JP2593877B2 - 炭化物析出硬化型Co基合金溶接線及びその製造方法 - Google Patents

炭化物析出硬化型Co基合金溶接線及びその製造方法

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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、自動溶接機に使用可能な炭化物析出硬化
型Co基合金溶接線及びその製造方法に関するものであ
る。
〔従来の技術及びその問題点〕
溶接法には、手溶接と自動溶接機を使用する自動溶接
とがあるが、手溶接は溶接速度が遅く、肉盛量が安定せ
ず、溶接用材料の使用量が多くなるという欠点があるの
で、近年では自動溶接が広く普及している。
ところで、従来、炭化物析出硬化型Co基合金の溶接用
材料のうち、自動溶接機に使用可能なものとしては細径
長尺の線材と粉末状のものとがあるが、粉末状の溶接用
材料を使用する自動溶接機はあまり普及していないと共
に、粉末状の溶接用材料は溶接の際に、粉末が溶解せず
に、そのまま溶接部に堆積して溶接不良を起こすことが
ある。
一方、炭化物析出硬化型Co基合金は難加工性であり、
伸線加工が困難であるから、従来、細径長尺の線材は次
のような方法で製造されている。
その第一の方法としては、0.8φ〜2.0φの細径短尺の
鋳造線を溶接でつぎたして長尺化する方法があるが、こ
の方法で製造したものは、リールに整列巻きする際に線
材の溶接部で折れ易く、また、溶接部の継ぎ目が正確に
合わずに太くなっていることがあり、自動溶接機のノズ
ル部でつまり易いという問題がある。
また、第二の方法として、Co基合金を高Ni組成(10%
程度)にして加工性を向上させ、伸線により細径長尺化
する方法もあるが、高Ni組成にすると耐食性が劣化する
という問題がある。
また、第三の方法として、Co基合金をCoテープで包
み、トータルの成分組成が目的の成分組成になるように
調整して細径長尺化する方法があるが、この方法で製造
したものは、溶接の際に、プラズマで溶解し、ガスで飛
ばして被溶接部に堆積させると、粉末がそのまま溶解せ
ずに堆積して溶接部に不良をきたすという問題がある。
以上のように、炭化物析出硬化型Co基合金の従来の細
径長尺線材には、自動溶接機用として種々の問題点があ
る。
ここで、自動溶接機用の炭化物析出硬化型Co基合金の
細径長尺線材に要求させる特性を列挙すると次のとおり
である。
安定した溶接が得られるように、直径が均一である
こと。
作業性がよいように、直径数10cm程度のリールに巻
き付けが可能であること。
耐食性が劣化しないように、低Ni組成(3%程度)
であること。
溶接部の不良がないように、粉末を含まないこと。
このように、自動溶接機に使用される溶接用線材とし
ては種々の特性が要求されるにも拘らず、上記従来の線
材にはこれらの特性を満足するものはなかった。
そこで、この発明は、上記の要求特性を満足する炭化
物析出硬化型Co基合金溶接線とその製造方法を提供しよ
うとするものである。
〔問題点を解決するための手段〕
この発明に係る炭化物析出硬化型Co基合金溶接線は、
全長に亘って炭化物が球状に均一に分散すると共に、そ
の径及び組織が全長に亘って均一であり、引張強度が90
〜160kg/mm2であって、下記の成分組成から成るもので
ある。
このような線を得るためには、 (1) 全長にわたって均一な線径にするため伸線加工
による仕上げをする。
(2) 数10cmのリールに巻き付けられるようにするた
めには高靭性が必要でそのために炭化物を球状化する。
ことが必要である。
しかし、従来の技術では、 (1) 炭化物が粗大化し、 (2) しかもそれが連なっているため、 熱間においても炭化物のところから割れが発生し、加工
はできなかった。
我々は鋭意研究の結果、次に示す条件の組合せにより
溶接線の要求を満たす特性の線を得ることが可能なこと
を見いだした。
これらの条件は次の3点である。
(a) 加工前の素形材を102℃/sec以上の冷却速度で
凝固させて炭化物の大きさが3μm以下で存在するもの
を作る。
(b) その素形材を1000℃以上融点以下で熱処理し、
素形材で連続していた炭化物を寸断する(細い部分を固
