JPH0813897B2 - ポリエステルフイルムおよび粘着フイルム - Google Patents

ポリエステルフイルムおよび粘着フイルム

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JPH0813897B2
JPH0813897B2 JP24358390A JP24358390A JPH0813897B2 JP H0813897 B2 JPH0813897 B2 JP H0813897B2 JP 24358390 A JP24358390 A JP 24358390A JP 24358390 A JP24358390 A JP 24358390A JP H0813897 B2 JPH0813897 B2 JP H0813897B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は柔軟性を有する共重合ポリエステルフイルム
およびこれをもちいてなる粘着フイルムに関するもので
ある。
[従来の技術] ポリエステル系柔軟性基材としてはポリエチレンテレ
フタレート等のハードセグメントにドデカンジオン酸あ
るいはダイマー酸等の長鎖脂肪族ジカルボン酸または長
鎖分岐脂肪族ジカルボン酸等を共重合する(特公昭42−
8709)こと、あるいは、ポリブチレンテレフタレートに
ダイマー酸を共重合すること(特公昭54−15913)も提
案されている。
また、柔軟性基材に粘着剤を塗布し、ラベル・テープ
類として用いる場合、柔軟性基材としては、軟質塩化ビ
ニルが好ましく用いられている。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、単に長鎖脂肪族ジカルボン酸または長
鎖分岐脂肪族ジカルボン酸をポリエチレンテレフタレー
トに共重合する方法では、得られたシートの耐溶剤性、
耐熱性に劣り、例えば粘着剤を塗工した際に膨潤した
り、寸法変化を生じ均一に加工できないという問題点を
有していた。また、ロール状に巻取った後に経時で徐々
に巻締まりを生じて再度巻出すことが困難になるという
問題点もあった。一方、ポリブチレンテレフタレートに
長鎖脂肪族ジカルボン酸またはダイマー酸を共重合する
方法では、上記同様経時変化が生じるという問題がある
ばかりか、エラストマー的な性質が強くなり過ぎ実用上
問題を生じる場合がある。
さらに、一般的に、粘着テープあるいはラベル基材と
して軟質塩化ビニルは安価でありコスト的に優れている
が、可塑剤のブリードアウトによる粘着力の低下、焼却
時の公害の問題を有していた。
[課題を解決するための手段] 本発明は、上記課題を解決するために次の構成を提案す
るものである。すなわち、ΔTcgが60℃以下の共重合ポ
リエステルからなり、Tcc以上融点以下の準結晶融解ピ
ーク温度を有し、引張りヤング率が0.1〜50kg/mm2であ
ることを特徴とするポリエステルフイルム、および、該
ポリエステルフイルムの少なくとも片面に粘着剤層を有
する粘着フイルムに関するものである。
本発明ポリエステルフイルムを構成する共重合ポリエ
ステルは、冷結晶化温度(Tcc)およびガラス転移温度
(Tg)との差(Tcc−Tg)で定義されるΔTcgが60℃以下
であることが必要であり、好ましくは50℃以下、さらに
好ましくは5〜40℃以下である。ΔTcgが大き過ぎると
引張りヤング率が経時で上昇したり、粘着剤を塗布する
際にフイルムが膨潤あるいは白化する等の問題を生じ
る。
具体的な共重合ポリエステルの組成としては、次のも
のが例示される。
すなわち、ソフトセグメントとして、ポリエチレング
リコール、ポリテトラメチレングリコール等のポリオキ
シアルキレングリコール、あるいは、ポリε−カプロラ
クトン、あるいはアジピン酸、セバシン酸、ドデカンジ
オン酸、ダイマー酸等のHOOC−[CH2n−COOHの脂肪族
ジカルボン酸と脂肪族および/または脂環属ジオールか
らなる脂肪族ポリエステル等が挙げられるが、特にソフ
トセグメントの構成成分としては、長鎖脂肪族ジカルボ
ン酸残基を含有していることが、耐熱性、耐侯性、透明
性を良好とする上で好ましい。ここで、該長鎖脂肪族ジ
カルボン酸残基の含有量としては、共重合ポリエステル
を構成する全酸成分に対し1〜50モル%、好ましくは5
〜40モル%の範囲であると柔軟性、耐熱性共に良好とな
るので好ましい。
本発明において長鎖脂肪族ジカルボン酸とは、セバシ
ン酸、エイコ酸、ドデカンジカルボン酸、ダイマー酸等
の炭素数が8〜60のアルキレン基を有するジカルボン酸
であり、特に炭素数は10〜50の範囲が柔軟性が良好とな
るので好ましい。
特に本発明では、長鎖脂肪族ジカルボン酸の中でも分
岐状構造を有している長鎖分岐脂肪族ジカルボン酸であ
ることが好ましく、この中でもダイマー酸を用いること
が耐熱性、透明性を良好とする上で好ましい。
本発明でいうダイマー酸とはオレイン酸等を2量化反
応によって得られる周知のジカルボン酸であって、通常
不飽和結合を分子中に有するが、水添化し、臭素化を0.
