JPH08135783A - 自動変速機の変速制御装置 - Google Patents

自動変速機の変速制御装置

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JPH08135783A
JPH08135783A JP6279085A JP27908594A JPH08135783A JP H08135783 A JPH08135783 A JP H08135783A JP 6279085 A JP6279085 A JP 6279085A JP 27908594 A JP27908594 A JP 27908594A JP H08135783 A JPH08135783 A JP H08135783A
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JP
Japan
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control
upshift
shift
change
vehicle
Prior art date
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Application number
JP6279085A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroshi Takahashi
高橋  宏
Koichi Kuroda
浩一 黒田
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Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH08135783A publication Critical patent/JPH08135783A/ja
Pending legal-status Critical Current

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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60WCONJOINT CONTROL OF VEHICLE SUB-UNITS OF DIFFERENT TYPE OR DIFFERENT FUNCTION; CONTROL SYSTEMS SPECIALLY ADAPTED FOR HYBRID VEHICLES; ROAD VEHICLE DRIVE CONTROL SYSTEMS FOR PURPOSES NOT RELATED TO THE CONTROL OF A PARTICULAR SUB-UNIT
    • B60W2552/00Input parameters relating to infrastructure
    • B60W2552/15Road slope, i.e. the inclination of a road segment in the longitudinal direction

Landscapes

  • Control Of Transmission Device (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 シフトアップ禁止制御の禁止乃至抑制するよ
う変更し、また、アップシフト禁止制御を行う場合の動
作感度を変更する変速制御装置を提供する。 【構成】 アクセル開度の戻し方向の変化量を算定する
変化量算定手段、該変化量算定値と所定値を比較する比
較手段、その比較により変速機のアップシフトを禁止す
る手段とを有し、変更制御手段が、例えば、高車速の場
合にはアップシフト禁止制御を禁止するよう、高車速で
ない場合にはアップシフト禁止制御を行わせるよう、切
り換え制御する(ステップ110〜150)。高速道路
の高速走行中、アクセルを戻した時、思わぬ高エンジン
回転数でエンジンが維持されることがなく、ドライバー
がびっくりするがなく、急激なエンジンブレーキ感が発
生せず、ドライバーにとっては好ましい運転性能とな
る。高速走行時でない時はアップシフト禁止制御による
本来の効果が体感できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動変速機の変速制御
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】車両の自動変速機の変速制御として、P
orshcのTiptronic(ティプトロニック)
によるものが知られている(Autmobiltech
ZVol.92 NO.6 pp308−319(1
990)、「自動車工学」Vol.39 NO.11
pp30−43(1990年10月号))。このもので
は、カーブ手前での変速を禁止するためアクセル開度変
化を常に観測しており、所定の値より素早くアクセルが
戻されたとき、シフトアップを禁止するシステムとなっ
ている(同「自動車工学」36,37頁「コーナリング
前の変速禁止」)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、スロットル開
度からの情報のみで判断しているため、アクセルの戻し
速度が大きければカーブ手前でなくともシフトアップが
禁止される構成となっていることから、種々の場面での
対応性をもちえない。
【0004】即ち、自動変速機において、ドライバーの
加速意志が急激に減少し、急にアクセルペダルを戻した
場合、どのような変速を行うかについて考察した結果で
は、アクセルの戻し速度によって一律に変速特性を変化
させ、アップシフト禁止を行うと、例えば高速道路走行
時などでは、ドライバーが望まないアップシフト禁止制
御となる場面等も生ずる。また、アクセルを戻してもア
ップシフトを禁止して欲しくないという場面がある場合
も、アップシフト禁止とアップシフト禁止をしない状況
を区別する制御までは有しないシステムでは、これに対
