JPH0813068A - Ti−Ni系金属細線 - Google Patents
Ti−Ni系金属細線Info
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- JPH0813068A JPH0813068A JP15095194A JP15095194A JPH0813068A JP H0813068 A JPH0813068 A JP H0813068A JP 15095194 A JP15095194 A JP 15095194A JP 15095194 A JP15095194 A JP 15095194A JP H0813068 A JPH0813068 A JP H0813068A
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- wire
- wire diameter
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- metallic wire
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 超弾性特性又は形状記憶特性を示し、伸線加
工性に優れたTi−Ni系金属細線を提供する。 【構成】 Ti−Ni系の合金組成からなり、凝固状態
での線径が120μm以下であり、かつ線径斑が4%以
下であることを特徴とするTi−Ni系金属細線。
工性に優れたTi−Ni系金属細線を提供する。 【構成】 Ti−Ni系の合金組成からなり、凝固状態
での線径が120μm以下であり、かつ線径斑が4%以
下であることを特徴とするTi−Ni系金属細線。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、超弾性特性又は形状記
憶特性を示し、伸線加工性に優れたTi−Ni系金属細
線に関するものである。
憶特性を示し、伸線加工性に優れたTi−Ni系金属細
線に関するものである。
【0002】
【従来の技術】超弾性特性あるいは形状記憶特性を示す
Ti−Ni系金属線材は、カテーテル用ガイドワイヤ、
アクチュエータ用材料、バネ材、衣料用補強材、歯科矯
正材料などの用途に広く用いられている。これらの線材
の製造方法としては、通常、溶解鋳造後、熱間鍛造、熱
間圧延などの熱間加工によって適当な直径に加工された
後、ダイス引き等の冷間加工によって所定の寸法に加工
される。しかしながら、Ti−Ni系合金は、伸線加工
により急激に加工硬化し、延性や靭性の劣化が激しくな
るため、細線に加工するには軟化熱処理を繰り返す必要
があった。そのため、多くの工程数が必要となり、製造
コストの増大につながり、得られた線材は高価なものと
なるといった問題があった。さらに、Ti−Ni系合金
の極細線の加工となると、熱処理は相当の回数必要にな
り、製造工程、製造コストの増加は避けられないといっ
た問題もあった。
Ti−Ni系金属線材は、カテーテル用ガイドワイヤ、
アクチュエータ用材料、バネ材、衣料用補強材、歯科矯
正材料などの用途に広く用いられている。これらの線材
の製造方法としては、通常、溶解鋳造後、熱間鍛造、熱
間圧延などの熱間加工によって適当な直径に加工された
後、ダイス引き等の冷間加工によって所定の寸法に加工
される。しかしながら、Ti−Ni系合金は、伸線加工
により急激に加工硬化し、延性や靭性の劣化が激しくな
るため、細線に加工するには軟化熱処理を繰り返す必要
があった。そのため、多くの工程数が必要となり、製造
コストの増大につながり、得られた線材は高価なものと
なるといった問題があった。さらに、Ti−Ni系合金
の極細線の加工となると、熱処理は相当の回数必要にな
り、製造工程、製造コストの増加は避けられないといっ
た問題もあった。
【0003】そこで、低コストに細線を作製するため
に、溶融金属から直接円形断面を有する金属細線を製造
する方法が提案されている。その方法の一つとして、特
開昭55−64948号公報で提案された回転液中紡糸
法を用いる方法があげられる。この回転液中紡糸法と
は、回転ドラム中に冷却液を供給し、遠心力でドラム内
壁に冷却液層を形成させ、その冷却液層中に溶融した合
金を紡糸ノズルから噴出させて急冷凝固させる方法のこ
