JPH08134585A - 高温強度及び耐酸化性に優れたフェライト系耐熱鋼及びその製造方法 - Google Patents

高温強度及び耐酸化性に優れたフェライト系耐熱鋼及びその製造方法

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JPH08134585A
JPH08134585A JP27162494A JP27162494A JPH08134585A JP H08134585 A JPH08134585 A JP H08134585A JP 27162494 A JP27162494 A JP 27162494A JP 27162494 A JP27162494 A JP 27162494A JP H08134585 A JPH08134585 A JP H08134585A
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steel
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oxidation resistance
high temperature
resistant steel
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Katsukuni Hashimoto
勝邦 橋本
Hiroyuki Mimura
裕幸 三村
Koji Tamura
広治 田村
Yasushi Sato
恭 佐藤
Toshio Fujita
利夫 藤田
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Nippon Steel Corp
Mitsubishi Power Ltd
Original Assignee
Babcock Hitachi KK
Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 450〜600℃の耐圧部材に好適なフェラ
イト系耐熱鋼を提供する。 【構成】 重量%で、C:0.04〜0.15%、S
i:0.10〜0.80%、Mn:0.20〜1.5
%、Cr:1.5超〜3.5%、Mo:0.10〜0.
65%、V:0.005〜0.35%、Nb:0.00
5〜0.05%、B:0.0002〜0.0050%を
含有し、必要に応じてTi:0.005〜0.05%、
W:0.4〜1.0%の単独あるいは2種を含有し、断
面面積率で15%以下の初析フェライトと残部ベイナイ
トからなる組織を有することを特徴とする高温強度に優
れたフェライト系耐熱鋼、及び上記組成の鋼を950〜
1010℃の温度範囲で焼ならした後、焼もどしパラメ
ータを18.50×103 〜19.90×103 の範囲
とし焼もどしを施すことを特徴とする高温強度及び耐酸
化性に優れたフェライト系耐熱鋼の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はフェライト系耐熱鋼に係
わり、火力プラントにおいて450〜600℃の高温高
圧の耐圧部材に使用される高温強度及び耐酸化性に優れ
たフェライト系耐熱鋼に関するものである。
【0002】
【従来の技術】火力プラント、化学プラント、原子力プ
ラント等の高温耐圧部材に使用されている耐熱鋼は、オ
ーステナイト系ステンレス鋼とフェライト系耐熱鋼であ
るCr−Mo鋼、Mo鋼及び炭素鋼に大別することがで
きる。これらの耐熱鋼の中から、高温耐圧部の温度、圧
力、使用環境及び経済性の点から適切な材料が選定され
る。
【0003】上記耐熱鋼の中で、オーステナイト系ステ
ンレス鋼は高温強度と耐食性で最も優れているが、線膨
張係数が大きく、熱伝達率が小さい。また、本質的に応
力腐食割れ感受性を有している。さらに、Cr,Ni等
の合金元素の添加量が多いことから高価であり、前述の