応するのが難しい。
【0005】従来のシステムにおいては、例えば高速走
行状態か否か、前車追従走行状況か否か等といった運転
状況による制御内容(アップシフト禁止)を変更を行わ
ないため、ドライバーにとって適切な運転性が提供でき
ず、ドライバーが望まないときにアップシフト禁止さ
れ、必要なときにアップシフトされてしまうという状況
が起こりうるという点に問題を見出したものである。ま
た、従来のものは、アクセル戻し速度でアップシフト禁
止を行う過程において、アップシフト禁止を行う動作感
度を運転状況によって変化させるとといったような機能
までは有してはいない。
【0006】本発明は、アクセル戻しによるアップシフ
ト禁止の制御において、走行状態もしくは走行環境に応
じて、シフトアップ禁止をするべきか否かを変更できる
ようにし、運転性に優れた自動変速機の変速制御を実現
することのできる変速制御装置を提供しようというもの
である。また、他の目的は、シフトアップ禁止をするべ
きか否か判断に基づき踏み戻し時のアップシフト禁止制
御を行う場合の動作感度を変更することができる自動変
速機の変速制御装置を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明によって、下記の
自動変速機の変速制御装置が提供される。即ち、アクセ
ル開度を検出するアクセル開度検出手段と、そのアクセ
ル開度の戻し方向の変化量を算定する変化量算定手段
と、該変化量算定値と所定値を比較する比較手段と、そ
の比較により変速機のアップシフトを禁止する手段とを
有する自動変速機の変速制御装置であって、車両の走行
状態もしくは走行環境に応じて、前記アップシフト禁止
手段によるアップシフト禁止制御を、禁止もしくは抑制
するよう、変更制御する手段を備えることを特徴とする
自動変速機の変速制御装置である。
【0008】また、上記において、車速を検出する手段
を有し、変更制御手段が、該検出手段の出力に基づき、
高車速の場合には前記アップシフト禁止制御を禁止する
よう、高車速でない場合にはアップシフト禁止制御を行
わせるよう、切り換え制御することを特徴とする自動変
速機の変速制御装置である。また、前方車両を追従走行
していることを検出する手段を有し、変更制御手段が、
該検出手段の出力に基づき、追従走行状況が検出されて
いる場合には前記アップシフト禁止制御を行わせるよ
う、該状況が検出されていない場合にはアップシフト禁
止制御を禁止するよう、切り換え制御することを特徴と
する自動変速機の変速制御装置、及び前方車両を追従走
行していることを検出する手段を有し、変更制御手段
は、該追従走行状況が検出されたとき、前記アップシフ
ト禁止制御の動作感度を高め、該状況が検出されていな
い場合は、低い感度に変更するように感度を切り換える
手段を含むことを特徴とする自動変速機の変速制御装置
である。
【0009】また、降雨、降雪もしくはこれに類する低
μ路面状況を検出する手段を有し、変更制御手段は、該
検出手段の出力に基づき、降雨、降雪もしくはこれに類
する低μ路面走行状況が検出されている場合には前記ア
ップシフト禁止制御を行わせるよう、該状況が検出され
ていない場合にはアップシフト禁止制御を禁止するよ
う、切り換え制御することを特徴とする自動変速機の変
速制御装置、及び降雨、降雪もしくはこれに類する低μ
路面状況を検出する手段を有し、変更制御手段は、降
雨、降雪もしくはこれに類する低μ路面走行状況が検出
されたとき、前記アップシフト禁止制御の動作感度を高
め、該状況が検出されていない場合は、低い感度に変更
するように感度を切り換える手段を含むことを特徴とす
る自動変速機の変速制御装置である。
【0010】
【作用】本発明においては、アクセル開度を検出するア
クセル開度検出手段と、そのアクセル開度の戻し方向の
変化量を算定する変化量算定手段と、該変化量算定値と
所定値を比較する比較手段と、その比較により変速機の
アップシフトを禁止する手段とを有する自動変速機の変
速制御装置において、変更制御手段が、車両の走行状態
もしくは走行環境に応じて、前記アップシフト禁止手段
によるアップシフト禁止制御を、禁止もしくは抑制する
よう、変更制御する。よって、アクセル急戻しでも、専
らそれに依存して一律にアップシフト禁止制御を行うこ
とが避けられ、走行状態もしくは走行環境に応じたきめ
細かな制御をなし得て、急アクセル戻しによるアップシ
フト禁止の制御において動作条件を設定したことによっ
て運転性に優れた自動変速機の変速制御を実現すること
を可能ならしめる。
【0011】車両の走行状態もしくは走行環境は、好ま
しくは、車速の高低、前方車両の追従走行状態かどう
か、あるいは降雨、降雪もしくはこれに類する低μ路面
走行状況であるかどうかの、いずれか一または二以上の
組合せとすることができる。車速の場合は、請求項2記
載の如く、変更制御手段が、車速を検出する手段の出力
に基づき、高車速の場合には前記アップシフト禁止制御
を禁止するよう、高車速でない場合にはアップシフト禁
止制御を行わせるよう、切り換え制御するとよい。この
場合は、同様に上記のことを実現することを可能ならし
めるとともに、特に、高速道路走行時に、高速走行中、
ドライバーがアクセルを戻したとき、思わぬ高エンジン
回転数でエンジンが維持されることがなく、ドライバー
がびっくりするようなことがないのに加え、急激なエン
ジンブレーキ感が発生せず、ドライバーにとっては好ま
しい運転性能となる一方、高速走行時でないときは、ア
ップシフト禁止制御による本来の効果が体感できる制御
が実現できる。
【0012】また、前方車両の追従走行状態の有無の場
合は、請求項3記載の如く、変更制御手段が、車両を追
従走行していることを検出する手段の出力に基づき、追
従走行状況が検出されている場合には前記アップシフト
禁止制御を行わせるよう、該状況が検出されていない場
合にはアップシフト禁止制御を禁止するよう、切り換え
制御するとよい。この場合も、同様に上記のことを実現
することを可能ならしめるとともに、特に、前車追従に