とであり、この方法を用いることにより、断面が円形の
連続的な金属細線を得ることができる。そして、特開平
2−175055号公報、特開平4−182044号公
報には、この回転液中紡糸法によりTi−Ni系金属細
線を作製する方法が開示されている。
に、溶融金属から直接円形断面を有する金属細線を製造
する方法が提案されている。その方法の一つとして、特
開昭55−64948号公報で提案された回転液中紡糸
法を用いる方法があげられる。この回転液中紡糸法と
は、回転ドラム中に冷却液を供給し、遠心力でドラム内
壁に冷却液層を形成させ、その冷却液層中に溶融した合
金を紡糸ノズルから噴出させて急冷凝固させる方法のこ
とであり、この方法を用いることにより、断面が円形の
連続的な金属細線を得ることができる。そして、特開平
2−175055号公報、特開平4−182044号公
報には、この回転液中紡糸法によりTi−Ni系金属細
線を作製する方法が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、本発明
者らが特開平2−175055号公報に基づいて、冷却
液としてシリコンオイル類を用いた回転液中紡糸法によ
り、Ti−Ni系金属細線の作製を試みたところ、線径
128μmの連続性に優れた形状記憶特性を有する細線
が得られたものの、この細線を用いて伸線加工を施した
ところ、伸線中に切断が生じ、伸線加工性が十分である
とはいえなかった。
者らが特開平2−175055号公報に基づいて、冷却
液としてシリコンオイル類を用いた回転液中紡糸法によ
り、Ti−Ni系金属細線の作製を試みたところ、線径
128μmの連続性に優れた形状記憶特性を有する細線
が得られたものの、この細線を用いて伸線加工を施した
ところ、伸線中に切断が生じ、伸線加工性が十分である
とはいえなかった。
【0005】また、特開平4−182044号公報に
は、冷却液として0℃の水を用いた回転液中紡糸装置に
より、孔径100μmの紡糸ノズルでTi系形状記憶合
金細線を作製する方法が開示されているが、この方法に
よって得られたTi−Ni系金属細線は表面が黒色で、
線径斑が大きく、これに伸線加工を施すと、伸線中に切
断が頻繁に生じる伸線加工性に乏しい細線であった。本
発明は、超弾性特性又は形状記憶特性を示し、伸線加工
性に優れたTi−Ni系金属細線を提供することを目的
とするものである。
は、冷却液として0℃の水を用いた回転液中紡糸装置に
より、孔径100μmの紡糸ノズルでTi系形状記憶合
金細線を作製する方法が開示されているが、この方法に
よって得られたTi−Ni系金属細線は表面が黒色で、
線径斑が大きく、これに伸線加工を施すと、伸線中に切
断が頻繁に生じる伸線加工性に乏しい細線であった。本
発明は、超弾性特性又は形状記憶特性を示し、伸線加工
性に優れたTi−Ni系金属細線を提供することを目的
とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、このよう
な課題を解決するために鋭意検討の結果、線径と線径斑
との間に密接な関係が生じるという事実、ある特定の線
径と線径斑とを規定することにより、その細線が伸線加
工性に優れているという事実を見出し、本発明に到達し
た。すなわち、本発明は、Ti−Ni系の合金組成から
なり、凝固状態での直径が120μm以下であり、かつ
線径斑が4%以下であることを特徴とするTi−Ni系
金属細線を要旨とするものである。
な課題を解決するために鋭意検討の結果、線径と線径斑
との間に密接な関係が生じるという事実、ある特定の線
径と線径斑とを規定することにより、その細線が伸線加
工性に優れているという事実を見出し、本発明に到達し
た。すなわち、本発明は、Ti−Ni系の合金組成から
なり、凝固状態での直径が120μm以下であり、かつ
線径斑が4%以下であることを特徴とするTi−Ni系
金属細線を要旨とするものである。
【0007】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
Ti−Ni系金属細線は、室温で超弾性特性又は形状記
憶特性を示すものであり、合金組成としては、Tiが4
9〜51原子%、残部がNiであることが好ましく、特
に、超弾性特性を求める場合には、Tiが49〜49.