溶する。)。
(c) 900℃以上融点以下で引張応力のできるだけ小
さい鋳造を行いCoマトリックスの変形を行い、炭化物の
形状を球状化する。
この後、目的の線径まで熱間または冷間で加工し、さ
らに1000℃以上の熱処理で90〜160kg/mm2に強度を調整
する。
(a) 加工前の素形材の製造法。
まず炭化物を均一微細にすることが加工性を向上させ
るのに必要なのは周知の事実であるが、一般的には加工
前の素形材を急冷凝固し均一微細化することが考えられ
る。
しかし、本合金においては急冷凝固しても、一般の鋳
造では樹枝状に連続した形状に炭化物が析出する。この
場合熱間加工しても炭化物のところで割れが生じる。
また、溶湯をガスもしくは回転円板等で噴霧化し、粒
子を未凝固状態で堆積させ、堆積後凝固させる急冷凝固
法もあるが、この方法では結晶粒の周囲をおおうように
炭化物が連続して析出しているため、前法同様、熱間加
工したとき炭化物のところで割れが生ずる。
このように急冷し、炭化物を微細化するだけでは加工
はできない。なお、最終製品として靭性を持つためには
炭化物の大きさが10μ以下に球状化させる必要がある。
このように炭化物を後の熱処理が加工で球状化するに
は、素形材の製造条件としてまず102℃/sec以上にして
おき、炭化物の析出形態として3μ以下のものを作って
おく必要があることを見いだした。
(b) 熱処理 炭化物は高温にすることにより、球状化し、安定化す
る。そしてこの炭化物の形状変化は太い部分が安定し、
細い部分が切れて太い部分に吸収されていく。
加工後、10μm以下に炭化物をするためには、まず加
工が可能な様に炭化物を寸断する必要がある。この時、
最終的に十分な靭性を得るために炭化物は10μm以下に
する必要があることを見出したが、このためには、102
℃/sec以上の冷却速度で得た素形材を1000℃以上で炭化
物を寸断しなければならないことを見いだした。1000℃
以下での熱処理では、寸断されるところが少なく最終的
に大きな炭化物となってしまう。
(c) 熱間加工法 熱間加工により、Coマトリックスを変形させ、これに
より炭化物を安定した形状の球状化させる。この時の球
状化変化物の大きさは熱処理によって得られた寸断され
た炭化物の大きさである。
この加工法は、炭化物がまだ球状化されていないた
め、熱間伸線、熱間圧延では加工不可能であった。
我々はここで最も引張応力のかかりにくい加工法とし
て熱間鍛造により加工が可能であることを見いだした。
〔作用〕
この発明に係る炭化物析出硬化型Co基合金溶接線は、
炭化物が球状に均一に分散するので、折れにくく、リー
ルへの巻き付け、吹き出しを繰り返し行うことができ
る。
また、全長に亘って均一な径、組織になっているので
自動溶接機内でつまったり、折れたりせず、これによっ
て溶接作業が中断しなくなくなり、溶接速度が速く、品
質も向上する。
また、引張強度が90〜160kg/mm2であるので、直径数1
0cm程度のリールへの整列巻きが可能となる。これは引
張強度が90kg/mm2以下であると線くせが悪く、一方160k
g/cm2以上であると、硬くて巻けないからである。
さらに、成分組成のうち、Cr、W、Cは炭化物として
析出硬化し、上記限定量以下ではその効果が小さくな
り、限定量以上では硬すぎて靭性が劣化する。また、F
e、Niは一般にCo中の不純物として含有し、限定量以上
では耐食性が劣化する。またCoはマトリックス成分であ
り、この成分によって耐熱強度及び硬度が高くなる。
なお、成分組成中には、不可避的な不純物も含まれて
いる。
〔実施例〕
以下、この発明に係る炭化物析出硬化型Co基合金溶接
線の製造方法を工程ごとに説明する。
まず、上記成分組成から成る100℃/sec以上の冷却速
度で凝固させたインゴット状の素形材を製造する。この
素形材を製造する方法としては、溶湯を銅鋳型に鋳込む
方法、溶湯をガスで噴霧して積もらせる方法で行った。
この時、銅鋳型で5mm以上の肉圧、ガスアトマイズで500
μm以上の粒子では100℃/sec以上は得られず、従って
大きな炭化物となった。この際、素形材中の炭化物は細
い形態で析出して連なっていてもよい。
次に、上記素形材を1000℃以上融点以下の温度に加熱