伴うエンジンブレーキ感が欲しい時に作用し、そうでな
い場合にアップシフト禁止が動作しないようになり、こ
れらを区別する制御が実現でき、この点で極めて運転性
を良くすることが可能となる。
【0013】また、請求項4記載の場合は、変更制御手
段は、その感度切り換え手段により、該追従走行状況が
検出されたとき、前記アップシフト禁止制御の動作感度
を高め、該状況が検出されていない場合は、低い感度に
変更するように感度を切り換えることができ、本発明は
このような構成で実施することができる。よって、この
場合は、シフトアップ禁止制御を行う場合の動作感度
を、きめ細かく前車追従の有無に応じて変更することが
でき、例えば追従時はたとえアクセル戻し速度が小さく
てもアップシフト禁止になるように制御でき、反対に追
従状態でないときは簡単なアクセルの戻しでアップシフ
ト禁止とならないように制御することを可能ならしめ
る。
【0014】また、降雨、降雪もしくはこれに類する低
μ路面走行状況かどうかの場合は、請求項5記載の如
く、変更制御手段が、降雨、降雪もしくはこれに類する
低μ路面状況を検出する手段の出力に基づき、降雨、降
雪もしくはこれに類する低μ路面走行状況が検出されて
いる場合には前記アップシフト禁止制御を行わせるよ
う、該状況が検出されていない場合にはアップシフト禁
止制御を禁止するよう、切り換え制御するとよい。この
場合も、同様に上記のことを実現することを可能ならし
めるとともに、アップシフト禁止かアップシフト禁止を
したくない状況かの区別をする制御ができ、特に低μ路
対策として効果的なものとなり、降雨時や降雪時、路面
の摩擦係数μが低下している場合において、アップシフ
ト禁止制御によってギアの変速回数が減り、変速機出力
軸トルク変化が少なくなり、運転性、安全性とも向上
し、また、走行ギア比がローギアード化することによっ
て走行時のエンジンブレーキ感や加速感が大きくなり、
この面からも運転性、安全性とも向上せしめることを可
能にする。
【0015】また、請求項6記載の場合は、変更制御手
段は、その感度切り換え手段により、降雨、降雪もしく
はこれに類する低μ路面走行状況が検出されたとき、前
記アップシフト禁止制御の動作感度を高め、該状況が検
出されていない場合は、低い感度に変更するように感度
を切り換えることができ、本発明はこのような構成で実
施することができる。よって、この場合も、シフトアッ
プ禁止制御を行う場合の動作感度を、きめ細かく低μ路
面走行かどうかに応じて変更することができ、例えば低
μ路面走行時はたとえアクセル戻し速度が小さくてもア
ップシフト禁止になるように、従って上記の機能をもつ
アップシフト禁止が起こりやすくするよう制御でき、反
対にそうでなければ簡単なアクセルの戻しでアップシフ
ト禁止とならないように制御することを可能ならしめ
る。
【0016】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づき説明す
る。図1は、本発明の一実施例に係る自動変速機の変速
制御装置を示し、図中1は車両のエンジン、2は例えば
4段変速の自動変速機である。自動変速機2はトルクコ
ンバータ3を経てエンジン1の動力を入力され、選択変
速段に応じたギヤ比で入力回転を変速し、出力軸4に伝
達するものとする。
【0017】ここで、自動変速機2は、コントロールバ
ルブ5内におけるシフトソレノイド6,7のON,OF
Fの組み合わせにより選択変速段を決定され、トルクコ
ンバータ3は、同じくコントロールバルブ5内における
ロックアップソレノイド8のデューティ制御により、入
出力要素間を直結されないコンバータ状態または入出力
要素間を直結したロックアップ状態にされるものとす
る。
【0018】シフトソレノイド6,7のON/OFF、
及びロックアップソレノイド8の駆動デューティDを制
御するため自動変速機コントローラ(A/Tコントロー
ラ)10を設け、このコントローラ10には、エンジン
1のスロットル開度(アクセル開度)を検出するアクセ
ル開度センサ21からの信号、例えば変速機出力軸4の
回転数から車速を検出する車速センサ22からの信号、
及びアップシフト禁止制御に係る変速制御変更用の制御
装置15からの信号等をそれぞれ入力する。
【0019】A/Tコントローラ109は、入力検出回
路と、演算処理回路と、該演算処理回路で実行される変
速制御用の演算プログラム等を格納した記憶回路と、前
記の各ソレノイドに駆動信号を送出する出力回路等とで
構成される。
【0020】記憶回路には、変速制御のアップシフト、
ダウンシフトにおいて適用されるアクセル開度と車速に
より決められた変速パターン特性(変速点特性データ)
も格納されている。変速パターンの特性データは、コン
トローラ内記憶回路のメモリにテーブルデータやマップ
データとして記憶されており、コントローラ10は、ア
クセル開度及び車速をパラメータとしてルックアップ方
式により最適変速段を求め、該当する特性に基づくシフ
トスケジュールに従って変速制御を実行する。
【0021】コントローラ10は、基本的には、上述し
たアクセル開度及び車速の入力情報に基づき、その変速
制御プログラムに従い変速制御を実行するが、かかる制
御において、前記変速制御変更用の制御装置15からア
ップシフト禁止が指令(アップシフト禁止制御)された
場合、コントローラ10はシフトアップは実行しない
(ホールド制御)。
【0022】かかる変速制御変更用制御装置15は、本
例のシステムでは、アクセル開度センサ21からの信号
及び車速センサ22からの信号を入力としてアップシフ
ト禁止信号の発生を制御する制御装置で、アクセル急戻
し検出装置15aを含んでなる。アクセル開度センサ2
1からの信号は、アクセル急戻し検出装置15aへの情
報として入力される。該制御装置15は、A/Tコント
ローラ10に対し、後述のように、該当する制御領域で
は基本的にシフトアップ禁止信号を送出するよう制御を
行う一方、更に、たとえアクセル急戻しであっても一定
条件(運転状況、運転環境)下では、これを禁止する制
御をも行う。即ち、アクセル踏み戻し時でのシフトアッ