5原子%、残部がNiであることが好ましい。このと
き、超弾性特性又は形状記憶特性を劣化させない程度
に、30原子%以下のCuあるいは20原子%以下のP
dあるいは5原子%以下のFe、Al、Zr、V、M
o、Mn、Cr、W、Co、Nb、TaあるいはPt等
を1種又は2種以上添加していてもよい。
Ti−Ni系金属細線は、室温で超弾性特性又は形状記
憶特性を示すものであり、合金組成としては、Tiが4
9〜51原子%、残部がNiであることが好ましく、特
に、超弾性特性を求める場合には、Tiが49〜49.
5原子%、残部がNiであることが好ましい。このと
き、超弾性特性又は形状記憶特性を劣化させない程度
に、30原子%以下のCuあるいは20原子%以下のP
dあるいは5原子%以下のFe、Al、Zr、V、M
o、Mn、Cr、W、Co、Nb、TaあるいはPt等
を1種又は2種以上添加していてもよい。
【0008】本発明のTi−Ni系金属細線において
は、凝固状態での線径が120μm以下であることが必
要であり、好ましくは、110μm以下、より好ましく
は、100μm以下である。凝固状態での線径が120
μm以上の場合には、溶湯の物性のために急冷凝固時に
長手方向の斑が生じ、また、断面が偏平になったり、冷
却斑によって内部に欠陥が存在したりするため、伸線加
工時に破断が生じることになる。線径の下限について
は,特に限定する必要はないが、好ましくは、凝固状態
での線径が50μm以上である。線径が50μm以下の
場合には、ノズル孔から溶湯が出難くなるなどの製造上
の困難が生じやすくなる。なお、線径については、凝固
状態での金属細線の断面の最小径、最大径を測定し、そ
の平均値を求めて線径とした。
は、凝固状態での線径が120μm以下であることが必
要であり、好ましくは、110μm以下、より好ましく
は、100μm以下である。凝固状態での線径が120
μm以上の場合には、溶湯の物性のために急冷凝固時に
長手方向の斑が生じ、また、断面が偏平になったり、冷
却斑によって内部に欠陥が存在したりするため、伸線加
工時に破断が生じることになる。線径の下限について
は,特に限定する必要はないが、好ましくは、凝固状態
での線径が50μm以上である。線径が50μm以下の
場合には、ノズル孔から溶湯が出難くなるなどの製造上
の困難が生じやすくなる。なお、線径については、凝固
状態での金属細線の断面の最小径、最大径を測定し、そ
の平均値を求めて線径とした。
【0009】本発明のTi−Ni系金属細線において
は、凝固状態での線径斑は4%以下であることが必要で
あり、好ましくは3%以下、さらに好ましくは、2%以
下である。凝固状態での線径斑が4%を越える場合に
は、伸線加工時に細線内部に加工硬化斑が生じ、減面率
20%以下の加工において線材が切断する。線径斑につ
いては、長さ方向に100点以上の、凝固状態における
線径を測定し、線径の標準偏差を平均線径で割った値を
100倍したものを線径斑とした。
は、凝固状態での線径斑は4%以下であることが必要で
あり、好ましくは3%以下、さらに好ましくは、2%以
下である。凝固状態での線径斑が4%を越える場合に
は、伸線加工時に細線内部に加工硬化斑が生じ、減面率
20%以下の加工において線材が切断する。線径斑につ
いては、長さ方向に100点以上の、凝固状態における
線径を測定し、線径の標準偏差を平均線径で割った値を
100倍したものを線径斑とした。
【0010】本発明のNi−Ti系金属細線の製造に際
しては、回転液中紡糸法を用いることが望まれる。この
回転液中紡糸法は、回転ドラム中に冷却液を供給し、遠
心力でドラムの内壁に冷却液層を形成させ、その冷却液
層中に溶融した合金を紡糸ノズルから噴出させて急冷凝
固させるものである。連続した金属細線を得るには、回
転ドラムの周速度を溶融金属流の速度比を0.85〜
1.15とすること、また、紡糸ノズルより噴出される
溶融金属流とドラム内壁に形成された冷却液層とのなす
角度を20゜〜70゜にすることが好ましい。
しては、回転液中紡糸法を用いることが望まれる。この
回転液中紡糸法は、回転ドラム中に冷却液を供給し、遠
心力でドラムの内壁に冷却液層を形成させ、その冷却液
層中に溶融した合金を紡糸ノズルから噴出させて急冷凝
固させるものである。連続した金属細線を得るには、回
転ドラムの周速度を溶融金属流の速度比を0.85〜
1.15とすること、また、紡糸ノズルより噴出される
