JP2817136B2 - 溶接部強度の優れた高強度低合金耐熱鋼 - Google Patents
溶接部強度の優れた高強度低合金耐熱鋼Info
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Description
【発明の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕
本発明は,発電用ボイラおよび化学プラントの熱交換
器,配管に適用される鋼管材および高温耐圧バルブ等の
鋳鍛鋼品に関する。その他高温で溶接構造物として使用
される管材,鋳鍛鋼品,丸鋼,形鋼,鋼板として利用で
きる。 〔従来の技術〕 従来から高温耐圧部材として低合金CrMo鋼が多く使用
されているが,これらはほとんどが溶接構造物であり,
一構造物に多数の溶接個所を含む。これら,従来の低合
金CrMo鋼の溶接熱影響の組織は溶接ままでほとんがマル
テンサイトかベーナイト組織であり,応力除去焼鈍を行
なった後にはこれらの焼戻し組織になる。従って,母材
部のようなフェライト相を含んだ組織にはならない。こ
の理由は従来の低合金CrMo鋼が約0.1%以上の比較的多
くのCを含有しているためである。 ところで,長時間高温耐圧部材として使用された低合
金CrMo鋼には使用中にクリープあるいはクリープ疲労に
よってクリープ損傷が発生することが多いが,その発生
個所はほとんど全てが溶接熱影響部であり,損傷形態も
粒界にクリープボイドが発生し,それが結合してき裂に
至るものが多い。これに対して,フェライト・パーライ
ト組織からなる母材部では,このような損傷の発生はみ
られず,実験室における長時間クリープ破断試験によっ
てもクリープボイドは発生し難い。上記のような溶接熱
影響部と母材とにおけるクリープ損傷の発生状況の差違
は初期の組織に起因している。すなわち,母材部はフェ
ライトパーライト組織であり,長時間使用中の炭化物の
変化は,フェライト粒内においてMoを多く含むM2Oが
析出した後それが粗大化するのみで,パーライト部にお
いてもCr,Feを主体とするM23C6やM3Cの粗大化が生
じる程度である。これに対して,溶接熱影響部は焼戻し
マルテンサイトや焼戻しベーナイトであり,長時間使用
中の炭化物の変化は次のようである。すなわち,この場
合,マルテンサイトラスなどの細い境界が多数存在する
ために,実質的に炭化物のほとんどはこれらのラス境界
や粒界に析出し,粒内の析出は少ない。また,初期には
Cr,Feを主体とするM23C6やM7C3が多数析出している
が,長時間使用にともなって,これらは凝集粗大化する
とともに,Moを多く含むM6Cに変化していく。これらの
M6Cは粒界やラス境界に析出するのであるが,これら
は母地の強化元素であるMoを吸収した状態にあり,さら
にM6Cと母地との境界にクリープボイドを発生しやす
い。このように従来の低合金CrMo鋼では溶接熱影響部に
クリープ損傷が発生しやすい問題がある。 〔発明が解決しようとする問題点〕 本発明は上記のように従来の低合金CrMo鋼がその溶接
熱影響部にクリープ損傷が発生しやすい問題を解決する
ための合金成分と組織を見出すとともに,従来の低合金
CrMo鋼より格段にクリープ破断強度が優れ,Cr鋼,オー
ステナイトに代えて使用できる高強度低合金鋼を提供す
るものである。 〔問題点を解決するための手段〕 そこで本発明は,C:0.03〜0.12%,Si:1%,Mn:0.2〜
1%,Ni:0.8%,Cr:0.5〜5%,Mo:0.5〜1.5%,V:0.05
〜0.35%,Nb:0.01〜0.12%,N:0.01〜0.05%を含み,残
部Feおよび不純物からなる合金であって,溶接熱影響部
組織が溶接ままの状態で,又は600℃以上の温度で加熱
する溶接後熱処理後にフェライト相を含有することを特
徴とする溶接部強度の優れた高強度低合金耐熱鋼とし
た。 〔作用〕 以下,本発明の組成限定理由について説明する。 CはCr,V,Nbとともに炭化物あるいはさらにNを含め
て炭室化物を形成し,クリープ強度を上昇させる。しか
し0.12%を超えて添加した場合,溶接熱影響部組織にベ
ーナイトを生じやすくなるとともに溶接性が悪くなる。
一方,クリープ強度向上のためには0.03%以上が必要で
あり,これを下廻るとクリープ強度が低下する。従っ
て,0.03〜0.12%とした。 Siは脱酸剤として用いられ,強度上昇し耐酸化性向上
に寄与するが,1%を超えて添加すると靱性が低下し,ク
リープ延性を低下させるので,1%以下とした。 MnはSiと同様に脱酸剤としての効果を有し,焼入れ性