プを許容する。
【0023】図2は、本実施例による制御フローチャー
トの一例を示すものである。本プログラムは一定時間ご
とに実行される。図において、ステップ110では、本
ステップ実行ごと、アクセル開度変化量の計算、及びこ
こでは車速の移動平均速度の計算を行う。即ち、アクセ
ル開度センサ21よって観測されたアクセル開度は、制
御装置15のアクセル急戻し検出装置15aにおいて、
常時、所定の単位時間毎に差分がとられ、その変化量
(アクセル戻し速度)が検出されている。また、車速セ
ンサ22の出力に基づき、同様に、常時、過去の所定時
間にわたる車両の走行速度の移動平均が制御装置15に
おいて計算され、移動平均速度が求められている。この
移動平均をみることによって、瞬間、瞬間の車速でな
く、過去でどの位の走り方をしていたかといった運転状
態も、適切に本制御に反映させることができる。
【0024】ステップ120では、アクセル開度変化量
について監視し、アクセル踏み戻しか否かを判断し、踏
み戻しでないときは、そのまま本プログラムは終了さ
れ、アクセル踏み戻しの場合に、次の判別ステップ13
0へ進む。このようにして、アクセル開度変化の中で、
アクセル戻し方向の動きのみ抽出される。
【0025】ステップ130では、このアクセル戻し方
向の場合のアクセル開度変化量の値を、予め設定してあ
る比較所定値ΔTVOと比較することにより、アクセル
急戻しか否かを判別する。その結果、所定値ΔTVOよ
り大きくないときはステップ140及び150をスキッ
プして本プログラムを終了する。従って、このときは、
アップシフト禁止制御(ステップ150)は実行されな
いが、アクセル戻し方向のアクセル開度変化量が所定値
ΔTVOより大きいと判断した場合は、アクセル急戻し
とみて、基本的には、A/Tコントローラ10にアップ
シフト禁止制御を実行させるべく、該コントローラ10
に対してアップシフト禁止信号を発生する制御の方向に
処理を進めるため、ステップ140側を選択する。
【0026】ステップ140に進んだ場合、ここでは、
上記で計算して得られている移動平均速度を用い、更
に、これが比較所定値Voより大きいか否かを判断す
る。その比較判断の結果、移動平均速度が所定値Voよ
り大きくない場合、従って、所定値Voに満たない程度
の中間車速(例えば、普通の国道を走行している場合の
速度)のときは、ステップ150でアップシフト禁止信
号を発生させて、本プログラムを終了する。このように
して、アクセル急戻しで、かつそのとき車両の走行状態
が上記車速に相当する場合には、アップシフト禁止制御
を働かせよう、アップシフト禁止がA/Tコントローラ
10に指令され、A/Tコントローラ10によってアッ
プシフト禁止制御が実行される。
【0027】これに対し、移動平均速度が所定値Voよ
り大きい場合は、従って移動平均速度が所定値Voより
大きい走行の状況にあっては、高速走行中とみて、アッ
プシフト禁止信号を発生はこれを禁止するため、ステッ
プ150の処理をスキップして本プログラムを終了す
る。従って、この場合は、アクセル急戻しであっても、
上述のアップシフト禁止制御はA/Tコントローラ10
によりなされない。
【0028】以上のように、急アクセル戻しによるアッ
プシフト禁止の制御において動作条件を設定したことに
よって、きめ細かな制御が行え、非常に安全で、運転性
の優れた自動変速機の変速制御を実現することができ
る。本実施例においては、車両の走行状態、走行環境に
係る条件のうちの車速についてのものであって、上述の
ように車速に関する条件を設定してあり、こうすること
によって、高速走行中、ドライバーがアクセルを戻した
とき、思わぬ高エンジン回転数でエンジンが維持される
ことがなく、従って、ドライバーがびっくりするような
ことがない。また、急激なエンジンブレーキ感が発生せ
ず、ドライバーにとっては、好ましい運転性能となる。
一方、高速走行時以外は、本システムの効果が体感でき
る。
【0029】本実施例は、例えば、高速道路での高速走
行中に有効な制御となる。具体的に従来のものとの対比
でいえば、高速道路走行時、アクセルを踏み込み加速
中、例えば前方走行中の隣レーンの車が自車レーンに急
に浸入してきたのでアクセルを急戻しを行った場面を考
えたとき、アクセルの戻し速度によって一律に変速特性
を変化させ、アップシフト禁止を行っていると、このと
き、アクセルの急踏み戻しでアップシフトせず、結果、
変速比が保持された場合、エンジン回転数が上昇し、か
つ、そのとき速度が大きいため大きなエンジンブレーキ
による減速が発生し、ドライバーにとっては不適切な制
御となってしまうが、本実施例の変速制御法によると、
上記のように、このような問題も解消されるものであ
る。
【0030】次に、本発明の他の実施例を説明する。前
記実施例(第1実施例)によるものが、アクセル開度検
出手段とアクセル開度の戻し方向の変化量を算定する手
段とを有し、該算定値と所定値を比較する手段を有し、
該比較により(アクセル踏み戻しにもかかわらず)変速
機のアップシフトを禁止する手段を有する自動変速機の
変速制御において、車速を検出する手段を有し、車速の
平均値を算定する手段を有し、該平均値の値の大きさに
よって上記アップシフト禁止を解除するようにした場合
の例であって、例えば高速道路対策として実施して好適
なものであったのに対し、本実施例(第2実施例)は、
かかる自動変速機の変速制御において、前方車両を追従
走行していることを検出する手段を有し、該状況が検出
されたとき、上記アップシフト禁止制御を行ないやすく
し(動作感度を高め)、そうでない場合は、通常の感度
に変更する手段を有する場合の例である。
【0031】以下に述べる制御例は、コーナー手前での
状況のみならず、比較的短い車間距離で前方車両を追従
走行しているときに、有効な制御でもあり、次のような
観点からのものである。自動変速機において、アクセル
の急戻しでアップシフトを禁止するよう制御すること
は、通常、10メートル程度の車間距離で前車を追従し