溶融金属流とドラム内壁に形成された冷却液層とのなす
角度を20゜〜70゜にすることが好ましい。
【0011】本発明に用いられるノズルとしては、溶湯
との反応を避けるために、黒鉛、窒化珪素、窒化硼素な
どの非酸化物系の材料のノズルを用いることが好まし
く、中でも、黒鉛ノズルを用いることが好ましい。ノズ
ルの孔径は、所望の線径が作製できる範囲であれば、い
かなる孔径であってもよい。また、ノズル先端と冷却液
層との距離としては、1〜10mm程度が好ましく、さ
らに1〜6mmであることがより好ましく、一層好まし
くは、1〜4mmである。また、このノズル先端と冷却
液層との間を不活性ガスで満たしてやることは、溶融金
属の安定な噴出と反応性の抑制に対して効果的である。
との反応を避けるために、黒鉛、窒化珪素、窒化硼素な
どの非酸化物系の材料のノズルを用いることが好まし
く、中でも、黒鉛ノズルを用いることが好ましい。ノズ
ルの孔径は、所望の線径が作製できる範囲であれば、い
かなる孔径であってもよい。また、ノズル先端と冷却液
層との距離としては、1〜10mm程度が好ましく、さ
らに1〜6mmであることがより好ましく、一層好まし
くは、1〜4mmである。また、このノズル先端と冷却
液層との間を不活性ガスで満たしてやることは、溶融金
属の安定な噴出と反応性の抑制に対して効果的である。
【0012】本発明のTi−Ni系金属細線の製造に際
しては、溶融金属流との反応を避けるために、冷却液と
してオイルを用いることが望まれる。オイルの粘性とし
ては、金属溶湯流に与える衝撃を少なくするために、室
温付近で200cst以下であることが好ましく、さら
に好ましくは40cst以下である。オイル類として
は、例えば、シリコンオイル、ポリブテンオイル、エス
テルオイル、鉱物オイルなどがあげられるが、溶融金属
流との反応を抑えるという点では、シリコンオイルを用
いることが好ましい。シリコンオイルとしては、例え
ば、ポリジメチルシロキサン、テトラメチル・テトラフ
ェニル・トリシロキサンなどがあげられる。
しては、溶融金属流との反応を避けるために、冷却液と
してオイルを用いることが望まれる。オイルの粘性とし
ては、金属溶湯流に与える衝撃を少なくするために、室
温付近で200cst以下であることが好ましく、さら
に好ましくは40cst以下である。オイル類として
は、例えば、シリコンオイル、ポリブテンオイル、エス
テルオイル、鉱物オイルなどがあげられるが、溶融金属
流との反応を抑えるという点では、シリコンオイルを用
いることが好ましい。シリコンオイルとしては、例え
ば、ポリジメチルシロキサン、テトラメチル・テトラフ
ェニル・トリシロキサンなどがあげられる。
【0013】本発明のTi−Ni系金属細線を伸線する
には、アプローチ角が7〜13度、減面率が3〜15%
のダイスを用いて室温付近で加工を行うことができる。
本発明のTi−Ni系金属細線は、全減面率40〜50
%まで、焼鈍なしで伸線することが可能であり、例え
ば、線径が100μm程度の線材を80μm程度の線径
に伸線を行う際には中間焼鈍なしでも伸線が可能であ
る。また、50μm以下の極細線に伸線する場合にも、
1〜2回の中間焼鈍で伸線が可能であり、通常の方法に
比べれば、非常に工程数が少なく、大幅なコストの低下
が期待できる。また、伸線加工を施すことにより、超弾
性特性あるいは形状記憶特性は一旦失われるが、適宜熱
処理を施すことにより、優れた超弾性特性あるいは形状
記憶特性を得ることができる。熱処理としては、伸線後
に300℃〜700℃の温度で5〜30分間施せばよ
い。
には、アプローチ角が7〜13度、減面率が3〜15%
のダイスを用いて室温付近で加工を行うことができる。
本発明のTi−Ni系金属細線は、全減面率40〜50
%まで、焼鈍なしで伸線することが可能であり、例え
ば、線径が100μm程度の線材を80μm程度の線径
に伸線を行う際には中間焼鈍なしでも伸線が可能であ
る。また、50μm以下の極細線に伸線する場合にも、
1〜2回の中間焼鈍で伸線が可能であり、通常の方法に
比べれば、非常に工程数が少なく、大幅なコストの低下
が期待できる。また、伸線加工を施すことにより、超弾
性特性あるいは形状記憶特性は一旦失われるが、適宜熱
処理を施すことにより、優れた超弾性特性あるいは形状
記憶特性を得ることができる。熱処理としては、伸線後
に300℃〜700℃の温度で5〜30分間施せばよ
い。