を向上させるが,0.2%未満ではその効果が少なく,また
1%を越えて添加すると脆化しやすいので,0.2%〜1%
とした。 Niは焼入れ性を向上させ,靱性を改善する元素である
が,0.8%を越えて添加すると溶接熱影響部組織がベーナ
イトとなり,さらにクリープ破断強度を低下させるの
で,0.8%以下とした。 Crは耐酸化性を高め適正な量であれば炭化物形成元素
としてクリープ破断強度を高めるが,5%を越えると却っ
て強度が低下する。また,耐酸化性の面からは0.5%以
上の添加が必要である。 Moは母地に固溶するとともに炭化物等の析出物を形成
してクリープ破断強度を高めるが,0.5%未満では不十分
であり,また,1.5%を越えて添加してもその効果は飽和
し,靱性が低下してくる。また、Moの多量添加は熱間加
工性を阻害するので,成分範囲を0.5〜1.5%とした。 Vは炭化物を生成するとともに,Nと化合してVNがフェ
ライト地中に析出し,クリープ破断強度を著しく高める
効果がある。その効果は0.05%以上で現われ,0.35%を
越えると溶接割れ感受性を高め,溶接性が劣化する。従
って,0.05〜0.35%とした。 Nbは炭室化物を生成し,短時間側のクリープ破断強度
を高め,Vとの複合添加にとて,V炭室化物を微細に,また
良好な分散状態で析出させる効果があり,その効果は0.
01%以上で現われる。また0.12%を越えて添加してもそ
の効果は飽和し,却って長時間側のクリープ破断強度を
低下させる原因となる。また,多量添加した場合には溶
接性を低下させる。従って,0.01〜0.12%とした。 NはCの代替元素としての役割りを果すとともに,Vお
よびNbなどと室化物あるいは炭室化物を形成し,クリー
プ破断強度を著しく上昇させる。その効果は0.01%未満
では不十分であり,0.05%を越えて添加すると焼入れ硬
化性が高くなり,溶接性を阻害するので,0.01〜0.05%
とした。 以下,本発明の溶接熱影響部の組織について説明す
る。 本発明では,溶接熱影響部にフェライト相を導入する
ことにより,このフェライト相粒内にNbC,VC及び(V,N
を微細に析出させる。Nb,Vによって強く固定されたCは
Cr,Fe,Moとの炭化物を形成するに十分な量がなく,クリ
ープ強度の面から最も理想的な析出状態とする。 〔実施例〕 第1表に供試材の化学成分と600℃におけるクリープ
破断強度を示す。供試材は大気中高周波溶解炉により各
50kg溶製した後,950℃〜1100℃の範囲で熱間鍛造し,断
面が40×20mmの棒に仕上げた。熱処理は1,050℃AC+750
℃ACとしたが,V,Nbを含まない比較鋼(7)は,950℃AC
+700℃ACの熱処理を施した。クリープ破断試験片は上
記棒状素材より鋳造方向に直角に採取した。600℃クリ
ープ破断強度は最長約8000hまでの試験結果から内外挿
により103h破断強度および104h破断強度を求めた。本
発明鋼は比較鋼に比べて格段にすぐれたクリープ破断強
度を有し,従来のSTBA24(21/4Cr−1Mo鋼)のデータバ
ンドの上限値を上廻っていた。 また,第1表の発明鋼はCr量が21/4%を基準としたも
のであるが,Cr量を0.5〜5%の範囲に変化させた場合に
も図に示すようなすぐれたクリープ破断強度を有するこ
とが確認された。 なお,図における供試材のCr以外の成分は第1表符号
(1)の成分を基準とし,C:0.06,Si:0.20,Mn:0.40,Ni:
0.20,Cr:2.00,Mo:0.90,V:0.25,Nb:0.05,N:0.02(wt%)
を目標成分として溶製したものである。分析結果は目標
成分とほとんど同一であった。 次に,溶接熱影響部のクリープ破断強度を確認するた
めに,供試材を1000℃に加熱した後油焼入れした後715
℃×1hACの熱処理を施し,人工的に溶接熱影響部組織材
を作製した。熱処理後の組織は本発明鋼がフェライトあ
るいはフェライトおよびパーライト組織からなるのに対
し,比較鋼はいずれも焼戻しマルテンサイトからなるも
のであった。これらの試験片を600℃で目標破断時間が1
0000hになるように応力を設定してクリープ破断試験を
行なった。試験結果を第2表に示すが,本発明鋼がいず
れも粒内破断であり,破断時間も母材のそれと大差がな
かったのに対し,比較鋼の場合はいずれも粒界破壊とな
り,破断時間も母材のそれに比べ著しく短くなった。 以上のように本発明鋼は溶接熱影響部の組織が従来の
低合金CrMo鋼とは異なっている上に適正な成分設計によ
って著しく高いクリープ破断強度を有することが確認さ
れた。
器,配管に適用される鋼管材および高温耐圧バルブ等の