ている状況において、前車との接近を感じてアクセルを
急戻ししたときに、適度なエンジンブレーキ感が発生す
る効果を得る。また、前方に突然障害物などが現われ、
急に加速意図がなくなったときなどにアクセルを急戻し
して、アップシフトしないことにより、その後にドライ
バーが操作するブレーキによる制動の補助をする効果が
ある。
【0032】しかして、運転状況等によっては、アップ
シフトを行わない方が良好な運転性が確保される場合や
また、その反対に僅かのアクセル戻しにおいてアップシ
フトを禁止するような制御を行った方がドライバーに良
好な運転性が提供できる場合もあり、かつまた、かかる
場合、アクセル戻し速度でアップシフト禁止を行う過程
において、一層きめ細かな制御の使い分けを実現しよう
する点も踏まえると、アップシフト禁止を行うか否かを
決定する値、即ちアップシフト禁止を行う動作感度を運
転状況によって変化させる必要がある。
【0033】従って、例えば上記で述べたように、前車
追従時の動作と急に障害物が出てきたとき以外では、ア
クセルを戻してもアップシフトを禁止して欲しくないと
いう場面もある。つまり、上記の状況のときだけ、アッ
プシフトを禁止し、それ以外はアップシフト禁止をしな
い状況といった区別をする制御が必要となり、これも加
味すれば、より有効なものとなる。そこで、本実施例で
は、前記実施例と同様、シフトアップ禁止をするべきか
否かを判断する手段を追加するのに加えて、その判断に
基づき急踏み戻し時のアップシフト禁止制御を行う場合
の動作感度を変更するよう構成ともしようとするもので
ある。
【0034】図3は、本実施例の構成を示す。図示例で
は、図1に示した第1実施例の場合の構成要素の他に、
前車との追従状態を検出する装置23が付加されてい
る。該検出装置23の出力は、変速制御用の制御装置1
5に入力される。他のシステム構成としては、前記第1
実施例と同様であってよい。
【0035】以下、本実施例の要部を述べる。上記追従
検出装置23の構成については、例えば、次のようなも
のであってよい。前車との追従状態の検出の最も簡単な
手法としては、前車との車間距離をレーザーレーダやカ
メラ(例えば、CCDによる画像センサ)などで検出
し、自車両が前車を追従していることを検出するもので
あり、このような構成のものを用いることができる。
【0036】また、こうしたハードウエアを用いなくて
も、アクセル開度センサ21より得られたアクセル開度
の状況を観測することにより前車追従を検出することが
できる。また、前車を追従する場合、アクセル開度の操
作量の変化率を或る単位時間(例えば、10分)中観測
して、その変化率を頻度順位で並べると、図5に示すよ
うな分布のものとなる。同図中、横軸はアクセル操作の
変化量(=時刻tのアクセル開度−時刻t+δのアクセ
ル開度)、縦軸はその発現頻度(発生頻度)を表す。こ
こで、この分布において前車を追従する場合のアクセル
変化率は、図5の分布の「前車追従走行時」表示の部分
(図中破線より右側部分)であることが多い。かかる部
分は、アクセル操作の変化量は多い(アクセル開度変化
量は比較的大)もののその頻度は少ない(頻繁には変化
させていない)車両走行状態にあることを意味してい
る。よって、アクセル開度センサ21の手段によりアク
セル操作を観測し、その変化率が図5の範囲に高い確率
で存在するならば、その車両は前車を追従して走行して
いると考えてよい。このような手法によれば、アクセル
開度センサ21を有効に活用に、かつまた、必要に応
じ、アクセル踏み戻しかどうかをみるための算出するそ
のアクセル開度変化量も利用できる方法となる。従っ
て、この場合には、レーザーレーダやカメラによるとし
た場合の図3の追従検出装置23は不要である。
【0037】本実施例では、上記のような追従状況を検
出するシステムを導入し、自車が前車を追従しているか
いないか、追従の有無を判断して、アップシフト禁止制
御を行うか否かの制御を行おうというものである。更
に、その場合に、好ましくは、追従していると判断した
場合は、シフトアップ禁止を行うか、シフトアップしや
すくし、そうでない場合は、シフトアップしないか、あ
るいはしにくくしようともしようというものである。
【0038】図4は、かかる前車追従の場合の変速制御
変更用の制御内容の要部の制御フローチャートの一例を
示すものである。図中、ステップ110及びステップ1
20は、前記図2における処理と同様であり、前記第1
実施例1の作用に付加される形で追従検出装置23から
追従状態を表わす信号が制御装置15に(アクセルの動
きから追従検出を行う上記手法の場合は、アクセル急戻
し検出装置15aに)入力した場合は、図4のフローチ
ャートで示すように、ステップ131以下の処理で、ア
ップシフト禁止(ステップ150)をするか否かの処理
の選択が行われる。
【0039】本プログラム例では、ステップ120でア
クセル踏み戻しと判断した場合、単位時間当たりの踏み
戻し量が図5の追従の分布に入っているか否かを判断す
る(ステップ131)。なお、追従検出の方法として既
述した如く例えばレーザーレーダを用いる場合なら、車
間距離の移動平均が所定値より小さいか否かをという判
断内容のもので、このステップ131の処理を置き換え
ることができる。
【0040】しかして、ステップ131の判断の結果、
その答えが肯定なら、前車追従状態とみて、このとき
は、本プログラム例では、後記の判別ステップ136で
適用されるアクセル戻し速度についての比較所定値ΔT
VO1を所定の値δS減少させる比較所定値変更のため
の演算処理(ΔTVO1=ΔTVO1−δS)を選択し
(ステップ132)、ステップ131の答えが肯定でな
ければ、上記比較所定値ΔTVO1を所定の値δS増加
させる比較所定値変更のための演算処理(ΔTVO1=
ΔTVO1+δS)を選択し(ステップ133)、常
に、いずれかの処理を経て、ステップ134を進む。
【0041】極限の範囲内かの判別ステップ134、並
びに比較所定値ΔTVO1=限界値の設定ステップ13
5は、比較所定値ΔTVO1に関するリミット処理であ