【0014】
【実施例】以下、本発明を実施例及び比較例によって具
体的に説明する。 実施例1〜20、比較例1〜10 表1及び表2に示した合金組成の母合金を、孔径の異な
るノズルより噴出させてTi−Ni系金属細線を作製し
た。母合金は、純Tiと純Niとをアーク溶解炉で溶解
させて作製し、この母合金を黒鉛ノズル中にてアルゴン
雰囲気下で溶融した後、この溶融金属を、290〜39
0rpmで回転している内径500mmφの円筒ドラム
内に形成された、温度10℃、深さ25mmのシリコン
オイル〔竹本油脂社製、ポリジメチルシロキサン、粘性
10cst(20℃)〕中に、アルゴン噴出圧5.5k
g/cm2 で噴出させて、円形断面を有するTi−Ni
金属細線を作製した。
体的に説明する。 実施例1〜20、比較例1〜10 表1及び表2に示した合金組成の母合金を、孔径の異な
るノズルより噴出させてTi−Ni系金属細線を作製し
た。母合金は、純Tiと純Niとをアーク溶解炉で溶解
させて作製し、この母合金を黒鉛ノズル中にてアルゴン
雰囲気下で溶融した後、この溶融金属を、290〜39
0rpmで回転している内径500mmφの円筒ドラム
内に形成された、温度10℃、深さ25mmのシリコン
オイル〔竹本油脂社製、ポリジメチルシロキサン、粘性
10cst(20℃)〕中に、アルゴン噴出圧5.5k
g/cm2 で噴出させて、円形断面を有するTi−Ni
金属細線を作製した。
【0015】このとき、紡糸ノズルの先端と冷却液面と
の距離は3mmであり、ノズルの先端と冷却液面との間
をアルゴンガスで満たした。また、紡糸ノズルより噴出
された溶融金属流とその回転冷却液面とのなす角は48
度であった。得られた金属細線の線径は、同一断面の最
小径と最大径とを測定し、その平均値を求めて線径とし
た。また、線径斑の測定は、レーザー線径測定器(アン
リツ社製、M550A)により、ポイント数1000、
測定試料長さ8cm、糸速4cm/minの条件で行っ
て測定した(長さ方向に10点)。さらに、真円度は、
同一断面の最小径と最大径の比を百分率で求めた。すな
わち、(最小径/最大径)×100(%)の値を真円度
とした。また、伸線加工性については、減面率10%の
ダイヤモンドダイスを複数枚用いて、長さ100mの線
材を減面率40%まで室温において伸線を行い、切断の
発生する頻度によって評価した。この評価を、切断回数
が0回のときを◎、1〜2回のときを○、10回以上の
ときを×で示した。その結果を表1及び表2に示す。
の距離は3mmであり、ノズルの先端と冷却液面との間
をアルゴンガスで満たした。また、紡糸ノズルより噴出
された溶融金属流とその回転冷却液面とのなす角は48
度であった。得られた金属細線の線径は、同一断面の最
小径と最大径とを測定し、その平均値を求めて線径とし
た。また、線径斑の測定は、レーザー線径測定器(アン
リツ社製、M550A)により、ポイント数1000、
測定試料長さ8cm、糸速4cm/minの条件で行っ
て測定した(長さ方向に10点)。さらに、真円度は、
同一断面の最小径と最大径の比を百分率で求めた。すな
わち、(最小径/最大径)×100(%)の値を真円度
とした。また、伸線加工性については、減面率10%の
ダイヤモンドダイスを複数枚用いて、長さ100mの線
材を減面率40%まで室温において伸線を行い、切断の
発生する頻度によって評価した。この評価を、切断回数
が0回のときを◎、1〜2回のときを○、10回以上の
ときを×で示した。その結果を表1及び表2に示す。
【0016】
【表1】
【0017】
【表2】
【0018】表1及び表2より明らかなように、実施例
1〜20は減面率40%までほとんど切断せずに冷間伸
線が可能であった。一方、比較例1〜10は、線径及び
線径斑が本発明の範囲を越えていたために、非常に頻繁
に切断が発生し、伸線することができなかった。
1〜20は減面率40%までほとんど切断せずに冷間伸
線が可能であった。一方、比較例1〜10は、線径及び
線径斑が本発明の範囲を越えていたために、非常に頻繁
に切断が発生し、伸線することができなかった。
【0019】
【発明の効果】本発明のTi−Ni系金属細線は、超弾
性特性又は形状記憶特性を示し、伸線加工性にも優れて
いるので、アクチュエータや衣料用補強材料など、工業
上さまざまな用途に広く適用することができる。
性特性又は形状記憶特性を示し、伸線加工性にも優れて