高温耐圧部材には、使用温度が600℃超あるいは使用
環境が著しい腐食環境である場合を除いて、フェライト
系耐熱鋼であるCr−Mo鋼が使用されることが多い。
Cr−Mo鋼の内でも、Cr量が約2%のCr−Mo鋼
はCr量が9%以上のCr−Mo鋼に比べると、高温強
度と耐食性では劣るが、経済性には優れている。一方、
Mo鋼や炭素鋼に比べるとコストは上昇するが、高温強
度と耐酸化性に優れている。
【0004】このような特徴を有するCr量が2%のC
r−Mo鋼の代表材料としては、JIS規格のSTBA
24(2.25Cr−1Mo)がある。この鋼は、その
Cr含有量から耐酸化性の観点からするとほぼ600℃
まで使用できる。しかし、クリープ破断強度がCr含有
量が9%以上のCr−Mo鋼に比べ低いために、厚肉と
なって経済性でCr量が9%以上のCr−Mo鋼に劣
り、その使用範囲は450〜550℃の耐圧部材に限定
されている。従って、Cr量が2%のCr−Mo鋼の高
温強度を向上させれば、その使用温度範囲を大きく拡大
することができる。このような点から、火力プラントを
はじめとする高温耐圧部材としてCr量が2%のCr−
Mo鋼の高強度化が是非とも必要である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前述したように、Cr
量が約2%のCr−Mo鋼の高強度化による工業的効果
は大きいが、従来技術では高強度化によって靭性や加工
性が損なわれると言う問題点があった。例えば、JIS
規格のSTBA24等のCr−Mo鋼はMoの固溶強化
とCr,Fe,Moの微細炭化物の析出強化によって高
温強度を向上させているが、この添加元素だけでは炭化
物の粗大化が早く、十分な長時間クリープ強度が得られ
なかった。
【0006】また、特公昭63−18038号公報に開
示される材料は、クリープ特性及び耐水素侵食性に優れ
た低合金鋼であるが、Crが2%以上あることに加え
て、実質的にMoが0.75%以上、Wが0.65%以
上添加されているにもかかわらず、利用加工上重要な溶
接性の点について全く問題にされていない。加えるに、
同号公報の材料は、高強度化のために1050℃から焼
入れ処理を行っているが、火力発電プラントの伝熱管等
では施工上の熱処理では水冷焼入れが不可能な場合が多
く、利用加工上問題が残る。
【0007】さらに、特公平6−2926号公報及び特
公平6−2927号公報は、500℃以上の耐酸化、高
温酸化性及び550℃以上のクリープ強度を改善させる
高強度低合金鋼であるが、いずれも耐酸化性改善のため
にMg乃至はMg及びCuを添加している。しかし、本
発明者らは詳細な調査結果から、火力プラント等では使
用温度を600℃以下に限定するならば、あえてMg乃
至はMg及びCuの添加はなくしても十分使用に耐え得
る耐酸化性を有することを明らかにした。
【0008】本発明の目的は、Cr量が約2%のCr−
Mo鋼の特性を活かして、これにV,Nb,B、さら
に、必要に応じてTi,Wの適量添加を行うとともに、
成分組成に適した熱処理を施すことにより、450〜6
00℃と広い温度範囲の耐圧部材に使用できる高温強度
に優れたフェライト系耐熱鋼を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、後述するよう
に炭化物と母材の組織を添加元素と熱処理を実施して、
Cr−Mo鋼の優れた特性を出すことによって優れた高
温強度と加工性、溶接性を有するようにするものであ
る。このため、Cr量が2%のCr−Mo鋼をより高温
でも使用できるように、その高温強度を向上させる目的
で析出強化元素であるV,Nb及びマトリックスの組織
調整のためにBを添加し、必要に応じてさらにW,Ti
を添加する鋼を提供するものである。さらに、本発明の
特性を最大限に活かすために、組成に適した焼ならし、
焼もどし条件を提供する。
【0010】すなわち本発明は、重量%で、C :0.