り、ステップ135が実行されるときは、比較所定値Δ
TVO1は予め定めた所定の限界値に設定される。これ
により、例えば、上述の学習処理過程のステップ132
において、当該ステップ実行ごと、比較所定値ΔTVO
1は値δSずつ減算されていこととなるが、比較所定値
ΔTVO1が下限の限界値以下には低下しないように、
不必要に僅かのアクセル戻しでアップシフト禁止制御が
かかってしまうといったような事態になるのを未然に回
避している。該当する場合はかかる処理の後、ステップ
136の判別を実行し、その時適用される値ΔTVO1
を、アップシフト禁止制御を行わせるか否かの判断のた
めの比較値とし、比較の結果それより大きいときは、前
記第1実施例と同様、アップシフト禁止制御のためのア
ップシフト禁止指令を出力し(ステップ150)、そう
でなければ、アップシフト禁止制御はこれを実行させな
いようにして、本プログラムを終了する。
【0042】このようにして、例えば図5による分布を
利用した追従状態の検出の有無に応じ、比較所定値ΔT
VO1を値δS変化させることにより、適切に動作感度
を変えるようにすることができる。具体的には、ステッ
プ131,132,133によって、追従状態の場合
は、アクセル戻し速度の比較所定値ΔTVO1をδsの
み小さくし、従って、アップシフト禁止制御を行いやす
くし、結果、アクセル戻し速度が小さくてもシフトアッ
プ禁止になるように制御するよう、制御状態の選択的な
切り換えがなされる。従って、本制御は、例えば高速道
路での前車追従の状況での制御に好適であり、追従中、
アクセルを戻したならば、ドライバーは、前車に接近し
たがゆえに速度を落とすべくアクセルを戻したとみて、
エンジンブレーキ等の適切に機能させるようアップシフ
ト禁止制御しやすくしてこれを行わせることができる。
その反対に、追従状態でないと認識された場合は、比較
所定値ΔTVO1をδsだけ大きくし、従って、シフト
アップしないか、あるいはしにくくするようにし、結
果、簡単なアクセルの戻しでアップシフト禁止とならな
いように制御するよう、制御態様を切り換えることがで
きる。
【0043】本実施例制御の場合は、基本的な効果とし
て前記第1実施例と同様のものが得られる上、前車追従
に伴うエンジンブレーキ感が欲しい時に適切に作用し、
そうでない場合にアップシフト禁止が動作しないように
なり、この点でも極めて運転性が良くなる。
【0044】上記のように前方車両の追従走行状態の有
無を見る場合、図4のステップ132,133,13
4,135の処理を設けず、ステップ131で追従状態
でないと認識された場合に、そのまま、ステップ13
6,150をスキップしてプログラムを終了するよう処
理内容に変形して実施してもよい。この場合の実施例
を、図6に示す。本実施例は、前記第2実施例の変形例
でもあり、また、前記第1実施例とは、車速判断を前車
追従の有無判断に置き換えたものにも相当し、この点で
第1実施例の変形例でもある。本実施例においては、図
示の如く、前方車両を追従走行していることが検出され
ている場合には前記アップシフト禁止制御を行わせうる
ようにステップ136側が選択される一方、該状況が検
出されていない場合にはアップシフト禁止制御を禁止す
るよう、切り換え制御することができる。本実施例によ
っても、前記第1実施例と同等の機能か実現でき、本発
明は、このような構成にして実施してもよい。
【0045】次に、本発明の更に他の実施例を説明す
る。前記2実施例は、前車追従の有無に対応させて、ア
ップシフト禁止を行う動作感度を変える変更制御の例で
あったが、本実施例(第3実施例)は、降雨、降雪等を
検出する手段を有し、該状況が検出されたとき、アップ
シフト禁止制御を行いやすくし、そうでない場合は通常
の操作感度に変更する手段を有する場合の例である。前
記第2実施例では、具体的な場面として前車追従時の場
面を採り上げたが、このほかにまた、路面の状況にいか
んによる変更制御も有効なものを提供できる。即ち、路
面の状況によっても、降雨時はできるだけローギアード
で走行した方がエンジンブレーキ感などが得られ安全に
走行できる。つまり、前記で触れたように、アップシフ
ト禁止か否かの区別を行う場合にその区別を行う過程に
おいて、この点からは、路面状態も考慮しなければなら
ないことが分かる。本実施例はこれに着目したものであ
る。
【0046】図7は、本実施例の構成を示す。本実施例
は、基本的な構成、制御形態は、前記第2実施例の場合
と同様である。図示例では、前記図3のシステム構成に
加えて、路面が低μ路かどうかをみるための手段として
の降雨、降雪検出装置24が設けられている(なお、こ
こでは、前車追従状況を検出するシステムと併用する例
である、併用せずに降雨、降雪検出装置24を図3の追
従検出装置23に代えてもよい)。他の構成要素は、前
記第1実施例で述べたのと同様であってよい。以下、本
実施例の要部を説明すると、降雨、降雪検出装置24
は、具体的には、外気温度とワイパーの動作から降雨や
降雪を判断する構成のものであってよい。ここでは、例
えば、ワイパーのスイッチの信号が該検出装置23の出
力信号となっているものとし、該ワイパーの動作信号が
制御装置15に制御用信号として入力される。
【0047】図8は、本実施例による場合の変速制御変
更用の制御内容の要部の制御フローチャートの一例を示
すものである。図中、前記図4の場合と同様の内容の処
理については、同一の符号を付してある。図4と異なる
のは、図4のステップ131が図8のステップ131A
に置き換えられている点である。即ち、前記第2実施例
の制御フローチャートが前車追従走行か否かによって比
較所定値ΔTVO1を変化させるような制御内容である
のに対し、本実施例では、降雨か降雪の車両走行環境に
おいて、具体的にはワイパーが動作している場合に、該
比較所定値ΔTVO1を減少させるよう変化させるよう
制御するしようというものである。
【0048】従って、動作としては、第2実施例との比
較でいえば、第2実施例での前車追従であることが、本