鋳鍛鋼品に関する。その他高温で溶接構造物として使用
される管材,鋳鍛鋼品,丸鋼,形鋼,鋼板として利用で
きる。 〔従来の技術〕 従来から高温耐圧部材として低合金CrMo鋼が多く使用
されているが,これらはほとんどが溶接構造物であり,
一構造物に多数の溶接個所を含む。これら,従来の低合
金CrMo鋼の溶接熱影響の組織は溶接ままでほとんがマル
テンサイトかベーナイト組織であり,応力除去焼鈍を行
なった後にはこれらの焼戻し組織になる。従って,母材
部のようなフェライト相を含んだ組織にはならない。こ
の理由は従来の低合金CrMo鋼が約0.1%以上の比較的多
くのCを含有しているためである。 ところで,長時間高温耐圧部材として使用された低合
金CrMo鋼には使用中にクリープあるいはクリープ疲労に
よってクリープ損傷が発生することが多いが,その発生
個所はほとんど全てが溶接熱影響部であり,損傷形態も
粒界にクリープボイドが発生し,それが結合してき裂に
至るものが多い。これに対して,フェライト・パーライ
ト組織からなる母材部では,このような損傷の発生はみ
られず,実験室における長時間クリープ破断試験によっ
てもクリープボイドは発生し難い。上記のような溶接熱
影響部と母材とにおけるクリープ損傷の発生状況の差違
は初期の組織に起因している。すなわち,母材部はフェ
ライトパーライト組織であり,長時間使用中の炭化物の
変化は,フェライト粒内においてMoを多く含むM2Oが
析出した後それが粗大化するのみで,パーライト部にお
いてもCr,Feを主体とするM23C6やM3Cの粗大化が生
じる程度である。これに対して,溶接熱影響部は焼戻し
マルテンサイトや焼戻しベーナイトであり,長時間使用
中の炭化物の変化は次のようである。すなわち,この場
合,マルテンサイトラスなどの細い境界が多数存在する
ために,実質的に炭化物のほとんどはこれらのラス境界
や粒界に析出し,粒内の析出は少ない。また,初期には
Cr,Feを主体とするM23C6やM7C3が多数析出している
が,長時間使用にともなって,これらは凝集粗大化する
とともに,Moを多く含むM6Cに変化していく。これらの
M6Cは粒界やラス境界に析出するのであるが,これら
は母地の強化元素であるMoを吸収した状態にあり,さら
にM6Cと母地との境界にクリープボイドを発生しやす
い。このように従来の低合金CrMo鋼では溶接熱影響部に
クリープ損傷が発生しやすい問題がある。 〔発明が解決しようとする問題点〕 本発明は上記のように従来の低合金CrMo鋼がその溶接
熱影響部にクリープ損傷が発生しやすい問題を解決する
ための合金成分と組織を見出すとともに,従来の低合金
CrMo鋼より格段にクリープ破断強度が優れ,Cr鋼,オー
ステナイトに代えて使用できる高強度低合金鋼を提供す
るものである。 〔問題点を解決するための手段〕 そこで本発明は,C:0.03〜0.12%,Si:1%,Mn:0.2〜
1%,Ni:0.8%,Cr:0.5〜5%,Mo:0.5〜1.5%,V:0.05
〜0.35%,Nb:0.01〜0.12%,N:0.01〜0.05%を含み,残
部Feおよび不純物からなる合金であって,溶接熱影響部
組織が溶接ままの状態で,又は600℃以上の温度で加熱
する溶接後熱処理後にフェライト相を含有することを特
徴とする溶接部強度の優れた高強度低合金耐熱鋼とし
た。 〔作用〕 以下,本発明の組成限定理由について説明する。 CはCr,V,Nbとともに炭化物あるいはさらにNを含め
て炭室化物を形成し,クリープ強度を上昇させる。しか
し0.12%を超えて添加した場合,溶接熱影響部組織にベ
ーナイトを生じやすくなるとともに溶接性が悪くなる。
一方,クリープ強度向上のためには0.03%以上が必要で
あり,これを下廻るとクリープ強度が低下する。従っ
て,0.03〜0.12%とした。 Siは脱酸剤として用いられ,強度上昇し耐酸化性向上
に寄与するが,1%を超えて添加すると靱性が低下し,ク
リープ延性を低下させるので,1%以下とした。 MnはSiと同様に脱酸剤としての効果を有し,焼入れ性
を向上させるが,0.2%未満ではその効果が少なく,また
1%を越えて添加すると脆化しやすいので,0.2%〜1%
とした。 Niは焼入れ性を向上させ,靱性を改善する元素である
が,0.8%を越えて添加すると溶接熱影響部組織がベーナ
イトとなり,さらにクリープ破断強度を低下させるの
で,0.8%以下とした。 Crは耐酸化性を高め適正な量であれば炭化物形成元素
としてクリープ破断強度を高めるが,5%を越えると却っ
て強度が低下する。また,耐酸化性の面からは0.5%以
上の添加が必要である。 Moは母地に固溶するとともに炭化物等の析出物を形成