05〜10g/100g、好ましくは、0.1〜5g/100gとしたもの
が、耐熱性、柔軟性に優れるので好ましい。特に好まし
い分子量範囲としては、エステル形成性官能基(−COO
H)を除く分子鎖を形成する炭素数が20〜80の範囲であ
ることが好ましく、さらに好ましくは30〜60の範囲であ
る。また、二量化反応の過程で、直鎖分岐状構造、脂環
構造、芳香族構造が生成されるが、直鎖分岐状構造体が
20モル%以上、芳香族構造体が2〜20モル%含有されて
いると、耐候性、柔軟性、透明性が良好となるので好ま
しい。
次いで本発明フィルムを構成するハードセグメントと
しては、単独でポリマーを構成した際の融点が200℃以
上、ガラス転移温度が90℃以下、ΔTcgが80℃以下であ
ることが耐熱性、耐溶剤性を良好とする上で好ましく、
具体的には、エチレンテレフタレート、ブチレンテレフ
タレート、シクロヘキサンジメチレンテレフタレート、
シクロヘキサンジメチレンシクロヘキサンジカルボキシ
レート、ブチレン2,6ナフタレンジカルボキシレート等
の芳香族及び/または脂環族エステルユニットから選ば
れた少なくとも一つより構成されていることが好まし
く、より好ましくは、少なくとも二種より構成されてい
ることが好ましい。
この中でもテレフタル酸残基を有しているものが耐候
性が良好となるので好ましい。
さらに、アルコール成分として1,4ブタンジオール残
基を含有していることが耐溶剤性の点で好ましく、共重
合ポリエステルを構成する全アルコール成分にしめる1,
4ブタンジオール残基含有量が40モル%以上、65モル%
以下であることが好ましい。さらに、該1,4ブタンジオ
ールを補間するアルコール成分としては、エチレングリ
コール、1,4シクロヘキサンジメタノール、1,6ヘキサン
ジオールから選ばれた少なくとも一種であることが好ま
しい。
ここで、好ましく用いられる該共重合ポリエステルの
固有粘度としては、0.5〜2.0dl/g,好ましくは、0.7〜1.