実施例での降雨等によるワイパー作動であることと置き
替われば、制御処理内容は全く同じであり、降雨の場
合、比較所定値ΔTVO1をδsのみ小さくし、アップ
シフト禁止制御を行いやすくして、アクセル戻し速度が
小さくてもシフトアップ禁止になるように制御状態の選
択的な切り換えがなされ、降雨でなければ、比較所定値
ΔTVO1をδsだけ大きくし、簡単なアクセルの戻し
でアップシフト禁止とならないように制御態様を切り換
えることができる。
【0049】本実施例によれば、基本的な効果は前記第
1実施例と同様であるとともに、本実施例の態様に従え
ば、効果的な低μ路対策が実現でき、降雨時や降雪時、
路面の摩擦係数μが低下している場合に、アップシフト
禁止が起こりやすくなることによってギアの変速回数が
減り、変速機出力軸トルク変化が少なくなり、運転性、
安全性とも向上する。また、走行ギア比がローギアード
化することによって走行時のエンジンブレーキ感や加速
感が大きくなり運転性、安全性とも向上する。
【0050】また、本実施例は、変形例として、自動変
速機が例えば“スノーモード”(A/Tシフトのスノー
モード)スイッチを備えるものである場合には、図示の
降雨、降雪検出装置24として、その自動変速機の“ス
ノーモード”スイッチなどからの信号を用いるようにし
てもよい。
【0051】また、上述の如くに降雨、降雪もしくはこ
れに類する低μ路面走行状況かどうかを対象とする場合
も、前記図7の制御フローチャートの場合に準じた変形
を行うことができる。この場合の実施例が図9に示され
る。本実施例は、前記第3実施例の変形例でもあり、ま
た、前記第1実施例とは、車速判断を低μ路面走行の有
無判断に置き換えたものにも相当し、この点では第1実
施例の変形例でもある。本実施例においては、図9の制
御フローチャートの如く、ワイパーが動作していると
き、従って降雨、降雪もしくはこれに類する低μ路面走
行状況が検出されている場合にはアップシフト禁止制御
を行わせうるるようステップ136側が選択される一
方、ワイパー非作動で該状況が検出されていない場合に
はアップシフト禁止制御を禁止するよう、切り換え制御
することができる。本実施例によっても、前記第1実施
例や図7による実施例と同等の機能か実現でき、本発明
は、このような構成にして実施してもよい。
【0052】なお、本発明は、以上の実施例、変形例等
に限定されるものではない。例えば、各実施例(変形例
を含む)はいずれをも、それ単独で実施してもよいしこ
とは勿論、先にも触れてあるようにそれらのいずれか2
以上を組み合わせて実施してもよい。また、例えば、本
発明は有段変速機、無段変速機の両者に適用可能なもの
である。従って、無段変速機において実施してもよい。
【0053】
【発明の効果】本発明によれば、自動変速機の変速制御
におけるアクセル戻しによるアップシフト禁止の制御に
おいて、走行状態もしくは走行環境に応じて、シフトア
ップ禁止制御を禁止乃至抑制するよう変更制御でき、ア
クセル急戻しでも、専らそれに依存して一律にアップシ
フト禁止制御を行うことが避けられ、走行状態もしくは
走行環境に応じたきめ細かな制御をなし得て、運転性に
優れた変速制御を実現することができる。
【0054】この場合、車両の走行状態もしくは走行環
境は、好ましくは、車速の高低、前方車両の追従走行状
態かどうか、あるいは降雨、降雪もしくはこれに類する
低μ路面走行状況であるかどうかの、いずれか一または
二以上の組合せとすることができる。車速の場合は、請
求項2記載の如く、変更制御手段が、車速を検出する手
段の出力に基づき、高車速の場合には前記アップシフト
禁止制御を禁止するよう、高車速でない場合にはアップ
シフト禁止制御を行わせるよう、切り換え制御するとよ
い。この場合は、同様に上記を実現することができると
ともに、特に、高速道路走行時に、高速走行中、ドライ
バーがアクセルを戻したとき、思わぬ高エンジン回転数
でエンジンが維持されることがなく、ドライバーがびっ
くりするようなことがないのに加え、急激なエンジンブ
レーキ感が発生せず、ドライバーにとっては好ましい運
転性能となる。また一方、高速走行時でないときは、ア
ップシフト禁止制御による本来の効果が体感できる制御
が実現できる。
【0055】また、前方車両の追従走行状態の有無の場
合は、請求項3記載の如く、変更制御手段が、車両を追
従走行していることを検出する手段の出力に基づき、追
従走行状況が検出されている場合には前記アップシフト
禁止制御を行わせるよう、該状況が検出されていない場
合にはアップシフト禁止制御を禁止するよう、切り換え
制御するとよい。この場合も、同様に上記を実現するこ
とができるとともに、特に、前車追従に伴うエンジンブ
レーキ感が欲しい時に作用し、そうでない場合にアップ
シフト禁止が動作しないようになり、これらを区別する
制御が実現でき、この点で極めて運転性を良くすること
が可能となる。
【0056】また、請求項4記載の場合は、変更制御手
段は、その感度切り換え手段により、該追従走行状況が
検出されたとき、前記アップシフト禁止制御の動作感度
を高め、該状況が検出されていない場合は、低い感度に
変更するように感度を切り換えることができ、本発明は
このような構成で実施することもできる。よって、この
場合は、シフトアップ禁止制御を行う場合の動作感度
を、きめ細かく前車追従の有無に応じて変更することが
でき、例えば追従時はたとえアクセル戻し速度が小さく
てもアップシフト禁止になるように制御でき、反対に追
従状態でないときは簡単なアクセルの戻しでアップシフ
ト禁止とならないように制御することができる。
【0057】また、降雨、降雪もしくはこれに類する低
μ路面走行状況かどうかの場合は、請求項5記載の如
く、変更制御手段が、降雨、降雪もしくはこれに類する
低μ路面状況を検出する手段の出力に基づき、降雨、降
雪もしくはこれに類する低μ路面走行状況が検出されて
いる場合には前記アップシフト禁止制御を行わせるよ
う、該状況が検出されていない場合にはアップシフト禁
止制御を禁止するよう、切り換え制御するとよい。この