し、炭化物を寸断した。この熱処理の結果を下に示す。
この後、融点以下900℃以上の温度で加工率10%以上
の熱間鍛造をし、Coマトリックスを変形させ、炭化物を
球状化した。熱間伸線、熱間圧延では割れた。なお、こ
の際、上表中、×、△のものは割れが発生し、○のもの
は熱間鍛造(減面率60%)が可能であった。
次いで、熱間、冷間加工の一方もしくは両方を繰り返
して細径長尺化した。900℃以上で減面率8〜10℃にて
熱間スウェージしたり、あるいは1000℃以上で厚さ1mm
に対して5分以上の熱処理を行なった後、減面率5〜10
%で冷間スウェージ及び冷間伸線を行なった。
この後、上記のようにして製造して細径長尺線を90〜
160kg/mm2の引張強度になるところまで30cmのリールに
巻いた。例えば、この作業は伸線材を焼鈍し、焼鈍時に
張力をかけながらリールに巻いたり、あるいは伸線材を
焼鈍した後、スキンパスしてリールに巻くと、良好に行
なえるが、焼鈍材そのままリールに巻くと、硬くて折れ
たり、又ゆるんだりする。
〔発明の効果〕
この発明に係る炭化物析出硬化型Co基合金溶接線は、
以上のように、伸線加工によって得られ、全長に亘って
炭化物が球状に均一に分散するので、折れにくく、全長
に亘って均一な径、組織になっているので、自動溶接機
内でつまったり、折れたりせず、安定な溶接部が得ら
れ、さらに、引張強度が90〜160kg/mm2であるので、リ
ールへの整列巻きが可能であり、また、低Ni組成である
ので、耐食性が良好であるなど、自動溶接機用の溶接線
として優れた特徴を有する。
また、この発明の製造方法によれば、上記のように優
れた炭化物析出硬化Co基合金溶接線を伸線加工によって
歩留りよく製造できるという効果がある。

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】Ni組成比が3%未満の炭化物析出硬化型Co
    基合金の溶湯を102℃/sec以上の冷却速度で凝固させて
    素形材を製造し、この素形材を1000℃以上融点以下の温
    度に加熱し、その後900℃以上融点以下で熱間加工を
    し、さらにその後、熱間又は冷間での加工と1000℃以上
    での焼鈍を繰り返し、90〜160kg/mm2に引張強度がなる
    ように調整することを特徴とする直径に対し長さが1000
    倍以上で炭化物が均一で球状化している炭化物析出硬化
    型Co基合金溶接線の製造方法。
  2. 【請求項2】102℃/sec以上の冷却速度で凝固させる方
    法として、銅鋳型を用い、幅を5mm以下の板状に溶湯を
    鋳込むことを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の炭
    化物析出硬化型Co基合金溶接の製造方法。
  3. 【請求項3】102℃/sec以上の冷却速度を得る方法とし
    て、るつぼ中で溶解した溶湯をAr、N2、He等不活性ガス
    チャンバ内へ落下させAr、N2、He等のガスでその落下す
    る溶湯流を噴霧し、500μm以下の粒子としてその粒子
    が凝固する前にコレクターに堆積させ逐次凝固させるこ
    とを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の炭化物析出
    硬化型Co基合金溶接線の製造方法。
  4. 【請求項4】102℃/sec以上の冷却速度を得る方法とし
    て、るつぼ中で溶解した溶湯をAr、N2、He等不活性ガス
    チャンバ内の回転円板上に落下させその円板の遠心力で
    噴霧し、500μm以下の粒子としてその粒子が凝固する
    前にコレクターに堆積させ逐次凝固させることを特徴と
    する特許請求の範囲第1項記載の炭化物析出硬化型Co基
    合金溶接線の製造方法。
  5. 【請求項5】900℃以上融点以下で加工する方法として
    熱間鍛造を利用することを特徴とする特許請求の範囲第
    1項記載の炭化物析出硬化型Co基合金溶接線の製造方
    法。
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