8dl/gであると製膜性、機械特性共に良好になるので好
ましい。
さらに、該共重合ポリエステルの融点(Tm)は、実用
上130〜250℃であることが好ましく、更に好ましくは、
140〜230℃の範囲であると良い。また、ガラス転移温度
(Tg)は、10℃以下、さらに好ましくは、0℃以下であ
ることが好ましい。
本発明ポリエステルフイルムは、Tcc以上、融点以下
の準結晶融解ピーク温度を有していることが必要であ
り、好ましくは(Tcc+20℃)以上、(融点−20℃)以
下、さらに好ましくは(Tcc+30℃)と50℃のいずれか
高い方の温度以上、(融点−30℃)以下の温度範囲であ
る。熱処理温度が上記温度範囲でない場合、耐溶剤性に
劣るばかりか巻取り時にブロッキングを生じ再度巻出そ
うとしてもフイルム同士が強く付着し巻出しが困難とな
る。ここで、本発明でいう準結晶融解ピーク温度とは、
熱処理によって生成する準結晶の融解ピーク温度を意味
する。すなわち、該融解ピークは、熱処理を施さない限
り生成せず、また、該融解ピークはサンプルフィルムを
一旦融解し急冷したサンプルでは消失し観測されないの
で、明確に準結晶融解ピークとして確認できる。
次いで、本発明ポリエステルフイルムは、引張りヤン
グ率が0.1〜50kg/mm2の範囲であることが必要であり、
好ましくは、1〜40kg/mm2の範囲である。引張りヤング
率が小さ過ぎても、大き過ぎても、加工適性、ワインデ
ィング性等に問題を生じる。
また、本発明ポリエステルフイルムの100μm換算の
ヘイズが0.1〜20%であることが経時での機械特性の変
化を低減し、また透明性が良好であるので好ましく、さ
らに好ましくは0.2〜10%としておくことが好ましい。
同様な観点から内部ヘイズは0.2〜15%、好ましくは
0.5〜8%の範囲であることが好ましい。
本発明ポリエステルフイルムは、実質的に無配向なフ
イルムであることが長期での寸法安定性を良好とする上
で好ましい。ここで、実質的に無配向であるとは、分子
鎖の配向程度が充分小さく機械特性の異方性、光学特性
の異方性が充分無視できるレベルにあることを意味し、
例えば長手方向と幅方向の破断強度の比が0.6〜1.4の範
囲、あるいは長手方向、幅方向、厚み方向それぞれの屈
折率(Nx,Ny,Nz)の差の絶対値|Ni−Nj|(i,j=x,y,z,i
≠j)が0.1未満好ましくは、0.05未満であることが好
ましい。実質的に配向性を有している場合には、長期間
放置した場合に変形し実用上問題を生じることがある。
また、本発明ポリエステルフイルムの25%変形時の弾
性回復率は30〜80%の範囲で、さらに25%変形時の弾性
回復率と50%変形時の弾性回復率の比が0.6〜2、好ま
しくは0.7〜1.5の範囲であると得られる加工適性が良好
となり、粘着テープまたは粘着ラベル等として用いた場
合の信頼性が高まるので好ましい。
さらに、本発明ポリエステルフイルムの応力残存率は
60%以下であることが好ましく、さらに好ましくは10〜
50%の範囲であると粘着力が高く保持されるので好まし
い。
本発明ポリエステルフイルムには、例えば、脂肪族グ
リセリド、ベタイン系、アルキルベンゼンスルホン酸金
属塩、アルキルスルホン酸金属塩等の帯電防止剤、脂肪
酸アミド等の有機のスリップ剤、無機粒子等のスリップ
剤、ヒンダードフェノール系、燐酸系等の熱安定剤・酸
化防止剤・耐侯剤、安息香酸金属塩、エチレン(メタ)
アクリル酸金属塩共重合体等の結晶核剤、UV吸収剤、顔
料等の周知の添加剤を目的にあわせて用いることができ
る。
本発明柔軟性ポリエステルフイルムの厚みは用途に応
じて設定されるべきものであるが、通常5〜2000μmの
範囲である。
また、本発明ポリエステルフイルムにはエンボス加
工、サンドマット加工、梨地加工等の表面凹凸化処理を
施しても良い。
次いで、本発明粘着フイルムについて説明する。
本発明粘着フイルムを構成する共重合体ポリエステル
において、ΔTcgは60℃以下であることが必要であり、
好ましくは50℃以下、さらに好ましくは5〜40℃以下で
ある。ΔTcgが大き過ぎると耐溶剤性が悪化し、溶剤に
触れた際に膨潤したりひどい場合には溶解したりする等
の問題を生じる。
さらに該ポリエステルフイルムはTcc以上、融点以下
の融解ピーク温度を有していることが必要であり、好ま
しくはTcc以上、融点−20℃以下の温度範囲である。こ
うした融解ピーク温度を有していない場合、ロール状に
巻いておいた場合、巻締まりを生じたり、フイルムの寸
法変化により粘着力が低下する等の問題を生じる。
また、該ポリエステルフイルムの引張りヤング率は0.
