JPH0518194Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、コラム式の自動変速機のチエンジゲ
ート構造に関するものである。

（従来技術） コラム式の自動変速機においては、従来、例え
ば実開昭61−179128号公報に記載されているよう
に、平板状のチエンジゲートをそのシフト方向に
平行な一側部においてブラケツトと一体形成し、
該ブラケツトを車体側に固定しているものが知ら
れている。しかし、上述の従来構造においては、
チエンジゲートが平板状である為、デイテントピ
ンにおけるチエンジゲートとの当接点が一定とな
らず、シフト操作時に上記デイテントピンとチエ
ンジゲートとの係合が不確実になる恐れがあつ
た。そこで、チエンジゲートをその長手方向（シ
フト方向）に円弧状に形成することにより、デイ
テントピンとチエンジゲートとの係合を確実にす
ることが考えられる。しかし、チエンジゲートを
円弧状とした場合、ブラケツトとチエンジゲート
を一体形成することにより上記チエンジゲートの
剛性を保つということが困難となる。そこで、剛
性の高い素材によりチエンジゲートを形成し、溶
接等の手段によりブラケツトに固定することも考
えられるが、軽量化の面でマイナスになるという
欠点がある。

（考案の目的） 本考案は、上述の問題点に鑑み、デイテントピ
ンとチエンジゲートとの係合を確実にするととも
に、チエンジゲートの剛性を保ち、安定感のある
シフト操作を行える自動変速機のチエンジゲート
構造を提供することを目的とする。

（考案の構成） 本考案は、上記目的を達成する為に、ステアリ
ングシヤフトと略平行に配置されるとともに、上
端には変速操作レバーが取付けられ、下端は車体
に固定されたブラケツトに回動自在に支持された
ロツドと、該ロツド下端に設けられたデイテント
ピンが自動変速機の各シフト位置に対応して係合
する孔を有し、ロツドの軸を中心とする円弧状に
形成されたチエンジゲートと、上記ブラケツトは
車体に固定される固定部と、該固定部から一方側
に延設される上記ロツド下端を回動自在に支持す
るロツド支持部とから構成されており、上記チエ
ンジゲートの周方向の一端とブラケツトのロツド
支持部基部とを連結するとともに、チエンジゲー
トの他端とブラケツトのロツド支持部の一方側端
部とを連結した構成としたものである。

（考案の効果） 本考案は、上述のようにチエンジゲートをその
長手方向において円弧状に形成することにより、
該チエンジゲートとデイテントピンとの係合を確
実にすることができるとともに、チエンジゲート
をシフト方向に離れた２点で固定することによ
り、チエンジゲートの剛性を高めることができる
と共に、従来よりも重量の軽い素材を用いて軽量
化を図ることも可能となるものである。

さらに、チエンジゲートによつて、ロツド支持
部の剛性が高められる為、チエンジ操作の際にロ
ツドに大きな力が加わつてもロツドにガタ付きが
生じない。

（実用例） 以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明す
る。

第１図において、ステアリングハンドル１を支
持するステアリングシヤフト２は、自在継手部を
介して連結されたアツパシヤフトとロアシヤフト
とから成り、ロアシヤフトの上端部においてブラ
ケツトで車体に固定されたロアステアリングコラ
ム３により回転可能に支持され、チルト操作レバ
ー４により上記自在継手部において上下方向にチ
ルト可能に構成されている。

ステアリングシヤフトの側部には、自動変速機
５の変速操作を行うための変速操作レバー６が配
置され、該変速操作レバー６はロツド１０の一端
の設けられている。該ロツド１０はダツシユパネ
ル１５を挟んでエンジンルーム側の他端において
車体フレーム７に固定されたブラケツト８に一体
的に形成されたロツド支持部８Ａにベアリング９
を介して回転自在に支持されており、上記変速操
作レバー６による変速操作は、上記ロツド１０に
より、リンク機能１６を介して自動変速機５に伝
えられる。