場合も、同様に上記を実現することができるとともに、
アップシフト禁止かアップシフト禁止をしたくない状況
かの区別をする制御ができ、特に低μ路対策として効果
的なものとなる。降雨時や降雪時、路面の摩擦係数μが
低下している場合において、アップシフト禁止制御によ
ってギアの変速回数が減り、変速機出力軸トルク変化が
少なくなり、運転性、安全性とも向上し、また、走行ギ
ア比がローギアード化することによって走行時のエンジ
ンブレーキ感や加速感が大きくなり、この面からも運転
性、安全性とも向上させることができる。
【0058】また、請求項6記載の場合は、変更制御手
段は、その感度切り換え手段により、降雨、降雪もしく
はこれに類する低μ路面走行状況が検出されたとき、前
記アップシフト禁止制御の動作感度を高め、該状況が検
出されていない場合は、低い感度に変更するように感度
を切り換えることができ、本発明はこのような構成で実
施することもできる。よって、この場合も、シフトアッ
プ禁止制御を行う場合の動作感度を、きめ細かく低μ路
面走行かどうかに応じて変更することができ、例えば低
μ路面走行時はたとえアクセル戻し速度が小さくてもア
ップシフト禁止になるように、従って上記の機能をもつ
アップシフト禁止が起こりやすくするよう制御でき、反
対にそうでなければ簡単なアクセルの戻しでアップシフ
ト禁止とならないように制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の自動変速機の変速制御装置の一実施例
の構成を示す図である。
【図2】同例における制御フローチャートの一例を示す
図である。
【図3】本発明の他の実施例の構成を示す図である。
【図4】同例における制御フローチャートの一例を示す
図である。
【図5】同例での前車両追従走行判断に適用できる、追
従時のアクセル操作分布の特性図である。
【図6】本発明の更に他の実施例に係る制御フローチャ
ートの一例を示す図である。
【図7】本発明の更に他の実施例の構成を示す図であ
る。
【図8】同例における制御フローチャートの一例を示す
図である。
【図9】本発明の更に他の実施例に係る制御フローチャ
ートの一例を示す図である。
【符号の説明】
1 エンジン 2 自動変速機 3 トルクコンバータ 4 変速機出力軸 5 コントロールバルブ 6,7 シフトソレノイド 8 ロックアップソレノイド 10 自動変速機コントローラ(A/Tコントローラ) 15 変速制御変更用制御装置 15a アクセル急戻し検出装置 21 アクセル開度センサ 22 車速センサ 23 追従検出装置(追従状態検出装置) 24 降雨、降雪検出装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F16H 59:66

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アクセル開度を検出するアクセル開度検
    出手段と、そのアクセル開度の戻し方向の変化量を算定
    する変化量算定手段と、該変化量算定値と所定値を比較
    する比較手段と、その比較により変速機のアップシフト
    を禁止する手段とを有する自動変速機の変速制御装置で
    あって、 車両の走行状態もしくは走行環境に応じて、前記アップ
    シフト禁止手段によるアップシフト禁止制御を、禁止も
    しくは抑制するよう、変更制御する手段を備えることを
    特徴とする自動変速機の変速制御装置。
  2. 【請求項2】 車速を検出する手段を有し、 変更制御手段が、該検出手段の出力に基づき、高車速の
    場合には前記アップシフト禁止制御を禁止するよう、高
    車速でない場合にはアップシフト禁止制御を行わせるよ
    う、切り換え制御することを特徴とする請求項1記載の
    自動変速機の変速制御装置。
  3. 【請求項3】 前方車両を追従走行していることを検出
    する手段を有し、 変更制御手段が、該検出手段の出力に基づき、追従走行
    状況が検出されている場合には前記アップシフト禁止制
    御を行わせるよう、該状況が検出されていない場合には
    アップシフト禁止制御を禁止するよう、切り換え制御す
    ることを特徴とする請求項1、または請求項2記載の自
    動変速機の変速制御装置。
  4. 【請求項4】 前方車両を追従走行していることを検出
    する手段を有し、 変更制御手段は、該追従走行状況が検出されたとき、前
    記アップシフト禁止制御の動作感度を高め、該状況が検
    出されていない場合は、低い感度に変更するように感度
    を切り換える手段を含むことを特徴とする請求項1、請
    求項2、または請求項3記載の自動変速機の変速制御装
    置。
  5. 【請求項5】 降雨、降雪もしくはこれに類する低μ路
    面状況を検出する手段を有し、 変更制御手段は、該検出手段の出力に基づき、降雨、降
    雪もしくはこれに類する低μ路面走行状況が検出されて
    いる場合には前記アップシフト禁止制御を行わせるよ
    う、該状況が検出されていない場合にはアップシフト禁
    止制御を禁止するよう、切り換え制御することを特徴と
    する請求項1、請求項2、請求項3、または請求項4記
    載の自動変速機の変速制御装置。
  6. 【請求項6】 降雨、降雪もしくはこれに類する低μ路
    面状況を検出する手段を有し、 変更制御手段は、降雨、降雪もしくはこれに類する低μ
    路面走行状況が検出されたとき、前記アップシフト禁止
    制御の動作感度を高め、該状況が検出されていない場合
    は、低い感度に変更するように感度を切り換える手段を
    含むことを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3、
    請求項4、または請求項5記載の自動変速機の変速制御
    装置。
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