1〜50kg/mm2であることが必要であり、好ましくは、1
〜40kg/mm2の範囲である。引張りヤング率が小さ過ぎる
と巻出し性に劣り、大き過ぎるとフイット性が低下す
る。
本発明の粘着フイルムは、上記ポリエステルフイルム
の少なくとも片面に粘着剤層を有し、例えば粘着テー
プ、粘着ラベルとして用いられるものである。使用され
る粘着剤としては、周知のアクリル系、ポリエステル
系、酢酸ビニル系等の粘着剤を用いることができる。ま
た、粘着剤層の厚みとしては、5〜100μmの範囲が通
常用いられる。
また、粘着剤とポリエステルフイルムとの親和性を向
上するために、ポリエステルフイルムにコロナ放電処
理、低温プラズマ処理等の表面処理、サンドブラスト処
理等の凹凸加工を施しておくと良い。
本発明の粘着フイルムにおいて、該ポリエステルフイ
ルムの一方の面に粘着剤層を形成する場合、他方の面に
離型性を有するコーテイング層あるいは表面処理層を形
成しておいてもよく、例えばコーテイングによる場合、
公知のシリコーン系、弗化炭素系等のコート剤を用いる
ことができる。また表面処理による場合、弗素等の雰囲
気中でのコロナ放電処理、低温プラズマ処理等が挙げら
れる。
更に、本発明粘着テープまたは粘着ラベルは印刷層、
コーテイング層等の他の層を積層されていても良い。
次に、本発明柔軟性ポリエステルフイルムの製造方法
について説明するが、もちろんこれに限定されるもので
はない。
A.共重合ポリエステルの製造 所定のハードセグメントを構成する芳香族および/ま
たは脂環族ジカルボン酸またはこれらよりなるジメチル
エステルとソフトセグメントおよびこれに見合うアルコ
ール成分とを加え、周知のポリエステル重合法によって
共重合ポリエステルを得る。
B.ポリエステルフイルムの製造 こうして得られた共重合ポリエステルを乾燥後、押出
機より溶融押出して、T型口金あるいは円形口金等を用
いてシート状または円筒状に口金より吐出させ、冷却ロ
ールまたは、水等の冷媒中に導いて固化させる(こうし
て得られたシート状物あるいは円筒状物を以下キャスト
フイルムと称する。) 通常押出温度は融点+10〜融点+80℃の温度範囲であ
り、また、冷却温度は10〜90℃の範囲、好ましくは20〜
40℃の範囲であると好ましい。
次いで、該キャストフイルムを熱処理するが、熱処理
温度としては、Tcc〜該共重合ポリエステルの融点(T
m)の温度範囲、好ましくはTcc+10℃〜Tm−10℃の温度
範囲である。処理時間としては特に限定されないが、通
常1秒〜30分であり、特に好ましい方法としては、所定
の温度にコントロールされた温水中もしくは、水蒸気中
で熱処理を施すと均一に処理され効果的であるので好ま
しい。
ついで、該熱処理を施した後、必要に応じて乾燥ロー
ルあるいは乾燥オーブンにに導き、冷却ロールで室温に
冷却し、必要に応じて、上述した表面処理、コーテイン
グ等を施し巻取る。
C.粘着フイルムの製造法 以下のような製法により得られる。
(I)上記B項で得られたポリエステルフイルムを周知
の方法で粘着樹脂をコーテイングし、離型背面処理、あ
るいは離型紙または離型フイルムを併せ巻く方法。
(II)上記B項で、共重合ポリエステルをシート状に溶
融押しし、キャストフイルムを得た後に、必要に応じて
コロナ放電処理等の表面処理を施した後に粘着剤を塗布
する。次いで乾燥、熱処理を施し、離型背面処理を施す
かあるいは離型紙または離型フイルムを併せ巻いで巻取
る。
ここで、粘着剤を溶剤コートする場合には乾燥工程が
該ポリエステルフイルムの熱処理工程を兼ねていても良
い。
[効果] 本発明ポリエステルフイルムは、ΔTcgが60℃以下の
共重合ポリエステルからなり、Tcc以上融点以下の融解
ピーク温度を有し、引張りヤング率が0.1〜50kg/mm2
