及びD/A変
換器4の後に設けられているLPF5の両群遅延特性を
補正するために、D/A変換器4の前に設けられたデジ
タルオールパスフィルタ(DAPF)で、該フィルタの
群遅延は任意に設定することができる。 【0025】 【0015】今、LPF1、5の各々が図2に示すよう
な周波数特性及び群遅延特性を有し、群遅延特性が遮断
周波数fc(=fs/2)付近で平坦でないとすると、
DAPF6としては、図3に示すようにレベルが周波数
に対して一定で、群遅延時間がLPF1及び5とは逆に
周波数fc付近で小さくなるようになしたものを使用す
ればよく、DAPF6はLPF1を通った後の信号の群
遅延と、LPF5を通る信号の群遅延を補正する。 【0026】 【0016】デジタルフィルタはIIR(巡回)型のも
のについて示すと、一般に図4に示 【0027】すような構成となっている。図において、
A、Bは乗算器、 【外1】 は1サンプル遅延回路、+は加算器である。 【0028】図示構成のフィルタの伝達関数H(Z)
は、 【0029】 【数1】 で表わされ、式中の係数A0 、A1 、A2 、B1 、B2
を変えることにより、ローパス、バンドパス等の種々の
フィルタ特性を得ることができる。 【0030】このようなフィルタを全帯域通過フィルタ
(APF)にするためには、例えば下式の伝達関数のよ
うに係数を定めればよい。 【0031】 【数2】 式中、γ、θはフィルタのZ平面(図5)上の極の位置
で示される実数値、Cは定数である。 【0032】上式のフィルタの振幅特性は、 【0033】 【数3】 となり、周波数−振幅特性は平坦になる。また、位相特
性は、 【0034】 【数4】 は表わされ、群遅延特性は、 【0035】 【数5】 となる。 【0036】 【0017】以上のような理論のもとでアナログLPF
の群遅延特性を補正するDAPFを設計するには、計算
機を用いた反復的な計算等を行う。 【0037】 【0018】図6は本発明によるデジタル入力−アナロ
グ出力の信号処理回路の実施例を示し、図1について上
述したものと同様のものには同一符号を付してある。 【0038】DSP3には所定のデジタル信号が入力さ
れ、その出力がDAPF6−D/A変換器4−LPF5
の経路で通過し、出力端OUTに出力される。 【0039】なお、DAPF6の群遅延特性はLPF5
の群遅延特性と逆の特性を有している。 【0040】 【0019】図6の実施例においては、デジタル信号は
DSP6によって信号処理され、その処理結果がDAP
F6に入力され、該DAPF6によりLPF5の群遅延
特性を前もって補正する。 【0041】 【0020】なお、上述の各実施例において、LPFの
群遅延補正のためにDAPFを用いているが、これはア
ナログLPFの通過帯域についてフラットな周波数特性
を有していればよく、必ずしもオールパスである必要は
ない。 【0042】 【0021】 【0043】 【発明の効果】以上のように、本発明によれば、デジタ
ル信号処理後にD/A変換するものにおいて、D/A変
換後にアナログ信号が通過されるアナログローパスフィ
ルタの群遅延特性が平坦でないことにより生じる波形変
形が、アナログローパスフィルタをこれと逆の群遅延特
性を有する信号処理回路とD/A変換器との間に設けた
デジタルフィルタによってデジタル信号の状態で処理し
て補正することにより解消されるので、原デジタル入力
信号に忠実なデジタル信号処理されたアナログ信号が得
られる。 【0044】 【0022】また、本発明によれば、デジタル信号処理
の前段で入力アナログ信号をA/D変換するとともに、
デジタル信号処理の後段でD/A変換するものにおい
て、A/D変換前及びD/A変換後にアナログ信号がそ
れぞれ通されるアナログローパスフィルタの群遅延特性
が平坦でないことにより原入力信号に対する出力信号の
波形が乱れることが、両アナログローパスフィルタの群
遅延特性をこれと逆の群遅延特性を有する信号処理回路
とD/A変換器との間に設けたデジタルフィルタによっ
てデジタル信号の状態で処理して補正することにより解
消されるので、原入力信号に対し出力信号の波形が変形
されることがない。 【0045】 【0023】しかも、アナログローパスフィルタの群遅
延特性を補正するためのデジタルフィルタの群遅延特性
が精度良く設定することができるので、特性補正がより
完全な形で行われるようになるという効果も得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による信号処理回路の一実施例を示すブ
ロック図である。 【図2】図1中のLPFの周波数特性及び群遅延特性を
示す特性グラフである。 【図3】図1中のDAPFの周波数特性及び群遅延特性
を示す特性グラフである。 【図4】デジタルフィルタの一般的な構成を示すブロッ
ク図である。 【図5】全帯域通過フィルタの伝達関数を説明するため