してクリープ破断強度を高めるが,0.5%未満では不十分
であり,また,1.5%を越えて添加してもその効果は飽和
し,靱性が低下してくる。また、Moの多量添加は熱間加
工性を阻害するので,成分範囲を0.5〜1.5%とした。 Vは炭化物を生成するとともに,Nと化合してVNがフェ
ライト地中に析出し,クリープ破断強度を著しく高める
効果がある。その効果は0.05%以上で現われ,0.35%を
越えると溶接割れ感受性を高め,溶接性が劣化する。従
って,0.05〜0.35%とした。 Nbは炭室化物を生成し,短時間側のクリープ破断強度
を高め,Vとの複合添加にとて,V炭室化物を微細に,また
良好な分散状態で析出させる効果があり,その効果は0.
01%以上で現われる。また0.12%を越えて添加してもそ
の効果は飽和し,却って長時間側のクリープ破断強度を
低下させる原因となる。また,多量添加した場合には溶
接性を低下させる。従って,0.01〜0.12%とした。 NはCの代替元素としての役割りを果すとともに,Vお
よびNbなどと室化物あるいは炭室化物を形成し,クリー
プ破断強度を著しく上昇させる。その効果は0.01%未満
では不十分であり,0.05%を越えて添加すると焼入れ硬
化性が高くなり,溶接性を阻害するので,0.01〜0.05%
とした。 以下,本発明の溶接熱影響部の組織について説明す
る。 本発明では,溶接熱影響部にフェライト相を導入する
ことにより,このフェライト相粒内にNbC,VC及び(V,N
を微細に析出させる。Nb,Vによって強く固定されたCは
Cr,Fe,Moとの炭化物を形成するに十分な量がなく,クリ
ープ強度の面から最も理想的な析出状態とする。 〔実施例〕 第1表に供試材の化学成分と600℃におけるクリープ
破断強度を示す。供試材は大気中高周波溶解炉により各
50kg溶製した後,950℃〜1100℃の範囲で熱間鍛造し,断
面が40×20mmの棒に仕上げた。熱処理は1,050℃AC+750
℃ACとしたが,V,Nbを含まない比較鋼(7)は,950℃AC
+700℃ACの熱処理を施した。クリープ破断試験片は上
記棒状素材より鋳造方向に直角に採取した。600℃クリ
ープ破断強度は最長約8000hまでの試験結果から内外挿
により103h破断強度および104h破断強度を求めた。本
発明鋼は比較鋼に比べて格段にすぐれたクリープ破断強
度を有し,従来のSTBA24(21/4Cr−1Mo鋼)のデータバ
ンドの上限値を上廻っていた。 また,第1表の発明鋼はCr量が21/4%を基準としたも
のであるが,Cr量を0.5〜5%の範囲に変化させた場合に
も図に示すようなすぐれたクリープ破断強度を有するこ
とが確認された。 なお,図における供試材のCr以外の成分は第1表符号
(1)の成分を基準とし,C:0.06,Si:0.20,Mn:0.40,Ni:
0.20,Cr:2.00,Mo:0.90,V:0.25,Nb:0.05,N:0.02(wt%)
を目標成分として溶製したものである。分析結果は目標
成分とほとんど同一であった。 次に,溶接熱影響部のクリープ破断強度を確認するた
めに,供試材を1000℃に加熱した後油焼入れした後715
℃×1hACの熱処理を施し,人工的に溶接熱影響部組織材
を作製した。熱処理後の組織は本発明鋼がフェライトあ
るいはフェライトおよびパーライト組織からなるのに対
し,比較鋼はいずれも焼戻しマルテンサイトからなるも
のであった。これらの試験片を600℃で目標破断時間が1
0000hになるように応力を設定してクリープ破断試験を
行なった。試験結果を第2表に示すが,本発明鋼がいず
れも粒内破断であり,破断時間も母材のそれと大差がな
かったのに対し,比較鋼の場合はいずれも粒界破壊とな
り,破断時間も母材のそれに比べ著しく短くなった。 以上のように本発明鋼は溶接熱影響部の組織が従来の
低合金CrMo鋼とは異なっている上に適正な成分設計によ
って著しく高いクリープ破断強度を有することが確認さ
れた。
【図面の簡単な説明】
図は,本発明のCrがクリープ破断強度に及ぼす影響を示
す線図である。
す線図である。
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 1.C:0.03〜0.12%,Si:1%,Mn:0.2〜1%,Ni:0.8
%,Cr:0.5〜5%,Mo:0.5〜1.5%,V:0.05〜0.35%,Nb:0.
01〜0.12%,N:0.01〜0.05%を含み,残部Feおよび不純
物からなる合金であって,溶接熱影響部組織が溶接まま
の状態で,又は600℃以上の温度で加熱する溶接後熱処
