JPH08132907A - 自動変速機用シフトノブ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 自動変速機のセレクターノブの角度調整を予
め可能にする。 【構成】 自動変速機のセレクターレバー内に、上下動
可能にロッド１１を配置し、上端部に傾斜面１３を形成
する。セレクターレバーに固定されたノブ下部２５とノ
ブ上部２７とは傾倒軸２８で軸着されており、傾斜面１
３と、ノブ上部２７の側部に出没自在に設けたボタン２
６の内端２６ａとを、傾倒軸２８と略同一線上で当接さ
せる。傾斜面１３とボタン２６内端２６ａとの接触点を
Ｃとすると、ノブ上部２７はＣ点を中心に傾倒し、ロッ
ド１１とボタン２６とが当接した状態を維持する。した
がって、セレクターノブの回動範囲内での傾倒角度に係
らず、自動変速機のリンケージ機構を操作することが可
能となる。また、セレクターノブ２４とセレクトボタン
２６以外は、従来のシフトノブの構造をそのまま用いる
ことが可能である。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、自動変速機に用いるシ
フトノブの構造に関し、詳しくは、ドライバーの体形や
好みに合わせて、最適な角度調整を可能とするシフトノ
ブに関する。

【０００２】

【従来の技術】自動車のシフトノブは、ドライバーの手
になじみ易く、変速操作を容易に行うことできることが
望ましい。その形状は、自動変速機用シフトノブ（セレ
クターノブ）の場合、図４に示すように、セレクターノ
ブ１の側部に、出没自在に設けたボタン（セレクトボタ
ン）２を配置したものが一般的であるが、図５に示すよ
うに、ガングリップタイプのセレクターノブ３の天面に
セレクトボタン２を配したものもある。

【０００３】また、ドライバーの体型や好みに合わせ
て、位置の調整ができる構造を有する手動式変速器のシ
フトノブが、実開昭６０−９００２４号公報、実開平４
−７１８５８号公報等に開示されている。

【０００４】ここで、一般的な自動変速機用シフトノブ
の構造を、図６、図７を用いて説明する。先端にセレク
ターノブ１を有するセレクターレバー４は、下方にスリ
ーブ５を有し、車体パネル６に固定された一対の支持部
７において、スリーブ５をボルト８で軸支することによ
り車体の前後方向への回動が可能となっている。また、
スリーブ５の外周面下側にはアーム９が固定されてお
り、このアーム９は図外の自動変速機のリンケージ機構
に連結されている。

【０００５】セレクターノブ１の内部には、セレクトボ
タン２がボルト８の軸線方向に摺動可能に挿入され、こ
のセレクトボタン２はスプリング１０によってセレクタ
ーノブ１の外側に付勢されている。また、セレクターレ
バー４の内筒部には、上下動可能なロッド１１を配置
し、スプリング１２により常時上方向に付勢している。
ロッド１１の上端には、傾斜面１３が形成されている。
この傾斜面１３はセレクターノブ１内部において、セレ
クトボタン２の内端部に形成した傾斜面１４と当接して
いる。ロッド１１の下端部には、ボルト８の軸線方向に
延びるデテントピン１５が固定されている。このデテン
トピン１５は、セレクターレバー４に穿設した上下方向
に延在する長孔１６から突出している。

【０００６】また、デテントピン１５は、一方の支持部
７の上端に連続して形成されたデテントプレート１７の
ポジション孔１８と係合する。ポジション孔１８は、図
６に示すように、最前部に位置する凹部１９と、該凹部
１９に連続する凸部２０と、凸部２０の基端に連続する
円弧部２１と、該円弧部２１の中央に形成され凹部１９
と同一円周状に位置する外側円弧部２２とを有する。前
記凹部１９、凸部２０、円弧部２１および外側円弧部２
２よりなるポジション孔１８の端面を、凹凸端面と総称
する。

【０００７】デテントピン１５はセレクトボタン２と連
動して上下動し、ポジション孔１８の前記凹凸端面と係
合離脱を行う。このデテントピン１５が特定の凹部と係
合したときには、セレクターレバー４は、所定の位置に
定められる。図示した自動変速機においては、Ｐ（パー
キング）、Ｒ（リバース）、Ｎ（ニュートラル）、Ｄ
（ドライブ）、２（セカンド）、Ｌ（ロー）の６つのポ
ジションが選択可能であり、セレクトボタン２を押圧作
動することにより生ずるデテントピン１５とポジション
孔１８の凹凸端面との係合若しくは離脱動作と、セレク
ターレバー４の車体前後方向の作動により、前記６つの
ポジションのいずれかを選択し、図示しない自動変速機
のリンケージ機構を操作するようになっている。

【０００８】

【発明が解決しょうとする課題】ところで、前述の公報
に開示されているようなシフトレバーノブの位置調整機
能を、自動変速機用シフトノブに組み込むにあたり以下
のような問題があった。すでに説明したように、自動変
速機用シフトノブで変速操作をする際には、セレクトボ
タン２の押圧によりロッド１１を作動させ、該ロッド下
方に固定されたアーム９により自動変速機のリンケージ
機構を操作している。したがって、この作動機構を損う
ことなく、位置調整機能を持たせるための可動部分の分
割構造、および分割された部材間を軸着する構造を形成
することは困難であった。このため、自動変速機を持っ
た自動車の運転姿勢の調節の際には、シートの位置調整
および、ハンドル位置の調整をするにとどまっていた。

【０００９】本発明は上記問題に鑑みてなされたもので
あり、その目的とするところは、簡単な構成をなす自動
変速機用シフトノブの角度調整構造を設けることによ
り、安価で、より使い勝手を向上させた自動変速機用シ
フトノブを提供することにある。