いるので、アクチュエータや衣料用補強材料など、工業
上さまざまな用途に広く適用することができる。
Claims (1)
- 【請求項1】 Ti−Ni系の合金組成からなり、凝固
状態での線径が120μm以下であり、かつ線径斑が4
%以下であることを特徴とするTi−Ni系金属細線。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15095194A JPH0813068A (ja) | 1994-07-01 | 1994-07-01 | Ti−Ni系金属細線 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15095194A JPH0813068A (ja) | 1994-07-01 | 1994-07-01 | Ti−Ni系金属細線 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0813068A true JPH0813068A (ja) | 1996-01-16 |
Family
ID=15507996
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP15095194A Pending JPH0813068A (ja) | 1994-07-01 | 1994-07-01 | Ti−Ni系金属細線 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0813068A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1516936A1 (en) * | 2002-06-04 | 2005-03-23 | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology | Extremely fine shape memory alloy wire, composite material thereof and process for producing the same |
WO2007018189A1 (ja) * | 2005-08-10 | 2007-02-15 | National University Corporation Tokyo Medical And Dental University | チタンニッケル合金、チタンニッケル合金の表面改質方法および生体親和材 |
-
1994
- 1994-07-01 JP JP15095194A patent/JPH0813068A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1516936A1 (en) * | 2002-06-04 | 2005-03-23 | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology | Extremely fine shape memory alloy wire, composite material thereof and process for producing the same |
EP1516936A4 (en) * | 2002-06-04 | 2005-08-31 | Nat Inst Of Advanced Ind Scien | EXTREMELY NARROW YARN OF SHAPE MEMORY ALLOY, COMPOSITE MATERIAL FOR THE PRODUCTION THEREOF AND PROCESS FOR PRODUCING THE SAME |
WO2007018189A1 (ja) * | 2005-08-10 | 2007-02-15 | National University Corporation Tokyo Medical And Dental University | チタンニッケル合金、チタンニッケル合金の表面改質方法および生体親和材 |
JPWO2007018189A1 (ja) * | 2005-08-10 | 2009-02-19 | 国立大学法人 東京医科歯科大学 | チタンニッケル合金、チタンニッケル合金の表面改質方法および生体親和材 |
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