尚、上記ロツド１０はその中間部において、上
記ステアリングシヤフト２及び該シヤフト２のチ
ルト作動中心と同軸として自在継手１１が設けら
れており、チルト操作時にステアリングシヤフト
２及びステアリングコラム３と共にチルト動作が
行えるようになつている。また、変速操作レバー
６のシフト操作時に節度感を出すためのデイテン
ト１２を有するとともに、ロツド下端部には、ブ
ラケツト８に固定されたチエンジゲート１３の各
シフト位置に変速操作レバー６のシフト操作によ
り選択的に係合されるデイテントピン１４が設け
られている。

本実施例におけるチエンジゲート１３は、第２
図及び第３図に示すように、ロツド１０の軸を中
心とする側面円弧状に形成されており、ロツド１
０に固定されたデイテントピン１４が係合される
孔１３Ａを有し、該孔１３Ａは、変速機のＰ・
Ｒ・Ｎ・Ｄ・２・１の各レンジに対応する係合部
を備えている。上記チエンジゲート１３は長手方
向（周方向）に離れた両端部において、一端部が
ブラケツト８の中間部（ロツド支持部基部）に、
他端部がブラケツト８のロツド支持部８Ａの一方
側端部にそれぞれ固定されている。その際、チエ
ンジゲート１３におけるシフト軸線Ａ−Ａは、ブ
ラケツト８の車体固定部を車体フレーム７に固定
している３つのボルト１７…の重心を通るよう設
定されている。

上記のようにチエンジゲート１３をその長手方
向において円弧状に形成したことにより、デイテ
ントピン１４におけるチエンジゲート１３との当
設点が一定となり、確実な係合を得ることができ
るものである。さらに、チエンジゲート１３をそ
の長手方行（周方向）に離れた両端で固定したの
で、チエンジレバー６によるシフト操作によつて
デイテントピン１４が例えば孔１３Ａの１速レン
ジ側に押し当てられたとしても、チエンジゲート
１３がガタ付くことがなく、しかも、従来よりも
軽い材質のものでチエンジゲートを形成しても十
分剛性が保持できるものである。また、本実施例
においてはチエンジゲート１３におけるシフト軸
線が、ブラケツト８を車体フレーム７に固定して
いる３つのボルト１７…の重心を通るよう設定し
たので、チエンジゲート１３及びブラケツト８に
対してシフト軸線Ａ−Ａ方向に加えられる力に対
して、チエンジゲート１３及びブラケツト８にね
じれが生じる恐れもない。

さらにチエンジゲート１３によつてロツド支持
部８Ａの剛性が高められる為、チエンジ操作の際
にロツド１０に大きな力が加わつてもロツド１０
がガタ付くことはない。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案に係るチエンジゲートを用い
たチエンジ機構を示す図、第２図は、本考案に係
るチエンジゲートの正面図、第３図は同側面図で
ある。 ５……自動変速機、６……変速操作レバー、７
……車体フレーム、８……ブラケツト、１３……
チエンジゲート。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 車体に回動自在に支持され、上端にステアリン
   グホイールが取付けられるステアリングシヤフト
   と、該ステアリングシヤフトと略平行に配置され
   るとともに、上端には変速操作レバーが取付けら
   れ、下端は車体に固定されたブラケツトに回動自
   在に支持されたロツドと、該ロツド下端に設けら
   れたデイテントピンが自動変速機の各シフト位置
   に対応して係合する孔を有し、ロツドの軸を中心
   とする円弧状に形成されたチエンジゲートと、上
   記ブラケツトは車体に固定される固定部と、該固
   定部から一方側に延設され上記ロツド下端を回動
   自在に支持するロツド支持部とから構成されてお
   り、上記チエンジゲートの周方向の一端とブラケ
   ツトのロツド支持部基部とを連結するとともに、
   チエンジゲートの他端とブラケツトのロツド支持
   部の一方側端部とを連結したことを特徴とする自
   動変速機のチエンジゲート構造。