【００１０】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の本発明に係る手段は、セレクターレバー内で上下動可
能なロッドの上端部に傾斜面を形成し、該傾斜面と、セ
レクターノブ側部に出没自在に設けたボタンの内端とを
当接させた自動変速機用シフトノブにおいて、前記セレ
クターノブをセレクターレバーに対し車体前後方向に傾
倒可能に軸支し、傾倒軸を前記ロッドとボタンとの接触
点を通るように配置したことを特徴とする。

【００１１】

【作用】セレクターレバーのノブ上部とノブ下部との傾
倒軸を、ロッドとセレクトボタンとの接触点を通るよう
に配置して、前記ノブ上部をロッドとセレクトボタンと
の接触点を中心として傾倒させる。

【００１２】

【実施例】以下、本発明の一実施例を添付図面に基づい
て説明する。図中従来例と同一部分若しくは相当部分は
同一符号で示し、詳しい説明は省略する。

【００１３】図２は、本発明に用いる自動変速機のセレ
クターノブ２４を示している。このセレクターノブ２４
を有するセレクターレバー４の側部には、ポジションイ
ンジケータ２３が設けられており、ドライバーは現状の
セレクト位置を一目瞭然に確認することが可能である。
ここで、セレクターレバー４の内部構造を図１に示す。

【００１４】セレクターノブ２４は、上下で２分割構造
をなし、セレクターレバー４に固定されたノブ下部２５
に、セレクトボタン２６を有するノブ上部２７が傾倒軸
２８で軸支されている。したがって図３に示すように、
ノブ上部２７はセレクターレバー４に対し前後に傾倒自
在となっている。また、一定の角度ごとにノブ上部２７
の位置を固定するための、図示しないクリック機構を有
し、節度のある操作感を得るようになっている。セレク
トボタン２６は、ノブ上部２７の内部で、スプリング１
０によってセレクターノブ２４の外側に付勢されてい
る。また、セレクターレバー４内で上下動可能なロッド
１１の上端部に傾斜面１３を形成する。さらに、セレク
トボタン２６の内端２６ａを球頭形とし、ロッド１１上
端部の傾斜面１３に当接可能となるように、セレクトボ
タン２６の中心軸を図中下方にずらして形成し、傾斜面
１３への当接点を傾倒軸２８と略同一軸線上となるよう
に配置している。

【００１５】ロッド１１上端部の傾斜面１３と、セレク
トボタン２６の内端２６ａとの接触点をＣ点とすると、
該Ｃ点は傾倒軸２８と略同一線上に位置するので、ノブ
上部２７は、Ｃ点を中心に傾倒し、常に双方が当接した
状態を維持する。したがって、セレクターノブの回動範
囲内でドライバーの体形や好みに合わせて、ノブの位置
を前後に回転させて調整しても、その傾倒角度に係ら
ず、自動変速機のリンケージ機構を操作することが可能
となる。

【００１６】また、セレクトボタン２６の内端２６ａの
形状を、前述のように球頭形とせずに、針状に尖った形
状に形成した場合にも、ノブ上部２７の傾倒角度と関係
なく、常に接触点Ｃ点が当接した状態を維持するので、
上記実施例と同様の効果を得ることができる。ところで
前記ロッドとボタンとの接触点は、傾倒軸２８と全くの
同一線上に位置するよう形成した例を述べたが、ノブの
位置あるいは形状によってはその必要はなく、ノブ上部
２７の回動可能な範囲内において、ロッドとボタンとが
常に当接可能な状態であれば十分である。

【００１７】

【発明の効果】本発明はこのように構成したので、次の
ような効果を得ることができる。セレクターノブの、上
部と下部とを傾倒軸で軸着し、該傾倒軸上にセレクトボ
タンとロッドとの当接点を配置したので、該上部ノブを
前後に傾倒させても、ロッドとセレクトボタンとの当接
状態を維持し、ノブ上部の傾倒角度と関係なく自動変速
機のリンケージ機構を操作することが可能となる。した
がって、ドライバーの体形や好みに適合した角度にセレ
クターノブの位置を調整することができる。また、上部
ノブと下部ノブとを軸着したセレクターノブと、内端が
傾倒軸上に位置するセレクトボタン以外は、従来より使
用されているシフトノブの構造をそのまま用いることが
可能であり、シフトノブの角度調整機能を付加するため
の変更も容易である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を示す自動変速機用シフトノ
ブの内部構造を示す図であり、図２のＢ−Ｂ線における
断面図である。

【図２】本発明の一実施例を示す自動変速機用シフトノ
ブの斜視図である。

【図３】本発明の一実施例を示す自動変速機用シフトノ
ブの側面図である。

【図４】従来の自動変速機用シフトノブの側面図であ
る。

【図５】従来の自動変速機用シフトノブの側面図であ
る。

【図６】従来の自動変速機用シフトノブの側面図であ
る。

【図７】図６のＡ−Ａ線における断面図である。

【符号の説明】

４ セレクターレバー 11 ロッド 13 傾斜面 24 セレクターノブ 25 ノブ下部 26 セレクトボタン 26a ボタンの内端 27 ノブ上部 28 傾倒軸 Ｃ 接触点

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 セレクターレバー内で上下動可能なロッ
   ドの上端部に傾斜面を形成し、該傾斜面と、セレクター
   ノブ側部に出没自在に設けたボタンの内端とを当接させ
   た自動変速機用シフトノブにおいて、前記セレクターノ
   ブをセレクターレバーに対し車体前後方向に傾倒可能に
   軸支し、傾倒軸を前記ロッドとボタンとの接触点を通る
   ように配置したことを特徴とする自動変速機用シフトノ
   ブ。