04〜0.15%、 Si:0.10〜0.80%、
Mn:0.20〜1.5%、 Cr:1.5超〜
3.5%、Mo:0.20〜0.65%、 V :
0.005〜0.35%、Nb:0.005〜0.05
%、 B :0.0002〜0.0050%を含有し、
或いはさらにTi:0.005〜0.05%、 W :
0.4〜1.0%を単独あるいは2種含有し、断面面積
率で15%以下の初析フェライトと残部ベイナイトから
なる組織を有することを特徴とする高温強度及び耐酸化
性に優れたフェライト系耐熱鋼、および通常の溶解、圧
延条件で製造した前記組成の鋼を950〜1010℃の
温度範囲で焼ならした後、下式による焼もどしパラメー
タ(T.P)を18.50×103 〜20.90×10
3 の範囲とし焼もどしを施すことを特徴とする高温強度
及び耐酸化性に優れたフェライト系耐熱鋼の製造方法で
ある。 T.P=T(20+log t) ここで、Tは焼もどし温度(K)、tは焼もどし時間
(hr)を示す〕
【0011】
【作用】以下に、各元素の作用効果と含有率の限定理由
を説明する。Cは、Fe,Cr,Mo,V,Nb,W,
Tiと結合して炭化物を形成し、高温強度に寄与すると
ともに、マルテンサイト、ベイナイト、パーライト及び
フェライト組織の生成割合に重要である。Cが0.04
%未満では炭化物の析出量が不足するため十分な強度が
得られず、一方、C量が0.15%を超えると炭化物が
過剰に析出して溶接性と加工性を損なう。従って、C量
の適正範囲は0.04〜0.15%とした。
【0012】Siは脱酸剤として添加する必要があり、
0.10%未満では脱酸が不十分であり良好な靭性が得
られない。しかし、Si量が0.80%以上になると返
って靭性が低下するので、適正範囲は0.10〜0.8
0%とした。
【0013】Mnは鋼の熱間加工性を改善し、高温強度
の安定化にも寄与する。0.20%未満ではその効果が
著しく小さい。しかし、1.5%を超えると鋼が硬化し
て溶接性と加工性を損なうようになる。また、Siと同
様に焼もどしによる脆化を助長する元素であるで、適正
範囲は0.20〜1.5%とした。
【0014】Crは鋼の耐酸化性と耐高温腐食性を改善
させるため不可欠な元素である。本発明の鋼は600℃
までの温度域で使用するものであるが、耐酸化性や耐食
性の観点から1.5%以下では実用的ではない。一方、
Crを増加させると耐食性を向上させるが、溶接性を著
しく低下させるので、適正範囲は1.5超〜3.5%と
した。
【0015】Moは地鉄に固溶しマトリックスを強化す
るとともに、一部炭化物として析出するので、高温強度
を向上させる。0.10%未満ではその実質的な効果は
ない。また、Mo量が多すぎると加工性、溶接性及び耐
酸化性が低下するとともに、材料コストが上昇する。従
って、適正範囲は0.10〜0.65%とした。
【0016】Vは主にCと結合して炭化物を析出し、高
温強度、特に、クリープ強度の向上に著しい効果をもた
らす。その添加量が0.005%未満では実質的な効果
がない。また、0.35%を超えると固溶化熱処理時に
未固溶のV炭化物が粗大化してその効果を低減させる。
従って、適正範囲は0.005〜0.35%とした。
【0017】Nbは微細な炭化物を均一に分散析出し、
高温強度を向上させるとともに固溶化熱処理時に未固溶
のNb炭窒化物が結晶粒の粗大化を抑制することにより
靭性を向上する効果がある。0.005%未満ではその
実質的な効果はなく、0.05%を超えると未固溶のN
b炭窒化物が粗大化し、強度ならびに靭性とも低下す
る。このことから、適正範囲は0.005〜0.05%
とした。
【0018】Bは微量添加により焼入れ性を向上させる
効果は一般的に知られているが、マルテンサイト化を促
進する効果以外に炭化物を分散・安定化し、ベイナイト
化を促進して強度・靭性を改善する効果もある。また、
オーステナイト粒界を清浄化し、高温強度、特に、クリ
ープ強度向上に寄与する。0.0002%未満では実質
的な効果はなく、0.0050%を超えると溶接性及び