理後にフェライト相を含有することを特徴とする溶接部
強度の優れた高強度低合金耐熱鋼。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62224540A JP2817136B2 (ja) | 1987-09-08 | 1987-09-08 | 溶接部強度の優れた高強度低合金耐熱鋼 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62224540A JP2817136B2 (ja) | 1987-09-08 | 1987-09-08 | 溶接部強度の優れた高強度低合金耐熱鋼 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6468451A JPS6468451A (en) | 1989-03-14 |
JP2817136B2 true JP2817136B2 (ja) | 1998-10-27 |
Family
ID=16815399
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP62224540A Expired - Lifetime JP2817136B2 (ja) | 1987-09-08 | 1987-09-08 | 溶接部強度の優れた高強度低合金耐熱鋼 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2817136B2 (ja) |
Families Citing this family (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2734525B2 (ja) * | 1988-06-14 | 1998-03-30 | 日本鋼管株式会社 | 靭性に優れた耐熱鋼 |
JP2659813B2 (ja) * | 1989-08-30 | 1997-09-30 | 三菱重工業株式会社 | 高強度低合金耐熱鋼の製造方法 |
JP2967886B2 (ja) * | 1991-02-22 | 1999-10-25 | 住友金属工業 株式会社 | クリープ強度と靭性に優れた低合金耐熱鋼 |
JP3334217B2 (ja) * | 1992-03-12 | 2002-10-15 | 住友金属工業株式会社 | 靱性とクリープ強度に優れた低Crフェライト系耐熱鋼 |
JP3096959B2 (ja) * | 1996-02-10 | 2000-10-10 | 住友金属工業株式会社 | 高温強度に優れた低Mn低Crフェライト耐熱鋼 |
JP3745567B2 (ja) | 1998-12-14 | 2006-02-15 | 新日本製鐵株式会社 | 電縫溶接性に優れたボイラ用鋼およびそれを用いた電縫ボイラ鋼管 |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5817820B2 (ja) * | 1979-02-20 | 1983-04-09 | 住友金属工業株式会社 | 高温用クロム鋼 |
JPS57134517A (en) * | 1981-02-12 | 1982-08-19 | Nippon Steel Corp | Production of high-toughness fine-grain ferrite steel |
-
1987
- 1987-09-08 JP JP62224540A patent/JP2817136B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS6468451A (en) | 1989-03-14 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20070821 Year of fee payment: 9 |
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FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
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|
EXPY | Cancellation because of completion of term | ||
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080821 Year of fee payment: 10 |