の説明図である。 【図6】本発明による信号処理回路の他の実施例を示す
ブロック図である。 【図7】従来の信号処理回路の一例を示すブロック図で
ある。 【符号の説明】 1、5 LPF 2 A/D変換器 3 DSP 4 D/A変換器 6 DAPF
ロック図である。 【図2】図1中のLPFの周波数特性及び群遅延特性を
示す特性グラフである。 【図3】図1中のDAPFの周波数特性及び群遅延特性
を示す特性グラフである。 【図4】デジタルフィルタの一般的な構成を示すブロッ
ク図である。 【図5】全帯域通過フィルタの伝達関数を説明するため
の説明図である。 【図6】本発明による信号処理回路の他の実施例を示す
ブロック図である。 【図7】従来の信号処理回路の一例を示すブロック図で
ある。 【符号の説明】 1、5 LPF 2 A/D変換器 3 DSP 4 D/A変換器 6 DAPF
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 (1) デジタル信号をデジタル信号処理するデジタル
信号処理回路と、 該デジタル信号処理回路により処理した後のデジタル信
号をD/A変換するD/A変換器と、 該D/A変換器の出力に得られるアナログ信号の基本周
波数成分のみを通すアナログローパスフィルタとを備
え、 該アナログローパスフィルタを通過したアナログ信号を
出力する信号処理回路であって、 前記デジタル信号処理回路と前記D/A変換器との間
に、前記アナログローパスフィルタの群遅延特性を前も
って補正する前記アナログローパスフィルタにより生じ
る群遅延特性と逆の群遅延特性を有するデジタルフィル
タを備えることを特徴とする信号処理回路。 (2) アナログ信号中の高域成分をカットする第1の
アナログローパスフィルタと、 該第1のアナログローパスフィルタの出力をA/D変換
するA/D変換器と、 該A/D変換器の出力に得られるデジタル信号をデジタ
ル信号処理するデジタル信号処理回路と、 該デジタル信号処理回路により処理したデジタル信号を
D/A変換するD/A変換器と、 該D/A変換器の出力に得られるアナログ信号の基本周
波数成分のみを通す第2のアナログローパスフィルタと
を備える信号処理回路であって、 前記デジタル信号処理回路と前記D/A変換器との間
に、前記第1のアナログローパスフィルタの群遅延特性
を補正するとともに、前記第2のアナログローパスフィ
ルタの群遅延特性を前もって補正する前記第1及び第2
のアナログローパスフィルタにより生じる群遅延特性と
逆の群遅延特性を有するデジタルフィルタを備えること
を特徴とする信号処理回路。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23598294A JPH08139606A (ja) | 1994-09-05 | 1994-09-05 | 信号処理回路 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23598294A JPH08139606A (ja) | 1994-09-05 | 1994-09-05 | 信号処理回路 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP60082183A Division JPH0728216B2 (ja) | 1985-04-19 | 1985-04-19 | 信号処理回路 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08139606A true JPH08139606A (ja) | 1996-05-31 |
Family
ID=16994068
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP23598294A Pending JPH08139606A (ja) | 1994-09-05 | 1994-09-05 | 信号処理回路 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08139606A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US8884672B2 (en) | 2009-12-07 | 2014-11-11 | Qualcomm Incorporated | Configurable digital-analog phase locked loop |
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-
1994
- 1994-09-05 JP JP23598294A patent/JPH08139606A/ja active Pending
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