加工性を低下させる他、熱間加工性を著しく阻害する。
従って、適正範囲は0.0002〜0.0050%とし
た。
【0019】WはMo同様、地鉄に固溶しマトリックス
を強化するとともに、一部炭化物として析出するので、
高温強度を向上させる。一般に、Cr−Mo系耐熱鋼に
は1%超のWを添加し、その効果を付与しているが、V
の存在下では1%未満のW量の添加でも高温強度、特に
クリープ強度の向上が期待できることが分かった。詳細
な実験の結果、Vの存在下においても0.4%未満のW
量ではその実質的効果がなく、1.0%超ではその効果
の増分率が小さくなることが分かった。従って、適正範
囲は0.4〜1.0%とした。
【0020】Tiは脱酸元素で、Al,Si等の脱酸元
素を制限される場合には脱酸剤としても添加されるが、
Nbと同様に、微細な炭化物を均一に分散析出し、高温
強度を向上させるとともに固溶化熱処理時に未固溶のT
i炭窒化物が結晶粒の粗大化を抑制することにより靭性
を向上する効果がある。0.005%未満ではその実質
的な効果はなく、0.05%を超えると未固溶のTi炭
窒化物が粗大化し、強度ならびに靭性とも低下する。こ
のことから、適正範囲は0.005〜0.05%とし
た。
【0021】本発明の鋼は、前述の成分の他、残部はF
e及び不可避の不純物からなる。鋼の不純物として代表
的なものはPとSである。Pは0.020%以下、Sは
0.010%以下が望ましい。さらに脱酸剤として用い
るAlは0.030%以下が望ましく、Nは0.006
0%以下で、望ましくは0.0045%以下である。
【0022】また、本発明になるフェライト系Cr−M
o鋼の組織は、断面面積率で15%以下の初析フェライ
トと残部ベイナイトからなる。その限定理由は、初析フ
ェライト量の増大に伴い常温ならびに高温強度が著しく
低下するが、断面面積率において初析フェライト量が1
5%を超えると本発明で規定する強度特性条件を確保し
得なくなる。このことから、組織限定条件を断面面積率
で15%以下の初析フェライトと残部ベイナイトとし
た。
【0023】なお、本発明になる特性条件を示せば下記
のようになる。 常温〜600℃の許容応力:STBA24の1.25倍
以上 常温での衝撃値:4kgf-m以上 さらに、これを達成するための熱処理条件の範囲を示せ
ば、下記のようになる焼ならし及び焼もどしを行う。 焼ならし温度:950〜1010℃ 焼もどしの焼もどしパラメータ(T.P):18.50
×103〜20.90×103 〔T.P=T(20+ logt) ここで、Tは熱処理温度(K)、tは熱処理の保定時間
(hr)〕
【0024】上記熱処理条件範囲の限定理由は、焼なら
し温度については950℃未満では利用加工時に受ける
PWHT後における所要の強度が得られず、また、10
10℃超では所要の靭性値が得られないことによる。さ
らに、焼もどしの焼もどしパラメータについては18.
50×103 未満では利用加工時にPWHTを施さない
場合において所要の靭性が得られず、20.90×10
3 超では利用加工時に受けるPWHTを施した場合にお
いて所要の強度を得られないことによる。
【0025】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説
明する。表1に示す化学組成の供試鋼(板厚22mm)を
作成し、900〜1025℃で焼ならしを行った後、焼
もどし及び溶接後の応力除去焼鈍相当処理として、65
0〜750℃で1〜4時間処理を施した。表1中、本発
明鋼は○印で示す鋼2〜鋼7、鋼13及び鋼16〜鋼1
9であり、その他は×印で示す比較鋼である。成分の特
徴は備考の欄に記した。なお、比較鋼の鋼1はJIS
STBA24で、代表的な既存のCr−Mo鋼である。
【0026】表2は熱処理条件、高温引張特性、衝撃特
性、クリープ破断強度、溶接低温割れ防止予熱温度及び
耐水蒸気酸化特性を示す。なお、高温引張及びクリープ
破断試験はφ6mm×GL30mmの試験片を、溶接低温割
れ防止予熱温度の評価は斜めy型溶接割れ試験片を用い
て実施した。