あることから、 (1)耐溶剤性に優れ、粘着剤コートあるいは印刷等を
施した際の耐膨潤性、耐白化性に優れる。
(2)長期使用時の寸法安定性に優れ、巻き締まり、ブ
ロッキング等の問題が少ない。
(3)加工適性に優れる。
の効果を有する。
さらに該ポリエステルフイルムの少なくとも片面に粘
着剤層を有することを特徴とする本発明粘着フイルム
は、 (4)耐溶剤性、寸法安定性が良好であるため、粘着力
が経時で低下することがほとんど無く長期信頼性に優
れ、また使用時の取り扱い性、フイット性も良好であ
る。
[用途] 本発明ポリエステルフイルムおよび粘着フイルムは、
マーキングフイルム、マスキングフイルム、農業用ハウ
ス、カバーフイルム、絶縁テープ等として用いることが
できる。
[特性の測定方法及び効果の評価方法] 次に本発明フイルムの特性の評価方法および効果の評
価方法について説明する。
(1)100μm換算のヘイズ(H100) JIS−K−6714に準じて測定し、次式で求める。
H100(%)=H×100/d ただし、Hはヘイズの実測値(%)、dは該ヘイズ測
定部のフイルム厚み(μm)。
また、内部ヘイズはテトラリンを入れた石英セル中に
浸漬して同様に測定する。
(2)機械特性 ヤング率、破断強度及び破断伸度については、ASTM D
−882−81(A法)に準じて測定する。
(3)弾性回復率(E) フイルムを幅10mmにサンプリングし、引っ張り試験機
に試長が50mmになるように装着し、引っ張り速度10mm/
分で、試長のS%の引張り変形を与えて、ただちに同速
度で収縮させて、引っ張り応力が0になったサンプル長
(L)を測定し次式で求める。
弾性回復率(E) ={(50+S/2)−L)} /(S/2)×100(%) (4)応力残存率(R) フイルムを幅10mmにサンプリングし、引っ張り試験機
に試長が50mmになるように装着し、引っ張り速度100mm/
分で、試長の25%の引張り変形を与えた直後の応力F0
測定し、次いでこの変形量を保ったまま10分間保持した
後の応力F10を測定し、次式で求める。
応力残存率(R)=F10/F0×100(%) (5)臭素価 ASTM−D−1159に準じた。単位はg/100gで表わす。
(6)屈折率 アッベの屈折率計を用いる。光源はナトリウムD線を
用いる。
(7)固有粘度(IV) o−クロロフェノールを溶媒として、25℃で測定す
る。単位はdl/g。
(8)準結晶融解ピーク温度 示差走査型熱量計DSC2(パーキンエルマー社製)を用
いて求める。
サンプル10mgを窒素気流下で室温より昇温速度10℃/
分で昇温した際に観測される吸熱ピークの内、結晶融点
よりも低い準結晶状態に対応するピーク温度を準結晶融
解ピーク温度とする。通常融点ピークよりも小さく、し
かもブロードなピークとして出現する。
(9)融点(Tm),ガラス転移温度(Tg)、冷結晶化温
度(Tcc)、ΔTcg 示差走査型熱量計DSC2(パーキンエルマー社製)を用
いて求める。
窒素気流下にて、280℃×5分間溶融保持し、次いで
液体窒素を用いて冷却した。
こうして得られたサンプルを10℃/分の昇温速度で昇
温していった際に、ガラス状態→ゴム状態への転移にも
とずく比熱変化を読み取りこの温度をガラス転移温度
(Tg)とする。また、結晶化に伴う発熱ピーク温度を冷
結晶化温度(Tcc),結晶融解に基づく吸熱ピーク温度
を融点(Tm)とした。
また、ΔTcgは以下の式により定義される。
ΔTcg=Tcc−Tg (10)巻出し性 フイルム厚みを70〜100μmとし、3インチコアーに
長さ約50mに渡って巻取り、40℃90%湿度の雰囲気に24
時間放置後、再度巻出した際の様子を以下のランクに分
類した。
ランク5:抵抗無く巻出せる。
ランク4:やや抵抗はあるが巻出せる。
ランク3:抵抗は強いが巻出せる。
ランク2:部分的にブロッキングし穴、破れを生じる。