【0027】図1は実施例の特性値のうち高温引張強
さ、クリープ破断強度をJISに準拠して許容応力に換
算したものをプロットしたが、クリープ破断強度につい
ては表2の600℃×10000h及び650℃×50
00hをラーソン&ミラー・パラメータで105 h破断
相当温度に換算した。ここで、用いたラーソン&ミラー
・パラメータは(1)式の通りであり、換算式は(2)
式の通りである。図中には比較鋼種のSTBA24の許
容応力値及び本発明鋼の目標下限許容応力値であるST
BA24の許容応力値の1.25倍の値を参考値として
実線で示した。 ラーソン&ミラー・パラメータ=T(20+ logt) ………(1) ここで、Tは試験温度(K)、tは試験時間 T1 =T2 (20+log t2 )÷(20+ logt1 )……(2) ここで、T1 は105 h破断相当温度(K)、t1 は1
5 、T2 及びt2 は既知の温度(K)及び時間(hr)
を示し、今回の実施例の600℃×10000hの場合
にはT2 に873及びt2 に10000を代入し、65
0℃×5000hの場合にはT2 に923及びt2 に5
000を代入し算出した。
【0028】図2は実施例の特性のうち450℃の引張
強さと常温の衝撃吸収エネルギーを対比してプロットし
たものであり、図中に本発明鋼の目標下限値を参考値と
して破線で示した。
【0029】本発明鋼、鋼2〜鋼7はC,Si,Mn,
Cr,Mo,V,Nb,Bの各成分が本発明範囲の下限
に近いものであるが、鋼1の比較鋼に比べ引張及びクリ
ープ破断強度が高く、衝撃値、溶接低温割れ防止予熱温
度は遜色なく、耐水蒸気酸化性に優れる。鋼8〜鋼12
はC,Si,Mn,Cr,Mo,V,Nb,Bの各成分
が本発明範囲の下限以下のものであるが、鋼8、鋼11
及び鋼12は引張及びクリープ破断強度が本発明鋼より
低い。また鋼9及び鋼10は耐水蒸気酸化性に問題があ
る。鋼13はV及びBが本発明範囲の上限に近いもので
あるが、引張及びクリープ破断強度は鋼2〜鋼7よりさ
らに高く、衝撃値、溶接低温割れ防止予熱温度及び耐水
蒸気酸化性も鋼1の比較鋼に比べ優れている。鋼14及
び鋼15はC,Si,Mn,Cr,Mo,V,Nb,B
の各成分が本発明範囲の上限を超えるものであるが、両
鋼とも引張及びクリープ破断強度は高い反面、衝撃値乃
至は溶接低温割れ防止予熱温度の点で鋼1の比較鋼に比
べ劣る。また、鋼16〜鋼19はTi,Wの単独乃至は
複合添加したものであるが、引張及びクリープ破断強度
が高く、鋼1の比較鋼に比べ衝撃値、溶接低温割れ防止
予熱温度及び耐水蒸気酸化性も優れている。また、鋼2
0〜鋼21はTi,Wが本発明範囲の上限を超えるもの
であるが、引張及びクリープ破断強度は高い反面、衝撃
値乃至は溶接低温割れ防止予熱温度の点で鋼1の比較鋼
に比べ劣る。さらに、鋼6−1〜鋼6−4及び鋼13−
1〜鋼13−3は鋼6、鋼13の熱処理条件を変えたも
のである。鋼6−1は焼ならし温度が本発明鋼の下限以
下のため、クリープ破断強度が低く、鋼6−4は焼もど
しパラメータが本発明鋼の上限を超えるため、クリープ
破断強度が近い。鋼13−2は焼ならし温度が本発明鋼
の上限を超えるため、引張及びクリープ破断強度は高い
ものの、衝撃値が低い。鋼13−3は焼もどしパラメー
タが本発明鋼の下限以下のため、引張及びクリープ破断
強度は高いものの、衝撃値が著しく低く、強度が高いた
め加工性にも問題が残る。
【0030】
【表1】
【0031】
【表2】
【0032】
【表3】
【0033】
【表4】
【0034】
【発明の効果】本発明は、450〜600℃の温度域で
使用できる高温強度に優れたフェライト系耐熱鋼を提供
するものである。この鋼は高温強度が高く、しかも溶接
性、曲げ加工性も従来のフェライト系耐熱鋼と同等であ
る。この特性と経済性とによって、火力プラントの耐圧
部材に広く利用できるものであり、その工業的効果は大
なるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】比較鋼のSTBA24の許容応力と「発電用火