ランク1:前面に渡ってブロッキングする。
ここで、実用上ランク4〜5であれば問題ない。な
お、特別な配慮を行なえばランク3でも使用できないこ
とは無い。
[実施例] 次に実施例を用いて本発明の実施態様について詳細に
説明する。
実施例1〜4 酸成分として、ジメチルテレフタレートとダイマー酸
ジメチル(ユニケマ社製、臭素価1g/100g)、アルコー
ル成分として、エチレングリコール、1,4ブタンジオー
ル並びに1,4シクロヘキサンジメタノールとを表1に示
す組成にて共重合した。
こうして得られた樹脂を真空下100℃にて12時間乾燥
した後、40mmφ押出機を用いて250℃で溶融し、シート
状に押し出した。該溶融シートは30℃の冷却ドラム上で
固化し、次いで100℃の沸騰水中に導いて10秒間熱水処
理し、乾燥空気にて表面水を除去して巻取った。
こうして得られた、フイルムの特性を表2にまとめて
示すがいずれも、柔軟性、巻出し性に優れていることが
わかる。
比較例1 実施例1において熱水処理を行なわない以外は同様に
製膜した。こうして得られたフイルムは巻出し性に問題
を生じた。
比較例2 酸成分としてダイマー酸ジメチル12モルとジメチルテ
レフタレート88モル%、アルコール成分としてエチレン
グリコールからなる共重合ポリエステルを用いて実施例
1〜2と同様に製膜した。かくして得られたフイルムは
硬質感があり、また極めて不透明感の高いフイルムとな
った。
実施例5 実施例1で得られたポリエステルフイルムにアクリル
系粘着剤(ニッセツKP−981、日本カーバイド工業
(株)製)を塗布して、乾燥後、シリコーン離型紙を併
せ巻取ったが、粘着剤の塗工性は良好であり、得られた
粘着テープの平面性、外観も優れていた。
比較例3 比較例1で得られたフイルムに直ちに実施例3と同様
に粘着加工を施したが、得られたフイルムの平面性は悪
く、部分的に白化した。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ΔTcgが60℃以下の共重合ポリエステルか
    らなり、Tcc以上融点以下の準結晶融解ピーク温度を有
    し、引張りヤング率が0.1〜50kg/mm2であることを特徴
    とするポリエステルフイルム。
  2. 【請求項2】ソフトセグメントの構成成分として長鎖脂
    肪族ジカルボン酸残基を含有することを特徴とする請求
    項(1)に記載のポリエステルフイルム。
  3. 【請求項3】アルコール成分として1,4ブタンジオール
    残基を含有することを特徴とする請求項(1)〜(2)
    のいずれかに記載のポリエステルフイルム。
  4. 【請求項4】1,4ブタンジオール残基を40モル%以上65
    モル%以下、長鎖脂肪族ジカルボン酸残基を1モル%以
    上50モル%以下含有することを特徴とする請求項(1)
    〜(3)のいずれかに記載のポリエステルフイルム。
  5. 【請求項5】長鎖脂肪族ジカルボン酸がダイマー酸であ
    ることを特徴とする請求項(2)または(4)に記載の
    ポリエステルフイルム。
  6. 【請求項6】応力残存率が60%以下であることを特徴と
    する請求項(1)〜(5)のいずれかに記載のポリエス
    テルフイルム。
  7. 【請求項7】請求項(1)〜(6)のいずれかに記載の
    ポリエステルフイルムの少なくとも片面に粘着剤層を有
    することを特徴とする粘着フイルム。
JP24358390A 1990-02-07 1990-09-12 ポリエステルフイルムおよび粘着フイルム Expired - Fee Related JPH0813897B2 (ja)

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