力設備の技術基準」に準拠して本発明鋼のデータをプロ
ットしたものを示す。
【図2】本発明鋼及び比較鋼を450℃の高温引張強度
と衝撃値の関係を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 三村 裕幸 千葉県富津市新富20−1 新日本製鐵株式 会社技術開発本部内 (72)発明者 田村 広治 広島県呉市宝町3番36号 バブコック日立 株式会社内 (72)発明者 佐藤 恭 広島県呉市宝町3番36号 バブコック日立 株式会社内 (72)発明者 藤田 利夫 東京都文京区向丘一丁目14番4号

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量%で、 C :0.04〜0.15%、 Si:0.10〜0.80%、 Mn:0.20〜1.5%、 Cr:1.5超〜3.5%、 Mo:0.10〜0.65%、 V :0.005〜0.35%、 Nb:0.005〜0.05%、 B :0.0002〜0.0050%を含み、残部がF
    e及び不可避的不純物からなり、さらに断面面積率で1
    5%以下の初析フェライトと残部ベイナイトからなる組
    織を有することを特徴とする高温強度及び耐酸化性に優
    れたフェライト系耐熱鋼。
  2. 【請求項2】 重量%で、 C :0.04〜0.15%、 Si:0.10〜0.80%、 Mn:0.20〜1.5%、 Cr:1.5超〜3.5%、 Mo:0.10〜0.65%、 V :0.005〜0.35%、 Nb:0.005〜0.05%、 B :0.0002〜0.0050%、さらに Ti:0.005〜0.05%を含み、残部がFe及び
    不可避的不純物からなり、さらに断面面積率で15%以
    下の初析フェライトと残部ベイナイトからなる組織を有
    することを特徴とする高温強度及び耐酸化性に優れたフ
    ェライト系耐熱鋼。
  3. 【請求項3】 重量%で、 C :0.04〜0.15%、 Si:0.10〜0.80%、 Mn:0.20〜1.5%、 Cr:1.5超〜3.5%、 Mo:0.10〜0.65%、 V :0.005〜0.35%、 Nb:0.005〜0.05%、 B :0.0002〜0.0050%、さらに W :0.4〜1.0%を含み、残部がFe及び不可避
    的不純物からなり、さらに断面面積率で15%以下の初
    析フェライトと残部ベイナイトからなる組織を有するこ
    とを特徴とする高温強度及び耐酸化性に優れたフェライ
    ト系耐熱鋼。
  4. 【請求項4】 重量%で、 C :0.04〜0.15%、 Si:0.10〜0.80%、 Mn:0.20〜1.5%、 Cr:1.5超〜3.5%、 Mo:0.10〜0.65%、 V :0.005〜0.35%、 Nb:0.005〜0.05%、 B :0.0002〜0.0050%、さらに Ti:0.005〜0.05%、 W :0.4〜1.0%を含み、残部がFe及び不可避
    的不純物からなり、さらに断面面積率で15%以下の初
    析フェライトと残部ベイナイトからなる組織を有するこ
    とを特徴とする高温強度及び耐酸化性に優れたフェライ
    ト系耐熱鋼。
  5. 【請求項5】 通常の溶解、圧延条件で製造した請求項
    1〜4の組成の鋼を950〜1010℃の温度範囲で焼
    ならした後、下式による焼もどしパラメータ(T.P)
    を18.50×103 〜20.90×103 の範囲とし
    焼もどしを施すことを特徴とする高温強度及び耐酸化性
    に優れたフェライト系耐熱鋼の製造方法。 T.P=T(20+log t) ここで、Tは焼もどし温度(K)、tは焼もどし時間
    (hr)を示す〕
JP27162494A 1994-11-04 1994-11-04 高温強度及び耐酸化性に優れたフェライト系耐熱鋼及びその製造方法 Pending JPH08134585A (ja)

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